ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

日本のコンテンツにはイロイロな日本社会のネタが出てきますが、そういった日本社会ネタが中国オタク界隈で話題になったり考察されたり、中国社会の状況と比較されたりといったこともちょくちょくあるようです。

中国のソッチ系のサイトではそういった方向の話題として
「日本のゆとり教育」
などに関するやり取りが行われていましたので、以下に例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


日本ではゆとり教育、ゆとり教育世代というのがあって、その世代が批判的に扱われているのを見るが、実際はどんなもんだったんだろう?

日本のゆとり教育って基本的には学生の負担を軽減するのと創造能力強化の方向での教育だっけ。
単純に勉強の要求水準が低くて楽だった、その結果学生の能力が低くなる教育方針だったという印象も受けるが。

批判としては、「結局勉強してないから基礎からダメ」といった所だったかな。
ゆとりで遊んでいただけだから能力が足りないとかいう感じで。

前提条件からちょっとハッキリしないんだが、ゆとり教育ってだいたいどの辺りの期間なんだ?

基本的には02年から10年頃までの教育を受けた世代で、ちょうどこの世代が成長して社会に出てくるので問題視されるようになってきているという話だ。

自分も作品経由のイメージがほとんどだが「ゆとり世代」ダメな世代扱いされているな。
実際の所はどうなんだろうなあ……

確か日本の文科省はゆとり教育の失敗を認めて方針転換して、今はゆとり教育は無くなっているはず。
公立と私立で学校の格差が広がり、公立の学校がどこも低レベルになってしまったと大問題になったとかで。

ゆとり教育というか、その辺りの詰め込み教育、受験のための教育からの転換はウチの国でもやってるからどうなんだろうなあ……

欧米でもこういった学生の負担軽減、ゆとり教育的なものへの批判はあるからね。

日本のその世代は基礎知識がガタガタだけど、創造能力方面は悪くないと聞いた覚えもあるが。

プレッシャーに弱くなるという話も聞く。すぐに仕事辞めるとか、すぐに自殺するとか。

でもウチの国もテストに失敗するとすぐに飛ぶからなあ……テストの時期とか飛び降りで学内の道通れなくするのマジで迷惑。

ゆとり教育って円周率が3.14ではなく3だというネタのアレだよな。
日本は一時期円周率は3で計算するくらい考えを停止する教育だったと。

日本のオタクも日本のコンテンツもどんどん劣化しているから、ゆとり世代の劣化は明らかだろう。
これについてはウチの国のキモオタ連中を見ると他人事ではないがね。

日本のゆとり教育世代?
普通の高校生が学校で恋愛したり、異世界にトリップして世界を救ったりできる程度の能力だよ!

そうか……異世界トリップや転生して知識コピペで内政や無双できる世代か……創造能力的にどうなのか判断に迷うな!

ウチの国も学生の負担を減らせ的な流れになってるけど、どうなんだろう?
私の実感としては新入生のレベルが毎年上がっているようにも思えるんだが。

ウチの国は単純に日本のゆとり教育とは比べられないわ。教育レベルの差が激しいから。

俺達の方は上に行くルートがまだ残っているから上昇志向が強い。
日本はもうチャンスが無いから勉強しなくても良いというのが出て、若い世代のレベルも下がるんだろう。

日本のゆとり教育って、階級の固定化につながったんじゃないかね。

中国だって上に行く手段や機会はどんどん少なくなっている。今後さらに階級が固定されるだろう。
現在だってコネもカネも特殊技能もない若い世代が仕事につけなくて困っているし、親の資産やコネが無い人間がどうやって暮らしていくか、親の老後をどうやって面倒見るのかという問題がどんどん露わになってきている。

それでもまだ日本よりは上に行くチャンスは多いぞ。
日本社会でやっていかなければならないゆとり教育世代は大変だろう。

今の若い世代って環境やツールが進歩しているから、基礎的にやれること、やれる範囲が広いんだよね。こっちがアップデートしないといけない所を最初から新バージョンでやっているから差が付く。経験の差もあるけどそこは時間で埋められるし。
ただ「資産」が無い上に新しい空席も無い時代になっているから生きていく上では厳しいだろうとも感じる。経験の差を埋める機会が与えられない。

運用次第だが、ゆとり教育もリソースの有効活用としては悪くないんじゃないかと思う。
ウチの国を見ても大学の研究職の椅子の数は限られているし、ほとんどの人間は会社に入って普通に働く。詰め込んで教育した物が活用されているかというと……

確かゆとり教育では優秀な人間は分からんが、普通レベルの人間の下限は下がったらしい。
理想としてはゆとり教育でできた時間を活用して創造能力を高めるとかだったんだろうけど、だいたいの学生は圧力無くなって時間を浪費したとか。

その程度であれば、私はそこまで問題ではないとも感じるが……日本の社会だとどんな感じで問題視されたのだろうか。
言っては何だが科学を発展させるのは少数の人間で、残りは割り切って社会の歯車になるのがベターだ。

でも進んで待遇の悪い歯車になりたいと考えるヤツもいないだろう。

そう言えば、俺の学校の先生は学生にはっぱかけるために、「大学に行けないならそれでもいいぞ。通学の時にも見かけるようなその辺を掃除する仕事はあるからな」とか言ってたな……

普通は自分が労働階級とか無産階級だったらゆとり教育じゃなくウチの国のような厳しい受験教育を望むだろう。少なくとも自分の所属する階級を脱出して上の階級に行く道筋につながるのだから。
逆に資産階級であればゆとり教育の方が良いとは思う。教育に使える使えるリソースが多ければ良い教育を最初から受けられるのだから。

そもそも日本の就職についての習慣がウチの国とは違うからね……日本は高校卒業ですぐに働く人間も多いし大学も本科で終わることが多くて、院に進むのは一部だ。
そして新人が就職してから職業に関連する技能を学ぶ形の就職も少なくない。

日本は高校卒業で就職しても差別がそれほどではない。少なくともウチの国ほどヒドイものではないから、教育リソースの活用や進学のコストの判断も違ってくるはずだ。

学生の負担軽減がさけばれるけど、こういうのって単純にやっても意味が無いだろうに。同時に教育のリソース分配を増やさないと。
日本の教育方面のニュースでは人材不足な話が多いし、予算と人材強化はどうなっていたんだろうか。

このゆとり教育によって日本では塾や予備校が儲かったらしいね。日本の学園モノのアニメや漫画にもその手のネタが出てくるくらいに。
ゆとり教育で学校での負担は減ったものの、大学に行きたい人間は学校以外で勉強するようになった。
そして中国もシステムは少々違うが、似たような方向に進みつつある……

ゆとり教育があったって、受験が消えるわけじゃないだろうにな。平均が下がっても、上位が下がるわけじゃないし競争が消えるわけでは無い。日本の大学受験もウチの国と比べて格段に楽ってわけじゃないだろう。

ゆとり教育は学校にいるうちは楽だろうけど、卒業したあとまで何とかしてくれるわけでもないからなあ

日本でも学校以外で勉強している学生は多いよ。
以前日本出張で2週間くらい泊まっていたホテルの近くに学習塾があって、こっちで言う所の「補習班」に通う学生がたくさんいたし、夜の9時を過ぎるくらいでようやく帰るような学生も多かった。

教育に関する経済格差は広がったんだろうね。ゆとり教育の利点を活かすには経済的な背景も必要と。
階級は固定になるだろうが、社会的な保障やシステムがしっかりしていれば下層階級でも反発は起きないのだろう。

中国も日本のゆとり教育的な路線になりつつあるみたいな認識の人もいるようだが、全く変わってないぞ。中国の学校では授業は午後6時過ぎまでやるしその後は9時10時まで夜自習だ。
日本の「予備校」みたいに補習班に行くような時間は無い。

ウチの国も祝日増やしている上に週末の授業時間とかも減ってるぞ。あと学校での自習の扱いも変化している。
日本よりも学校での補習や自習が重要になってはいるけど、学校外の補習班や家庭教師もあるから家庭環境の資産による差は着実に広がっている。もちろん都市と農村の格差、地方による格差も相変わらずだけどね。

親戚の子の話を聞くと、宿題の量とかも昔と比べて減ってるし管理も緩くなってるね。ただそれ以外の評価や管理方法が出ているから全部が楽になったわけではないだろうけど。
あと公職の教師が外で有料補習授業やってる件に関して厳しい取締りや批判の動きが出ているが、それだけ需要が存在するということでもある。

ウチの国では国が学生の負担を減らせと言っても、親が減らさないから……

日本がゆとり教育で楽だと言っても、自由度が高くて基本部分の学習量が少ないだけ。
日本の学生は勉強以外の各種スキルやコミュニケーション能力を学ばないといけないし、俺は勉強だけすればいい中国の方が分かり易くて気楽(楽だとは言えないが)だとすら思う。

ゆとり教育だと言っても、宿題が減っても、競争の圧力が消えるわけじゃないからね。
ゆとり教育を受けた世代の批判って世代間ギャップ、いわゆる「近頃の若い連中は」的なものもあるんじゃないか。
こっちだって最近の教育は楽だから、高考(大学受験)が楽だからと若い世代を下に見ることもあるんだし。



とまぁ、こんな感じで。
ゆとり教育のネタを通じて、中国の教育の現状や自分達の学習環境や将来も意識してしまうような所もあるようでした。

今回のやり取りにも出ていますが、近頃の中国では勉強して良い大学に入って院に行って……という流れだけで上手くいくとは限らない、勉強だけで何とかなる時代ではないという認識も強くなっているそうです。

中国オタク界隈における話題や、中国の若者向け国産コンテンツを見てもそういった方向のネタが結構目に付くようになっていますから、日本の教育制度の話題を通じてイロイロと考えてしまう所もあるのかもしれませんね。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

8/19修正:誤字脱字を修正しました。ご指摘ありがとうございます。