ありがたいことにネタのタレコミをいただきましたので今回はそれについてを。

中国オタク界隈でも「昔と比べて今の作品は」「あの頃は良かった」などといった話はちょくちょく出ているようですが、その際にイメージされる「良かった時代」が徐々に変化しつつあるそうです。

そんな訳で以下に中国のソッチ系のサイトで行われていた
「皆が認識しているアニメの黄金時代はいつか」
などといったことに関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


皆はアニメの黄金時代っていつだと思う?主観客観どちらでも構わない
近頃の話題を見ていると、オタクの認識しているアニメの黄金時代が昔とは変化しているのを感じるんだが考えてみれば黄金時代の認識にも世代や個人で違いがあるわけだし、皆の認識している黄金時代について知りたい

主観でも構わないなら私は2010年代後半くらいだと認識している
今の主流の作品はちょっと合わなくなってきている

ロボアニメ好きな自分にとって、黄金時代ははるか昔だ……「ガンダムSEED」〜「コードギアス」くらいだから2000年代半ばから2010年後半くらいまでだろうか

言われてみれば昔の二次元の黄金時代のイメージと今の二次元の黄金時代は同じじゃないな
黄金時代扱いされる時代が変わるということは、オタクも世代交代しているということなんだろうか

そういうことだろう
話題の中心、比較の基準になる名作や思い出の作品が変わるわけだしね

客観的に見るなら今が日本のアニメにとっては黄金時代、過去最大に上昇している。日本を中心としてアジア地域をアニメで染めているしアメリカでも過去に無いレベルで伸びている。
もっとも、近年の日本のアニメは業界を代表するような新進気鋭のクリエイターは出ていないし「日本のアニメは終わった」と言い続けられているし、自分が追いかけていた作品もグダグダに終わってばかりだから日本のアニメが黄金時代という実感は全く無い……!

こんなにアニメとかの二次元の話題を一般社会で出来るような時代はこれまでなかったし、国内でオタクやっている場合でも今が黄金時代だという説は理解できる
でも国内だと規制がどんどん厳しくなって過去の人気ジャンルも幾つか消滅しているし、ファン界隈は炎上と通報でギスギスしてばかりだから今が黄金時代という実感はあんまり……

国内では娯楽ジャンル全体が息苦しくなっているというのはあるな
コンテンツの量は過去に類を見ないほど豊富だけど自分の楽しみたいものが理想の形で出てくる、或いは「新しい理想形」を教えてくれることも無い

公式ルートが出来て安定供給される作品の量が増え、2Dアニメではないとはいえ国産作品も盛り上がっている
何より中国語版がある作品、公式中国語字幕がある作品が昔とは段違いに増えているので楽しめる娯楽の量は明らかに現代が一番良いはず……なんだけど今が国内のアニメの黄金時代という印象が皆無なんだよね

いずれ今の時代もかつての黄金時代になるのかね。
その場合は「鬼滅の刃」や「SPY×FAMILY」が象徴的な作品になりそう。あと思い出という意味なら「呪術廻戦」も入るかな?

それはありそうだな
私はハーレム系ラブコメが大好きだったから、黄金時代は2000年代だね。今の時代も「五等分の花嫁」のような作品はあるし異世界系とかでの供給はあるけど勢いや何を追いかけるか迷えて嬉しかった時代は過去のものになった

個人的には00年代半ば頃、鬱展開の作品がたくさん作られた時代が黄金時代だな
今はあまり同意してもらえないのは分かっている

言いたいことは分かる
00年代の悲劇、鬱展開作品って破滅的バッドエンドな展開の作品とはまたちょっと違って興味深い
感性が合う人にとってはあの時代が唯一無二なんだろう

アニメの内容の流行り方に関しては前世紀末のSF非日常系が流行ったあとに日常系が来るとか、更にその後にダーク系が来るとかしているし主観的な黄金時代には好みも含めた個人差あるだろうな
現代なら現代で異世界系が圧倒的に強くて評価が分かれているしね

俺には「serial experiments lain」や「今、そこにいる僕」などの1990年代後半の抑圧された空気が大好きなのに最近はそういうのが無い、つまらないと言っているオタクの知り合いがいるけど、彼にとっての黄金時代は二十年以上前なんだろうなあ

コミュニティの参加者が歳をとっていくと「最近の作品は面白くないのばかり」みたい話題が増えて、自分のイメージする黄金時代を語りだすけどその「良かった時代」も変化しているよね

あと黄金時代扱いする時代に関して、名作以外にたくさんあったダメな作品は無かったことにされがち

それは全く否定できない……その当時の大多数であったはずの平凡な作品、ダメな作品は現代の記憶にはなかなか残らない
でも近頃は記憶や記録に残る名作は大量の駄作の中から生まれてくるというのを何かと実感するよ
成功した名作という前例の踏襲や規制も含むコントロールで良いものだけを作ろう、伸ばそうとしても上手くいかないし、たまに上手く出現した名作も瞬間的な爆発だけで消えてしまう。

今のネット上では2018年くらいが良かった、みたいな空気になっているような気がする

分かる。その辺はbilibiliが上り調子で空気も良かった頃だし配信される作品も多かったのもあるんじゃないかな

2017〜2018年頃はオタク界隈の空気も良かった。
その前の数年は国内の規制強化が発動したり、新作アニメの前評判で「最強のラインナップ」みたいに持ち上げた後に失速するのが繰り返されるなど何かと混乱していたのが落ち着いていった頃だ。
そして国内の規制もまだ「理解できる」という範囲だった

その意見には同意するけど、他にもその頃の体験をしている人は今のオタクの主流ではなくなっているのも影響していると思う
実際こっちの動画サイトが版権とって配信した作品を見ていくと、作品の種類や「積極的な選択」に関してはその前、2010年代半ばくらいの方が良かったりする

そんなこと言いだしたら俺は2000年代後半が一番良かった、勢いがあったみたいなこと言い出しちゃうぞ。

そして更に「エヴァ」が……とかになるわけか

作品ではなく社会的な背景を考えると、日本社会のバブル経済の恩恵を受けていた時期が一番黄金時代っぽくなりそうなものだが
具体的にはOVAがたくさん作られていた時代

OVA時代は投げっぱなしも多いから今の感覚で見ると評価に迷うね
作品解説に当時では新奇なアイデアで作られた作品、後の作品に影響が……みたいな話があっても視聴体験としてはそんなに良くなかったりする
たぶんこれは俺の黄金時代の作品を今の若い世代が見て感じるのと似たようなものなのだろう

バブル時代、或いはバブルがはじけた後のバブル時代の金で作品を作れていた頃が黄金時代……分からなくもないかな?
1990年代のアニメ作品、「エヴァ」辺りからの流れは黄金時代感あるしね
しかし日本のオタクにとってのアニメ黄金時代っていつなんだろうね……考えてみたらかなり難しい

アメリカの場合はカートゥーンの最盛期、1960年までの間だという定義があるようだけど日本だとよく分からんな
日本のアニメ業界は定期的に盛り上がっているし業界のビジネスモデルも変化しているしで

市場規模が爆発的に増えたのは2010年代だとか、社会的な影響力が大きかったのは1990年代だとか、黄金時代扱いとその理由の話も聞こえてくるが正直よく分からない!

上の方でも言われているが大衆に対する影響力ということなら現代がまさにアニメの黄金時代だろうね。でも良くも悪くも大衆娯楽としての地位と勝ちなので、作品の芸術的な面での黄金時代ということなら二十世紀の八十年代九十年代の方が尖っていて評価できるかもしれない。

主観的な話になると大体は自分が一番オタクとして楽しかった時期が黄金時代になるのでは
オタクとして楽しいというのはそれだけ自分にとって面白い、楽しい作品があったということだろうから

そういうことだろうね
だから自分が現在の作品のターゲットとなる主流世代でなくなったと気付いたら中心から距離を置くのがいいんだろうな
それを静かに、「今の作品は〜」みたいに妙なアピールをせずにやるのが難しいんだが!

上の話題を見た感じでは、ウチの国だと今はbilibiliでアニメ見るのが楽しかった、二次元ジャンルの空気が良かった思い出のある数年間になってるようだが、環境の変化や世代交代によって「思い出の時代」も変わっていくわけか

そこは皆歳をとっていくという面もあるんだよ
若いときしか楽しめない、体力と精神に余裕がないと楽しめないような作品は少なくない

体力もだけど時間もね……子供の時に学校から帰ってきてテレビをつけるとかアニメのディスクを再生してアニメのOPが始まるのをワクワクして待っている時の気分や、深夜に配信開始を待ってネット上で時間を潰すときの空気は若い時にしか体験できない

まだ知識がそんなに無い、娯楽に飢えていた時が一番二次元を楽しめていた気はするね
満腹になるほど作品が溢れている時代になってみるとそれを痛感するよ



とまぁ、こんな感じで。
現在の中国オタク界隈の空気も含めてイロイロな話が出ていました。

ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「中国はオタクが成立してからまだ20年程度なのでオタクが意識するアニメの黄金時代は日本と比べて最近の時代になります。昔は『涼宮ハルヒ』や『Fate/Zero』が放映されて盛り上がっていた時代が意識されていましたが、近頃はbilibiliが商業化して上昇を続けていた2010年代後半が意識されています」

「これに関しては最近のbilibiliが一般向け重視に方針転換していることに対して二次元路線を軽視している、過去に支持したユーザーを軽んじていると感じる人が増えているのも原因の一つかもしれませんね」

などといった話もありました。

それにしても中国オタク的な黄金時代というのは私もなかなか迷いますね。
個人的に楽しかったのは2000年代半ばの中国でオタク層が形成されていく黎明期ですが、オタク関連の活動の盛り上がりや二次元文化の形成に関してはその後の時期になりますし、規制と規制の間で思わぬ盛り上がり方をした時期もあったりするので……

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。