ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

中国オタク界隈ではミステリ系の作品に根強いファンが付いているそうですが、「名探偵コナン」「金田一少年の事件簿」がやはり二大巨頭的な認識をされていて、その二作品から広まったと思われる日本のミステリ系作品に関するお約束ネタなども多いそうです。
またこの二作品に関しては両方とも見ている中国オタクの人も少なくないので、両作品を比較して盛り上がったりすることもあるのだとか。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「金田一少年の事件簿と名探偵コナンの作品人気の寿命が違った原因」
といったことなどに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


金田一少年はダークな要素が濃かったからコナンより人気の寿命が短かったのだろうか?
今では想像しにくいが一時期は金田一少年の方が名探偵コナンより上だみたいな認識もあったと思うのだが。

ウチの国だと昔から人気ではコナンの方が上だと思うよ。アニメの影響が大きいから。
評価に関してならコナンより金田一の方が好きだという人は今でもかなりいるけどね。

金田一は昔のドラマのイメージも強いけど、ドラマって特定の時期の特定層しか見てないから……そこに限ってみれば確かに金田一の方がコナンより上だったが。

2022年版のドラマもそんなに悪くなかったけどね。主人公役も結構カッコイイし制作側も結構頑張っている。

ダークなのかは何とも言えないが、金田一の方が殺される理由や殺され方、被害者の人数などに関してはヒドイことになりがちなのは確かだろう。人が死に過ぎ。

金田一の方が殺人の連続する頻度は高いけど、死んだ数の総計はコナンの方が多いらしいぞ!死に方は……うん、まぁね。

金田一少年は元ネタが金田一耕助だからダークでエログロになるのは必然だった。元ネタに比べればマンガの方はまだかなり押さえている。
ただそれが現代向けでも許容されるかどうかは別問題なわけで……

作品の人気維持に対する影響は分からないが、それぞれの元ネタの違いによる作風の違いの影響はありそうだ。コナンの方は古い探偵小説っぽい雰囲気とストーリーだし。

でも江戸川コナンの元ネタの一つである江戸川乱歩もわりと怪奇猟奇的な話を書いてるよ?日本の近代ミステリって大体そんな感じになってる印象だ。

元ネタはさておき探偵事務所に依頼が来る、名探偵の評価と名声が使えるコナン、高校生の身分だけで事件に巻き込まれる金田一、といったように作品の基本設計が違う。それによってファン層や作品の寿命も決まったのでは。
まぁどちらも成功したからこその悩みではあるんだろうけどね。

金田一の方はキャラの入れ替わりが激しかったけどそれが長期連載では足を引っ張ったのだろう。
コナンは固定キャラで二次元の超長編にありがちな終わらない日常を構築できたが、金田一はつねにキャラを「消費」していかなければならなかった。

キャラが簡単に死ぬ上にキャラ萌え的なエピソードも少ないから金田一は萌え視点で見るのも厳しい所はあったかな……

探偵の出てくるミステリと言っても必ず殺人事件にしなければならないわけではないが、殺人事件だとやはり話を作りやすく盛り上げやすいからね。
そして金田一の場合は「安全」なキャラがほぼいない。コナンだと小学生組や身内は死なないなどの名言されていないけど一定の安全範囲のルールがあるから見る方も気楽でいられる。これが恐らく一般人気にもつながっている。

何年か前に改めて金田一を最初から見た時に、親友的なポジションのキャラが二回目に登場した時は死んだり犯人になったりしているのが多いことに驚いた覚えがあるよ。

ビデオカメラで撮影するキャラを事件で死なせたあとに同じ特徴の弟を出してきたときはさすがにどうかと思ったなあ

佐木竜太の件からは原作までついている金田一少年でさえあまり長期的な考えで動いているわけではない、軌道修正を雑にやっているというのが分かってしまうのも面白い

佐木竜太は常駐型舞台装置キャラとして便利なのに殺しちゃって後悔したんだろうね。
ただあいつに関しては長いこと出ていた後に殺されたという印象の人もいるようだけど、原作を見てみると二回目の登場であっさり殺されているので作者側は雑に舞台装置として認識していたようにも思える。

コナンは複数回出てくれば最低限命の保証や犯人堕ちは無いみたいな所はあるけど、金田一は二回目に出た時が危ない。
その辺も見ている際の不安や陰鬱さにつながるが同時に面白さの理由にもなるんだが。

「金田一少年」はアニメの長寿作品になるには向いていない作風だったように思う。
これは金田一に限った話ではないけどダークで重い展開って疲れている時や休みでダラダラしている時に見る気にはならない。元気がある、時間が余っている、気合が入っている時とかじゃないと。

同意。
数エピソード見るくらいならいいんだ。しかし雪山の別荘のような孤立した場所のシチュエーション、そしてほぼ死ぬその回の登場人物といった話がずっと続くと疲れてくる。

自分の基本的なイメージとして、コナンは犯人の動機については浅くて分かりやすいの或いはヘンなもので、人間的にクズが多い。
それに対して金田一は復讐や正直者が追い詰められて、道を誤ってみたいなのが多くて殺される被害者の方がクズで死んだ方が良いみたいなことになっている。(もちろんどちらにも例外的なエピソードも普通にあるが)
そして納得がいくのは金田一の方で、見ていて楽なのはコナンの方。

言いたいことは理解できる。
ただ天草財宝伝説とかは犯人の動機が子供のためとはいえ被害者側は何も悪くなかったよな。それに金田一少年の殺人みたいな変則的なのもある。

死神小学生とか言われているけど江戸川コナンは子供の身分として扱われているのが本人と周囲の安全や安心感につながっているんじゃないかな。
金田一一は学生の身分だけど登場人物としては大人として扱われているし、容疑者として疑われるとか犯人に襲撃されることも普通にある。

あの作品の高校では頻繁に殺人事件発生して教師や生徒が加害者にも被害者にもなるから金田一が安全な立場とはならないよな

金田一少年の方は動機が復讐で、犯人側は本人や家族、親しい人間が死に追いやられた後に真相と復讐対象に気付いて殺人事件を計画するという流れだから感情面での引き込みはかなり強いんだよね。
だから金田一の方をコナンよりも好む人がいるのもよく分かる。

コナンの方は誤解からの殺人みたいなのも少なくないからね。その後の展開もトンデモになったりしがち。

動機の方は金田一少年の方が理解しやすく感情移入するものになっているんだが、見ていてキツくなる時もある。
それに外見や情報からはホラー要素が強く感じられるのも一般向けだと不利だったのかもしれない。実は俺もホラー系だと思って手を出さなかった時期がある。いざ見てみたら事件発生とそれに続く更なる事件、そして謎解きに至る展開が巧妙で面白かったが。

考えてみれば名探偵コナンは事件が相対的に軽め、日常的なものだから長く続けられたのかな

金田一少年は日本の推理小説の新本格派の流れだからトリックも凝っている。
ただ実現するにはかなりハードで無理があるのも間違いない。その辺をネタにした「犯人たちの事件簿」は面白くて上手いやり方だと思ったよ。金田一がダークな話になる理由の一つである動機の部分もかなりカットしているから、ここに来て作品が復活する原動力にもなった。

金田一の方は動機は良いんだよ。家族が殺されたから復讐だ!みたいなのはとても分かりやすい。コナンで結構な頻度出てくるアホな動機と比べてかなり良い。
問題は大体それが一ちゃんの親しい人間かその知り合いくらいの距離で発生することだ。

探偵がいるせいで事件が起こるというのはミステリ作品にありがちなツッコミではあるんだけど、金田一レベルで続くとさすがにと厳しい。
短期的に見るとコナンより金田一の方がリアリティがあるように感じられるが、長期的に見ると金田一の方が逆に無理があるように思えてくる。

例えば金田一は舞台と人間関係が学校ベースの部分が厳しいとかになるな。
それに対してコナンの方は良くも悪くも二次元世界ということで割り切って見れる。推理とは別の部分の、作品が超長期連載に移行する際の構造上の問題とも言えそう。

金田一のあの人が死に過ぎな高校に通うのは罰ゲーム過ぎるし、卒業してからもどうなるかわかったもんじゃないよね……

金田一の復讐ネタに関しても、全部が全部理解できるわけじゃないからな
悲恋湖の同じイニシャルのやつ全部殺すとかは見ていた当時もさすがにどうかと思った

金田一が長期的に続けられなかったのは事件の範囲、登場人物の動機、トリックのネタなどがかぶる、どんどんネタ切れになっていったからじゃないかね。基本構造が一緒だからあまり続けられない。
コナンの方は徐々に推理の方に重点おかなくなっていったから続いたんだと思う。

近頃のコナンはキャラ萌えやアクション系に重点が置かれたことによる新規ファンの増加もある。私のような昔からのファンからの不満は出るけど商業的な延命は出来ているのを見ると複雑な気分になる。

コナンはキャラ萌えだけで語ることもできるから、その辺りも上手くやったと言えそうだ。
上で言われているように金田一はキャラが再登場したら死ぬからそういう萌えやカップリングの燃料としても厳しい。敵に高遠とかはいるけど、それでも黒の組織とその関係者みたいにはなってないから連続ストーリーとしての軸にするのは難しかったかと。

コナンは一般向け、子供や親戚の子と一緒に見れるアニメの地位を獲得したのが強過ぎる。金田一の寿命が短いのではなくコナンの寿命が長過ぎるんだ。

ウチの国で「名探偵コナン」は人が死ぬのが度々批判されてはいるけど、なんだかんだで安全な作品扱いではあるからな。
金田一はその辺りどうしても猟奇路線に入るから子供と一緒に見るのは厳しい。



とまぁ、こんな感じで。
中国オタク界隈の印象についての話や考察などイロイロな話が出ていました。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「金田一少年の方は中国ではポルノと暴力方面でも難しいと思います。『子供への悪影響』と批判されそうです。他のアニメやマンガ作品にそういう内容がないわけではありませんが、金田一少年はそういった部分の描写や展開が意図的に強調されています」

「しかし昔獲得したファンは存在するので、現代向けの基準でポルノや暴力を調整した作品が作られたならばまた人気が出るかもしれません。中国市場ではストーリーのロジックが正しい作品が好まれますから推理系作品は相性が良いです」

といった話もありました。

確かに中国オタク界隈を見ているとミステリ要素のある作品に関しては日本よりも食いつきが良いように感じられますし、動画コメントでも盛り上がりやすい傾向はあるようです。
しかしその分理屈に合わない展開だと感じられた際の批判や失望も激しくなるようですし、中国独自の日本のミステリ作品の需要や評価というのも気になりますね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

6/23修正:誤字脱字誤訳を修正しました。ご指摘ありがとうございます。