ありがたいことにネタのタレコミと質問をいただきましたので今回はそれについてを。

中国オタク界隈では推しヒロインを「党」として応援しながら他のキャラの「党」と熱く不毛な「党争」を繰り広げるのがオタク的な作品の楽しみとされていたりするようですが、作中におけるヒロインレースのお約束に関するネタもイロイロと認識されるようになっているそうです。

中国のソッチ系のサイトではそういったネタの一つである
「幼馴染は負けヒロイン」
といったことなどに関するやり取りが行われていましたので、以下に例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


気が付いたら我らの共通認識になっていた「幼馴染は負け犬」だけど、この概念って何時頃にどういう過程で形成されたのだろうか?
近年の作品における負けヒロイン率は確かに高いが、それ以前になるとそんなに悪い扱いって程でもないようにも思える。

「名探偵コナン」みたいに幼馴染が強過ぎるのとかもあるからな。
あとはあだち充作品とか。

幼馴染属性キャラは「コナン」みたいにストーリー上の障害を置かなければ好感度高くてそのまま終わっちゃうのばかりだ。
主人公のキャラ立てや日常描写には有用だけど、作品を動かす上ではそれほど使いやすいわけではない。だから負ける。

そういう分析はよく聞くね。
幼馴染属性持ちだと好感度が高過ぎるからストーリー開始後即告白で完結しかねないと。

親し過ぎて話が動かない、お互い手が出ないなんてところもあるのでは。

アニメ見るオタクなんて孤独な人間ばかりで幼馴染の異性なんていないか、いてもとっくの昔に縁が切れている状態だ。そんな所に幼馴染ヒロイン出しても現実を突きつけられて嫌な気分になるだけだ。
しかし落ちものヒロインの場合は違う、オタクの妄想を実現してくれる存在だから「勝利」を望まれるわけだな。

違うぞ。幼馴染ヒロインも落ちものヒロインもオタクにとってはどっちも空想の二次元属性だぞ。リアルに姉妹いなくても姉キャラ妹キャラは流行っているぞ。

真面目にいつ頃かについて考えてみたが、少なくともハーレム系の作品が出てきた辺りではそういったイメージは形成されていたんじゃないだろうか?

ギャルゲー作品とかも幼馴染は弱いからな。

幼馴染が落ちものに勝った例は思いつくが、全体的な傾向を否定するほどではないよね。
私の中でも気が付いたらそういうものだという認識になっていた。

幼馴染の好感度が高い必要は無いんだが、基本的に好感度が高い扱いになっているのもちょっと疑問。
例えば家庭用ギャルゲーの始祖とも言える「ときめきメモリアル」で看板ヒロイン扱いの藤崎詩織は間違いなく幼馴染だ。この時点では幼馴染=負け犬の固定観念はまだそれほど強くなっていなかったのでは?

でも「ときメモ」は2だと幼馴染枠が普通の好感度高い(最初からフラグがあるとも言える)ヒロインになったし、4ではナビキャラ枠扱いにまでなっていたから、その過程で好感度の高いテンプレ幼馴染ヒロインに近付いているようにも見える。
ただ4ではファンの人気が最も高く、実質的な勝者になったのは幼馴染だったが。

確かに最近の幼馴染は負け続きだけど、その前はずっと勝っていただろ。

時代の変化によるものだと思うけど、昔はどうだったのかね。
あと男性向けではなく女性向け……いや少女マンガとかの少女向けでもほぼ幼馴染は負けているようなイメージだ。

それは他に競争相手となるヒロインがいなかったというのもあるんじゃないか?
或いは恋愛要素がメインではないから、とりあえずヒロイン扱いの幼馴染が不戦勝になるとかで。

近年は幼馴染キャラが負け過ぎた反動か、二次元業界における幼馴染の勝率は上昇傾向にあると思われる。

以前の落ちもの系ヒロインが大流行していた時代は、同時に日本の作品特有の誰かを選ばないといけない偽ハーレム流行の時代だった。
しかしそれも既に終わりつつあるから、今後また新たな流れが生まれる可能性はある。

でもそれはギャップ狙いなことも多い。
幼馴染の好感度が低い、味方ではないという作品が珍しいけどそういう形で話を作るとあまり面白くない。
かと言って「秒速5センチメートル」みたいなのは上手くやらないと成立しない、需要が生み出せない。

ヒドイ言い方になるが、負け犬的なイメージのある幼馴染ヒロインって最低限の保証という立場のヒロインだ。
積極的に主人公が動かなくても好感度は高いまま、肯定してくれる存在といった扱いになるし、話の中心になる新ヒロインが出てくると上昇(ストーリーやら人気やら)のために価値がなくなる。

世界や日常崩壊を描写するために死んだり不幸になったり敵に寝返ったりNTRになったりする存在でもある……!

自分は「マブラヴ」でそのイメージが強くなったなあ……

そこまでいかなくても、落ちものヒロインの引き立て役になったり、非日常に向かう主人公を際立たせるための足手まといになったりすることは少なくない
日常的な存在なのに、非日常のジャンル、伝奇やSFにぶち込まれるのが不利なのでは。

王道の少年マンガ的作品だと幼馴染ヒロインはそれなりに安定するように思うんだが。

王道だと幼馴染ヒロインを出さないケースも多いような……

一応例として挙げてみるが「幽遊白書」は最後にヒロインの所に戻ってくる主人公じゃなかったっけ?
日常に戻る系ならいける!

でもずっと日常だとね……それにスポーツ系とか幼馴染ヒロインの存在そのものが抹消されるケースも多々ある。
幼馴染系ヒロインに関しては、定番要素として出してみたけど作品が動いてみたら実は不要或いはそこまで重要なキャラではなかったと判明するケースも少なくない。

雪村螢子はありふれたキャラ過ぎて冨樫には嫌われていたらしいからね。でもそこから考えると、幽遊白書が連載されていた時代にはまだ定番ヒロインとしての幼馴染は存在したはず。
その後の変化を考えると、幼馴染が負け属性になっていくのはラノベやギャルゲーが流行っていく90年代後半以降じゃないか?

セカイ系やハーレム系の影響かね。
特別なヒロインが出てくるのが定番。

空から落ちてくるヒロインについては昔からの定番だとは思うんだが……「天空の城ラピュタ」が元ネタの一つだし、あとは「うる星やつら」のように幼馴染と落ちものヒロインが存在する作品もあるわけで。
そう言えば「うる星やつら」も幼馴染は負けか。

空から落ちてくる方も幼馴染だとか前世からの関係とか特別な幼馴染属性を持っているケースもある、そうなると後発の平凡な幼馴染では……

幼馴染ヒロインはストーリーを動かせない、空から落ちてくるような非日常系ヒロインはストーリーを動かせる、これに尽きると思うよ。

非日常系をメインにする作品だと、幼馴染は負け犬になるといった所なのかもね。
そして近年の作品は完全な日常系ラブコメは珍しい。

この手の二次元アニメの展開って主人公が日常を打ち壊すとか非日常へ踏み込んでいく展開が基本だし、幼馴染の敗北するリスクは高まるばかりなのかもね。

ギャルゲーがアニメ化される、ルートを固定する際に幼馴染ヒロインは負けがちになったのも影響があると思われる。「SHUFFLE!」の芙蓉楓も負けヒロインの役割が割り振られ、ヤンデレという属性の勃興に伴う人気は得たが、それと同時に幼馴染は負けるという概念も強化してしまうことになった……

幼馴染がヒロインとして負けるのには当然の理由があるんだよ。
既に長い時間一緒にいるのに恋人関係になれていないんだから。幼馴染として有利な期間に勝てなかったんだから。

ストーリーが始まった時点で勝ちに持っていけていない以上、もう負けか。

そうだな。
幼馴染のターン終了後に始まるのが作品本編だ。
そこに空から「そのターンのヒロイン」が降ってくるわけだから!

勝てるものならとっくの昔に勝っていた、という話か。しかし幼馴染が勝っていたら作品のストーリーは広がらない。本質的に落ちもの、非日常系ヒロインが強いわけか。
そういう方向で考えてみると、ギャルゲーやラノベ系作品、非日常に踏み込む複数ヒロインのハーレム系作品が広まった辺りからハッキリして来る概念なのかもね。

舞台が広がる、設定が特殊になる過程で幼馴染の勝率が落ちていくのは必然だったんだろう。
だから負け犬のイメージに関してはラブコメ作品が増え、ヒロインの数が増えていく過程で形成されていったのではないかと思う。

ウチの国では近年オタクネタとしての注目が増えたけど、ネタ自体は結構前からあった。
日本の二次元作品の傾向を考えると20年くらいの歴史はありそうだ。



とまぁ、こんな感じで。
記憶を遡ったりもしながら、イロイロなネタの考察が行われていました。

近年の中国オタク界隈ではヒロインの勝ち負けにかなり拘る傾向がありますが、その過程でこの幼馴染は負けヒロインというネタも広く拡散していったような傾向があるそうです。

ちなみにこのネタを教えてくれた方によると
「幼馴染ネタに関しては、中国における一般的なオタクネタとして認識されたのは比較的最近のことのようにも思えます」
「中国では幼馴染属性の人気があまり高くはないですし、ネタとして真っ先に出てくる誰もが認める負け幼馴染ヒロインネタというのもこちらではすぐに出てきませんから」

といった話もある模様です。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。