以前の記事
中国オタク「劇場版夏目友人帳が予想を超える好調だ、国内興収1億元いきそう」
の後、ありがたいことに
「マジンガーZ/INFINITYの中国での興収がヒドイことになっているようですが、内容以外にどのような原因があるのでしょうか?」
という質問をいただいておりますので今回はそれについてを。

「マジンガーZ/INFINITY」

は「魔神Z」という中国語タイトルで3/8から中国本土での上映が始まったそうですが、中国オタクの方の話によると目に付くような事前の広報は無く、上映される映画館、上映される回数も少なく、結果的にここしばらくの間で中国本土で上映された日本の映画の中では残念な方での記録的な数字となってしまったそうです。
ココの映画興収情報(中国語)を見ると、35.5万元になっています。上映も既に終わってしまったのでしょうかね。

ちなみにこのサイトの数字によると今年の作品に関しては今の時点(3/19午前)で「流浪地球」が約46億でトップ、日本の作品で一番上なのが「夏目友人帳」の約1.1億となっています。また先週末から上映の「ヒロアカ」はこれまでの累計が3350万となっています。

とりあえず以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「マジンガーZ/INFINITYの興収がヒドイ」
といったことなどに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


「マジンガーZ/INFINITY」の興収が惨憺たる数字だ。まさか40万元もいかないとか……

スパロボの影響力はこの程度だったのか?
虚淵ゴジラよりヒドイ数字になるとは。

俺は映画館のスクリーンで永井豪作品を見れただけで満足だけど、映画という商売だとそれではダメなんだろうな。

かなり低い数字になるとは思っていた、でも50万すらいかないのは予想外だよ……!

最初から稼げるとは思えなかったしなあ……関係者は一体どういう意図でこの作品を獲得したのか。

マジンガーZに関してはプロモーションムービーも無かったし、ひっそりと上映が始まって声も上がらずにそのまま終わった……
これなら劇場版公開しないでネット配信にするか、そもそも獲らない方が良かったんじゃないかと思ってしまうな。

俺はこのスレで初めて上映されていたのを知ったくらいだよ!!

私も普段からいるサイトで話題になっていなければ知らないままだったろう。さすがにこのやり方はどうかと思う。

自分も知った時には上映が終わっていた。

事前に知っていたとしても、今度は近くの映画館にかかっているかという問題が発生する。俺はさすがに数十キロ離れた場所のよく知らない映画館まで時間をかけて見に行く余裕は無かった。

ウチの地元だと、名前を聞いたことも無いような小さい映画館でかかっていた。しかも1日だけ。

上海でさえ遠くの映画館まで行かないと見れなかったぞ……

俺が見た映画館ではそこそこ席も埋まっていたんだが、それは運が良かったんだなあ……イロイロな意味で。

こっちのジャンルに詳しくないんで聞きたいんだが、この「魔神Z」という中国語タイトルの作品は何のアニメの劇場版なんだい?

日本のロボットアニメ、特にスーパーロボット系の原点とされている「マジンガーZ」シリーズの劇場版だな。中国語タイトルに関しては「無敵鉄金剛Z」で広まっていたこともある。
この劇場版は永井豪作品にありがちな数多ある派生作品や別世界線の話ではなく、70年代に放映されたテレビアニメシリーズ終了から10年後の話というのも特徴。

なるほど。
ウチの国だと昔テレビで放映されていたことによる思い出補正みたいなものは無いの?

無い……「トランスフォーマー」や「マクロス」とは違う。

マジンガーは大陸のテレビ局で放映されたことは無い。永井豪系のロボでウチの国のテレビで放映されたことがあるのはゲッターロボの方だな。

ゲッターロボは当時楽しみに見ていた人がいるはず。ゲッターを見るために学校から急いで帰ってきたとか、変形における手足の伸び方に関するツッコミとかも割とよく聞く話だ。
マジンガーZはそういうのが無い。

マジンガーZはスパロボ厨以外はあえて見ようとするのはいないような。

自分の世代には香港のテレビとかで見ていた人もいるよ。あとは時代的に海賊版経由?
今元気な世代はだいたいスパロボ経由で知ったはず。スパロボだとガンダムと並ぶ基本設定扱いの機体だからね。

内容的にはガンダムに対する逆襲のシャアみたいなもんだと思ってもらえばいいかな。
テレビ版の主人公が成長して経験を持った大人としてまたロボに乗って戦う。それなりに爽快感だってあるんだが、ロボがやっぱり超古典スーパーロボットだからウチの国だと需要が少な過ぎる。

映画批評サイトを見ると、ファンはなんか満足している印象だな。

実際、作品自体は悪くない。私もロボットアニメとして見に行ったが非常に満足だよ。
でもほとんどの場所で一日に一回上映でしかもすぐに終わってた。私が二回目を見に行こうとしたらもう上映終了だったよ……

中国語タイトルも失敗だったんじゃないか。
国内向けだったら「魔神Z」より「無敵鉄金剛Z」の方がまだ知っている人は多くなったんじゃないかと。台湾の方でも確か「無敵鉄金剛Z」の方でイベントとかやっていたはずだし。

スパロボファンと、古い世代でスパロボファンを優先した結果だったりするのかな?ゲームからだと魔神の方で覚えている人も多いだろうから。
あとは、古い作品だと国内商標を取られちゃっている可能性も考えられるかな。

ウチの国の需要を考えると、逆に35万でもそこそこ良い数字だったのではとすら思えてしまう。ロボ系の作品とかウチの国だと一般大衆の需要が無いだろう。

個別の作品はともかく、ロボ系はアメリカのが第人気になったりしているから全く需要が無いわけではないと思う。主な問題は作品の売り方と内容だろう。
ウチの国で名前を活用できるレベルのロボ系作品って「トランスフォーマー」レベルとは言わないが、ある程度の一般人気がないとね……日本の作品だと「ガンダム」か「エヴァ」、あとは無理すれば「マクロス」とかかな?これらはどれも国内での思い出補正も加わった知名度を備えている。
「マジンガーZ」は知っている人間、思い入れのある人間がいない。

国内の劇場版マジンガーZ上映についてはなぜこうなったという所も多い。
上映の場所も少ないし上に宣伝はほとんど無かった、上映二日前くらいにようやくロボ系のコミュニティで話題になったくらいだし、内部のマニアが暴走したなんて話に説得力を感じてしまうくらいだ。

宣伝がほとんどなかったよね。少なくともマジンガーZwo知っている層の目に付くところには無かった。

映画館で仕事している知り合いや周りの日頃映画を話題にしているさえこの作品があるの知らなかったくらいだ……

なんかウチの国で映画を展開する際の負の原因が勢ぞろいしている気がする……

いつはじまっていつ終わったのかもハッキリしなかったからなあ……

外国人にしろ中国人に白、中国の市場を勘違いする典型的な失敗にも思えるかな。
見たい人間は確かに探せばいる、市場が世界最大級なのも間違いない、でも商売になるほどの客がいるとは限らない。

まともにスクリーン確保も宣伝もせずに稼げるわけが無いんだよね。
ウチの国の映画市場はマニア向けではなく、一般大衆向けをきっちり考慮しないとコストだけが嵩む。今やっている「夏目友人帳」も以前の「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」も宣伝をきっちりやったから稼げた。

「花火」の方は前評判の悪さがアニメファンの間では周知されていたのに、興収の数字自体はかなり良かったからな。実際に見に行った人の評判も微妙だったが。
このマジンガーZの興収は当然の結果だったとも言える。

結局のところ、なんでこの作品を獲得しようとしたのか、獲得したのになんでこんな売り方をしたのかという話になってしまうんだよね。
商売無視するコアなファンでも内部にいたんだろうか?

ファンがいるならもっとマシなやり方したろう。何かと抱き合わせだったりしたのでは?
当初の企画がグダグダになって上映時期が延びに延びて万策尽きた結果という説はどうだろう。

それにしたって宣伝もスクリーンの確保もタダでやれるわけじゃないだろうに……
昔からあったという中日交流関連の話だったりするのかね……作品だけ取って、でも商売には使い難いし誰もやりたがらないから形だけ上映して終わりにしたとかで。

昼間の学校や仕事の時間に1回か2回みたいな上映方式だから、本当に形だけやったという気もしてしまうな。
あとは動画サイトでの配信の権利とかもあるか?でもマジンガーだとファン自体が少ないし。

映画ジャンルと言う面で見ても、ウチの国は海外映画の年間輸入可能数という問題もあるんだからこんな扱いするくらいなら輸入するなよと思ってしまうね。本当に各分野でリソースを無駄にした。

自分は1回見に行ったけど、上映場所も回数も少なくて悲しい気分になった。
作品は面白かったけどね。

私は学校の友人達と団体で行ったけど、映画館の客は眼鏡でガリな典型的なオタクが多かったな。自分達と同じようなのばかりだから気楽に鑑賞できたけど。

マジンガーZは有効なターゲットとなる層が小さすぎるんだよなあ……宣伝しないでも見に行くのはロボなら何でも見たいという層くらいだろ。

同意。スパロボの影響を考えても実は微妙で、非常に狭いターゲットになるんだよね。ウチの国のスパロボファンだってマジンガーはZの方じゃなくてカイザーとかの強い後継機の方が好きだから。

確かに。もしマジンカイザーの方だったら私も頑張って見に行ったかもしれない。スパロボでの扱いからの想像や話題もある。
正直、マジンガーZの古いデザインはカッコ良く思えなくて厳しい。

一応皆マジンガーZの歴史的価値の知識はあるけど、思い入れは無いからね……



とまぁ、こんな感じで。
内容以前に宣伝も無い上映する場所も無いではどうにもならないといった声が出ていました。

近年の中国では映画が手頃な、コストパフォーマンスの良い娯楽として歓迎されていますし、当たった場合はかなりスゴイ興収の数字が出ています。
しかし中国市場で映画が商業的に成功するには、熱心なファン以外の一般寄りの層、作品知識の無い人が見に行きたくなるようでなければダメだといった話も聞こえてきます。

結局の所、今の中国では黙っていても勝手に儲かる映画は無く、商業的に成功、或いは失敗しないためには、きちんとした宣伝と上映の計画とそれを実現できる組織や資金が必要ということなのでしょうね。

それにしても同じ時期に「夏目友人帳」と「マジンガーZ/INFINITY」いう中国市場では何から何まで対照的な日本の映画が出てしまったのにはイロイロと考えさせられます。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

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