ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

近頃は中国でもオタクの間で世代による違いを何かと意識する機会が増えているそうですが、その中にはオタクとしての趣味嗜好や能力の方向性といったものもあるそうです。

またそれ以外にもオタクを取り巻く環境の変化により「昔のような感覚ではいられない」ことも増えておりオタクに関する「昔と今の違い」について改めて話題になったりすることもあるのだとか。

中国のソッチ系のサイトではそんな話題の一つとして
「昔よりネットが便利になったはずなのにオタクの検索能力が低下しているように感じる」
といったことなどに関するやり取りが行われていましたので、以下に例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


ネットは便利になったはずなのにオタクの検索能力が明らかに低下しているように感じるのはなぜだろう?
そんなの簡単に調べられるだろうという質問をする方もどうかと思うが、それに対して昔なら質問すればだいたい答えやファイルが出てくるような感じだったのが現在では明確な回答が出ない、回答があっても表面的な話ばかりで知りたいことが分からないまま流れがちだ

うーむ、私もそういう印象はあるが……すぐに思いつく所ではスマホやタブレットが主流になってシングルタスクになりがちだという辺りかね
別窓別ディスプレイで動く人の割合は相対的にかなり落ちているはず

ネットが発達した結果、何かを検索探索する能力が無いのにネットを使う人も増えて情報を見つけられない人も可視化されているのでは?

今は簡単な話、有名な話ならすぐに答えが見つかるけど深いネタになるとダメだよな
質問サイトもコピペ回答ばかりでまずその真偽から調べないといけないので使えないし

今はネット上でまとめられていない情報、公式以外の情報が出てこない、オタク関係でも調べた情報が正しいかどうかの判定もできなくなっている印象が
翻訳サイトの精度は上がっているけど、国外の情報にあたって調べる人間はむしろ減っているから間違いの情報も増えているし、そういうの気にせずにネタとして広めて稼ぐ動画も多いから……

知識に関しては動画でのアピールが増えた結果、テキスト主体だった時代よりも探しにくくなったのは感じる

今は二次元でも情報拡散としては動画の方がテキストより圧倒的に強いから正しさよりも人を引き付けるかどうかになっているのはあるかなあ

現代のネットは情報汚染がヒドイことになっているから今の若い世代の能力の問題だけじゃないよ。現代環境ではオタク関係の情報、疑問などを昔の感覚で調べてもマトモな情報見つからないぞ

今は探す方も聞かれた方もそんなに熱意が無い
探す方は見つからなければもういいやとなるし、聞かれた方だって良くも悪くもオタクな自分のプライドを満たしたいという欲が無くなった

エロ同人やエロ動画に対する熱意や欲望は本当に減った気がする……!

需要のある情報、分かりやすい情報以外は消えちゃったからね
ネット上では真偽関係無く騒ぎ立てる方が有利だから、マトモな知識のある人も今の時代はわざわざネットで発信しなくなっているから知識が浅くなった上に真偽不明になってきている

昔は字幕組とかのファンサブ活動を好き勝手にやっていたけど、今ではそういうことをすると通報されるからな。まぁ版権が整備されて違法アップロード規制が進むのも理解はできるんだが、通報によってファン界隈全体へのダメージやそれによる萎縮も大きいのがね
ファンサブ活動の場所って大手のオタク系フォーラムの一部なことも多かったから、通報で関係者や情報やり取りしていたサイトが消滅するとそれに付随したオタク関係の情報も全部消える

作品を作る側にとって悪いことじゃないというのは理解しているが、それとは別に正直に言えば昔の共有、無料、そして匿名だった時代に戻りたいと感じる時はある……

簡単な情報を探す分には昔と比べて間違いなく便利になっているしオタク側の検索能力低下もあるんだろうけど、情報やファイル探すのが難しくなっているのも間違いない。
百度(バイドゥ)で検索しても広告が上位に来てちゃんとした情報のある所、転載ではないニュースは見つけにくい

営業アカウントがゴミ情報をコピペして拡散しているので情報を探すのは本当に苦労する
正規配信でアニメを見る分には便利になったけど、そっちも削除修正入ったり配信スケジュールが不安定だったりする。
画質や中国語字幕付きは字幕組時代より安定しているけど、そもそも見たい作品が配信されないから香港台湾版のサイトに行かないとならないので便利なのか不便なのか正直よく分からん。

俺も今のネットが昔より便利になっているかについては疑問がある
窮屈になったというのもあるし、現実的な所では検索エンジンが自分の儲けになるサイトを上に持って来るようになっているから使いものにならなくなってしまったという非常に困った問題がある
昔は百度にワードぶち込んで出てくる上位候補を探すだけで、仕事でも趣味でもかなりの情報が手に入った

昔は百度で検索するだけで良かったからな
エロ画像だって百度图片で見つけられたからねえ……

同意。検索サイトの情報汚染による負の影響は大きい。
これは国内だけでなく国外にもある傾向で、どこの国どこの言語でも検索エンジンが昔のようには機能していない。
動画を見るSNSを使うとかなら便利になったが、何かを探す上では不便になっている。

昔の人の方がなんでも知っていた何でも見つけられていたように思えるのって、昔は百度などの検索サイトが機能していたからだよ。
今では百度では見つからないし昔upされていたデータは全部消えてるし、新しくupされているのは過去にタダでアップされていたデータを集めて売ってる業者のばかり。

違法サイトが自分の所で違法ファイルを独占するために他の所を通報して消すなんてのも行われているのでどうにもならない
正規版が入って版権問題で削除されるのはまだ分かるが……

今のネットは管理が厳しいし、どこも商売のためにアプリとかでユーザーを囲い込もうとするので情報や二次元関係のリソースに関しても昔のような共有する空気は無くなった
新人は昔のやり方、探し方を経験していないなかで今の環境に放り込まれているのだから彼らのオタクとしての検索能力が微妙に見えてしまうのも仕方が無い

実際、探しても出てこないんだよ……フォーラムの過去ログも大して遡って調べられないし、既に消滅したサイトやフォーラムの情報を今調べる方法はほとんど無い
ウチの国のネットはログを残したら怖いのでどこも昔のデータを残そうとしない、機会があればすぐに消していた
オタク関係でも消した後にまた書き込まれた情報しかないのだから当然どこでも調べられる有名な情報しか「今のネット」には存在しない

私もネットのツールが発展して情報が勝手に提供されるようになるなど「便利」になった結果、今の若い世代の検索や探索能力が低下しているということは否定しない
しかしそれ以上にゴミ情報とか、金稼ごうとするだけで肝心の情報が無いハズレな場所が増えすぎだ
便利になったネットとツールを使うのは管理側や業者側も同じ
そして管理が厳しくなり昔の情報はサイトやアカウントごと消えて、業者によるゴミ情報が増えて正しい情報マニアックな情報は以前より探し難くなった

ネットが便利になった、使えるツールが増えた恩恵はユーザーだけじゃなく管理する側、業者側にもあるからな
個人ユーザーと違って組織はノウハウを蓄積しているしマンパワーもあるから個人ユーザーとの能力差が昔より拡大した
考えてみると良い。昔は頭のまわる個人ユーザーが裏をかく笑い話があったけど、今は個人が業者や上の管理に勝てるイメージなんて無いだろ?

今はなんでもかんでも金稼ぎに結びつき過ぎているので……非正規で違法な所でさえまずは金払わないと入れなくなっている(騙すための宣伝だけは熱心)のには何とも言えない気持ちになる

今でも検索能力が高い、調べるコツを把握している人はいるけどそういう人はネットで不特定多数向けに動かなくなっている
これについては年齢的に落ち着いたとかコミュニティ内に閉じこもるようになったとか、流れている情報を悪用する、自分の儲けにしようとする人間も多くなったから知っている人はわざわざ教えようとしなくなっていったなど理由はイロイロと考えられる

私も昔と比べて画像や動画、データ関係については探すのが難しくなっていると思う。特に問題なのは検索能力ではなく探す手間、コストだ。
昔と比べて今は管理規制が厳しくなった上に偽データが多くなった、それに対して諸々のリスクから知識やデータを無料で流す人間は減っている。
ヘンな話になるがここでも若い世代は損をするようになっているのかもしれない。

技術的には間違いなく発展しているし探す場所も増えているはずなんだが、使われるものと調べる範囲が昔より狭くなっているのは何故なのか
昔は検索エンジン→フォーラムで調べる→フォーラムで関係しそうなスレにレスしたり自分で質もスレを立てて長期戦という感じだったが今は検索エンジンやフォーラムで検索するだけ

探すルートは増えたけどリソースは昔よりも大手に一極集中になっている
今はそこに無ければ、そこで分からなければもう終わりな状態だ
そして取締る側もメインの場所を潰せばそれで大きく分かりやすい成果を出せる

ウチの国の現在のネットの情報やファイルの状態は何度も繰り返し消された結果だ。古い情報やデータは「見つけるのが難しい」ではなく「消されたのでもう無い」と見るべきだ。

ウチの国のネットはお互い様で共有する精神も無くなって通報合戦になっているし、いつの間にか消えてしまった古い情報やデータも多い
今ではアニメに関しても字幕組のをダウンロードして見れば良いと気軽に構えてはいられない
人気の新作でも時間が過ぎるとすぐにファイルが消えたりするから後になって評価を聞いてダウンロードしようとしても苦労する

アニメに関しては旧作がbilibiliで全話正規配信されているのもあるから便利になってはいるんだよね。
でも版権や内容の問題で配信できない作品も少なくない。そういう作品は国外の配信サイトの見放題とかいけば見れたりはするんだけど中国語字幕無かったりするのでやはり簡単ではない。

今は大手の商業ポータルでもなければオタク関係はどこのサイトも隠れる方向になっているし、普通の設定ではフィルタリングの対象になったりしているので新人は見つけられない
その手のサイトを使った経験がなければ分からないし、現代は娯楽コンテンツ自体は大量に流れているからわざわざそういうサイトを探して使う動機も薄いので活用方法を習得する機会もない
ネットの使い方の経験に関しても世代による断絶は進んでいる

技術が進んで上の方はネットの管理を低コストで厳しくできるようになったし、下の方は整備された通報システムによって自分の嫌いなものを攻撃するようになった結果、昔のような自由を感じられる隙間は無くなった。
オタク系のコミュニティもユーザーの個人情報登録必須になって、外部からは見えなくしているので昔のように気軽に情報を検索して探すのは難しいし、交流に関しても昔よりもかなり不便だから情報が広まらない蓄積されないといった状況になっている。

ネット上のリスクが高まった結果「安全なもの」以外は存在しないようにしているがその過程で周辺の情報も全部消えるからね
スレッドやグループに問題がありそうな発言、敏感な内容とか時期的に危なそうな発言があれば該当する発言以外も全部消えたりする
現代は百度百科とかで情報が蓄積されてすぐになんでも分かるように感じるかもしれないが、サブカル系のマニアックな情報、一般的には価値の無い情報はそういう所には無い……

理解できる話だ。「主流の見方はこうだがそれとは別にこういう見方もある」的な情報は本当に見つからなくなったように感じる。
昔のインターネットは開放された場所だったけど、今では各コミュニティが引きこもった孤島の集合体とでもう言うべきものになっている。そんな場所になっているのだから探し物も見つけにくいわけだよ。



とまぁ、こんな感じで。
昔と今の違いに関しては中国オタク的にもイロイロと考えてしまう所があるようです。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「日本ではフリーHPが閉鎖されてネットの情報資源が消滅していると聞きますが、中国では政治的に難しい時期や、敏感な問題が発生している時期などはサイトの管理者側がサイトの制限を厳しくして更に関連しそうな書き込みやスレッドを削除するのでネットのログ、情報資源が定期的に消滅します」

「その結果として中国では昔の情報を探すのが困難になっています。もちろん作品のスタッフや話数などのデータは整備されていますが、昔の作品の感想や当時の評価や背景事情などについてはなかなか見つからないのでオタク分野の情報を遡って探すのも苦労するようになっています」

「これはオタク事情とは直接関係無いのですが、私は中国のネットの過去の情報資源、ログが消えるという事情から、中国のネットユーザーは後のことを気にせず自分勝手に騒ぐようになっていると考えています。私は留学していた時に外国のネットでは過去のログ、自分の発言や行動がかなり残るというのを忘れて失敗してしまう中国人、或いは中国生活経験者をかなり見ました……」

などといった話もありました。

どこの国でもネット上の情報が消えていく、探し難くなっていく問題はあると思いますが、中国はかなり独特な事情が積み重なっているようです。この辺りの事情はオタク知識だけでなく作品の人気やファンの動向などにも影響してそうですね。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


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