ありがたいことに
「中国のソシャゲなどで話題になっているML(マスターラブ)とは何か?日本のマスターラブとは違うのか?」
などといった質問を複数いただいておりましたが、先日この件に関する話やネタを教えていただきましたので今回はそれについてを

この「マスターラブ」(以下「ML」と略)ですが、元々は「FGO」のサーヴァントの「マスターラブ勢」から来ているそうです。
ソシャゲの中には恋愛や友情などの感情が基本的に主人公に向かっている「マスターラブ」的なキャラが多数出てくる作品も珍しくありませんが、中国オタク界隈で分かりやすく広まりやすかったのもあってかFGO由来の「ML」で定着しているのだとか。

この「ML」に関して当初は日本と同じような使われ方をしていたそうですが、昨年辺りからマスターラブ勢がたくさん出てくる作品、以前であればハーレム系とされていたような作品に対する呼称として使われるようになっていったそうです。

これだけで済めば良かったのですが、同時期の中国の二次元系ソシャゲ界隈では大手の作品が一般向けに寄せようとしたのか、それ以前の定番だった男性向け萌え重視の女性キャラの実装を控え、女性受けも狙える男性キャラの実装を増やしていく動きがあったそうで既存の男性ユーザーには不満がたまっていたそうです。

そしてついには
「有男不玩」(男がいるなら遊ばない)
というスローガン的な言葉と一緒に不満が爆発したそうで、その際に
「ML的な作品は無いのか?」
「自分が求めているのは一般向けではなくML的な作品なのに」
などといった不満の声と合わさってMLが使われるようになりイメージも変わっていった……とのことです。

この「有男不玩」の爆発は多方向に対して攻撃的なものだったらしく現在の中国オタク界隈ではML関連は何かと荒れた空気になっているのだとか。
またその結果現在の中国オタク界隈に置いて「ML」という言葉のイメージもネガティブなものになってきているとのことです。

とりあえず以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「MLとは何なのか」
などといったことに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


結局「マスターラブ」(以下「ML」と略)なゲームとは何なのか
近頃は男性向け女性向けの対立の材料にもなっていてめんどくさい言葉という印象も強い

語源になっているのは「FGO」の「マスターラブ勢」だ
しかし「FGO」自体はとっくの昔にML扱いはされなくなっていて最近の作品だと「ブルーアーカイブ」とかがML扱いされている

「ML」に関しては日本では前から使われていたしこっちでも使われていたんだろうけど、広い範囲で使われるようになったのは去年からだろうね
ただ日本の二次元におけるマスターラブ勢、その前だと提督ラブ勢?みたいな使われ方ではなく後宮(ハーレム)系作品、ヒロイン多数な男性向け萌え重視作品に対して使われる言葉になっている

マスターラブ「勢」というように「FGO」ではサーヴァントの性格の種類みたいな使われ方だったんだけどね……

MLはハーレム系、恋愛メインの世界観とは少々違う所もある
ヒロインからの恋愛感情はある、或いはあるように解釈できるけどそれよりも主人公が挑む試練や事件解決を優先するのがML
英明な王と絶対の忠誠を誓う女騎士の集団という例えは上手いと思った

MLは語源の関係もあってか基本的にはソシャゲに適用される概念だが、ハーレム系とは広義と狭義くらいの違いはある
他のジャンルであえて例えるなら「ソードアート・オンライン」と「ラブひな」における主人公とヒロインの感情の方向や言動の違いみたいなものかな?
ヒロインの言動は恋愛メインではなく主人公の活躍やイベント解決におけるサポートや賑やかしがメインになる

MLも今はネガティブな意味が強くなり少し前とは使われ方が違ってきているのでヤヤコシイ
極端なのだとMLとは「女性キャラが自分を中心に回っていなければダメ、女性キャラとNPCの恋愛関係に見えるような展開は一切許さない、そしてそれを主張するとても攻撃的な連中」、「百合やカップリング萌えとも共存できない存在」みたいに言われることもある

そんな感じで騒いでいるのもいるけど、ML好きの多くは主人公がカッコ良くてヒロインや仲間からチヤホヤされて裏切られる利用されることもないような展開を求めているだけではないかという気もする

俺がまさにそんな感じだよ
そういった安易で雑な願望、妄想で楽しんでいる人間からすれば今のMLの扱いは厄介だし巻き込まれたくない
ただ近頃の二次元業界の傾向として大作では女性キャラよりも男性キャラの実装が重視されている、自分の好みのキャラやストーリーが無くなるのではという心配もあるのは確かだ

MLというレッテルは新しいけど暴れ方自体はヒロインが期待通りに主人公とくっつかなかったのをNTRだと騒いでいた時代とあまり変わらないようにも見える
いつの時代にもいる期待と違う恋愛展開に対する防御力の低い連中なのでは

問題なのはMLが男性向け、女性向けどっちにも使える概念だったことだろうか……そこがハーレム系とは違う。
日本の二次元では「逆ハーレム」というジャンルが形成されているけど、こっちではそれを直訳した「逆後宮」というのはあまり広まらなかった。「乙女向け」とかが使われ方として近い所もあるが、区別は曖昧だし女性向けで雑に括られることも少なくない。
そして男性向けMLだと思って遊んでいたのに実装キャラやストーリー展開で男性キャラが増えて女性向けMLっぽくなるゲームが増えゴタゴタするようになってきた

近頃はML系ゲームは気持ち悪いゲームだ、ML好きは他の解釈を許さないひどい奴らだみたいな話も出ている
実際ML内でも主人公の描写をどうするかなどの分派関連でゴタゴタしているし、外に対してはもっと攻撃的でハーレム系好きやカップリングともゴタゴタしているのであまり肯定する気にはなれない

キャラが全て主人公(自分)のためというのが気持ち悪いという意見が出るのは避けられないし「キャラにはそれぞれ自分の生活がある」みたいなテンプレ否定論も出ているので当面はゴタゴタが続きそうだ……

しかしちょっと同情してしまう所はあるかな
ゲームの方針が当初の方向、自分が遊ぶ動機だったものからどんどんズレて、自分の必要としないものにリソース突っ込むようになっていくのはソシャゲに限らずきついものがある

「有男不玩」という言葉が飛び出した背景については理解できなくもないのよね
「原神」のような二次元を代表する国産ゲームでオタクの男の生存できる空間がどんどん削られている
最初から一般向け、女性向けな作品ならばともかく二次元系ソシャゲの多くは男性オタク向けの萌えとエロで集客していた作品なのに

ならそんなゲームやめれば?課金しなければいいのでは?という話ではダメなのか?
コラボ先が女性利用者も多いというだけで批判が出るのはちょっと……

難しいと思うよ。何年も遊び続けた作品になるわけだし実際に費やした時間と金を考えたら……「進撃の巨人」の終盤の展開でブチ切れたウチの国の長年のファンよりひどいことになっているような気もする

「アークナイツ」辺りから男性キャラの実装と出番の増加、それによる女性ユーザー重視と昔からの男性ユーザーの居場所の無さみたいな雰囲気は形成されていた
そして「原神」もそれをやって成功したように見えた、その路線が維持されるという空気になっていたからついに爆発……

こういうのって一度爆発してしまうと何でもそういう風に疑われるのも問題だよ。「ドールズフロントライン2」も男キャラで限定ガチャやったら燃えた。
たぶん直近でリリースされる作品やアップデートは一般向けというか女性ユーザー向けのアピールになる男性キャラを計画している所が多いだろうから難しいことになるだろうね。

「原神」の1年間星五女性キャラ実装無しは「そういうもの」と受け取るしかない。「アークナイツ」からのあれで空気は変わった。
新規開拓は良いけど旧来のユーザーに飴を与える必要が無いわけではない。

なお逆に「原神」や「アークナイツ」のような成功を狙って広告ではイケメンキャラを前面に出して女性向けアピールしていたのにサービス始まってみたら男キャラ二人しかいなくて詐欺だ!となった事件も発生している模様

私は男キャラを出す、男キャラ同士の関係をアピールするならFGOみたいに上手くやってくれ……と思ってしまう。国産ソシャゲは公式で男同士の関係を見せる際に一般向にとどめるのが下手で男キャラの露出や絡みで暴走しがち。

恋愛要素に限らず二次元には距離があるから安定する、混ぜたら危険なジャンルがあるのに国産ソシャゲは商売重視と視野の狭さ、認識不足で何かとやらかす。
これは国産二次元市場が作品不足でジャンルの住み分けできるほどの余裕が無いというのも原因なんだろうけどね……

MLを過激に叫んでいるような連中は所詮小規模グループでしかないという見方には私も同意する
しかし小規模だとしても、そういうグループが導火線に火をつける、批判個所を提示して炎上させられるのが今の国内のネット環境だからどうなるやら
そして男性ユーザーの間で不満が蓄積されていること自体は否定できない

「原神」とかのセルランが落ちているからそういう情報が出てきた時点で不安と不信からの様子見と課金控えの影響は出ているのかもね
国内企業の運営はネット上の言論コントロールは上手いから外国の作品と違ってすぐに炎上と致命傷にはならないと思うが、肝心のゲームの方でイメージ変えないと下り坂な状況を変えるのは難しそう

「後宮」(ハーレム)にかわって「ML」というジャンルが出てきたようなものだが、一見ハーレムよりマシに見えてよく見たらMLの方が気持ち悪く感じられるのは分かる
しかし近年の二次元界隈では男のユーザーは放っておいても課金する、たまにエサをやればいいくらいな扱いなので「有男不玩」という馬鹿らしい動きが出るのも分からなくはない
なんとも難しいな

ソシャゲユーザーって切って放っておいてもまた生えてくるニラに例えられていたように、愚痴を言いつつ惰性で遊んで課金しているのも多いからね
ソシャゲは既に金も時間も使っているからやめる、移住する踏ん切りが難しい

こっちのソシャゲ市場って欲望を刺激してキャラをガチャで売る商売でやってきたし、ユーザーの受け取り方が男性向けか女性向けかで分けられてしまうから男女ファンの共存する一般向けというのが困難だ

中国のゲーマーは性能重視だから男キャラでも強性能でたまに混じるとかなら許容できるかもしれないが、ずっと自分の嗜好と違う男キャラが続いたら反発もするし、キャラ格差が炎上の火種にもなる……

ところで一般向けという名の女性ユーザー重視に走る所は多いけど、実際の所女性ユーザーってどれくらい課金するの?男性ユーザーよりも課金するのか?
ファッションやレジャーならともかくゲーム課金はよく分からない

そこは不明。データも出ていないからふわっとしたイメージで語られがち。
まぁ男女間の紛争がさらに激化するし、何かと曲解されるデータになるだろうから表に出したくないのかもしれないが

国内向けのゲーム運営をする場合、女性キャラの特定部位の強調や露出によるエロ売りが今でも効果的なのは間違いないが、リスクがどんどん高まっているので人気になればなるほど使うのが危ない要素になっている。
だから「売り物にできるキャラ」が男性キャラばかりになるというのは分からなくもない。もちろん自分の遊んでいる作品でそうなったら困るけど。

二次元界隈だと人気になったアニメが炎上と通報でダメになるというのが近年かなりの頻度で発生しているけど、ソシャゲだって規制は定期的に発生しているからな
市場が大きいとはいっても課金や未成年ユーザー関連で批判されることも多いからエロ関係の導火線で爆発する可能性は常にある

理解できる話だ
二次元系ソシャゲのエロ売りに関して昔はやったもん勝ちだったが、ここ数年の国内の状況ではそんなことはもう無理、リスクが高いというのがハッキリしている
男性向けで稼げないから女性向けメインの方針になるのも商売として見ればそういうものだと思える
しかしそういう作品やその運営をしていた会社は良くも悪くも「オタクに媚びた」作風でユーザーを集めて儲けていたんだから課金して支持していた連中から反発がでるのも当然か

エロ売りの問題はそこだよ。
上からの規制は絶対だ。しかしそれで修正したら今度は下からユーザーの反発が出て作品の評価が下がる。
一回や二回であればユーザー側も仕方がない、運営も頑張っていると我慢してくれる。しかし規制が常態化して運営にとって都合の良い規制対応版を出したから今まで通りに喜んで金を払えというのはさすがに受け入れてもらえない。

でも現在の環境で昔のようなエロ売りに戻るのは難しいからMLのゴタゴタでユーザーが得する方向になるとは思えない
結局は課金控えで市場縮小の原因になるだけ、MLという言葉自体もこのまま否定的な意味で固定されそうな気がする

この数か月でもうMLという言葉の意味が変わっているよね
明らかにML的な「アズールレーン」でさえもユーザーはそっちで呼ばれるのを嫌がるようになっている節がある

中国のユーザーはエロだけを目的に遊んでいるとされるのを嫌がる、自分の推している作品には意義がある、含蓄があると思いたがるといった傾向が存在する
だから「ML」という言葉にネガティブな意味がついたら議論よりもレッテルの貼りあい、批判の口実にされていく可能性も高そうだ



とまぁ、こんな感じで。
中国オタク界隈でもこの件の味方に関してはイロイロと別れているようでした。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「ソシャゲの運営会社を信用するのは難しいです。しかし中国ではそれとは別にユーザー側がなかなかゲームを見捨てる選択ができないという問題もあります」

「これは国向けの二次元ソシャゲで『遊べる』『安心して課金できる』作品が少ないことや埋没費用の問題だけでなく、中国では御宅に限らず主流になっているコンテンツから自分が外れる、自分がそのコンテンツに関連したグループや話題に入れなくなるのを恐れるのが影響していると思います」

「個人的な考えになりますが、中国のオタクには『not for me』で割り切れる人が日本と比べてかなり少ないです。主流となった作品に価値がある、安全で自分の投資(お金や時間や感情)が無駄にならないという認識が影響しているのだと思います。昔の中国オタク界隈でよく見られたような覇権作品(とその作品を追いかけている自分)にこだわる、それが自分のオタクとしての正しさ(と他者を下に見れる地位?)の根拠だと考えるような層と似た部分もあるのでしょう」

などといった話もありました。

MLという言葉の扱いや近頃の中国国内におけるソシャゲの動向に関しては私も把握できていない所が多いので、今回の件に関してはいつも以上にツッコミ&情報提供お待ちしております。


中国オタク「自分の好みがマイナー過ぎる人間はどうすればいいのか?仲間も好みの作品も見つからない」