「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む

記憶が薄れる前に書いておこうと、北京において行った「文化交流」という名のオタク活動やその方面のネタを適当に綴っております。

北京生活のあれこれ

中国人「実は私……自転車乗れないんだ……」

昨日は体調を崩してダウンしていたので夜になって四川の地震をようやく知るという体たらくでした。慌てて現地のニュースやweiboを追っかけてみたら目を覆うばかりの惨状のようで……
現地の方々の被害が少しでも小さいことを祈るばかりです。


そんな中ではありますが、とりあえず今回の更新を。
ありがたいことに以前
「最近の中国の自転車事情ってどんな感じなんでしょうか?昔のイメージでは自転車が大量に走っているというものでしたが、最近は渋滞や排ガスによる環境汚染などが心配されるくらいになっているようですし」
と言う質問をいただきました。
確かに中国には独自の自転車事情がありますし、それに関する変化も出ているようです。

うまい具合に、先日私の巡回先で
「自転車に乗れないんだけど……」
といった、現在の中国の自転車事情も見て取れるやり取りを見かけましたので、今回はその辺についてを例によって私のイイカゲンな役で紹介させていただきます。


実は私……自転車乗れないんだ……
恥を忍んで聞くが、みんなはどうなの?やはり乗れて当然なのかな……?

自分はもちろん乗れる。
周りの人も普通に乗れるもんだと思っていたが、どうなんだろう?

私は小学校の頃に練習して乗れるようになったと思う。周りも大体そのくらいでのれるようになっていたと思うが。

私は中学の時に乗れるようになったっけな。ちょっと苦労するけどすぐに乗れるようになるから、これから練習するにしてもそんなに悲観することないんじゃないかね。

何時ごろ乗れるようになったかちょっと記憶が曖昧だ。親に手伝ってもらって練習していたのと、いつの間にか親が支えの手を放していたのに気付いて怖くなってすっ転んだのは覚えているんだが。

正直な話、私は自転車に乗れない人に出会ったことは無いんだが……
自転車って人類の基本的なスキルというレベルでないかい?

そりゃパッと見て自転車乗れない人が分かる訳ないだろう。
多くは無いけど中にはいる。俺みたいに!
俺は周りに自転車が乗れないとバレたことはあんまりない!

実は私も乗れなかったりする。
特に必要じゃなかったんで、練習しないまま今に至る。それに二十歳超えている人間が今更練習するのも恥ずかしくて……

え?普通に乗れない人いるの!?
なんで?乗れないなんて不便じゃない?

乗れるけど、もうずっと自転車には乗っていないな……仕事行くときは公共交通だし、休みに誰かと動くとなると車だしで、乗る機会が無くて。

今の時代、自転車が必需品な状況、例えば通学や校内の移動などで自転車に乗らないといけない状況にならないと、案外自転車の練習しないままで済んでしまうのかもしれないね。仕事はじめてからも、やはり必要な人しか乗らないだろうし。

しかし自転車乗れない人はどうやって学校通うんだ?あと遠足や試験会場が学校の外にあるとか言う時は、でクラス全員自転車で移動とかやらなかった?それに大学に入ったら自転車無いと大学内の移動も不便じゃない?

私はバスで通っていたし、学校関係の行事もバスが出たりしていたから乗らなくても問題無かった。大学もそんなに大きい所ではないから自転車無しでも大丈夫なんだよ……

乗れるけど大学の外の大通りで車や他の自転車と一緒には乗りたくない。ラッシュ時とか、車がごちゃごちゃする交差点とか怖いわ。

自転車乗れると良いぞ。後ろに自分のかみさんを乗っけて走るとか、最高だ。

とてもロマンチックな話ですね。しかし私にはそういう相手がいません!てか今の時代、大学生同士でも自転車では女の子の反応が微妙です!せめてオートバイでないと……!

私は自転車だともう一人乗っけての運転というのはできなかったりする。

俺の自転車ポンコツだから後ろに数十キロの荷重がかかるとなると不安だ……

私は大学に入るとき、毎日の授業の教室移動や大学内の移動に自転車が無いとマズイと知って、合格後の夏休みに慌てて練習したよ。

前は毎日自転車で学校に通っていたけど、卒業してからはほとんど乗って無いな。

北京在住だけど、最近は地下鉄が随分と開通したから自転車あんまり乗らなくなったな。大学出て仕事するようになったからってのもあるんだろうけど。

私は一応出勤も自転車。ただ周りを見るとオートバイや電気自転車が昔に比べて随分と増えているし、昔ほど自転車が重要じゃなくなっているのは間違いないんじゃないかな。それに都市部では自転車を止められるような場所も減ってるし、自転車の駐輪場も使い勝手が悪くなったり無くなったりしているから相対的に昔ほど便利な移動手段ではなくなっていると思う。



とまぁ、こんな感じで。
昔に比べて交通手段が増えたりしているので、場所によっては自転車に頼らないで済むようになっているようですね。

ただ、学校関係では現在もやはり自転車が無いと厳しかったりもするようです。
上の発言にもありますが、中国では学校の行事で普通に個々人の自転車が移動手段に使われるケースもありますし、大学では自転車での移動がある程度必須な状態になっている所もあります。

私も現地校に通っていた時は校外への移動は
「ある程度の距離までは自転車で移動して現地で再集合」
みたいなことになっていましたし、
大学に入ってからは選択科目によっては教室間の移動距離が長くなってしまうので、自転車が無いとほぼ遅刻確定といった状態になってしまう時もありました。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク「今年は大気汚染が特にスゲェけど、みんな鼻毛どうしてる?切ってる?」

ありがたいことに
「中国は大気汚染がひどくなっているそうですが、その件について何か反応はあるのでしょうか?」
という質問をいただきました。
しかし、当ブログはオタクブログですしあんまり大したことは書けそうにないので、例の如くイイカゲンな話でお茶を濁させていただこうかと思います。

先日、北京の知り合いと話したときに、
「ただでさえ黄砂で鼻毛が伸びるのに、最近は環境汚染で空気が悪くなっているので更に鼻毛が伸びる」
という話になりました。
実際の所はどうなのか分かりませんが、私の経験でも中国に留学していたときの方が鼻毛は良く伸びていたように思います。

私の日頃の巡回先のサイトでも鼻毛やその手入れ

に関するやりとりを見かけましたので、今回はその辺についてを例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


今年は大気汚染が特にスゲェけど、みんな鼻毛どうしてる?切ってる?

鼻毛なんて不潔でなければいいんじゃないの?
私は特に手入れなんて考えていないが。

いやでも、さすがに鼻毛が出てるのが見える状態はどうかと思うんだよ……
ハサミで切るのもなんだし、鼻毛カッターとか買おうかと思っている。電動と手動どっちがいいんだろうか。

ああ。俺もちょっとそれ考えたことある。
ただ、売っている場所が分からない。どこで売ってるんだ?
通販だとサイズとかがいまいち分からないし、できれば実物を見てから決めたいんだが。

シェーバーとかと一緒の所に売ってるんじゃないかな?
最近はマジで鼻毛伸びるから、いっそ自分も買ってみようか……

私は電動の使ってる。初めて手にした時は思っていたより小さいと感じたが、実際に使って見ると便利だし気分が良い。

今は空気環境の諸々の要素で鼻毛が伸びるの早くなっているような気がする。ちょくちょく鼻毛を手入れしないとすぐに飛び出てくるんだよな。

私は日本で仕事している時は鼻毛の伸び方や手入れなんて考えたことなかったんだが、中国に戻ったらかなり伸びるのが早くなったし、たまに手入れもしなければならなくなったよ。たぶん黄砂や環境汚染とかが影響しているんだろうなぁ。

俺は国外に出たこと無いけど、昔に比べて鼻毛が伸びるのが早く感じられるし、鼻の外に出てしまったりもする。昔はまだもう少しマシだったはずなんだが。やはり手入れくらいしないと、マズイかも。

私は小さいハサミでちょこちょこ切ってるね。
黄砂がスゴイから鼻毛が伸びるというのは言われていたが、それに加えて今は大気汚染がひどくなっているからな。

みんな鼻毛は切ってるの?
実は俺は、指で抜いているんだ……他人に見せられる姿じゃないが、スッキリするぜ!

俺も昔は引っこ抜いていたけど、効率が悪いし鼻毛切りに切り替えた。そんな高いもんじゃないし、使って見るのをおススメする。

私はハサミで切ってたけど、鼻の中傷付けちゃったりするんで電動のヤツ買おうかと考えている。でも、電動のヤツって鼻毛全部刈っちゃったりしない?
鼻毛が少なくなりすぎるのも良くないだろうし、そこが少々不安。

鼻毛はあんまり切らない方が良い。呼吸器系の重要な防御フィルターなんだから。鼻の穴の外に出なければ、切らないでもいいと思うぞ。

切り過ぎるのも確かにマズイ気がするよな。窓の外の大気汚染っぷりを見ると、鼻毛を切ることがいよいよ怖くなってくる。
しかし、鼻の外に出ない程度に調整するのって案外難しかったり……

自分はとりあえず鼻毛カッター愛用している、なんだかんだで清潔になるから悪くないよ。鼻毛が外に出たら下品だし。

私も最近鼻毛カッター使い始めた。バリバリ切れてスッキリするけど、どんだけ鼻毛伸びてたんだと不安になる。

自分も「ちょっと1、2本飛び出ているのを鼻毛神拳と言ってネタにする」といったレベルじゃなくなってきてるから、さすがに整えようかなーと思ってる。

昔は伸びてきているのをちょっと抜くくらいでよかったけど、なんか最近は気になるレベルだ。

そう言えばこの間日本の知り合いと話したんだが、鼻毛やヒゲに関しては中国人は放置しすぎに思えて気になるらしい。
しかしそのウチの国の感覚で考えても最近の鼻毛の伸び具合はあれだから、昔よりも環境が悪くなっているのは確実か。

もし日本行くならわりとマジでその辺の身だしなみは考えた方が良いよ。
日本のアニメや漫画で「鼻毛出てるぞ」とネタになるのは、日本ではそれだけ鼻毛が飛び出るのがカッコワルイとされているということだからな。聞いた話ではズボンのチャックが開いているのと同じレベルだそうだ。

ウチの国は普通に鼻毛出ている人も少なくないから、見た目悪いけど他人が鼻毛出ていてもそこまでは気にしないかもな。あと、ヒゲに関してはウチの国と日本では習慣が少し違うように思う。

ああ、そういや中高の時とかヒゲそらないで放置な状態のヤツも多かったな。子供の時はそらない方が良いという話もあるくらいだし。
私が高校の時に修学旅行で来た日本の高校生との交流をしたんだが、日本の高校の男子はヒゲをきっちりそっている人ばかりだったのが妙に印象的だった。

そうか、俺の高校の時に修学旅行で来た日本学校の女子と俺がうまくコミュニケーションを取れなかったのは、俺のヒゲのせいだったのか!

たぶん、それは違……いや、なんでもない。



とまぁ、こんな感じで。
最近の中国の大気汚染を、身をもって体験(?)してしまったりしているようです。

それと、上の発言にもありますが中国はヒゲや鼻毛の感覚については、日本に比べて緩やかというかルーズな所がありますね。ヒゲの有無に関しては文化的な背景や自然環境というのも影響しているのでしょうが、鼻毛についてはどうなんでしょうかね?

ちなみに今はどうだか分かりませんが、90年代に私が北京の現地校に通っていた時は、中学高校と男女ともにあまりヒゲをそらないので、学校では無精ひげ状態の男子やヒゲの見える女子がわりといましたし、そういったことに関しては特に気にされてはいないようでした。
またその後、大学に上がってもその辺りに関してはルーズな人が結構多かったように思いますね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国の辞典の最新版に「オタク」から来た言葉「宅男」「宅女」が収録される

知り合いが中国出張のお土産に最新版の
「現代漢語詞典」
を買って来てくれたので、今回はそれについてのネタを紹介させていただきます。

「現代漢語詞典」は中国においてよく使われている代表的な中国語辞典でして、先日7年ぶりに改訂された第6版が発売されました。
今回の改訂で新たに収録された言葉の中にはネットで流行するようになった言葉もあるということで、中国ではちょっとした話題になっているそうです。

今回収録された新しい言葉で日本からの外来語には
「刺身」、「寿司」、「天妇罗」(天婦羅)、「定食」、「数独」、「通勤」、「手账」(手帳)、「新人類」、「榻榻米」(タタミ)、宅急送(宅配便)
等があります。

そして、このブログ的に見逃せないのが
「宅男」「宅女」
という言葉の収録ですね。

これは元々は日本の「オタク」、「おたく族」という言葉から来た、
中国語でオタクを指す
「御宅族」、「御宅」
という言葉から変化していったものなのですが、
中国で使われていくうちに「オタク」という意味の他に、

「引きこもり」、「インドア派」、
「外に出ないでPCの前でネットやネトゲにふけっている」


といったニュアンスが加わり、
現在の中国では一般的にはもう「宅男」という言葉はオタクよりも、
「外に出ないでPCの前でネットやネトゲにふけっている」
といった意味の方が先に来るようになっています。

第6版の現代漢語詞典でも、「宅男」「宅女」は
「ずっと家にいてほとんど外出せず、ネットやネトゲ等の室内活動にふけっている男(女)」
と説明されていますね。

実際、中国では一人っ子政策などにより子供を甘やかしていることもあってか、働かないでずっと実家にいて外にも出ずにPCの前でネットやネトゲ三昧状態になってしまう若者も少なくない上に、最近の中国では娯楽やメディアに関してPCとネットの存在が非常に大きいことから、引きこもりとまではいかなくても、ずっとPCの前にいて
「宅」
になってしまう傾向が強い模様です。

そして、中国語にはそんな状態の人間を言い表す言葉が無かったので、
「宅男」「宅女」
はまさにうってつけの使い易い言葉として広まったという話です。

この「宅男」「宅女」に関しては、
「『宅男』『宅女』が収録されているのに、なぜ『剩男』『剩女』という言葉が収録されていないのか?」
(「剩男」「剩女」はいい歳になっても結婚できない、或いは結婚しない独身の男女を指す言葉です)
などと中国では話題になっているそうです。
こういった話題になるくらいですから「宅男」「宅女」は中国の一般社会で使われる言葉として既にすっかり定着している感がありますね。

ただ、この「宅男」「宅女」という言葉に関する意味の変遷は思わぬ混乱が生まれることもあるようです。

「宅男」「宅女」に新しい意味がつき、そちらの方で広く使われるようになったあとも、「オタク」という言葉は相変わらず「宅男」「宅女」で訳されたりしています。
そのため、翻訳の過程で予期せぬ誤解が生まれたりもします。

例えば、以前中国の方へ
「日本のオタク人口は約2300万人」
と言うニュースが伝わったときなどは、
オタクという言葉がこの「宅男」「宅女」と訳されたことから
「日本のひきこもり人口は約2300万人」
と読み取ってしまう人が出たり、
「日本のオタク市場規模は数千億円」
というニュースが中国に入ったときも
「日本のひきこもり市場規模は数千億円」
といった謎のタイトルのニュースになってしまったなんてことが起こっています。

一応、ニュース本文をしっかりと読めば「引きこもり」では無く「オタク」の方の話だというのは分かるはずなのですが、中国のニュースもタイトルでの「釣り」がしょっちゅう行われているので、タイトルだけで誤解してしまった人も少なくなかったとか。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


7/21修正:誤字脱字などを修正しました。ご指摘ありがとうございます。

中国オタク「簡体字と繁体字について、どう思う?どっちが好き?」

現在中国本土で使われている漢字は簡略化されたいわゆる
「簡体字」
ですが、香港マカオや南方などではそれ以前に使われていた
「繁体字」
も普通に使われています。

また、中国のファンサブ字幕においても簡体字版と繁体字版が混在している状態になっています。
以前、ありがたいことに
「中国オタク内では、簡体字と繁体字に関してどう考えているのか?」
という質問をいただいたのですが、先日うまい具合に中国のソッチ系の掲示板でこの辺についてのやり取りを見かけることが出来ましたので、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


ちょっとみんなに聞きたいんだが、簡体字と繁体字について、どう思う?オタ関係の中文の資料や字幕は簡体字と繁体字が混在しているけど、そういったことについてどう思う?自分は繁体字の方が好みなんだが。

繁体字は歴史の中で変化していったものだし、芸術的な美しさを感じる。代わりになるものは無い……とは思うが、実用的ということに関しては簡体字の圧勝だよな。どっちが便利かと言えば、そりゃ簡体字だ。

そういや、以前アメリカ人の留学生にも「なんで繁体字まで使うの?」とか聞かれたな。
普通にどっちも受け入れているが、外から見れば不合理に見えたりするんかね。個人的には書く分には簡体字の方が便利ってくらいかな。繁体字は読めればいい程度に考えている。

変換パターンを把握すれば簡体字も繁体字も両方普通に読めるようになると思うんだけどねぇ。考えてみれば現在では基本的に簡体字しか教えていないはずなんだけど、ウチの国の人間ってみんななんとなく繁体字も読めるようになるんだよね。

標準語と方言の関係みたいなもんじゃないかなーと思ったが、標準語と方言って音は違うけど字は一緒だからちょっと違うか?古文と白話文の関係の方が近いかな?

学んだのは簡体字だけど、小さい頃からテレビやネットで繁体字の字幕を見ているし、普通に覚えちゃうんだよね。使い分けに特に違和感は感じないし、どちらかをあえて排斥する必要はないんじゃないかと。

でも簡体字の良さって書くときに便利って所しかないじゃないか。
俺は一部の簡体字なんかは簡略化しすぎていると思う。実際、意味が混ざったり削れてたりして混乱することもあるし。

個人的には昔から慣れ親しんでいるし、簡体字の方が親近感あるね。
ウチの国的には、繁体字は理解できるレベルであれば良いんじゃないかな。全てを繁体字で覚えて書くのはあまり現実的ではないかと。

ウチの国のオタクの間では繁体字の字幕を見るのがカッコイイという風潮を微妙に感じるが、アレも一種の中二病のようなモノではないだろうか?

うーん、自分は住んでいる地方の関係で繁体字も普通に使えるようになったけど、繁体字と簡体字に関して特に何かを感じたことは無いかな。個人の好みでいいんじゃない?

簡体字はどうも、美しくないと思うんだよね……てか簡単にしたいなら、いっそアルファベットのピンインで全部やっちゃえよとか思わなくもない。

最近は書くよりもタイプする方が多いんで、簡体字の良さを実感できることってあんまり無いような気もする。それとアニメの字幕に関しては特に意識しないかな。好みの字幕組のを選ぶ方が大事。

私はどっちかと言えば繁体字の方が好み。字の形と言う点から見た場合、やはり繁体字の方がキレイだし、文字の持っている意味や文化的背景を見て取れるのも良い。簡体字だとそういった部分が無くなっちゃってるのが残念。
あ、でも。テストの時だけは簡体字派に戻るね。繁体字の欠点として書くのがめんどくさいというのは否定できない。

漢字の簡略化と言うなら日本のかな文字なんかはその極致だよね。音に特化させて、画数も減らしているが、あれは効率面から考えるとかなりスゴイと思う。漫画の擬音なんかを見ている時なんかも良い文字だと感じるよ。

正直に言おう。
自分は繁体字読めるけど、書けない。でもサインする時なんかは繁体字の方がカッコイイからそこだけは練習した!

繁体字の方が見た目カッコイイくらいの印象はみんなあるよな。でも、あえて自分で繁体字を書くようなのはあまりいないというか……書道やっている友達なんかは繁体字うまく書くけど、日常的には簡体字だし。

繁体字はキレイなのは確かだけど、書くのはホントめんどくさいんだよね。PCで入力するならともかく、ペンで書くとなるとやってられん。
繁体字の良さを学べと叫ぶのがいるのは理解できなくもないが、筆記行為が重要な学校教育において、今更繁体字に戻すなんて無理だろう。

簡体字はなんかこう、繁体字と比べると道理が無いというか。
漢字ってアルファベットと違って単なる符号じゃないし、文字に意味が込められているし、その文化的背景が蓄積されている。一種の感傷だとは思うが、簡体字になってしまったのは残念に思う。

ま、その辺は人それぞれってことでいいんじゃない?
自分は簡体字も中国の漢字が変化していった果てのモノだと思えばそれなりに受け入れられる。文化の類は常に変わっていくものだし。
てか「中国古代の文化」って見方をすると、ウチの国より日本なんかの方が原形に近い形で保存されていることだってあるし、ウチの国の文化の流れの中にあるものであればそんなに気にしないでいいんじゃないかね。

まぁ、簡体字もある意味進化の形の一つというか、ウチの国の流れが良くも悪くも反映されているよね。簡体字という存在は、色んな意味でウチの国の特殊な歴史の表れなのかもしれん。

簡体字は相対的に便利なんだけど、芸術的というか感覚的というかな面でどうもなぁ。文字というツールにそこまで求めるもんじゃないとも思うが。
あと、繁体字の中には簡体字に変換できない文字もあるから、そういうのもなんか残念だ。



とまぁ、こんな感じで。
繁体字の良さも分かるけど、実際に書いて使うとなると簡体字の方が便利だからそちらを使う、でも繁体字も一応は読める……といった所のようですね。

これは私の個人的な印象ですが、
中国の一般的な感覚ではなんだかんだで
「繁体字の方がカッコイイ」
というのはあるようです。

私が中国に留学していたときなど、当時通った学校の授業はもちろん簡体字でしたし、公けなイベントで簡体字使っておかなければめんどくさいことになるような時は簡体字を使っていましたが、そうでないわりと適当にやっていいイベントだと、看板なんかに繁体字を使っていたことがちょくちょくあったように思います。

また繁体字を読むといったことに関しては、日頃から簡体字を使っていても、へんやつくり等一定の変換パターンさえ把握しておけば繁体字も普通に読めるので、読む上では特に抵抗を感じることは無いようです。

ただ上の方にもありますが、繁体字は書くのに手間がかかるということや、学校教育で使うのが簡体字ということもあって、手で書く場合は簡体字一択となっているようですね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

7/11修正:誤字脱字などを修正しました。ご指摘ありがとうございます。

中国ネット用語的都市名

先日、ありがたいことに
「中国オタクの使う帝都とはどこを指すのか?」
という質問をいただいたので、今回はその辺りについて少々やらせていただきます。

中国オタクが「帝都」といった場合は、北京のことを言っています。また、「魔都」と言った場合は上海のことになります。オタク系のイベントなどにおいても上海での同人イベントが
「魔都同人祭」
といったものになったりしています。

そんな訳で中国のソッチ系の掲示板を探してみた所、このような各都市のイメージによる呼び方に関するやり取りを見かけましたので、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


ウチの国の都市名で、北京は「帝都」、上海は「魔都」という呼び方があるけど、他の都市にはどういう呼び方があるんだろうか?知っているのがあったら教えてくれないか?

とりあえず、ウチの国の三大オタク都市の残り一つである広州は「妖都」だな。

俺は広州に住んでるけど、あまり妖都って呼ばれるのは好きじゃないんだよなぁ。言われているのは知っているが、訂正したくなる。
てか妖都ってもとは香港の方の呼び名だったと思うんだが。

ダメな方向で有名なのは「性都」こと東莞だろ。アッチの方のサービスで有名になっちゃってるからな。前に市のお偉いさんがこの名前を否定しようと頑張ってたけど、どうなったんだろ。

「性都」は瀋陽の方もあるな。東莞も瀋陽も性都関係でスパムメールのネタにされるとか、もうどうしようもねぇ。

深センは昔は「雌都」とか呼ばれていたが、現在はそうでもないらしいな。一時期女性労働者が増えて男女比1:7とかになったらしいが、今は普通に男の方がやや多いくらいの割合になってるはず。

「鴨都」と呼ばれる南京に住んでていて良かった。特産品で呼ばれるんならまぁ問題ない。

南京は「旧都」って呼び方もあるね。比較的マシ。武漢なんか近代のゴタゴタから「偽都」だぜ……

西安の「廃都」ってのもなんだかアレな気がする。言わんとする事は理解できるんだが、実際に住んでいる身としては、ねぇ?

マイナーかもしれないが、長沙は「星都」という別名があったはず。

長沙は「星城」とは呼ぶが、「星都」とは呼ばないように思う。てか長沙と星の関係って何なんだろね。幾つか説があるというのは聞いたことがあるが。

杭州の方は同人の広がり的に、ぼちぼち「菊都」とか名乗っても良いんじゃないか?

BLは菊に限らない話だし、あそこら辺は「腐都」とても言うべきじゃないかね。

ちょっと考えてみたんだがウチの国だとやはり「都」よりも「城」で呼ぶことが多いよね。広州なんかも「羊城」だし。
(訳注:中国語の「城」は町という意味があり、「城市」で都市の意味になります。ちなみに羊城という呼び名は広州に伝わる伝説からのもので、別に羊が多いからというわけではありません)

自分が都市の別名ですぐに思いついたのは「氷城」のハルビンとかだけど、そういやあそこも氷都とは言わないな。

都がつく別名だと……重慶が「霧都」じゃなかったっけ。あと重慶は他にも抗日戦争時の話から「陪都」ってのがあるな。

有名なのだと、景徳鎮の「瓷都」があるね。これは海外でもそれなりに知られている名前らしい。

わりと一般的なのだと宜興が「陶都」、自貢が「塩都」、鞍山が「鋼都」といった所かな。

天津在住だが、そういう別名が無いのはちょっと寂しい。飯はうまいし遊ぶところも多いし暮らしやすい街なんだが、際立った特徴が無いんだよな……何が悪いというわけではないんだが。

俺の住んでいる成都もなんかそういう感じだ。何々都とかでなんかいい名前は無いもんか。

そりゃお前、「成都」に決まってるだろうが……



とまぁ、こんな感じで。
古いのからあたらしいのまでありますが、中国の各都市のイメージが出ていて面白いですね。

上にもある通り、基本的に中国では都市に関しては「城」で呼ぶことが多いのですが、「都」に関しても探せばそれなりにあるようです。

ちなみに、中国オタクの間では
「帝都」「魔都」
がかなり頻繁に使われているように感じられます。

またそれ以外では
「妖都」
が使われたりもしているようですが、こちらはたまに広州ではなく香港だったりするなどややこしくなるのもあってか、「帝都」や「魔都」に比べると使われることは少ないようです。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク的疑問「日本では冬にズボンをはいている制服の女子って存在しないの?」

日本と中国では一見似ているように見えても細かい部分は違うということが少なくありませんが、そういったことの中には
「服装についての感覚」
というものがあるかと思います。

私も中国滞在時に日本の服装についての疑問を投げかけられたことがありますが、その中でも比較的多かったのが
「日本の女子学生は冬にズボンをはかないのか?」
ということについてでした。

先日、中国のソッチ系の掲示板で
「雪の中を歩くスカートの制服姿の女子学生」
の写真とともに、この疑問に関しての議論が行われているのを見かけました。

そんな訳で今回はその辺についてを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


雪とスカートの制服姿の女の子って日本独特の風景だよな。
しかし疑問なんだが、日本では冬にズボンをはいている制服の女子って存在しないの?あの国の女子学生の制服ってスカートだけなんだろうか……?

あれは日本の学生が精神を鍛錬するための服装規定だって聞いたことがある。それにしても、雪が舞う様な冬の寒空に膝小僧を出しているの見ると、なんかもうこっちまで寒くなってくるわ。

冬にスカートをはいた女の子を見ると、ちょっと嬉しくなるのは俺だけじゃないはず。

冬のスカートって、冬にアイスを食う様なもんじゃね?
人によっては問題ないのかもしれないけど、ほとんどの人からすればヘンな行動に見える。

日本人は我々と体質が違うんだろうか?
冬に生足とか自分には想像できん。

俺今アメリカにいるけど、こっちでは冬にスカートはいている女性結構いるぞ。

ふと思ったんだが、実は中国の人間だけが冬にスカートをはかないということなんだろうか?

いや、冬になって寒くてもスカートはくくらいならまだ分かるんだよ。
でも日本の学生って雪が降るくらいでも普通にスカートで通すじゃない。あの国は女子の制服にズボンが存在しないんだぜ?

日本では大学生や社会人になるとスカートの着用率落ちるらしいね。これは日本の若い学生特有の習性なのでは。

日本の女子学生はスカートの時、肌に何か塗るって話だったような。

日本に来て感じたんだが、冬のスカート着用率ホント高いよ。
最初はキレイな足が自慢の女の子がおしゃれのためにやっているのかと思ったが、ドムみたいな大根足のスカート付きが普通にいる。
これはもう日本の習慣なんじゃないかと。

家の中や学校の中が暖かいからなんじゃない?
それに日本の電車はどれも空調完備だって話だから、ちょっと道を歩くくらいならスカートでも大丈夫なんじゃ?

私は以前北京で冬に交流で中国に来た日本の学生達を出迎えたことがあるんだけど、女子が全員スカートだったよ。私達出迎えに出ていた全員が驚くと同時に心配になった。いくら滞在先まで車で移動と言っても、ひざまでのスカートとかありえん……
彼女たちは一応ズボンも持って来ていたし外を動くときとかはズボンはいていたけど、冬の北京の結構な時間をスカートで過ごしているのを見たのはかなりのカルチャーショックだったわ。

大体の傾向として、日本の冬は中国の北方とかに比べてかなり過ごしやすいよ。ただ、日本も場所によっては普通にマイナス10℃くらいの寒さになったりする。以前日本人でそういった寒い地域に実家がある女の子から聞いた話によれば、彼女の通った高校ではスカートのみでストッキングの着用は禁止されていたそうだ。
学生達は普通に寒いと感じていて、毛糸の短パン着用とか教室内でひざ掛けとかで対応していたらしい。でも、それだけで何とか過ごせてしまうというのはやはりスゴイよね。

私は(中国の)東北地方に住んでいるんだけど、日本の女の子の格好マネして薄着で外出したことがある。結果、外出先で服を1セットかうことになりました……

気候もあるだろうけど、日本人のおしゃれに対する努力はスゴイってことなのかな。上海に住んでいる日本人の子供も普通にスカートはいているし。あの子たちに「寒くないの?」と聞いてみたくなる。

不思議なんだが、あの国では小さい頃からずっとこうなの?それとも学生の年代だけがスカート姿を堅持する風習なの?

ウチの国も南方は寒くないって言ってもあくまで相対的なもんで、結構寒く感じるんだよね。だから冬にスカートってのはやはりヘンな印象を受ける。てか関節痛もちの私としては、見るだけでキツイわ……

私は京都に留学中なんだが、外はそこまで極端に寒いわけじゃないよ。むしろ家の中が暖房強くしないんで寒く感じるね。
一番違うのは風の強さ。ウチの国の冬って北西からの風がむちゃくちゃキツイけど、こっちはそれがないから案外我慢できる。中国にいたときみたいに着ぶくれして球状に近くなる必要もないわ。

最近、黒ストッキングに目覚めた私としては、生足よりもスカートとストッキングの組み合わせの方を見たいんですが。

残念ながら日本ではストッキング着用は減ってるらしいよ。以前日本人の女の子に聞いたんだが最近はレギンスの方が主流だとか。
レギンスはストッキングと違ってつま先が出るし、生地が厚くて肌が隠れるからムダ毛の処理をあまりやらないで済むので楽なんだってさ。スカートとの組み合わせもレギンスが優勢になってるらしい……



とまぁ、こんな感じで。
「冬にスカート」というのはかなりヘンな感じに見えるようです。寒くないのかと心配する声も結構ありました。

日本の制服のスカートの着用については、習慣の他にも気候や暖房設備の違いなどイロイロと理由があるかと思いますが、個人的に大きいと感じたのは上の発言にもある「風」でしょうか。

中国の北方の冬はかなり強い風が吹くので非常に寒いためスカートという格好はかなり難しいように思えます。マイナスの気温で強い風となると、体感温度はかなり下がりますし、寒いと感じるよりも痛いと感じるような天気になったりするんですよね。

ただ、歳をとって身体がポンコツになってきたのを感じる私としては、日本の学生がスカートで問題ないのは「まだ若いから」というのがあるんじゃないかなーとも思ってしまいます、はい。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国人「なぜウチの国ではトイレットペーパーを流さないでゴミ箱に捨てるのか」

以前の記事
中国人「日本で糞便燃料バイクが開発されたらしい」
に関連して、その後またトイレに関する質問をいただきました。質問自体は非常にありがたいことなので、またちょっと尾籠な話になりますが、トイレ関係で一つ。

それでその質問なのですが、
「中国ではトイレに紙を流さないでゴミ箱に捨てるというのは本当ですか?」
というものです。

確かに中国のトイレにはゴミ箱備え付けの所が多いですし、そこにトイレットペーパーを捨てるという習慣もあります。
日本でもこの習慣に対してなのか、
中国からのお客さんが多い所のトイレには中国語で
「トイレットペーパーはトイレに流してください」
といった張り紙がしてあることが結構ありますね。

ただ、全部が全部そうやっている訳でもなく、日本のように水に流している人も結構いるようです。中国のトイレにしても、紙を流してすぐに詰まるというわけではないですし。

中国のネットを探してみた所、うまい具合にこの件に関するやり取りを見つけることが出来ましたので、今回はその辺についてを例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


日本のトイレは使用済みのトイレットペーパーは全て便器に流す、しかしウチの国はあのくずかごに捨てている。なぜ中国では日本のようにできないのだろう?紙の問題か?それとも中国の下水道の問題なのか?

紙捨てる方が下水道にとっていいんだろうなーと思いつつ、俺はやっぱ便器に流してるわ。あのくずかごに捨てるのはさすがにキモチワルイっつーか、不衛生すぎると思う……

くずかごが設置されている以上あれに捨ててるのがいるのは分かるが、俺は普通に流してるわ。

でも、つまると地獄。トイレが詰まった時のダメージは物理的なモノ以上に、精神的なモノが極めて大きい。

ウチの国のトイレが詰まるのって「紙以外」を流しているってのも大きいんじゃないの?
知り合いの外国人教員が住んでいる宿舎って服務員が定期的に部屋を掃除をするシステムになっているんだが、そこの服務員は細かいゴミをトイレに流すというのに知り合いは驚愕してたわ。

ウチの国では下水道の口径が小さすぎるとかじゃないの?

ウチの家、直接流すとマジで詰まるんだわ……
あれは紙の質もありそうだが、それ以上に日本の下水道がきちんと整備されてるからなんじゃないかな。

そういや以前日本人を含むアジア系の留学生でルームシェアしている知り合いから聞いた話だが、日本人だけはトイレットペーパーを直接流していたらしい。

日本旅行に行ったら、トイレに中国語でわざわざ「紙はトイレに流してください」と書かれていた件について。でもこれ、言われないとやってしまいそうだ……トイレの習慣なんてよほどのことが無いと調べないし……

逆に日本人からすると、中国人旅行者が紙を流さないことに驚くわけか。
生活習慣の違いによる誤解だし、悪意はないんだろうけどモノスゴイ悪いことをやらかしてるように思えるな。掃除する人とかスゴイ嫌なんだろうなぁ……

日本のトイレは紙が流せるってのもスゴイけど、尻を洗えるウォシュレットはもっとスゴイぞ。あと便器を自動で温める機能なんかもある。

紙を流さないでゴミ箱に捨てるのは再利用するからじゃね?
俺はそんなの使いたくないが、ウチの国では使用済みトイレットペーパーを再生したトイレットペーパーがこっそり流通していた問題についてのニュースとかあるからなぁ……

まぁウチの国はトイレにゴミ箱備え付けなのは、あそこに紙捨てろってことなんだろうな。あと、あのくずかごって女性の生理用品を捨てるためってのもあるんじゃないかね?
しかしあれ、無茶苦茶汚そうだし、ぶっちゃけ触りたくないわ……

小さい頃からずっと流している。公共のトイレのあのくずかごは小さい頃からずっと恐ろしい存在だと感じている。

俺は小さい頃からくずかごに捨ててる。この習慣になったのはトイレの出来が悪いからだな。ウチの国のトイレのゴミ箱は詰まり易いものを流さないようにということで備え付けられているんだろ。

ウチの国の便器にはパワーが足りないんじゃないだろうか?
あとは紙の質。紙によってはなかなか水に溶けない。パワーが足りない所にそういう紙が来たらそりゃ詰まるだろ。

紙捨てるのって北方の習慣じゃないの?
俺は南に住んでるんだけど、ずっと水に流していたから北の方でそういうトイレに出会って驚愕した。使える水資源とかが影響してるんじゃないだろうか。

確かに。私も南方にずっと住んでいるけど、トイレで紙を流さずにくずかごに捨てるのだけは理解できない。

水もそうだけど、紙の質がやはり大きいんじゃないか?
日本のトイレットペーパーは水に濡れればすぐに強度が落ちるよう特殊な繊維になっている。ウチの国のだと、せいぜい吸水性や柔軟性くらいまでしか重視してない。
紙は水に浸かっていればいずれは溶けるけど、そうなるまでの時間差って大きな要素だと思う。

ちゃんとしたトイレではあのくずかごを無くすとかできないのかね。あれが目にとまるといつも嫌なモノを、見てしまったという気になる。

てか、ウチの国の場合ロールになってるやつはまだ「弱い紙」だからマシだが、普通のティッシュペーパーなんかは流したらヤバイぞ。1人2人ならともかく連続使用になるとマジで詰まる原因になると思う。
日本でトイレットペーパーを流すのは「トイレ用のペーパー」がトイレにほぼ備えられているというのが大きいんじゃないか?ウチの国のトイレにはそんなの備えてないし。

そういや日本は公共のトイレにもトイレットペーパーが備え付けられているんだってな。
恐らく中国も現在のトイレなら一般家庭の使用頻度で紙を流すのはそれほど大きな問題は無いと思う。しかし、公共のトイレでそれをやってしまうと紙の質や使う紙の種類でヤバイことになるんじゃないかね。



とまぁ、こんな感じで。
現在の中国ではトイレに紙を流している人間はそれなりにいるものの、まだ流さないでゴミ箱に捨てる人もいるといった所のようです。

この辺については上の発言にもあるようにやはり下水道の問題や、トイレットペーパーの設置具合(?)が影響しているんじゃないでしょうかね。
現在の中国のトイレは紙を流して即問題になるというわけではないものの、日本に比べるとまだ弱いような所はありそうです。

そういえば、私の中国生活でもトイレに限らず水回りのトラブルにぶつかることは結構多かったですね。実際に使うことはそれほど多くありませんでしたが、引っ越し直後で荷物を整理したために水回りのメンテナンスグッズ(特にトイレのスッポン)が備わっていないときなど、少々不安に思えたりもしましたね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国では倒れている子供を助けるのも危険なのかもしれない

今回はオタク関係ではない話を一つやらせていただきます。

先日の記事
中国人「倒れた老人を助けるのは危険」
では、ありがたいことにかなり面白いコメントをいただいております。

そのコメントでは
「日本では子供に声をかけると性犯罪者と思われるので、老人ではなく子供を助けるのが危険」
といった話題が出ておりましたが、その件も含めて先日知り合いの中国オタクと話をする機会がありましたので、ちょっとまとめてみようかと思います。

それで、話した結果出てきたのが
「中国と日本では子供が巻き込まれる犯罪の傾向が違うし、子供に対しての防犯感覚も違う」
ということでした。

現在の日本では子供が巻き込まれるというと性犯罪がまず心配されているようですが、中国で子供が巻き込まれるのは主に金銭などの利益目的な犯罪ということで、それに対する心配が多いそうです。

例えば誘拐しての身代金要求というのがありえますし、それ以外にも誘拐の目的としては労働力としての売買や、「跡継ぎにする優秀な子ども」としての売買などというのもあったりします。

中でも「跡継ぎにする優秀な子どもとしての売買」というのは中国の誘拐の特徴の一つとも言えまして、良い学校に子供が通っている保護者の方々はこの種の誘拐をかなり警戒しています。

実は現在の中国では一人っ子政策などの影響から、跡継ぎとしての男の子、それも優秀な男の子を求めるという空気が出てきてしまい、中には都市部の良い学校に通っているような頭のいい子を養子にしたり、こっそり自分の子供ということにしようと考えるのも出てきてしまっているそうです。

中国では小中、場合によっては高校でも保護者が送り迎えをするのが珍しくないのですが、それは子供可愛さや過保護という面以外にも「安全のため」というのがあり、子供の送り迎えは保護者にとっては当然のことだと考えられています。

私が中国にいたときに知り合った日本人のご家庭では子供を中国の現地校(それなりに良いレベルの重点学校でした)に通わせていたのですが、そこの親御さんは家から学校まで歩いて数分の距離ということで、当初は日本の感覚で特に問題ないだろうと子供を一人で登下校させていたそうです。

しかしその後、知り合いの中国人の方から「安全のために送り迎えしなさい」ときつく言われて、それからは送り迎えをするようになったそうです。
また、残念なことにそのご家庭のお子さんが通っていた学校では生徒が誘拐されて郊外で死体が発見されるという事件が実際に起こってしまいました。当時この事件に関して、
「誘拐したものの、言うことを聞かないから、使えないと判断されて殺されてしまったのではないか」
という話が出ていたそうです。


嫌な言い方になりますが、中国では
「子供は価値のある道具」
といった扱いになっている面が今でもあります。

この辺について日本でも老後の世話なども含めて考えれば無いわけではないと思いますが、中国ではその辺について非常に割り切られているというか、露骨な所がありまして、特に中国の貧困層ではそういった所がかなりハッキリと表に出ていたりします。

中国に行った経験のある方はご存知かもしれませんが、中国では子供を使った物乞いや赤ん坊の押し売りが結構ありますし、他にも子供をダシにしたゆすりたかりが少なくありません。

先日中国で起こって日本でも報道されている、ひき逃げされた女児を通行人が助けずに放置していた事件についても、こういった子供を口実にしたゆすりたかりが中国で蔓延していることも影響してしまったのではないかと思えます。

18人が素通り…荒む中国?ひき逃げ女児放置(読売新聞)


ちなみにこの「子供が道具」という感覚については、そこまで露骨ではないのですが中国の一般家庭でも日本に比べて強いように感じられる所があります。

一人っ子政策により両親や祖父母の愛情を一身に集めることから「小皇帝」と呼ばれたりもする今の中国の子供ですが、その子供に愛を注ぐのも自分や自分の家の将来のためという部分があります。
もちろん子供への愛情に嘘は無いのでしょうが、私が知っている限りでは必ずしも無償や義務ではなく何かしらのリターンを考えに入れてというのがあるように感じられました。

こういった所は日本の家庭でも見られたりすることはあると思いますが、中国におけるその辺の割り切りのスゴさは日本にはあまり無いものですね。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


中国人「倒れた老人を助けるのは危険」

中国人が処分に困る伝統的贈り物「月餅」

思いついた頃にやる食べ物ネタ、今回は季節ネタの
「月餅」

についてを。

日本ではお月見と言えばお団子とススキですが、中国ではお月見(中秋節)と言えば月餅になります。月餅は中国の中秋節には欠かせない食べ物で、この時期には知り合い同士で月餅を送りったり送られたりしますし、職場でも職員に月餅を配ったりします。

月餅の習慣は中国人にとって欠かせない習慣とも言えますが、それだけにその時期になるとネタっぽい話題にも事欠きません。

例えば、月餅の贈呈にかこつけた賄賂などはありふれた話(?)で、過去には月餅と高級ワインや貴金属などを一緒に包装した贈呈セットなんてのが出て月餅はおまけというか、月餅を口実にした何かしらの贈り物状態なんてことも起こったりしています。
「お代官様のお好きな黄金色の月餅にございます」
「越後屋、そちもワルよのう……」
なんてノリのやり取りも行われていたのかもしれませんね、はい。

こういった豪華贈り物付き月餅というか月餅付き豪華贈り物、スゴイのになると純金付き月餅、住宅付き月餅、更には純金の月餅(もう食べ物とか餡ですらない)なんてのも出たりしていたそうです。
さすがにこの風潮に関しては政府が動きイロイロと規制をしているので、現在は一時期ほどヒドイことにはなっていないようですが……

そして、今年月餅関係で話題になったのは職場で配られる月餅や月餅引換券を所得の一部として課税対象にすべきだという「月餅税」についてでした。
この税については人民日報の記事(日本語版)でも信憑性なしという論調になっていますし、実施されることはたぶんなさそうですが、一時期は「月餅にまで課税されてたまるか!」と中国のネットでもかなり話題になっていました。


しかしこの月餅、実は習慣としてはともかく、送られるモノとしてはそれほどありがたいものではなくなっているようです。ここしばらくの間で中国の食生活や好みの傾向が大きく変わったことにより、月餅が最近の中国人の好みに合わなくなってきているのだとか。

言ってしまえば、甘いものが少なかった昔ならともかく、食べ物の種類が豊富になった現在では月餅はそこまで美味しく感じるものではないそうです。

月餅は基本的に砂糖が多く使われ、更にラードなどの油もたっぷり使われるので非常にヘビーな食べ物となっています。もちろん、カロリーもヘビーです。
私なんかは半分どころか4分の1くらいでもうギブアップ状態になってしまいますね。

これが季節イベントで1個か2個というのならまだ楽しめるのですが、贈呈セットで大量にもらったりするとかなり大変です。
中国人にとって中秋節は重要なイベントですし、
「月餅無しの中秋節はありえない」
「この時期に月餅を送らないのは礼儀知らず」
といった感じなので月餅を送り送られの習慣こそ残っているものの、
月餅そのものに関してはちょっと始末に困るものになりつつあるようですね。

今回は私の日頃の巡回先である、中国のソッチ系の掲示板で見かけた
「月餅どうやって処分する?」
といった話題に関するやりとりを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


今年も中秋節ということで月餅が行き交いする時期になったわけだが、みんな月餅どうやって処分する?あの脂っこくて甘いヤツは、食べてどうにかできるものではない!

一気に食うのはキツイから、16分割くらいにしてちょびちょびと食べてるわ。1個を一気に食うとか無理。

私は好きな味のだけ食べて残りは捨ててる。

この間試したヘンな果物餡の月餅はひどかったな……かといって普通の月餅は胸焼け起こすからキツイし……

果物とかアイスクリームとかの変わり種の中にはたまに食えるのもあったりするけど、普通のよりさらにトンデモナイ味になってるのもあるから困るよな。
てか、もらい物は無難な伝統のモノになることが多いから毎年の始末に困る状況が一向に変わらんのよね。

俺、月餅の鹹蛋(塩漬け卵)が好きなんで黄身だけ取り出して食ってあとは捨ててるわ。

(訳注:月餅の定番のなかには鹹蛋の黄身を満月に見立てて餡の中に入れたものがあります)

蘇州式の月餅は皮がサクサクしてるし、比較的食べやすいかな……でも大体は脂っこいのがくるんだよな。

月餅はマジできつい。てかウチの国の伝統的な祝祭日の食い物でウマイのってあんまり無いような。普通に食えるのってちまきや餃子くらいじゃないか?

(訳注:中国では多くの地域で年越しに餃子を食べます)

実家にいたときの中秋節は月を見た記憶より大量の月餅を黙々と食べていた記憶の方が鮮明だ。食べても食べてもなかなか終わらなかったというのをよく覚えている……

私の所は基本的に全部別の人にあげて、家ではほとんど月餅食べなかったな。

俺の実家の月餅は結構おいしかったんだけど、こっちで食う月餅はどれもマズイ。この時期は実家に帰りたくなるよ。

ウマイのもあるんだけど、マズイのも多いからな……
まぁ、腹が減ってる時に食べるのがいいよ。そういう時なら勢いでイケル。

一箱もらって、一つだけ食ってあとは全部捨てるとか普通にあるからなぁ。

すぐに悪くなるもんでもないから、夜食で少しずつ消費してる。

俺は朝飯代わりかな。でも、同じ味のが続くと正直キツイ。心の底から食べたくなくなる。

なんだかんだで結構イイ値段のもあるから、もったいなくて食べてしまうな。200元(約2400円)くらいのやつとか「1口10元(約120円)以上」とか考えてしまうと、食べないという選択肢は選べない。

子供の頃からずっと月餅は苦手だ。比較的食えると思うのは氷皮月餅(冷やして食べる月餅)だけど、それにしたってそんなに食べたいとは思わない。

普通の月餅じゃなくてアイスクリーム月餅送ってくれないかなー

てか今の時代、月餅なんて太り易い食い物なんて流行らんだろうに……

保健月餅とか考えたのマジで誰だよ!カルシウムとかヨウ素配合だとか薬膳だとか、そもそも月餅なんてもん大量に食ってる時点で身体に悪いわ!

あー、確かに私も今は月餅そんなに食わないな。身体に悪そうだと思って手が伸びない。

金が無い時や買い物行くのがめんどくさいときは悪くないよ。ミニ月餅1つでも余裕で一食分の満腹感。
朝飯や夜食にするのにピッタリ。

俺は飯代わりにしてしばらく食っていたが、段々と気分が悪くなりしまいには食べられなくなって、結局ほとんど人にあげてしまった……

またしばらくは月餅が俺の朝飯になるな……そして最後は食うか捨てるかの選択になる……
いや、食えるだけ幸せだとは分かるんだが、大量の月餅はマジでキツイ。

味については当たり外れがあるので何とも言えないが、包装に関しては間違いなく進歩してるよね。だから私は箱は残して自分で使うようにして、月餅については可能な限り他の人に押し付けることにしている。



とまぁ、こんな感じで。
諦めて捨てたり人に押し付けたりするのも少なくないようですが、頑張って少しずつ食べるのも結構いるようです。
ただ、正直私は朝食や夜食に月餅というのは勘弁して欲しいですね……

中国の月餅はまだ日本の感覚からするとかなりヘビーなものではありますが、最近はどんどんヘルシー寄りになっているそうです。
以前から香港などではこの傾向が顕著でしたが、最近は中国本土の方でもそういった傾向が出ているのだとか。

日本で流通している月餅としては中村屋が日本人向けの味にアレンジした月餅があるかと思いますが、最近の中国の月餅はヘルシー寄りの調整の結果、どんどん中村屋の味に近づいているなんて話もあるそうです。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


中国人「スイカに塩をかけるなんて信じられない!」

中国人「杏仁豆腐ってどんな食べ物?」

9/13修正:ススキのはずが何を間違ったか笹と書いておりました……ご指摘ありがとうございます。

中国のネットの空気の読み方が分かる本「ネット大国中国」

今回はオタク関係ではないですが、ちょっと中国関係の書籍の紹介を。

当ブログを読んで下さる方のなかには、
中国のオタク事情紹介についての偉大なる先達の書籍、
「中国動漫新人類」

をご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、先日「中国動漫新人類」の作者の遠藤誉先生の新刊
「ネット大国中国」

が発売されました。

本の内容は中国オタク事情に直接関わるものではないのですが、
中国オタクの面々も日々活用している中国のネットについての非常に濃いものとなっています。

中国という国がネットをどのように「使っている」のかということや、
ここ最近の日中間の事件や中国のネットの重要な事件、
更には中国のネットの「空気」やそれを使う中国のネットユーザーの「空気の読み方」などについて、内部情報も含めた詳しい情報に加えて遠藤先生の「激動の時代の中国で暮らした経験による鋭い感覚」で分析と解説をなさっています。

このブログでも以前ちょっと書いたことがありますが、
中国のネットユーザーはネットを利用する際には「空気を読む」必要があります。

それはオタク関係においても変わらず、オタクな話題のやり取りが行われるソッチ系の掲示板では政治問題や歴史問題などの「敏感」な話題は極力避けるのが最低限の常識となっていたりしますので、日本に比べると窮屈な所があるのは確かです。
ただそれでも当ブログで紹介させていただいているような、わりとちゃらんぽらんな話もできます。

中国のネットに対する日本のイメージは
「規制されている」
というのが大きいかと思います。しかし、実際の所中国のネットは日本でイメージされているような「何が何でも遮断する」という形ではなく、
「厳しく規制を行わなければならない範囲を決めておいて、それ以外は大事にならなければとりあえず見逃しておいて様子見」
といったような所もあります。

またそれと同時に情報を全て遮断するのではなく情報の方向をコントロールしたりするというある意味かなりクレーバーな対処をしていたりもしますが、この辺については中国においてもネットを力ずくで全てコントロールできるわけではないという側面もあります。

こういった、日本の感覚ではちょっと分かり難い上に説明し難い中国のネットの状況やその背景についてもこの本を読めばかなり分かるのではないかと思います。

もちろん中国のネットユーザーはこの本に書かれているような政治などのマジメなことばかりやり取りしている訳でもないですし、皆が皆そこまでしっかり考えている訳でもなく、その場のノリで動いちゃっている所もあります。

しかし、この本に書かれている内容は中国のネットの空気の重要な部分ですし、中国に関して興味のある方にはぜひ読んでいただきたいなーと思っております。

とりあえず、こんな所で。

日本人はなんであんなにカレーが好きなの?

カレーと言えば日本で人気のある料理の代表格と言っても過言ではないと思います。
ただ、日本におけるカレーの人気の理由についてはなかなか伝わらないようで、日本関連の情報に詳しい中国オタクの面々でもちょっと不思議に感じるとか。

最近は中国のスーパーでもカレールーが売られていますからカレーという料理については中国でも普通に認識されているようですし、日本文化関連に興味のある中国オタクなら、基本的にカレーがどういった食べ物であるかは把握している模様です。

しかし中国オタクの面々も、日本の様々なコンテンツのイロイロな場面でカレーが出てきたりするのを見るにつけ、なぜそこまで人気なのかと疑問に思ったりもするようです。

先日その辺についての議論をしているのを中国のソッチ系の掲示板で見かけましたので、今回はカレーについて一つ。

それでは以下、中国のソッチ系の掲示板で見かけた発言を、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


カレーってアニメや漫画ではしょっちゅう出てくるし、日本ではかなりの料理店がカレーをメニューに入れているらしい。
ハッキリ言って、ウチの国の「盖飯」と同じにしか見えないのに、なぜあそこまでの人気があるんだ?

(訳注:「盖飯」は、おかずをご飯に乗せたぶっかけ飯のようなものです)

確か以前見たアニメでも日本の男は肉じゃがとカレーが大好きだとか言っていたが、なぜそんなに人気があるのか、言われてみれば確かに不思議だ。

日本のアニメや漫画の中の学校で作る料理ってカレーが非常に多いよね。
カレーって普通の日本料理と比べるとかなり異なる存在なのに、日本では普遍的な料理として人気があるのがかなり不思議。

日本人は無駄を省くから、安くて簡単に食えるカレーが良いんだろ。
味については悪くなければそれでいいんじゃない?

俺はカレー好きだぞ。中国人の感覚でもかなりいけると思うんだが。
俺が日本に行ったときはカレーを注文して外れたことなかったし、迷ったらいつもカレーを食ってたよ。

日本人がカレーを食うのは単純に時間を節約するためだ。そもそも本当にカレーを好きなのってインド人だろ。

確かにカレーはインド原産だけど、日本のカレーって実はインド料理とはまた別モノらしいぞ。現在中国で売られているカレーなんかも日本人好みの形態になっていた商品を、中国市場向けに調整したもののはずだし。

正直私はカレーが美味しいとは思えないんだが。
まぁ私が美味しいカレーを食ったことが無いだけかもしれないが……

カレーは唐辛子なんかと一緒で、慣れてくるとそれがとても良いものに感じるようになってくるんだよ。ずっと食べてると分かるぞ。

カレーは香りがいいよね。
以前食べたレトルトのはどうも美味くなかったけど、カレー粉と材料でじっくり煮込んだのはかなり美味かった。

カレーっていわゆるソースの一種ととらえればいいんじゃないかな?
カレー系の食品って香辛料の風味が強いし、ちょっとした調理の失敗もごまかせるし、まずい食品もある程度食えるようにできる。
現代の日本人がカレーを重宝するのは、調理の簡単さとソースとしての安定性というか失敗の無さだと思う。

日本では戦争中の食糧難の時代にカレーで食事をごまかした結果広まって、戦後の経済復興の時期に時間と金を節約できるということで更に流行した。今の人気はその習慣の延長線上にあるんだよ。

作るのが簡単だからだよ。カレーは便利だから流行ったんだ。
まぁ私だったらインスタントラーメンを作るけどね。

個人的に不思議なのが、日本ではおかずを白米に乗せた料理の中でカレーが突出した人気になっていることだ。
普通はある程度人気が分散するように思えるんだが、カレーだけに人気が集中しているのは何故?

カレーは手間を省けるから日本で人気になっているんだって聞いたことある。材料を適当に鍋に放り込んで調味料と一緒に煮ればいいんだからね。
正直、ウチの国の中華料理に比べりゃうまいもんじゃないよ。

中華料理と比べてどうとは言わないが、私はカレーって簡単に作れて美味しい料理だと思ってるよ。スーパーでカレー粉を買ってきて、材料をレシピ通りに調理すれば簡単に美味しくできるから助かる。
結局は、簡単で分量を間違えなければ誰でもおいしくできるというのが日本の家庭に広まった理由じゃないかい?

香辛料が好きな人間からすれば、辛いカレーはスバラシイ食べ物だ。でも中国で売っているカレー粉だとそういった味のが無いんだよね。
だから私はスーパーで売っているカレー粉に自分でスパイスを足して作ってる。母親にも美味しいと言ってもらえてるし、ちょっとした自信作。

てか俺が以前食ったカレーは随分甘かったんだが……日本のカレーってそんなに辛さに幅があるものなの?

一応食べたことあるけど、普通の味という感じだった。日本での流行の理由は分からなかったなぁ。やっぱり日本人は好きだから食ってるんじゃなくて、便利だから食ってるんじゃない?
ウチの国のおかずを飯にかけた弁当のように。

いやいや、日本のカレーはうまいぞ。俺もしょっちゅう食ってた。
実際日本ではどこでもカレーが食べられるし、テレビのCMなんかでもしょっちゅう宣伝してる。アニメや漫画でもよく使われるのは、別に特別なことじゃないんだよ。カレーは日本人にとって普通の食べ物になっている。

私は日本のカレーが好きだね。インド式のやタイ式のも食べたんだがイマイチ合わなかったわ。日本のカレーではハンバーグカレーが特に良かった。

カレーは便利であると同時に、時間をおけばさらにうまくなる。作った次の日に温めて食うカレーがうまいんだよ。
カレーの便利さについて言うなら、作り易さの他に長期的に食えるというのも重要だぞ。

どう見てもカレーってウチの国の「盖飯」とかの類にしか見えないんだよな……悪くない味だろうけど、日本で大人気というのがマジで理解できない。
日本人も手間を省きたいときはインスタントラーメンやカップラーメンを食うはずだから、カレーの人気について「手軽さ」だけが原因ということはないと思う。
やはり日本独自の食生活の一種なのかね。

普通の日本人なら嫌いにはならない味なんだろうね。あと、肉も野菜も入るから栄養もあるだろうし。
そしてやはり簡単に食えるのが大きいんだろう。日本人はいつも忙しいから、食事にかける時間が少ないし、味が好みで栄養豊富ですぐに食えるなら流行らない理由は無いんじゃないかな。



とまぁ、こんな感じで。
中国では外で売られている食事ではポピュラーな、おかずをご飯にかける「ぶっかけ飯」のような「盖飯」などと言われるものがあるのですが、それと似たようなものなのに見えるのに、なぜカレーが日本で人気になるのかが分からないといった声が多かったですね。

カレーが流行った理由については、
日本人の「忙しい」というイメージから来るのか、
「便利だから」
「作るのも食べるの簡単だから」

日本で広まったという見方が多いようで、
「カレーの味が日本で好まれている」
という見方はあまり無いようです。

ただ、実際に食べてみてハマる人間もいるようで、そういった辺りからはカレーはうまいもんだという声も上がっていました。

それから、中国におけるカレーについての状況を、
北京でずっと続いているとんかつとカレーの店「ばんり」の店長に聞いてみたところ、プロの目から見た中国のカレー事情について詳しく教えてもらえました。
(ばんりは先日ついに15周年を迎えたそうです。ちなみに、このブログの親玉的存在の漫画喫茶B3の店長と同一人物です。B3やばんりについて詳しくはブログの左の方にあるLINKからどうぞ。)

それでは以下、ばんりの店長による中国カレー事情解説の紹介を。


中国でもカレーは外から入って来たものということは
はっきり認識されていると思います。

ボクは世界のカレーを大まかに
3つの血統でとらえています。
1)インド インドとインド周辺諸国
2)タイ タイと周辺諸国
3)日本 イギリス人がインドから持ち帰ったカレーが
     明治に日本に輸入され、独自の発展を遂げたカレー
     韓国、台湾で普及しているカレーも血統的には日本のカレー

中国にもcoco壱がありますし日本の固形ルーも販売されています。
日本と大きく違うのは、カレーを主力商品にしている一店舗経営の店が殆どないことです。

北京でも麺食ではなく米食のファーストフードチェーンがいくつかありますがカレーライスもメニューにあります。
そこで出されているカレーは日本血統のカレーです。

スーパーで売られている固形ルーやレトルトカレーも日本血統のカレーです。
ですから、中国でカレーを食べたことがある人のほとんどは日本血統のカレーを食べていることになります。

ただ北京、上海は国際都市ですからインドカレーや東南アジアのカレーを出している専門店も多数存在します。
それらのお店にはちゃんと外人さんのシェフがいて内装も異国情緒にあふれちょっと敷居の高い感じ(お値段的にも)です。
こちらはチェーン展開をしてるというよりも一店舗ごとにじっくりしこんでいる感じです。
あっても分店で、フランチャイズではないです。

いずれにせよ普及度からみれば日本血統のカレーが大きくリードしています。

ちなみに「ばんり」はレトルトや固形のカレールーを使っていません。
インドカレーや東南アジアのカレーと比べると日本カレーよりですが普通日本人が考える「家庭の味」とは全然違うものです。
なので「日本人が経営しているカレー屋だから」ということで「日本の家庭の味」を期待してご来店頂いた
日本人のお客様には不評です。



以上、ばんりの店長の解説でした。

今回はちょっと長くなってしまいましたが、とりあえずこんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


中国人「杏仁豆腐ってどんな食べ物?」

富野由悠季監督が北京大学で講演

富野由悠季監督の講演が11月23日に北京大学で行われるという情報を教えていただきました。ありがたやありがたや。
中国のオタク系の掲示板でもちょっとした話題になっているようですし、今回はそれについての紹介を。

富野監督の講演については中国のニュースサイトでも記事になっているようです。
騰訊網の記事(中国語)はコチラ。

今回の富野監督の講演は北京大学の日本語言文化系と明治大学の国際日本学部の共催で、北京大学のオタクサークル「元火動漫社」も協力しているそうです。
「元火動漫社」は北京でも最大規模の大学オタクサークルで、以前私が聞いた話ではサークルの参加者は800人以上という話でした。
ちなみに北京の大学のオタクサークルは、この北京大学の「元火」、清華大学の「次世代」、人民大学の「臨界」といった所が大手ですね。どれも数百人単位の規模です。

さてそれでは以下、中国のソッチ系の掲示板で見かけた反応を、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


ガンダムの父が北京に来るぞ!

これは行きたい。富野監督の講演が聞けるなんてスバラシイ。

おい、なんで俺が北京を離れた直後にこんなイベントをやるんだよ!
去年までだったら絶対に行ったのに……!

現場に行けた人間はレポ頼む。マジで。

北京大学すげぇな。
中国にはガンダムファンも多いし、呼ぶことができればまず成功するだろう。

ああ、ウラヤマシイウラヤマシイ。
北京大学は良い所だな……

憤青(憤怒する青年)みたいなのが来ないといいが。
何もなく終わることを祈る。

最近の緊張ぶりはまずい状況だからな。
無事成功してくれればいいが……

ウチの地方の大学なんか国のお偉いさんとか科学技術分野のお偉いさんとかしか来ねぇよ!
北京はいいよなぁ。

正直ウラヤマシイ。嫉妬する。

北京大学だったら近いな。
ところで団体参加とかはできるのかね?サークルの知り合いで行きたい人間もかなりいるんだが。

講演の内容はどんなものになるんだろう?
アニメ産業についてか、それともアニメ制作についてか。
ロボット、できればガンダムについても語ってくれると嬉しいが。

講演の場所は理教212?
あそこは大きくも小さくも無いという所だな。収容可能人数は400人弱くらいかね。

ウチの実験室のオタクな先輩が北京出張を喜んでいたのはコレが理由だったのか!?

やはり入場券を手に入れなければならないのだろうか。
どうにかして手に入れねば。

講座の通訳のレベルも気になるね。
アニメ分野の専門用語や固有名詞をちゃんと把握している人間にやってほしい。

北京大学だから大丈夫じゃない?
うちの国のトップレベルの大学だからそういう人材はいるだろ。
事前に内容が分かっているから準備の時間もあるだろうしね。

公開質問の時間とかあるの?
ガンダム関係でお聞きしたいことがたくさんあるんだが。

もし可能なら俺は∀の黒歴史についてとか、最近のことでは00劇場版の異星人との戦いについてどう思っているかを聞きたいなぁ。

富野監督はザンボット3も作っているし、1stの初期の企画が宇宙人と戦う話だったから案外アリだと思ってるんじゃない?にしても上海は商業イベントが多いが、北京はこういった分野の講座があるのがいいよね。

中国から日本へはハゲが仏教を伝えたが、今度は日本からハゲがガンダムを伝えに来るわけか。とても楽しみだ。


とまぁ、こんな感じで。
中国オタクの間でも富野監督の名前のパワーはスゴイようです。
北京大学は以前幾原邦彦監督の講演も行っていますし、日本のアニメ関連の動きが結構あるようですね。

それから富野監督の北京の大学での講演は、私が知る限りですと2005年に人民大学で行われたのに続いての2回目でしょうか。

2005年のときは私もまだ北京にいたので聞きに行くことができたのですが、
ちょうど劇場版Zガンダム第二部公開直前の時期で劇場版Zについても
「あれは唾棄すべき作品です」
などと富野節でガンガン語ってらっしゃったのが印象的でした。
一緒に講演を聞きに行った中国オタクの面々も、富野節を生で聞けて大喜びしていましたね。
今回の講演も富野監督の作品のファンの学生がかなり集まるんじゃないでしょうか。

中国の大学の学生はオタク趣味に足を突っ込んでいる人間が少なくないので、日本のクリエイターによる講演というのはかなり注目されるようですし、こういった講演が今後も行われていくといいですね。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

infoseekと中国オタク的生活

今月いっぱいでinfoseekの無料HPのサービスが終了となるそうです。
infoseekから私が昔中国で生活していたころのことについて思い出したことがあるので、今回はそれについてちょっとばかり書いてみます。


私は90年代から00年代半ば頃まで中国にいたのですが、ちょうど中国でもインターネットが普及し始めたころにも重なっています。ネットとEメールは非常に画期的なモノでしたし、中国におけるその前後の生活スタイルや便利さの変化は日本よりさらに大きかったように思えます。

ただ、個人的には「日本語が読める」というのが一番有難かったですね。
当時は本当に日本語にモノスゴイ飢えていたもんで。

で、私もネットのおかげで(?)中国でもオタク趣味を続けられたというか、深みにハマっていったのですが、当時は主に無料のwebスペースを借りてHPを開いている方が多かったと思います。

infoseekは広告表示がちょっと不評でしたが50Mと当時としてはかなり大きな容量(ジオは12M)が使用可能で更にCGIも設置可能だったのがわりと良かったようで、オタク系のサイトもわりと多かったように思います。
ちょっと昔のブックマークを調べてみたら、infoseekのサイトもかなりありましたし、私の中国におけるオタク生活はinfoseekにかなりお世話になっていました。


ただ、中国からネットにつなぐ場合はどうしても「規制」の問題が関係してしまうのが頭の痛い所でした。
やはりというか何と言いますか、中国では個人がタダでHPを開設できる海外のフリースペースへの規制が、かかり易いのですよね。

日本のユーザーによく使われる所も、最初のころは特に規制はなかったのですが、段々と規制の範囲に含まれるようになっていきました。
留学中にフリースペースへの規制をくらってしまい、留学生活をつづったHPが更新できなくなって読者の方に安否を心配されたなんて方もいましたね。

最近ではfc2のブログが中国で規制をくらってしまうということがありましたが、fc2でブログを開設している中国オタクも多かったので、この規制の時には中国オタク界隈が混乱しました。
このブログがあるlivedoorにしても中国からだと時折うまく更新できなかったり、見れなくなったりすることがあるようです。

それでinfoseekですが、こちらも規制にあって見れない時期が何度かありました。
中国のネット規制は永続的に続くものと、一時的なものがあって、政治的にゴタゴタするようなことがあったり、ゴタゴタしそうな時期になると中国から見れないページが増えます。

欧米系のフリースペースはほぼ永続的な規制のところばかりだったのですが、日本のは一時的に見れなくなる形の規制が多かったかと思います。
またあくまで私の個人的な記憶によるものですが、infoseekは規制により中国から閲覧できない期間が比較的長く続いたサイトだったように思えます。

しかし人間やはり娯楽のためにはかなり熱心になれるようで、規制を回避する方法をイロイロと模索してどうにかしてしまうのですよね。
infoseekにあるサイトは画像を多めに使ってらっしゃる所も多かったので回線が細いとうまく表示できないことも少なくないため、私も如何にして規制を回避して快適に見るかでかなり頑張ったおぼえがあります。

そんな訳で、今の私のネットの接続や規制に関するイロイロな知識は、
変な話ですがinfoseekと中国の規制のおかげという言い方もできるかなーと考えてしまいます。


思いつくままに書いてみましたが、とりあえずこんな所でしょうか。
時代の流れ的にしょうがないのだとは思いますが、infoseekの無料HPで開設されていたサイトにはイロイロと楽しませていただいたりもしたので、ちょっと寂しく感じてしまいますね。

例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

反日デモより怖かったもの

日中間のゴタゴタはなかなか収束に向かわず、
中国で反日デモが起こったり、日本でもデモが起こったりとなかなかに難しい状況が続いているようです。

私は中国に留学しているときに北京で反日デモが起こったりした経験があるので
周りから今回のデモについてのことをよく聞かれたりもしますし
「住んでいる街でデモが起こるなんて怖かったでしょう」
「中国生活で一番怖かったのはやはり反日デモですか?」
といったお言葉をいただいたりもしています。

確かに2005年の時には、私の出先のビルの真下を暴走気味のデモ隊が通ってヒヤッとしたことなんかもあるのですが、実は私の十数年に及ぶ中国生活の経験の中で、このデモより怖いと感じたものがありまして。

それが、2002年の冬に始まった「SARS(重症急性呼吸器症候群)の流行」です。

実はこれに関して日本のネットにナイスなコピペを投稿しているのが知り合いにいまして、この前会ったときに掲載&説明の許可をもらえました。

以前の記事で中国のネットで流行っているコピペ
「日本に来てやっと知った」
を紹介させていただいてから、ありがたいことに
「中国関連で何かコピペみたいなものはありませんか?」
という質問をいくつかいただいておりますし、中国関連のコピペということで今回はそれを紹介させていただきます。

それでは以下、そのSARSについてのコピペになります。



194 名前:名無しさん@八周年[] 投稿日:2008/01/24(木) 22:36:20 ID:8ety/nhe0
>>144
亀レスだけど、
当時は結構有名な理系の大学に居たんだ。
北京で大流行する半年ぐらい前は「なんか香港の方がヤベーらしい。」みたいな噂程度のモノだった。
政府の大本営発表もあったから危機感は全くといって無かった。
外食の手洗い場が使われる事もほとんど無い。
ところがどうも北京でも相当な数の感染者がいるんじゃないかって事がまことしやかに囁かれ始めた頃、政府による重大な発表があるということである日みんなラジオやテレビ、PCに注意していた。
「北京での感染者は十数名ではなく、800名あまり存在していた事が判明した。」
冷静さをもって語っていただろうニュースキャスターの表情とは裏腹に北京はあっという間に様変わりしてしまった。
いつも渋滞していたはずの南北に一直線にはしる幹線道路には猫の子一匹見当たらなくなり、スモッグで視界がぼやけたその道路はまるで永遠に続いてるように見えた。
ほどなくして大学は外界との接触を避けるため全ての校門を予告無しに封鎖、外に住んでいた学生は締め出しを食らってしまった。
日々増え続ける患者数のニュース、
次々と制限されていく活動範囲、
寮のすぐ隣に突貫で建てられた煉瓦塀とその中の仮設住宅、
以前とはうってかわって人で溢れかえる食堂の手洗い場、
救急車のサイレンで目覚める朝、
授業における学生のゾーニング処置、
ノイローゼから発熱してしまい、それをルームメイトに知られまいとひた隠す学生、
冷静さを失い、藁にもすがる想いでウィルスに効くとされる線香を灯しまくる人、
「お前が飲まなきゃこっちが迷惑するんだ!」と無理矢理怪しげな漢方薬を飲ませようとする食堂のオヤジ、寮に帰ってその漢方薬の集団食中毒のニュースを見た時の脱力感、
「SARSに感染しても大学は責任を負わない」とする書類に署名を迫る大学関係者、
非現実的な状況に逆にカタルシスを覚えてしまい始終興奮気味のクラスメート、
脱走者(しかも後でわざわざご丁寧に大学の塀をよじのぼって帰ってくる)、
 
文字どおり「見えない敵」がいるわけで、冷静さを欠く人が多かったのが目に付いた。
正しい知識と前準備をしっかり整える事が何よりも重要。
 

195 名前:名無しさん@八周年[] 投稿日:2008/01/24(木) 22:44:08 ID:ne2hl5jU0
>>194
サンクス
 
凄い!凄すぎる、、だが中国が結構まとに対処していて関心した。
 

198 名前:名無しさん@八周年[] 投稿日:2008/01/24(木) 22:53:57 ID:8ety/nhe0
>>195
マトモなもんか、超法規的措置のオンパレードだよ。
中国は救急車呼ぶのが自費なんだが、感染が疑われると乞食でも無理矢理押し込められる。
ところがその乞食は払う金が無いから走行中の救急車から飛び出して逃げるんだよ。
キャリアなのに。
地方の人間は都市の方がいい治療を受けられると思ってかどんどん患者が入り込んでくる。
天津じゃ市民が自警団組んで都市間の道路を土嚢で封鎖しやがった。
大規模な患者隔離施設が無理矢理作られようもんなら近隣の住民がそれこそ一揆よろしく打ち毀しに行くんだぜ。
冷静ささえあればほとんどの二次災害は防げたはずなのに。
 
211 名前:名無しさん@八周年[] 投稿日:2008/01/24(木) 23:23:08 ID:8ety/nhe0
で、こっからが日本にも関係してくる話なんだが???
あまりの緊急事態にとうとう外務省が帰国勧告を出した。
外務省が
勧告というのはほぼ命令に近い。
「指示に従って帰国しないと帰れなくなるかもしれません。」って事だ。
未練の無い短期留学生は早々に帰国してる人も多かったが、学部生、研究生は帰るわけにはいかなかった。
だがここまできて残り少ないほとんどの日本人が帰国せざるを得なくなった。
俺もそのうちの一人だ。
全てが解決した後再度入国するためビザの申請を行うんだが、申請は学校外にある公安局でしか行えないこともあって大学が集団申請および航空券購入の肩代わりを行う事になった。
もっともこの大学側との交渉も難航を極めたんだが。
帰国の日になり、俺らはマイクロバスに揺られながら死んでしまった街を横目にガラガラの空港へと向かう。
ほっと一息つきながらもターミナルで搭乗を待つ日本人御一行様。
ところが予定の搭乗時刻を過ぎても搭乗アナウンスが行われない。15分、30分……
次第に嫌な空気がたちこめてゆく。
小一時間ほどしたところでようやくアナウンスがあった。
「関空行きの便は交換不能の部品に問題が発生したため、キャンセルとなりました。
つきましては関空へご出発の皆様には成田行きの便にご搭乗頂くか、北京で一泊してもらう
こととなります。」
疲れに疲れきってやっと辿りついた空港で俺らを待ち受けていたのは航空会社からの信じられない裏切りだった。
搭乗数が無いものだから成田行きと合わせてコストカットしようとする会社の思惑は誰の目にも明らかだった。
無駄だとは分かりつつもフライトアテンダントとの押し問答が始まる。
早く脱出したいのに北京に留まれとはどういう了見か、
関西の人が成田へ行った後どうやって関西へ行けというのか、
一体運賃は誰持ちになるのか、
そもそも機体の故障なんてフカしじゃないのか、
航空会社の提示した解決方法は、「成田から新幹線もしくは国内線で関西へ行って頂く。」
との事。
冗談じゃない。俺らはこの時期に北京から日本に入国しようとしてるんだ、いきなりおいそれと公共の交通機関を使っていいはずが無い。
だが、超法規的な措置は相手が日本人でも通用するようだった。
こんな状況で集団心理に逆らって航空会社に反目できる人などいるはずもない。
つづく
 

216 名前:名無しさん@八周年[] 投稿日:2008/01/24(木) 23:35:56 ID:8ety/nhe0
俺らは結局航空会社の甘い提案を受け入れてしまった。
早くこの場から立ち去りたいという気持ちは確かにあった、そんな他のみんなに逆らって
航空会社の倫理を説く場面でもなかった。
関空行きの便に乗る予定だった搭乗者は皆成田行きの便に搭乗し、
羽田で一泊した後各々のマスクをかなぐり捨て、PEKと印字されたトランクのテープを破り
さながら一仕事終えた銀行強盗犯が人目を忍んで帰路につくように国際線に乗り込んだ。
国際線は他の乗客も多く、日本語での喧騒から離れて久しい俺らはまるで自分が非難されているかのような錯覚だった。
そのざわめきから逃げるようにイヤホンをかぶり、ジャックを無理矢理座席に差し込んでも、
聞こえてくるSARS関連のニュースが耳から離れなかった。
 
とまぁ、こんなとこだ。
もし俺らが原因で日本で感染が拡大なんかしてたらその航空会社は倒産の憂き目にあってただろうな。どことは言わんが。
日本は人権がややこしくて帰国した際もこれといって厳密な検査を受けたわけじゃない。
危機感は持っておいたほうがいい。

 
221 名前:名無しさん@八周年[] 投稿日:2008/01/24(木) 23:43:02 ID:7caYmIWk0
>>216
これ、むちゃくちゃ危ないよ。本当にSARSってラッキーとラッキーが何重にも重なって
日本で流行しなかったんだなあ
 

223 名前:名無しさん@八周年[sage] 投稿日:2008/01/24(木) 23:43:39 ID:XS0g+3EL0
SARSのときの空港での対策って、サーモグラフィ?みたい
ので熱があるヒトを見つけて、見つけたら問診?するみたい
な感じだったよな。 
潜伏期間中だったら絶対見つけられないという..
 
まぁ事実上水際阻止は不可能だよね。
それするためには海外からくるやつを皆1週間とか
隔離するとかしないとだめなんだろうから。
 

236 名前:名無しさん@八周年[] 投稿日:2008/01/24(木) 23:53:50 ID:8ety/nhe0
>>221
正直日本人で感染者が一人も居ないなんて発表は嘘だと思ってる。
 
>>223
あのサーモグラフィ、横に
「これはテストです、問題を発見する為や人権を無視した拘束を行うものでもありません。」
って書いてあった。
どちらかというと自分がシロだと
確認できてから入国したかったんだけどな。
国内線の事も考えると。
 

246 名前:名無しさん@八周年[] 投稿日:2008/01/24(木) 23:59:54 ID:8ety/nhe0
人命よりも人権を尊重する風潮は是正されるべきだと思う。
同じ便に乗ってた沖縄人が「せっかくだから」で東京観光やって山手線乗りまくって
国内線で帰国した話を聞いてぞっとした。
いい沖縄人は多いんだけどそいつはヤンチャだったな。



以上です。
当時のSARS関連の出来事はホントにこのコピペの状態でしたね。

このコピペの作者と私は北京でSARSが発生したときに同じ大学にいまして、
SARSのときは彼と一緒にその大学の日本人留学生自治組織の一員として、
断絶状態になった留学生同士の連絡や、デマも混じったりする情報の選別や伝達、大学との交渉やらなにやらを一緒にやっていました。

彼はSARSの緊迫した状況でも笑いを忘れないナイスガイでしたが、
オタクとしても非常に面白い人間で、現在も中国オタク関連で大活躍しています。


SARSの流行の渦中にいたときは
「SARSになってしまうかもしれない」
という怖さもさることながら、それ以上にSARSになってしまった場合
「日本に入れてもらえないかもしれない」
というのが恐ろしかったですね。

一応中国の生活では最終手段として
「日本に帰る」
という選択肢があるのですが、SARSのときはこの手段が不可能になる可能性がありまして、その
「退路を断たれるかもしれない不安」
というのが本当にキツかったです。

そして日本に帰ったら帰ったで、
今度は帰国後数日間は自宅待機という名の自己隔離をしないといけませんでしたし、
その間はずっと
「もしかしたら自分はSARSにかかっているのではないか」
と疑い続けることになるので、精神的にかなりまいってしまいましたね。


それにしても、中国での生活は基本的に
「情報をきちんと調べて危ない所には近づかない」
というのを押さえておけばそれほど問題はないのですが、
このSARSのときだけはどこが安全なのか分からない状態でした。

しかもコピペにもあるように、
日常とは全く違うガランとして生気の感じられなくなった街の中で、
周囲の人間からはどんどん冷静さが失われていき、
日に日に自分の行動できる範囲も狭まっていき、
自分の住んでいる寮のある大学内にも簡易の隔離施設が建てられるなど、
「追い詰められている」
というのがひしひしと感じられる日々が続きました。

この当時の自分ではどうにもならい上に、目に見えない、分からないということによる恐怖は、私の十数年の中国生活のなかでもトップクラスの怖さでした。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


中国のネットで話題のコピペ「日本に来てやっと知った」

北京で置鮎龍太郎&緑川光の声優イベント開催!

声優の置鮎龍太郎さんと緑川光さんをお招きしてのイベント

「〜SUMMER AGAIN〜 次世代日中友好声優イベント」

が9月4日に北京の北京国際会議センターにて開催されます。
会場の規模は最大収容人数が600人のものだそうです。

置鮎龍太郎さんも緑川光さんも中国オタクの間で人気、特に女性からの人気が高い声優です。
中国オタクのイメージ的にはスラムダンクの流川楓と三井寿というのが一番強いようですが、他にも最近ではテニスの王子様の手塚国光や、コードギアスの黎星刻、更にはゲームなどでも人気のキャラが多いので、中国オタクの間でもすぐに演じたキャラと声を思い浮かべることができるそうです。

イベントの中身は声優さんのトークや、ファンから募集したセリフやファン制作によるショートストーリーの朗読、サイン会が行われます。
また、このイベントには日本で声優修行中にしてニコニコ動画などで活躍するパンダ氏こと、kkryuさんも司会として参加されます。


今回のイベントは昨年5月に北京で開催された成田剣さんと山口勝平さんをお招きして声優イベントと同じく、清華大のサークル「次世代」が中心になってイベントの準備を進めていますが、昨年のイベントの成功の結果、今年は昨年の約2倍の規模で開催可能になったとのことです。

ただ、イベント開催については今回も簡単にはいかず、私も日本でちょっとお手伝いをしていたのですが、3月頃からイベントの動きが本格始動したものの例の如くイロイロな壁にぶつかり状況は二転三転したりで、どうにか開催までこぎつけられたものの、難しい状況に陥って冷や冷やしたときもありました。

実は今年の夏に次世代の面々が日本に来たのは、コミケの参加の他にこのイベントについての最終調整という目的もありました。
その件についても無事終わり、先日彼等は帰国しましたが、帰るときの彼等の様子はイベント準備の最終段階に期待と不安が半々という感じでしたね。

ちなみに、今回のイベントでは500人分のチケットの予約全てがあっさり埋まったそうですが、そのほとんどが女性ファンだそうで、男性でチケットの予約ができたのは20人くらいしかいないとか。

昨年のイベントも参加者のほとんどは女性の方で
「あまりの歓声の大きさに会場の天井から吊るされている照明のカバーが壊れてしまった」
というくらいスゴイパワーでしたが、今回のイベントも女性の中国オタクのパワーが炸裂しそうな気配が濃厚です。

私は今回休みが取れないので残念ながら現地入りはできないのですが、
次世代の面々からの情報によるイベントの紹介についてはぼちぼちとやらせていただこうかと思います。


追記:昨年の北京でのイベントについては、以下の記事などもご参照下さい。

北京のイベント準備風景

北京で開催の成田剣さん&山口勝平さんのイベントは大盛況でした

北京で開催の成田剣さん&山口勝平さんのイベントは大盛況でした その2

北京で開催の成田剣さん&山口勝平さんのイベントは大盛況でした その3とこぼれ話

中国学校体育事情 プールの授業編

梅雨が明けたら一気に暑くなった今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。
私はジメジメしている方が苦手なので暑い方がまだマシとはいえ、連日35度超えというのはさすがにキツイですね。

さて、今回はちょっと思いついた中国の学校事情についてを。
以前「学校のプール」について、
中国の学校ではかなり珍しい施設だと書きましたが、
その辺について詳しく書いてみようかと思います。


学校のプールは日本でも場所によっては無い所もあるかと思いますが、一般的な施設の一つかと思います。
しかし、中国の学校ではプールのあるところは非常に少なく、学校の授業で水泳を教えることもかなり珍しいようです。

学校にプール設備があるところでも日本に比べると水泳の授業はかなり少ないようですし、プールが無い場合は外部のプールを使ってせいぜい数回、全くやらない所も少なくないそうです。

今ではどうだか分かりませんが、
私が中国にいた頃は
「水泳だけは絶対にダメ、できない」
という体育の先生がいたりしましたから、
水泳についてはあまり重要なモノと考えられていないのかもしれませんね。

また学校の授業で教えないからか、中国では泳げない人、
特に「全く泳げない」人の割合は日本よりかなり高いように思えます。
中国では水泳の技能が人によってかなり違うというか、そもそも基本ができてない人も少なくないとかなんとか。

そのような背景があるので、プールがある大学で学生がプールを利用する場合、事前に泳げるかどうかちょっとした試験を受けて許可証をもらわなければならないといった所もあるようです。

そしてそういった学校生活を過ごしているからなのか、
中国オタク的な認識では
「日本のアニメや漫画の舞台となる学校のプール」
に関しても、日本の学校には必ずプールがあるというわけではなく、
「あれは主に設定の都合上のもの(水着のサービス回などのためにある)」
とか思われていたりもするようです。

こんな感じで、中国の学校ではプールや水泳の授業にあまり馴染みがありません。
しかし、なぜか学校指定の水着、いわゆるスクール水着(特に女子用)は有名でして……

たぶんこれはもう、日本のアニメや漫画の影響なんでしょうね。
私の知り合いにも
「スク水、ブルマ、セーラー服が日本の三種の神器なんだよな!?」
と爽やかに言う中国オタクもいますし。

ただ学校指定の水着を学校生活で使うということがちょっとイメージしづらい、という話もあるようです。
例えば、日本では夏の体育の授業のかなりの時間が水泳になるというのがあまり知られていないようで、学校指定の水着が体育や夏休みの水泳の授業などで頻繁に使われるものだと思われていなかったりするようです。

私も知り合いの中国オタクから
「毎日着る制服ならともかく、少しの水泳の時間のために学校でスクール水着を作るなんて日本の学校はすごいね」
などと言われたことがあります。

この辺の認識の違いについては、
「学校」という同じ言葉で表される場所での生活でも、
実際にはかなり異なる部分があるというのを感じますね。


例によって思いつくままイイカゲンに書いてしまいましたが、
とりあえずこんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


学園モノに出てくる、中国の学校だと珍しい日本の学校施設

中国裏口入学事情

このブログでは中国の感覚からすれば日本の学校生活が非現実的に思えるといった話を何度か書きましたが、
今回は逆に中国で私がアニメや漫画の中の話みたいだと思ったことについてちょっと書いてみようかと思います。

それでイロイロと考えてみたのですが、
私の中国生活の経験でアニメやマンガの中の話みたいだと思ったのは
「裏口入学」
についてですかね。

中国では裏口入学が公然とまかり通っていまして通称
「走後門」
と言われています。

私は90年代中頃から中国の現地校に通っていたのですが、
私が通った中学や高校にも裏口入学で入ったのがクラスに何人かいました。
そのあまりのあからさまっぷリに私も
「すげぇ、何か漫画かアニメみたいだ」
と逆に感心しちゃったりしました。

アニメや漫画によくある
「親の金や権力をかさにきる生徒」
なんてのがごく普通にいるんですよね。
今回はこの中国の裏口入学事情について、私が知っている範囲で独断と偏見に基づき書かせていただきます。


さて、中国の裏口入学についてですが大学受験とそれ以外だとかなり効果に差があるようです。
大学受験の方については以前の記事にコメントで詳しく説明してくださった方がいらっしゃいましたが、さすがの中国の裏口入学も日本でイメージされるほど融通の利くもんじゃないんですよね。

中国における進学の最大にして最重要の関門とされる大学入試「だけ」はかなり管理が厳しく、レベルの高い学校を狙う場合などは裏口入学をやろうにも統一試験の点数に本当にほんのちょっぴり下駄を履かせたり、同レベルの点数帯の生徒を取るときの最終判断に色をつけてもらうくらいがせいぜいで、イマイチ効果が薄いということがあるとか。
大学入試に関してはある程度の基礎能力が無いと話にならないので、日本でイメージされる裏口入学に比べて「使えない」ところがあるかと思われます。

ただ、大学受験の前の小中高の進学に関しては日本に比べるとかなり
「使い勝手の良い」
ものであるのは確かです。

中国には各地に「重点学校」に指定されているレベルの高い学校が存在しまして、この学校に入ることができるかどうかでレベルの高い教育を受けられるかどうかが決まります。

そして小中高の学校にも「重点学校」があるので、まずはそれぞれの段階で重点学校に入ることを目標に中国の学生はしのぎを削ることになり、その過程で様々な裏口入学の手段、「走後門」が発生することになります。

受験者側の親御さんはお偉いさんやお金持ちの方々だけでなく一般庶民もカネやコネをかき集めて右往左往しますし、学校側(個人も組織も)は内部進学枠を流用したり、色んな口実を設けて学校に入れるように便宜をはかるようです。
また特殊な部類としては、学籍だけ別の学校に置き、実際は重点学校に通って勉強する「借読生」というのもあります。

一応様々な「走後門」を防ぐ為の規定もありますし、高校進学の時などは統一試験もあるのですが、小中高は学校側の裁量も大きいうえに、中国全土ではなく各地方や都市、区域ごとの規模になるので、なかなか裏道をふさぐことは出来ないみたいですね。

それから裏口入学に関する日本との最大の違いは、中国では
「裏口入学で入った人間が別にそのことを隠そうとしない」
ということでしょうかね。
むしろ、自分の持っている「力」だとしてそれを誇示するようなところもあります。親の金も権力も子供のパワーという扱いとでも言いましょうか。

まぁ、才能や身体能力も親の権力や資金力も言ってしまえば「生まれ持った」モノではあるんですが、身も蓋も無いというか夢も希望も無いという感じはしますよね。

「走後門」は一応中国でもルール違反ではあるのですが、罰則がほとんど発動しないのでやったもん勝ちなところがあります。
中国の人間に対しての批判では
「慣習やルールなどを分かり易いというか、あっさりばれるようなやり方で破ってでも目先の勝ちを拾いに行く」
といった話が出ることがありますが、それに関しては中国の学校生活で小さい頃からずっと現実の裏側を見せつけられているというのも少なからず影響しているんじゃないですかね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


日本の学生ってホントにアニメや漫画みたいな生活をしてるの?

中国オタクは受験で一度死ぬ

今回はちょっと、中国オタク独自の事情について書いてみようかと思います。

中国と日本の若者のオタク事情における大きな違いの一つとして
「大学受験」
の影響があります。

大学受験に参加し高校から大学に進学するということ自体は日本だろうが中国だろうが変わりません。
また、高校生活と大学生活で学生を取り巻く環境や生活が変わり、人間関係に変化が出るところも同じです。

しかしその変化の度合いについてはかなり大きな差があります。
中国の学生の場合、大学に進んだ際に今までの人間関係はほとんど白紙になり、断絶されてしまいます。

大学受験は中国オタクにとって受験のために趣味を断つといったことだけでなく、それまで一緒に趣味を楽しんでいた人間関係がほぼゼロになるということでもあるんですね。

なぜここまで大きな変化になるかというと、
中国の学生は大学受験の結果で
「住む世界」「その後の人生のランク」
の大部分が決まってしまうからです。

中国の大学受験は年々進学率が上がるために受験者が増え、
増加のピークが過ぎているとは言われているものの、
現在1000万人以上が参加し大学に入れるのはその6割程度です。
更に、中国の大学はランクごとの違いがわりとハッキリしています。

こういったことから受験者の学生とその親御さんにとっては
「試験の成績で行ける限り良い学校に行く」
という傾向が強く、
「自分が行きたい、或いは自分の特徴に合った志望校を選ぶ」
というのはあまり一般的ではありません。
その為、中国の学校生活においては、クラスで仲の良い友達や恋人同士が同じ学校を目指すというのは現実的ではなかったりします。

それからもう一つ、中国の大学生活の特徴として
「学生はほとんど全てが寮生活」
というのがあります。

なかには実家から通ったり部屋を借りたりということも無いわけではないのですが、中国の学生は基本的に大学の宿舎で暮らします。
中国の学生はここで初めて親元から距離を取ることになり、また同じ学校の学生達との寮生活という新たなコミュニティでの生活となります。
別の言い方をすれば、中国の学生はこの段階で実質的に高校までの友人関係が消失し、新たな人間関係の場に放り込まれるといったところでしょうか。

このように中国の学生は大学受験による交友関係の断絶というものがある訳ですが、
「それでも一応連絡を取り続けることはできるのではないか?」
と思われる方もいらっしゃるかと思います。

しかし、距離以外にも大学進学後も高校の時の関係を続けるのが難しい理由があります。
それは中国では進学した大学によってその後の人生の方向性と「ランク」がほぼ決まってしまうということです。

中国の学生には受験戦争でドロップアウトしたり下位に落ちてしまった場合の
「人生のリカバリー」
が非常に難しいという事情があります。

日本でも良い学校に行った方が手堅い人生を送れるのは確かですが、
学校だけが人生じゃないという言葉もあるくらいですから学校以外の道というのも少なくありません。

しかし、中国では進学の道に入った時点で、
「ランクの高い大学に行けるかどうか」
のみでその後の生活レベルと言うか人生のランクが決まってしまうようなところがあります。

ようは学校に入った時点で
「良い大学に行く以外に良い人生は無い」
といった感じですかね。

大学の違いが人生の違いとなるということで、
それまでの友人関係を続けるのは非常に難しくなります。
幾ら仲が良くても、段々と疎遠になってしまうことがほとんどです。

最近ではネットも携帯もあるので交友関係の維持は楽になりましたし、以前ほど簡単に縁が切れるわけではなくなっているようですが、「住む世界」が違ってしまうので関係が消滅し易いということについては変わっていません。

私も中国の高校に通っていたときはオタク趣味を共有できるかなり仲の良い友人も出来たのですが、大学進学をきっかけに何時の間にかその関係は消滅してしまいました。誰が悪いというわけではないのですが……

このように中国の学生にとって大学受験は
「それまでの友人関係の消失」
「その後の人生のレベルの違いが確定」

というイベントでもあります。

またその結果、
それまで同じ趣味と時間を共有していたオタク仲間を失うということから、
「中国オタクは受験で一度死ぬ」
ようなものです。

中国オタクは大学に入る前と後で趣味についての対応や趣味に関する人間関係が大きく変化し、オタクとしての質も変わります。
中国のオタクの主な層が大学生だというのは、こういった理由も大きいかと思われます。

アニメや漫画などに出てくる日本の学生生活は、
中国オタクにとって「自分達の過ごす学生生活」とは異なる部分も多く、
「ファンタジー」
「ストーリー上の都合による作中の設定」

だと思われていることも少なくないのですが、
高校の付き合いがそのまま大学やその後の人生に続いていくということもそういった「ファンタジー」の一つとなっているようです。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


日本の学生ってホントにアニメや漫画みたいな生活をしてるの?

中国では天下一武道会も部活の全国大会も似たような感じかもしれません

「恋人と一緒の学校に進む為に頑張る」という話は中国でどうなのか

餃子でご飯を食べる日本の人ってありえない

GWも終わりになりますが、私はカゼひいてしまってほとんど家でグダグダしておりました。
体調が本格的に悪化したのがGWに入ってからだったのは良かったのか悪かったのか。

GW中にブログの記事を書き溜めておこうと思っていたのですが、
逆に貯めておいたのを使い果たすといった事態になってしまっています。
そんな訳で、今回はオタクに全く関係ない話で一つお茶を濁させていただきます。


先日、日本で生活している中国オタクの面々と遊んだのですが、その時に
「中国の人間から見て日本の食生活で慣れないものは何?」
という話になりました。

中国の人の中には納豆や刺身などの生魚がダメという方がいるので、
私はそういったものの名前が出てくるのかなーと思っていたら、
その場の人間全員一致で出てきたのは
「餃子定食」
でした。

彼等曰く
「日本の餃子もご飯も美味しいし、一緒に食べようと思えば出来なくもないが、やはりキツイ」
とのことで、ようは「餃子でご飯を食べるのがキツイ」ということだそうです。
日本生活がそこそこ長い人でも、餃子でご飯を食べるというのには慣れることができないとか。

考えてみれば中国では餃子は主食の位置にある食べ物なので、
中国の一般的な感覚からすると餃子定食は
「チャーハンをおかずにご飯を食べる」
「肉マンをおかずにご飯を食べる」
といったような感じなのかもしれませんね。

また、中国にも一応日本の焼き餃子に近い
「鍋貼」(グオティエ)
というのがありますが、一般的に食べられている餃子は水餃子です。

水餃子は水気が多く皮も厚めでモチモチしていますし、
日本の焼き餃子よりも「主食っぽい」「炭水化物寄り」な食べ物です。
そういった餃子を食べて育った人間からすれば、餃子をおかずにして主食にご飯を食べるというのは考えられないのかもしれません。

日本で食べられている餃子は、ラーメンほど中華からかけ離れていないとは言え、作り方や食べ方などのローカライズを経て今では日本食のようなものになっちゃっているんでしょうね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国で一番有名な日本語は「やめて!」 日本のAVがなぜ中国で有名なのか

ちょっと前に、日本のAV女優のtwitterに中国人のフォロワーがモノスゴイ勢いでついたというニュースが有りました。

『蒼井そら』が中国で人気爆発!中国人のフォロワー1分間に40人ずつ増加中
(サーチナ)


このニュースの中国現地の反応については大陸浪人のススメさんがご紹介なさっているので、そちらも是非ご参照下さい。
蒼井そら「twitterはじめたよ!」→中国人大量フォローでフォロワー数2万4千人に

それでこの件に関連して、
「中国での日本のAVなどのアダルトコンテンツの広がりはどれくらいなのか?」
といった質問をいただいております。

オタク系の話とはちょっと外れますが、
「中国生活が長い男性なら分かるんじゃないですか?」
というお言葉もいただいてしまったので、これはご期待に応えねばということで今回はそれをネタにさせていただきます。


さて、本題に入る前にまず現在の中国における日本のイメージは何かということから始めさせていただきます。
中国における日本のイメージについて、日本で考えられるようなものを挙げていくとすれば
「経済大国」
「アニメやマンガの国」
「侵略者、いけ好かない国」
といったものがあるかと思います。

これらについてですが、
「経済大国」というのは残念ながらもうあまり無いですし、
「アニメやマンガの国」というのも最近どんどん強くなっているイメージではありますが、まだ若い層などに留まっている感もあります。
「侵略者、いけ好かない国」というのは……なんだかんだで、しっくりくるような気もします。
しかし、実は表立っては言われていませんが、中国の人間がこれら以上に強く抱いている日本のイメージがあります。

それは、
「エロの国、日本」
というやつですね。

中国ではAVをはじめとする日本のエロコンテンツが日本で想像されるよりも遥かにスゴイ勢いで広まっていまして、
「日本といえばエロ」
というくらいのイメージになっています。

最近では中国国内で制作提供されるエロコンテンツやサービスの摘発といった事例も出てはいるのですが、やはり現在中国国内で流通しているエロコンテンツ(もちろん中国では違法になるものが多いです)の多くは日本のものでして、中国の男は日本のエロコンテンツにお世話になって生活していると言っても過言ではないかと。

日本のエロコンテンツがどれくらい広まっているかというと中国で最も知られている日本語はAVから学習(?)する
「やめて!」
という言葉であると言われているくらいだったりします。

これについては、
中国のネットではちょっと前に有名な中国ネット用語と言うかネットスラングをモトネタにして架空の動物にした
「ネット十聖獣」
というのが流行ったときにAVによく出てくる日本語「やめて!」の音に当て字をしたものがモトネタになった
雅虫蔑蝶(虫+蔑で一字)
がランクインしたりしていますし、かなり信憑性が有るのではないかと思われます。

現在のようなブロードバンドの普及以前から中国では日本のエロコンテンツが広まっていましたが、最初は主に海賊版によるもので、その多くはVCDやPC再生可能な動画ソフトだったようです。

十数年前に私は中国の高校に通っていたのですが、そこでもこういったエロ海賊版はかなり身近なものとなっていて、クラス内で日本のAV等のエロソフトの海賊版がこっそり貸し借りされていましたし、自転車で1時間弱かかる「海賊版のエロVCDが売られているという噂のある場所」までクラスの特攻チームが突撃したりしていました。
そして、数々の失敗のなかどうにか入手することができたエロソフトはクラスの共有財産となっておりました。

こういった海賊版はどれが「アタリ」なのか分かりませんし、騙されることも数多く、パッケージ詐欺どころか別のソフトでそもそもエロが入っていなかったなんていうことも珍しくなかったようです。
また、ネットが普及して違法ダウンロードが爆発的に普及しちゃったあとでも、日本のようにちゃんとした情報があるわけではないので「アタリ」を探すための手がかりが無く、エロを求める中国の男達は途方にくれたりしていたそうです。

そういった中で、「AV女優の名前」というのは「アタリ」のエロコンテンツを探すための貴重な手がかりであり、またお世話になったエロコンテンツのシンボルということで、エロを求める中国の男達の心に深く深く刻み込まれているとかなんとか。

そんな訳で、先日の日本のAV女優のtwitterアカウントに中国からのフォローが殺到した件は、中国の男達が心のオアシスとして刻み込まれたモノを思い出したからという側面も有ったのではないかなーなどと私は考えております。

グダグダな内容になってしまいましたがとりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


中国で日本といえばエロっていう通説もあるしな

4/22:おかしな文章になっている部分を修正しました。ご指摘有難うございます。

このブログを中国から開設するときに考えたこと

今回はオタクネタとは関係のないことですが、
メモと説明を兼ねてこのブログの開設に関して少し。

中国ネタを扱っている上に中国からも見に来てくださる方がいるこのブログですが、
ライブドアのブログは中国語の簡体字の入力に対応していないので、いただいたコメントが文字化けしてしまったります。
この件について、
「別のブログに移らないのか」
という質問をわりと頻繁にいただきます。

えーと、まぁその、移るかどうかについては、
なんだかんだでもう4年近くやっているので他のブログに移るのがメンドクサ……
もとい、手間がかかるのでなかなかに難しいのですが、
ライブドアでブログを開設することを決めたのには一応理由が有ったりします。

このブログを開設した時、私はまだ中国に留学中だったのですが、
当時はは中国から日本のサイトを見る場合かなり重くて苦労しました。
(今でも日本国内からのアクセスに比べると重いですが、見るのに苦労するというレベルではなくなっているようです)
この重さは主に中国と日本の線が細かったのが原因でしたから、ブロードバンドに移行しようが重さについてはたいして変わらず、夜6時を過ぎると日本のサイトが重くて重くて。

当然そんな貧弱な線で日本の「重め」なサイトにつないだらまともな閲覧をするのは非常に難しくなります。HPの読み込みが途中で止まったりとか、掲示板に書き込もうとして待たされた挙句エラーとかいうのが珍しく有りませんでした。
そんな訳で、ブログも記事やら画像やらをアップしている最中にエラーが出たりするのがイヤだったので、当時の私は「軽さ」というのを最も重視しました。

中国語の簡体字対応については、正直な所今のように多くのコメントをいただけるようになるとは思いもしなかったので、判断材料としての優先順位はかなり低かったです。
そして2005年当時に中国から使用可能なブログサービスのなかではライブドアが中国からのアクセスが比較的軽く、安定していたのですな。

それからもう一つが規制の問題。
中国のインターネットではドメインやサービス単位で規制がかかってアクセスできなくなることが有ります。
これについては規準もハッキリしませんし、期間もずっと続くものと一定期間中だけのものが混在していて対応のしようがないとも言えるのですが、考慮せずにはいられませぬ。

とりあえずの傾向として、無料でHP開設できるところなんかは、そこでアップされているページの内容からか、わりと頻繁に見れなくなったりしていたように思います。
例えば大きな所ですとジオシティーズはまず「.com」の方が見れなくなり、次に日本のジオシティーズの[.co.jp」が見れなくなったりしました。他にもinfoseekなんかも見れなくなったりしましたね。
(もっとも、和塩の方はhttp://geojwww02.geocities.co.jp/の方で打ち込めば見ることが出来たりも)

そういったことから、どれだけ有効なのかは分からなかったのですが、
少しでも規制がかからなそうなところという観点で見た場合、
当時ライブドアは中国に進出していたので比較的安全かなーと思ったりしました。

そんな訳でライブドアでブログを開設して今に至っております。
もともとイイカゲンな管理人なので、閲覧者の皆様にはこれからもご不便をおかけするかと思いますが、どうか平にご容赦を……

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国のネット環境今昔

中国で日本のオタク関連商品を手に入れる方法は

「中国で日本のアニメのDVDやオタクグッズを手に入れるのはどんな手段が有るのか」
という質問をいただいておりますので、本日はこれをネタにさせていただきます。
ありがたやありがたや。

さて、中国オタクも貴重なグッズを手に入れたり、海賊版ではないきちんとした商品を手に入れたいという層が増えてきているようです。

中国にも日本のオリジナルの製品、DVDやオタク関連グッズなどを売る店も有ることは有ります。そういったお店ではときどきレア物グッズを安値で発見できるなんてことも有るそうですが、やはり欲しいときに欲しい物が有るというわけではないそうです。
まず品揃えに限界が有りますし、人気のものはボッタクリ価格になったりします。そして最悪偽物をつかまされる危険性も有ります。

そんな訳で、中国オタク達にとって最も安全かつコストの安い方法は
「海外発送可能な日本の通販を利用する」
ということだそうです。
最近では本やCD、DVDは海外発送可能なところも多く、カードを持っているなら使い勝手は非常に良いとか。
主なところではビーケーワン、クラブジャパン、アマゾンといった辺りだそうです。
また通販の場合費用の算定基準もハッキリしているのが強みだそうです。
例えばアマゾンで本を買った場合の配送量は1900円か、1点300円で計算して高い方を適用することになりますし、ビーケーワンだと郵送料は海外発送の実費が加算されることになります。
日本の定価と比べたら結構割高になってしまいますが、これでも海外でオタク関連商品を手に入れる場合最も安全かつ低コストな手段となっているそうです。

しかし、通販サイトでは大型の本やゲームソフト、関連グッズ、そして特典付きの限定版などは海外発送不可というものもかなり多いです。
そういったものに対しての手段が
「代理購入」通称「代購」
です。

この「代購」は日本に滞在している中国人留学生などを通じて商品を代理購入して輸入するという方法です。流れとしては日本に滞在している代理人が日本の通販で注文の物を購入し、それを郵便で海外発送するというものが多いとか。
オタク系商品に限らず、ブランド物や電化製品、健康食品、化粧品などあらゆる物品に対して行えますし、もちろん日本だけでなく他の国の中国人留学生の間でも行われています。
中国国内では海外製品の需要が拡大しており、海外にいる中国人留学生にとってもちょっとした小遣い稼ぎになるということで、現在中国ではてこの「代購」という手段がかなり広まっているようですね。
費用はほとんどの場合

商品価格+日本国内郵送料+国際郵送料+代理費用
+中国国内郵送料(代理人のサービス次第)

といった形になるようです。代理費用についてはケースバイケースという感じのようです。

この代理購入については、一般通販サイトと比べた場合だまされるリスクが常に有りますし、そこまでいかなくとも新品が欲しいのに中古で安く済まされたり、税関で引っかかったりして面倒なことになったりするリスクが有るそうです。
しかし、一般の通販サイトでは購入できないイロイロな商品を手に入れることができるのでかなり有効な手段だとか。

他には手軽なところで中国国内でのネットオークションという手段も有ります。
ただこれについては運の要素がかなり絡む上にリスクも高い手段なので、
一番手軽ではあるものの確実性には欠けるという感じだそうです。

とりあえず、中国で日本のオタク関連商品を手に入れる主な方法はこの辺ですかね。
それにしても、私が北京にいた頃に比べてかなり便利で安くなってますね。
良い時代になったもんです。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国でどれだけ酒井法子が人気だったかについて

今日はちょっとオタには関係ない話なのですが、
中国における酒井法子の人気の凄さについて一つ。

実は中国での酒井法子人気については別件で記事を書いていたのですが、
結局使われないことになってしまいまして、ちょうど以前質問もいただいていたのでブログに載っけて活用しようかと・・・・・・
という訳で、以下がその記事になります。


 酒井法子と麻薬に関する一連の事件は大きな注目が集まりましたが、実は中国国内においても非常に大きなニュースとして扱われていました。
 中国のニュースサイトではトップで紹介しているところも有りましたし、中国の国営放送CCTVでも夜7時のニュースで流れましたし、週刊誌のトップニュースになって表紙をかざったりもしました。

 更に中国のインターネットの掲示板では酒井法子が行方不明だという情報が流れると、どこそこで発見された、どこそこで自殺した酒井法子と思われる遺体が発見されたなどのデマが飛び交い

「酒井法子がかわいそうだ!」
「酒井法子、日本に居場所が無いなら中国に来てくれ!」
「酒井法子が中国に来たなら我々は大歓迎するのに!」


 といった感じで酒井法子を心配する声が溢れていました。
 そして、その後の麻薬関連の事件が明るみに出るとネットでは

「信じたくない!酒井法子が麻薬をやっていたなんて・・・・・・」
「何でこんなことになってしまったんだ!?俺はもう何が何だか分からない」
「酒井法子はきっと辛かったんだろう。日本じゃなくて中国で活動していれば良かったのに」
「まだ分からない。警察が言っているだけで、裁判はまだだ!情報が出揃うまで判断するべきではない」


 といった戸惑いや信じたくないといった発言が飛び交うようになりました。
 今回の酒井法子の事件では、事件の起こった日本では無いというのに真実もデマも含めた様々な情報が飛び交い、中国でもかなり騒然としていたようです。

 酒井法子は有名なアイドルの一人でしたから、今回の事件では大きな注目が集まりました。しかし、中国における酒井法子の知名度と人気は日本における酒井法子の人気、知名度とは比べ物にならないほど大きなものでした。どれくらいすごいかと言いますと、一昔前の90年代ごろには日本人と言えば真っ先に酒井法子の名前が出るという感じで、日本人の代名詞となっていたくらいです。

 数十年前に戦争をやったという過去が有りますから、中国における日本や日本人のイメージはお世辞にも良いとは言えません。しかしそんな中でも、中国における日本や日本人のイメージを塗り替えることになった存在が有ります。高倉健、山口百恵、酒井法子、アニメと漫画といった存在がそれぞれの時代で中国における日本のイメージを塗り替えています。

 高倉健と山口百恵は70〜80年代に映画やドラマで大人気となり、今でも中国の幅広い層に根強い人気を誇っていまして、特に高倉健は中国人にとって「男らしい男」の代表的存在となっています。また、アニメや漫画は現在の中国の若者たちにとって無くてはならない娯楽であり、彼等の共通文化と言っても過言ではないほど浸透していて、若者が日本語や日本文化を学ぶ大きな理由になっています。
 そして酒井法子は90年代が青春時代だった今の中国の中核世代にとって「心のアイドル」とも言える存在です。

 90年代は中国が高度成長期に入ってからその発展も目に見えるようになり、一般庶民も実感できるようになってきた頃です。そしてテレビも普及し、テレビが娯楽の中心となってきた時代でも有ります。そんな中、パナソニック(中国語表記では当時も今も「松下」のままですが)のテレビ「2188」のCMに出てきたのが酒井法子です。中国語バージョンの夢冒険をバックに、酒井法子がまばたきしながら中国語で

「2・1・8・8」

 と話すこのCMのインパクトは凄まじいものが有り、このCMを覚えているという中国人は今でも非常に多いです。このCMがきっかけとなって中国における酒井法子の人気が大爆発し、CMで流れていた夢冒険の中国語版も含めて中国全土で大ブームとなりました。

 酒井法子は当時最新の日本企業の製品、そして日本の洗練された文化のイメージと共に現れ、中国のテレビ視聴者に鮮烈な印象を与えることになりました。そして中国に有った可憐で謙虚な日本の女性「大和撫子」への憧れも加わり、酒井法子は「日本の洗練された文化」と「憧れの日本人女性」のシンボルとなっていきます。

 そして更に、当時中国で起こっていた日本のトレンディドラマブームが追い風となります。中国でも「東京ラブストーリー」をはじめとする日本のトレンディドラマが人気となりましたが、酒井法子が出る「ひとつ屋根の下」、「星の金貨」、酒井法子が歌う「星の金貨」の主題歌「碧いうさぎ」も大人気になり、酒井法子の人気は不動のものとなりました。
 こういったことから90年代に青春時代を過ごし、今の中国の中核層にあたる三十台から四十台の人間にとって、酒井法子は忘れられない存在となっているようです。

 そんな中国の人間にとって、今回の事件はまさに青天の霹靂。しかも、中国では社会的に非常に重いものとみなされる薬物犯罪です。中国における薬物犯罪の扱いは、日本に比べて非常に重いものとなっています。麻薬の密輸や販売といった犯罪においても、量が多く悪質な場合は死刑とされるケースも有ります。

 中国で普通の日常生活を送っている場合、よほど興味の有る人間を除いて最近の日本の芸能界についての情報なんて知りません。若い頃に酒井法子のファンだった人達にとって、のりピーはずっと最初に見たときのままでしょうし、人によっては思い出として美化されていたことでしょう。

 そして飛び込んできた今回の事件。中国で酒井法子のファンだった人間にとっては信じがたい話ですし、大混乱が巻き起こるのも当然のことです。中国にいる多くの人間が若き日に憧れていたアイドルの起こした事件、嘆かずにはいられないのでしょうね。


とりあえず、こんな所で。
オタに関係ない話題でスミマセン。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国の学校生活における重要イベント「軍事訓練」

オタクネタとは関係ない話で申し訳ありませんが、昨日の記事
中国オタク的に部活動は夢物語・・・・・・なら定番イベントの遠足は?修学旅行は?
で書いたとおり、今回は中国の学校における重要な行事(?)の一つである
「軍事訓練」
についての紹介を。

さて、軍事訓練という名前からして日本ではドン引きされるかもしれませんが、中国の学校教育における軍事訓練は法律で規定されている国防教育カリキュラムです。

ただ「軍事」とは言っても兵役のようなガチンコのものではなく、
内容的には長時間休み無しで整列、隊列行進を延々と続けさせることによって集団行動を叩き込んだり根性を鍛えるというのが主な目的でしょうかね。
しかしそれでも普段の学校生活からすると非常にハードな内容なので、中国の学校行事における最大の苦行とも言える存在です。

軍事訓練は基本的に小中高大とそれぞれ一回ずつ行われます。
大まかな所で、小中は基本的に整列や隊列行進の訓練、高校からは座学が加わり、大学では一応正規の軍事訓練という形になります。

軍事訓練の具体的な内容については学校ごとに違い、
校内のグラウンドで済ませるところから軍の兵営で行うようなところまで様々です。
また訓練期間についても学校ごとに違ったりするようですが、大体のところで小学校が数日、中学校が1週間前後、高校が1〜2週間、大学が半月〜1ヶ月程度となっているようです。

そして軍事訓練で真っ先にイメージされるであろう「戦闘訓練」については、小中高はほとんどが軍隊格闘術をちょっと教えるくらいですね。
大学ではある程度本格的なものになり、学校によっては実銃の射撃訓練も有るそうですが、これも学校次第らしく、予算と場所の関係でやらないところもわりと有るとか。

軍事訓練は中学、高校、大学では入学直後に行われるのが一般的で、コレによって学生同士のつながりが深まるということも有り、体調不良で参加しなかったり途中で脱落しちゃった生徒はしばらくクラスに馴染めなくなるという悲劇も有るそうです。
私が北京の大学に留学していた時、新入生が真新しい軍服を着て学校内を駆け足行進しているのを見かけるのは中国の大学生活における風物詩の一つでしたね。軍事訓練を始める新入生を見かけると、新学年になったんだなーと感じられました、はい。

ちなみに管理人は中国の現地校に通っていましたが、
さすがに軍事訓練には参加しておりません。

中学では私が転入したときには既に終わっており、
高校のときは学校側から
「参加しないで良いよ、と言うか外国人が参加して何か問題起きたら困るから参加しないでくれ」
と言われたのとメンドクサ……もとい、まだ入学直後で高校生活の準備が終わっていなかった私の思惑が一致して不参加。

大学の時は学校から
「外国人留学生は参加不可、卒業必要単位からは軍事訓練の分引いておくから」
と通知されるといった感じでした。

ただ、中国に滞在する邦人家庭で子供を現地校に通わせている方のなかには小学校の軍事訓練に子供を参加させちゃった方もいましたね。
その参加させられちゃった子が言うには
「きつかった。二度と行きたくない」
とのことでした。外で延々と同じ動作を繰り返させられるのは本当に辛かったそうで。

また私の同級生から聞いた感想も、軍事訓練については
「きつかった」「もうやりたくない」
というような感想が多かったです。

中国の学校生活における「軍事訓練」は勉強の成績が価値基準であり、勉強をするのが大事とされており、ずっと勉強をしていた中国の学生にとって、まさに鬼門の辛い行事となっているようです。

しかしまぁ、前回の記事でいただいたコメントにも有りましたが、男女が参加する共同作業(?)ですし、描き方によっては軍事訓練からはじまる学園恋愛モノなんてのもいけるかもしれませんね。

高校までだと恋愛は保護者がうるさかったりしそうですが、大学生活を舞台にした作品だったら軍事訓練での出会いとか言うのはアリな気がします。

地味な話になってしまいましたがとりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


(修正:リンク先が間違っていたのを修正いたしました。申し訳ありません。)

中国オタク的に部活動は夢物語・・・・・・なら定番イベントの遠足は?修学旅行は?

ちょっと前の中国の高校生の生活

この週末は某PS3ガンダムにどっぷりハマっておりましたが、
フリーモードでやっとズゴックに乗れるようになりました。
これで楽になると思いたいです。

さて、本日のネタは中国オタクとはちょっと離れますが先日の記事
中国オタク的に日本の部活動は二次元世界の夢物語?
について、
「中国の高校生の生活ってどんなものなのか?」
という質問をいただいておりますので、それをネタにさせていただきます。
ありがたやありがたや。

中国の学校生活では部活動があまり現実的な話ではないという理由として、中国の生徒が過ごす学校生活が日本の学校生活とは違うというのも有るかと思います。
とりあえずあくまで一例では有りますが、10年以上前に管理人が現役で北京の高校に通っていた頃の、北京のとある学校での生活を紹介させていただきます。

朝7〜8時くらいに登校。一時間目の授業はじまる前にまず朝自習

2時間目と3時間目の間(学校によって違うらしいですが)全生徒が校庭で体操。
これが学校カリキュラムとして規定されているらしいので、シャツにズボンorスカートの制服を作ったとしてもジャージがメインの制服になる。

昼休み1時間半くらい
(学校の外に出てもOK。私は帰宅して食事してました)

午後の授業、4〜5時くらいに終了。その後に小テスト+答えあわせで2時間程度。

6〜7時くらいに学校終わり。中学(場合によっては高校まで)くらいまでは主に安全上の理由から親が迎えに来る生徒も多い。

その後各教科の宿題、やれたら予習復習。

(2,3時間で終われば良い方でしょうか?まともに全部終わらせるのはキツイので、皆で宿題写しあいをしたりも)

土日は週休二日だが、オリンピック学校などと言われる特別課外特別授業が有る
(本当は特別課外授業をやっちゃいけないことになっているんですが、あの手この手でごまかしてやっているようです。中国では塾や予備校は少なく、私が通っていた当時はほとんど有りませんでした。ここ最近幾らか出てきていますが、日本の塾や予備校のようなしっかりした組織や設備の所は珍しいです。中国では現在も学校の補修や特別授業クラスが塾や予備校的な役割を担っている部分が大きいので、入った学校のレベルが進学する学校のレベルに直結する傾向が日本より強いです)

学年間や他のクラスとの交流は非常に少ない。
特に学年間の交流は少なく「同じ校舎にいるだけ」状態。
運動会や対外試合、文化系の各種イベント等は基本的に選ばれた学生のみが参加。


とまぁ、こんな感じで。
私が通っていたのは10年以上前ですし、今はもっと厳しくなっているそうです。
このように中国の学校生活は勉強にかなり時間を取られるので、
中国の中学、高校生にとって「部活動」というものが学校生活に組み込まれているという話はあまり現実的だと思えないのでしょうね。

勉強以外の活動をやる時間もそうですし、オタク趣味にハマれる時間なんてものもなかなかありません。今の中国オタクの主だった層は大学に入って親元を離れて自由に時間を使えるようになってからハマったというのが多いです。
中学高校時代はちょっとした時間で楽しめる娯楽として、アニメ漫画ゲームが有り、少ない時間をやりくりしてどうにか見ていたくらいでしょうか。
私の世代だと、まだPC=お勉強というイメージが有ったのでPCを「有効活用」しているのも多かったですね。

ただ、完全にガチガチの状態ではなくわりとイイカゲンなところも有りまして・・・・・・
勉強や課題提出などで一定ライン以上のことをやったり、進路の方向性が確定したりしていればあとは勝手にやっていいという空気も有りました。
管理人は高2から一人暮らしを始めて現地の大学に留学生枠を使って受験することにしていたのですが、学校側がそれの準備をメインにやることを許して(お目こぼし)くれたので、そこそこ楽にやっておりました。
クラスメートも、なんだかんだでうまく時間を作ってやっているのが結構いましたね。

それから土日の完全週休二日は日本より早く、90年代半ばからもう週休二日でした。
この土日がポイントで、遊ぶのはこの土日をいかに活用するかが大きかったです。
当然ながら中国の学生は土日も勉強しなきゃいけないのですが、私のクラスメートは学校で勉強する、補修クラスに参加すると言って勉強に参加した後、時間をごまかして遊んだりということも。

物事が嘘か真かを判断する際には自らの知識や経験に照らし合わせて行うかと思います。中国オタクがなぜ日本の部活動が夢物語と思うのかについては、
彼等の経験した学校生活が日本の学校生活とは異なり、
部活動などの学園モノの作品に出てくる要素とは無縁の学校生活だったからではないかとも考えられます。

特に学生時代の場合、自分の知る世界において「学校での生活」が占める割合は非常に大きいのではないかと。
なまじ「学校」という言葉は日本も中国も一緒ですし「同年代の生徒が集まって勉強する」という大まかな所も一緒です。
それだけに、学校というものがどこの世界でも同じようなものであり、学校と言うものは自分の体験しているもので有ると考え、日本の漫画に出てくる部活などの要素が架空のものだと思ってしまうのではないでしょうか。

ただまぁ、この辺については中国で知られている学園モノが超人スポーツやらバトルなんかの作品が多いのも原因ですかね。
スポーツ漫画に出てくる必殺技はあきらかに現実じゃないと分かるだけに、作品のどっからどこまでが本当なのか、かなり判断に迷うなんて話も聞いたことが有ります。

ぐだぐだと長くなってしまいましたがとりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタク的に日本の部活動は二次元世界の夢物語?

中国の最近の特撮番組

先日の記事で中国の濃いオタクがカラオケで歌う曲を紹介させていただきましたが、
アニソンだけでなく、特撮ソングが結構混じっていました。

当然ながら、参加者に特撮マニアの方に足を突っ込んでいるのが混じっていたのですが、
その人物に日本の特撮作品をどれくらい見ているのか聞いたところ、
昭和のウルトラマンと仮面ライダーはほぼ網羅しており戦隊シリーズもかなり見ているとかなんとか。
ついでに特撮の過去作品をどうやって見たのか聞いてみたところ、
台湾や香港で売られたメディアをネットオークションでなんとか入手して見たりしているそうです。

それから、先日いただいた中国の特撮ファンについては質問では
「昭和ライダーに余り興味ないかも知れませんが、どうなんでしょう?」
というお言葉が有りましたが、
どちらかと言えば昭和ライダーの方が良いという感じでしたね。

さて、この話のついでに今回は中国の最近の特撮番組の紹介をさせていただきます。

一つ目は
戦闘王EX
タイツ系のコスチューム(ただし顔部分は透明なので中の人の顔が分かる)を着て、不思議空間でベイブレードっぽいベーゴマ同士による戦いを繰り広げる作品のようです。
とりあえず見つかったOPはコチラ
あと、写真については騰訊網の記事のコチラ
に有りました。

次に、以前からちょっと気になっていた変身ヒーローものの
鎧甲勇士
5人の若手イケメン俳優が変身するといったところなんかも最近の特撮っぽいですね。
OPはyoutubeに有りました
写真については騰訊網の記事のコチラ

どちらの作品も結構良い出来っぽいですな。

中国では90年代にテレビでウルトラマンシリーズが放送され、大人気となりました。
実際、当時の中国の子供たちはウルトラマンのとりこになり、
そういった経験がなかった中国の保護者の皆さんを不安にしてしまい、
暴力的だとかなんとかの理由で新聞等のメディアにおいて批判の槍玉に上がるくらいでしたから、その人気はかなりのものだったのではないかと。
そしてそれを見て特撮ファンになった世代の人間がぼちぼち制作の現場に入っているそうです。

中国は自国産のコンテンツを作ろうとここ数年アニメ産業に対する支援制作を採っています。ただ、アニメと言っても、その対象はいわゆる「CGアニメ」なので日本でイメージされているものとは少々異なります。
そして、特撮もCGによって作られる部分が多いということで中国では実質的にアニメのカテゴリに入っていますし、特撮系の作品も機材や人材育成についての恩恵を受ける事ができるとか。

現在中国のCG技術は既にかなり高いレベルになっているようですし、
マーケティングと中国特有の番組制作許可といった辺りの問題をクリアーできれば良い特撮作品を作っていけるんじゃないでしょうかね。

とりあえず、こんな所で。
ツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国オタクの精鋭達がカラオケで歌う曲

中国で人気の徳川家康、その原因は三国志品評の著者かも?

以前、
中国で徳川家康が人気なのは本当か?
という質問をいただきました。

実際の所どうなのかは私にも分からなかったので後回しにしていたのですが、
先日北京に行った際に西単の図書大厦にある中国最大級の新華書店に行って見たら
山岡荘八の徳川家康をメインとした日本の戦国時代小説の翻訳版が
「新刊オススメ」
として本棚一つを占領していました。

家康本棚01家康本棚02







見ての通り、徳川家康の人気は確かなようですね。
これについて知り合いと話した所、ここまで爆発的に流行っているのは
「易中天がオススメだと言ったからかもね」
という話を教えてもらいました。
それはまた有りそうな話だなーと、私もちょっと思ってしまいました。

ちょっと説明させていただきますが、
易中天という方は現在の中国文壇における新説書(新講談)時代を代表する人間で、
現在も大人気の文人です。
中国文壇のみのもんたと言えるような存在かもしれません。

易中天は中国中央電視台(中国におけるNHKみたいなもんです)の番組
「百家講談」における歴史の講義をきっかけにブレイクし、
そのユーモラスな分析により「お堅い」歴史モノを噛み砕いて話し、多くの視聴者を獲得しました。「品三国」(三国志品評)などの著書もバカ売れしているそうです。

この人気は、
安易な娯楽番組に飽きていた中国の一般視聴者にとって
重厚な歴史をネタにした歯ごたえの有る番組がウケたと言われています。
また、ちょっとした小ネタのツッコミを入れたり、
現代社会の話に置き換えたり原文にあるような古文的表現ではなく現在の言葉での比喩を使うなど、分かり易く、突っ込みどころも示してくれる、
マジメでお堅いだけではないという「三国志」
「古典や歴史をネタにしても構わない」

というのが衝撃的だったとも。

しかし、この新たなジャンルが圧倒的な人気となってしまっただけに、
結構な批判も出ているそうです。
易中天は文化の通俗化だとか文化の堕落化だとかで批判の的になっているとかなんとか。内容的に確かに問題の有る部分も少なくないそうですが、この辺の事情については単純な話ではなさそうです。

それまでも、
三国志などの古典歴史モノをネタにしたものが無かったわけではないのですが、
中国では
古典や歴史は「改変しないでオリジナルのまま」でなければならない
という観念みたいなものが存在しまして、
伝統作品の「改変」や「編集」「翻案」への批判がかなり厳しく、
特にテレビなどの公共のメディアでそういったことをやるのはある種のタブーでした。
易中天への批判も、こういった背景が影響しているのかもしれませんね。

しかし、厳しい批判が巻き起こりながらも
「学術の娯楽化」とも言われるこの新たなジャンルの勢いは止まらず、
易中天の後にも紀連海、于丹といった新たなスターが出現しています。

結局の所、
徳川家康の人気に易中天効果が影響しているのかどうかは分かりませんが、
易中天などによって進んだ歴史、古典作品の大衆娯楽化の流れと、
そのジャンルの新たな作品への欲求に対して
徳川家康という質量ともに十分なコンテンツがうまく合ったために人気が出ているというのは確かに有るのではないかと思われます。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

北京で開催の成田剣さん&山口勝平さんのイベントは大盛況でした その3とこぼれ話

昨日の夜、日本に帰ってきました。
今回の北京行きはいろんな方にお世話になったり遊んでもらったりと、
おかげさまでとても充実したものとなりました。
北京の皆様、どうもありがとうございました。

さて、前回前々回に引き続いてイベントレポを。
共同アフレコの次は
声優さんへの質問コーナー

成田さんと山口さんに、
事前に準備したもの+会場のお客さんからの質問を答えていただくコーナーでした。
お二人はここでもいろいろとサービスたっぷりのお話を。

それにしても、中国オタクの方々は声優に詳しいですね。
「仲のいい声優さんは?」といった質問に、
お二人が誰々さんと答えると通訳が入る前にもう歓声が上がっていました。

お二人の誕生祝い

これはイベントが始まる前にスタッフから観客の皆さんへこっそり説明が有った、
山口さんと成田さんには秘密で準備していたサプライズでした。
誕生ケーキが出てきて、観客全員でハッピーバースデーの歌(中国語版)を歌い、
お二人にロウソクの火を吹き消してもらいました。

この後は別室での握手会となりましたが、メインの部分はここまでですね。
大盛況の中イベントは無事終了しました。

また今回のイベントについては
今回MC&同時通訳をして下さった中国国際放送局の王小燕さんの連載
CRI WebRaido【つばめのス】Vol.21外国語学習〜その2
でも紹介されています。
記事の中には成田さん、山口さん、福島さんへのインタビューも有ります。


それから今回のイベントについてのこぼれ話などを幾つか。

ハプニング
今回のイベントはほぼ問題なく進んだのですが、
ちょっとしたハプニングが一つだけ有りました。
天井から吊るされている照明のカバーが壊れてしまった(幸い落下は無し)という事故だったのですが、原因は
観客の歓声が大きすぎた
ということでした。

会場の照明は200デシベルまでは確実に安全な設計だったのですが、
今回のイベントでは歓声の音量が300デシベルにまでなってしまい、その結果カバー部分が壊れるという事態になってしまったそうです。

チケット販売
チケットは募集開始後約1日であっさり完売。
売れ行き好調間違いなしと信じていたスタッフも予想だにしない早さだったそうで。

一応現地オタクコミュニティを通じての事前告知はそれなりにやっていたらしいのですが、さぁ本格的な宣伝を・・・とやる前に終わってしまったとかなんとか。
どうやら女性ファンの方の間での口コミがものすごい速さで伝わってこの状況になった模様です。
男の方が買おうとした頃には既に全滅していたらしく、次回またイベントをやるならこの辺をどうにかして、もうちょっと客層に男性ファンが入るようにしたいという話も。

ショートストーリーのために現地スタッフが準備した素材
やんちゃなアイドル悠志(CV:山口勝平)
アイドル01アイドル02











ミステリアスなマネージャー中尾(CV:成田剣)マネージャー01マネージャー02













背景
背景






今回のイベントの中心となったサークル「次世代」の今後の活動
当面の目標としてまずは夏コミ参加を目指して動いているそうです。
「北京の知り合いでは次世代を含めて3つのサークルが申し込みをしているけど、
その中のどれか1つでも通ってくれれば」
とのことです。

北京でのイベント開催については準備期間を少なくとも半年は取りたいそうですし、
清華大学のサークル次世代による主催という形でのイベントはしばらく無いかと。
ただ、別のところのお手伝いに動くことは有るとのことですので、何かしら動きは出てくるかもしれませんね。


それにしても、
まだ私が留学生だったとき、今回のイベントのメインスタッフの面々と
「北京でちゃんとしたオタク関連のイベントやりたいよなー。日本から声優さんを呼んだりとかしたいよなー」
などと管を巻いたりしていたのですが、その頃のことを思うと何やら非常に感慨深いものが有ります。

最後になりますが、
今回のイベントに関わった皆様、見に来てくださった皆様、
どうもお疲れ様でした。
そして本当にありがとうございました。

北京のイベント準備風景

北京で開催の成田剣さん&山口勝平さんのイベントは大盛況でした

北京で開催の成田剣さん&山口勝平さんのイベントは大盛況でした その2

北京で開催の成田剣さん&山口勝平さんのイベントは大盛況でした その2

では、前回の記事
北京で開催の成田剣さん&山口勝平さんのイベントは大盛況でした
に続いて北京でのイベントレポを。

決め台詞コーナーで盛り上がった勢いは全く衰えず次へと進みます。

オリジナルショートストーリー

今回のイベントをプロデュースしてくださったウォーターオリオンの福島央俐音さん脚本のオリジナルショートストーリーを、
現地スタッフによって準備された、
イラストに登場人物の台詞(中国語訳)が表示されるという、
どこかのノベルゲーのような素材にあわせてお二人に演じていただきました。

ショートストーリーの内容は
やんちゃな若手アイドル(山口勝平)とミステリアスなマネージャー(成田剣)のお話。
過激な描写は特に無く、表面上はBLの雰囲気漂う普通の(?)友情ストーリー(ただし妄想の材料は豊富)でした。

涙声になったと思えばテンションの高い演技へ移るというプロの演技、
そして妄想を刺激される台詞や展開などなど。
このコーナーも観客の皆さんに大受けとなっておりました。

共同アフレコ

ここではウォーターオリオン様から提供していただいた素材の
OVA「サヨナラ、みどりが池 〜飛べ!凧グライダー〜」
を使って、中国の一般参加者が成田さん&山口さんと一緒にアフレコを行いました。

組み合わせは成田さん&山口さん+一般の中国人ファン(男女各1名)で2回という形で行われ、一般参加の中国人の方も全員日本語が非常にうまい上に、非常に頑張って演技をしておりました。
更に山口さんがアドリブを飛ばして成田さんがきっちり返すといったプロの技も飛び出したりと、ここでも観客大喜びでしたね。

ただ、ちょっと気の毒だったのは女性のアフレコ参加者の方。
何故かと言いますと、
当日会場設備の方でマイクスタンドを2つしか用意できなかったため、
共同アフレコでは1つのマイクスタンドを声優さんと一般参加者二人で使うという形になってしまいました。

コレ自体はある意味役得だとは思うのですが、声優さんとお近づきになれるということで、参加者の方に対して歓声に混じって嫉妬と怨嗟の悲鳴(?)も飛んでおりました。

特に女性参加者の方への怨嗟の声は凄く、
最後に参加者が成田さんと山口さんと握手して退場というとき、私の前の席に座っていた女の子から
「去死(死ね)」
という言葉が飛んでいたのは怖かったです、はい。
何と言いますか、参加者の方の無事を祈らずにはいられませんな。

とりあえず、この辺でまた区切りを。
レポはたぶん次で終わらせることができると思います。

北京で開催の成田剣さん&山口勝平さんのイベントは大盛況でした

北京で開催の成田剣さん&山口勝平さんのイベントは大盛況でした その3とこぼれ話

北京で開催の成田剣さん&山口勝平さんのイベントは大盛況でした

さて、遅くなりましたが5月23日に北京で行われた
成田剣さん&山口勝平さんをお招きしてのイベント
「无敌的我们」
の様子を紹介させていただきます。

写真はまだ使用OKな公式のものが準備できていないそうなので、
まずは文字だけになってしまいますがどうかご容赦を。

イベント当日、
今回のイベントのプロデュースと司会をしてくださったウォーターオリオンの福島央俐音さんが13時ごろにまず会場入りし、その指示のもと舞台の調整や流れの確認。
準備が進むなか、1430に成田剣さんと山口勝平さんが無事北京へ到着されたという一報が入り、スタッフ一同まずは一安心。

もし飛行機が半日遅れるといった事態が発生したらイベントが崩壊してしまうので、
飛行機の到着が最大の懸案事項だったとのことです。

そして15時30分頃、予定通り主役のお二人が到着。
現場スタッフの皆さん、テンション最高潮に。
リハーサルでは幾つか問題が発生したものの、どうにか修正も完了しついに開場、
そして満席に。
ちなみに今回の客層は約95%が女性だったそうです。
女性の方がいざという時行動力が有るのはどこの国も一緒なんでしょうかね。

そしてお二人の登場の時が来ます。
私は「おお、ついに!」などと考えていたのですが、そんなものが全て吹き飛ぶような絶叫(?)が響き渡りました。
もう、キャーだかギャーだか分からない黄色い叫び声が会場全体に。

お二人の登場に合わせて、現地ファンの描いた犬夜叉&殺生丸の画が表示され、
お二人がちょっとコメントをしてくださったのですが
鉄砕牙!
死ね!

のお馴染みのお言葉に会場さらにヒートアップしておりました。

どうやら会場にいらっしゃった方の中に日本語がそのままわかる方がかなりいらっしゃったようで、MCさんの通訳を介さないでもバンバン反応が来ておりました。
山口さんも成田さんもノリノリで、会場は最初から最後までハイテンションでした。

では、以下に各コーナーの説明というか紹介を。

決め台詞コーナー

ネットで募集した、お二人の演じられたキャラの台詞をしゃべっていただき、そのキャラについての思い出を語っていただくというコーナー
ここで出てきたのは
十二国記の六太 
コード・ギアスのジェレミア(オレンジ) 
デスノートのL 
アンジェリークのアリオス 
ワンピースのウソップ 
どれもこれも、台詞が飛ぶ度に喜びの絶叫が響き渡っておりました。

そして一番反応が大きかったのは
「無敵な僕ら」のなかでの智司役の成田さんの台詞
「渉、君を抱かせてくれ」
でございました。
この台詞のときは、もう会場がスンゴイことに。

更にお二人もBLネタのサービスをしてくださいましたが、

山口さん「なんで俺たち北京まで来てこんな話を」
成田さん「BLは国境を越える!」


のお言葉に会場はドッカンドッカンと沸きに沸いておりました。
そしてこの流れで犬夜叉&殺生丸の会話に行くというとても美味しい流れ。
会場の皆さん大喜びでしたな。

とりあえず、今回はこの辺で一区切り。
続きはまた次回に紹介させていただきます。

北京で開催の成田剣さん&山口勝平さんのイベントは大盛況でした その2

北京で開催の成田剣さん&山口勝平さんのイベントは大盛況でした その3とこぼれ話
百元籠羊
十数年の中国生活をとりあえず終えて帰国。のんべんだらりと生息中。
中国でのエネルギー源は刀削麺と煎餅果子(中華クレープ)でした。最近は日本でも刀削麺の美味しいお店が増えてきて嬉しいです。

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ちなみに「中國宅宅的憂鬱:日本萌力,平息中國人的怒氣」というタイトルで中国語繁体字版も出ております。 こちらの記事で書籍内容についての簡単な紹介をさせていただきました。
「日・韓・中 トンデモ本の世界」で、中国オタク事情に関するコラムを2本書かせていただきました。

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