ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので、今回はそれについてを。

中国のネット小説は今でこそ中国国産コンテンツ屈指の存在感を持つジャンルとして、中国で数少ない創作で食っていける場所、チャイナドリームの舞台などにもなっていますが、その大きな発展と変化から
「中国でネット小説の課金プラットフォームが定着する以前の状況」
について想像し難くなっているのも間違いないそうです。
またその辺りについて、時折世代間のギャップが炸裂したりもするのだとか。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「昔のネット小説家はどうやって食っていたのか?」
といったことなどに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


00年代の初め〜半ばくらいってウチの国のネット小説もタダだったり海賊版サイトが強かったという話を聞いてふと疑問に思ったんだが、昔のネット小説作家ってどうやって食ってたの?
今みたいな課金プラットフォームが無い場合、収入のルートはどうなるんだ?広告?不可能ではないかもしれないが個人でやってっていくには限界があったように思えるが、当時はどうだったの?

愛の力をエネルギーにしていたんじゃないの?
今のネット小説も稼ぐのを最初から諦めている人とか、同人小説で趣味に突っ走っている人にはそんな感じのがいないわけじゃない。

余暇の遊びってやつだよ
自分も昔ネット小説書いてたことあるけど収入とか食っていくとか考えたことも無かった。そんなだから更新速度も遅くて放置、エタの流れになったが。

昔は人気になったら版権も自分の手元におけたみたいな話は聞いたことがある。
今は課金収入を得るためにネット小説サイトと契約する際にがんじがらめにされて権利はネット小説サイト側みたいなもんだ……

自分がネット小説書いていたのは個人で稼げる希望が、というのに乗っかる人が増えていった時代だけど、その後は数年で難しくなる他のジャンルでもありがちな流れになったから、撤退したことは正解だったと思っていたり。
それに作品の権利に関しても、ごく一部の売れる作品以外は価値が無いよ。売れるのは他所に版権を縛られていても稼げるからこその人気作品だ。

これはネット小説で考えるから分かり難いんだと思う。
イラストの方、人気のプロではなくたまに商業の仕事や同人やってる絵師とかを想像すれば分かりやすいのでは。

でもイラストは同人で稼げるし、CGスキルは本業との連動も容易になるからつぶしの効かない小説とはちょっと違うのでは。

初期の動画配信、up主がどうやって食ってたかを考えてみれば良いと思う。大体は自分の興味のあるジャンルの発進とか、良い反応もらえるからとやっていた。

ウチの国のネット小説の流れは98年からという説があるけど、昔はネット小説作家が職業になるという考えは無かったんだよ
ほとんどの人間は趣味で書いて感想をもらう愛好家。

そう考えると、20年で随分と規模が変わったしシステムも変わったなあ。
それが良いのか悪いのかは分からんが

昔と比べて良い作品が無くなったと言われがちだが商業化と競争で基本的な小説のクオリティは上がっている。
しかし趣味としての細分化は消えて売れ筋だけになっちゃったし、客の好みを想定しやすく量で稼ぎやすいテンプレばかりになったから、趣味というより仕事と商品になってきているから何とも言えない気分になる。

今はネット小説家というのは小説で稼ぐというのが目標でそうでなければ意味が無い、そして稼ぐためには作家一人で対応できる環境ではないとなっている。俺も本当に良いのか悪いのか分からん。

まっとうな収入にはならないエロ小説は金以外の実益や趣味や練習で書いているのが結構いる。

昔々のネット小説サイトの契約無しというかできない二次創作ジャンルは好き勝手に自分の愛で書いているのがたくさんいた。

そう言えば昔のネット小説って今の同人小説と基本的に変わらんかもな。
まあネットで人気になって有名になったら実本の出版につながることもあるくらいか。これは今でも変わらないが、この方法で食える人間はとても少なかった。

初期の収入ルートは実本の書籍化だった。昔は電子書籍ってのもほぼ無かったし、起点が出来て課金プラットフォームが固まるまでは人気が出る前に稼ぐ方法はほぼ無かった。

ネット小説サイトには龍空なんて所もあったが、起点と違って生き残れなかったな。当時は龍空も実本出版で生きて行こうとしていたが裁判とかなんとかで生存が……

収入もそうだけど、そういうネット小説サイトが出来る前ってどこに作品発表していたの?

大手のフォーラムに創作発表の板があったからそういう所が多かったかな。あとはブログとかも。人気が爆発すれば出版もあり得た。

私もBBSで小説書いてたことあるわ。
でも金を稼ぐとか考えたことも無かった。主な理由は暇つぶし。

あの時代は小説書いて稼ぐための手段が実本の出版くらいしか無かったからね……

私は作家ではないけどそっち方面にいたので簡単に。
当時の出版は繁体字版を台湾や香港にというのがあった。初期の中国本土のネット小説作家にとって、台湾からくる食い扶持は結構あった。これは2010年代の初期まではあったように記憶しているが、紙媒体需要の減少や敏感な事情のアレコレもあって消えていった。

初期はこっちのネット小説が人気になる→台湾で繁体字版が出版→大陸で海賊版が出版という今の感覚で見るとネタみたいな流れもあった

ネット小説に限らず、00年代はネットの商業モデルが固まっていない時期だったしいろんな分野が稼ぐとかを考えるよりもまずは趣味として楽しむ、評価される方向だった。

昔も出版ルートはあったのは分かるけど、そこに至るまでの飯の種はどうしたのだろうか。人気にならないと出版にはならないはずだし。

昔のネット小説書いている人間はどうやって食っていたのか?
普通に仕事をして食っていました。
まぁ今の時代も食える人間になることを夢見て別の仕事をしながらネット小説にリソースを投入し続けている人はたくさんいるけど、昔はネット小説家で食っていくという考えがなく普通に仕事をして遊びで書くという感じ?大人気になったらどうしよう!みたいな妄想はもちろんしていたけどね。

今は専業が目標になるけど、00年代の頃は兼業で書いている人の方が多いしそれが普通というイメージだったなあ

そうそう。2000年代前半の起点とかの文字数課金モデルがまだ定着していない時は、ほとんどの作者は兼業か、そもそも小説からの収入無しの趣味状態だったはず。

今はネット小説は人気の所はグループ作業だし稼がないといけない動機が強いし作品は続くけど、個人でやっているうちは兼業多かったしわりと自由にやってたし連載が止まることも今以上に多かったような
今は今で引き延ばしでテンプレ繰り返しだから止まらないけど進みもしないみたいな印象にはなるが……

出版で稼ぐのが主なルートだと兼業作家が多くなるのは必然。
日本のラノベ作家のほとんどは作家以外の仕事持っている。日本で専業になるのはよほどの人気作家だけ。

比較的最近のことで例えるなら、初期の動画配信がどうだったかというのが分かりやすいだろう。記憶のある人もまだ多いから
あれも稼げるようになると一人が顔になるけど制作に関しては各種スタッフを動かすようになったわけだしね。

大体の流れとしては個人が趣味でやっている、人気になってコンテンツとしての見込みが出る、そこを商業化、或いは大組織がそのネタで商業化と商業プラットフォームを作る或いは既存のプラットフォームに乗っかった商業サービスを展開という感じだろうな。

動画はプラットフォームがあったけど、ネット小説はよく課金システムにできたとは思う。

当時は国外の海賊版ばかりだったし、中国人の書いた中国人向けの中国人の好みを反映させてくれる作品が無かったのよ。ネット小説って文芸とかとは対極にある、イロイロな方向で良くも悪くも欲望を満たしてくれる作品が提供してもらえるわけだから若いのだけじゃなくてブルーカラーの下層階級や軍人なんかも客としてついた。

当時としてはディスク買うより安くたくさん読める長持ちするヒマつぶしだったからね。環境的に安くて面白くてたくさんという強みがあった。海賊版で広告やヘンなサイトに飛ばされるよりちょっと課金して最新のを読める方が楽だった。あれでウチの国でも金を使った方が楽という習慣が根付いたんじゃないかと私は思っていたりする。

昔は愛をエネルギーに書いている人が多くて、当たったら出版で稼げるという感じだった。その当時も大人気になって稼ぎまくれる作品も出てはいたがその後の国産ネット小説の発展から比べると大人しく見えるかもな。

起点で「書けば稼げる」文字課金システムが定着して、ネット小説の存在感が増して映像作品やゲームの原作になってというチャイナドリームの舞台になっていったからな。
でも夢を見れる、稼ぐのが当たり前になる前は基本的には趣味、仕事にして稼ぐというわけでもないから兼業と言うのもちょっと怪しいかも。

初期は稼げるとは思われていなかったからな。
現在の最初から稼ぐのが目的、稼げないならやる意味は無いという感覚だと把握し難いとは思う。同人なんかもそうだ。

同人活動、特に同人誌はちょっと特殊で、日本の同人イベントネタの作品が先行して入っていたから、ウチの国では同人活動は稼ぐもの、利益を出すものだという認識が最初から強かったかな。
これは私も後になって知ったんだが、日本の同人活動は赤字が大多数だ。ウチの国でも同人は大儲けを狙うというわけでもないし愛が重要ではあるが、赤字を出してまでやるという考えは主流ではなかった。今の方が逆に稼ぐの考えずに趣味重視でやっている人の割合は高いかもしれない。

日本ネタで思い出したが日本のネット小説の形式を見ると、ウチの国の初期と共通するものが残っているね。趣味前提で当たったら商業化するけど、商業化が主な目的ではない。
ただこれは日本人の趣味と名声を重視するスタイルや、日本では出版で大きく稼げるという事例が無いというのも理由になっていると思われる。

日本だとせいぜいアニメ化、映像化するにしても日本のシステムだと著者に金がほとんど入らない原作として増刷されるだけらしいな。
こっちでの収入として大きい、映像化の際の報酬とかが少ないというのは厳しいだろうね。

私の覚えている昔の比較的確実、稼げるルートはやはり人気になって台湾の方から声をかけられて商業出版という流れだね。
今になって考えて見ると中国本土だと出版コードの手続きの手間とか、実本市場の規模や不便さの問題があったように思う。

ウチの国は国産コンテンツの中心になって巨大化したからなあ……旧来のメディアとは違う新しい娯楽メディアとして成立できたのは世界的に見ても独特だと思う。他の国だとネット小説やネット小説系コンテンツって、小説や映像媒体の下部扱いだし。

昔はほとんどの作者は昼間は仕事をして夜や休日に愛をエネルギーにキーボード叩いていた。稼げないけど引き返すのは簡単だった。
専業でやるとダメだったときが厳しい。成功者の陰には名前すら残らない、生きていけなかった人間がたくさん生まれているわけで。



とまぁ、こんな感じで。
商売関係無しが当然だった時代がピンと来ない人もいるようですし、そこに昔を知る人がイロイロと出現しては思い出やら何やらが語られていました。

それにしても、私もすっかり忘れていましたが言われてみれば中国でもBBSでネット小説を発表していた時代がありましたね……

環境の変化がやたらと速い中国ではネット小説に限らず現在の状況から一昔前のことを想像するのが困難になっていることも多々あるそうで、それは中国オタク界隈やコンテンツ業界でも変わらないと聞きます。

またそれに加えて中国でも中年以上のオタクがそれなりに増えてきていることから、イロイロなジャンルで世代の違いを実感してしまう事件が発生しているとかなんとか。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「ネット小説無料化反対の声が燃え上がっている件について」