ありがたいことに以前の記事
中国オタク「誰かスルトに恋愛のやり方を教えてやってくれ……」中国版FGO Lostbelt No.2への反応
で中国ではオフェリア関連の評価が微妙なことに関して、解説やネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

まずオフェリア関係の不評に関してですが、
以下のような見方もできるそうです。

「現在の中国ではネット小説などに対して、ヒロインを出すこと、ヒロインに話の焦点が当たることに対する反発が強まっています。国産ネット小説でも無女主(ヒロイン無し)がジャンルとして拡大しているので、FGO2.2章がこちらの言情小説のようなストーリー展開だとたくさん批判が出てしまったのは、現在の中国で批判される要素に重なっていると受け取られてしまった部分もあると思います」

「もちろん作品の質や個人の好みの問題もあるでしょうけど、Fate的に言うなら、『ただ、間が悪かった』という所もあると思います。あくまで私個人の考えですけど」


とのことです。
また現在の中国での
「ヒロインを出す、ヒロインが目立つことに対する反発」
に関するやり取りも教えていただきました。

そんな訳で、以下に中国のソッチ系のサイトで行われていたその辺に関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


最近ちょっと気になっているんだが、近頃のヒロインキャラは出さない方がいいという流れはどうなんだろう。
ネット小説なんかはヒロイン無しジャンルも目立つようになってきた。

確かに最近はヒロイン無し、そうでなくても単独ヒロインという流れが目に付くようになっているかな。

ヒロインいっぱいハーレムが好きなのもいれば、なんでも面白ければいいというのもいる、そして今はヒロイン無しだけ見るのもいるという感じだな。

自分はヒロイン無し小説をわりと好んで読むけど、そのジャンル中心の読者数自体はそんなに多くないはず。でも声がでかいのは多いような……

感想でヒロイン無しを押し付けてくる、要求するのには辟易する。
そういう連中はずっと結婚しないでいいんだろ。

すまんね。自分もヒロイン無し好きだけど、そこはジャンルの人間が悪いことしてると思うよ……
「ヒロインいらない」という批判に合わせて他の部分に対する批判も盛り上がっちゃうし、否定前提の見方が広まってしまうしね。
あと私も結婚したくないわけじゃない。作品は好みの問題だし、結婚もめんどくさくないならしたいという自己中心的な考え方を持っているよ!

ヒロイン無し派って妙に存在感はある。だが内部意見が統一されていないから外から見るとよく分からない。

比較的多いのは
・ヒロインいっぱいハーレム系、やりまくりの種馬系の作品に飽きた、つまらない作品にぶつかり過ぎて男主人公だけで良いとなった
・恋愛、耽美系の作品も守備範囲或いは元々そちらが主戦場で、男性向け作品の女性キャラ描写やキャラの動かし方が嫌になった
・男性主人公中心主義者、或いはヒロインが理由、ヒロインが中心でストーリーが動くのを許せない。男性主人公がヒロイン関係でキャラがぶれる、頭にデバフがかかるのが許せない
とかだな。人によってはこの中の複合タイプもある、更に男女で傾向の違いもあると思われる。

ウチの国の英雄は伝統的に女にうつつを抜かさないのがカッコイイというのがあるから、その影響もありそう。

たくさんヒロインを出すことによるキャラの掘り下げ不足やストーリーの停滞迷走の問題や、現代的な恋愛感覚、貞操感覚で見るとそういう主人公やヒロインはカッコ良くないダメ人間に見えてしまうなどの問題が認識され批判も生まれている。
そういう観点から、単独ヒロインが良いということになるのも分かる。ただ反動でヒロイン不要、ヒロインが出るだけで叩かれるのはさすがに極端なのでは……

過激派になると、主人公と女性キャラに感情的な交流があるとかいうのでもダメになるらしい。
そうなるともう別ジャンルで探した方が良いような気もするが、一般向けのプラットフォームで探すのが楽だしコミュニティも大きくて楽しみやすいから住み分けは難しい模様。

ハーレム系作品や種馬系作品に対する反発が蓄積された結果というのはあるだろう。
そういう作品が量産されて駄作が生まれる、別ジャンルの好きな作品が埋もれて消える、その要素投入して作品が迷走するといった経験は珍しくないから。

私は昔から色んな作品を見ているし、規制が入る前の「肉」だらけのネット小説とかもたくさん読んだけど、作品を追いかける主な目的はストーリーであって、濡れ場とかのエロじゃないんだよね。
そして段々とサービスシーンは飛ばして見るようになってくる。
ヒロインがたくさん出るとそういう人気取り(と作者は認識しているんだろうけど)部分で作品がつまらなくなるリスクを考えてしまうし、見えている地雷に思えてくる。それが高まると、今のヒロイン無し希望みたいな話になるんじゃないか。

昔のネット小説だと逆にハーレム系じゃない、ヒロインいっぱい出てこない方が珍しかったんだがな。そしてほとんどはヒロインをとっかえひっかえ。あの頃はそうやって進むストーリー、たくさんのサービスが喜ばれていたのも間違いない。

当時は日本のラブコメ作品、ヘタすりゃ日本のラブコメエロゲの方が大人しいくらいだったのになあ……

自分はヒロインがストーリーを動かして主人公がそれに振り回されるのがダメ。その結果ヒロインあんまいらない思考になっている。
自分の命よりヒロインが大事だという主人公が世間では好かれるのも知っているけど、感性よりも理性を優先できる主人公が好きな自分としてはそういうのは受け入れ難い。

そういうのってヒロインにきちんとした設定や行動の理屈付けができていれば大丈夫なんじゃないか?

それが出来ている作品に簡単に出会えるならこんな考えにならないよ!

男性主人公を活躍させるのに比べて、女性ヒロインをイライラさせないように動かすのは難しいから……

ヒロインをたくさん出してそれぞれに出番割り振ると本筋が進まなくなるし、ヒロインを活用するのも単純ではないからね。
あと恋愛関係の進展を上手く、ストレスなくかける作者はかなり珍しい。

ヒロイン関係で主人公のカッコ良さが落ちるのがイヤだという意見もあるな。
作者は納得しているのかもしれないが、読者からすると問題や矛盾の多いヒロインを主人公が受け入れる、やらかしたことも許す、積極的に助けるというのをやると主人公まで知能が下がるように見えるのはダメだと。

作者がヒロイン攻略や恋愛関係構築の描写が出来ない場合、中国ではヒロインを出さないで他のストーリーに注力する、日本では奴隷で買って好感度MAXにしてショートカットするという説もある

主人公がなんかよく分からないけど好かれる、好きになる、そしてそれを理由に動くというのは一度気になると厳しいんだよ!

こっちでも昔ファンタジー系ネット小説が流行っていた時は奴隷を買うとか、被差別階級や種族のキャラを引き上げてやるみたいな話はあったが飽きられて過去のものになっている。
そして今ではウチの国ではヒロイン不要や単独ヒロイン、日本では正室固定でサブヒロインという手法が出ていたりもする。

作品のファンからすれば、ヒロインよりも主人公の俺TUEEEEEが見たいってことも多いからね。
もちろんハーレム要素のある作品が粗製乱造され過ぎたのもあるだろうけど。

ファンの需要に加えて、テンプレヒロイン以外書けない作者が多かったというのもあるだろう。
そしてそういう作者がヒロイン関係のエピソードに力を入れると明らかに面白くなくなる、それだったらヒロイン無しの独り身の方が良いと思ってしまうし、作品をチェックする際にも「ヒロイン」を地雷要素として避けるようになる。

レベルが上がる、強敵を倒す、アイテムを手に入れるのとは違って、恋愛関連の感情描写や関係の積み重ねは単純に書くと粗が出やすいからなあ
それに感情描写は作者の筆力だけでなく読者の読解力、受け取り方も単純ではないから扱い難い。

恋愛パートの文字数稼ぎは引き延ばすと不満が出易いんだよ。
それに恋愛メインの展開は爽快感を求めて読む層にとっては鬱陶しいものとされがちだ。
(訳注:中国の小説サイトは基本的に文字数課金なので、たくさん書くのが作者は稼げて読者はたくさん読めて良いとなるそうです)

ネット小説の場合、ヒロイン出してサービスシーン入れるとサイト側からの規制に読者からの反発炎上という上下からのリスクが出る。
作品を人気にして課金させるための戦略を重視する今の作家にとっては無視できない部分だ。マンガだって同じような傾向はある。

やはり今までのテンプレ展開に対するツッコミ、否定の流れというのもあるんじゃないかな。
狭い世界でテンプレを突き詰めていった結果、そのジャンルに馴染みが無い人間からすればツッコミ所だらけになってしまった感もあるから。

地雷踏んづけた経験から忌避されている部分も大きい。
こんなに地雷作品に出合うなら……最初は面白かった作品が壊れていくなら……もう愛などいらぬ!となってしまったのではないだろうか。

なんとなく同意だ。
「ヒロインの出ない作品の方が面白いことが多い、作者が別のことに力を入れて書けるから」という説を聞いたこともある。実際は作者の腕次第だとは思うが、地雷を踏んだ経験があるとね……

ウチの国の作品は人気になるために流行を露骨に模倣するから批判が出るのも分からなくはない。
ただ女性キャラ、恋愛対象になるヒロインの扱いについての反発はそういうテンプレへの反発やツッコミ以外の要素も感じる。

結局、主人公とヒロインの関係がきちんと描写されていない、キャラの掘り下げができていないだけじゃないの?
結局は面白くない、小説で言うなら作者の筆力が低いだけじゃないかと。

今の環境だと筆力高くても普通に叩かれることはあるぞ。
自分の追っかけている作品はヒロインの魅力もきちんと描写されているし、ヒロインとの恋愛アリな王道ストーリーでヒロインがいるから作品の価値が落ちているわけでもないんだが、それでもファンの中にはヒロインが出たら反発したり「ヒロインいるなら見ない」という発言をする層がいる。

そういうのって恋愛の方よりもメインストーリー進めろという要求もあるからなあ……
複数ヒロインの時点で俺TUEEEEE展開から外れる内容の割合は上がるし、叩かれる原因になりがち。
でも「ヒロイン」って要素だけで叩かれるのは自分もどうかとは思う。

そこはもう、主人公像に対して恋愛を望まない、或いは恋愛に悩む部分をもって欲しくないという要求があるんじゃないかな。
そこに意義を感じている作者やそれが面白いと感じている読者からすればたまったもんじゃないが。

ヒロインは欲しいけど、恋愛で悩む主人公はいらないという自分みたいなのもいる。創作の中の主人公がヒロイン多くて疲れる、責任で苦労するような展開は嫌だ!

現在の環境だと人気になった要素が恋愛以外の場合、恋愛はマイナスになることもある。今の時代の読者や視聴者は自分の好きなもの以外はイラナイと我慢せずにやってしまうから。
しかも現在の環境ではそういうのを取り込まないと人気になれないし金も稼げないから、よほど割り切っていない限り迎合しないわけにはいかない。

ラブコメだとかハーレムだとかの需要は現在も十分にあるんだけど、その要素による地雷効果も十分に認識されているからね。
面白い作品なら気にしなくてもいいだろうけど、何も考えずにテンプレとして使うのはやや厳しい、或いは使うなら批判とリスクを考慮して活用するような要素になってきているのかもしれない。
もちろんこのヒロイン無しジャンルも一時の流行りで、次の流行が出たら消える可能性も十分にあるけどね!!

初動で上にいけないと厳しい業界だと作る側もそういうリスクは気になるよな……



とまぁ、こんな感じで。
私もこっちの方向はあまり意識したことが無かったので、かなり面白かったです。

ただ現在の中国におけるヒロイン無し系ジャンル作品の好みや定義にもイロイロあるようですし、今回の内容に関しては「こういう見方もある」程度に見ていただくようお願いいたします。

ちなみに以前の記事のコメントでのご指摘にもあった
中国人「呂布と趙雲どっちが強いか」「呂布有利だがやはりやってみるまで分からない」 中国では趙雲の人気や評価が日本より遥かに高い?
にも書いた
「中国で呂布が評価されない理由で一番大きいのはいわゆる三十六計の一つ、美人計に引っかかったから」
「中国では美人計にやられるというのは人気の上で極めて大きなマイナス」

という話や中国オタクの方から聞いた他の話などによると、中国のヒーロー像では女で失敗する、破滅するというのは結構なマイナス要素で、日本の感覚ほど愛嬌のあるものではないといった傾向は存在するようです。

それが現在の中国オタク界隈における主人公とヒロインの関係、ストーリーにおけるヒロインの扱いに関してどの程度影響しているのかは何とも言えませんが、日本の感覚とは違う部分がイロイロと見え隠れしているのは興味深いですね。

とりあえず、こんな所で。
今回は私もあまりよく分かっていない話なので、いつも以上にツッコミ&情報提供お待ちしております。