余裕ができたので、今日はちょっと時間をかけたネタで。

以前から何度も
「中国でやる夫スレを見ている人はいないのか?」
などの質問をいただいておりましたが、ずっとまとまった反応を見つけられないままでした。

しかしありがたいことに
「昨年末辺りからやる夫スレの作品がごく一部で話題になっている」
「中国では『AA漫画』と呼ばれている」
「やる夫スレ系が話題になるきっかけとなった作品はたぶん『ディエゴ・ブランドーがグランドオーダーに挑むようです』だと思います」

というネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

さて現在中国の方では「AA漫画」と呼ばれているというやる夫スレ系の作品ですが、中国で広まる上でのネックとされていた
「フォントなど環境の違いからAAがズレる」
という問題については
「画像に加工して表示する」
というやり方で解決している模様です。
スレやまとめの文字ではなく画像をページごとに見ていくというのもあってか、読んでいる感覚はマンガに近くなっているのもあるそうですしマンガ系のカテゴリ内のジャンルとして扱われているとのことです。

それから基本的なキャラの中国語表記、
とりあえず目に付いた所では
亚鲁欧(やる夫)
亚拉纳伊欧、不做夫、亚拉那意欧(やらない夫)
齐鲁欧(できる夫)
涅拉乌欧(ねらう夫)

などとなっているようです。やる夫以外は表記が一定しないようで訳によっては別の表記もあるかと思われます。

翻訳&画像加工でアップされている作品に関しては日本からアクセスできない(リンク切れの可能性も含めて)ことも多いようですし、実情については私もイマイチ把握していないのですがとりあえず「AA漫画」や「亚鲁欧」などで検索すると中国に入っている作品のさわりのようなものは見えるような?

ちなみにこれのおかげで
「できる夫」の中国語表記はどうなっているんだ
→タイトルに「できる夫」が混じっている作品はざっと見た感じでは見つからない
→「できる夫」が出てくる作品で翻訳されている作品はあるのか?出てくるのは何話だっけ?そもそもこっちから閲覧できる作品はあるのか?
というので夜中に数時間ネットをさ迷いました
(最終的に「キッチンやらない-O」で確認)
翻訳された作品の多くが画像形式になっていることから文字検索ではタイトル以外引っかからないようなので、いざ探すとなると難しいことになりますね。

また画像の方だけでなくbilibiliに
「ディエゴ・ブランドーがグランドオーダーに挑むようです」を動画にしちゃった力作
などもあるそうです。
こっちは画像処理よりも更に手間がかかるでしょうし現在14話までなのですが、弾幕コメントが現地の合いの手的な感じで見ていて面白いですね。中国語が分かってやる夫スレもいけるというのは非常に狭い範囲だと思われますが、ご興味のある方は如何でしょうか?

ちなみに1話30〜45分くらいのようなので、私はまだ最初の方をちょっと見ただけです……ステイホームや夏休み中にこれを知らなかったのは良かったのか悪かったのか。

とりあえず以下に中国のネットを回ってかき集めた
「やる夫スレ、やる夫スレの作品」
などに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


AA漫画、日本ではやる夫スレ作品と言われる作品について語ろう!
何か面白いのがあれば推薦も大歓迎。自分は「ディエゴ・ブランドーがグランドオーダーに挑むようです」から入ったんだが、ストーリー中のダイス的なランダムの数字で派生するストーリーに無限の可能性を感じる。

「ディエゴ〜」は面白い。ダイスの意思を感じるよな!

でもあれって作者の力量が無いと厳しいでしょ……ダイスで随時クリティカルやファンブルによるストーリー崩壊の危機が発生するけど、それをコントロールして面白さと作品のまとまりを維持し続けるとか驚嘆に値する。

作者の力量は当然重要だが、それに加えて読者の質がかなり問われるジャンル?だと思うね。
例えば「ディエゴ〜」は作者が無茶苦茶型月に詳しい上に、読者の反応を上手い具合にくみ取ってストーリーにしてそれをまた読者が反応でフィードバックするという良好な循環が形成されているけど、簡単に真似できるものではないだろう。

人理よりもよっぽど崩壊の危機にあるストーリーをアドリブで修正しつつ型月っぽい雰囲気、きのこっぽいキャラの言動に落とし込むのはよく考えるとトンデモナイ

TRPGのマスタリングに近い物があるし、例えば「ゴブリンスレイヤー」の作者とかを見てもTRPG界隈の背景や影響はあるんだろう。Fateだって最初はTRPGを強く意識したキャラ設定なわけだから親和性もあるかと。

でも「ディエゴ〜」って一歩引いて見ると実は作者のコントロールがかなり強いんだよね。安価をやることも少ないし、あんこ部分も豪放磊落に見えるけど方向は制限されているしかなり保守的な作品だ。私はもっと混沌とした作品が見たい。

そういう作者もいるけど、話がまとまらない、進まない、終わらないになりがちだしウチの国の感覚だと特に難しそうだな……

上のレスで言っているような混沌としたのは安価スレの作品のことだよね?
オススメ作品を語るスレだったのを思い出したので「魔理沙は宝を集めるようです」、「レミリアは新世界を旅するようです」、「アリスは電脳世界で生きるようです」を薦めてみる。
これは東方好きな人にもオススメ。

その作者の作品、面白いよね。私は暇を持て余した時に続きが見たくて日本語の方まで見に行った。絵と漢字と翻訳サイトで頑張った。
面白かったし、我ながら意外に分かるもんだと思った。

「それゆけダージ凛」は混沌としているのに設定が積みあがっていってすごいぞ。適当に飛ばすとか途中からというのが難しいけどね。

「ダージ凛」は比較的初期のAA漫画作品だったね。途中までしか知らないが翻訳終わったんだろうか?

アレは確か作者が同一世界観の続編書いているから終わったかどうかは何とも言えないということだったかな?

確か2018年くらいだったか?結構作品が出てきていた気がするが、あの頃は布教しても広まらなかった。
2019年末から今年初めに翻訳版も完結までいった「ディエゴ〜」で一気に広まった感があるな。同人作品としてのクオリティに加えて元ネタがFGOというのも良かったのだろう。

「キッチンやらない-O」は名作

それ確かラノベ化して書籍になってたよね。
他にも「翠星石と白饅頭な彼氏」がラノベ化していたはず。

パルクールで根源に至る聖杯戦争は面白かった

私も中聖杯戦争シリーズに一時期ハマってた。

自分も追いかけていたなあ、聖杯戦争というシステムの同人での使い勝手の良さ、どう話を回していくのかという方向からも興味深い作品だった。

聖杯戦争系というかFateネタは理解しやすいしね。「ディエゴ〜」の前は「ねらう緒は聖杯戦争を蹂躙するようです」や「ねらう緒は、聖杯戦争に乱入するようです」とかがAA漫画知っている人の間では人気高かったはず。

本当に時間泥棒なジャンルだよ。
最近も「ディエゴ〜」にモノスゴイ時間を持っていかれた。Fate関連の同人とかこれまで読んだこともなかったのに、妙な面白さを感じてハマってしまって……

俺はやはり「ディエゴ〜」だな。私がこの1年ほどの間に見た同人作品では一番だった。

「ディエゴ〜」はbilibiliで動画作っちゃう人が出るのも理解できるレベル。

あの作品のダイスで活躍しまくる呂布は笑うわ。なんなんだあの無敵の飛将軍。
自分の中では二次元系呂布の中で一番印象に残ってしまう存在となった

スレ主が意識しているのはやる夫スレの中の「あんこスレ」というジャンルだね。
ランダム要素無しでストーリーをAAで書くタイプや、読者がレスしたものから選ばれる「安価スレ」というのもある。
書籍化している作品はランダム要素無しのストーリーのみの作品が多かったはず。有名なのだと「ゴブリンスレイヤー」があるし、確かAA漫画版の翻訳もされてたんじゃないかな?

面白かったけどずっと疑問に思っているのが、あの作品の選択肢だ。選ばれなかったものについても予めネタを準備しているのだろうか?連続して選択のダイスをふる時もあるし、全て準備しておくとしたらあまりにも手間がかかり過ぎるような……

上でも言われているけどTRPGのGMの準備に近いと思う。
方向をコントロールするのと、成功失敗、大成功や大失敗による振れ幅の表現をして盛り上げていくのだろう。言ってみれば大まかに準備をして細かいところはアドリブ。登場人物のキャラクターを把握しておくと案外転がせるもんだよ。

AA漫画って面白いよね……自分もこういう創作をちょっとやってみたいんだけど、サイコロ機能つきの場所ってウチの国にあるのかね。

フォーラムによってはあるぞ。ただAAは崩れずに使えるのだろうか?
ウチの国の人間が作った作品もあるようだし、原理的には合わせられないことも無いとは思うが……

日本の2chのAAってウチの国で言えば表情系スタンプみたいなもんだと思っていたが、それで話作るとか、シーン描写するほど書き込むとか、更には面白い作品が作られているなんて全く想像もしていなかった。

面白いけど、翻訳待ちの作品が多いのもつらい。日本のサイトを見るとたくさん作品があるのが分かるだけに。
……あとR18なヤツも。特に催眠系やNTR系は凄い作品も多いと思うんだ。

翻訳予定リストに載っていてもいつになるのか分からん、みたいなことも珍しくないからね。

翻訳無しで続きを読みたいなら日本語能力だけでなく日本語環境も無いとダメだからなあ。フォント設定が正しくないと絵がズレて意味不明になる。

翻訳するより自分の日本語能力鍛えた方が良いまである。基本的にネットの軽い文章だから翻訳を考えるよりも雑に意味を把握して流す方が……

それに加えて単純に量が多いし、ネット特有の現地スラングもかなり混じるから翻訳の難度高いんだよね。
ただ自分だけが楽しむなら気合を入れればなんとかなる。むしろ自分が慣れる方が早いかもしれん。私は「サバイバルヤルオ」を翻訳が無いから自力で読んだが日本のネットというかやる夫スレ(AA漫画)の空気に慣れると読むスピード上がる。

目がAAに慣れてくるというのは実感できるし、セリフでどこが重要かというのも把握し易くなるよな。レスで参加となると難しいがじっくり見れば理解するのは何とか。

でもそれだと自分しか語れないという事態に……!好きになった、楽しんだ作品を知り合いと語ることができないのは残念。布教もできない。

「ディエゴ〜」で読者が増えたのは間違いなく翻訳がガッツリ行われたからだろうな。しかも読者のレスも含めて。
今年に入ってから自分の周囲でも局地的に話題になっている。

「ディエゴ〜」はウチの国のAA漫画ジャンルの歴史の開拓者だと思う。2019年12月から始まった中国語化の動きがウチの国でのAA漫画熱を発生させた。
私もあの作品は近年の屈指の同人作品だと思うよ。



とまぁ、こんな感じで。
私も最近まとめて情報を教えていただいたのでまだ把握しきれていませんが、この1年ほどの間にジャンルとしての認識が結構広まっているようです。

それと今回かき集めた反応がどれくらい偏っているのかは私にもイマイチ分かりませんので、中国オタク界隈の一般的な認識とは限らないということでお願いします……

教えていただいた話やざっと見た範囲の印象では、やる夫スレの作品が翻訳拡散される流れはまだ局地的な物のようですし、これが今後大きくなるのか小さくなるのかは不明です。
またやる夫スレに関するやり取りも、個別の作品の感想とかは出ているそうなのですがそこからやる夫スレジャンルの話題につながるかは何とも言えないのだとか。

それにしてもこれまで定期的に中国である程度の規模のやる夫スレの話題が無いかと探しては見つからないというのを繰り返してきたのですが、やはり中国で広まりやすい形で現地の感覚に刺さる面白い作品が伝わると一気に広まるものですね。
面白い作品のパワーに加えて、伝わるためのルートの重要さというのも実感します。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

ちなみに今回の記事をまとめるのにはかなり時間がかかりましたが、その半分くらいはやる夫スレ作品を確認していたらいつの間にかまた読みふけっていたことによる時間のロスが混じっています……