ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

中国オタク界隈は日本と比べてバッドエンドを嫌う傾向が強いという話がありますが、それとは別に特定の作品のバッドエンドが強烈な印象を残して話題になり続けることも少なくないのだとか。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「皆が二次元で初めて出会ったバッドエンド作品」
などといったことに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。
(話題が話題なのでかなりネタバレが含まれていますのでご注意を)


皆は初めて二次元で出会ったバッドエンド作品ってなんだった?
まだバッドエンドになるなんて想像しなかった時期に出会った、作品を追いかけた末のバッドエンド体験を教えてほしい

短編じゃなくて長編の話ってこと?

長編、作品を追いかけ続けて最後にぶち当たったバッドエンド体験についてを頼む!
あとバッドエンドという解釈については個人の主観で問題ないので思いつくままに語ってくれ!

分かった。短編なら「秒速5センチメートル」を挙げようと思ったが、長編なら「アルドノア・ゼロ」。「秒速5センチメートル」はその終わり方に浸れたけど、「アルドノア・ゼロ」は納得いかなくてしばらくの間モヤモヤが続いたし作品アンチになってしまった。

自分の場合は「CLAMP」作品のどれかだったと思うけど……記憶がはっきりしない

「ギルティクラウン」のバッドエンドが私のオタクの深みにはまるきっかけだった
考えてみれば当時はバッドエンドが評価される雰囲気もあったし今ほどバッドエンドで炎上することもなかった

俺は無難に「Fate/Zero」で経験したけど、最近の「サイバーパンクエッジランナーズ」のように最初から「バッドエンドの名作」と知って見ているなら炎上しないし受け止められる人も多いのではないかと

「CLANNAD」
当時は大泣きしたし今でも見ると涙が出てくるよ

二次元じゃなければ「三国演義」か「水滸伝」のどっちかだと思うが、二次元だとたぶん「バジリスク 〜甲賀忍法帖〜」

最初のバッドエンドは恐らく「Air」だと思うんだが、バッドエンドとしてのダメージはそれほどでもなかった
その後に見た「Angel Beats!」とかの方がダメージ大きい

昔「sola」という作品があってだね

オタクの先輩に含蓄のあるスゴイ作品だと薦められた「今、そこにいる僕」
確かにスゴイ作品でスタッフも豪華だったが私は見終わってから2か月は引きずった

ラノベだけど「イリヤの空、UFOの夏」には衝撃を受けたよ
オタク向け作品で分かりやすく萌えイラストの挿絵な作品なのにこういう終わり方するのかと

解釈が分かれる作品だろうけど自分にとっては「コードギアス」の「R2」だね。中学の頃だった。
ルルーシュが死んでる死んでないの激論でしばらく盛り上がったのも良い話だし、その後の展開についても今となっては良い思い出だ

上の世代には「エヴァ」の旧シリーズが初バッドエンドだったという人は結構多そうだけど……

いや、案外そうでもないんだよ
こっちで放映された「エヴァ」のTV版の最後は何だかよく分からなかったし、旧劇場版は海賊版経由だから人生初のバッドエンドな人は逆に少ないと思う

オタクになってからまだそんなに経ってないので大して昔の作品ではないけど「四月は君の嘘」かな
作品の知識が増えるにつれてあれが予定調和なのだと理解するようになったが、見ていた時の自分の感情は間違いなくバッドエンドだった

その気持ち、俺も何となく理解できる
このテーマだと俺にとっては「アカメが斬る!」が該当するけど、当時はそういう展開がお約束だと知らなかったから衝撃を受けたよ

自分にとっては「Phantom」がそんな感じだったなあ

この話題で思い出した「この醜くも美しい世界」
そういう作品が流行っていた時代だったのかね

そういう時代だったのさ
ちなみに俺は「最終兵器彼女」が初のバッドエンドだった

Keyの作品とかを見ても分かるけど二次元にはバッドエンドが作風のクリエイターとその需要が常に存在するのだろう

二次元のバッドエンドにも流行りのようなものがある
分かりやすい所では虚淵玄のヒット以前と以降の違いとかね
私が二次元で最初に意識したバッドエンドのアニメは「喰霊-零-」だったけど、大体その頃にはウチの国のアニメファンにもバッドエンドを最初から警戒する空気が出ていたと記憶している

「クロノクルセイド」だった
短編作品や実写映画ならわりと耐えられるし事前情報があれば覚悟はできるんだけど、長編を追いかけてバッドエンドになるのは厳しい……

「クロノクルセイド」は原作版はまだ救いがある、と見せかけて実はそっちも救いが無いというのがヒドイな!

このテーマで久々に意識したが作品の名前が出てこない……
たぶん虚淵玄の作品で暗殺者の男女コンビが主人公で最終話でエンディングに入るタイミングで急に暗殺者が出てきて主人公が殺されて終わる
作品の名前は思い出せないのに見たあと数日よく眠れなかった気持ちは今でも思い出せる

上で出ている「Phantom」だろうね。原作ゲームのバッドエンドをあえてアニメ化したあの唐突なバッドエンドは混乱しながら怒っている人が当時も少なくなかった。

「Phantom」は原作ゲームにも無いオリジナル展開でバッドエンドだったはず
だから日本のファンも荒れたらしい

「白鴿島」「環保剣」「神厨小福貴」など、一昔前の国産アニメは明らかなバッドエンドやビターエンドな作品があったので、その頃のテレビアニメを見ていた子供にとってはそれが初めてのバッドエンドアニメになっていたのではないだろうか?

「環保剣」とか完全な悪の勝利EDだったよな……ラスボスを倒すためのアイテムを揃えて武器完成させて挑んだら実はもう一つ必要なアイテムがあって敗北とかよくやったもんだよ

子供の頃はアニメにバッドエンドがあるなんて考えもしなかった
ついでに私は昔TVで見た「セーラームーン」が個人的にはバッドエンドに近い印象になった
それまでバトル要素があってもコメディの入った展開だったのに最終局面に入るとセーラー戦士達が惨たらしく死んでいく全滅展開
後で復活するとはいえかなり引きずるトラウマになった

個人的な主観でいいなら「千と千尋の神隠し」
「またどこかで会える」という言葉の通りだったらよかったのに



とまぁ、こんな感じで。
中国に入った日本の作品事情も含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみにこのネタを教えてくれた方からは
「昔の中国の国産作品にはバッドエンド、いわゆるビターエンドな作品も少なくありません。子供向けでも容赦なくバッドエンドになることもありました。例えばアニメの『環保剣』などは敵側が優秀で主人公にレベル上げをさせない、ボスを倒すための最後のアイテムはボス自身が確保と嫌なリアリティ重視でした。今ならば環境保護がテーマなので人間の心が変わらなければダメだという話も理解できますが、当時アニメを見ていた子供の私はショックを受けたので納得はしていません」

「個人的な印象になりますが、中国ではネット小説が娯楽の中心になってからバッドエンドを提供する作家は減ったように思います。ネット小説ではバッドエンドにするのは直接的な収入に負の影響が出ますし、炎上して作家に対する攻撃が発生するのでリスクが高過ぎます。言い方を変えれば、作家と読者の距離が近くなったのでバッドエンドが難しくなったということなのかもしれません」

などといった話もありました。

現在の中国では日本よりもクリエイターとの距離が近いような空気もありますし、作品の反響に関して考えなければいけない中国独自の事情というのもイロイロとあるのでしょうね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。