ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

中国オタク界隈ではオタク系コンテンツの関連作品として同人誌の存在が妙に強く意識されている所もあるそうで、日本の同人事情の話題で盛り上がることもあるとのことです。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「近年はアニメキャラの薄い本が減った気がする」
などといったことに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


近年はアニメキャラの薄い本が減った気がするんだが、皆はどう感じている?俺は明らかに昔より少なくなっているように感じるのだけど。

私もそう感じる。確かに減ったよね。

今の同人誌ってほぼ二次元ソシャゲのキャラが多くて、アニメの二次創作キャラはオリジナルキャラより少ないくらいだ

さすがにそれは見ている場所が偏っているのでは
ただ「ぼっち・ざ・ろっく!」とかは結構薄い本が出ていたけど、確かに最近はアニメの薄い本少ない気はするな
二次元ソシャゲの本が比較的活発な印象も受けるけど、あまり売れているようには見えないし

二次元ソシャゲの薄い本は増えているが?
減っているのはアニメの薄い本だけだろう
今のアニメは異世界系ばかりだから内用もキャラの違いが少ないし、キャラを売るために尖った方向で進化しているソシャゲには敵わなくなった

今は同人誌自体が減っている
盛り上がっているように見える二次元ソシャゲでさえ出るスピードも数も一昔前と比べればパッとしない
俺は元ネタの盛り上がりからすると、二次元ソシャゲの薄い本がもっと出ていても良いのにと疑問を覚えるくらいだよ

二次元ソシャゲだけじゃないぞ?Vtuberもかなりある!
しかし現在流行っているアニメのキャラを描く、同人誌を作る有名絵師はレアだよね

SNSにイラストを即投下するのと違って同人誌ってたくさんのページ数描いて入稿してイベントに参加してだからタイムラグが生じる
昔だったらそれでも問題無かったんだろうけど、入れ替わりのペースが加速している現代の環境だと売り時を逃す

同意できる意見だ
人気になったアニメの同人誌を描いてもイベントに参加する頃には流行が終わっていて売れなくなるんだよ。だから同人誌作家は皆固定ファンがいてすぐに消えないソシャゲの同人誌を描く。
アニメとは逆にゲームは人気の寿命が格段に延びた。家庭用ゲームにしてもIPとしてのソシャゲ展開やコラボにPC移植、DLCなどによって話題が続く

pixivのランキング見ても今は二次元ソシャゲとVtuber中心でアニメキャラは少ないからな
ほとんどの絵師は人気のためにそっちのキャラを描きに行く

いわゆる「同人誌」はデジタル化とプラットフォームの整備によって増えているんだけど、オリジナルが増えているのでこっちの人間の認識する薄い本は減っているように見えるといった所もあると思う

違法アップロード対策が強化されたのとアップする人間だか業者だかが減ったので薄い本がネットに流れなくなったし、作家側も二次創作は課金ファンサイトの支援者向けなどのクローズドな場所でやるようになったからなあ

それはありそうだ。私の見ている範囲でもファンサイトだと同人誌は少ないが二次創作系のイラストがかなりの勢いで流れている。
そっちの方が人気と需要の旬を逃さずに稼ぎやすいというのは分かるが俺が薄い本買ってた作家もイラストばかりになっちゃってイベント用の薄い本も過去イラストまとめに新規イラストみたいなことになっている。イラスト供給自体は嬉しいけど複雑な気分だよ……

単純にアニメやマンガと比べて二次元ソシャゲのキャラの方がデザインとしてよく出来ていて綺麗でエロいのだからアニメやマンガのキャラ描かずにソシャゲを描きに行くのは当然だ
更にソシャゲは現代のネットでは思い入れによる補正もかかるから評価されやすい
あとアニメのキャラはカップリング問題があるしすぐにOOC(Out of character)とか言われて自由に描けないから二次元ソシャゲの同人誌の方が何かと快適なんだよ

ちやほやされたい金も稼ぎたいなら人気のジャンルに行くわけだし、そりゃ現代の環境ではアニメネタではなくソシャゲネタになるわな

ちやほやされるのはともかく金の方はどうなんだろう?二次元ソシャゲは薄い本の需要があるように見えて実はそれほどでもなかったりする。
ソシャゲって作品界隈が閉じているからパイが小さいんだよ。課金の儲けは大きいけど薄い本としては結構厳しいので運営はともかく同人作家にとっては微妙という話もある。

ソシャゲの場合、薄い本の原動力になる「思い入れ」を作家や読者が獲得するにはソシャゲをきっちり遊ばないといけないので狭くやるなら良いけど広くやるのは簡単じゃない。
言ってみれば昔の覇権アニメのようになんとなく知られているキャラのような感じで広まっていないので妄想を補完するためのとっかかりになるような要素が少ないから昔のような大きなジャンル、大きな盛り上がりになるのはちょっと厳しい。

二次元ソシャゲの場合、公式が公式絵師のイラストでエロ売っているからきつめの18禁じゃないと需要が出ないんじゃないかね
薄い本買う、作家に課金するより公式に課金させようという意図が明確なジャンルだ

アニメに関しては昔のように「誰もが知っているキャラ」或いは「オタクなら大体知っている、把握しているキャラ」というのが出なくなっている、ソシャゲが広まって相対的にアニメの影響力が落ちているので薄い本も盛り上がらないということなのかね……

「ブルーアーカイブ」とかも相対的に本がたくさん出ているように見えるだけで絶対数としてはそんなでもないからねえ
日本の二次元ソシャゲで比較的目立つ「グランブルーファンタジー」とかも同人としてジャンルが広まるまで結構時間がかかったし

デジタル環境で完結できるので、わざわざ製本する人は減っているから「薄い本」や「薄い本のフォーマットで制作された作品」はが減り、それがそのまま各ジャンルの絶対数の減少につながっているのではないかと

現代ではソシャゲの影響が大きいからね。これに関しては艦これ、FGOといった時期から徐々に広がっていたが最近いよいよハッキリと出てくるようになった
そしてソシャゲの無い作品は新規ファンが入らないから衰退していく……「NARUTO」の同人誌が今でもそれなりに出ているのはソシャゲが頑張っているからだし

「NARUTO」はソシャゲよりも「BORUTO」やゲームも続いているからというのが大きいと思う。ソシャゲの影響で考えるなら「ドラゴンボール」とかがもっと出ていないとおかしい。

同人誌は少なくなったかもしれないけど私の実感としてイラスト自体は変わらないか増えているような気もする
近年では「スパイファミリー」、「鬼滅の刃」はよく見かけるし「フリーレン」がネタも含めて定期的に爆発している

インターネットと言っても今は国や言語だけでなく趣味や考え方でも分かれているから自分の追いかけているジャンルに近い所しか流れてこないというのもありそう

日本の二次元では作品の人気と同人の盛り上がりが異なるのはよくある話だけど、俺は「ウマ娘」辺りから本当に分からなくなってきた

ウマ娘に関しては公式が18禁の同人を禁止しているし、他にもキャラのイメージを壊すような改変はダメだとされているからこっちで最初に想像されるような「薄い本」は珍しいはず
作っても売れないではなく「売ることができない」のだよ

「ウマ娘」ほどではなくても、今は公式から規制?が入っている、或いは公式の動きを意識しなければならなくなっている作品が少なくない
作品によっては小規模なら許可されるけど大量で動く金が大きくなると不許可という公式ガイドラインを出しているケースもある
こうなると同人イベントでも自粛の対象になるので作品を売りさばくのは難しくなるのだとか

エロ同人って商売でやっている所も多いから、売れないならそりゃ離れるよな……

イベントでの「頒布」ではなく、ネット上のプラットフォームでの「販売」になったのが地味に大きい
日本の法律的にはグレーではなく明確にダメ(権利者が権利を行使したら負ける)なのをイベントでのその場限り、実態が把握しにくいからと黙認されていたのがダウンロードで常時販売されるようになって権利持ってる側が動くようになった

プラットフォーム使うのは便利だけど、利益と問い合わせ先が可視化されて版権持ってる側の訴訟も容易になるし、今は権利者個人ではなく出版社などの企業や制作委員会が動くだろうからね……

実際、二次創作系はプラットフォーム側での審査も厳しくなっているらしいし、版権側から抗議が来たら販売中止になるのでリスクも高くなっている模様

昔の日本の同人界隈はイベントや通販だけだったから訴訟はコスト的に割に合わなかったんだろう
日本の同人ネタの小話に怖い税務署は出てくるけど怖い版権側の話はあまり聞いたことが無い

逆に同人ルートのオリジナル作品、特定シチュエーション特化な作品は増えている
短編で売れるし、単行本化しなくても継続的な収入につながるから良いのだろうか

オリジナルの同人エロ漫画やエロゲーの場合、当たったら続編シリーズ化できるしガッツリ稼げるからな
ネットのプラットフォームはNTRとか特定の性癖が探しやすいし、そういう読者に対するアピールも容易で効果的だ
昔二次創作同人誌で描いていた作家が商業と同人両方オリジナルでやっていたりする

エロマンガやエロイラストで稼ぐ環境が変化したことによって商売のやり方も変化したのかもしれない
グレーゾーンの範囲や扱い、アピールする内容など明らかに私が若いときとは違ってきている
それが良いのか悪いのか私には判断できないけどね



とまぁ、こんな感じで。
現在の中国オタク界隈の認識も含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「中国のネットから見ているだけだと今の日本の同人誌は二次元ソシャゲ、それも中国国産ソシャゲのばかりという印象になるかもしれません。日本のイベントや街中でも国産ソシャゲの広告が多いと知られていますし疑問を感じない人も多いでしょう」

「中国では日本の非商業ルートで流通する同人誌の一部しか同人誌だと認識していない人も少なくないようです。中国では18禁同人誌が最初に大量に広まってしまったので、同人誌、薄い本と言えば『アニメの男性向け18禁二次創作』だという認識になってしまっているので……」

「個人的には現代における実本出版の減少の影響だけでなく、fanboxやfantiaなどでの活動が増えてクリエイターが同人誌を作らなくても稼げるようになった影響が日本の同人誌の減少につながっているようにも見えますが、日本の感覚ではどうなのでしょうか?」

などといった話もありました。

同人誌に関して個人的には評論系の本もネットのデジタル配信が増えているのがとても助かりますね。最近は本を置く場所もイベントに行く体力も厳しいので……

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。