今回はこの間日本に仕事で来た中国オタクの人との話で出てきたネタの紹介を。もっとも、ちゃんと裏付けのあるネタでは無いので話半分かそれ以下くらいに見て下さい。

近年の中国では国産コンテンツの中心として
「ネット小説」
が非常に重要な存在となっており、文字数ベースの課金システムや様々なメディアでの商業展開などから、中国国内のクリエイターが飯を食っていこうとしたり夢を見たりすることのできるジャンルとなっています。

しかし最近の中国のネットを見ると、国産系コンテンツではネット小説の元気が無くなり、逆にweb漫画やイラストが盛り上がるようになってきています。

これまでの中国のコンテンツの発展や人気の傾向を見ていくと
「見る方も作る方も安いコストのコンテンツ」「大量に高速に消費していく」
という方向で進んでいたのですが、ネット小説からweb漫画への流れは、作る手間や読み応えなど、明らかに逆の流れになっています。

この辺りに関して話を聞いてみた所、
いわゆるネタ切れ以外で考えられる理由として以下のものが返ってきました。

・中国のネット環境が変化している。昔はBBSなどが活発だったが、今はweiboやweixinなどの短文メッセージでのやり取りが主流になってきている。ネット小説はそういった場所では紹介し難く話題にし難い

・若い世代が長文を読まなく、或いは読めなくなってきている。今の中国のネットは昔のように「国産の中国人向けコンテンツで見応えがあるのがネット小説だけ」といった状態ではないので、ネット小説の「消費量」が減っている可能性も考えられる

・スマホベースの環境に移って、画像や動画のやり取りがスムーズになった。以前から中国では日本に比べて大画面のスマホが好まれていたので画像や動画をスマホで見るスタイルもあっさり定着した


更にそれに加えて「結構大きいかもしれない」とされたのが

・中国のネットにおけるワード検閲精度の大幅な向上。画像や動画の検閲精度はまだ相対的に「緩い」のでそちらの方に人気が集まることになっている……のかもしれない

というものでした。これは確かにちょっと納得したくなってしまう指摘ですね。
中国のネット小説サイトは運営側がかなりきっちり「忖度して自主規制」をやってきますし、それに加えて「中国のネットに標準装備の規制」というのもあります。
そしてこの間の党大会の時にも感じましたが、中国のネットの規制は一昔前に比べて更に厳しくなっているというか精度が上がっているような印象も受けます。

この話を教えてくれた方も
「思いつきだから、実際どうだかは分かりませんからねー」
と言ってましたし実際にどうかは分かりませんが、一時期はとんでもない勢いだった中国のネット小説に最近は元気の無い所があるのは確かなようですし、ネット検閲の強化で作品を書き難くなっている所はあるのかもしれません。


それにしても今後中国のネット小説ではどうなっていくのでしょうかね。
日本のコンテンツは様々な規制を受けながら新ジャンルの勃興や表現手法の変化や発展などが起こっていましたが、そういったことが起こり得るのか。

これまでの中国のコンテンツは規制が入ったら資本も人も撤退、ガイドライン的なモノもハッキリしない上に交渉の余地も無いので、規制の範囲内で危ない橋を渡るのは諦めて別の所に行く……といったことが多く、それが
「中国では国産コンテンツが育たない」
ということにつながっているという話もありました。

しかしネット小説は既に十分以上に「育った」状態と見ることもできますし、規模的にすぐに消えるとも思えません。
中国のネット小説は仙侠系や玄幻系といった中国独自のファンタジー系ジャンルを構築しながら発展してきましたし、様々なメディアに展開されるコンテンツの核になったりするなど、商業的な価値もありますから、何かしらまた面白い事が出て来たりしないかなーとも考えてしまいますね。


ちなみにこの辺りの規制の流れに関して、中国では
「表現の規制=政府に怒られて何も出来なくなる=諦めて放棄」
といったような認識があるらしく、逆に「表現の自由」に関する認識や空気の読み方も日本とはかなり違う所があるそうです。

日本に進出したコンテンツに関しても、大雑把な言い方をすれば

日本は表現の自由がある≧何やっても良い≧政府に怒られないなら大丈夫≧ジャンルや業界の自主規制?何それ?

みたいなことになっている節も見受けられるとかなんとか……
そんな訳で日本に進出してきた中国系のコンテンツに関しては、時折危なっかしく思える所も見え隠れしている模様です。

日本と中国では社会的な背景が違う上に規制の方向性や対応、ペナルティが異なるので難しい話ではありますが、そういった辺りの感覚や表現を磨くスキルも育ってくれたらなー……と個人的に思ってしまったりも。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

11/13修正:誤字脱字の修正と追記を行いました。ご指摘ありがとうございます