あまり余裕が無いので今回は書きためておいたネタでお茶を濁そうかと。

中国では過去に山岡荘八の徳川家康が人気になるなど、日本の戦国時代ネタは中国オタク界隈以外の場所でもたまに話題になったりしていますし、中国オタク界隈では更に深いというか、アニメや漫画、更にはコーエーのゲームや「戦国BASARA」などの影響により日本の戦国時代ネタに関してもそれなり以上に通じるような所があります。

また戦国時代ネタに関してはゲームなどを通じてビジュアル面の情報が入り、それが日本の戦国時代ネタを調べるきっかけになることもあるのだとか。

中国のソッチ系のサイトではそんな日本の戦国時代ネタで
「日本の戦国武将の兜の形がトンデモナイ」
といったことに関するやり取りが行われていましたので、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


日本の戦国武将の兜の形がトンデモすぎる。なぜあんなことになってしまったんだ。

日本の戦国系ゲームやっていると目に入り、冷静に考えると気になってくる部分だな。

さすがに二次元の誇張だろ。

そう言いたくなるのも分かるが、これに関してだけは元ネタがハッキリしているんだよ……
有名武将のは現存する装備ベースのものが多い。誇張するにしても大小やバランスくらいで基本的なデザインは史実ベース。

え、ホントにあるの……?
伊達政宗の三日月のアレとか、明らかに戦い難いだろ……

「仁王」で見た立花宗茂くらいの兜だったら何とかなりそう。カッコイイとは思わんが。

美的感覚が日本の戦国時代と今の俺達では異なるとしか言えん。あれがカッコイイとかスゴイとか思われていたんだろう。
歴史上のデザインがああなんだからしょうがない。立花宗茂のも伊達政宗のも実在するデザインだ。

ああいうのって儀礼用や飾る美術品的なモノで、実戦で使うものじゃないだろ。

使うとしても儀式だろうね。
本気の戦争にあんな格好で行くわけがない。

儀礼用のもあったろうけど、普通に実戦で使われていたとされるものが普通にスゴイ形になっているし、ああいう兜で戦っていたのは確かなようだ。

身体を大きく見せるため、威圧するためにああいう形になったのでは?
胴体や手足の部分は別に不合理な構造ではないし。

ヨーロッパの兜もヘンな形になっているけど、日本の兜の上部構造はまたヘンな進化をしているよね。

頑丈さよりも、カッコ良さを重視したということだろうか。

当時の武将が崇めていたシンボルをつけたとも考えていたが……それだけでは説明できないか。牛とかならともかく、海産物とかヘンなのもある。

牛の角だけでなく鹿の角バージョンもかなりあったね。
日本の兜と比べると、中国の兜はとても実用優先に見えるよ。

愛の戦士直江兼続が兜で愛をアピールだ!

愛の兜か。あれが本当に実在するというのがまず驚きだ。何かしらの文化を宣伝するためのアイテムなのだろうか?

あの愛の兜はコーエーがネタで作ったもんだと思っていたよ。

俺は「花の慶次」で既に見ていたから北斗の拳の作者のネタを拾ったのかと思ったな。

私が一番ヒドイと思ったのはフライ返しみたいなヤツ。

黒田長政の兜か。黒田長政のもう一つのツノが長いのはわりとカッコイイんだがなあ……
黒田家は黒田如水のお椀とか、他にもツノ長過ぎだったりとかでトンデモな兜が多いように思える。

直江兼続の愛は愛染明王の愛で宗教的なものとも言われている。少なくとも愛情の方ではないらしい。
他にもキリスト教の武将が十字架付きの兜だったり、森蘭丸の兜が「南無阿弥陀仏」の文言がついていたりと、宗教的なアピールが混じっているものもあるね。

今残っている兜って大名のだろ?
なら戦場であんな兜をかぶって突撃したなんてことはないし、装備できれば良いくらいだったんだろう。

後ろで指揮を執るだけならヘンな兜でも良いし、権力アピールとしての面もありそう。

あれはネタだよ、ネタ。
一般の武士はマトモな兜だし、足軽とかの雑兵は笠をかぶっているだけだったりする。

武士の中でも貴族的な階級の武将がああいったトンデモな装備をしていたんだよ。
足軽は金属製の笠をかぶって兜にしていたし、貧乏なので鎧も無いようなのもいた。本当の戦場での装備は実用的なものになるからあんな装備で戦っていたわけでは無い。
あれはウチの国の武官が上奏しに行く時に着る儀礼用の装飾的装備と似たようなもんだ。

足軽とかの歩兵ではなく騎馬の武将が装備していたりするものではあるけど、日本はあの手の飾り付き兜を装備をした武将が普通に前線で戦っているぞ。
あと大名に成り上がるのが戦国時代だから、江戸時代の統治者としての大名やその装備とはまたちょっと違う。

前線にいる時と地位が上がって後ろにいる時では装備も違うだろうけどね。
徳川家康も桶狭間で今川家の下にいた時代は丸い実用的な形の兜だった。

明智光秀なんかウサミミだぞ。
前線指揮官で、間違いなく大名クラスなのにウサミミ!

確か上杉謙信もウサミミ兜があったな。鹿や牛ほどではないがウサミミモチーフはわりと多いらしく、ウサギの敏捷さにあやかりたいとかいうものだったらしい。
この手の何かにあやかるようなのは、他にもエビだとかカニだとかナマズだとか海産物シリーズがある。

石田三成のU字で毛のついたのも実在ベースだからなあ……

握り拳付きのとか、もう笑わせに来ているようにしか思えん。

あの派手な兜は身分の証明でもあるし名のある武将にとっては武勇の証明でもあり、敵を威圧するための物でもある。

日本の戦国時代は戦場におけるアピールのやり方、パフォーマンスが中国とは違うんだよ。中国の武官と同じカテゴリで考えると混乱する。
あの兜は目印だ。戦国時代は手柄首を検分するとか、戦争ごとに個人個人の評価が行われるからまず目立つ必要がある。

ウチの国みたいに兵と将軍とか兵と所属する家とかじゃないからね。かなり混沌とした戦場と評価基準。

ウチの国は徴兵されてるのと武官だからな。そもそも文官武官と分かれていたり、宮殿での装備と戦場での装備が違うし、戦場で自分を誇張して目立つ必要は無いし、目立っても明確な得があるわけではない。
日本はそもそも個人アピールをして戦場で活躍してとやらないといけないから、兜も極端になっていったんだろう。

日本では一騎打ちが行われていたんだよ。ウチの国だと三国演義でおこなわれていたようなのが。だから日本では三国演義が受け入れられて人気になった。
個人が名前を名乗って戦うし、派手な装備でのパフォーマンスもついてくるわけだね。

なるほど。ウチの国だと個人がああいう突出したら弓でやられて終わりだからね。

一応ウチの国の甲冑にも、旗ついてたりフサがついてたりするのはある。さすがに日本の兜のパーツみたいなレベルではないけど。

唐代の兜とか派手な造形のもあるんだけど、日本の兜と比べると地味に見えてしまうよね。ウチの国のも金が目立って色彩的には派手なのもあるけど、形はあまり極端なものにはならん。

日本の戦国時代の兜を見た後だとウチの国の甲冑が本当に実用重視に見えるよな。実際は儀礼的だったり、資料ベースの再現で誇張されたりな所も混じっているはずなのに。

でもある程度の地位になったらそんな目立つ必要もないんじゃないか?
狙われるリスクがあって、動きにくい兜をつける意味が分からん。

そうなったら今度は周囲へのアピール、威圧効果だろう。
銃が導入されてはいるけど、ライフルではないからまだ長距離狙撃を強く警戒するほどではないだろうし、兵の質も現代とは違うからトップが勇敢で強い、健在なことをアピールする方が重要な時代だろうしね。

上で出ている黒田の誰かが兜目立ちすぎて狙撃されたなんて話もあったはず。狙撃も普通に行われていただろうけどまだそこまでリスクが高いとは見做されていなかったんだろう。
それに西洋でも士官の制服が近代まで豪華だったわけだし、戦場の装いに対して華美さが求められていた結果が日本の戦国武将の兜なのでは。

華美か……カッコイイのもあるが、ヘンなのもあるんだが……

そこはもう文化や時代によるセンスの違いとしか。
目立つ兜は指揮官が奮戦している、逃げていない、死んでいないというのを伝える意味もあるんだろう。指揮官と一緒に戦い続けろと。

そういうのって旗でもいいんじゃないか?
日本の戦場でも統率者の旗はあるだろ。

旗はどこの誰が率いているかだけだし、兜装備して奮戦しているパフォーマンスよりは効果薄いんじゃないか。

旗も兜も使うぞ。
日本の戦国時代には自分の名前や家紋の旗を背負って戦うこともあった。

ああいった兜が実際に使われていたらしいのは分かった。
でも藤堂高虎のバランス悪くて空気抵抗凄そうな兜とか、どこで使ったのか気になる。藤堂高虎って主君を何度も変えたし戦場での活躍も多いはずなんだが……

日本の戦国時代の装備を見ていると、段々と派手なモノから実用的なものになっているのも分かるんだよ。当世具足と呼ばれる戦国時代に発展した装備は、胴体部分が鉄砲を意識したと思われる曲面装甲になっているのも出ている。
ただ、兜に関しては不思議なことにヘンなデザインのが増えてるんだよなあ……

頭だけはネタに走っても良いということか?

日本の資料によると今で言う所のIFF的な意図もあったらしい。日本の戦国時代は勢力が入り乱れていたから、敵味方の識別はかなり重要だったらしい。
それに加えて個人のアピールという面もあったからネタにしか見えないのが増えたんじゃないかなあ……

なるほど。あの愛の兜は直江兼続!とか、あのケモミミは明智光秀!みたいなことになるわけか。

でも結局最後は武将の好みだったんじゃないかな。これがカッコイイと思っていなければかぶって戦場に出れないだろう。



とまぁ、こんな感じで。
イロイロと混乱しているようでした。

この辺りに関しては日本の戦国時代の兜のネタに接した媒体や、関連知識の量や方向性が個人個人で異なるのもあってか、話が食い違う所も少なくないようです。
ただそんな中でも
「日本の兜のデザインはトンデモナイことになっている」
という認識だけは一致しているようですが。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。