身の回りの諸々が落ち着いてきたのでようやく艦これのイベントに取り掛かっていますが、E2が噂にたがわぬ難しさですね。甲はさっさと諦めて乙にして進めていますがこの先どうなるやら。

それはさておき、ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

近頃の中国オタク界隈では百合ジャンルが何かと意識されるようになり、作品の内容だけでなく百合要素やその扱いなどに関する討論も行われているのだとか。
中国のソッチ系のサイトではそんな話題の一つとして
「アニメ化などの際に普通の恋愛モノが百合的な内容になった作品はそれなりにあるが、その逆の改変が行われた作品はあるのか?」
といったことなどに関するやり取りが行われていましたので、以下に例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


原作が普通の恋愛モノなのにアニメで百合になった作品はあるけど、その逆に原作が百合なのに普通の恋愛モノになった作品ってあるのだろうか?
俺ではこの逆パターンが思いつかなくて……

これは……確かに無いかも
原作の男主人公が消えてヒロインだけになる、結果として百合状態なパターンはそれなりにあるのだが

私もそのパターンは見た記憶が無い
ただ自分にとってそういう作品はアニメ化魔改造の中でも特に邪悪な改変になりそうだ
百合好きな身としてはそういう改変をやる作品は絶対に見ないし、もし原作ファンだったらブチ切れるかもしれない

百合を一般向けにして歓迎する人いないだろうから、無いんじゃないか?
普通の恋愛を百合にしたケースはヒロインに重点を置いたキャラ萌え系がほとんどで、ガチ百合な作品にはなってない……はず

完全に百合になる作品も珍しいと思う
女キャラ同士のイチャイチャが多くて結果的にライトな百合に見える作品になった作品がそれなりにあるのも間違いないけどね

昔の作品にはそういうのも多いな
ただ女性キャラが女性キャラに慕われる展開が恋愛にも見えるので、百合としても受け入れられる
この辺は男性の友情がBLとして受け止められるのと共通する部分もあるような気がしないでもない

普通の恋愛から百合になる作品は思いつくのだけどね
例えば「リリカルなのは」は原作が男性向けエロゲで第一期も魔法少女のマスコット動物を兼ねた男性キャラや原作におけるカップリング相手が出ていたが、百合の方に進み男は消えていった……

「恋姫無双」は曹操がガチ百合だから勘違いされやすいが、アニメでは原作ゲームの男性主人公ポジを娘化した劉備にしたのでそう見えるようなものだったね
三国演義の劉備達がゲイ扱いされるネタを考えれば分かりやすい

でも「プリコネR」のように明らかに百合方向にアレンジしているアニメ化もある
主人公白痴化させたのも原因かもしれないが

古い作品でも「ヤミと帽子と本の旅人」のように原作の男性主人公消して百合にしたアニメは存在するな。アニメでは原作で最初に主人公が憑依していた女性キャラを主人公に昇格させていた。

キャラが濃いタイプの主人公なら良いけど、ギャルゲーにいるようなプレイヤーの分身タイプ、それも無口主人公だとキャラ付けの時点で原作魔改造になりかねない
それならもう消した方が良いという判断になるのかも

ゲームのアニメ化の場合、主人公を操作キャラではなく独立して動くキャラとして出さなければいけないのが難しい
例えば「キミキス」は主人公格のキャラを複数出して更に原作には出てこないようなキャラ付けをして失敗している。あのアニメの最大の問題はラストの主人公の造反だけどアニメで創作された主人公の性格や言動も無視できない問題だった。
それに対して実質的続編の「アマガミ」ではヒロインごとに独立したエピソードにしたのも良かったが主人公である橘さんのも変態的なキャラが立っていて良かった。

メディアミックス展開の作品は媒体によって違うことはあるね
「舞-HiME」jは後発のマンガ版ではアニメではサブキャラ的な位置にいた男キャラ(アニメでも主役キャラとの恋愛はある)が主人公になってるし、ゲーム版は普通のギャルゲー的な男主人公視点のストーリー。

百合に改変する場合は作中の男キャラを消せばいいが、百合を改変する場合はオリジナルの男性キャラを足さなければならない
作る上での手間が違うからやらないという面もあるのでは

理解できる話だ、そしてそういうのは「男性主人公削除」が多いよね

アニメでオリキャラ追加自体は無いわけではないけどラブコメでそれをやって上手くいくのは珍しいんだよ
そもそも原作付き作品のオリキャラの成功例自体が多くない

百合ではないんだが「みなみけ」のアニメでは第二期で基本的に女性キャラ中心の所にアニメオリキャラの男を放り込んでそのキャラ及びオリジナル展開の作風が大不評で黒歴史になったことがある

ギャルゲー的な作品を百合にするのは、ルート分岐もハーレム展開もアニメに向いていないことによる消極的な選択というケースもあるかと
この「向いていない」というのには内容だけでなく使える話数やその時点の市場の需要などの事情も考えられる

萌えアニメは大体がヒロインのキャラデザや性格で人気になっている作品だから、男主人公関連にリソースを取られたくないだろうから消してしまう考えは分からなくもない
萌豚な私は男を出すくらいなら美少女キャラの出番と数を増やして欲しいと考えてしまうのだからね……・百合は積極的に手を出すジャンルではないがライトなレベルに留まるのであれば許容範囲だ

pixivとかを見ると百合系作品の人気キャラをヒロインにして男性主人公を加えた二次創作はかなり見かけるし百合を普通の恋愛にする需要はあるんじゃないか?

あれは百合好きとは違う層からの需要だろう
確かに薄い本、二次創作で男キャラをぶち込むことは少なくないが公式でそういうのはやらないよ

昔から百合キャラの間に男を混ぜる展開の作品はあった。百合のみで男を入れるべきではない、男を混ぜる妄想をするなら住み分けろという価値観が主流になったのは比較的最近の話だ。
しかしアニメ化の際に原作ファンからの支持が重要な現在の環境ではそれをやっても商業的に成功しないだろうし、百合系の作品に男キャラを追加はほぼ無いんじゃないか?

美少女キャラがいれば割り切ってくれる萌えが目的なオタクと違って、百合好きなオタクはそういう改変を許さないだろうし既存のファン層と対立するので商業的な強みも消失するだろうね

しかしキャラ萌えとは別に、百合メインの作品に関してはやはりジャンルとしてはそれほど大きくないんだよな。百合と何かを組み合わせて人気になった作品も多いから百合が強いようにも見えるが、百合のみだとそんなに伸びない……

女性中心の安定した、平和な世界に男キャラを入れる(=恋愛が発生する)のを拒むのは百合じゃなくても昔からあるよ
人気が微妙な男性キャラやぽっと出の男性キャラとの恋愛、そのキャラとくっ付くというのは一種のNTRみたいに受け取られて炎上することも多い

そういう問題の例としては「アイマス2」が分かりやすいかもね
男性アイドルをライバルキャラとして組み込む展開を発表したら大荒れして一時はIP存続すら危うい状態になった
その後男性アイドルキャラは別シリーズに隔離、ゲームの方で再合流させるのに長い年月がかかった

百合にする強みには女性キャラの描写だけにリソースを投入できるというのがあるし、美少女キャラだけを前面に出すことにより初見の人間を引っ張りやすくなるというのがある。あと百合趣味じゃないファンもキャラ萌えの燃料が増えて喜ぶ。
しかし逆のことをやってしまうと原作ファンにとっては異物、百合の世界を壊す受け入れ難い要素になり原作ファンが離れてしまう。原作ファンからの支持や売り上げも期待される原作付きアニメでそんなことをやる意味が無い。

アニメで百合から普通の男女恋愛に変更された作品を私は知らないけど、ソシャゲではあるんじゃないか?
ここまで話題を追いかけて思いついたのが「ウマ娘」だったので例としてはちょっと違うかもしれないが、プレイヤーの分身として動かすキャラや感情移入の対象としての男性キャラ追加はありそう

確かにゲーム化の場合は主人公に男性を追加することはあるな
現在の百合とは違うが「らき☆すた」の家庭用ゲーム版がそうだった記憶がある

ゲームだと無個性、無色のキャラを追加で済むことも多いしね。しかしアニメだと男性主人公のキャラや扱いを失敗すると強く批判されるし作品全体のイメージも落ちる。

男性主人公を出さなければ恋愛を深く描写して決着をつける必要が無い、キャラ萌えだけで売れる。あtp「決着をつけなくても良い」というのが大きいのではないかと私は考えている。

ゲームなら最近だと百合でずっとやっていた「BLUE REFLECTION」が新作で男性主人公を出すと発表していたね。そして案の定炎上した。

百合から普通の男女恋愛への改変についてはゲームなら探せば出てくるはず。ゲームの場合はプレイヤーが動かすキャラがいると便利だ。
それにアニメ視聴者層とは反応や金の使い方も違う。ゲームなら無個性主人公にユーザーは感情移入するし、その主人公に向けられる女性キャラの恋愛的な感情関係に課金もしてもらえる。

実は百合だったみたいな詐欺的作品はそれなりに見かけるけど、百合から普通の恋愛になる展開は今の時代滅多に無い。
昔は百合キャラで出しても攻略ヒロインだから普通の恋愛になるのが多かったらしいけど今はそのまま百合は百合で話が進む。

近年の二次元市場は女性キャラをたくさんを出す場合、ハーレム系が衰退してライトな百合系が伸びている
しかし近年の恋愛要素に対する不満や批判の傾向からは百合好きが増えているだけでなく、余計な男性キャラが介入してくるのを嫌うとか好みじゃない恋愛展開やストレスのかかる恋愛展開を嫌う人間が増えてきているというのも大きいと思われる
だから原作主人公などの男性キャラを消してライトな百合にするのは良くても、その逆に男性キャラを増やして百合ではなくするのは望まれていないといった状況になっているのでは



とまぁ、こんな感じで。
中国オタク界隈の作品の記憶や受け止め方なども含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「中国では百合好きが昔と比べて増えていますが、百合が前面に強く出ている作品はまだ厳しいです。中国オタク界の百合好きの人は積極的に発言するので存在感はあるのですが規模的にはまだ大きくない、商業的に計算できるのかよく分からないジャンルです。例えばラブライブ!も百合が強調されるようになってからはファンの規模や再生数は明らかに減っています」

「しかし昔と比べて百合やあざとい萌えに対する許容範囲は広がっていて、百合がメインではないエンターテイメント性の高い作品、例えばぼっち・ざ・ろっく!のような作品であれば問題無く人気になれます」

などといった話もありました。

百合に限らず中国オタク界隈でも様々な人気とされるジャンルがありますが、そのジャンル内の受け止め方にはやはり中国独自のものがあるようなので、その辺りについても引き続き追いかけてみたいですね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。