ありがたいことに
「中国のオタクから嫌われるやさしい主人公って具体的に誰なんでしょうか?最近の作品は俺TUEEEEEな主人公も多いのにやさしい主人公批判が相変わらずなのがよく分かりません」
という質問をいただいておりましたが、先日これに関係しそうなネタを教えていただきましたので今回はそれについてを。

中国オタク界隈では日本の作品の良い人、優しい性格の主人公に対して反発が出ることが少なくないようで、日本語の「やさしい」の音に中国語の漢字をあてた「亜撒西」というネガティブな意味で使われる中国オタク用語もあるそうです。
しかしこの「亜撒西」に関しては好みや認識に個人差もあるようで、そのイメージや定義に関しても話題になることがあるのだとか。

中国のソッチ系のサイトではそんな話題の一つとして
「日本の作品のヤサシイ主人公で皆は具体的に誰を思い浮かべているのか?」
などといったことに関するやり取りが行われていましたので、以下に例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。
(以下の翻訳で「ヤサシイ」になっている所は基本的に中国オタク用語の「亜撒西」を訳したものになっています)


日本の作品のヤサシイ主人公を嫌う人は多いが、皆は具体的に誰を思い浮かべているんだ?
ヤサシイ系主人公の全盛期は結構昔のはずなので、なんか気になってきた

とりあえず思い付いたのは「To LOVEる」の結城リト

私も結城リト
でも彼はハーレム系主人公としてはともかく、ヤサシイ系主人公としてはそこまで典型的なタイプではないかもしれない
もちろん広義的にはヤサシイ系に入るけど

言われてみれば頻繁に使われるレッテルだけど典型的な条件を全て満たすようなキャラは案外思いつかないかも

俺も「ヤサシイだけのダメな主人公」みたいな言葉はよく見かけるけど、実際にどの主人公がそうなのか、そういう扱いになるのかについては気になる

あえて言うなら「ソードアート・オンライン」のキリトだろうか?
でもこいつはどちらかといえばヤサシイ系よりも中二病系な気もするし……

「冴えない彼女の育てかた」の安芸倫也とかはどうだろう
皆が知っているかはさておき、昔のギャルゲー系作品の主人公を探せば条件に該当するキャラは見つかりそう

「さくら荘のペットな彼女」の主人公
受動的な主人公で周囲のキャラに巻き込まれて進むストーリー、生活力の無い天才ヒロインの面倒を見ることによって主人公が肯定されるのもヤサシイ主人公的だ

色々考えて出てきたのが「IS」の主人公だった

織斑一夏は特殊能力、戦闘力自体はあるからどうなんだろう?
昔はやさしい性格しか特徴が無い、それも作中で言われているだけみたいなのが該当したはずだが……でも今は優柔不断で各種イベントに受け身ならそれで条件は満たすのか?

私は本人が強い、自分から動くような場合は違うと思っている
上で言われているキリトもゲーム内では強いし現実でも鍛錬しているし俺TUEEEEEするし、何よりアスナに対してはわりと自分から動いているからヤサシイ系とはちょっと違う気がする

戦闘力というか秘められた力があってもヒロインに守られる、受け身だとか流されるままだとヤサシイ系になると思う
例えばもうかなり昔の作品になってしまうが「おまもりひまり」の主人公とか、かなりダメな方向の「ヤサシイ」主人公だったかと

「Re:CREATORS」の主人公は「ヤサシイ」が嫌われる評価の一つになっていたかな
それ以外の部分の減点もひどかったので、ヤサシイから嫌われる主人公ではなかったけど

皆がよく言う「ヤサシイ」って自分で決断しない、周りのことを考えてみたいな口実で不利になる選択肢を消極的に選ぶとか、見ていてイラつく主人公に対して使われがちな概念だ
日本の「やさしい」とはそれなりに違う概念になってきていると思う

理解できる話だ
私は日本だと優柔不断とか言われる方がこっちの「ヤサシイ」に近いようにも感じている
言ってみればその優柔不断、自分が選択しないことで自分が嫌われない、それで話が進むような主人公だろうか?

受け身でなくても自分から面倒事に突っ込む、なのに自分では解決できないというか現実が見えてないようなキャラも「ヤサシイ」になるかな
でもネタで「ヤサシイ」とか言われているけど嫌われてはいない主人公もたまに混じるのがヤヤコシイ……
例えば「空の境界」の黒桐幹也までいくとある種の高評価みたいになってくる

日本だとそういうのは「お人よし」として肯定的に扱われるらしいが、こっちの感覚だとイラつく、批判されるキャラになるからね
理想を語って場をひっかきまわす、別のキャラに解決してもらっているように見えてしまう主人公はこっちだと批判、炎上コースだ

今のこっちのオタク界隈だと結城リトの他には「デート・ア・ライブ」の五河士道もヤサシイ系主人公としてイメージされやすいと思う
こういうのってファンの認識とは別にイメージの問題も大きいからね

それで思い出したが、「その着せ替え人形は恋をする」の男主人公の方が「ヤサシイ」扱いされがちだけど、実際に作品見てるとむしろオタクでギャルなヒロインにとって都合の良い有能特殊スキル持ちキャラに感じてくるという話があったな

実際に作品を見るとヤサシイ的な所はあってもダメな主人公ではないことも多いからね
もちろん本格的にダメなやつもいるが

「ヤサシイ」だけで周りに嫌われない、上手く話が進むのが批判される
しかしそれだけの主人公ってラノベ作品にもそんなに見当たらない

ここまでに出ているキャラだと結城リトが一番分かりやすいか
でもあいつには俺達にエロシーンを提供するという重要な役割があるから薄いキャラでいてくれた方が良いという事情もある

皆が知っているわけではないけど、個人的には「ToHeart2」の主人公は最も「ヤサシイ」系の主人公だと思う
ヒロインは良いんだけど、主人公が本当にイラつく

河野貴明はあまり知られていないけど、かなりダメな主人公だったよね
追加ヒロインのシナリオとか特にひどかった覚えがある

「ToHeart2」もシナリオによっては別に主人公の印象は悪くならないし、良い所もそれなりに見せてくる
ただそれでも「1」主人公のやる時はやる、普段は面白いキャラと比べると厳し過ぎる

言っては何だがヒロインに手を出さない、逃げてばかりなのも「ヤサシイ」と批判される理由になる
正室が確定しているとか積極的にハーレム作るようなのはちょっと違うのではないかと

合体しないのは別に構わないが、恋愛感情に気付かない愚かさ、イベントを進めないために勘違いするようなのは「ヤサシイ」主人公に該当する要素だと思う
そもそも一般向け作品だと合体シーンまで描写できないわけだしね

それはあるね
「僕は友達が少ない」の主人公も外見はテンプレから外れているけどキャラの動き方はわりと典型的なこっちで嫌われる「ヤサシイ」主人公だった

私は「ニセコイ」の一条楽を挙げようと思ったが、よく考えたら彼はヤサシイという評価以上に何かがおかしいキャラだった……

まだ伊藤誠が出ていないではないか
あいつは人間のクズや「nice boat」のイメージがあまりに強いけど、ルートによっては意図的にダメな方向に寄せたやさしい主人公キャラになっている



とまぁ、こんな感じで。
中国オタク界隈で知られている、イメージしやすいキャラについても見えてくるやり取りが行われていました。

ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「現在の中国の作品で人気になる、言い方を変えれば批判されない主人公は現実的な考えで自分の利益のために動く、敵に対しては容赦せず徹底的にやるというキャラです。日本の作品に出てくるやさしい、お人好し的な主人公はそこから外れるので、今の中国では納得できない正しくないという意見が出てきますし、日本の作品に対しては『またやさしい主人公か』とバカにする発言が出てきたりすることも珍しくないです」

「この否定的な意味で使われる日本の作品の『やさしい主人公』ですが、そのイメージの源流は恐らく日本のラノベ作品、特にラノベ原作アニメだと思います。しかし現在の二次元系作品では昔のようなラノベ作品はあまり多く無いですし、異世界系に多い日本のネット小説系のラノベ主人公は『やさしい』部分は昔と比べて少ないので典型的な『やさしい主人公』を探すと最近の作品では案外見つからないのが分かります」

「ですから現在中国で『亜撒西』と言われているのは日本の昔のハーレム系作品にいたような受け身の主人公ではなく、日本の作品に出てくる中国の主人公キャラの理想像から外れる、見る側の期待に沿って動いてくれない主人公なのでしょう」

などといった話もありました。

前回の記事でも日中で求められる、許容される主人公像の違いのような話が出ていましたが、主人公の行動や判断でストレスを感じる部分の違いに注目して作品を追いかけていくのも面白いかもしれませんね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

7/9修正:誤字脱字を修正しました。ご指摘ありがとうございます。