ありがたいことに
「ゴブリンスレイヤーのアニメの反応はどうでしょうか?そもそも配信されるのでしょうか?」
という質問やネタのタレコミをいただいておりますので今回はそれについてを。

「ゴブリンスレイヤー」

は中国オタク界隈でもハード路線のファンタジーやダークな内容、エログロ関係も含む容赦ない展開や世界観が話題になり、それなり以上の知名度となっています。
今期のアニメの方はiqiyiでの独占配信になったようで、具体的な規制や修正具合はまだちょっと分からないのですが、とりあえず第一話は配信された模様です。

ちなみに中国での配信タイトルは
「哥布林猎人」
と中国語タイトルとして広まっている「哥布林殺手」ではなく「猎人」(ハンター)の表記になっていますね。ただiqiyiの作品紹介を見るときっちり「哥布林殺手」という言葉を使っているので、近頃の中国で配信されるアニメによくある「タイトルでは物騒に感じられる言葉を避ける」というやり方ではないかと。

アニメの第一話に関しても早速話題になっているようなので、
以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「ゴブリンスレイヤー」
に関するやり取りを例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


ゴブスレ第一話見終わったが、しっかりとした展開でストーリーも表現も大きな改変削除は無いしで良かった。第二話も楽しみ。

原作再現度高いな!アニメ化で引っかかり易い尺の分配も問題無い!
このまま原作の特徴をきちんと再現してクオリティを維持してくれると最高だ。

アニメ化での修正もウチの国での修正も乗り越えて、ちゃんと楽しめるアニメとして出て来たな!

ファンタジー系でスゴイのが来たなあ。雰囲気も良いしセリフ回しや音楽も良い。

ストーリー的には理解できたが、自分がネトゲ始めた頃に低レベルで組んで進めてボコられたのを思い出してしまった。
ああいうのは教えても教えた内容を理解しない実行しないでダメなんだろうけどな。

でもゴブリンで全滅が「よくあること」ならなんで新人を何のケアも無しに送り込むんだ?
そこが引っかかる。それに村へのゴブリンの襲撃が頻発しているなら領主はなぜ軍隊で巣を焼き払わないの?

単純に「コストに見合わない」から軍隊出動なんてのは無いし、新人にわざわざ教えてやるなんて面倒な手間をかける人間もいないってことだな。封建領主の軍隊出動は簡単じゃない上に、そこまで大きな被害ではないから後回し。
人命の価値や拠点の価値が違うし、チュートリアルもヘルプも無いんだよ。
あと当然ながらあの世界ではゴブリンよりやばいモンスターや悪の組織が出る事件が別の所で起こっているから人員の余裕があるわけではない。

たぶんアニメも2話以降で説明が入るだろうけど、原作ではゴブリンは低級の弱い魔物だから放置されがちな存在で、辺鄙な村が襲撃されるくらいでそんなに大きな脅威ではないとハッキリ書かれている。襲撃される農民とかにとってはたまったもんじゃないが。
だからゴブリン退治の報酬は安いし、高レベル冒険者もやりたがらないし、経験が無く弱い新人冒険者に回ってくる仕事になる。

冒険者の新人は基本的に使い捨て、統治される社会的には外来人口のごろつきみたいなもんだからな。
新人冒険者が死ぬのも「よくある話」で気にされるほどのものでもない。新しい冒険者、代わりのキャラがいるんだよ。そんなことをしていたら人がいなくなるという世界でもないから。

アニメでその説明がある部分までやるかは分からんが、この世界だとゴブリン退治がそのまま国からギルド(国営)への委託事業という設定がある。
地方の治安維持と雇用の創出を兼ねた公共事業だ。軍を出さないのも、新人(食い詰めた人間)に手厚いケアが無いように見えるのもそういうこと。あいつらは極論すれば農村から都市部へ考え無しに来る流動人口だし、キャラデザ補正で気の毒に見えているだけといった面もあるぞ。

誰もが楽しめる作品では無いだろうけど佳作なのは間違いない。
原作マンガの雰囲気をとても上手く再現していたし、パーティの油断と全滅の絶望からのゴブリンスレイヤー登場まで良い構成だった。これは今後も楽しみだ。

私が期待していたレベルよりかなり上だった。
心配していたアニメでの「一般向けへの変更」も重要な部分が削られることは無かったので一安心。
初心者パーティに対して難し過ぎるインスタンスだという意見もあるけど、相手の罠に引っかかっての奇襲が無ければ、装備の問題とかを認識していればなんとかなった難度ではあると思う。

でも国内での配信はやっぱり規制入ったな!

なんか配信時間見ると1分くらい削れてるみたいだね。音声もいじった関係なのか、音の方でもなんか違和感があったような。

各シーンでバッサリいったように感じる所があったな。
また無修正版も一緒にチェックか……?

レイプシーンとかだけでなく戦闘シーンも修正削除入ったっぽいからな。なぜだ。

そりゃしょうがない。血腥い残虐シーンは定番の規制対象だ。最近は毎シーズン配信中止作品が出ている。iqiyiもあの新人冒険者達のように無策でやっていくことはできない。

俺はiqiyiの修正版でいいや。あんまり女の子がヒドイ目に遭うのは見てられない……
面白い作品だから追っかけるつもりではあるんで精神的ダメージ減少は助かる。

ボカシじゃなくてシーンカットで修正してきたみたいだね。
まぁ普通に見ている分にはそこまで気にならないし自分も楽な環境で見ていくわ。

私もここは修正入ったかもと感じるような所はあったが、普通に見ている分には問題無いレベルだった。

この作品、ゴブリンなんかを倒すためにパーティ組むの?みたいな感覚で見たらイカンのだろうな。ルールが違うと。

でもD&Dみたいに魔法の回数制限があるのはちょっとひど過ぎませんかね。それもネットゲームの雑魚敵が大量に来るようなバランスで。

魔法職が弱過ぎるよね。攻撃魔法が大して効果ないのに使用回数も限られていて、更に防御力も弱いとかいない方がマシじゃないか……高レベルになったら対集団の状態異常魔法とか使えるようになるとか聞いたけど、それにしたってヒドイ。
これなら近接系のゴツイキャラでそろえた方がよほど良いだろうに。

私も魔法の弱さとか設定がおかしいとは感じた。
あれだとマジックユーザーはボスまで魔法温存して後ろで応援しているしかないような?

回数制限のある魔法は大体そんな感じだ。ゲームでも回数限定の必殺スキルはボスまで温存するだろ?

TRPGだと魔術師の武器は魔術じゃなくてインテリジェンス。近接系で戦闘特化だけ揃えても、戦争に行くならともかく冒険者のミッションはクリアできん。

マジックユーザーは火力担当ではあるけど、WOWみたいに砲台でぶっ放しまくりというのじゃないんだよ。
直接のダメージ以外にもバフデバフ、情報収集や謎解きなどの判定にも能力を発揮する。いないと何も分からない(情報が開示されない)状態で戦わないといけないからシナリオによってはかなり危険(例えば敵が予想より強いとか)なことになる。

モンクについてはどうなんだ?
軽装で攻撃力があるのに違和感を覚えたが、そういうもんなの?

あの世界ではそういうもんだ。格闘系職業も高い戦闘力を持っている、防御力は低いがスピードとそれなり以上の攻撃を持つ前衛職と思っておけばいい。

TRPGの初級レベルのパーティだから魔法の使い方もヘタなんだよね。そしてパーティの組み方もダメ。ローグがいないのにダンジョンに入るのは……

斥候役がいればほとんどの問題は解決できたね。ローグがいれば敵の配置や数の探知、罠の解除に扉や宝箱の開錠とできるのに。
あのパーティの最大の問題は斥候役の不在。それにゴブリンなら斥候も前衛で戦える相手だから陣形も安定する。

準備不足、そして探索担当キャラの不足が痛いわ。
デジタルなゲームでは省かれがちだが、TRPGは戦闘以外の部分で戦闘の条件が変わる。

それにしたって難度高過ぎるだろ。
ボスに特異型のゴブリンが配置されているとか、超高難度インスタンスにぶつけられる新人の図でしかない。

同意。あのパーティでボスの大型ゴブリンに勝つ方法が無い。戦士とモンクは雑魚なら倒せるかもしれないが、ボスは倒せないだろう。勝機がありそうなのは火球魔法の直撃くらいか?

低レベルの魔術師の火球魔法とか弱くて効果ないんじゃないの。アニメの描写を見ても明らかに弱い。

あれはそこまで強い相手じゃないぞ。ゴブリンスレイヤーが倒せているんだから。彼は熟練ではあるが俺TUEEEEEできる英雄的な能力があるわけではない。
ボス戦に関しては恐らく前衛二人が戦線を維持している間にシャーマンやホブゴブリンを魔法で倒していくって所じゃないかな。ただ4人だとギリギリっぽいのも確かだから消耗次第では敵の予想外の構成が判明した時点での撤退も考えるべきではある。撤退する分には戦力十分だろうしね。
この冒険は楽勝の難度ではないけど、あのパーティの能力で対応不能なレベルでは無い。だが彼らは失敗し過ぎた。

あのパーティがバカだとか弱いだとか言われまくっているけど、ファンタジーの初心者キャラ的にはそこまでヒドイわけじゃないぞ?
某島の自由騎士なんて最初の冒険は戦士と神官でゴブリンの群れに突っ込んで死にかけている。そう考えると戦士二人に魔法使い一人の構成で更に神官を一人補強した彼らはかなりの準備をしていたと言える!愚かなのも確かだが、それと同時に運も無かった。

あの新人達に関してはフラグが流れるように積みあがるのを分かり易く実感できる展開だったよね。ゲームでは省略される要素を甘く見ていたらこうなるわと。

ゴブスレの背景取材の洞窟の写真とかも出てるようだけど面白いね。

懐中電灯でも遠くを見通せないのは厳しいな。
そこに準備不足で飛び込んだら……

そりゃあ狭い場所で変に長い剣を使うのはダメだよね。同じ装備でどんな地形でも同じパフォーマンスを発揮できるわけじゃない。

ゴブスレは現実的要素とリアリティを感じる要素を上手く配置している感じがする。
かなり厳しい、優しくないファンタジー世界だ。

優しくないファンタジー世界と言えば「灰と幻想のグリムガル」が思い浮かぶけど、難しさ的にはどっちが上なんだろう?

ダークでハードなというなら「ゴブリンスレイヤー」の方でしょ。

いや、難度で考えるとゴブリンスレイヤーは案外ヒドイことにはなっていないという見方もできる。準備して油断しなければゴブリンは倒せるし、別に自分達より強い敵と戦わなければいけないわけでもない。
まぁ準備万端でも判定でファンブルしたらダメだけどな!

世界観的には冒険者のレベルが上がったらゴブリンは儲けが少ないからやらなくなるくらいの扱いだし、敵のテリトリーで多数相手に戦わなければそこまで厳しいわけではないという扱いだからね。
救出ミッションで制限付きにならなければ一話のパーティでもクリアできた可能性はある。ボスとの戦いも地上で真正面からなら損害無しとはいかなくても何とかなったかもしれない。でも冒険はボスに辿り着くまでの障害もある。暗視能力がある敵の陣地に準備なし、探索能力なしで突入とかはアカン。

イロイロと騒がれているけど、そこまで難しい世界でもないんだけどな。
D&D的なTRPGの世界で、主人公の目標がゴブリン固定でそれに伴って未熟な新人やうかつな中堅や組織の話がクローズアップされるだけでそこそこ普通のファンタジー。
あと騒がれている方向もなんか違うような気がする……エロシーンが騒がれているけど、ハードでダークな世界観の理由がそれというわけでもないんだが……

世界観については定番ファンタジーではあるが、細かい所まで描写されているのが良いね。それがゴブリン退治を経由して描写されるのもまた新鮮。

戦闘の進め方を見ても単純な能力差だけでない要素が多いのが面白い。戦術を意識した戦い方が熟練の戦士的だ。

元ネタのD&Dとかから数字のやり取りではあるんだろうけどダイスふる前の各種修正が入っている感が良いわ。

MMOとかJRPGでありがちなMPシステムとは違うから最初は違和感あるけど、そういうバランスだと思えば納得はできる。

TRPGが元ネタの日本のネット小説は独特で面白いのがある。この「ゴブリンスレイヤー」の他にも「最果てのパラディン」なんかも良いな。
「最果てのパラディン」なんかは高レベルの英雄キャラの話で、代償とかも含めた大魔法の扱いが描かれていたりもする。あとこの二つの作品の作者は一緒にTRPGやるくらいの仲だとか。

作品の時期からすると、こういう日本のTRPG系世界観の作品の源流は「最果てのパラディン」だったりするのか?

いや、ゴブリンスレイヤーの非商業版原作は2014年に投稿されているし、AA改変ストーリーで媒体が異なる上に商業化の経路も異なる。あと元ネタのTRPGが明らかに違うから、どっちが先という話ではないと思われる。

TRPGなら元ネタどっちもD&Dじゃないの?

D&DはTRPGの源流だけど、日本で現在遊ばれているTRPG作品はイロイロとあるし、関連する作品や世界観も多様なんだよ。
「最果てのパラディン」はロードス島シリーズの影響が大きいと思うが自分もハッキリとは分からん。「ゴブリンスレイヤー」については作者が「ファイティング・ファンタジー」というシリーズの世界であるタイタンが影響していると発言している。世界観もその作品の世界にギルドシステムを放り込んだようなイメージだとか。
あと直接的な元ネタは明らかに忍殺。

なるほど。TRPGもイロイロあるわけだな。
だがそっちになると作品が入ってきていないしよく分からんな……ざっと調べた感じでは前世紀の流行のようだが。

ファイティング・ファンタジーに限らずこの作者の持ってくるネタはかなり古いし、アメリカ産の作品のネタも多い。近年の日本のネット小説の雰囲気とはかなり異なるのもその辺が原因の一つだろうね。
ただ年齢的にはまだ30前とわりと若いらしい。だからエロ関係の描写や設定も俺達に響くんじゃないかな!



とまぁ、こんな感じで。
ちょくちょくTRPGに詳しかったり、ゴブスレに関して妙に詳しかったりする人の発言も見受けられました。

ゴブスレに関しては描写が厳しいと感じる人も少なくないそうですが、中国オタク界隈で原作の知名度がかなり高まっていたのもあってか、抵抗無く楽しめる人も結構いるのだとか。
またいつものお約束ファンタジー的な方向ではなく、D&D的なノリで考える人もそこそこ出現している模様です。

ただ中国ではD&D以外のTRPGについてはあまり知られていないそうです。以前中国オタクの方から教えていただいた話によると、D&D以外で比較的知られているのは「クトゥルフの呼び声」くらいではないかとのことでした。
もっともゴブスレに関する話題を追っかけていると、明らかに昔に比べてD&DなどのTRPGが分かる人が増えているように感じられますし、最近の中国のTRPG事情がどうなっているのかも気になってきますね。

あとゴブスレ関連の話題で気になったのですが、やる夫スレの方をチェックしている中国オタクの人っているのでしょうかね。
やる夫スレはAA表示のためのフォントなどの環境が必要な上に独特なや読み方や界隈の空気や言葉使いに対する慣れも必要なのでかなりハードルが高いという話があります。
私も昔知り合いの中国オタクの面々にちょっと広めようとしたことがあるのですが、全然ダメでした。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

10/14追記:この記事で紹介させていただいたのは中国オタク界隈でも濃い層が多いと思われる所でのやり取りなので、比較的ライトな層が多いと思われる所の人達による反応もまとめてみました。
中国オタク「ゴブリンスレイヤーのゴブリンが強過ぎる。明らかにおかしい」ゴブリンスレイヤーに対するライトな層の反応