ありがたいことにネタのタレコミと質問をいただきましたのでそれについてを。

中国では日本と比べてストーリー性の強い作品が求められているという話がありますが、近頃の中国オタク界隈ではそれに加えて登場人物、特に
「主人公の成長」
的なものがよく話題になっているそうで、作品の批評についても
「この主人公は成長していない」
といった批判が昔よりも頻繁に出るようなことになっているのだとか。

中国のソッチ系のサイトでは
「キャラが成長していないという批判」
などに関するやり取りが行われていましたので、以下に例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


ウチの国のオタクはなぜ熱心に「キャラが成長していない」という批判をするのだろうか。
この批判自体は昔からあったけど、最近は特に多いような気がする。

「キャラが成長しない」という批判については、ホントどうなんだろうな
良いストーリー=キャラクターの成長ではないと思うんだが。

それだけウチの国の視聴者の感覚で目に付き易い、不満に感じる部分だとは思うが……

キャラクターが成長しないというのは、そのキャラが体験したことの意味が無いということでもあるから文句を言いたくなる人間が出るのも分からなくはない。
もちろん見当違いなジャンルや役割のキャラに「成長しない」と批判するのは除く。

日本のアニメ作品って長期の作品、特に作中の時間が長い作品というのが少ないから成長を描写するキャラも少ないんじゃないか。作品の構造的にウチの国の人間の要求と合わないとかでは。

短期間でも濃い体験をすれば成長して問題無いだろう。二次元のエピソードって濃いものばかりになるのだから。

巻き込まれた騒動の最中に必ず成長できるというのもヘンな話だと思うけどな。
失敗を次に活かせばという話もあるが、作品内でそういう機会があるとは限らないし。

作品内では次々と試練や矛盾が降りかかってくるわけだから、次の機会というのには事欠かないという見方になるのでは。
実際どうなのかはともかく、見ている方からすればできるキャラだと思ったらできなかった、その機会の時に頭が悪くなるという印象になり批判されるとか?

以前友達と成長しないキャラについて話したんだが、性格や能力の成長よりも、経験が反映されていない失敗が気分悪いという結論になったな。成長しないキャラじゃなくて、経験が活かされないキャラが嫌われるようにも思う。

でもアニメの中で主人公が遭遇する事件って大体初見じゃないか?
能力的に乗り越えられそうなものに引っかかったりすることはあるけど、同じ問題に繰り返しぶつかることはそんなに無いような。

人間関係だとそういうの多いぞ。特にラブコメハーレムの決断先延ばし。

日常系の平凡なキャラでも、友人関係や恋愛関係の変化など、成長するべき展開があるよね。

成長しないというか、悩んで動かない、決断できない主人公が嫌われているんじゃないか?

一昔の日本の作品はそういう成長しない、前進しない主人公ばかりだったのは確かだ。碇シンジ(作品内の環境や待遇も悪かったけどね)もとかが代表的か。でも最近はそうでもないと思うが。

作品のジャンルや話の構造によっては別に成長する必要は無いというか、最終的にきちんと話がまとまれば良いと思うんだけど。

巻き込まれ系、特にホラー系の作品とかは成長する必要なくて、脱出=収穫としても見ても良いはずなのに、二次元系アニメの場合はそこに成長を求められる傾向が強いような。

なんでだろうね。日本のアニメってキャラの年齢が低いからか?

良い成長描写は難しい。
キャラ設定や背景の大きな変化で成長にするのではなく、キャラクターが成熟するように描写するのは特にね。

成長しない主人公でも良いけど、制作側の力が更に試されるよな。

最近の作品は「話の規模が小さい作品」に良作が多いし、そこで成長を描くのは難しいのではないだろうか?

でも話の規模が大きくなると、説明描写が追い付かなくなるし、キャラも多くなり過ぎて逆に大変なことになるよな。目の前の問題の描写と解決に忙しくてキャラクターの成長まで手が回らなくなる。

いやキャラの成長に関して、話の規模が小さいのばかりというのはそんなに問題にはならんだろ。

大きな規模(或いは大きく見せる)ような話だと、主人公の行動と視聴者の希望のズレが大きくなってしまうし、制作側の都合が強く出てしまうことが少なくないという見方もできる。
例えば「甲鉄城のカバネリ」などは非常に大きな話にしておきながら、キャラの成長も話の展開もどんどん後退していった。

キャラの成長への要求については以前とは違う、視聴者側の知識や討論、作品知識による万能感が出てきているというのもあるのでは。
あそこはこうするべきだった、なぜこうしなかった、だからこいつは成長していない的なレッテルになったりする。

なんて言うか自分ならばどうする、自分に操作させろ!自分に選択させろ!みたいな反発もあるのかな。ある種の感情移入みたいなもので。

自分もだが、最適解を選べないというか「選ばない」のにイライラする人間は多い。

最近はそこに対してまた視点を変えた「愉悦」的なスタンスを標榜するのがいるのも興味深いね。

なんか自分の周囲を見ていると、ダメージ減らすために愉悦になってるのもいるように感じる。愉悦しとけば自分の感情は安全圏だからなのか。

成長しなくても収穫があるだけじゃダメなんですか。

日本のアニメって登場人物が大きく変わることは滅多にないと思うんだけど……

アメコミでも1シーズン内での大きな成長ってのはそんなに無いぞ。設定がガッツリ変るとかはあるけど。
作品の作り方によるものなのかもしれないけど、キャラクターの成長や経験が続かないってのは見ていてガッカリだよね。

結局、成長描写って最近の日本の1クール短編アニメだと厳しいってことなんじゃないの?

いや、長編でも変わらない。「ポケモン」でサトシがずっと勝てないどころか弱くなっているように見える、あまりにも「都合」でキャラが成長しないのも見ていて厳しいよ。

そう言えば最近は作品の批判に「都合」って言葉もよく使われるようになっているかも……

学園モノとかバトルモノとかの主人公或いは主要キャラに成長を望むのは自然なことだろうし、そこは何とかしてほしいね。
定番要素を繰り返す作品、「クレヨンしんちゃん」や「ちびまる子ちゃん」みたいなのは成長を必要としない作品だろうけど。

でもそういった作品でも劇場版とかになると成長が求められないか?
「ドラえもん」なんかはそれがハッキリしているし、ストーリー構成も劇場版限定ではあるが少年少女の成長ストーリーになっている。

ところで自分はまだ浅いんで分からないんだけど、「都合」って何?
中国語には無い言葉だと思うけど日本のオタク用語?

元は日本語。「御都合主義」とも言われる。
ストーリーの展開に関してわざとらしい、作者が話を進める上で不自然にやり易い展開にするとかを批判する時に使うことが多いかな。
主人公がピンチの時に、たまたま状況を打開できる必須アイテムを持っていたとか、対応できる能力に目覚めるとか、敵がそれに関する弱点や解決策を持っているとか。もちろん主人公にとってプラスになるものではなく、マイナスについても。

いわゆる「デウス・エクス・マキナ」的な展開の類型みたいなもんだね。
伏線がきちんとしていないとか、超展開なんかも制作側の「都合」となる。

「都合」の問題に関しては見せ方次第だろう。「コードギアス」なんかはまさにこの「都合」の連続だけど評価は高いし結局は総合的なバランス、キャラやストーリーの魅力次第だろう。
ただ「都合」や「キャラの成長」などこの手の問題が重なり過ぎると、視聴者はどんどんネガティブに、不快に受け止めるようになる。

成長しないっていうのは、成長した成果、爽快感を感じられないって意味じゃないかな。
例えばキラ・ヤマトなんかはツッコミ所はあっても成長はしたし、その成果を見せた。逆に鉄華団の連中なんかは成長した成果を見せることもなく迷走した挙句に全滅。
ストーリーの構造的にどっちも悪いわけじゃないけど、アニメ視聴者、ガンダムなどのロボアニメファンが求めているのが何かという問題があった。

私達は物語を見る際には登場人物やその行動による何らかの変化を期待しているんだと思う。それを分かり易く「成長」と言っている所もあると思う。
作品にもよるけど、一般的なアニメ作品で劇中のキャラクターが何も変わらない、変えられないというのは見ているものに意義が無い、無駄な時間を使ったと感じてしまうのではないだろうか。



とまぁ、こんな感じで。
作品を見ている際の引っ掛かり、ストレスを感じる部分についての感覚のようなものも出ていました。
逆に言えば「キャラの成長」的な部分で上手く盛り上げられれば、中国オタク界隈で評価されるキャラになるとは思うのですが。

また上のやり取りにもありますが、最近の中国オタク界隈における「キャラの成長」に対する厳しい評価は、現在の中国オタク界隈における視聴環境や作品に関する情報の伝達や蓄積の変化なども影響しているように思えますね。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


中国オタク「成長しない主人公の作品はダメだ、嫌いだって言う人がいるけど成長しない主人公ってどうなんだろう?」