前回に引き続き、ありがたいことに以前教えていただいたものの後回しになっていたネタで。

中国オタク界隈ではいつの間にか形成されている「日本の作品によくあるネタ」、「日本の作品の主人公の定番」というのがイロイロとあるそうですが、いわゆるハーレム系作品に関しては良くも悪くもその手の定番イメージがあるそうです。
しかし中国オタク界隈でも長いこと扱われているジャンルなこともあってか、
「そのネタがどこから来たのか?」
となるとハッキリしなくなるようなものもあるのだとか。

中国のソッチ系のサイトではそんな話題の一つとして
「日本のハーレム系作品のやさしいだけの主人公が超常系ヒロインに好かれるというネタ通りの作品は何があるのか?」
などといったことに関するやり取りが行われていましたので、以下に例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


日本のハーレム系作品は何も特殊能力や強さがない主人公がやさしいだけで超常系ヒロインに好かれるというネタがあるけど、そういう作品って実際にどのくらいあるの?
日本のハーレム系作品の主人公は「やさしいだけが取り柄」ということでよく批判されるけど、作品をよく見てみると議論ではあまり意識されない特殊能力があったりする

日本のラノベを探せばたくさんあるだろ

それが意外に見つからないんだよ……

ヤサシイ系主人公として批判されることはないけど、無能力の一般人という設定なのに精神的に強くて有能なタイプとかもいるし、完全無能力はもう童話や昔話の世界じゃないか?

「白蛇伝」はそういう話だったな……だから現代向けに実写化すると主人公のアレンジで好みが分かれるという

有無に関して言えば有る
しかし二次元関係で考えると結構遡らないと厳しいんじゃないか?
例えばロボアニメだって主人公には「ロボを操縦できる」「そのロボに乗って戦場で戦える」という能力があるわけで

高橋留美子で考えると「うる星やつら」はまだ主人公に特殊能力が無い、しかし「らんま1/2」になると武術とTSがあるから違うな……

三角関係のラブコメなら現代社会で成立するけど超常系ハーレムとなると難しそうだ……

一対一ならわりと簡単だが、ハーレムだと理由付けが難しい

ハーレムでなければ前世の関係とか、異種婚系の話を使えばいいわけだしな
しかしそれを重ねると混乱するというか話が難しくなるというか

主人公への恩返しということにするのはよくある
主人公が好かれる、ヒロインによって成功する過程も主人公の道徳性が優れていると強調すればいいし、いわゆる「ヤサシイ主人公」よりも納得しやすい

外国に行くとか、異世界に行くとか、女子高に一人だけ男みたいな特殊シチュエーションだとどうだろう?具体的な作品名は思いつかないが探せばありそう

超常系ヒロインの方がハーレム形成は簡単なんじゃないの?
超常系キャラ独自の恋愛ルールを適用するとか、健全なキャラと比べて心に傷や歪みを設定できるのでそれを「やさしい主人公」が癒してやればいい

その路線の頂点が「To LOVEる」だろうね
しかしあの作品のように作者の画力の高さによるキャラとお色気サービス特化で続けられる作品は珍しい

同意する
「ラブひな」でさえ終盤に主人公強化して平凡なキャラではなくなってしまったので、ハーレム環境を維持しながら話を動かすには無能なままではいられないのだと思う

漫画の場合は視覚的な情報の多さと内面描写の少なさから小説に比べてやりやすいと思うぞ。最近でも「彼女、お借りします」みたいな人気作品が出ている。
たださすがに能力無しだけで恋愛を引き延ばすとダメでクズなイメージになりがちなので、「ぼくは勉強ができない」や「ひまてん」のように主人公に日常生活における特技を作って魅力が盛られる方向になってきているけどな

スレ主が言っているようなのだと「涼宮ハルヒの憂鬱」が該当すると思う
でもキョンみたいに傍観者で巻き込まれ系なので不快ではないタイプの主人公はあまりフォロワーは出なかった

そのタイプは特殊能力持ち系や、「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」の八幡のような解説とツッコミ、精神的な部分の強調で読者に感情移入させる方向にいったし、やはりスレ主言うような無能力で超人ハーレムとはなんか違うかも

ヒロインが一人ならともかく、それでハーレム形成まで行く、話を続けるのが難しいんじゃないか?
その路線だと最終的には主人公も特殊能力獲得して超人化になりがち

超常系でも恋愛イベント、フラグ自体は普通のラブコメなことは多いのでこういうのを探すとなると案外難しい
どこぞの投影魔術師も学校生活の走り高跳びでフラグ構築してたわけだし

ハーレム系の開祖の「天地無用!」も弱気な巻き込まれ主人公だけど、血統が覚醒して最強になるしな

「天地無用!」はやさしい系主人公ではあるが、最初から特殊能力発動するからやさしいだけが取り柄で特殊能力無しなキャラではないぞ

「魔都精兵のスレイブ」みたいな無能扱いされているけどヒロインと組み合わさると物凄い強くなる、価値が出るパターンは思いつくんだが

とあるシリーズの浜面仕上はどう?特殊能力無しでハーレム形成で私が思いついたのはこいつ

浜面は特殊能力こそないけど銃火器や車は使えるしイリーガルな交渉や偽造スキルとかもあるなど超常系ではないアクション映画のエージェントみたいなスペックはあるので違うと思う

作中の超常バトルについていける、介入できるのはちょっと違うよな
精神的に強い、イケメンみたいなのと似たような方向

「灼眼のシャナ」の佐藤啓作みたいなサブの男性キャラが実質ハーレム形成というパターンはあるが、便利キャラとして能力や設定が積みあがるのでこれも特殊能力無しキャラではいられない

「勇者召喚に巻き込まれたけど、異世界は平和でした」みたいなチート能力無しタイプは?

俺もその作品を思い付いた

あの作品の主人公は勇者と比べたら相対的に大したことないだけで、異世界召喚の際に現地で不自由なく暮らせるレベルの魔法とかの能力は獲得している安全有能仕様だぞ

今の作品は基本的には相対的に弱い、無能扱いされることはあっても本当に何もできないことは無いと思う
それをやると読者がストレスを感じるし、それに惚れるヒロインの格も下がったように見えるからね
探すならそういったルールが認識されるようになる以前の昔の作品だろう

こういうのはキャラの役割としては作品単体で見るなら「特殊能力が無い」「無能扱い」であればいいから、「ヤサシイだけが取り柄の主人公」も本当の一般人と比べると特別な設定になっていることが多い
転生や前世の縁、秘められた血統、後天的な能力獲得まで考えるとスレ主の考えるようなキャラを見つけるのは簡単ではないだろう

普通の人間ではあるけど知力は非常に高いし運も良い、ヒロインのピンチに介入して手助けしたり問題を解決する道筋を提供できるみたいな特殊能力がない主人公というのではダメか

「人格的に優れている」というキャラって長期連載になると行動の積み重ねで一般人から離れてしまう、ある種の超人になりがち
特徴のない普通の人でい続けるには作者側が意識して制御しないといけないが、そういう作品をわざわざ見たい人はそんなにいないと思われる

普通の人間が複数の有能な美女に惚れられているというのが現実に無いわけではないが、それをそのまま書いても読んでいる側がリアリティを感じる、ストーリー展開やキャラの行動に納得できるわけではないからな……

設定の方を特殊にして、世界で唯一の「普通」な男性であることに価値を出す!

それも一つの手段だな
貞操逆転世界や男女比が異常な世界みたいなのは本当に上手いアイデアだと思うよ



とまぁ、こんな感じで。
中国オタク界隈の定番ネタとして語られがちな日本のハーレム系主人公に関する認識の確認、考察で盛り上がっているようでした。

ちなみに今回のネタを教えてくれた方からは
「現在の中国のオタクがイメージする日本のやさしいだけのハーレム主人公は、直接的なモデルとなるような存在はいない、時代と共に中国側で蓄積されていった結果によるイメージだと思います。たぶん最も近いのは『「To LOVEる』の結城リトだと思いますが、彼自身はそこまで嫌われているキャラではありません」

「このイメージに関しては恐らく伊藤誠などの嫌われているギャルゲー系主人公の記憶なども混じっていると思いますが、現在の中国のオタクで元気の良い世代は『School Days』に関する実体験はありません。これは私の個人的な見方になりますが、中国のオタクが嫌う決断力が無い、状況に流されるタイプの主人公のイメージが、ヒロインの目立つハーレム系に混ざって形成されていったイメージなのではないかと思います。そういう意味ではハーレム系作品の主人公でも、ラノベ作品の主人公でもななくギャルゲー系作品の主人公で嫌われる主人公なのかもしれません」

などといった話もありました。

今回の記事をまとめていて私がすぐに思いついたのは「僕の血を吸わないで」などの阿智太郎作品でしたが、上のやり取りを見ると最後は吸血鬼になるのでこの辺の作品もダメっぽいですね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。