「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む

記憶が薄れる前に書いておこうと、北京において行った「文化交流」という名のオタク活動やその方面のネタを適当に綴っております。

オタ中国人の憂鬱アップデート

中国パクリ「潔癖」事情、補足 ヒカルの碁のパクリ作品についてなど

ダ・ヴィンチニュースの方で
中国のオタクは、実は日本以上にパクリに潔癖だった!(ダ・ヴィンチニュース)
というコラムを書かせていただきましたが、ありがたいことにコラムに関する質問をいただいておりますので、その辺りも含めた補足をちょっと書かせていただきます。


・中国パクリ作品事件史?
コラムの中で言及した「ヒカルの碁」、「秒速5センチメートル」のパクリ作品ですが、
秒速5センチメートルの件は、
「心灵之窗(心の窓)」
という作品で、当ブログでも昔記事のネタにしたことがありますので、よろしければご参照ください。
中国のパクリアニメ。今回は秒速5センチメートルから

そしてもう一つの「ヒカルの碁」のパクリ作品ですが、こちらは
「棋魂」
という小説です。

実は「棋魂」というのは「ヒカルの碁」の中国語タイトルでもありまして……
一応この作品が出て炎上した2004年当時では中国のファンの間では「ヒカルの碁」の中国語タイトルは「光之棋」或いは「棋魂」といった扱いになっていたようで、まだ中国国内における「ヒカルの碁」の中国語タイトルが固まっていなかった面もあったらしいのですが、それでもかなりアレなタイトルを付けたのは間違いないですね。

また内容に関しても、
「主人公の少年が唐代から千年の時を経て存在している囲碁の精(?)『上官天行』に出会い、その指導により棋士として成長していく」
というものだそうで、詳しいストーリー展開はさておき出だしの部分はわりとあからさまに「ヒカルの碁」と重なっているそうです。

ちなみに中国オタクの方によれば、
今となっては確認のとれない話ではあるものの
「サイン会にヒカルの碁のファンが現れ、この小説を作者の前で引き裂いた」
などという伝説もある作品だという話です。

この作品に関する大炎上は2004年頃の話ですが、ちょっと探してみた所、
昔のニュース記事(中国語)
が見付かりましたので、よろしければご参照ください。こちらのニュースでも、サイン会に関するゴタゴタが言及されていますね。


・「名作を変えてはいけない」ことに関する補足
コラムの方で中国には
「名作を変えてはいけない、いじってはいけない」
といった名作の「再構成」自体をタブーにするある種の美意識のようなものがあり、それが中国のオタク界隈の一部でオタク的な名作のパロディやオマージュが「名作」の改変、冒涜と考えられてしまうことにもつながっていると書かせていただきましたが、中国オタク界隈で見受けられる傾向としてもう一つ
「その名作に関してファンが分析する際に、影響を与えた作品に関して遡らない、それどころか遡ることを喜ばない」
というややこしい部分があったりします。

この辺りの、ある種の頑なさに関しては
「自分の原体験」
であるというのが大きいという話も聞きますね。

中国本土では大衆娯楽が非常に少ない時代が続きましたし比較対象となる作品が少ないこともあってか、人気作品のファンが増大し堅固なファンコミュニティが形成された場合、そのコミュニティにとっての「経典」(名作)となる作品が極めて強烈な存在となってしまい、それと同時にある種の絶対的な扱いというか、先入観的なものも形成されるのだとか。

そしてその結果、
「自分の原体験の作品のパクリに思える作品」
に対して非常に強烈な反応をしてしまう面もあるという話です。

ちなみにこの「遡りたがらない」件ですが、例えば中国オタク界隈における古典的人気作品の「Robotech」と「マクロス」の関係もそういった所があるそうです。

「Robotech」はハーモニー・ゴールド社により「マクロス」と「サザンクロス」と「モスピーダ」の三作品をアメリカ向きの内容にして一本に再構成した全85話となった作品で、第一部の「マクロス・サーガ」が超時空要塞マクロスの内容にあたります。

この作品が91年頃から中国のテレビでも放映され大人気となり中国に多くのファンを作ったそうですが、中国の古参のオタクの方の話によれば熱心な「Robotech」ファンの間では「Robotech」のテレビ放映の後に日本の「マクロス」の情報が入っても、「マクロス」を認めない人が少なくなかったという話です。
VF-1などのメカの人気はあっても、日本の「マクロス」の方のファンがきちんと構築されるのはそれこそ「マクロスプラス」や「マクロスF」などの「日本のマクロスの続編」が入ってからだった模様です。

一応90年代後半頃には既に日本の「マクロス」と「Robotech」の違いやそれぞれの成り立ちに関する情報自体は徐々に広まりつつあったそうですが、中国の「Robotech」系コミュニティの変化はあまりなく、そして今でも中国のRobotechファンの間ではマクロスの扱いは非常に微妙なもの、アンタッチャブルなものという扱いになっており、なかなか「Robotechもマクロスも両方楽しめばいい」といった気楽なスタンスでやっていくという風にはいかないそうです。

極端な所では、
「Robotechのもとになった作品がマクロスだとか、マクロスと他の作品を切り貼りした結果がRobotechとか、そんな情報はいらない!ファンの夢を壊すな!」
といった形で、イロイロとこんがらがった反応が出て来てしまうそうです。


・そもそも三国演義や水滸伝がパロディでは?
中国におけるパクリとオマージュ、パロディに関して、
「そもそも名作扱いの三国演義や水滸伝が史実をもとにしたパロディでは?」
といった質問をいただいておりますが、実は現在の中国ではこの辺りに関しては明確に「分けて考えられる」ものになっているようです。

三国演義や水滸伝などの四大名著クラスの作品は既に文芸作品、「経典」(名作)枠に入ってしまっているので、文化、政治関係のコンテンツになっているということから、中国ではパロディ作品だという認識はなかなか出てこないという話です。

現在の中国の創作に関する環境や扱いは独特なものがあり、文芸枠、名作枠に入ってしまった作品に関しては、政治的な要素も絡んだ文化的な作品になります。
そして作品に関する基準も共産党やお偉いさん基準になるので、なおさらパロディで軽く扱うのは難しくなってしまうそうです。


・同人のパロディの扱いはどうなのか?
パロディの感覚や方向性に関しては日本と異なる部分も少なくありませんが、中国の同人界隈においてはパクリやパロディがかなり許容されています。一般のコンテンツにおけるパクリに関する敏感さと比べると、同人界隈の異質さがかなり際立ちますね。

これに関しては、同人文化及び同人作品の楽しみ方が中国では日本からの輸入により形成されてきたから……というのがあるそうです。また、同人上がりのコンテンツ(例えば「十万個冷笑話」のような)の場合は、パロディ満載でも「恶搞」(ネタ)ということで許容してもらえることが多いそうです。これは最初から商業作品で展開されるパクリとは、明確に違うものだと認識されているのだとか。

これらの感覚について聞いてみた所
「同人は最初からパクリ、パロディ、二次創作だと分かる。しかし商業作品はパクリを自分のオリジナルにしようとするからダメといったように極めて厳しくなる」
「同人作品でも有名になってから自分のオリジナルだと強調しだしたらダメ」

といった見方になるという話でした。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

「日・韓・中 トンデモ本の世界」にコラムを書かせていただきました

今回はちょっと宣伝を。先日出た
「日・韓・中 トンデモ本の世界」

で、中国オタク事情に関するコラムを2本書かせていただきました。

と学会本なので私なんかよりもよほどスゴイ方がイロイロと書いていらっしゃいますし、私のコラムが微妙でも十分以上に面白い内容になっていますので、どうかよろしくお願いします……!

私が書かせていただいたコラムは中国オタク事情における
「現地のタブー」
「日本の作品の受け入れられ方」

についてです。

ブログではまとめたり詳しく書いたりするのが難しい内容を書く機会をいただけたのはとても有難かったですし、トンデモ本シリーズなので読者層も濃いということで「ある程度濃い方向で書いてもOK」と、昔出したブログのまとめ本よりもツッコんだ内容を書けたのも楽しかったですね。


それから、少々言い訳のようなものを……
「日本の作品の受け入れられ方」では、中国に入った日本のオタク系のコンテンツがどういった形で広まっていったのかについてを、最初の白黒テレビの頃から現在の動画サイトにおける配信までの流れや時代ごとの事情や背景に関して書いています。

しかし、当ブログの記事
中国の日本アニメ公式配信全滅か? 政府の通知をそのまま読めば現状の配信形式は不可能に

でも書きましたが、先日出た中国政府の通知により中国におけるオタク系コンテンツの流通状況がまた大きく変化しそうな気配となっています。

一応現時点では10月の新作アニメに関してはそれほど影響は無いようだといった話も聞こえてはきますが、今後どうなるかは分かりませんし、現在行われている日本とのタイムラグ無しでの配信が難しくなる可能性は高いようです。

そんな訳で、「日本の作品の受け入れられ方」については上の記事と一緒に読んでいただければ幸いです。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国ファンサブグループ「字幕組」の黄昏? その2 字幕組の活動が最盛期に比べて落ち込んでいる理由

前回は中国オタク界隈における字幕組の活動の背景やその変化について紹介させていただきましたが、今回はその字幕組が現在直面している「公式配信の急増」などによる影響に関して大雑把に紹介させていただこうかと思います。

中国のオタク界隈における字幕組の存在感は非常に大きなものがありました。その合法性はともかく、オタク系コンテンツ供給の大元になっていたのは間違いありませんし、字幕組の最盛期では、中国におけるアニメの人気と流行、作品に対する感性が字幕組によって作られていたといっても間違いではないかと思われます。

またこういった背景があるので、中国オタク内では字幕組の活動を違法だと知りつつも、切り捨ててしまうのは感情的に納得しきれない面もあるようです。現在の中国のアニメ人気やオタクコミュニティはそういった非正規、違法コンテンツの上に発展してきた経緯がある上に、ファンサブ活動を実際に行っていた人間がマニア層には少なくありません。

最近は現地のオタク層にもファンサブ活動が一般的にはアウトなモノであるという知識は浸透しているようですが、面と向かって完全否定される、一律に悪だとバッサリやってしまうと不快に感じるという話も聞きます。

しかし、そんな字幕組の活動も現在は最盛期に比べて徐々に落ち込んでいっているようです。
その原因として大きいのはアニメの正規配信の増加だと思われますが、なぜ今になってこういった影響が出るようになったのかについて考えてみると、以下のような要素が思い当たります。


・字幕組を取り巻く環境の変化
まず、ここしばらくの間で中国のネット業界における競争と淘汰が進んだことによって中国の動画サイトの勢力図が変わり、現在は大手が数サイト生き残る結果となったという点があります。

これにより、生き残った大手動画サイト同士が小競り合いを避けお互いの面子をある程度尊重するようになり、版権獲得作品の削除要請もスムーズに行われるようになりました。この辺は2011年に土豆がテレ東から番組を大量に獲得したと言うニュースが流れた当時と比べてかなり大きな変化ですね。

そして正規に権利を取得した現地動画サイトが自己の利益を護るために動画サイトの非正規動画の削除(及び他の動画サイトへの削除要請)を迅速に行うようになるいうことは、非正規のファンサブ動画をアップロードする集団への圧力にもつながります。

これによりファンサブ動画をアップし難い、アップしても消されてしまうといった状況になったので、動画サイトを主な活動の場所に移していた字幕組にとっては結構な打撃となったそうです。

更に、今までは原則中国国外からになるのでロジック的には可能ではあるもののコストや手間の面から現実的ではないだろうということで、中国オタク内では意識されることのなかった「権利者による侵害対策」が、国内の企業が権利を取得したことにより現実味をおびてくることになりました。そしてその結果、リスクとまではいかなくとも
「プレッシャーを感じる」
ようになったのは確かだそうです。


・ダウンロードには戻れない
動画サイトに関しては大手サイトのパワーバランスの変化に加えて、最近の中国オタクのオタク的ライフスタイルにおいて、動画サイトの存在感がこれまでに無いほど強くなっているという点もあります。

ネット環境やツールの整備向上もあり最近は見る側もいわゆるニコニコ動画的な弾幕コメント系のサイトにおいて、疑似同期で見る楽しみ方に慣れてしまったので、
「もうダウンロードして一人で見ていた昔には戻れない」
といった状態になっている人が少なくないそうです。

自分達のアップした動画に関して反応があるというのがファンサブ活動の大きなモチベーションになっていますから、アップする側も
「ダウンロードして見ればいい」
とバッサリやるわけにもいかなくなっているようです。


・「人気獲得」「支持獲得」のできる作品の予想が難しくなってきた
次に、日本の新作アニメの傾向の変化があります。
最近はオタク向け的な作品を中心とする深夜枠アニメの増加もあって1クールアニメがいよいよ増えてきていますし、「新番」のアニメが毎期ごとに出てきて放映中の作品もどんどん入れ替わります。そのため字幕組がファンサブ字幕を付けるアニメ作品の選定が難しくなっているそうです。

字幕組のモチベーションの重要な要素として
「注目を集めて人気になる」
「自分達が加工してアップした動画が多くの人に見てもらえる」
というのがありますから、字幕組としては
「人気アニメ、大作アニメに字幕を付けたい」
という考えになります。

昔は作品の入れ替わりが今ほど激しくなかったのに加えて、中国オタク内に入る情報の量も限定的だったので中国オタク内でウケる、話題になる作品の予想に関しては分かり易い所もあったのですが、最近は番組も増えていますし、人気になる作品を予想するのがいよいよ難しくなってきているかと思います。
実際、最近は毎期ごとに予想外の面白さでダークホース的な人気を獲得するアニメが出ていますしね。

そして手間をかけて字幕をつけても作品があまりウケなければ見る人間も増えず反応も目立たないといったことになりますから、加工した側としては徒労になる(と感じる)ケースも増え、モチベーションの維持が難しくなってきているという話です。


・公式字幕とのクオリティ差の縮小、或いは逆転
そしてもう一つ、ファンサブが中国オタクの間で高く評価される理由であった
「公式や海賊版よりも字幕のクオリティが高い」
という点に関しても変化が起きています。

昔は字幕組によるファンサブ字幕は
「作品への愛があり、作品を理解している人間が翻訳しているので商業的な字幕よりレベルが高い、面白い」
とされてきましたし、実際昔は海賊版ではない商業的なモノでも、アニメ関係についての知識がある人が少なかった上にやっつけ仕事ということも珍しくなく、レベルの低い字幕が少なくなかったそうです。

以前の記事でも紹介させていただきましたが、最近は本腰を入れてアニメの公式配信を行う所が増えてきたことから、公式配信の字幕のクオリティがかなり向上してきており、現在はファンサブ字幕との差も縮小して見方や好みによっては逆転しているケースも出ているそうです。

ここ数年の間に中国では若い日本語スキル持ちの人間が増加し、それに加えてネットの進歩によって翻訳サイトなどのツールが進化し、参照できる例文や用語も増加しています。更に日本の文字放送による補助もあり、昔に比べて翻訳がかなりやり易くなってきています。

もちろんファンサブグループ側もこの恩恵を受けてはいるようですが、ツールや人材を活用できるのは公式配信側も同じです。それに加えて公式配信側は映像データだけでなく資料や台本といったものまで公式ルートで迅速に入手できるという、ファンサブグループが持ちえない強みがあります。またアニメや漫画を見て育った世代、「分かっている」世代が社会に出ていますから、公式側にいる人間に「オタクの知識がある」ケースも珍しくありません。

そのため、現在は字幕翻訳のクオリティにおけるファンサブと公式配信の差はそこまで絶対的ではなく、好みの差を考慮しなければ、むしろ資料や組織のバックアップのある公式配信側の方がクオリティ面で安定していることすらあるようです。

しかも大多数の人間にとって、違和感のないレベルの翻訳であれば細かい翻訳センスに関する差についてそこまで明確には感じられません。特にアニメはライトな層が大量に見ているものでもあるので、一部のマニアやじっくり何度も見る熱心なファンでもない限り、字幕の質に関しては一定以上であればOKといった所もあります。

新作アニメに関しては「早さ」が求められる所がありますし、趣味でやっている人間が多いファンサブはどうしてもムラが出ます。
一定以上のクオリティの字幕を定期的(しかも番組データがネットに流れてから可能な限り早く)に供給するという点において組織のバックアップやリソースのある公式配信側と競うのは段々と厳しくなっているそうです。

それに加えて、中国のファンサブ界隈においては人が入れ替わる際にファンサブ関係の技術、翻訳や字幕加工のノウハウなどの技術の継承があまり行われていないというのも、「公式との差」という点で考えた場合に無視できない要素になってきているそうです。

ファンサブは基本的に趣味でやっている人が多く、忙しくなったり仕事をはじめたり他に興味を覚えるものが出たらやめてしまう人も少なくないので、日との入れ替わりもそれなりに多いので、クオリティの安定と向上という面ではなかなかに難しい所があります。
それに対して企業の方はノウハウの蓄積や引き継ぎが行われますし、開始当初はグダグダな字幕であっても、商売でやっているのでいずれはそれなりのもの、「見れる」レベルまで引き上げて来ます。


・アニメ字幕の有難みが薄れた、手間の割に評価されない
最後に、中国のネットの状況の変化や、ファンサブ字幕を付ける側の事情に加えて、ファンサブ字幕加工されたアニメを見る受け手側の中国オタク層の意識が変化している点も無視できません。

これは言ってしまえば、ファンサブ字幕加工されたアニメの
「有難みが薄れてしまった」
という所でしょうか。
少なくとも昔に比べて字幕組の加工した動画が有難いとされなくなっているのは確かなようで、下手すれば「あって当然」みたいな扱いをされてしまったりもするようです。

受け手側がファンサブ字幕付きのアニメがあるという環境にすっかり慣れてしまっている上に、公式配信によるアニメも増加しているわけですから、昔に比べて「餓え」のようなものは薄れています。
見る人間の感謝が無くなったわけではないでしょうが、あって当たり前的な扱いも見え隠れするようになってきているそうです。

しかも情報や比較対象が増えている上に、フォーラム以外にもweiboやコメント付き動画サイトなど手軽に参加できるネットの交流媒体が増えて来ていることから、昔に比べてクオリティや間違いに関する批判や揚げ足取りをされ易くなっています。

そんな訳で、ファンサブ活動をやっている側からすれば
「やってられない」「割に合わない」
という考えにもなってしまうそうで、最近はどうせ翻訳するなら、
「アニメ以外の方が楽だしウケる」
ということで、日本語スキルを持っている人間がアニメの字幕以外のジャンルに流れているという話です。

最近そういったファンサブ翻訳関係で人気や需要があるのは日本のオタク界隈の最新情報や、業界情報、ディープな日本事情、クオリティの高いオタクネタやら同人誌といったものだそうで、現在はその辺を中国語化する方が注目されてウケを取れるといった考えも広まっているそうです。

コチラに関しては競合する相手が少ない上にクオリティに関する要求もそれほどでは無く、しかもアニメのファンサブ字幕に比べて労力が少なくなるケースも多いですから、現在のアニメのファンサブ字幕にかかる労力と返ってくる反応を考えると、「アニメよりも楽だしウケる」という所は確かにありそうです。



グダグダと書いていたら妙に長くなってしまいましたが、以上のような要素が影響して中国のアニメのファンサブの動きに勢いが無くなってきているのではないかと思われます。

最近の中国オタク界隈では、技術と環境の面に加えて、モチベーション的な面もあり、アニメのファンサブ活動というのが昔に比べて
「楽しくてウケる、評価される」
ものではなくなってきているのは間違いないようです。ファンサブ加工自体は昔に比べて簡単になっているとは思うのですが。

ファンサブで加工されたコンテンツが勝手にネットにアップされてしまうことは、日本語のオタクコンテンツが出続ける限り無くなることはないでしょうし、アニメのファンサブが消えることも無いと思います。
しかし、昔のような中国オタク界隈における根幹的な要素ではなくなっていくのではないか……という気もしますね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国のアニメファンサブグループ「字幕組」の黄昏? その1 中国でファンサブが盛り上がっていった流れ

中国のアニメファンサブグループ「字幕組」の黄昏? その1 中国でファンサブが盛り上がっていった流れ

元旦の休みでグダグダになっていますが、このままだと際限なくだらけてしまいそうなのでちょっと更新を……

振り返ってみれば昨年も中国オタク関連でもイロイロなことがありましたが、中国オタク界隈における最も大きな変化は
「アニメの公式配信の急増」
ではないかと思います。

2011年に暴動関連のゴタゴタが起こり、中国国内で開催予定の各種イベントが大はアニサマから小は同人系のイベントまで中止や延期になるのを見たときは本当に頭を抱えたものですが、そこから一年程の時間でここまでの状況になるとは……・一昔前までは、中国でこんなに多くの日本のアニメが権利の取得のもとで配信されるようになるとは夢にも思いませんでしたね。

さてこのネットにおける日本のアニメ配信の増加ですが、当然ながら中国オタクの面々のオタク的ライフスタイルを大きく変えることにもなっているようです。

このブログをわざわざ読んで下さるような方はご存知かと思いますが、中国に日本のアニメが広まったのはテレビの放映の他にも海賊版やネットなどの非正規ルートの影響が大きく、特に00年代後半以降においてはネットによる非正規ルート、特に中国語系のファンサブグループ、通称
「字幕組」
によって加工されて拡散された中国語字幕付きアニメの影響は非常に大きなものでした。

このアニメにファンサブ翻訳の字幕を付けてネットに勝手にアップしてしまうファンサブ活動には著作権やファンの態度といったことなどに関してイロイロと問題があるかと思いますが、その辺については既にイロイロな所で語られていますしとりあえず脇に置いて、中国オタク界隈における字幕組とその周囲の環境の変化に関してを例によってイイカゲンにまとめて見ようかと思います。

そんな訳で今回はまず「字幕組」とその背景の流れに関して大雑把に紹介させていただこうかと思います。


・字幕組活動初期
中国本土でファンサブ活動が広く行われるようになったのは、00年代の半ばごろからだと言われています。ファンサブ活動を行う上では、「アニメのデータ」、「翻訳とデータを加工する人間とツール、環境」、「ファンサブ作品を拡散するルート」が必要となりますが、それが中国で整ってきたのが00年代半ばになります。

当時の中国はちょうどブロードバンドが普及していった時期ですし、winnyやshareなどのP2Pファイル共有ソフトを使えば日本の最新アニメのデータが手に入るようになっていった時期でした。

ただこの時期はまだ日本語スキル持ちの中国オタクが少なかったことに加え、翻訳ツールやネットで探せる日本語の例文や翻訳資料といった翻訳環境に関しても今と比べて不便だったことから、ファンサブ活動を行えるのはオタク関係の知識があり日本語能力を身に付けていたごく一部の人間だったようです。そのため当時の中国オタク界隈においてはファンサブ翻訳が貴重な職人芸、最先端のオタク的活動といったような扱いをされていたそうです。

この中国語ファンサブ字幕付きのアニメの登場は
「多くの種類の日本の新作アニメをすぐに見ることができる」
「海賊版業者のやっつけ翻訳や、テレビ放映の作品を理解していない微妙な翻訳や吹き替えではなく、オタクの知識を持った人間によるきちんとした翻訳で見ることができる」
といったことなどから、中国オタクの間で大歓迎されたそうです。


・字幕組活動拡大期
00年代の後半は中国のネット環境の整備やファンサブ動画作成環境の向上、ファンサブ作成者の増加に伴い、字幕組の活動と規模がどんどん広がっていった時期です。ファンサブグループの活動が中心となったフォーラムも賑わっていたそうで、ファンサブ字幕付アニメのデータの配布情報がフォーラムにおける重要な話題となっていたそうです。
またその影響により海賊版の需要が無くなり、それまで様々な対策をしてもなかなか減らなかった海賊版ディスク販売の業者がズンドコ駆逐されていってしまったそうです。

この時期はファンサブ字幕付きの作品によって日本の新作アニメが入るスピードが加速し、入る量も急速に増えていきました。そして段々と日本に新番組をタイムラグ無しで追っかけるスタイルが定着していきましたね。

私の印象ではこの00年代後半辺りから、中国オタクのアニメ作品に関する記憶や感覚が一気に日本に近付いて行ったように思います。
それ以前は入るルートやタイミング、作品の数に大きな違いがあったことから、記憶や感覚についてはちょっとした違いがあったのですが、これ以降は中国オタク内でもアニメ作品の知識がどんどん蓄積されていきました。
中国オタクのアニメ作品に対する感覚の基準や、子供の頃に見たテレビアニメ以外の「名作」「思い出の作品」的な扱いをされる作品に関しては、この時期のものが中心になっているように思います。


・字幕組活動安定期
2010年前後になると、字幕組の活動はいよいよ安定していきますが、中国オタクのアニメ視聴スタイルに大きな変化が起こります。

日本のニコニコ動画的なコメント付き動画サイトが中国オタクの間でも非常に大きな存在となってくるようになり、中国オタク内では「弾幕視頻」(「コメント弾幕」という言葉から来ていると思われます)と呼ばれることになる、ニコニコ動画のコメントによる疑似同期的な視聴により作品を楽しむスタイルが広がっていきます。

中国における動画サイト分野の環境の整備もあり、この「弾幕視頻」でアニメを楽しむスタイルはその後の中国オタクのアニメ視聴スタイルにおいて無くてはならないレベルの存在になっていきます。

また字幕組側にとってもこういった動画サイトに自分達の加工した動画をアップするのは、P2Pやアップロードサーバを通じてのダウンロードによる拡散に比べて作品を見る人間が増える、ダイレクトに反応が返ってくるということで、非常に「面白い」ものとなったそうです。
そして各字幕組の活動や競争の場としてbilibiliやacfunといったコメント付き動画サイトが賑わうことになっていきました。


・現在
そして現在、中国本土でアニメのファンサブ活動が広く行われるようになってから10年程の時間が経ったわけですが、実はアニメに関するファンサブ活動については最盛期よりも落ち込んでいる、元気が無いといった状態になっている模様です。
恐らく最後の盛り上がりは「Fate/Zero」のアニメが放映されていた時期で、それ以降は下り坂になっているという話も聞きます。

この変化については、最近の中国の動画サイトにおけるアニメの公式配信の増加とそれに伴う公式配信の「官方字幕」のクオリティの上昇、更には中国オタク内におけるファンサブ字幕付きアニメの扱いの変化など、イロイロな原因が考えられるそうです。

中国オタクの間における字幕組への思い入れ自体はまだ結構なモノがあるのは間違いないのですが、活動の方に関しては今までに無い方向の変化が出ているのも確かです。

とりあえず今回はここで一区切りとして、次回は中国のファンサブ活動の権利関係以外の問題点や、昔に比べて勢いが落ちている原因などについて紹介させていただこうかと思います。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国のアニメ公式配信中の各動画サイトのイメージと傾向 オタ中国人の憂鬱アップデート

ありがたいことに
「中国におけるアニメの公式配信を行っている動画サイトの傾向やイメージを教えて欲しい」
という質問をいただいております。
中国のネットにおける日本のアニメの公式配信はここしばらくで随分と変化しましたし、ちょうどいい機会なので一旦まとめてみようかと思います。

7月、10月に公式配信となった作品に関しては過去の記事
7月新作アニメの中国公式配信状況
中国の10月新作アニメ公式配信状況
をご参照ください。
とりあえず以下に私の偏見混じりではありますが、各動画サイトの傾向やイメージを紹介させていただきます。


楽視(letv)
現在公式配信を行っているサイトの中では最も「オタク向け」な所ではないかと思われます。毎期ごとに現地のオタク受けする作品をきっちり取って配信している印象です。

ここは昨年の反日暴動でゴタゴタしていたような時期に「ソードアート・オンライン」の権利獲得及び配信を行って現地で大人気を獲得するなどしていますし、中国のネットユーザー間におけるアニメ公式配信に関する認知を拡大させたサイトと言えそうです。

また通常のテレビアニメの配信以外にも、劇場版アニメ「言の葉の庭」の有料配信を試みたり、「俺妹」の世界同時配信の中国向けの配信を行ったりするなど、中国のオタク層向けに様々なアクションを行っています。
現在予告されている情報によれば、「ソードアート・オンライン」の年末特番「Extra Edition」の年越し配信も行うようです。

ただ、他の動画サイトに勝手にアップされちゃっている動画に対して削除要請を活発に行ったり、外部サイトでの利用を遮断して自サイトでしか見れないようにするなどといったアクションに関しても初期から行っていたという面があるので
「今までそういった圧力や規制についてあまり意識したことの無かった中国オタク層」
の間で、圧力をかけてくるサイトだというネガティブなイメージも広まっているようです。

最近は楽視に限らずどこのサイトも自サイトで「独占配信」しているアニメ作品に関しては、他サイトにアップされている非正規な動画の削除要請を行ったりしているのですが、この先についたイメージもあってか楽視は中国オタク内では叩かれやすいようです。


愛奇芸(iqiyi)
中国の最大手検索エンジン百度の系列の動画サイトです。
現在アニメの公式配信を行っている動画サイトの中では後発ですが、中国の動画サイト市場の中で現在最もパワーのあるサイトではないかと思われます。

配信する作品はオタク向けではあるのですが、楽視よりも大作寄りな作品を取っている印象です。4月の新番組では「進撃の巨人」を獲得して社会現象レベルの大当たりを飛ばしたのも記憶に新しいですね。

またここの特徴としては、ユーザーのアップロードによる動画コンテンツというのが存在せず、全て購入した番組を配信する、hulu型のサイトだという点もあります。

それと、ここは百度系列なのもあってか中国のネットの検索データをかなり持っているのが強いとも言われていますし、時たまそのデータに基づく、一般の感覚からすれば突飛にも思えるような番組オファーを行うという話も聞こえてきますね。

11/16追記:
ありがたいことに
「iqiyiと百度関係で語るなら、百度系列の他のサービスのことも書くべき」
というご指摘をいただきました。確かにiqiyiは違法作品、海賊版無しというのが強みの一つになっていますからそれ以外の事情についても書かないと片手落ちになってしまいますね。

iqiyi自体はhulu系の動画サイトなので基本的に版権購入コンテンツのみなのですが、百度系の他のサービス、百度視頻捜索、百度影音、百度視頻APP、百度影棒などは他所の動画サイト等のコンテンツにただ乗りする「盗鏈」行為が問題視されています。
実際リンクやP2P系の転送、ブラウザのプラグインなどにより、他サイトが正規に購入しているコンテンツや、違法なコンテンツにただ乗りして活用できてしまうのも確かでして……

また、この記事でも挙げた他動画サイトなどによる「中国網絡視頻反盗版聯盟」が百度系のサービスの「盗鏈」、「盗播」行為を非難し、3億元の損害賠償を求めるといった動きが出ています。
その件に関しては中国語ですがこちらのニュースなどでも報道されています。
この盗鏈によるコンテンツのただ乗り行為自体に関して中国ではまだ白黒ついてはいないのですが、とりあえずiqiyiだけで見るのと百度全体で見るのでは印象が違ってくるのは確かですね。


捜狐(sohu)
深夜枠、毎期ごとの新作の配信に関しては中堅所という印象ですが、ここは「ワンピース」や「トリコ」、「フェアリーテイル」といった非深夜枠アニメの配信も行っています。非深夜枠のアニメは、中国でもオタクに限らず一般層に幅広いファンを持っていますから他のサイトとは違った強さがあります。

もちろんここも毎期ごとの新作アニメの獲得には動いていますし日本における前評判の高い作品を獲得していたりはするのですが、現在中国オタク界隈で注目されている深夜枠を中心とした新番組獲得競争とはちょっと違った方向に向いているようにも見えますね。


騰訊(テンセント)
テンセントは電子書籍の配信などにおいては集英社系の漫画コンテンツを公式に配信するなどの動きがありますが、アニメの公式配信に関しての動きは今年7月になってからなので、アニメ配信に関してはまだどのようなカラーになるのか見えていません。
番組の獲得状況に関しても7月はお試し、10月は様子見というような感じですね。

しかし最近はweiboなどの新しいメディアに押されつつあるものの、テンセントQQの圧倒的な普及率とそのルートを活用したコンテンツ展開力はいまだに健在ですし、中国のIT業界の巨人というイメージも変わりませんから、今後どういった動きがあるのかと言う点でも注目されているようです。


土豆(tudou)
中国における日本のアニメの公式配信で大きな動きがあったのは2011年末の土豆とテレ東の件からでして、土豆は中国におけるアニメ公式配信の先鞭をつけたサイトと言えます。しかしその後、土豆は優酷との電撃合併等のゴタゴタもありアニメの公式配信に関しての動きもいまいちパッとしない状態が続いているという印象です。

最近になり公式配信に関してまた動き出してはいるのですが、優酷と中国の動画サイト最大手を争っていた昔に比べて元気が無いように見えますね。土豆は動画サイトとしての歴史が比較的長いですし、企画力や運営のノウハウ、交渉力はあるようなのですが、肝心の資金力が不足しているらしいという話も聞きます。

また、土豆は中国における昔からあるフォーラム以外のオタク系のコミュニティや、オタク系ニュースサイト、weiboなどの新しいネットメディアの活用が上手くいっていないという印象も受けます。
最近は現地のオタク系ニュースサイトで各動画サイトの番組獲得及び公式配信予定に関するニュースが出たりするのですが、10月の新作アニメの時などは土豆に関してだけなぜか載っていないという事態になっていました。
節々で存在感を見せる動画サイトの古豪ではあるのですが、現在はイロイロと苦戦気味なのかもしれません。


それともう一つ、最近始まったらしい
快FUN
という不思議なサイトがあります。

このサイトでは10月の新作アニメに関しては「ログ・ホライズン」、「蒼き鋼のアルペジオ」、「夜桜四重奏」、「ストライク・ザ・ブラッド」が配信されているようで、それから「攻殻機動隊ARISE」の配信も予定されているようです。
また他に中国のアニメや、日本の過去のアニメも配信されている模様です。

このサイト上の「关于我们」を見ると「huadaiwang.com」とか書いてあるので、恐らく今年の3月頃に報道されていた日系資本が入るというアニメ配信サイト「華代網」関係のサイトではないかと思われますが、唐突に出現したので私の方でもよく分からないサイトなのですよね。
以前の「華代網」に関する報道については以下のサイト様の記事などをご参照ください。
D2C、中国市場向けに日本アニメなど正規動画コンテンツ提供目指す(知財情報局)
TBSテレビ、中国でネット配信事業にアニメ販売(TBS Program Catalog)

中国現地でのユーザー向けの広報活動もまだ行っていないらしく、現時点では中国オタク内でもこのサイトの存在は知られていないようですし、サイトの構造を見てもFAQが白紙だったりと作りかけに思われる個所が見受けられます。

また、現時点でサイト上に掲示されている許可関係のコードはICP登録と網絡文化経営許可証のみで、自前のサーバにデータをアップして動画を配信する動画サイトの運営に必須となるはずの「網絡視聴許可証」が掲示されていないのもなんだかよく分かりませんね。
(例えばコメント弾幕系サイトのbilibiliはこの許可証を持っていないので、自前のサーバにデータをアップして動画を流すことはできません。可能なのは初期のニコニコ動画のようにコメントをかぶせるだけということになります)

この許可証に関しては非常に重要で、現在日本のアニメが正規の輸入ルートと手続きを経ないでタイムラグ無しに配信できているのも、この許可証を取得した動画サイトが一定の自主裁量のお墨付きをもらっているからなのですが……

それから配信しているコンテンツに関しても、日本海軍ネタが入る「蒼き鋼のアルペジオ」や、ドロドロバイオレンスの「School Days」など話題になり過ぎるとめんどくさいことになりそうな作品が見受けられます。

そんな訳で、ここに関しては私の方でもよく分からないとしか言いようが無いですし、少なくとも現時点では見ていてイロイロと疑問や不安の尽きないサイトですね。

ただ、ここで現在配信されている作品の中に「天空戦記シュラト」があるのはちょっと面白いですね。
こういった過去に中国のテレビで放映されて人気になった作品は、中国語字幕版や中国語吹き替え版で、きちんとした画質のデータが存在しない或いは揃っていないということなので、シュラトのような過去の中国における人気作品を中国語環境で提供するというのはちょっとした強みになりそうな気もします。


以上、非常にイイカゲンなもので恐縮ですが、
現在中国のアニメ公式配信に関してはこんな所でしょうか。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

11/15修正:誤字脱字などを修正しました。ご指摘ありがとうございます。
11/16追記:iqiyiに関して追記しました。ご指摘ありがとうございます。

桂木桂馬はgalgameを遊ばない オタ中国人の憂鬱アップデート

思い出した頃やネタが出来た頃にまとめてみる「オタ中国人の憂鬱アップデート」ですが、以前の記事
「俺妹」は中国オタク事情的にもスゴイ作品でした オタ中国人の憂鬱アップデート
でいただいた中国オタク内の「ギャルゲー」に関する認識と、「galgame」という中国オタク用語に関するコメントが非常に面白かったので、それを紹介させていただくと共に、関連する事情についてちょっと書いてみようかと思います。

まず日本のオタク界隈における
「ギャルゲー」
という概念なのですが、
これは中国オタクの間にはほとんど伝わっていない、或いは
「galgame」
という主に男性向け18禁PCゲーム、いわゆるエロゲーを指す中国オタク用語と誤解されている状態になっています。

「ギャルゲー」の定義については広義のものから狭義のものまでありますし、人それぞれな面もあって曖昧ですが、日本では少なくともいわゆる「エロゲー」との区別はあるかと思います。
しかし、中国では「galgame」という言葉により「ギャルゲー」が「エロゲー」と混同されている模様です。

一応男性向けで女の子キャラが目立つ、活躍するゲームであれば「galgame」になるようで、日本の「ギャルゲー」も「galgame」の範疇ではあるようなのですが、中国オタク内で飛び交う「galgame」の話題はほぼエロゲーに関してですし、「galgame」は日本の「ギャルゲー」とは明らかに違う概念の言葉になっています。

そのため、日本の作品に出てくる「ギャルゲー好きなキャラ」「ギャルゲー趣味」ということについても誤解されがちです。言ってしまえば、日本での「ギャルゲー趣味」が中国オタク内に入ると自動的に「エロゲー趣味」と変換されてしまうわけです。

広い範囲で見れば似たようなものとされかねない所もあるジャンルですが、オタク的には結構大きな差ですし、主に家庭用ゲーム機での趣味が18禁PCゲームの趣味に変換されてしまうのはどうかと思うのですが、こういった部分の認識に関して中国オタク内ではどうもピンと来ないようです。

これに関しては以前の記事
「俺妹」は中国オタク事情的にもスゴイ作品でした オタ中国人の憂鬱アップデート
でも「エロゲーという趣味の危うさ」に関して少々書いております。
またその記事のコメントでのやり取りが面白く、私自身にとっても非常に参考になりました。以下、先日の記事のコメントからの引用です。


44. 北京オタク
管理人さんの言うとおり、私も一般PC作品、家庭用ギャルゲー、18禁エロゲーの区別よく分からない。中国広く認識とは、galgameは日本の恋爱アドベンチャーゲーム,普段HシーンあるのはPC作品、家庭用ギャルゲーは「和谐版」(Hシーンいない)と呼ばれる。エロゲーはただのセックス、恋爱プロットなんでなしのゲーム。本当の事実はどのようなものですか?
ちなみに中国今でも海賊版が主流ですが、近年次世代ゲーム機発売した、中国本土正規版ゲーム購入するの人はより多くになります、私もこの3年間PS3/PSV/3DSのゲームは27体を買った。

47. 名無し
>>44
そこまで日本語が出来るのに何でわからないのかがわからない。というかわかってるじゃんw
エロゲー…セックスシーンがある。
ギャルゲー…恋愛を描いていても直接のセックスシーンはない。せいぜいキスまで。
簡単に言えばこれだけ。まあ中にはきわどいのとか分類しづらいのとかもあるけど。

48. あ
>>44
オタク系で無い人の反応が違う。
一般PC作品、家庭用ギャルゲーが好きと言うと、せいぜい引かれる程度だが、
ギャルゲーが好きと言うと変態扱いされる。

49. 北京オタク
>>47
ありがとう、なんかすっきりした。
でも私実は日本語の文法全然知りません、敬語も分からん、全部アニメとゲームからの直感です。

50. 北京オタク
>>48
家庭用ギャルゲーとギャルゲーの区別とは?

51. 名無し
家庭用18禁ギャルゲーはないだろw

53. 名無しの権兵衛
>>50
エロがなくてもシナリオが成立するのがギャルゲー
エロがシナリオと深く絡んでるのがエロゲーってイメージだな、俺は
実際のところ、最近の人気のエロゲーはギャルゲーに薄いエロくっつけましたってのが多いな
濃いエロゲーはそもそも全年齢閲覧可能な場所じゃ話題にする人はいないから表に出てきにくい

56. 48
>>50
後者のギャルゲーと書いたのはエロゲーのことです。
家庭用ギャルゲー:Hシーン無し
エロゲー:Hシーンあり
家庭用は、古いものではときメモシリーズとか、最近のではフォトカノとか。
エロゲーの例は、ここはそういうブログじゃなからタイトルは挙げないけど。
一般人の反応は、俺妹の最初に父親にバレたシーンが若干参考になるかも。
あれが家庭用ギャルゲだったらちょっと小言を言うか、もしくは何も言われないんじゃないかな。

62. ま
ギャルゲーは、サクラ大戦とかプリンセスメーカーとか、未成年の女の子がしてる姿を親に見られてもセーフ
親にねだって買って貰えるレベル
学校で先生に見つかっても生暖かい目で「そうか、こういうの好きか」と呟いて見逃される
エロゲは教師から親呼び出し、母親が泣き父親は目が泳ぐ、見られたらアウト、未成年の女の子がしてたら親は育児に間違いが無かったか自分を責めるレベル
エロに厳しい中国で混同されるのがちょっと信じられないな

63.  
>>51
むかーし、セガサターンとかPCエンジンとかいうゲーム機があってのぉ…
まぁずいぶん昔の話で、お若い方は知らんでも無理はないがのぉ…

64. 北京オタク
>>53
>>56
>>62
なんかお前らの「ギャルゲー」時にはエロゲ、時にはエロ無し。つまり、ギャルゲーとは、エロゲと家庭用ギャルゲーの総称ですね。実際は多い誤解がありません、中国には、「家庭用ギャルゲー」っての名詞がいない、「纯爱版」「和谐版」「全年龄版」の「galgame」と呼ばれる。
ちなみに、私も黒猫が一番好き。中国は封建社会離脱する百年未満、倫理観は强いのせいで、実の妹と恋愛がありえない、たとえ二次元でも、ちょっと纳得できない。でもこの結末一応主題を近いな。

65.  
>>64
そういや「雷雨」とかでは最後自殺エンドだったよねw
ギャルゲーは狭義ではエロ無し家庭用ゲームで、こちらが一般的な使われ方だと思っておくといいよ。
広義ではエロゲも含まれるけど、そっちの意味では一般的にはあまり使われない。
あとPCエロゲでも家庭用機に移植され非18禁になるとこの「ギャルゲー」になる。
神のみの桂木桂馬とかも日本の意味での「ギャルゲーマー」だから基本的には家庭用ゲームを遊んでいる、エロゲには手を出していないというキャラで認識されている。
中国オタの「galgame」は昔エロゲに対して使われていた「美少女ゲーム」の意味も混じっちゃっているみたいだね。

69. 北京オタク
>>65
《紅楼夢》また最後自殺エンドね、兄と妹悲劇決定。
じぁ中国オタク遊ぶのはほとんどエロゲですね(「民間漢化組」からの簡体字ver.少数の人正規版購入するコレクション)。まぁ、私の場合は、PCゲームしたくないので、詳しいわかりません。

70. 65
※69
なるほど!言われてみれば確かに兄妹はバッドエンドフラグだw
日本でも「実は兄妹」で悲劇な話はあるけど即バッドではないしオタ関係だとむしろご褒美になりかねん。
>>じぁ中国オタク遊ぶのはほとんどエロゲですね
これも言われてとても納得。中国オタ論壇で「galgame」について話しているのに出てくる作品がエロゲーの名前ばかりで不思議だった。
見かけた中で数少ないギャルゲー範疇の作品はever17やメモオフ(秋之回億)、シュタインズゲートくらいしかなかったように思う。
彼らが語ってたのはギャルゲーでは無く、galgameという中国オタク用語で呼ばれるエロゲだったということか。

71. 北京オタク
>>70
このような勘違いは多いな、例えばフィギュア。中国本土のオタクは「手办」と呼ばれる、でも「手办」の意味はガレージキットです。理由がわからない、今「手办」は塗装済み完成品になりそうだ。
>>オタ関係だとむしろご褒美になりかねん。
兄妹オタ関係で、むしろ最高じゃないか、三次元には、もっと良い関係を考えることはできません。



以上です。
コメントにもあるように中国でも「一般向けのgalgame」的な、日本のギャルゲーに対して使えなくもない言葉はあるようですが、日本のように「ギャルゲー」という独立した概念、ジャンルとして認識されているわけではありません。

この辺に関しては、現在の百度版wikiの百度百科の「神のみぞ知るセカイ」の
桂木桂馬のキャラ紹介のページ(中国語)
において、彼が「galgameの達人」とされてしまっていることからも見て取れます。

桂木桂馬に関してはギャルゲーをgalgameと誤解したことにより
「彼はなぜ携帯ゲーム機で遊んでいるのか」
「なぜgalgameを遊んでいるのにエロ方面への言及がないのか」
といった矛盾のようなものが発生するかと思われますが、そういった部分に関しては、作劇上の理由、大人の事情といった風に認識されている節もあります。
また「神のみぞ知るセカイ」の作中の世界は実際とは違う、ギャルゲー市場が活発になっているというifの世界だという点についても日本における認識とは異なる所があるようです。


このように中国オタク内ではギャルゲーという概念が広まらずに、「galgame」という言葉とそれに関する認識が広まっています。
こういった状況になったのはギャルゲーが中国オタク内ではきちんと認識されないまま、エロゲーに押し流されてしまったというのが理由として大きいのではないかと思われます。

上のコメントにもあるように、中国オタク界隈における似たような事例としては
「手办」
という言葉に関しての、ガレージキットとPVC製塗装済み完成品フィギュアの関係があります。
元々「手办」と呼ばれていたガレキの存在が中国オタク界隈できちんと認知される前に、PVC製塗装済み完成品のフィギュアが大量に流通する時代が来てしまったので、いつの間にかPVC製を含むフィギュア全般、その流通量からPVC製塗装済み完成品を主なイメージとして「手办」という言葉が使われるようになっています。

中国オタクのコミュニティがある程度きちんと構築され、交流や活動が活発になったのは00年代、それも中盤になってからで、その頃は既に日本のギャルゲー市場は下り坂でしたし、それと同時にエロゲー市場やエロゲー出身の作品が活発な時期でもありました。
また上のコメントにもある通りエロゲーが「美少女ゲーム」と呼ばれることも誤解を加速させたようです。

それに加えて、中国ではゲームを入手するルートが主に海賊版やネットの違法ファイル経由という状態が続いており、そこでは日本における流通、販売の形式や18禁指定などのゾーニングが消えてしまいます。

その為、日本における家庭用ゲームとPCゲームの間にある壁、更にPC18禁ゲームとそれ以外のゲームの間にある大きな壁についての感覚はなかなか理解できないようですし、家庭用ゲームのギャルゲーであろうがPCのエロゲーであろうが海賊版或いはネット経由で入手するので、日本特有の家庭用ゲーム機市場におけるギャルゲーというジャンルの存在は意識され難かったようです。

この辺に関しては以前の記事でも書きましたが、日本でオタクをやっていれば普通に分かる「エロゲーという趣味の危うさについての感覚」まで消えてしまうので、イロイロと危なっかしいものも感じてしまいますね。

そしてこういった背景から、「galgame」は主に当時から盛んだったエロゲーを指す言葉として定着し、既に日本でも下り坂だった上に中国オタク内では意識されることがほとんど無かった「ギャルゲー」というジャンルもその中に飲み込んだのではないかと思われます。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

「俺妹」は中国オタク事情的にもスゴイ作品でした オタ中国人の憂鬱アップデート

思い出した頃やネタが出来た頃にまとめてみる「オタ中国人の憂鬱アップデート」ですが、今回は中国オタク事情の変化や今の状況についても見て取れた作品
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」

に関して少々書かせていただきます。
後の方には最終巻の展開に関するネタバレも混じっておりますのでお気を付け下さい。


先日、アニメ第二期の14〜16話の配信が行われアニメも無事完結した「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」ですが、この作品は中国オタク内での人気の高さもさることながら、中国本土における作品展開や内容への中国オタクの面々の反応などでもイロイロなことがあって非常に面白い作品でした。

大雑把に言えば「俺妹」は
「中国本土における様々な展開で中国オタクの日本との距離を縮めると共に、作中の内容によって日本との違いを際立たせた作品」
だったように思えます。

中国本土における作品展開では原作ライトノベルの簡体字翻訳版の出版、現地向け関連グッズの販売、現地動画サイトでの公式アニメ配信などの、現時点の中国で行える正規の展開がほぼ全て行われていた感がありますが、なかでも公式のアニメ配信の最終エピソード世界同時配信は今までにないものでした。

この最終エピソードをネットで公開、
しかも世界同時配信というのは今までにない試みでしたが、
「中国本土での配信が日本の公式情報できちんと事前に告知された」(公式ページ)
という点も中国オタク事情的には非常に珍しいものでした。
少なくとも、ここ最近の中国におけるアニメの公式配信の流れではこういった告知は無かったように思います。

契約の関係か広報の関係かそれとも他の事情によるものなのかハッキリしませんが、基本的に中国本土におけるアニメ配信に関して日本中国問わず事前にきちんとしたニュースが流れることは少なく、また実際に配信する中国現地の動画サイトでも配信直前の告知になるケースがほとんどです。
そんな中で「俺妹」のアニメが日本の公式サイトにおいて中国での配信も含めての情報がしっかり告知されたというのはちょっとした驚きの事態でした。

またこの最終エピソードのネット配信が
「中国でもきちんと話題になり人気を獲得できた」
というのが中国オタク業界的には大きいという話もあります。

中国オタク内の人気の傾向として、新番組扱いでアニメが放映中の間は追っかける人も多く人気が保たれるものの、放映が終わってしまうと次の新番組への興味や話題に一気に埋もれてしまう……というのがあります。

日本では劇場版やアニメ以外の作品展開の情報でまだ盛り上がっている作品でも中国オタク内では既に過去の存在で話題にならない……といったことが頻繁にありますし、単発のアニメも「新番組アニメ」の話題に埋もれがちでした。

「俺妹」は第2期アニメのテレビ放映及びネットでの毎週の配信が終了してから最終エピソードのネット配信までの期間が比較的短いという点もありますし、それ以前の作品と単純に比較はできませんが、それでも
「番組放映終了後に間をおいて出た作品でも話題になって人気を獲得できた」
という成功の事例ができたというのは大きいそうです。


次に内容への反応についてですが、作中で出てくる個別のエピソードやネタへの反応、各ヒロインのファンによる派閥闘争なども面白かったのですが、中でも
「最終巻の展開とそれに対する大炎上」
が印象的でした。

この大炎上に関しては以前の記事
俺妹最終巻の展開に発狂する中国オタクが出ている模様
でも紹介させていただきましたが、現在の中国オタク内における作品の受け取り方がイロイロと出ていました。

この炎上は作品に対するモノとしては今までにないほどの荒れっぷりでしたが、炎上に至った情報についてはネタバレ情報が日本のネットにのると、ほぼタイムラグ無しで中国オタク界隈にも伝わっていたようです。大手の現地ポータル系オタクニュースサイトにも発売日当日頃には既にネタバレ情報が載っていました。

こういった情報のタイムラグはどんどん無くなっていますが、その結果日本と同じように情報につられて炎上するのも避けられなくなっています。しかも、こういった情報が伝わる場合、細かい部分がどんどんそぎ落とされたり、分かり易く「釣れる」部分だけが強調されるようになっていきますので、最終的には現地の人間が「炎上し易い」形に加工されたり尾びれ背びれ胸びれがついたりしていくのが何とも難しい所ですね。

この炎上の反応を大雑把に見た所では
「黒猫エンドが良かった或いは黒猫エンドならまだ納得できた」
「桐乃が嫌い」
「妹とくっつく展開がありえない、桐野エンドなんか認められない」

という反応が多いようでした。

こういった反応に関しては日本でも多かれ少なかれあったかと思いますが、中国ではネガティブな方向でかなり強烈に出ていました。中でも日本との違いが目についたのは
「妹とくっつく展開がありえない、認められない」
ということについてですね。

中国オタク内でのヒロイン人気は、黒猫が一番人気で次があやせ、後はドングリの背比べ状態だったようですし、それに加えてハーレム系、ラブコメ系の作品というよりも、「生徒会の一存」のようにオタクネタを作中で扱うコメディ寄りの作品、オタク関係のネタやオタク趣味を中心とした生活を疑似的に味わうことのできる作品といった形で捉えている人も多い作品でしたから、「妹エンド」というマニアックな、倫理に抵触しそうなネタ、言ってみればある種の危険球が来るとは思いもしなかった……という人が少なくなかったそうです。

この原作小説の結末に関しては、安全だと思っていた作品が突然安全ではなくなった、覚悟や予想をしていた痛み(精神的に痛い展開、鬱系の展開、「桐乃以外の」自分の意中では無いヒロインとくっつく或いは誰ともくっつかない結末)によるダメージとは違った方向からの衝撃だと感じられたりもしたそうです。

また「俺妹」という作品はその最初からして未成年とエロゲー、妹との関係などといった、かなりアングラよりと言いますか、危ない橋を渡る作品ではあったと思うのですが、その辺りのことに関して中国オタクのファンの間ではあまり意識されていなかった……というのもあるのだとか。
考えてみれば「エロゲーと妹」という作品の第一歩に関して、既に中国オタクの間での捉え方が日本とは違うのですよね。

中国オタク内ではネットなどの違法流通ルートが主流なこともあり、ヒロインや恋愛要素の目立つ一般PC作品、家庭用ギャルゲー、18禁エロゲーの区別があまり意識されていませんし、それらを「galgame」という名前で一緒くたにしてしまっていますから、オタク内でのエロゲー作品の取り扱い、エロゲーとそれ以外のゲームの間に存在する「壁」についての感覚が日本とは全く異なります。
中国オタク内ではエロゲーを遊ぶことのヤバさというのが、せいぜい「エロ本見ている」「エロサイトを見ている」のに近いレベルでしかないという話もありますね。

それに加えてショップ流通というのが中国には無いことから、未成年がエロゲーを買うことの難しさ、恥ずかしさというのが想像できない人も多いようです。
そんな訳で、中国オタクの面々の中でこの作品において出てくる
「エロゲーという趣味の危うさ」
に関して本当の意味で理解している、日本の感覚で描かれているものを理解できている人がどれだけいるかとなると疑問が残ります。

そして、この作品の原作小説最終巻のエンディングで唐突に「中国の感覚でも理解できる」「中国の感覚では逆に日本よりも強烈なものになる」、妹エンドにぶつかって、突如として「理解できる危うさ」と向き合ってしまっての混乱になっている……といった所もあったようです。

それからこの炎上に関しては日本と中国の情報の差、体験の違いというのが改めて浮き彫りになっていたようにも思います。
「俺妹」はエロゲーをはじめとする各種ゲームや関連商品展開などを作中のネタに使っている上に、ゲームなどの関連作品でもそういった作品の要素を取り入れていますし、サブキャラへのサービスや個別のエンドなどもゲームや特典小冊子などで行っています。

そういったこともあり、私も原作小説の最終巻が出る前は
「原作小説が自分の好きなキャラ以外のエンドになる」
というケースに関して、中国オタク内でちょっとした炎上は起きるかもしれないがダメージに関してはそこまで大きくないのでは……などと考えていました。

しかし、中国オタク内では
「原作小説での終わり方が自分の望むものではなかった」
というのがかなりのダメージになってしまったようです。
一応中国オタク内でも「この結末が気に入らないならゲームやれば?」といった声も無いわけではなかったのですが、炎上の中では埋もれてしまっていました。

もちろん「俺妹」の中国における人気の高さからして、こういった情報や体験、感覚の違いが作品を楽しめるかどうか、人気になるかどうかという点に関して必ずしも影響するわけではないと分かりますが、「俺妹」のような作中で様々なオタクコンテンツをネタとして扱う作品であっても、まだこのような違いが強く出て来るというのにはイロイロと考えさせられました。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


8/28修正:誤字脱字などを修正しました。ご指摘ありがとうございます。

90年代後半から00年代前半にかけて中国のテレビで放映された日本のアニメ オタ中国人の憂鬱アップデート

ちょっと時間があいてしまいましたが、中国のテレビで放映された日本のアニメについての続きをやらせていただきます。

3回目で最後になる今回は、90年代後半から00年代前半にかけて放映されたアニメに関して紹介させていただきます。

この辺りから、中国では海賊版VCDが普及するようになり、テレビ以外のルートで広まる日本のアニメ作品がどんどん増えていきます。
テレビの影響力は依然として大きいままでしたが、テレビ以外のルートで見れる作品は種類も多く、入ってくるスピードも速いということで、海賊版経由で作品にハマる人もどんどん増えていった時期ですね。

今回の記事を書くにあたってイロイロと教えてくださった方も、この時期になってくると記憶があやふやになってくるそうで、特に00年以降はハッキリしなくなってくるそうです。

そんな訳で今回紹介させていただく内容に関しては、ある程度の抜けやズレがあるかと思いますし、ちょっとした参考程度に考えていただければ幸いです。


96年頃
中国本土のテレビ局で放映されていた作品
「ジャンケンマン」
「What's Michael?」
「魔法陣グルグル」
「名探偵ホームズ」
「とんでぶーりん」
「逮捕しちゃうぞ」
(OVAも含む)
「B'T-X」
「うしおととら」
「チロリン村」
「ハクション大魔王」
「H2」
「勇者エクスカイザー」
「ドラゴンボールZ」(
劇場版)
「勇者警察ジェイデッカー」

香港や台湾のテレビで放映され、
中国本土でも場所によっては視聴することができた作品
「ふしぎ遊戯」
「機動武闘伝Gガンダム」



この辺りでは、新しい作品と古い作品が混在していますね。
またOVA作品もわりと放映されているようですし、日本の放映と時期的にそう離れないで放映、視聴されていた作品もあったようです。

それから、この辺りで「Gガンダム」が香港や台湾で放映され、中国本土でも場所によっては視聴されていたそうですから、「Gガンダム」が実質的に「中国本土で初めてテレビ視聴されたガンダム」ということになるんでしょうかね。


97年頃
中国本土のテレビ局で放映されていた作品
「セーラームーンシリーズ」
「熱血最強ゴウザウラー」
「ちびまる子ちゃん」
「新世紀GPXサーバーフォーミュラ」
「勇者指令タグオン」
「天地無用!」
(TV版に加えてOVA版もあったそうです)
「魔法騎士レイアース」
「太陽の勇者ファイバード」


香港や台湾のテレビで放映され、
中国本土でも場所によっては視聴することができた作品
「らんま1/2」
「新機動戦記ガンダムW」


エルドランシリーズ三部作の三作目「ゴウザウラー」が前作前々作からちょっと間を置いてこの時期に放映されたそうです。それと勇者シリーズは放映する順番が日本とは違ったものになっていた模様です。

それから、「ちびまる子ちゃん」は香港や台湾のテレビでも放映されていましたし、主題歌の「おどるポンポコリン」の中国語版が90年代前半〜半ば辺りに中国で人気になっていたなどということがあるので、恐らくこれより早いタイミングで入っていたのではないかと思われますが、この辺に関しては具体的な時期がハッキリしなくて申し訳ありません。


98年頃
中国本土のテレビ局で放映されていた作品
「キャッツ・アイ」
「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」
「名探偵コナン」
「剣勇伝説YAIBA」
「クレヨンしんちゃん」
「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」
(OVAの「11」と「ZERO」だったそうです)
「魔動王グランゾート」
「快傑ゾロ」
「中華一番」



ここで「名探偵コナン」「クレヨンしんちゃん」「中華一番」といった、現在の中国でも非常に影響の強い、或いは現在もファンが増え続けている作品が入ってきます。
現在中国のネットで話題になり易い「心の名作アニメ」とされるような作品はこの時期から数年の間の作品が多いように思えます。

また「キャッツ・アイ」が放映されていますが、90年代の中国では北条司作品の人気が非常に高かったのが影響しているのかもしれません。北条司作品では「シティ・ハンター」の漫画も人気が高かったのですが、そちらのアニメはテレビの方には入っていない(或いは広まっていない)ようです。

それとこの頃から規制が厳しくなり、香港、台湾のテレビを中国本土で見ることが出来なくなってしまったそうです。


99年頃
中国本土のテレビ局で放映されていた作品
「Dr.スランプ」(81年から放映された古い方だったそうです)
「新世紀エヴァンゲリオン」(「福音戦士」という中国語タイトルで、訳語も基本的に香港台湾版を元にしていたそうです)
「カードキャプターさくら」
「黄金勇者ゴルドラン」
「ポケットモンスター」
「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」
(OVAの「SAGA」だったそうです)


00年頃
「新世紀エヴァンゲリオン」
(こちらは「天鷹戦士」という中国語タイトルで放映されました)
「神風怪盗ジャンヌ」
「吸血姫美夕」
(テレビアニメ版)
「愛天使伝説ウェディングピーチ」

エヴァは2つのバージョンが放映されたそうで、中国本土でエヴァファンが広く広まるきっかけになったのは「天鷹戦士」の方だったそうです。ちなみに「天鷹戦士」は数々の迷訳迷セリフ、妙にチープになっちゃった主題歌、多くの修正削除など、ネタ方面でも様々な伝説を生み出してしまいました。


01年頃
「勇者王ガオガイガー」
「デジモンアドベンチャー」
「超魔神英雄伝ワタル」
「万能文化猫娘」
(テレビアニメ版)
「スレイヤーズ」


「デジモンアドベンチャー」と主題歌の「Butter-Fly」は人気が高く、特に「Butter-Fly」はアニソンの名曲となるとほぼ必ず挙がる曲です。現在の若い世代の中国オタクにとっては、小さい頃に心に刻まれた名曲なのだとか。


02年頃
「星界の紋章」
「ドラゴンボール」
「蒼き伝説シュート」
「サイボーグクロちゃん」
「頭文字D」(
その後04年、06年頃に続きが放映されたそうです)

03年頃
「ロスト・ユニバース」
「釣りキチ三平」


04年頃
「ASTRO BOY 鉄腕アトム」
「ジャングル大帝」
(第何作目かは不明です……)


長々と書いてしまいましたが、
中国で放映されたテレビアニメについてはこんな所ですね。

00年代に入ってから作品数が少なくなってくるのは、この辺りになってくるとテレビで放映されたのか、海賊版VCDで見たのか記憶があやふやになってくる人が多く、テレビ放映だと断言できない或いは放映時期がハッキリしないというのも原因の一つです。
そんな訳で、その時期に関しては今回紹介させていただいた作品以外の作品も放映されていたかもしれません。

この後しばらくは日本のアニメの人気が続くわけですが、
後の方になると中国のテレビでは
「ビデオクリップの紹介」
というような形で実質的に放映してしまうようなやり方も出て来たそうで、どんな作品が入ったのかということと、どんな作品が見られているのかということに関してはいよいよハッキリしなくなってくるようです。(そもそも、海賊版という形で大抵の作品が入っていた時期でもありますし)

そしてその後06年に外国製のアニメがゴールデンタイムでの放映禁止となり、日本のアニメは実質的に中国のテレビでは流せなくなってしまいます。

しかしその頃になってくるともうネットの環境も整い、日本のアニメを見て育った世代もテレビ以外の非正規ルートを使いこなすようになっていましたから、テレビ中心の時とは違う流れで日本のアニメのファンが増えていくことになります。

この時期になると、日本のアニメ作品に関する情報は一通り中国に入るようになっていましたし、人気になるかどうか、広い範囲で知られるかどうかはともかく、とりあえず新しい日本のアニメ作品に関しては中国にもほぼ入っていくようになっていましたね。


今回の記事を書くにあたっては、非常にありがたい情報を教えていただくことが出来ました。この場で再度、お礼の言葉を述べさせていただきます。


とりあえずこんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


80年代に中国のテレビで放映された日本のアニメ オタ中国人の憂鬱アップデート

90年代前半に中国のテレビで放映された日本のアニメ オタ中国人の憂鬱アップデート


5/27修正:タイトルの間違いと誤字脱字諸々を修正しました。ご指摘ありがとうございます

90年代前半に中国のテレビで放映された日本のアニメ オタ中国人の憂鬱アップデート

前回の記事
80年代に中国のテレビで放映された日本のアニメ オタ中国人の憂鬱アップデート
に続いて、今回は90年代前半に放映された作品について紹介させていただきます。

90年代前半の中国ではテレビ視聴者が増えていった時代であると同時に、VCDによる海賊版の爆発的な普及の前の時期です。中国オタクの上の方の世代の人にとっては、この時期に放映されたアニメが思い出のアニメになっていることも多いようです。

では以下にネットの普及以前の時代のものを中心に、中国で放映されていた、或いは見ることのできた作品をざっと紹介させていただきます。
(地方ごとに放映の時期にはずれが生じている上に再放送も行われているので、年代に関してはあくまで大まかなものということをご了承ください)


91年頃
中国本土のテレビ局で放映されていた作品
「ドラゴンクエスト」
「紅三四郎」
「ミームいろいろ夢の旅」
「聖闘士星矢」
「ゲッターロボシリーズ」
「伊賀野カバ丸」
「へーい!ブンブー」
「ガラスの仮面」
「Dr.スランプ」
「水戸黄門」


香港や台湾のテレビで放映され、
中国本土でも場所によっては視聴することができた作品
「新・巨人の星」

「ドラゴンクエスト」は「神龍之謎」という日本の感覚だとドラゴンボールやそのゲームと混同しそうな中国語タイトルになっていたそうです。また「Dr.スランプ」は20話程度で放映されなくなってしまったそうです。

野球アニメに関しては、この後に入ってくる「タッチ」「H2」の前に香港台湾経由で「新」の方の巨人の星が入っていたというのも、なかなかにスゴイ状況かもしれませんね。

そして見逃すことができないのが、中国オタクの歴史の第一歩とも言える「聖闘士星矢」の放映ですね。「聖闘士星矢」と「北斗の拳」はこの時期の日本のアニメの人気を決定的なものにしました。

この二作が中国に入った時期に関しては「聖闘士星矢」の方が「北斗の拳」よりも先だったそうです。私は93年から中国にいたのですが、当時私の周りでの作品の流行り方や、その後の作品人気の持続具合から、私はてっきり「北斗の拳」の方が先に入ったものだと思い込んでおりました。


92年頃
中国本土のテレビ局で放映されていた作品
「ゴールドライタン」
「若草の四姉妹」
「ワンワン三銃士」
「トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ」
「ふしぎの海のナディア」
「キテレツ大百科」


香港や台湾のテレビで放映され、
中国本土でも場所によっては視聴することができた作品
「きんぎょ注意報!」

「ふしぎの海のナディア」がこの比較的早い時期から入っていたそうです。
「トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ」は日本のオリジナルシリーズということでこちらに書きましたが、トランスフォーマーシリーズの前作は88〜90年代頃に中国のテレビで放映され大人気になっていたそうです。

それからこの年はアメリカで「超時空要塞マクロス」と「超時空騎団サザンクロス」「機甲創世記モスピーダ」を編集合体で1つの作品にした「Robotech」の放映が始まり大人気になったそうです。

中国におけるマクロス人気はここから始まったのですが、最初の一歩が「Robotech」だったことからシリーズのつながりに関する微妙な混乱も存在するようです。一応この1年後に香港、台湾では日本の「超時空要塞マクロス」も放映されたそうなのですが、中国本土において「超時空要塞マクロス」と「Robotech」の違いがきちんと認識されるのは90年代後半になってからだったという話です。


93年頃
中国本土のテレビ局で放映されていた作品
「天空戦記シュラト」
「キャプテン翼」
「北斗の拳」
「とんがり帽子のメモル」
「鎧伝サムライトルーパー」
「きまぐれオレンジ☆ロード」
「燃える!お兄さん」
「超音戦士ボーグマン」
「ダッシュ!四駆郎」


「北斗の拳」の人気が本当にスゴイことになりました。また「シュラト」「サムライトルーパー」「ボーグマン」と装着モノが三作品入っていますが、こちらからは「聖闘士星矢」の影響力の大きさも感じられますね。
それと「キャプテン翼」のアニメは私の認識していた時期よりも早く入っていたようです。「スラムダンク」と「キャプテン翼」の関係については以前書いた「スラムダンクが先に人気になっていたのでキャプテン翼は評価があまり高くない」とするのではなく、「スラムダンクが同時期の比較対象になったのでキャプテン翼は評価があまり高くない」とするべきですね。
他にも中国オタクにラブコメ作品を強く意識させることになった「オレンジロード」が入っています。

それからアメリカで「百獣王ゴライオン」と「機甲艦隊ダイラガーXV」編集合体で1つの作品にした「Voltron」がこの時期に放映されていたそうです。


94年頃
中国本土のテレビ局で放映されていた作品
「宇宙の騎士テッカマンブレード」
「星銃士ビスマルク」
(アメリカ経由で「Saber Rider」の名前での放映だったそうです)
「機動警察パトレイバー」(TV、OVA、劇場版)
「忍たま乱太郎」
「トランスフォーマー 超神マスターフォース」
「戦え!超ロボット生命体 トランスフォーマーV」
「タイムボカン」
「魔法のプリンセス ミンキーモモ」
(コメントで教えていただいた情報によれば91年の「海モモ」の方だそうです)
「絶対無敵ライジンオー」
「元気爆発ガンバルガー」
「六神合体ゴッドマーズ」
「魔神英雄伝ワタル」
「ロードス島戦記」
(OVA)
「マッハGoGoGo」(アメリカ経由で「Speed Racer」の名前での放映だったそうです。またアメリカ版の方も一緒に放映されたそうです)
「まんが偉人物語」

香港や台湾のテレビで放映され、
中国本土でも場所によっては視聴することができた作品
「横山光輝 三国志」
「うる星やつら」
(TV、OVA)
「ドラゴンボール」(劇場版)
「未来少年コナン」

「パトレイバー」はTV版8〜12話ごとにOVAを1話はさむ形で放映されたそうです。またこの作品の吹き替えは非常にクオリティが高かったそうです。
「忍たま乱太郎」はこの後もかなり長い間放映され人気になっています。


95年頃
中国本土のテレビ局で放映されていた作品
「プラレス三四郎」
「Xボンバー」
(特撮人形劇ですが中国ではアニメ枠扱いでした。海外経由の「STAR FLEET」の名前での放映だったそうです)
「メタルファイター・MIKU」
「SLAM DUNK」
「重戦機エルガイム」
「魔神英雄伝ワタル2」
「三つ目がとおる」
「魔法の天使クリィミーマミ」


香港や台湾のテレビで放映され、
中国本土でも場所によっては視聴することができた作品
「たいむとらぶるトンデケマン!」
「超時空世紀オーガス」


「スラムダンク」は中国で最も人気になった日本のアニメで間違いないでしょう。「スラムダンク」の影響により中国のバスケ人口は増大しましたし、作品の影響による社会現象まで起こっていました。
「エルガイム」は放映されるときに何話か抜けていたらしく、カットされていた可能性もあるそうです。


90年代後半以降でもう1回更新するくらいの量があるのですが、このGW中に終わらせるのはちょっと難しそうなのでここで一区切りにして続きは近いうちにまたやらせていただこうかと思います。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


80年代に中国のテレビで放映された日本のアニメ オタ中国人の憂鬱アップデート


5/5:追記修正 誤字脱字の修正と追記を行いました。ご指摘ありがとうございます。
5/6:追記 ミンキーモモについて追記。ご指摘ありがとうございます。

80年代に中国のテレビで放映された日本のアニメ オタ中国人の憂鬱アップデート

中国のテレビで放映されたアニメ、特に一昔前のアニメに関して調べるのはかなり難しいものがあります。当時放映された内容に関するリストがきちんと残っていることは少ないですし、地方ごとのテレビチャンネルなどになってくるといよいよ分からなくなってしまいます。

それに加えて中国本土にはビデオも普及しておらず、普及した映像記録メディアのVCDは基本的に再生するだけでしたから、テレビで放映されたアニメに関してはどうしても実際に見ていた人の記憶頼りになってしまいます。

またネットを活用しようとしても、現在ネットで活発に動いている中国オタクの主要な層は若い年代になりますから、ネットで見つかる情報に関しても一昔前の情報、具体的には70〜90年代前半に放映されたアニメに関する情報は少なく、あったとしても断片的だったりします。

そんな訳で中国で放映されたテレビアニメの情報に関しては諦め半分でいたのですが、先日お会いした中国オタクであり更にアニメ業界で活躍している方から、昔中国のテレビで放映されていたアニメや、「テレビで見ることができたアニメ」に関して教えていただけました。

この非常にありがたい情報のおかげで、新しい発見とともに私の認識やこのブログに今まで書いていた内容の間違いも見つけることができましたので、今回はそれについて紹介させていただきます。


さて、詳しいリストの前にまず昔の中国のテレビ事情についてを。

昔の中国のテレビは今の状況に比べると随分とフリーダムというかカオスな所もあったようで、視聴率アップのためにイロイロなことが行われていたそうです。
子供の視聴者をガッツリ掴めるアニメもその一つで、なんだかよく分からないルートで入った日本のアニメ番組が放映されたりもしていたそうですし、地方局ではこういった傾向が特に顕著だったようです。

それから中国ではケーブルテレビや各「単位」一括でのテレビ電波の受信を行っていることが多く、テレビの受信状況は日本の基本的に個々の家庭でアンテナを立てるのとは少々違う所もあります。そしてこういった受信の仕方で香港や台湾のテレビを見ることができた家庭も少なくなかったらしく、そのチャンネルでアニメを見たりもしていたという話です。

この香港、台湾のテレビを見れる状況は80年代末から90年代半ばまで続いたそうなのですが、98年頃から管理が厳しくなり手軽に見ることはできなくなってしまったとのことです。現在は一時期ほど厳しくは無くなっているらしいのですが……

そんな訳で「中国本土のテレビでは放映されたことがないアニメ作品」であっても、時期によっては「香港や台湾で放映されていて当時の中国本土でも結構な数の人が視聴していた」というケースがあったそうです。

例えば私は
「中国本土のテレビでガンダムが正式に放映されたことは無い」
と以前どこかで書いたかと思いますが、今回教えていただいた話によれば、
ガンダムに関しては香港や台湾のテレビで放映されていたのを中国本土でも結構な範囲で視聴することができたそうで、96年に「Gガンダム」、97年に「ガンダムW」が視聴されていたそうです。
ですから「中国本土のテレビでガンダムが正式に放映されたことは無い」というのは問題のある言い方になってしまいますね。


そういった話も含めて、以下にネットの普及以前の時代のものを中心に、
中国で放映されていた、或いは見ることのできた作品を紹介させていただきます。
(中国では地方ごとに放映の時期にはズレが生じることもある上に再放送も行われているので、年代に関してはあくまで大まかなものということをご了承ください)

82年〜87年頃

「鉄腕アトム」
「ジャングル大帝」
「龍の子太郎」
「一休さん」
「アストロガンガー」
「グリム名作劇場」
「ニルスのふしぎな旅」
「魔法使いサリー」



88年〜90年頃

中国本土のテレビ局で放映されていた作品
「リボンの騎士」
「魔法のマコちゃん」
「家なき子」
「アタッカー YOU!」
「花の子ルンルン」
「キャンディキャンディ」
「海のトリトン」
「ムーの白鯨」
「バビル二世」
「銀河鉄道999」
「アタックNo.1」
「エースをねらえ」
「ドラえもん」
「宇宙空母ブルーノア」
「ルパン三世」
「アニメ三銃士」
「破裏拳ポリマー」


香港や台湾のテレビで放映され、
中国本土でも場所によっては視聴することができた作品
「タイガーマスク」
「科学忍者隊ガッチャマン」
「惑星ロボ ダンガードA」
「太陽の使者 鉄人28号」
「SF西遊記スタージンガー」
「魔女っ子メグちゃん」
「宇宙海賊キャプテンハーロック」
「マジンガーZシリーズ」
「勇者ライディーン」
「コンバトラーV」
「鋼鉄ジーグ」



以上です。

90年頃までに放映された作品の中で個人的に驚いたのは
「アストロガンガー」

でしょうか。まさかこの作品が中国に入っているとは思いもしませんでした。

解釈次第な所もありますが、もしかしたら中国本土のテレビに最初に入った日本のスーパーロボット系の作品は「アストロガンガー」になるのかもしれません。
「アストロガンガー」が中国で放映されたのはかなり早い時期だったそうで、科学教育番組の後ろの方で放映といった扱いになっていて、全てきっちり放映されたわけではなかったとのことです。

ちなみに、その次に中国本土のテレビに入った日本のスパロボ系な作品は恐らく「戦国魔神ゴーショーグン」になるかと思われます。日本のアニメ扱いで良いのかちょっと迷ったので上のリストには入れていないのですが、アメリカで「戦国魔神ゴーショーグン」と「亜空大作戦スラングル」を編集合体させて1つの作品にしてしまった「Macron 1」も88年〜90年頃の時期に中国に入っていたそうです。


それから、「科学忍者隊ガッチャマン」は当時香港や台湾のテレビで放映していたものが視聴されていたそうで、その後97年になってから中国本土のテレビ局で放映され、その時はOVA版も一緒に放映されたそうです。

他にも「タイガーマスク」や「スタージンガー」など、なかなかにスゴイ作品が入っていたようですが、当時の視聴者の反応がどんなことになっていたのか非常に気になってしまいますね。
この情報を教えてくださった方も「タイガーマスク」には当時驚いていたそうで、「これはスゴイ作品だがなんでこんな作品輸入したんだろう……てかなんで輸入できたんだろう……」という疑問を感じたりもしたそうです。


結構長くなってしまったので、今回はとりあえずここで一区切りとさせていただきます。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


5/5修正:「家なき子」を「家なき子レミ」と間違って書いておりました。またタイトル及び誤字脱字などを修正しました。ご指摘ありがとうございます。

なぜ中国のテレビで日本のアニメはダメなのにネット配信は大丈夫なのか オタ中国人の憂鬱アップデート

GWの連休に合わせてイロイロとまとめる事が出来たので、
今回は「オタ中国人の憂鬱」のアップデート、

「中国のテレビでは日本のアニメが放映できなくなっているのに、なぜネットでは配信ができるのか」
ということに関して一つやらせていただきます。


中国のテレビや映画はかなり厳格なコントロールが行われており、外国の作品を輸入する際にも輸入の手続きの中に内容の審査検閲などがあるというのをご存知の方も多いかと思います。

また、国内コンテンツの保護政策などから、中国のテレビでは現在日本のアニメを放映するのが難しくなっています。キッズチャンネルなんかは特にそうですね。一応、映画チャンネルの場合は放映が全く無いわけではないといった状態のようですが……

しかし、現在中国のネットでは版権を取得しての日本との同時(或いはほぼ同時)配信や独占配信が行われています。
最近は中国のネット動画サイトでは日本のアニメの版権を獲得して正規配信を行うケースが増えており、この4月などは「進撃の巨人」「とある科学の超電磁砲」「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」といった人気作を含む十数作品が配信されています。

その辺りの事情に関して仕事先でもブログでも質問をいただきますので、今回はそれについてまとめて見ようかと思います。


さて、
「なぜテレビはダメでネット配信は大丈夫なのか」ということについてですが、これは言ってしまえば、
「ネットに関してはまだ中国の各政府機関の管轄が錯綜している」
ことにより
「ネットの動画配信がグレーゾーンになっている」
からです。


中国ではインターネットという新しいメディアに関してはまだ管理管轄が明確になっていない所もあり、各政府機関の管轄分野も錯綜しています。

ラジオやテレビ、映画に関しては旧国家広播電影電視総局、通称「広電総局」(日本語ではラテ総局などと呼ばれることもあります)がきっちりと管理管轄しているのですが、インターネット及びネット動画に関しては管轄外な部分もあることから、テレビや映画のようにコントロールしているわけではありません。

ここしばらくの状況におけるネット動画サイトに関しての広電総局の管轄は、
「動画サイトの運営許可証の許可」
までであり、許可証を取得したサイトの細かい運営内容や個々の動画までは管理できません。個々の内容についての管轄を持つとされる工信部(中華人民共和国工業と情報化部)は様々な理由から内容のチェックに消極的です。

そういったこともあり、ネットの動画サイトにある動画コンテンツの規制に関する細かい所に関しては許可証を取得したサイトの自主規制に任されている状態のようです。

ですから現状では政治的にまずかったり、社会的に問題になっちゃったりするなどの大事にでもならない限りはそれほどうるさくやられるわけではないのだとか。
(もちろん動画サイト側も中国特有の事情は十分にわきまえていて、政治的にマズイ動画や明らかなポルノなどはバンバン削除しています)

中国の動画サイトにおける動画コンテンツの扱いがこのような状況にあることから、厳密に考えればマズイ所も出てきそうではありますが、とりあえずは日本のアニメが中国の各種手続きをすっ飛ばして、中国国内において日本と同時(或いはほぼ同時)の配信を行うことが可能となっています。

ちなみに、広電総局は先日の「両会」で出版関係を管理している国家新聞出版総署(版権関係を管理しているとされる国家版権局もここに所属しています)と合併し「国家新聞出版広電総局」となり、ラジオやテレビ、映画と、出版メディアを一括して管理できるようになりました。

しかし合併前の各機関の管轄状態から判断する限り、出版やラジオ、テレビ、映画といったメディアに関しては強い力を持ってはいますが、ネット上のコンテンツに対しては、依然としてそこまで強い力を発揮できないのではないかと思われます。

もちろん、動画サイト全体に方針としての圧力をかけることはできますし、中国の感覚で政治的、社会的にまずいと判断されるような状況になれば一定のコントロールは行われます。
ただ、個別の作品を全てチェックして……というのは現実的ではない上に管轄の関係もあるので、現状ではグレーなままにされているようです。


中国の動画サイトで日本のアニメが日本との同時配信を行えるのは、以上のような背景があるからです。しかしこの「グレーゾーン的なものである」ということは、ある程度簡単に配信ができるのと同時に
「中国の動画サイトにおいては正規ルートでの違法動画対策が難しい」
という状態も引き起こしています。

中国のネットにおける動画関係のサービス関してはここしばらくの間でもかなりの変化があり、youtube型のユーザーのアップするコンテンツがメインとなっているサイトや、hulu的な動画配信サイト、クライアントソフトを使ったP2P或いはP2SP系の動画配信などが混在しています。
また、愛奇芸(iqiyi)などのように基本的に「版権を取得したコンテンツのみを配信する」としているサイトも存在します。

こういった動画サイトの中には日本のアニメの違法動画が流れている所があるわけですが、これに関しての対策、個々の作品の違法動画への対処が現状ではかなり難しくなっています。

本の出版や以前のテレビアニメのように正規の審査検閲及び輸入の手続きを経て入った作品、そしてそれによる正規出版か正規放送、正規上映であれば、広電総局或いは上述の版権局の大儀名分でそれなりの侵害対策を行えるのですが、 ネット配信のような政府機関の目につかないようにやっているケースに対してはそういったルートによる手段がとれず、実質的に裁判以外公的な対抗手段は無いということになります。

しかし中国現地での裁判となると、発生する様々なコストや、現地で権利関係の証明をすることの難しさ、更に根本的な問題として裁判に勝てるのか、例え勝ったとしても日本側の満足する結果になるのかということがあります。

時間がかかり過ぎるとアニメ配信の旬の時期は過ぎてしまいますし、これまでの判例を見ても裁判は長期化し易い上に賠償金も少なく、違法動画配信側には大したペナルティにはなっていないようです。このようなことから、体力の無い日本の版権ホルダーにとっては裁判も現実的な手段とはなり難いそうです。

こういった背景が存在するので、現状では中国のネットの違法動画に関しては、テレビや映画、ラジオ、出版関係とは違い、日本でよくイメージされるような中国政府関係ルートによる強力なコントロールを期待するのは難しい状況ですし、裁判を通じてというのもコスト的に難しいということで、正攻法での対処は
「ロジック的には可能、コスト度外視でやればできなくもない、しかしあまり現実的ではない」
ということになってしまっています。

では、「違法動画対策」として効率の良いものは何があるかと言いますと、
「独占配信の権利を現地動画サイトに売り、現地動画サイトに非正規動画対策を任せる」
というのが最近では比較的効率の高いものとなっているようです。

もちろん現地の動画サイトが日本のコンテンツホルダーの要求全てに対応してくれるわけではありませんし、現地サイドの目論見というのもありますから日本国内のような管理は望めませんが、独占配信と言うのが現地動画サイト自身の利益に直結していることもあり、一定の効果は確実に出ているようです。

現に独占配信権獲得の動きが大きくなってからは非正規動画が削除される、新番組の動画がアップされなくなるといった動きが出ています。
また、行きつけのサイトで非正規コンテンツの視聴ができなくなることにより、中国オタク内でもこれまでのオタクコンテンツの視聴スタイルを変えざるを得ない、といった状況に追い込まれており、「これからどうなるのか」といった不安の声や今後の予想と対策に関するやり取りが行われているなど、様々な影響が出ている模様です。

ちなみに、こういった現地動画サイトによる非正規動画に関する削除要請が効果をあげているのは、中国の動画サイト間での淘汰が進み生き残っている動画サイトが少なくなっているのも影響しているそうです。

現在は中国のネット関連の景気も悪くなり、ネット広告によるビジネスモデルも上手くいかなくなっていますし、どの動画サイトも採算的に厳しくなっています。
また数が減ったことにより話し合いもやり易くなっているので、現状では互いの本格的な衝突を避けるために、お互いの面子を尊重して作品の削除に応じるといった流れが多くなっているそうで、結果的に非正規動画への対応に関しては政府機関を通すよりもスムーズに話が進むようになっている模様です。

もちろんこれもリスク無しとはいかず、グレーゾーンであり不安定な中国の動画サイト事情や、現地との交渉の問題などがあります。
また現状では現地動画サイトにとって版権の獲得及び独占が競合する他サイトへプレッシャーをかける攻撃材料になっていることにより、コンテンツがネガティブなイメージに巻き込まれる可能性もありますし、版権売買のゴタゴタ、更には版権の所在や解釈による混乱なども起こってはいます。

しかし、現状では仮に現地動画サイトに抗議や削除要請を行ったとしても、現地の動画サイトにとっては対応しないことによるリスクがほぼ無く現地の動画サイトが無視を決め込んでしまえばそれまでになってしまいますし、日本のコンテンツホルダーが中国現地で公的な手段を通じて違法動画対策を行うのは様々な面から難しいといったことを考えれば、比較的確実な効果が出ている方法の一つであるのは確かです。

それに版権を売るということでコンテンツホルダー側にも利益が入りますから、この
「独占配信の権利を現地動画サイトに売り、現地動画サイトに非正規動画対策を任せる」
というのは目下の所では比較的クレーバーなやり方になっているのかもしれませんね。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

あるのは「中国独自の不人気」 中国で人気になるアニメの傾向 オタ中国人の憂鬱アップデート

今回はまた「オタ中国人の憂鬱アップデート」な話を。

仕事先やブログへの質問で
「このアニメは中国で人気になるのか?」
「このアニメ、もし中国にもっていったら人気になるのでは?」

といった話をちょくちょく聞かれますが、中国での人気の出方に関しては日本からはイメージし難い所もありますよね。

そんな訳で今回は、中国で人気になる日本のアニメ作品の人気に関する傾向の変化について紹介させていただこうかと思います。

中国におけるアニメの人気の出方に関しては、
「日本とはかなり違う」
というイメージを持ってらっしゃる方もいらっしゃるかと思います。

確かに昔は中国で人気になる日本のアニメは、同時期の日本の感覚からはちょっと離れた、予想外のものになっていました。しかし、最近はそういった予想外の作品が人気になるということは珍しくなっていまして、言ってしまえば人気の傾向はどんどん日本に近くなってきています。


過去には例えば
「宇宙の騎士テッカマンブレード」「天空戦記シュラト」「魔神英雄伝ワタル」

といった作品が中国でかなりの人気になったりしています。もちろんこれらの作品は日本でも放映当時はちょっとした人気ではあったかと思いますが、中国での人気は完全に日本以上のモノになっていました。

また、「北斗の拳」や「聖闘士星矢」などのメジャーな作品に関しても、入る時期や入った当時の競合作品の少なさから、日本とは異なるタイミングで人気になって中国本土を席巻していますし、特撮の場合は「恐竜戦隊コセイドン」が中国に最初に入った日本の特撮作品(ウルトラマンより前です)という事で、特撮ファンの間では殿堂入り的な扱いになっています。

昔は日本の作品が入るルートは、アニメの場合は主にテレビと海賊版でした。しかし中国においてアニメの海賊版が広まるのは90年代半ば頃にVCDが普及してからでしたし、いくら海賊版が日本の感覚からすれば安価だとは言っても、現地の感覚、それも子供や若者の感覚では安いものではありませんでした。

そのため、アニメに関してはテレビで放映されたか、放映されたのはどれくらいの規模かというのが大きく、それに加えて作品の面白さがどうだったのかという話になっていたそうです。

中国のテレビで放映されているのは、基本的に中国のテレビ局の基準で放映可能な内容で、中国のテレビ局が確保できた作品だけです。
同時期の日本におけるアニメの人気競争に比べると、競争相手や比較対象が非常に少ないという状況になるわけですから、たまたま中国に入った日本のややマイナーな作品がその時代の中国の子供に人気が出て、思い出深いものになったりすることも珍しくありませんでした。

しかし最近では中国の政策もあって中国のテレビでは日本のアニメを見ることがほとんどできなくなっていますし、アニメの視聴スタイルもネットを通じてのモノになっています。
そしてネットによるデータの流入や、ファンサブ活動の拡大により、昔のような同時期の日本と比べて限られた作品だけが入ってくるのではなく、日本に近いタイミングと量で最新の作品や情報が入ってくるようになっています。

現在は限られたルートにより限られた作品しか入らなかった昔とは随分と違いますし、作品の人気の出方、現地の中国オタク層の作品の良し悪しについての判断も昔とは異なるようになっています。
新作アニメの評価、視聴するかどうかの判断における基準や比較対象となるのは主に「過去の日本の名作アニメ」や「同時期に放映されるアニメ作品」になっていますし、感覚も日本に近いものになってきています。

特にアニメの新番組に関しては人気の高い作品が出ると、同時期のそれ以外の作品はわりを食って容赦なく沈んでいく傾向がどんどん強くなっていますね。

例えばこの4月から始まった新作アニメの中で、新シリーズでは「進撃の巨人」、続編では「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」「とある科学の超電磁砲」が非常に強く、他の作品は事前の想像以上に埋もれてしまっている感があります。
これが1月スタートだったならばかち合う人気作も少なくもっと話題になったのでは……という作品も幾つかありますね。


こういった状況になってきているので、
現在の中国における日本のアニメの人気の出方に関しては
「日本でマイナー或いはそれほど人気が獲得できなかった作品が、中国でだけ突発的に大人気になるケースはほとんど無い」
「中国独自の人気というのはほとんど無い」

といった傾向が出ています。

これが漫画やラノベの場合ですとネットの影響がアニメに比べればまだ小さく、入るルートが限られていたり、作品の入るタイミングがまちまちだったりするので中国独自の人気的なものが形成されることもたまにあるのですが、アニメは作品と情報がネットで一気に広まることから、作品の人気が出る流れは既に日本にかなり近いものになってきていますね。


ただ、中国の人気の傾向として面白いのは
「日本で人気が出た作品が中国で人気になるとは限らない」
「日本の人気作品が中国で必ず受け入れられるわけではない」

というのがある所でしょうか。

ここ数年の人気作品の傾向を見ても
「日本で人気の作品が、中国ではあまり人気にならない」
「中国独自の不人気」

といったことはちょくちょく起こっています。この理由には文化的なものや政治的なものまで様々な理由が考えられますが、比較的大きな理由が二つあります。

一つは中国オタク層には
「中国国産アニメが基本的に子供向けの作品しかないことに飽き飽きしている」
「自分達が見るアニメは子供だましなものではない」「オタク文化とその重要なコンテンツは、子どもでは無く大人になった自分達が楽しむ価値のあるもの」
といった考えがあることから
「子供向け、低年齢が対象に入っているアニメを見たがらない」
という考えが根強いということです。

中国オタク層は自分たちの見るアニメとは大人「の」見る価値があるものだと捉えているので、日本のオタク層のアニメは大人「も」見て楽しめるものだという考えとはちょっとした違いがあります。

そしてこういった思想からか、中国オタク内では作品が子供向け、低年齢が対象というだけで切り捨ててしまう傾向があります。

この影響については、
SDガンダムシリーズの一つ「SD三国伝」が「意思を持ったキャラとして動くSDガンダム=子供向け」のイメージで受け取られてしまったことから中国本土ではほとんど話題にならなかったことや、プリキュアシリーズが長い間話題にならず、「ハートキャッチプリキュア」辺りで「作画がスゴイ」といったようなマニア的に評価できる作品という話が出るようになってようやく広い範囲で注目されるようになったなどの例があります。


そしてもう一つが
「マニア向け」
「作品を理解する上で必要なオタク的な前提知識、オタク的な文脈の理解が多過ぎる」

ような作品は敬遠され易いという点です。
日本のマニア寄りな層を中心に人気の高い作品や、萌えや特定の属性などを極端に強調した作品などに関しては、中国オタクの大多数にとってハマるのが難しいことも少なくない模様です。
追記:コメントでご指摘いただきましたが、「お約束的な要素や展開の多い作品」なんかもそうですね。

例えば、魔法少女系の作品の流れの上にバトル要素を組み込んでいる
「魔法少女リリカルなのは」は、

日本での評価も伝わっているので知名度自体は高いですし「魔砲少女」といったネタ的な情報は入ってはいるのですが、作品そのものの人気となると日本の盛り上がりに比べてイマイチな状態です。

また最近では「TIGER & BUNNY」

が非常にハッキリとした「中国独自の不人気」作品となっていました。
中国オタクは「金儲け」的な色が露骨に出るのを嫌う傾向が強く、作中に広告が出るこの作品はネガティブな情報が先行してしまった点もマイナスとなりましたが、それ以上にこの作品において萌えたり燃えたりできる要素が、中国オタク的に難しかったそうです。

中国オタク的にはバディもの、ヒーロー系の作品はいまいち慣れていない所に加えて、分かり易く感情移入できるデザインのキャラがいないというのが厳しかったらしく、特に女性の中国オタク層には
「分かり易い美形キャラが少ない、おっさん萌えは上級者向け過ぎ」
だったそうで、当時日本で人気が盛り上がっていたのに、中国本土ではなかなか人気に火が付きませんでした。

一応、後に日本や台湾香港経由で入った情報により一部の層は作品を「再発見」して評価する動きも少しは出たのですが、その時にはもう番組は終わり、中国オタクの大多数は次の作品への話題に移っているという状態になっていました。

もちろん中国オタク内にもこういったマニア向けな作品に対してハマっている、面白さを評価している人はいるのですが、日本のような大きな動きにはなり難いという傾向があります。
これに関しては「オタク」と言っても日本と比べると、ライトな層に比べてマニア層がまだ少数派というのもあるのでしょうね。

ただ、少々ややこしい話なのですが
「独特な設定」「マイナーなジャンル」
であっても、
「ストーリーが分かり易く、面白い」
「テーマに関して作中で自然な説明がある」

ような作品の場合は問題無く楽しめるようで、人気になることも少なくありません。

例えば高校野球部活モノである
「おおきく振りかぶって」

や、かるた部を舞台にした
「ちはやふる」

といった作品は人気になっていますし、
女性キャラのみによる魔法少女モノである
「魔法少女まどか☆マギカ」

も主にSFタイムループ系のストーリーや設定が評価され大人気になっています。
とは言え、「テルマエ・ロマエ」のような風呂限定タイムスリップまでくるとさすがに無理なようですが……


現在の中国本土における日本のアニメの人気の出方についてはこんな所でしょうか。
中国のアニメの人気に関して、
「中国独自のものになるのでは?」
という質問をいただくことも少なくありませんが、最近はネット経由で作品や情報がどんどん入るようになっているので基本的に日本で人気の作品は中国でも人気ですし、日本で不人気の作品は中国でも不人気という当たり前の結果になることが多いです。

作品の広まる規模や現地の反応に関しては中国独自の事情が影響したりすることもありますが、こと人気が出るかどうかに関して一番重要なのはやはりそのアニメが面白いかどうか、パワーがあるかどうかということになりますね。

ここしばらくの傾向を見ても、やはり日本でもライト寄りなファンを多く獲得できる作品、ジャンルを開拓し新規にファンを獲得できる作品が強いですね。

ですから私も
「この作品が中国で人気になるか」
といったことを考えるときにはまず、
「面白いか」「日本で人気になる或いはなっているか」
ということから考えて、その後に
「中国で受け入れられるか」「ライトな層にも話題が広まるか」
というのを考えます。

また結果の分析に関しても、
「中国で受け入れられなかった要素はどこか」
という観点から考えた方がイロイロと使えるものになりますね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


4/16追記修正:コメントでいただいたご指摘を追記しました。

中国のファンサブ活動が直面する問題 オタ中国人の憂鬱アップデート

前回の
中国本土でいまだ健在な日本のアニメ、消えていく漫画とゲーム、目立つようになったラノベ オタ中国人の憂鬱アップデート
と2回連続になってしまいますが、
ありがたいことに「オタ中国人の憂鬱アップデート」で書こうと思っていた
「中国のファンサブ事情」
に関して、現在ちょっとしたゴタゴタが起こっているという情報をいただいてしまいましたので、今回はその辺についてを。


中国に限らず、海外での日本のオタク系コンテンツの広まりには、ファンが勝手に翻訳するファンサブ翻訳が良い悪いは別として大きな影響を様々な方面に与えてきたのは間違いありません。

中でもアニメにファンサブ翻訳の字幕を付けてネットに勝手にアップしてしまうファンサブ活動の影響は非常に大きいかと思われます。中国オタク内ではそういったファンサブグループの事を「字幕組」と言われ、現在も多くの「字幕組」が活動しており、新作アニメをはじめとする様々な作品に字幕を付けたりしています。

特に新作の人気作品に関しては動きが活発で、前人気が高い作品に関しては複数の字幕組が字幕配信予告の名乗りをあげたりします。
中国オタク内における作品の評価や人気を知る上では、その作品にどれだけの数の字幕組が字幕を付けたか見れば良いという話もありますね。

しかし、最近になって中国オタクを取り巻く環境も変化し、この字幕組のファンサブ活動に関しても昔と同じではいられなくなってきているようです。


最近起こった2つの事件は、まさにその変化を象徴するような事件でした。

その事件の1つ目は、
中国の動画サイトが正規に版権を取得して配信を開始した
「リトル ウィッチ アカデミア」(リンク先はアニメミライの作品ページです)
に関して、作品の関係者が別の動画サイト及び字幕組に対して違法アップロードされている動画の削除やファイルのアップロードの中止を要求したのと、その後のゴタゴタに関する件です。

この削除の要求を受けて主な動画サイトはアップされている動画を取り下げたようなのですが、オタク関係のユーザーが多いとされているコメント弾幕系動画サイト「bilibili」では検索避けを行うだけに止めていたらしく、ログインしたら見れてしまう状態のままだったようで、作品の現地関係者の方が中国のweiboにおいて証拠のキャプ画像つきでかなり本気で抗議するという流れになってしまったそうです。
(bilibiliは昔のニコニコ動画のように、基本的に他の動画サイトの動画にコメント字幕が投稿できるインターフェースをかぶせるというサイトなので、動画の削除要求と対応に関してはどうなのか判断し難い所もあるのですが)

この一連の流れは中国のファンサブ活動にいよいよ来た、
「正規版、正規ルートの作品との明らかな衝突」
とも受け取られているようで、ファンサブ活動をやっている人間だけでなく、ファンサブ活動による字幕付きの動画を見ている人間にとっても無視できない事件だと受け取られている模様です。


もう1つは先日アニメ化も発表された18禁PCゲーム
「大図書館の羊飼い」

に関して、現地のファンサブグループが制作してネットにアップした中国語化パッチを、中国現地のゲーム雑誌がゲーム体験版や、各種版権素材と一緒に勝手に付録につけて販売してしまい、しかもそれに対して別の方向から18禁CGが含まれているということでネットを通じて通報したり、各メディアのweiboに対してつぶやくなどという動きが出て炎上状態になってしまったという件です。

このファンサブ系中国語化パッチに関しては商業利用不可とうたってはいたものの効果は無かったようです。またこの事件の火の粉が飛んできたことで、ファンサブグループ側も謝罪文をアップするなど、中国語化パッチを制作していたファンサブ界隈ではかなりドタバタしている模様です。

中国では18禁PCゲームというのはもちろん法律的にアウトですから正規では流通しておらず、基本的に違法ダウンロードでネットから入手することになります。
そしてそのゲームの中国語化パッチを作るということに関しては、ポルノ関係の活動だと見なされてしまう可能性もあります。

もし18禁PCゲームのパッチ作成及び配布がポルノの頒布行為だと見なされた場合、中国では非常に厄介なことになります。下手に注目を集めて大事になってしまった場合、個人だけでなく、その活動の界隈全てに圧力や取締りが来る可能性もありますから、関係者にとっては冷や汗モノなのだそうです。

ちなみに、ファンサブグループ関係からはちょっと離れますが、中国のオタク関係の雑誌がこういった素材やコンテンツを勝手に付録にして宣伝するのは昔からわりとよくある話でして……

これも教えていただいた情報なのですが、
近々中国で発売されるオタク向け雑誌には中国本土では販売されていないはずの
「Animelo Summer Live 2012」
の動画を収録したDVDが付録についちゃっているそうで、これに対してアニサマのプロデューサーが中国のweiboで違法な商品を購入しないよう呼びかける、といった事件も起こっているそうです。


これらの件に関しては中国オタクの面々もイロイロと考えてしまう所があるようで、イロイロな反応が見て取れました。
とりあえず以下にその辺に関するやり取りを、例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


いや、正論なのは分かるんだけど、なんか納得いかんのよ。
今の版権取って商売やっているのって、ファンサブでファンが増えた所に入って来ているわけだし。そこで字幕組に圧力がくる今の状況にはなんかもやもやする。

でも、ゲームのパッチの無断商業利用した挙句の通報はともかく、アニメくらいは正規版が入ってきているんだからそっち見たらどうだ?見る分には無料なんだし。

企業が版権購入して、他の動画サイトに動画下げるようにいうのは正しい。そして今後もこういったことは増えるだろう。
でも怖いのはある日突然有料かそれなりのコストを払わなければならなくなることだ。今はまだ広告収入で運営しているようだけど、このモデルも既に難しいのは間違いない。

気が付いたら有料以外の選択肢が無くなっているんじゃないかって不安は常にあるね。
中国の版権無法状態にとって、こういった発展がプラスになるというのは分からなくもないんだが。

動画サイトと版権とファンサブの問題については、私も過去に利益を受けているが、今は正規版に関連した仕事をやっているので版権を理由にした要求についても理解できるから、良いのか悪いのか何とも言えないというのが正直な所だ。
ただ、有志によるゲームパッチを勝手に付録に付ける行為に関しては「恥を知れ」と言いたい。

現在のウチの国の制度では、入ってこれない作品というのが明確に存在する。
正規版が入ってくる希望が存在しないそういった作品を好きになってしまった身としては字幕組に感謝こそすれ否定はできない……
正規版を支持するのは、オタク分野を愛する人間が当然持つべき態度だというのは分かるんだけどね。

ファンサブグループはそれで儲けているわけじゃないんだから、それを目の敵にする連中には強い反感を抱いてしまうわ。そりゃサイトの広告とかでの収入はあるかもしれないが、それで食っていけるなんてことはまずないのに。

最近、ほんとゴタゴタしているよね……
無私な態度で字幕を提供してくれるファンサブグループの人達には本当に感謝している。私はファンサブも正規版も両方とも存在していたっていいんじゃないかと思う。
そりゃ商業的な海賊版は取り締まるべきだけどさ、ウチの国では海賊版のおかげで作品がこれだけ広まっているんだし、ファンサブの貢献というのも確かに存在するんだから。

でも、最近は非商業的なファンの活動と、商業的な利益目的の海賊版、違法アップロードってことの区別が難しいからね……「リトルウィッチアカデミア」の件も、少なくとも版権取得側の配信へのアクセス数に打撃はいくし、bilibiliが無許可で、しかも版権取得にかかった手間や費用なんてことなく動画をアップして人を集め、サイトを運営、しかも広告収入を得ているというのは間違いないんだし。
残念ながら、無許可な作品がネットに流れてコピーされ現在の作品にダメージを与えているという現状、これだけでファンサブが批判されるのは避けられないんじゃないかな。ネットが便利になり過ぎたのかも。

不満が無いわけじゃないけど、版権取ってる企業が他の動画サイトに削除を要求するのは当然だし責められることではない。でも雑誌の付録はファンサブ活動に乗っかって儲けて更にファンサブに打撃を与えるという展開だからムカツクわ。

この手の雑誌の付録は今に始まったことじゃないのがね。個人的には騒ぎ立てたアホに恨みの感情が集中しているわ。

通報して、下手に取締りの範囲に入ったら全オタク界炎上みたいなことになるしな。
しかし今の時代はこういったリスクは常にある。昔みたいに細々と、ファンの間だけで続けることは難しいのかなぁ……

正規版を支持すべきというのは間違いない。でも、そこからファンサブグループの否定までいくのはどうかと思う。
確かに今の状況は何とも言えない流れになって来ているが、私はファンサブグループのおかげでオタクになったし、ファンサブグループが一概に否定されるのはやりきれない。

でも金銭面で明確なものが無くとも字幕組やその関係者が動画サイト関係で、全く利益を得ていないわけではないんじゃないかな。会員向けのサービスとかあるし。
そして字幕組の作品によって利益を得ていない人間と言うのはウチの国には存在しない。みんな微妙に繋がっているから、一つを否定すればすべて解決とはいかないんだよね。

ファンサブ関係は、ウチの国のオタクにとっては切っても切れないものだから複雑だよね。海賊版を否定すればそれで全てが上手くいくってわけではない。
そして、雑誌の付録が一番アホなことやらかしているよな……この手の行為はオタク界隈全体にダメージが来る。

エロ関係での通報は特に怖い。注目を集めたらあっさり潰しに来る気もするし。
この手のデータ流している人間の間では、どうするべきか、安全にやり過ごせるのかということで混乱している人も少なくない。

権利侵害を主張する動画サイト自身、無許可の動画をアップしているくせに。商機を感じて飛び込んできただけのくせに。
ファンサブグループがどれだけ頑張ってアニメや漫画ゲームを広めたと思っているんだ。あいつらはその基礎の上で商売しているくせに。

なんでこんなことになっちゃったんだろうな……
私自身も昔はファンサブ活動に関わって字幕付けたりしていたけど、現在の状況には困惑している。しかも最近ではファンサブグループ同士のゴタゴタや、ファンサブ字幕への批判も溢れているし。平穏な二次元オタクをやっていられる時代ではなくなってきているんだろうか。

なんとも難しい時代になってきてるね。
自分がアニメにハマったスタート地点が字幕組の字幕による作品だったのは間違いないし、愛着や感謝の感情は確かにある。現在の公式配信の時代の中で、厳密に権利関係を適用したら問題だというのも理解できるが、自分の出発点を完全に否定されるのはキツイよ。



とまぁ、こんな感じで。
どんどん変わっていく中国オタクの環境にイロイロと戸惑ったりもしているようです。

中国オタクの面々がファンサブ活動を行う理由としては
「作品やジャンルへの愛」
「自己アピール」
「海外在住オタクとしてのある種の創作活動」
「コンテンツの布教」

といったものがあるようですし、しかもそれらが絡まっているので、ファンとしての愛なのか、自己アピールのためのものなのか、それとも小遣い稼ぎなのかといった辺りをハッキリさせるのは難しいようです。少なくとも金銭面で考えたら割に合わない作業なのは間違いないようですし。

問題なのはこの彼らの言う「愛」が、現在のコピーが簡単にできてしまう、非正規品が簡単迅速大量に出回ってしまう環境では作品自体や作品の制作サイドにとってあまりプラスにならない、下手すればマイナスになってしまっているということでしょうか。

また、ファンサブ活動の根本的な理由として
「公式ではやってくれない」
「日本の放映、配信とのタイムラグが大きすぎる」

というのがあるのですが、
最近は中国の動画サイトが正規に版権を取得して
「人気の作品を日本とのタイムラグ無しで字幕付き動画を配信する」
というのが行われるようになってきています。

更にファンサブ翻訳のクオリティの優位性にも変化が起きています。
以前はファンサブ翻訳は
「作品への愛があり、作品を理解している人間が翻訳しているので商業的な字幕よりレベルが高い、面白い」
とされてきましたし、実際昔はアニメ関係について分かっている人間も少ない上にやっつけ仕事ということも珍しくなく、翻訳のレベルも低かったそうです。
しかし、最近の公式配信はファンサブ字幕との差がそれほど大きくはなくなってきているのだとか。

実はここ数年で、中国では若い日本語スキル持ちの人間が増加し、それに加えてネットの進歩による、翻訳サイトなどのツールの進化や、参照できる例文用語の増加などにより翻訳力が底上げされ、更に日本の文字放送による補助もあり、ファンサブグループの字幕のレベルは昔に比べて向上しているようです。

そして、こういったツールや人材が活用できるのは公式配信側も同じですし、それに加えて公式配信側は映像データ以外にも、資料や台本などが手に入ります。
またアニメや漫画を見て育った世代、「分かっている」世代が社会に出ていますから、公式側にいる人間も「オタクの知識がある」ケースも珍しくありません。

そのため、現在は字幕翻訳のクオリティにおけるファンサブと公式配信の差はそこまで絶対的ではなく、好みの差を考慮しなければ、むしろ資料や組織のバックアップのある公式配信側の方がクオリティが安定していることすらあるようです。

趣味でやっている人間が多いファンサブはどうしてもムラが出ますし、一定以上のクオリティの字幕を定期的(しかも番組データがネットに流れてから可能な限り早く)に供給するという点において公式配信側と競うのは段々と厳しくなっているそうです。

しかも大多数の人間にとって、違和感のないレベルの翻訳であれば細かい翻訳センスに関する差についてそこまで明確には感じられません。特にアニメはライトな層が大量に見ているものでもあるので、一部のマニアやじっくり何度も見る熱心なファンでもない限り、字幕の質に関しては一定以上であればOKといった所もあるのだとか。

それどころかファンサブグループの職人芸的な「翻訳の色を出す」「凝った訳にする」というのはむしろ野暮なこと、押しつけがましいと思われてしまうケースも出始めているそうです。

ここしばらくの間で、国のネット環境はまた随分と変化しましたし、正規に版権を取った日本のオタク系コンテンツの増加といった動きが出ています。そして、その変化により中国のファンサブグループの活動も、昔ほど好き勝手に出来ない、無責任ではいられなくなってきているのかもしれませんね。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。


4/5修正:誤字脱字を修正しました。ご指摘ありがとうございます。

中国本土でいまだ健在な日本のアニメ、消えていく漫画とゲーム、目立つようになったラノベ オタ中国人の憂鬱アップデート

今回は
中国でガンダムはなぜマクロスに勝てないのか オタ中国人の憂鬱アップデート
に引き続き最近の中国オタ事情の紹介を。

現在中国では日本のオタク関係のコンテンツは主に、アニメ、コミック、ゲーム、ライトノベルなどを通じて入っていますが、各コンテンツ間の存在感や影響力、がこの2年でかなり変わりました。

実はこのブログのまとめ本を出した時期に、私は
「もう中国で日本のオタク関係のコンテンツの頂点は過ぎて、あとは下り坂になっていくのでは」
「ゆるやかに衰退、ある世代の思い出のような扱いになるのかもしれない」

とも考えておりました。

しかし、現在も日本のオタク関係のコンテンツは中国での人気を保っています。
また細かく見ていくと、人気を保っているコンテンツと、人気の下降したコンテンツ、それから上昇したコンテンツがあります。

中国ではオタク関係のコンテンツの総称として
「ACG」
という言葉を使うことがあるのですが、これは
「アニメ」、「コミック」、「ゲーム」
の頭文字から来ていまして、中国ではオタク関係のコンテンツを大雑把に括るときに使われています。イベント関係のタイトルや宣伝などでもよく見かけますね。

この言葉が広く使われるようになったのは00年代の前半〜中盤辺りからではないかと思われるのですが、当時は「アニメ」「漫画」「ゲーム」の3つは非常に強い存在感をもっていました。

しかしその後オタク関連のコンテンツにも変化が出ていますし、「ACG」という括りは現在の中国におけるオタクコンテンツの実情、特に日本のオタク系コンテンツの中国における人気とは合わなくなってきているような感もあります。

大雑把な話ではありますが、
娯楽の少ない昔から娯楽の増えた今に至るまでずっと人気を保っているのが
「アニメ」
2年前に比べて存在感が落ちているのが
「漫画」
今ではもうかなり厳しいことになっているのが
「ゲーム」
そして2年前に比べてその存在感や影響力を増しているのが
「ライトノベル」
といった所でしょうか。

この辺りに関しては日本でも似たような所はあるかと思いますが、中国ではそのバランスの変化がより顕著ですね。


2年前に出したこのブログのまとめ本では、中国に日本のオタク関係のコンテンツが広まった理由として

・青少年向けの娯楽が貴重な時代だったことによる「相対的な面白さ」
・手に入り易くコピーもし易いことから比較的安いコストで楽しめるという「手軽さ」
・漫画などが学校や空いた時間で楽しめる、親の目から隠しておける「携帯性」


と書きましたがこの理由はあくまで相対的なものですから、中国の社会や娯楽関連の環境が変われば同じものではなくなります。

私が中国における日本のオタク関係のコンテンツの広まりが下り坂になっていくだろうと考えたのは、中国の社会が豊かになり娯楽が増えていくことに伴い、
「オタク系コンテンツの娯楽としての貴重さが薄れる」
「オタク系コンテンツ以外の手軽な娯楽コンテンツに人が流れていく」

だろうということ、
それに加えて当時の状況として
「中国の自国産コンテンツ推進政策により中国のテレビでは日本アニメが実質的に放映禁止となったので、新しい世代はテレビで日本のアニメを見て育つわけではない」
というのが予想できたからでした。

しかし、この辺についてはちょっと外れてしまったようです。
そのハズレの理由として真っ先に思い浮かぶのは、2年前でも大きかった中国の娯楽におけるネットの存在感が、この2年で更に大きくなったことでしょうか。

ここ2年の間で中国のネット環境がハード面でもソフト面でも整い、ネット経由で展開或いは流入するコンテンツがかなり増大しました。

そのため、ネットを通じて日本のオタク系コンテンツに新たに「ハマる」若い世代も以前の状況で想像されたものよりも多くなり、テレビ放映されないことによる影響がそこまで大きくはなりませんでした。
(もちろん影響が無いわけではありません。特に幼児〜小学生向けの作品に関してはテレビ放映が無くなったことによる影響は大きく、その年代に関して現在は中国国産アニメの独壇場となっています)


そして日本のオタク関係のコンテンツ、特にアニメはこの中国のネットにおける娯楽の需要にとても向いていたのもあってか、現在も中国で人気を保っています。

日本のアニメが中国のネットで強い理由としては、

・楽しむためのコスト、コンテンツの価格が実質的にタダ
・中国のネットユーザーのコンテンツの消費スピードに耐えられるだけの量を持つ多様なコンテンツが、定期的に提供される
・コンテンツの内容が話題にし易く、理解するのも容易。途中参加でファンになるのも容易


ということが考えられますが、中でも「実質的にタダ」というのは大きいですね。

最近は正規ルートも出るようになってはいますが、中国のネットで日本のアニメは基本的にP2Pやら無許可のアップロードなどの非正規ルートで広まっていますし、正規配信も基本的に有料視聴ではありませんから、「タダ」でコンテンツを楽しむことができます。
(ちなみに、中国の海賊版はネットのせいでほぼ壊滅となりました。海賊版はなんだかんだで「有料」ですから……)

中国のネットにおいても最近は有料コンテンツが増えていますし、基本無料のネットゲームに関しても課金ユーザーと無課金ユーザーの差が露骨に出てくるなど、娯楽にコストがかかり微妙に現実社会とリンクした格差が出現しつつあります。

そして「現実の娯楽」はネットよりも更にお金がかかる、お金がなければ楽しめないものばかりですから、日本のアニメは(非正規なものが多いことも有り)実質的にタダで楽しめる、しかも最新最高、人気のものほど手に入り易いということで重宝されているようです。

しかし漫画の方はこのネット中心への変化には乗れず、中国での存在感は徐々に落ちています。
社会がネット中心になってきたことから実本での流通が減りましたし、中国の出版業界は日本以上に元気が無い状態です。

昔に比べて版権を取っての正規流通も増えてはいるのですが、現在の中国の出版市場では厳しいものがあるそうです。海賊版の流通もネットの影響で元が取れなくなり昔に比べて格段に少なくなっています。

また、ファンサブ翻訳などの非正規ルートも画像を加工しなければならないということから、アニメに字幕を付けるファンサブ翻訳に比べて手間がかかるので、アニメほど盛んではないようです。

しかも最近は中国のネットユーザーのコンテンツ消費スピードがどんどん速くなっているので、漫画はアニメに比べて
・コンテンツの「持ち」が悪い
・1話、1冊がすぐに読み終わってしまう
といった面がマイナスとして目立ってきています。それに加えて人気作品が長編化しているので新規ファンの獲得も難しくなってきているようです。

そしてゲームは中国のゲーム環境の変化に加えて、日本のゲーム業界自体に元気が無いのもあり漫画よりも明らかな落ち込みになっているようです。元々中国本土では任天堂系のゲームはあまり浸透しておらず、ソニー系やセガ系が強かったので最近は特に厳しいようです。

日本のゲーム、特に日本のRPGに関しては、「ある世代の思い出」といった状態になっているような所も見受けられますね。唯一元気なのは、中国でもPC版が発売されている日本ファルコムのファンくらいでしょうか。

それから、ここしばらくの間で随分と目立つようになって来ているのがライトノベルです。
こちらはライトノベル原作のアニメが増えたのが理由として大きく、それ以外にもライトノベルが現在の中国のコンテンツ消費スピードでも十分な読みごたえがあるということや、中国で流通している正規版の実本がコレクションとして満足感のあるものだといった点が良い方向に働いているようです。


現在の中国におけるオタク関係のコンテンツの大きな意味での各ジャンルについての状況はこんな感じでしょうか。

日本のオタク関係のコンテンツは現在も中国では使い勝手の良い話題、共通の認識だということは変わっていませんが、その伝わり方や楽しまれ方という部分では変化してきているようです。

以前の記事の、
中国ではオタク趣味ほど気楽なものは無い……のかも
にも書きましたが現在も中国で日本のオタク系のコンテンツが強さを発揮しているのは
「基本的にお金がかからず、それなり以上に楽しめる趣味」
だからという面もあります。

ですから日本のコンテンツを直接消費者に売っていくという形で考えた場合、イロイロと難しい所があるのも確かですね。

とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

中国でガンダムはなぜマクロスに勝てないのか オタ中国人の憂鬱アップデート

2年ほど前にこのブログのまとめ本
「オタ中国人の憂鬱」


を出させていただきましたが、この2年で中国オタク事情も大きく変わり、書籍の内容も一昔前の話になってしまっています。

また、いつもの中国オタクの反応という形では紹介するのが難しい話というのもたまってきていますので、「オタ中国人の憂鬱」のアップデートになるような話を書いていこうかと思います。

さて、そんな訳で今回は
「中国でガンダムはなぜマクロスに勝てないのか」
「中国本土でガンダムが日本のような人気にならない理由」

といったことについてを。

このブログでも何度か書きましたが、中国本土におけるロボットモノの作品の人気に関してはガンダムよりもマクロスの方が優勢です。


中華圏でも、台湾や香港では日本と同じくガンダム優勢のようですが、こと中国本土に関してはガンダムはかなり苦戦しています。
最近は中国本土でもガンプラの流通も増え、先日はガンダムAGEの公式配信なども行われましたし、中国オタク内でのガンダム人気もそれなりに盛り上がってはいるのですが、ライトな層まで含めて考えた場合、日本のような人気の出方にはなっていません。

これに関しては、中国にはマクロスとサザンクロスとモスピーダを編集合体させちゃったアメリカアニメ「robotech」がテレビアニメで90年代に入っていたのに対し、中国本土でガンダムファンが増えるきっかけとなったのは「ガンダムSEED」の海賊版という、スタート地点の差というのも影響しているかと思われますが、それ以上に大きいのは
「ロボットアニメに関する感性」
の影響ではないかと思います。

中国で日本のアニメを見るような層がロボットモノの作品に求めるもの、
日本のファンとの違いについては
「カッコいいロボットが見たいのではなく、ロボットでカッコよく活躍するのが見たい」
と言うこともできますね。

日本のアニメ視聴者のように、ロボットアニメにおいてロボットの部分に注目、或いはロボットの活躍を抽出して評価できる人はそれほど多くありません。

この辺りに関してややこしいのは、中国オタクの間にも「カッコいいガンダム」というのはそれなりに伝わるし、キレイな画でバリバリ動く方が喜ばれるのも間違いないということです。

しかし、彼らの評価基準としては、「MSの活躍」、「ストーリー」、「深い内容」といったガンダムアニメの面白いとされる要素において、「MSの活躍」の順番はかなり後ろの方になります。ライトな層ではこの傾向がさらに顕著になりますね。

もちろん中国で日本のアニメを見ている人達は、ロボット系の作品というカテゴリは知識として理解していますし、面白い作品ならば楽しむことができますが、
「楽しめる要素」
「評価の基準」

という点に関しては、日本のアニメファンとは微妙に異なります。

正直な所、この多くのファンが自然と
「ガンダムをMS中心に楽しむことができる」
「ロボットアニメをロボの活躍に注目して楽しむことができる」

というのは、日本独自のものなのではないかとも思えいます。

日本では子供の頃からロボット関係の番組や玩具に触れながら育ちますし、現在ではガンダムにハマった世代が大人になってきたことから、社会にガンダムをはじめとするロボが溢れていますから、「ロボットのカッコよさを理解する感覚」は自然と(?)養われていきます。

しかし、中国本土にはそういった環境がありませんから、ガンダムのカッコよさを理解するための「訓練」「学習」といったものが必要になります。
(ちなみに、ガンダム環境に関して台湾や香港は日本にかなり近い所があります)

中国オタクの中にも日本のガンダムファンと近い感覚でガンダムや、ロボットアニメを楽しんでいる人はそれなりにいますが、彼らの多くはロボットアニメのファンとして自らを鍛えた、ガンダムを見るための目を養った存在で、大多数のライトな一般層とは違います。


そして、ロボットアニメに関する嗜好の違いが存在することから、「ロボットが主役」なガンダムはマクロスに比べて中国でファンを獲得するのが難しくなっています。

もちろんガンダムにもMSを操縦する主人公パイロットがいますが、やはり作品の主役に見えるのは「ガンダムというMS」ですし、活躍描写のメインとなるのもガンダム等のMSです。

それに対してマクロスの方は、バルキリー等のロボの活躍もありますが、どちらかと言えばそれに乗っている主人公パイロット達のストーリーの方がメインになっています。

マクロスは
「ロボット以外のストーリー要素が前に出てきている」
「作中における歌の扱いや三角関係なラブストーリーなど、視聴者のとっかかりも多い」

といったことにより、中国の視聴者からすると、MSが主役のガンダムよりも非常に入り込み易い作品となっているのですね。


そして、こういったロボットモノに関する感性の微妙な違いもあってか、中国オタク内では日本のアニメのロボット系の作品の人気はなかなか高くなりません。
また時折人気になる作品に関しても、ロボットの部分以外、主にストーリー面が評価されて人気になる傾向があります。

例えば、「グレンラガン」は熱血系王道作品として評価されていますし、「フルメタル・パニック」は実は軍人である主人公が日常の学園生活では軍事ネタなボケを繰り返し、しかし戦いではプロの兵士として一騎当千の活躍をするといった要素が中国オタクの妄想ポイントを効果的に刺激しています。また「コードギアス」は主人公ルルーシュのピカレスクロマンというかビックリドッキリストーリーな所が中国オタクを引き付ける理由になっています。

もちろん中国オタクの面々もファンになったからにはロボット描写にも燃えたりしますし、ロボットがカッコヨク活躍するに越したことはないのですが、多くの人にとってそれは評価基準的には後ろの方になってしまう模様です。


こういった感覚の違いについて、個人的に印象深かったのは
「ガンダムUC」のepisode 4への反応ですね。


ガンダムUCのepisode 4は、トリントン基地に攻め入り暴れまわるジオン残党による大量の昔のMS、連邦側がボコボコにされる中で奮戦するバイアラン・カスタム、MAシャンブロに乗るNTの少女ロニとバナージの交流などの見せ場があるかと思いますが、中国オタクの反応を見てみると、日本とは違う傾向が見て取れました。

日本のファンの間では、ストーリー展開はさておき、古今東西のMSが現在の画のレベルでたくさん出てきて戦闘を繰り広げたということで、とりあえず
「なんか良いモノ見た」
的な所があったのではないかと思いますが、中国オタクの反応を見ていくと、そういったMS描写に関してよりも、ストーリー展開、特にバナージが迷ってうだうだする展開への不満が多く見て取れました。

確かにepisode 4はバナージとユニコーンガンダムの活躍という面から見ると、NT能力のせめぎ合いくらいで、あまり派手な活躍はありませんし、バナージ自身もイロイロと迷ったり、シャンブロを「撃てません」とかやったりしています。
そういった展開が中国オタクのファンからすると、見たかったものとは少々異なる、ストレスのたまる話に思えたりしたようです。

それと、ガンダムと直接の関係は無いのですが、
最近中国オタク内でも大人気となっている
「ガールズ&パンツァー」

に関しては、戦車の強弱関係なく、運用方法からやられ方まで楽しむなど、日本のガンダムファン、ロボットファンがロボット関係の描写を楽しむようなノリで作中の戦車の描写を楽しんでいるのも興味深いですね。

中国では軍事関係の情報が溢れていますし、男の子はだいたい一度は戦車にハマると言われているくらいですから「戦車のカッコよさを理解する感覚」は十分に養われているかと思います。「ガールズ&パンツァー」に関しても、作中の戦車の部分だけを抽出してその描写を楽しむことができるのではないでしょうか。


中国本土のファンに関しては、
こういった日本のロボットアニメのファンの感覚とは微妙に異なる、
「ロボの活躍」ではなく「ロボでの活躍」
を強く求める所がありますから、
ガンダムはロボの活躍がメイン過ぎてなかなか日本のようにはいかないようです。

実はこの辺りに関しては、
「ガンダムSEED」

が非常に良いバランスとなっていたようです。

SEEDは「主人公キラ・ヤマトの成長と活躍」という視点から楽しめるので、中国オタク的にもかなり入り込み易かったのだとか。しかしSEEDは続編のDESTINYでずっこけてしまいその後の展開も残念なことに……

現在の中国では、ガンダムファンのレベルも上がり中国語になったガンダムの情報、特に設定に関する情報がかなり蓄積されていますし、ガンプラの流通も増え、ファンの懐具合も向上するなど良いニュースは少なくありません。

しかし、同人イベントやアニソンイベントなどでもガンダム系は後退気味のようですし、作品の敷居の高さや今回書いたような好みの微妙な食い違いからファンの広がり、作品の評価的に厳しい部分も見えます。

これまで培ってきた「下地」が存在する日本と違って、中国本土では「ガンダムが主人公」である限り、大多数の視聴者にとっては理解するための「訓練」が必要となりますから、残念ながら単に日本で人気になっている作品を提供する、玩具やガンプラを流通させるだけで、ガンダムファンが日本のように増えることは無いと思われます。

こういった状況なので、中国のガンダム展開に関しては、「ガンダムSEED」の流れが途絶えてしまっているのは本当にもったいないと感じてしまいますね。


とりあえず、こんな所で。
例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

ペースに関しては何とも言えませんが、今後もこういった形で現在の中国オタク事情に関してイイカゲンにまとめていこうかと考えております。
百元籠羊
十数年の中国生活をとりあえず終えて帰国。のんべんだらりと生息中。
中国でのエネルギー源は刀削麺と煎餅果子(中華クレープ)でした。最近は日本でも刀削麺の美味しいお店が増えてきて嬉しいです。

中国に広まっちゃった日本のオタク文化や、中国のオタクな若者達に関する質問、更には当ブログへのネタ提供にツッコミなど大歓迎でございます。

コメントに書くのは何だというのでしたら、baiyuanlongyang「at」gmail.com (「at」を@にかえてください)の方にメールを送ってくださいませ。
このブログのまとめ+αな本 「オタ中国人の憂鬱 怒れる中国人を脱力させる日本の萌え力」 が出ています。
表紙は日本鬼子&小日本、帯の推薦は岡田斗司夫様と、本の外側については管理人が怖気づくようなレベルになっています。中身も表紙サギにならないようできる限り頑張ってみましたので、よろしくお願いします。 ちなみに「中國宅宅的憂鬱:日本萌力,平息中國人的怒氣」というタイトルで中国語繁体字版も出ております。 こちらの記事で書籍内容についての簡単な紹介をさせていただきました。
「日・韓・中 トンデモ本の世界」で、中国オタク事情に関するコラムを2本書かせていただきました。



ブログではまとめたり詳しく書いたりするのが難しい内容を書く機会をいただけたのはとても有難かったですし、トンデモ本シリーズなので読者層も濃いということで「ある程度濃い方向で書いてもOK」と、昔出したブログのまとめ本よりもツッコんだ内容を書けたのも楽しかったです。
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日本からだと存在そのものを疑われる事も有る北京の漫画喫茶B3のHPです。このブログもここのコンテンツの一つということになっている・・・のかしらん?

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