ちょっとバテ気味なので、今回は以前教えていただいたネタの消費を……

中国オタク界隈では日本の作品のお約束の傾向やその変化について語られたりしていますが、なかでも主人公関連の設定などは盛り上がる話題となっているそうです。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「最近の日本の作品では学生が世界を救わなくなった」
といったことなどに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


最近日本の高校生は世界を救わなくなっちゃったよね……

今は学生主人公の作品が減っているからね。バトル系でも20歳以上、学生ではない主人公というのが多くなってきている。

日本の作品の場合、世界を救うのは「勇者」とされているが近頃の作品では勇者が記号化している上にデメリットの方が強調されているからなー

成長して強くなるのと、強くなったのを発揮して報酬を得る展開が増えたような?
そこで問題だ、世界を救うことの利益はどの程度だろうか?

そもそも世界を救わなきゃいけない展開が減ったかも。
昔の作品は否応なしに世界を救わないとダメな環境に放り込まれたが、それが無い。

エヴァに乗らずに帰っても良いし、帰ったからって世界が滅びるとは限らない、場合によっては乗らないで自分が他所で好きに動いても良いみたいな展開になるよな!

主人公の負担については増えてるのか減ってるのか分からん。
初期は自分すら救えない状態にいる主人公ってのも珍しくなくなっているから。

チート技能で何とかするとは言っても異世界召喚されて、そのまま順当に進むのではなく底辺に叩き落されたり、まず自分の食い扶持をなんとかしなきゃいけなかったりするからね……
そうなると世界を救わなきゃいけない使命感は作っている側にも見ている側にもあまり出てこないかも。

学生の方が主人公としては良いと思うんだけどな。
高校生くらいならちょっとバカでも許せる。社会人主人公でバカなのはどうにもならん。

でも最近は読者や視聴者がそういうのも普通に叩くぞ。激しく。
例えば「Re:CREATORS」の主人公は高校生だったがボッコボコに叩かれまくってたじゃないか。嫌われる要素や展開だったら、年齢設定関係なく叩かれるよ。

高校生は成長してニートになったのさ!だから世界を救う学生は消えた。そして引きこもりが異世界転生するんだ!

いや待て、考えてみれば学生から社会人のおっさんの間に引きこもりの異世界転生もあるな。「このすば」みたいな人気作品も出ている。

引きこもり属性持ちの主人公が一時期目に付いたのは多いのはそういう読者が多かったからなのか、そういうキャラなら異世界転生しても問題無いからなのか

やはり読者が歳をとっているということじゃないか?
主流の世代はラノベが流行った時代、JRPGが流行った時代の人間だろうし。

今は社畜主人公だろ。
昔の高校生も今は社畜ということなんじゃないかね。

それはありそう。当時アニメを見ていた高校生が今社畜になっているなら、アニメの主人公が社畜になるのも納得だ。
将来的には清潔感にかける中年のおっさんになったりるるんじゃないか。

たぶんそれ両立する。
実際、日本のネット小説サイトを見ると社畜の他に「おっさん」ってついているネット小説少なくないよ。
商業化した作品でもね。

「異世界おじさん」みたいなのもあるから、その時の主流となる主人公の年齢設定にどういうネタを組合わせるかだろう。
そして子供じゃない場合は世界を救う条件設定が難しくなるのでは。

でも今は学生でも世界を救わないしなあ……

以前は高校生が異世界にトリップして世界を救うみたいな展開だったけど、最近は異世界にトリップしたらまずひどい目に遭って、その後好き勝手する展開になるという印象だ。

スタート時は以前より厳しいかもしれないけど、全体的な世界の難易度は下がっていると思う。
ただ世界までは救わなくても、なんだかんだで身内や関係する組織は救うし、生活や文化水準の向上、環境構築などの社会方面への熱意はある主人公が少なくないように感じる。
ウチの国みたいに世界を変える、コントロールするというのとはやはり違う。

それでも自分の周囲や領土、居住拠点なんかはかなり大事にするし救おうとはするからね。救う、守るというのが具体的になった分、範囲が縮小した可能性も考えらえる。

ウチの国のトリップ系の作品だとそういうのあまり重視しないからな……世界を救うよりも宇宙に飛び出したり別の世界や別の時空に行ったり……
ウチの国の作品は、世界なんか救う必要はないというスタンスが多いんじゃないかと。

日本の高校生は世界を救わず好き勝手するようになったが、ウチの国のトリップ系主人公は逆に昔ほどやりたい放題ではなくなっている。
システムと攻略法で強くなるのは昔も今も変わらんが、今はわりと平和的に強くなっていくみたいなのも多い。

日本のネット小説は転移より転生の方が主流だし、その時点で現実世界の年齢設定はあまり意味を持たなくなるような気もする。

そのまま転移する作品も普通にあるから、その辺は何とも……「幼女戦記」や「転スラ」のように、話題になるのは転生が多いとは思うが。

世界を救う高校生も見かけなくなったが、自称平凡な高校生も見かけなくなった気がする。

普通にこだわらず、最初から突っ走る作品も増えているけど、王道展開や設定が戻ってきたのかな……

私は王道というか、高校生が世界を救うアニメとか見たい。もちろん主人公は普通に強くてカッコ良くて成長していき、周囲の人間や家族もきちんとした大人で!

そういうのを胡散臭くなく、ツッコミ所もなく作るのは逆に難しそう。
それはそうと主人公像の変化に関しては、日本は少子化で市場が縮小しているから世代人口が多いおっさん世代をターゲットにするようになってきているのもあるのでは。

下の世代が小説読まなくなっているのかもね。世界的な傾向として、若い世代ほど動画やSNS方向でのコンテンツ消費になっている。ウチの国も若い世代の間でのネット小説の存在感は昔と比べて明らかに小さくなっている。

結局今の時代、世界を救うのはおっさん主人公だ……

恋愛モノとかだとまだ高校生主人公は普通にいるけど、ラノベだと中年も増えたな。

現実の認識が変わってきたのもあるんじゃないか
世界を救って全てハッピーエンドとはいかないし、世界を救ったのに報酬が無いのはどうなのか、ということにもなる。

ちょっとこのネタについて考えてみたが、異世界を救うのもそうだけど、現代社会を、普通の世界を救うというのも無くなったような?

確かに青少年向けで現代を舞台に世界を救うという展開は少なくなったかもね。伝奇系、ロボ系、SF系と考えてみたが最近の作品では思いつかない。前世紀〜00年代のセカイ系的な世界観やキャラクターはもう流行らないのだろうか。

今の視聴者向けとなると、世界を救うにしても、現実的な過程や手段が必要だ。
エヴァみたいに何となく世界の危機で、なんとなく戦うのではもう厳しい。エヴァはクオリティに加えて昔の作品で先駆者だから受け入れられている所もある。

いっそもう、宇宙や異世界からの侵略者の方が分かりやすいよな。作品そのものはあまり自分の好みじゃないが「ゲート」なんかは設定や話の持っていき方は上手いと思う。

トリップネタでやると現実社会との関係も意識せざるを得ない。世界を救ったあとや、世界を救う苦労の扱いも問題になってくる。

学生にやらせるよりも、普通に現地世界の少年にやらせた方が分かりやすいしツッコミ所も無くなるはず。でもそうなると、トリップ系ジャンルの強みの発揮やテンプレ要素の活用ができなくなるから人気や作品作りの上では本末転倒になるんだよね……

そういった整合性をとるために日本の作品は転生とチート付与をするんじゃないかね。人生の最初から成長させることにより、現地社会との心理的なすり合わせを行ったことにできる。
こっちで今流行っている現地人が一炊の夢の中で現代社会にトリップして得たものにより現地でチートするというのとは少々違う、現代感覚と現地感覚のすり合わせのやり方なんだろう。

日本の作品だと現地人、或いはゲーム世界内のキャラが現代の記憶を思い出す、前世が現代人だと思い出して知識チートをやり出すタイプのトリップも少なくないね。
ある程度成長して人間関係などの地盤を築いた段階から始められるから面倒な説明を飛ばして盛り上がるシーンに行けるのが強いようだ。



とまぁ、こんな感じで。
中国のネット系作品などの話題も交えながらイロイロな見方が出ていました。

中国オタクの面々も日本の作品、アニメ化されるような作品の流行の変遷を実感することがちょくちょくあるそうですし、そんな中で自分の好みの作品を探したり、新たな守備範囲を開拓したりというのが、楽しさ半分苦労半分で行われているとかなんとか。
ただ上のやり取りにもありますが、見る側にとって納得出来て人気も獲得できるような主人公とその活躍を見つけるのはなかなかに難しい模様です。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

8/12修正:誤字脱字を修正しました。ご指摘ありがとうございます。