ちょっと面白いネタを教えていただきましたので今回はそれについてを。

京アニ作品は中国でかなり評価が高く、
アニメ版も劇場版も中国国内での配信がある
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」

もそういった作品の一つだそうです

しかしこの作品の中国語タイトルとしてよく使われている
「紫羅蘭永恒花園」
に関しては、作中のキャラの名前ではなく名前の意味の訳になっているので「誤訳ではないか?」という指摘もあるそうで、現地のファンの間ではちょくちょく話題になっているとのことです。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「ヴァイオレット・エヴァーガーデンの正しい中国語タイトルとは」
といったことなどに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


ヴァイオレット・エヴァーガーデンの中国語タイトルが混乱している。
少し前までは「紫羅蘭永恒花園」だったけど、近頃は徐々に「薇尔莉特・伊芙加登」の方も増えているように感じる。

確か元々の広まっている方が誤訳なんだっけ?

そうだね。訳としては広まっている「紫羅蘭永恒花園」の方が間違い。
作品を見てみれば分かるけど、主人公の名前だから原則としては音訳する方が正しい。

タイトルは誤訳でカッコイイ方が良いのか正しいけど意味不明な方が良いのか……

どっちが好みかと言われたら「紫羅蘭〜」の方なんだが、誤訳だから全肯定も難しい。
あと日本側がどこまで認識していたかは知らないけど、こっちの公式配信の宣伝も「紫羅蘭〜」の方でやってたので何かとヤヤコシイ。

ウチの国での宣伝ということなら「紫羅蘭永恒花園」の方が効果的なのも間違いないからね。キャラ名の音訳である「薇尔莉特・伊芙加登」だけだと意味不明。

作品のタイトルだけ発表されて中身がどうなっているのか分からない状態がかなり長く続いちゃった作品だからね。
タイトルの意味が判明した時にはもう遅かった。

2018年に新番で配信されたときはまだ「紫羅蘭〜」の方だったし、確か2021年の年末に劇場版がこっちで配信されたときもまだ「紫羅蘭〜」のままだったよね。

検索とかではまだ「紫羅蘭〜」が主流、bilibiliの所は「紫羅蘭〜」で検索しても「薇尔莉特〜」が表示されるが会員限定の所なので広まり方については不明。

主人公の名前がどこから来ているか考えればセーフと言えなくもないかもしれない。でも「永恒花園」についてはさすがに弁護が難しいかも。

無理矢理こじつけられなくもないが、見た感想では「紫羅蘭」(アラセイトウ)も「永恒花園」も無かったからな

紫羅蘭と花園という言葉が与えるイメージが強過ぎた。
原題の方もそういう意味が込められていないわけではないんだろうけど、中国語訳になるとほぼその意味だけが意識されることになった。

京アニファンは濃いのが多いけど、この作品も濃いファンがいるからタイトルの問題も深い所までいってしまって大変だな。

あそこは原作の話や登場人物の名前の花言葉の意味とかまで踏まえて討論されているからな。一般のオタクではついていけない。

そもそも「violet」を「紫羅蘭」(アラセイトウ)にしたのも間違いじゃないか?violetって「堇菜」(スミレ)やその色じゃないの?

花というか植物に関しては何かと混乱するよね……violetで検索したり翻訳にかけるとまず出てくるのが「紫羅蘭」だし。
ただ日本のサイトの方で翻訳にかけるとスミレが出てくるから制作側の意図としているのはスミレの方だという可能性はあるな。

日本の感覚で見た場合の意図は「堇菜」(スミレ)で確定だろう。
紫のスミレの花言葉が愛、貞節でそれがキャラや名付け親の意図にかかっているという解釈になるから。日本のファン界隈でもその認識で語られている。

「紫羅蘭永恒花園」は文芸的なタイトルでストーリーにもあっていて良いタイトルだと思うんだがな。
原題からハッキリと変更されているのだと「さよならの朝に約束の花をかざろう」の中国語タイトル「朝花夕誓」とかは良い翻訳タイトルとして評価されている。

映画のタイトルが人名の作品はそのまま使わずに中国語版は別のタイトルにすることも珍しくないからな。
歴史上の著名人とかでもなければ人名タイトルで通じる、効果があるのは基本的にその映画を作った国或いは同じ文化圏だけだろう。

面白い例としては昔の映画の「Bonnie and Clyde」が中国語版だと「雌雄大盗」で日本語版だと「俺たちに明日はない」で文芸的なタイトルになっていたりする。そして日本では人気になる上でこのタイトルの効果も大きかった。

そうなんだよね。
だから商業的な翻訳という意味で考えると名前だけ音訳するというのは「完全に正しい」とは言い難い。視聴者のことや商売のことを考えていないとも言える。

中国語タイトルが「情迷弗蘭克斯」とかでカッコ悪いせいでいつの間にか中国向けの公式関係でも「DARLING in the FRANXX」呼びに落ち着いた作品もあったな!
中国向けで完全に英語なタイトルというのは珍しいのに。

「ダーリン・イン・ザ・フランキス」は意味で訳すとダメなタイトルだったよね。そりゃ通称「国家隊」呼びにもなるよ!
「紫羅蘭〜」と同時期の作品だったが内容や人気はともかくタイトルでは圧倒的に差がついていた。

しかしそれでも「紫羅蘭」の明らかにやらかした誤訳で広まっている状況についてはどうかと思う。
だがここからどうすれば良いのかは私も分からない。

「その名前で広まっている、人気作品として認識されている」場合は修正しようがないケースもあるからね。正確な翻訳ではないとしても。

正直に言えば、私は誤訳であるのを知ってからも誤訳のが良いタイトルだと感じてしまうな

俺も「紫羅蘭〜」文芸的だし美しいタイトルだと思うよ。京アニの高品質な作画のイメージとも合致している。

同意。
そして作品に関して語る時はみんな「京紫」の略称で呼ぶ!

間違っているのは確かだが、その間違いがツッコミ所になるヒドイものではないというのがね。

そういう評価だから俺は今更名前の変更ができるとは思えない。
京アニ作品で時期的に何かと知名度が高い、名前がよく出ていた作品だからかなり「影響力の大きい名前」なわけだからな。

その辺りについては公式がどう判断するかだ。
ファンの間に広まっているとしても、間違ったタイトルを許容してそのまま展開していくのかについては版権を持っている所の判断次第だ。あとこれは今回の件とは別だろうけど、ファンや非正規経由でボトムアップ的に広まったタイトルって商標に関する商業的な問題が発生して公式タイトル変更というのも珍しくない。

既に言われているがこの件でヤヤコシイのは現地の事情を意図しての翻訳による現地向けタイトル変更ではなく、明らかに誤訳で広まっちゃってるという事情だよね。

今更変えられるのかという問題については現在のファンはそうだろうけど、数年後のファンは分からないとも言えそう。
映画を見ても昔ウチの国に入った時の雑な翻訳タイトルで広まった作品が今では修正されて広まっているケースはあるよ。

検索で上位に来るところ、公式がタイトルを修正すると影響が大きい。すぐにではないけど年単位で見ると変化が出る可能性はあるだろうな。
リアルタイムの事情を把握しているファンが目立たなくなり、後の検索で作品を調べるようになったら昔のネタ呼称は消えていく。

ネットの流行語、ネタ呼称なんかを見るとそう言う変化は分かりやすいね。10年前のオタク界隈で使われていた作品のあだ名とか、今の若い世代には通じない。

結局の所、問題は「紫羅蘭永恒花園」の方がカッコイイということだ。これが「薇尔莉特・伊芙加登」だと何のことかすぐに分からないしイメージも広がらない、そして「紫羅蘭」ではなく「堇菜永恒花園」だと途端に世界観が小さくなったように感じる。



とまぁ、こんな感じで。
翻訳の正しさだけでなく作品としての正しさなど、考え出すとキリがないようでした。

私も今回改めて調べてみたのですが「violet」を中国語にした場合、植物としては「堇菜」と「紫罗兰」が該当します。そしてネットで検索を書けると先に出てくるのは「紫罗兰」(紫羅欄花)、私の手元にある商務印書館の華英詞典だと「堇菜」(スミレ)が先に来ます。
どうやら「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の中国語タイトルに関しては「登場人物の名前なのでは?」という問題に加えて、「violet」をどう訳すかという問題もあるようですね。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「植物に関しては正確に名前が出ないことも多いので翻訳の際に苦労することもあります」

「私は日本語の文章に出てきた『さくらの花』がどの花なのかハッキリしなくて苦労したことがあります。その場面の時期からソメイヨシノではないだろうというのは分かったのですが、そこから先が分からなくて辞書だけでなく植物図鑑まで調べました」

「大部分の人はそこまで気にしないというのは理解していますが、オタクとしてはやはり拘りたいです……」

といった話がありました。

以前の記事
中国オタク「日本のピーマンって中国のとは別の種類なの?日本の作品の中であまりに強烈に子供から嫌われるのが不思議なんだけど」
にも似たような混乱がありましたが、完全に間違っているわけではないけど正しいと言い切るのもどうなのか……というような訳についてはイロイロと考えてしまいますね。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。