ありがたいことに1月の新作アニメに関するネタのタレコミや質問をいただいておりますが、今期の中国ではbilibiliだけが大量の作品を配信し、iqiyiなど他の動画サイトは新作アニメの配信はあまり行っていないようです。

過去の新作アニメの配信状況を見ていくと、iqiyiは2016年頃にも日本の新作アニメ配信からほぼ撤退したような時期がありましたが、また何かしらの方針転換があったのでしょうかね。
(ちなみに2016年の時は中国国内での韓国系コンテンツの規制や自主規制が発生したことから、iqiyiに限らずその穴を埋めるため結果的に日本のアニメも確保する流れになったという説もあります)

現在の中国ではアニメに限らず動画コンテンツを取り巻く環境がどんどん変化していますし、日本のアニメの海外配信の扱いも変化していますから、中国国内における日本の新作アニメの配信についてもまた変化していくのでしょうかね。

それはさておき、今回の更新を。
中国で配信されている1月の新作アニメの中でもいくつか話題になる作品が出ていますが、その中で
「どろろ」

が中国オタク的に予想外な出来ということで注目を集めている模様です。
そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「どろろ」
に関するやり取りを例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていいただきます。


1月新作はあまり盛り上がってないけど、意外な収穫もあって個人的には悪くない。
特に良かったのは「どろろ」だ。

私も「どろろ」は面白いと感じた。ここしばらくは毎シーズン始まってから良作だと知る作品が出てくるのはちょっと嬉しい。
ただ今期は再生数的にどこもあまり盛り上がってないんだよね……

第一話見た。丁寧に作られた良いクオリティの作品だった。今の所は特に不満やツッコミ所もないし、このまま追っかけていくつもりだ。
あえて不安をあげるなら、脚本の暴走くらいだが、この作品の雰囲気ならばそれもあまり心配しないでいいかな?

これ今期のダークホースだとか覇権候補だとか持ち上げるのが出ているけど、実際どうなの?
クオリティは間違いなく高いがマニア向けな気もする。

題材、作風的に覇権は無理だろ。
1月新作はどれもパッとしないから語る声が目立っているというのもある。ただ私はこれまでの手塚治虫原作アニメの中で最もウチの国のオタクに評価される形のアニメになっているかもしれないと感じた。

主人公がなんか日本の作品によくある武士キャラではなく、中国の侠客キャラを意識して作られているように感じたがああいうのって日本人ウケしないんじゃないか?
日本人は武侠を理解できないからすぐに偽善だと批判される。この作品の主人公がそうなってしまわないかと心配だ。

主人公の侠客要素はさておき、少なくとも武士を意識した方向のキャラにはならないだろう。
作品の時代設定や(戦国時代初期か室町時代のように感じられる)、50年前の作品の作られた時代の感覚を基にした反体制系の立ち位置の主人公になるだろうから、俺達がイメージする江戸時代以降の武士道的武士系キャラと違ってくるかと。

人気の広まりに関しては、暗い話で人が無残に死ぬ作品だとどうしてもね……
でも自分が昔見た実写版は凡庸な作品という印象だったけど、このアニメの雰囲気はかなり期待したくなるものがあるよ。

第一話を見た段階では作画も良いしOPやEDも良かった。
この先ストーリーがどうなるかは知らないけど、第一話の調子でいくなら問題はなさそう。ただ明るい話にはならんのだろうなー

世界観も無情っぽいしね。それにしても最近は主人公の悲惨さ比べ的なのがネタになるが、この作品の主人公また飛びぬけた設定だな。

父親自身の栄耀栄華のために捧げられた挙句にその父親に捨てられ、自分に残ったのは骨組みだけとか極めつけだよね。

百鬼丸の設定面白いよなあ……敵を倒して自分の体を取り戻すという展開とは。
よく50年前に考え付いたな。

気になったのであと作品情報を調べていて知ったが、どろろって女の子なのか!?最近こういう性別の罠が多すぎるよ!

それに関してはまだよく分からん。
設定を変えてくる可能性もあるしね。例えば話数に合わせたのか、百鬼丸の体を奪った怪物の数が原作では48体だったりする。

ちょっと引っかかったのはどろろが物盗んだおっさん達の扱い。
悪い人間じゃないのに巻き込まれた挙句に化け物に殺されるとか気の毒過ぎる。あれはどうなんだ……?

そこは自分も悪人から物を盗んだとかにすれば良いのにと思った。
それにアニメの中では主人公が近くであえて何もせずにいておっさん達を死なせてから、どろろを救いに行ったようにも見えた。

どろろが盗んだ物を売るシーンはなんであんなことにしたんだろう。
悪い商人から盗んで売り払うとかにすればよかったのに、3人とも良い人に見えるような形にしたから主人公が見殺しにしたのは後味が悪い。この部分のストーリーはマンガ版の方が明らかに良い。

あの辺りも世界観描写、あの世界と時代の人間を描写するためのものだろう。
犬の扱いでやっぱ悪いヤツらだったかと思いきや、どろろの方が更にクソガキだったのは予想外な展開で私はちょっと面白かった。

あの3人のおっさんに関しては原作からあえて「いい人」的な部分の描写が加えられているから、意図した演出だろうね。
原作では初っ端からどろろを袋叩きにしてそのまま殺す方向にエスカレートしているし、殺すことを肯定しているようなセリフもある。

あそこのシーンの百鬼丸はどろろとおっさん達をきちんと認識していたかも怪しいぞ。
マンガ版の時に比べて更に不自由な状態だと思われる。

「どろろ」は化け物とか戦とかでその辺の人間があっさり死ぬ世界観だというのは分かる。でもそういうのを割り切れないと厳しいかもな。
たぶん今後もモブはあっさり死ぬだろうし1話限りの死亡退場キャラもたくさん出るだろう。

アニメ版の百鬼丸はどこまで周囲の状況を認識しているのか分からないのが不気味なキャラ感を出していて興味深い。
原作だと言葉に関しては最初からハッキリと喋っていたはず。

そうそう。
マンガの方の百鬼丸は最初から喋っている。自分はアニメ版の百鬼丸の動かし方は良い改変だと感じたよ。

かなり大きく構成や設定をいじっているよね。
第一話から百鬼丸の体を作り育てた医者が別の場面で百鬼丸との関係を想像させる程度の描写が入っていたし。

全般的に無情な世界観が伝わってくる。
良い人間が生き残れる、幸せになれるとは限らない。最初の婆さんの描写からしてこの作品の進む方向を暗示しているのだろう。

あの婆さんがあっさりと化け物に食われたのは何とも言えない哀しさを覚えたよ。

そして「シリーズ構成:小林靖子」という情報が何かと不安になる……!
落ち着いて進むことは無いんだろうな。

とてもよく分かるぞ、その気持ち。
ただ作品のカラーを考えると小林靖子の起用は良い選択だとも思える。

ハッピーエンドにはならないんだろうなー
その時点で大人気になるのはちと厳しいだろう。作品としては良くてもね。

原作では人があっさり死にまくるから、作品としてハッピーエンドとか全員幸せになりました的な終わり方にはならんわな。

「どろろ」の終わり方は手塚作品の中では比較的マシだとも言える。
実は手塚作品ってキャラがバンバン死ぬ。主人公だろうがヒロインだろうがショタだろうがロりだろうが!アトムもレオも最後はかなり救いが無い終わり方だし、ヒドイのは本当にヒドイ。

今のアニメや漫画と違って手塚治虫作品はキャラの役割が終わったらあっさり退場させるからね。ただスターシステムを導入しているから、他の作品に同じデザインのキャラが顔を出したりもする。

クオリティは高いだろうけど、どこまでこっちの面白いと思う方向に行ってくれるかは不安かも。先への不安はこの作品に限った話ではないけど、古い原作だしどういう方向でリメイクしていくのかが分からないからね。

とりあえず普通の熱血バトルアニメではない、時代背景(日本の戦国時代?)を映したキャラクターを淡く、そしてやや暗く描写していく……のかな?細かい部分の描写も多いようだし何度か繰り返してみる作品になるかも。

原作からの改変が多いという話を聞いてどうにも不安になる。
近頃の作品はどれも最初は良くてもどんどん作品として歪んでくる。原作改変をするにしても、きちんとできるのだろうか?ヒドイ魔改造にならないのだろうか?

でも今の所は原作を上手く現在のアニメの形式に改編していると思うよ。
原作マンガを今の感覚で見るとさすがに古い。アイデアはやキャラはともかく、ストーリーやギャグのノリは自分の感覚では厳しいものがあった。

そもそも、原作は手塚治虫が「ゲゲゲの鬼太郎」の人気だかクオリティだかに嫉妬して描き始めて、結局打ち切りになった作品だからな。そのままアニメ化すると厳しいものがある。
いまだに通用する設定を作り上げたのはさすがなのも間違いないけど。



とまぁ、こんな感じで。
好き嫌いの分かれる作風だという認識はあるものの、クオリティは評価されているようですし、作品の世界観やキャラクターに引き込まれかけている人も出ているもようです。

それにしても上のやり取りにもありますが、中国オタク界隈でここまで評価の声があがる手塚治虫作品のアニメというのは初めてかもしれません。
以前の「メガロボクス」などもそうですが、昔の名作をアレンジした新作アニメの中から原作を知らない、前提知識やそれに伴う評価もさほどではない中国オタク界隈に刺さる作品が出てくるというのは面白いですね。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。