ありがたいことに以前の記事
中国オタク「勇者、英雄であっても全ては守れない展開或いは強大な敵が弱点地域や後方を攻撃しない矛盾を解決して爽快感を維持するにはどうすればいいのか」
に関係しそうなネタを教えていただきましたので今回はそれについてを。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「なぜ魔法使い系キャラは体を鍛えないのか?接近戦をできるようにしないのか?という疑問について」
などといったことに関するやり取りを、以下に例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


なぜ魔法使い系キャラは体を鍛えないのか?接近戦をできるようにしないのか?という疑問について聞きたい。
二次元作品を見ている際にこういった疑問は頻繁に出てくるし、私もそういう疑問を感じることは少なくないんだが、どういう風に納得するのが良いんだろう?

普通のキャラは全能力を高レベルにできない、専門職専門分野の強さという風に解釈するのが良いのでは
でも頂点に立つヒーローとしては夢が無いという意見は私も否定しない

あれは世界観による制限、リソース分配の問題とかが理由だったりするけどそういう制限が明確ではない作品、チート能力を持っているタイプのキャラだと違和感あるよね

世界観と設定のバランスというのもあるからそこは作品次第としか
実際、仙人とか中華ファンタジー的なバランスは西洋系ファンタジーのバランスとはかなり違うわけで

同意する。仙人と魔法使いは違う。
ウチの国だと魔法使いに仙人のイメージが混じるからこの手の疑問が出てくるのかも。

でも専門分野が強いからって接近戦できないという短所を放置するのもどうかと思うんだけどね
俺は魔法使いなら接近戦対応や距離を維持する魔法或いは魔法の装備があっても良いはずと考えてしまうかな

二次元でも最近は接近戦出来ない術能力だけ特殊能力だけ伸ばしたみたいなのは減っているけどね

その辺については昔から一流の魔法使いは二流三流の戦士には対応できるけど一流の戦士、接近戦能力持ちには対応できないくらいの設定が多かったような
「スレイヤーズ」でもリナをはじめ作中の一流の魔道士は武器による接近戦ができないわけではない、魔法障壁や即発動できる低級魔法で雑魚は処理できる、しかしガウリィのような一流の相手は難しい(そして魔族は特殊な攻撃以外無効)というバランスだった

昔は魔法使いカテゴリ扱いされていたような能力、特殊能力体系があるキャラ同士のバトルも増えている
「NARUTO」の忍者も「呪術廻戦」の呪術師も「FAIRY TAIL」の滅竜魔導士も実際は格闘戦ができる魔法使いみたいなもんだ

日本の二次元だと強キャラ同士の戦いでは自分の専門分野の強みを相手に押し付けようという戦いになることが多いし、俺TUEEEEE系作品のようなチートによる明確な格差があるとかでなければ魔法使い系の接近戦能力で対応するのは困難、結果的に「魔法使いは接近されると弱い」という展開になる
もちろんそこで「実は対応できた」というカードを発動させてアピールすることもあるけどね

国内のいわゆる「修仙」系作品は専門分野よりも格の上下が重要なのでファンタジー世界とはロジックが違うんだ……

国内作品の強キャラってどの能力も高い、綺麗な五角形や六角形のパラメータのキャラになりがちで西洋系ファンタジーによく出てくる尖っていびつなパラメータは珍しい
そういった認識の違いが「この世界の魔法使い弱すぎ」みたいな印象につながるのではないかと

日本の二次元もそんな感じというか、日本は一転特化型が強いというお約束が多い
型月も特化型、だがここに例外あって万能の強キャラを倒すことになるね

「修仙」系作品って主人公が万能で良くも悪くも仲間が不要になってしまうのが好みが分かれるし、国外に受け難い理由になっていると思う
寿命の制限、時間やリソースの問題がないからレベルを上げて強さで圧倒する展開になりがちなので俺TUEEEEEをやるには良いけど主人公以外に価値のあるキャラ、価値のある舞台をなかなか生み出せない

何でもできるキャラって動かしにくい、話を膨らませにくいというのはあるからね……

キャラで売る現代のコンテンツと修仙系作品は相性が悪いと思うんだ

ゲームだとリソース分配の問題が常についてまわるし、キャラごとの役割分担も必要になるから魔法使いが魔法特化で白兵戦できないみたいなイメージとして受け入れやすいんだろう

現実ベースでも特殊部隊みたいになんでもできるキャラがつよく好まれるのは中国特有の傾向なのかもしれない

こっちでは主人公中心で主人公の爽快な活躍を見たいという好みがあるのだろう
だからネット小説の主人公は何でもできる、解決できる万能性が求められるし、それが崩れる展開になると批判が殺到、炎上したりする

尖った能力のキャラはストーリーの起伏を作るのには良いけど、長期連載には向かない
逆に万能型の主人公は長期連載というか話を引き延ばしやすい
だから中国のネット小説、古くは講談と相性が良く定着したという見方はどうだろう?

読者側に想定される最終的な目標の違いというのもあるかな?中国のネット小説は大体神になる至高の存在になる、不老不死、全てを掌握する超越的な存在になるというのが目的や着地点だ。それなのに不得意分野がある、誰かと協力して攻略するみたいなのは何の冗談だという話になる。
外国の作品だと強くなるのは目的達成のための手段で最強になるのが目的とは限らない。

ゲームの話が出ているけど、D&Dの魔法使いとかは使える魔法もたくさんあって容易に万能キャラにできる
強い、有利なキャラはどんどん強くなり何でもできるゲームも多い

尖った能力バランスって結局はゲームバランス上の制限なわけで創作における強キャラに妙な制限をかけるのは意味が分からない
ああいうのはリアリティを勘違いしているよ

最近の作品だと「葬送のフリーレン」くらいのバランスなら皆納得できるようだが……

でもフリーレンは普通に接近戦だってこなせるし、昔と比べて魔法使いが武器の距離で戦えないケースはかなり減っていると思う

確かに。
考えてみれば近頃の作品では「このすば」のめぐみんのように、ネタとしての極端なビルドでなければ魔法だけしかできないキャラは見なくなった気がする。

フリーレンの場合、不得意分野(専門職よりは不利)があってもその対応策を持っている強キャラだからね
別にフリーレンが接近戦でヒンメルより強い必要があるとはみんな思っていないけど、アウラの軍勢に囲まれても問題無いくらいの余裕、「最低限はできる」のが強キャラには欲しい

今は魔法使いも接近戦やる方がカッコイイという空気だし、魔法少女も接近戦をする……いやむしろ顔をアップにできるから魔法少女こそ接近戦をするべきということになっているのではないかと

尖った能力の主人公では安全な空気を作り難いからね
国内の作品って主人公に無敵さ、突出した戦闘力が求められる
逆に主人公(=読者の没入対象)が無敵ではない=自分を害する存在があるということで非常に警戒するし、弱点そのままで特化するのがまずヒーローとしてありえない

そうそう。弱点部分の対処を他人に委ねる時点でね……
修仙系に限らず国内の作品だと敵の頂点のボスがいると主人公はそれを上回る必要があるから必然的に全部強いキャラになる
二次元系だと能力で上回らないでもいい、攻略法や特化した何かをぶつけて倒せばいいとなる

それなんだがむしろ国外がゲーム的な思考過ぎるのでは?
特化したキャラを使って攻略するのはゲーム的な考えだ

俺はゲームの方が魔法使いは万能になると思うんだがな……もちろん特化した部分では他の職業に負けるけど大体何でもこなせて魔法という専門のある強キャラになる
今は大学でもジェネラリストの方向で育成しているし社会に出てからの仕事でも得意分野だけやってればいいなんてことは無い

それは専門的な知識や技術、専攻分野などの存在を全く無視してないか?
まぁウチの国は伝統的に特化した人材は「使われるもの」で、上にいる人間はそれを使う側であればいいという考えになっていたわけだが……

今の時代だからこそスペシャリスト(とその人材が活躍できる環境)は必要なんだけどね
ただ俺TUEEEEE作品を読むような人間が感情移入できるのはスペシャリストではなくふわっとした「何でもできる」だから弱点のある特化型の強キャラに関して納得しない人が出るのも分かる



とまぁ、こんな感じで。
中国オタク界隈の見方も含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「中国では伝統的なヒーローである仙人や武侠が人間の枠を超えた万能パワーをもった凄い存在ですし、超常的な能力も仙人の能力や武侠の軽功や内功のイメージが強いので、遠くから撃つだけの接近戦が弱い魔術師というのはファンタジー的な存在としてあまり納得できないという感覚がありますね!」
などといった話もありました。

日中のファンタジー世界ネタでの妄想の方向性、妄想する際に感情移入しやすい強キャラの能力の違いみたいなものも気になりますね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。