近頃は「葬送のフリーレン」や「ダンジョン飯」のアニメが人気になっている影響もあってか中国オタク界隈では日本産ファンタジーの世界観や設定に関する話題が増えているそうで、そういった中にはファンタジー種族の設定や扱いなどもあるそうです。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「日本産ファンタジーにおけるコボルドの扱い」
などに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます、


日本のファンタジーにおけるコボルドの地位ってどうなっているのだろう?大活躍のゴブリンと比べて全然目立たない印象なんだが……

ゴブリンと比べて中途半端に人間より、地位が高めなのが創作においては使い難いんじゃないか?

コボルドは妖精系の扱いもされるから悪役としてはパッとしないと書こうとしたが、よく考えたらゴブリンも元ネタは妖精だったわ

日本産ファンタジー以外でもコボルドの扱いって微妙だよね
辺境の蛮族くらいの扱いで、ゴブリンに比べると大勢力を築くような脅威にはなり難い

微妙ではないと思う
ある種の萌えキャラ扱いになっていることも多いので扱いとしては悪くないとも言える

日本産ファンタジーではノールに比べるとまだ雑魚敵としては有名だと思う

コボルドはゴブリンに比べたら身体能力が高めで大きく見えるだろうし自前の毛皮もあるから、自前の装甲無しで子供並みの体格のゴブリンと比べて最初の雑魚敵としてはちょっと厳しい印象になるのだと思う

雑魚敵としての使いやすさはありそうだ
同じ人型で体格も人間の大人並みかそれ以上になるリザードマンやワーウルフは駆け出しのキャラでは強過ぎるだろうし

日本産ファンタジーにおいてゴブリンはFFシリーズの最初期に遭遇する雑魚敵としてJRPGにおける雑魚敵としての知名度を獲得していたのが強い
コボルドも雑魚敵扱いされることはあったようだが、FFにおける雑魚敵の地位と比べるとさすがにね

ゴブリンは純粋な悪役、人間に害をなす種族という描写を徹底できるのが近年の雑魚敵としての勢力拡大につながっているけどコボルドはそういう汎用性が無いんだよ

薄い本でも活躍できるゴブリンさんは確かに便利だよな……ファンタジー系R18の定番シチュとしても成立しちゃっている感があるし

雑魚敵として扱う場合、あまり極端に性能の変わらない上位種族がすぐに出せるのもゴブリンの使い勝手につながっている
コボルドの場合、上位種族ってすぐに出てこないよね?

コボルドは高貴なる龍の末裔だぞ!ゴブリンなんかと一緒にするのは許されない!!
……そしてその結果出番と存在感が減るのは、まぁ……

たぶんその設定、D&Dはともかく現在の日本産ファンタジーだと消えてる
近頃のラノベを見ると犬属性が強調されがちで、誇り高さに関しても犬方面での意識ばかり

コボルドの上位種族はアヌビスがいるけど、そっちになると一気に格が上がるから使い難いんだよね……少なくとも駆け出しキャラが遭遇する中ボスとかに出すのは無理

アヌビスになると名前まで一気にカッコ良くなるからなー

ゴブリンは雑魚のテンプレ、派生種族もあるから便利なんだよね
アヌビスになるとヒーローユニットの方に寄るので雑に使えない

しかしアヌビスはウチの国だと雑に扱われ過ぎな気がしないでもない
恐らく中国語だと「狗頭人」と翻訳された影響もありそうだが、コボルドとアヌビスは元ネタも元ネタの格も全然違うから一緒にするのは設定にこだわる人間からすると引っかかる部分

「狗頭人」だと辺境地区に出てくる化物くらいの印象になるしね

コボルドってベースが犬だとゴブリンよりも組織的に脅威になりそうなのに、ファンタジー系作品ではなぜか見るとゴブリンのように脅威にはらない種族だよね

だって人類の脅威、そして「狗頭」ということなら上位存在として狼男もいるから……パーツ的なイメージでも歴史や創作によって積み上げられた背景的にも差があり過ぎる

私はファンタジー系の歴史には詳しくないけど、コボルドに関してはたまにトカゲ頭が混じる西洋系に対して犬頭で分かりやすく統一されている日本系になっているのは興味深いと感じている

そこはD&D系の作品か、或いはD&Dの設定をどれだけ取り入れているかの違いもある
上でも言われているようにD&Dのコボルドはゴブリンに龍の血が混じっている種族だから、犬要素は外見の例えでしかない
妖精ネタとして見た場合、コボルドとゴブリンは下手すれば混同されるレベル

D&D系だとドラゴンとゴブリンの交雑種だから、普通に雑魚敵キャラだとゴブリン出した方が良いとなってしまう

興味深いのは犬系コボルド自体も実はD&Dからの影響が大きいのは間違いないということだ
元ネタでは「犬のような頭部」という形容をされていたせいで爬虫類よりも犬要素が強調されるデザインで広まったらしいということだ

日本のファンタジーでコボルドの地位や存在感が微妙に思えるのって狡猾さや残虐さがゴブリンと比べて弱いというのが主な原因になっていると思う。
貪欲、鉱物好きの設定ではゴブリンの役割は奪えないし、犬系で萌えに行くのも無理はない。(エロ方面での出番も無いしね!)

作品によってはゴブリンとコボルドの区別があまり無いような作品もあるけど、私の見た範囲の日本産ファンタジーではどれも明確に区別されていて行動がもう別物だからな……
ゴブリンは女!女!でコボルドは犬的な方向の獣

それから外見も。デザインは作品次第だけどゴブリンはテンプレが存在するけどコボルドは一定しない。
イラストやマンガで描く場合、コボルドはゴブリンに比べて描き難いという制作上の問題もあるはずだ。作画コスト高いし設定面でも他の獣人系との区別、コボルドでなければダメな理由があまりない。

それにしても……この話題を見るまで俺はゴブリンだけが活躍していると思っていたが、コボルドも意外な方向で伸びているという見方もできそうだな

上の方でも言及されているけど、日本産ファンタジーで本当に微妙なのはノールだと思う
D&D系なのにノールだけは日本産ファンタジーで定着できなかったようで、ノールベースの種族は滅多に出てこない

それに関してはD&D系のオリジナル設定だと他の作品では出せないという問題もあったかな?これで有名なのがBeholderで90年代に日本の色んな作品がD&Dオリジナルだと知らずにうっかり雑にパクったら怒られて封印されたり改名及びデザイン変更されたりしていて、その中には「FF」まであった。
ちなみにゴブリンやコボルドは元ネタが妖精だから出すこと自体は問題無い。

ノールもD&Dオリジナルでは無いから出すこと自体は問題無いはず
もっとも現代の日本産ファンタジーに定着していないのを見ると、日本では需要も人気も無かったということなのだろう

D&Dのコボルドは爬虫類系だけど、上位にリザードマンがいるからあまり使いやすい種族ではない。しかし日本では犬属性を獲得というか強調する方向で変化していきそれなりの地位を築いているのはゴブリンとは別の方向で興味深いね。

日本ではコボルドは西洋ファンタジーが輸入される際に有名なイラストレーターが犬系でデザインした結果、犬系獣人(或いは妖精)になっているからゴブリンと比べて醜いイメージが大幅に減少しているといった事情もある
それが現在の独自路線につながったとも言えそうだ

確か「Wizardry」経由だったよね。日本産ファンタジーのネタではあるが、直接的な影響の大きい作品が実はJRPGではない。
ちなみに以前調べた時に面白かったのが、日本産ファンタジーのコボルドに関しては「ドラゴンクエスト」の影響が無い、「ドラゴンクエスト」のコボルドはいわゆるゴブリン的なデザインになっているということ。

日本産ファンタジーでは犬属性を獲得しているのが悪役とは違った独特な地位につながっているのだろうね。
ペットとしての犬のイメージが投影されているようだし、人間との交流交易が可能なモフモフ種族的な扱いも目に付く。

私の個人的な印象でも日本産ファンタジーだとコボルドは雑魚敵扱いはあっても、悪辣な敵対種族ということは珍しい気がする
恐らくディードリットのエルフに対する影響ほどではないけど、日本産ファンタジーにおける初期のイラストの影響による歪みと蓄積の結果が現在のコボルドの扱いに影響しているのではないかと

犬系獣人だから現代の環境で完全な悪役になるのはもう無理だろう。犬モチーフになると萌え寄りのデザインになる。
そして犬系獣人ということはR18系での活躍も何かと難しいだろうし、ゴブリンの地位を脅かすこともなさそう。



とまぁ、こんな感じで。
現在の中国オタク界隈のイメージも含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「中国語ではコボルドを『狗頭人』と訳すので日本語の『コボルド』よりも適用範囲が広く、作品や元ネタごとの設定の区別が曖昧になっているかもしれません」
などといった話もありました。

ファンタジー用語に関しては中国独自の翻訳や使われ方の蓄積もありますし、日本の感覚で見ていると思わぬ所で勘違いに気付くこともありますね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

2/11修正:誤字脱字誤訳を修正しました。ご指摘ありがとうございます。