ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

中国オタク界隈ではこれまでも定期的にアニメの規制やレーティングの導入などについて話題になってきましたが、先日の「無職転生」の大炎上からの配信中止を目の当たりにしたことにより、改めて日本と中国の規制やレーティングの違いなどに関する話題が盛り上がっているそうです。

中国のソッチ系のサイトではそんな話題の一つとして
「日本の深夜枠やレーティングに関する誤解、規制のイメージ」
といったことなどに関するやり取りが行われていましたので、以下に例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


アニメが規制されるたびに「なぜレーティングを導入しない」「日本では深夜枠でレーティングがかかるような作品なのになんで一般向けで流す」みたいな声が上がるけど、この辺りに関する認識には、例えば日本のテレビでは「深夜枠=レーティングがかかっている作品」といったような間違いが混じっていたりもする。
その辺りについてちょっと知識の交流をしてみないか?

ふーむ、例えば「無職転生は明らかにR-15の作品だろう」みたいな?

「なぜ日本のR-15作品をこっちでは全年齢向けとして宣伝するのか」
といったようなのもあるな。私も討論の際に日本の深夜枠や規制に関する前提認識の食い違いを感じることがある。

そうそう。実際の所、深夜枠ではあるけどR-15という分類にはなっていない。
更に言えば日本の基準ではお色気シーンに関しても問題ないレベル。ただし、ウチの国でそのまま流していいかは別の話。

そこがヤヤコシイんだよな。
bilibiliとかのアニメを配信しているプラットフォームの責任があるのは間違いないんだが、そこに日本に深夜枠がどうのこうのと誤解の混じった批判になるから……

分かる。
そしてこういうのをやり出すと日本ではとか欧米ではみたいな論調も加わって冷静さが行方不明になりがちだから余計に難しくなる。

だが実際の所、俺達が見ている人気アニメの多くは深夜枠アニメではない。
日本ではゴールデンタイムに放映されている作品も少なくない。

昔はともかく今はハッキリとした子供向け以外はほぼ深夜枠だぞ?ジャンプ原作のだってそうだ。「呪術廻戦」も「ハイキュー!!」も「憂国のモリアーティ」も「約束のネバーランド」も「Dr.STONE」も、そして「鬼滅の刃」も。
一応ノスタルジー狙いの昔の人気作品のリメイク、「ダイの大冒険」あとジャンプ系じゃないが「半妖の夜叉姫」なら深夜枠じゃないけれど、こっちを見てる人は少ないだろ。

いわゆる日本のテレビの深夜枠ってのは時間帯でしかなくて、作品の表現の過激さには直接的な関係はない。その時間帯の主な視聴者の傾向による所はあるがそれでも制度上の規制基準やレーティングというのはない。
そして新作アニメの多くはオタク向けで制作費もターゲットも小さいから昼間、ゴールデンではなく深夜枠に放映されることになっている。

調べてみると分かるが、ウチの国で有名な人気作品も最初の放映は深夜枠だったりするんだよな。
「はたらく細胞」や「シュタインズゲート」なんかも。

日本のテレビにおけるグレーゾーン的なものが無いわけではないから難しいのよ。
いわゆる「聖なる光」で隠すといったような形で日本でも地上波はかなり厳しい修正がかかっているし、深夜枠以外にチャンネルによる住み分けというのもある。
ただそれらをR-15だとか一般向けじゃないとかでレッテルを貼るのはどうなのかと迷う。

そう言っても、多くの深夜枠のアニメがレーティング作品なのは確かだろう。

そこは具体的な数字や割合を出さないと反論にならんぞ。

日本のテレビの基準や価値観と我が国の社会の基準が価値観が異なるし、そこで伝言ゲームも加わって全部規制しろ、レーティングを導入しろになってるようにも感じる。
ウチの国向けに修正した内容があれば良いのかもしれないが、コスト的にも期限的にも現実的じゃないからな……

AT-Xでの規制解除やディスク販売の際にかかるレーティングみたいなのもあるな。あとTV放送では成人向けで明確にレーティングのかかる有線放送チャンネルもある。
もっともいわゆる「地上波放送」は修正が多いし、基準は厳しめ。ただレーティングの対象ではない。そしてこういう作品がディスク販売の際にレーティングがかかることは普通にある。

日本も規制は厳しくなって子供向けアニメの水着回も難しくなっているんだよね。
深夜枠はPTAに怒られないように移動した先という面もあるから「日本では何の問題も無く放映されているのに」という全肯定もまた違うと思う。
この材料がこっちの討論で冷静に扱われることも無いけど!

どの国も一緒、ウチの国でもある話だが規制はどんどん厳しくなる。
昔の作品だったら抗議をスルーできたのが、今では大きな問題になって炎上につながったりする。「銀魂」のように明らかに昔というか、先にやらかしていたからなんとかなっている作品みたいなのもある。だから「あの作品は大丈夫だったのに」みたいな話ではなく、今の基準でどうなのか、どう扱うべきなのかを考えるしかない。本当に残念な話だがね。

日本でもその辺りについてはハッキリと注意してはいるね。
最近で言うなら「はたらく細胞BLACK」の第3話と第4話が深夜枠内でも更に後ろの方の時間帯になったりしている。
ただこれもレーティングとは別の自主規制、安全の確保といったものだからよくある深夜枠とレーティングを混同した批判とは別の話だが。

実際の所、今の子供向けじゃないオタク内で人気の作品で非深夜枠はガンダムとか一部の少年ジャンプ原作系とかくらいじゃないか?
あと日本のアニメ自体が最近は深夜枠中心になっているといった事情もある。

上でも出ているけど「鬼滅の刃」は深夜枠出身で日本の国民的アニメにまでなっているから、深夜枠で括るのはもう正しくない。

日本のアニメもネット配信の割合が高まっているからそんなに重視されていないという話も聞いた覚えがある。
例えとしてはいまだにディスクの販売枚数で作品の覇権を語っているようなものなのかもね。

あー、なんとなく分かる。現在の実情を考慮せずにずっとディスク枚数にこだわっている人はいるからな。

「真・中華一番!」でさえ深夜枠だというのが現在の状況だからね。

深夜枠だから一般向けに流すな、という批判は問題を歪曲させがちだ。
でも日本の判断基準で問題無いとされる作品をそのままこっちで流すのもなあ……

bilibili側でレーティング導入すればいいだけじゃないの?R-15で。
bilibiliが全年齢向けプラットフォームみたいな顔しているのがおかしい。

それで今の問題が無くなるならいいけど、どの程度効果があるんだろうな。
フェミ関係は内容に関してだから分かりやすいレーティング規制は困難だぞ?恋愛要素アリだからR-15とかやるのもウチの国だと一つの選択ではあるだろうけど。

この作品は「三観が正しくない可能性があります、ご注意ください」とでもやるか?現在の環境は数年前とは大きく変わっている。いつでもどこでも三観警察が出撃だ。
(訳注:「三観」は世界観、人生観、価値観を指すことが多いそうです)

「この番組は一部成人向けの内容が含まれております。視聴の際にはどうかご注意を」
とやっても人気になるだけで批判は発生するからね。

bilibiliでR-15の基準を導入するとしてだ。bilibiliの視聴者に15歳以下の子供があんまりいないというのがデータにはあるんだが。あそこのユーザーは18〜35歳が8割だ。
子供への悪影響を持ち出して文句言うのはどうなのか、我が国の成年の頭の具合は外国よりもそんなに劣るのかと言いたくもなるわ。

商売的には厳しくなるだろうが、安全重視ならいっそのことR-18やガチガチに会員で区切ってしまうのも手だろうね。
有料会員導入の理由の一つがそれだから。ただ覇権アニメ扱いになるとどうなのかという根本的な問題は残る。

でも正直に言わせてもらうと「無職転生」とか子供に見せるべきでは無いと思うし配信中止は合理的なものだと思っている。業界的にどうなのかは知らんけど。

近頃はその「合理的」という理由に「自分が嫌いだから」という主観的な意見がかなり混じるから炎上するわけで。そして分かりやすく過激な断定での殴り合い、通報合戦になっていく……

「無職転生」がウチの国の一般家庭に流すのには向いていない作品だというのは間違いない。そこを認めたくないから目を逸らして口実を探して弁護するのは見苦しい。どこの国に住んでいるのか忘れるな。無職転生配信中止を受け入れられないのはお前ら個人の問題だ。

配信中止、子供に相応しくないという根拠となる基準を明文化できていないのがウチの国の現状の根本的な問題だろうな。「こういう作品はダメ」という基準を提示できるなら番組を買う時にも交渉しやすいし、修正版の作成みたいなオプション要求の選択肢だって出せる
「これぐらいなら大丈夫」の感覚が業界内やオタク界隈でさえ統一されていない、最低限の明文化されたルールも無いから後になって大炎上して慌てふためくし大ダメージにもなる。

「無職転生」の大炎上はウチの国のオタクのダブルスタンダードな考えを浮き彫りにした点だけはよかったのかもしれん。ここを直視しないことには事件が繰り返されることになる。

リスクを考え出したらキリがないけど、結局は規制の方針とどこまで徹底するかだよ。
その辺りをうやむやにしてきた問題がいよいよ顕在化してきた感はある。アニメだけでなくネットドラマなんかもだけど。

アニメ、二次元文化は急速に大きくなってしまったし、商業的にも文化的にも昔の隅っこでオタクをやっていた時代とは違う。あまりにも簡単に広まる今の時代に合わせた態度が必要になってきているのでは。まぁそれがレーティングで簡単に括れるものではないのが厄介なんだけどね!

ウチの国は二次元界隈内で住み分けができていないのも困る。
日本は男性向け女性向け、大人向け子供向け、同じ作品のファンでも男女でまた住み分けている。
ウチの国はそういうのが無いから少年マンガ原作系でも男女のファンがやたらとぶつかるし、そこに近頃はフェミニズムまで入ってくる。

日本の二次元は過去に何度も社会的な規制とそれに関する業界やクリエイターの対応が発動しているし、マンガやアニメを見て育った世代がかなり上の方までいる独特な社会だから「日本で大丈夫」、「日本ではこのレーティング」みたいな話を持ち込むのは正しくないと思うわ。
とりあえず「無職転生」の件については運が悪かったが、あのアニメを大丈夫だと判断したのは運営のミスでもあるだろう。人気になり過ぎて注目を集めるということも含めてね。

それは確かに。
ウチの国のネット小説ではハーレム系作品が様々な規制によって消えていった。「無職転生」のような表現や内容の作品はもう国内では書けなくなっている。通報されてアウトになる。
後出しな言い方になるけど、明らかにリスクはあった、そしてbilibiliは失敗したということなのだろう。



とまぁ、こんな感じで。
近頃の中国オタク界隈の規制に関するイメージや態度がイロイロと出ていました。

中国のやり取りを見ると規制自体については肯定的な人も多い印象ですね。
ただこの辺りに関して、このネタを教えてくれた方からは

「規制や配信中止をするべきだという人は、自分はダウンロードで見れるから関係ないという考えの人も多いので単純な話ではないですね。あとそういった人達はダウンロードの提供元の方が弱ってきている、ダウンロード自体が使いにくくなっていく、ダウンロードだけだと語れる人がどんどん減っていくというのを知らないのか忘れているのかという意味でも少し心配になります」

「他には正規配信で人気になった場合に増える初心者が入ってくるのを嫌うという感情もあるかもしれません……」

といった話も飛んできました。
どちらにしろ、現在の中国の環境でオタク向けの作品を展開するのは何かと難しくなってきているようですね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

3/6修正:誤字脱字を修正しました。ご指摘ありがとうございます。