2018年度の再エネ買取価格 〜 検討の視点と知っておくべき指標

 先月28日、2018年度以降の再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)による買取価格を決めるための経済産業省・調達価格等算定委員会(第30回)が開かれた。

 同委員会では今般、今年4月に施行された改正再エネFIT特措法の2年目での検討として、①
各電源(太陽光、風力、地熱、中小水力、バイオマス)について、国際水準を目指し、コスト低減に向けた更なる取組みの強化を図り、②
リードタイムの長い電源(風力、地熱、中小水力、バイオマス)については、国際情勢や導入量等を踏まえて、改めて向こ
う3年間の価格等を検討するとの由。

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 改正再エネFIT特措法は昨年の通常国会で成立し、今年4月に施行された。私は、衆参両院でのこの法案審議の参考人質疑に出席した。概要は、以下のブログ記事の通り。

 買取価格が現行以上になるものはないことだけは確かだろう・・・。

 経産省当局が当日提示した参考資料には、
有用な数値が散りばめられているものが多数ある。以下に貼付しておくので、適宜参照されたい。


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2017年10月18日19:00〜19:59


米国のエネルギー政策 〜 原子力と石炭への支援を再び行う安全保障上の理由

 現地時間の先月28日、米国エネルギー省(DOE ; Department of Energy)のリック・ペリー長官は、要するに、

①電力自由化の進展がもたらした低価格な天然ガスと再生可能エネルギーの増加により、
②近年、石炭火力発電所と原子力発電所の閉鎖が続発しているが、
③それによって顕在化しつつある送電網の回復力の維持など電力システム上の危機を回避するため、
④原子力発電と石炭火力発電に係る二つの支援策を提案する
と発表した。

 概要は次の(1)・(2)の通り。

(1)送電網の『回復力』保全のための支援策


 ペリー長官は、連邦エネルギー規制委員会(FERC : Federal Energy Regulatory Commission)に対して、送電網の回復力への脅威に対処するため直ちに行動するよう指示した。

原文より抜粋》
U.S. Secretary of Energy Rick Perry formally proposed that the Federal Energy Regulatory Commission (FERC) take swift action to address threats to U.S. electrical grid resiliency. 

 上記の趣旨を具体化したものは、ペリー長官からFERCへの文書(Secretary Rick Perry's Letter to the Federal Energy Regulatory Commission)に記されており、その構成は次のようなもの。

原文より抜粋》
① The Resiliency of the Electric Drid --- and Our National Security --- is In Jeopardy
② There Have Been Significant Retirements of Traditional Baseload Generation 
③ The 2014 Polar Vortex  Exposed Problems With the Resiliency of The Electric Grid
④ Regulated Wholesale Power Market Are Not Adequately Pricing Resiliency Attributes of Baseload Power
⑤ NERC Warns That Premature Retirements Of Fuel-Secure Generation Threaten the Reliability and Resiliency of the Bulk Power System
⑥ The DOE Staff Report Made Clear the Challenges to the Grid and That Resiliency Must Be Addressed
⑦ FERC is Aware Of the Problems and Must Take Action
⑧ Proposed Rule To Protect the Resiliency Of the Electric Grid
⑨ Conclusion

 電力自由化を進めてきた米国では、FERCが中心となって、独立系統運用者(ISO ; Independent System Operator)や地域送電機関(RTO ; Regional Transmission Organization)の卸電力市場への新規参入を促進してきた。

 その結果、様々な災害やトラブルで燃料供給が途絶えた時でも発電が可能な伝統的ベースロード電源の閉鎖が最近、次のように急速に進んできている。

 2000〜09年では、主に天然ガス火力発電所が閉鎖。
 2010〜15年では、閉鎖発電所全体の52%超に当たる3700万kWが石炭火力発電所。
 2016〜20年では、閉鎖済み及び閉鎖見込みの3440万kWのうち、49%が石炭火力発電所、30%が天然ガス火力発電所、15%が原子力発電所。
 2002〜16年では、466.6万kWの原子炉が閉鎖済み。
 2016年以降には、8基(716.7万kW;米国の原子力発電設備容量の7.2%、全発電設備容量の0.6%)が閉鎖見込みであるが、ここには州政府の措置で早期閉鎖を免れた7基は含まれていない。

 北米電力信頼度協会(NERC ; The North American Electric Reliability Coporation)の見解にもあるように、北米の電力システムでは、天然ガス・風力・太陽光が成長する反面、化石燃料・原子力発電所が閉鎖していくという変化が急速に起こりつつある。

 これは、連邦政府・州政府・自治体による政策、天然ガスの低価格化、電力市場の競争原理などによって惹起。電源構成の変化は、基幹電力系統(BPS ; Bulk Power System)の運用特性にも大きな変化をもたらした。送電網の信頼性を維持し、回復力を保証していくためには、BPSの運用特性の変化をよく理解しながら適切に管理していかなければならない。

 FERCも、ISOも、RTOも、送電網の信頼性や回復力への脅威を取り除くという課題を解決するのための取組みを、今はまだ十分には行っていない。

 だが、送電網の回復力を維持するのに必要な燃料貯蔵型ベースロード電源、即ち石炭火力発電所と原子力発電所がこれ以上失われることは、阻止されなければならない。

 石炭火力発電と原子力発電は、稼働率が高く、発電所内に燃料を貯蔵できるという付加価値があり、燃料供給が途絶えても、何ヶ月も稼働し続けることができるものなのだ。

 そこで、送電網の信頼性と回復力の維持に資する原子力発電所と石炭火力発電所に対して、十分な対価を与える方向で市場改革を進めるための新ルールの制定を求めるものである。


(2)新設原子炉への融資保証


 ペリー長官は、米国で30年ぶりの新設原子炉となるアルビン・W・ヴォーグル原子力発電所3・4号機(110万kW×2基;ジョージア州)の建設を支援するため、既に措置されている83億ドルの融資保証に加えて、追加的に最大37億ドルの融資保証措置を提案した。

原文より抜粋》
To further support the construction of two advanced nuclear reactors at the Alvin W. Vogtle Electric Generating Plant, U.S. Secretary of Energy Rick Perry announced today conditional commitments for up to $3.7 billion in loan guarantees to Vogtle owners: $1.67 billion to Georgia Power Company (GPC), $1.6 billion to Oglethorpe Power Corporation (OPC), and $415 million to three subsidiaries of Municipal Electric Authority of Georgia (MEAG Power). The Department has already guaranteed $8.3 billion in loans to GPC, OPC, and MEAG Power subsidiaries to support construction of Vogtle Units 3 and 4.

 そして、「米国の原子力の将来は明るく、原子力技術革新の面での米国のリーダーシップ拡大を期待している。ヴォーグルのような先進的な原子力プロジェクトは、高い信頼性と強い回復力のある送電網を維持するとともに、経済成長を促進し、エネルギー安全保障と国家安全保障を強化する重要なエネルギーインフラプロジェクトの一つである」と語った。

“I believe the future of nuclear energy in the United States is bright and look forward to expanding American leadership in innovative nuclear technologies,” said Secretary Perry. “Advanced nuclear energy projects like Vogtle are the kind of important energy infrastructure projects that support a reliable and resilient grid, promote economic growth, and strengthen our energy and national security."

 今回のヴォーグル計画は、米国で30年ぶりに原子炉を新設する話。ウェスティングハウス社製のAP1000という110万kWの新型原子炉が2基で、この革新的な技術が導入されるのは米国では初。稼働すれば、毎年170億kWh以上のクリーン電力を供給することが期待され、毎年約1000万トンのCO2排出量を削減しながら、160万世帯以上の家庭への安定供給を可能となる。

The Vogtle project is the first new nuclear power plant to be licensed and begin construction in the United States in more than three decades. The two new 1,100 megawatt Westinghouse AP1000® nuclear reactors at Vogtle represent the first U.S. deployment of this innovative technology. Once online, these new nuclear reactors are expected to provide more than 17 million megawatt-hours of clean electricity annually. This is enough reliable electricity to power more than 1.6 million American homes while avoiding nearly 10 million metric tons of carbon dioxide emissions annually.


 以上のように、石油と天然ガスで生産量世界一になった米国(別のブログ記事を参照)でさえ、原子力と石炭を再び推進していくことで、自国の安全保障の強化や、エネルギー供給信頼度の向上を目指している。

 自国の領土領海内で豊富な化石燃料資源を獲得することのできない日本は、米国のようなエネルギー大国の政治的・政策的な姿勢を再び学ぶ必要がある。即ち、エネルギー安全保障の水準を極力高めるということ。それは、近年の日本を取り巻く国際情勢を考えれば、すぐわかること。

 2011年3月の東日本大震災による福島第一原子力発電所事故を契機とした“脱原子力”や、世界的なCO2排出量削減に向けた動きの中での“脱石炭”に関する政治的動きもあって、日本では原子力と石炭への風当たりがまだ強く冷たい。

 しかし、エネルギー極貧国の日本としては、純国産の再生可能エネルギーが大量・低廉・安定的に供給できる時代が来るまでは、安全・環境面に配慮しながら原子力・石炭の活用を続けていくしかない。

 日本のエネルギー安全保障の根幹は、石油と天然ガスの輸入依存度をなるべく下げることであり、当面それは原子力と石炭の利用を促進することでしか達せられない。再エネはまだまだ、化石燃料や核燃料の代替にはなり得ないのだ。

☆ニュース配信☆ 数字で見る安倍政権の成果 ~ プラスだけを強調するのはダメ、マイナスへの反省と対策も言え!

数字で見る安倍政権の成果 ~ プラスだけを強調するのはダメ、マイナスへの反省と対策も言え!





今月22日の衆院選に向けた選挙戦が始まっている。 


与党・自民党は、「数字で見る安倍政権の成果」を題する号外を9月30日に発した。 


これだけを見せられると、確かに安倍政権の経済社会政策は成功してきていると読める。

しかし、それだけではない。 

2012年末、前民主党政権から現安倍政権への交代が確定してからは、景気は上向きになってきた。 

ところが、2014年4月の消費増税(税率5%→8%)後に下降局面に入り、昨年から再び上昇局面に戻った。 

次の消費増税時期は、2019年10月に予定されている。 

与党・自民党は、その増税分の一部を将来の教育無償化財源に充当することを、今回の衆院選での争点の一つに据えている。 

増税による増収分を何に充てるかにかかわらず、増税によって、一時的にせよ景気後退をもたらす可能性が高いことを、与党・自民党は今回の選挙戦でもきちんと説明しておくべきだ。 

世の中、好いことばかりのはずはない。 

どんな政策にも、プラスとマイナスの両面がある。 

耳障りなこともしっかり語らないと、結局、信頼されない。 

都合の悪いことも語れる政治家なら、信頼できる。(そういう政治家も、与党にも野党にも、実はけっこういるのだが・・・。)

☆ニュース配信☆ <九州電力の揚水発電> 太陽光発電の激増で大赤字・・・

<九州電力の揚水発電> 太陽光発電の激増で大赤字・・・


livedoorニュース:http://news.livedoor.com/article/detail/13690749/

Amebaニュース:http://news.ameba.jp/entry/20171002-104

BIGLOBEニュース:https://news.biglobe.ne.jp/economy/1002/gdw_171002_4758957307.html

Gadgetwear:
http://www.gadgetwear.net/2017/10/blog-post_2.html

 9月26日付け日本経済新聞ネット記事では、九州電力の小丸川揚水発電所(宮崎県木城町)について報じている。 


<記事要旨>
・小丸川発電所の最大出力は120万キロワット、一般家庭約40万軒分。
・揚水発電所はもともと、原子力や地熱といった昼夜問わず出力が一定の発電所の夜間電力分をため、需要が多い昼間に発電してきた。
・近年、九州で太陽光発電所が増え、太陽光の出力が増える昼間に電力量が余るように。
・昼間の余剰時にためて夜間に使うため、昼間の揚水が増えた。
 

 日本では、夏の昼間にはエアコンや屋内照明での電力消費が多く、夜は電力消費が少なくなるので、夜間では原子力発電所や火力発電所に余力が発生する。 

 それら余力による電力を利用して、揚水発電所の下部貯水池から上部貯水池に発電用水を汲み上げ、再び昼間の発電に使う。 

 これが揚水発電の元来の趣旨と仕組み。小丸川発電所の概要については、九電HPを参照されたい。 

 九電管内では近年、太陽光発電設備が急増し、太陽光発電量が増える昼間に電力が余るようになってきたため、昼間の揚水が増えている。 

 自社電源である原子力発電所や火力発電所の『余力』を使って揚水しているのでなく、他社電源である太陽光発電所の『余剰』を使って揚水しているわけだ。 

 実はこれ、経営上の利益が全くないどころか、揚水発電所単体で見ると、恐らくかなりの大赤字になっているはず。 

 これは一般的には、上場企業の株主利益に反する話。経済産業省は、これを看過するのか? 

 昨年以来、電力小売全面自由化法が施行されてはいる。だが実際には、電気事業の多くの部分はガチガチの規制の下にある。 

 再生可能エネルギーに関しても、再エネ発電事業への参入は一応自由っぽいが、再エネ電気の引取りや買取りには固定価格買取制度(FIT)のような強烈な規制が敷かれたまま。 

 電源が、再エネ(太陽光発電、風力発電、水力発電、地熱発電、バイオマス発電)であろうと、化石燃料(火力発電)であろうと、核燃料(原子力発電)であろうと、電力政策の肝は安価安定供給システム持続とエネルギー安全保障。 

 これを再エネ振興と両立させていくには、再エネ電源を送配電網運営者である大手電力会社に集約する再編を誘導する以外に、妙案を思い付かない。そのためのFIT法改正が必要だ。

☆石川和男のエネルギーCh(チャンネル) vol.39

2017年10月12日17:00〜17:59

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ニコ生 : http://live.nicovideo.jp/watch/lv307527565

YouTube : https://youtu.be/Hjyh-itokFE

☆Yahoo!ニュース配信☆ <マスコミが報じない>福島原発事故「子どもへの被曝影響なし」

<マスコミが報じない>福島原発事故「子どもへの被曝影響なし」

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Yahoo!ニュース : https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171005-00010000-mediagong-ent

exciteニュース : http://www.excite.co.jp/News/column_g/20171005/Mediagong_24067.html

Infoseekニュース : https://news.infoseek.co.jp/article/mediagong_24067/

ブロゴス : http://blogos.com/article/250386/


 日本の人文・社会科学、生命科学、理学・工学の分野に関わる約84万人の科学者を代表する『日本学術会議』。東日本大震災により発生した福島第一原子力発電所事故に関して、「子どもたちへの放射線被曝影響はない」旨の報告書を9月1日に発表した。

 殆ど知られていないだろうが、これは大きな朗報。ポイントは次の通り。

<1>胎児への影響について
(1)福島原発事故の影響で起こる可能性があると考えられる胚や胎児の吸収線量は、胎児に影響が発生すると考えられる値よりもはるかに低い。
(2)死産や早産などの発生率は、原発事故の前後で変化していない。
(3)死産や早産などの発生率に事故の影響は見られないことが証明された。

<2>チェルノブイリ原発事故(1986年:旧ソビエト連邦)との比較
(1)福島原発事故による放射性物質の総放出量は、チェルノブイリ原発事故の1/7ほど。
(2)福島県の県民健康調査では、被曝線量が比較的高いと予測される地域であっても、被曝線量はチェルノブイリ原発事故よりはるかに低い。

<3>甲状腺がんについて
福島県の子どもを対象とした検査結果では、甲状腺がんが約0.037%の頻度で検出。
(1)この結果について「原発事故の影響がある」という意見と「放射線の影響は考えにくい」という意見がある。
(2)しかし、地域や外部被曝線量が違う場合でも、発見頻度に意味のある差は見られない。
(3)このことからこの結果は、今まで検査をしてこなかった対象者や地域に幅広く検査を行ったため、症状の現れていない人にも正常とは違う検査結果が見つかる「スクリーニング効果」だと考えられている。

 そして、報告書の最後で、「こうした科学的事実の蓄積があり、実際の被曝線量があきらかにされつつあるものの、子供への健康影響に関する不安がなかなか解消されない」として、「不安を解消するためのコミュニケーション」の重要性を提起している。

 ところで、この朗報を大々的に取り上げたマスコミは少ない。私が調べた限りでも、全国紙3つ・地方紙3つだけ。しかも、記事の日付は報告書発表後からずいぶん時間が経ってからのものばかりで、次の通り。

  9/5 読売新聞「震災6年 チェルノブイリ比較 被曝線量「はるかに低い」」(福島)
  9/6 福島民友ニュース「被ばく線量「はるかに低い」 第1原発事故、チェルノブイリと比較」
  9/7 福島民報「線量「はるかに低い」 県内の子ども チェルノブイリと比較 日本学術会議」
  9/13 朝日新聞「福島の子、被曝線量「低い」 チェルノブイリと比較 日本学術会議(福島)
  9/19 東京新聞「3・11後を生きる 坂本充孝のふくしま便り いわきにNPO開設のクリニック 患者の不安に向き合う」
  9/21 毎日新聞「坂村健の目:被ばく影響、科学界の結論」

 政治の反応はもっと鈍い。与野党問わず、国会議員がこれを声高に語った形跡は見当たらない。これをアピールしても、政治的に何の得もないからだろうか。

 マスコミは、福島の危険性にばかり着目したり、放射能の恐怖を煽ったり、被災者へのイジメを助長したりと、今でもそういう報道を新聞やテレビは流し続けている。

 マスコミ関係者は、安心材料を報じても面白くないし、不安材料を報じる方が多くの読者や視聴者にアピールできる、と信じ込んでいるのかもしれない。

 しかし、福島原発事故から6年以上が経過した現在も今後も、事故による子どもへの影響の事実はない ーー これは本来、トップニュースになるべき朗報のはずだが、そうはなっていない。

 マスコミ主導の報道は、やはり偏っている・・・。

☆ニュース配信☆ 世界の再エネ電源の順位:水力71%»風力15%>バイオマス8%>太陽光5%>地熱1%






 国際再生可能エネルギー機関(IRENA : International Renewable Energy Agency)が先月に発表した “Renewable energy highlights(1 July 2017)” によると、2015年の再生可能エネルギー発電量は全体で5512TWhとなり、内訳は水力71%(3893TWh)、風力15%(826TWh)、バイオマス8%(456TWh)、太陽光5%(256TWh)、地熱1%(81TWh)の順。


《原文より抜粋》
In 2015, the total amount of electricity generated from renewables was 5512TWh. Hydro accounted for about 70% of this (3893 TWh), followed by wind (826TWh), bioenergy (456TWh), solar energy (256TWh), geothermal energy (81TWh) and marine energy (1TWh).  

Figure1 : Renewable electricity generation by energy source32
出所:IRENA “Renewable energy highlights(1 July 2017)

 2015年の再エネ発電量については、風力は+15%(+110TWh)とよく伸びたが、水力が微減で、太陽光の増加が緩やかだったので、前年比+3.5%(+191TWh)であった。

Renewable electricity generation in 2015 was 191TWh higher than in 2014, an increase of 3.5%. Generation increased relatively slowly compared to previous years, largely due to a slight decline in hydropower generation and more subdued growth in solar generation. However, 2015 was a good year for wind energy generation, which increased by 110TWh or 15%.

Figure2 : Growth in renewable electricity generation
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出所:IRENA “Renewable energy highlights(1 July 2017)

 地域別では、2015年に最も顕著に伸びたのはアジアで、世界全体の37%になった。次いで欧州と北米がそれぞれ20%、南米が13%、ユーラシアが5%の順。

Asia accounted for most of the growth in renewable electricity generation in 2015, with an increase of 156TWh compared to 2014. Asia’s share of global generation also increased to 37%. Europe and North America each accounted for about 20% of global generation, followed by South America (13%) and Eurasia (5%). 

Figure3 : Renewable electricity generation by region
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出所:IRENA “Renewable energy highlights(1 July 2017)

 因みに、化石燃料や原子力を含めた世界全体の発電量(直近2014年ベース)は、全体で23816TWhとなり、内訳は石炭40.8%、天然ガス21.6%、水力16.4%、原子力10.6%、石油4.3%、再エネその他6.3%の順。詳細は、先のブログ記事を参照されたい。

 電源構成においては、水力を除く再エネは未だ全体の1割にも満たない規模。今後、石炭から天然ガスへの移行が随時進むと見込まれるが、化石燃料全体が原子力や再エネよりも優位に立つ状況は当面変わらないだろう。

東北電力・女川原子力発電所 〜 防潮堤(高さ15m、海抜29m)

 東日本大震災の際、東北電力女川原子力発電所を襲った大津波は海抜13m(想定津波は同13.6m)だった。

 この新しい防潮堤の高さは海抜29mで、かなりの余裕があり、津波対策は万全だと言える。


(動画)https://www.youtube.com/watch?v=IoaCGj6ImX0

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☆ニュース配信☆ 世界全体の再エネ事情(2015年) 〜 主役はバイオマスと水力・・・

世界全体の再エネ事情(2015年) 〜 主役はバイオマスと水力・・・





 IEA(International Energy Agency;国際エネルギー機関)が7月に発表した “RENEWABLES INFORMATION: OVERVIEW(2017edition)” では、世界全体の一次エネルギー供給と電力供給における再生可能エネルギーの位置付けについて掲載されている。 

 2015年の一次エネルギー供給における再エネ比率は13.4%で、内訳はバイオマス9.4%、水力2.5%、その他1.5%となっている〔Figure 1〕。 

 即ち、2015年の一次エネルギー供給における再エネ構成は、バイオマス70.7%、水力18.3%、その他11.1%となっている〔Figure 2〕。 



 再エネのうち風力や太陽光の割合はまだまだ小さいが、近年の伸びは著しい。 

 1990年から2015年までの推移を見ると、一次エネルギー供給の平均的な伸び率が1.8%であるのに対して、再エネは同2.0%で、内訳は太陽光発電(同45.5%)と風力(同24.0%)が突出している〔Figure 3〕。 


 2015年の電力供給における再エネ比率は22.8%で、内訳は水力16.0%、バイオマス1.9%、その他4.8%となっている〔Figure 7〕。 

 即ち、2015年の電力供給における再エネ構成は、水力70.2%、バイオマス8.3%、その他21.1%となっている。 


 世界全体の再エネ事情を俯瞰すると、一次エネルギー供給ではバイオマスが圧倒的に多く、電力供給では水力が圧倒的に多いということがわかる。 

 近年の伸びが著しい風力や太陽光が再エネの主役、ましてエネルギー全体の主役になるには、まだまだ相当の時間を要するだろう。

☆ニュース配信☆ 太陽光:2030年の買取費用2.3兆円、2030までの累計買取費用32兆円






 原子力発電(原発)が大嫌いで、太陽光発電(ソーラー)が大好きな朝日新聞・毎日新聞・中日新聞でさえ、最近、原発批判一辺倒ではなく、太陽光発電に対する逆風の論調記事を連打している。 

 今まで、やや盲目的に礼賛してきた太陽光発電に関して、“やり過ぎ”感が出ている。ここ数週間だけでも、次のような報道ぶり。マスコミも、やっと冷静になり始めたようだ。 

9/21 朝日「メガソーラーに住民が反対宣言 東浦、集会に150人/愛知県」 
9/21 中日「太陽光施設「絶対反対」 東浦 住民団体が宣言採択」
9/20 朝日「メガソーラー「望ましくない」 和歌山市長/和歌山県」
9/18 中日「追う 国立公園 相次ぐ太陽光発電 樹木伐採に「本末転倒」」
9/15 毎日「豊島の太陽光発電計画:説明会に島民120人 反対強く/香川」
9/15 毎日「太陽光発電:熱海市届け出4カ所 建設相談は2カ所/静岡」
9/15 中日「諏訪の太陽光発電反対 茅野の住民 市長に署名提出」
9/13 朝日「メガソーラーに「慎重に対応を」 茅野の住民、県に要望/長野県」
9/13 毎日「みんなの広場:放置された太陽光パネル」
9/12 朝日「メガソーラー計画 高島の山林伐採し建設/滋賀県」
9/12 中日「反対署名2次分提出 高島 メガソーラーで住民団体」

 2011年3月の東日本大震災による福島第一原発事故をきっかけに、急速に注目を浴びてきたのが、太陽光・風力・バイオマスなどの再生可能エネルギー。 

 国も、再エネ普及を促進するため、再エネを高値で買い取る「固定価格買取制度(FIT)」を12年7月に導入。再エネのうち太陽光だけは、FITより高値で買い取る「余剰電力買取制度」が09年11月に先行導入されている。 

 FITは、日本で導入される前から、欧米など多くの国や地域で採用されてきた再エネ普及策。世界的には、09年以降のシリコン価格低下によるモジュール価格低下や、それと並行した設置量の増加、買取価格の引下げにより、太陽光発電コストは大幅に低下(09年35円/kWh → 17年10円/kWh)。 


 しかし、こうした世界的な動きは、日本の一般消費者にはまったく利益を与えない。日本では、太陽光発電コストがいくら安くなっても、太陽光による電気を高値で買い取る制度が今後しばらく続く。 

 日本でも、太陽光による電気の買取価格、09年48円/kWh → 12年42円/kWh → 17年21円/kWh と順次低下。だが、12年のFIT導入以降、FIT認定を受けていながら太陽光パネルの値段が安くなるまで稼働を開始しない“既認定・未稼働”案件が続出。 

 これは、稼働し始めた日の買取価格ではなく、認定を受けた日の買取価格で10〜20年間の買取りを保証するという、現行FITの“大甘な”仕組みによる。 

 このままでは、太陽光発電コストが安くなればなるほど、利益が増えるのは太陽光発電事業者側だけで、一般消費者への利益還元はぜんぜん見込めない。 

 経済産業省の将来試算では、30年時点の太陽光関連の年間フロー額(買取費用)は2.3兆円。直近(16年)の年間買取費用実績は1.7兆円に達しており、この費用が30年の想定値まで直線的に増加すると仮定すれば、12年のFIT開始から30年までの太陽光買取費用は累計32兆円。 

 これほどの費用を注ぎ込んだとしても、30年時点の電源構成に占める太陽光の割合は、わずか7%程度の見通し。 

 30年時点の電源構成で76〜78%を占める原子力・火力関連の年間フロー額(燃料費)が年間5.3兆円であることと比較しても、現行FITはあまりにも費用対効果が低い。だから、太陽光発電に係る日本国民の負担を下げていくことが必要となる。 

(出所:経済産業省資源エレルギー庁・長期エネルギー需給見通し関連資料

 それを実現していくための制度改革は、例えば次のようなものが考えられる。 

(1)未稼働案件の買取価格は、認定日の買取価格ではなく、稼働開始日の買取価格とする。
(2)既稼働案件も、未稼働案件も、買取期間(10〜20年)を大幅に短縮する。
(3)既稼働案件の買取価格を大幅に引き下げる。

 上記(1)〜(3)のいずれも、“太陽光既得権の打破”である。実現するかどうかは、国会と政府のやる気次第だ。
 

☆石川和男のエネルギーCh(チャンネル) vol.38

2017年10月4日17:00〜17:59

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ニコ生 : http://live.nicovideo.jp/watch/lv307232503

YouTube : https://youtu.be/-wbM6QxUz-Y

2050年を睨んだエネルギー政策の在り方 ~ 知っておくべき指標(資源、地政学、国家戦略)

 先月29日、長期的視点でエネルギー政策の在り方を検討する経済産業省・エネルギー情勢懇談会(第2回会合)が開かれた。第1回会合については、9/1付けブログ記事を参照されたい。

 この会合は、2050年へ向けたエネルギーを取り巻く世界の情勢を見極めながら、技術革新・人材投資・海外貢献で世界をリードできる国、制度、産業としての総合戦略を構想しようとするもの。

 経産省当局が当日提示した資料には、有用な数値が散りばめられている。その中から、エネルギー政策を語る上で知っておくべき指標を以下に貼付しておく。

 以下の資料の3枚目の「自給率」に関しては、
  ①原子力発電を含めない場合
  ②原子力発電を含める場合
  ③原子力発電の使用済燃料の再処理によるMOX燃料を含める場合
の三通りの数値を呈示しておくべきだ。


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数字で見る安倍政権の成果 〜 プラスだけを強調するのはダメ、マイナスへの反省と対策も言え!

 今月22日の衆院選に向けた選挙戦が始まっている。

 与党・自民党は、「数字で見る安倍政権の成果」を題する号外を昨日発した。

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 これだけを見せられると、確かに安倍政権の経済社会政策は成功してきていると読める。

 しかし、それだけではない。

 2012年末、前民主党政権から現安倍政権への交代が確定してからは、景気は上向きになってきた。

 ところが、2014年4月の消費増税(税率5%→8%)後に下降局面に入り、昨年から再び上昇局面に戻った。


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出所:内閣府資料

 次の消費増税時期は、2019年10月に予定されている。

 与党・自民党は、その増税分の一部を将来の教育無償化財源に充当することを、今回の衆院選での争点の一つに据えている。

 増税による増収分を何に充てるかにかかわらず、増税によって、一時的にせよ景気後退をもたらす可能性が高いことを、与党・自民党は今回の選挙戦でもきちんと説明しておくべきだ。

 世の中、好いことばかりのはずはない。

 どんな政策にも、プラスとマイナスの両面がある。

 耳障りなこともしっかり語らないと、結局、信頼されない。
 
 都合の悪いことも語れる政治家なら、信頼できる。(そういう政治家も、与党にも野党にも、実はけっこういるのだが・・・。)

☆ニュース配信☆ 太陽光・風量の発電コスト 〜 “2040年にほぼ半減”との予測・・・

太陽光・風量の発電コスト 〜 “2040年にほぼ半減”との予測・・・

http://www.gadgetwear.net/2017/09/2040.html


http://news.livedoor.com/article/detail/13635201/


http://news.ameba.jp/entry/20170920-151/


https://news.biglobe.ne.jp/economy/0920/gdw_170920_0840976517.html


 8月7日付け毎日新聞ネット記事は、太陽光・風力の発電コストが2040年までにほぼ半減することなどを記したBNEF(Bloomberg New Energy Finance)の予測について報じている。 


<記事概要>
・太陽光は、21年までに中印英とメキシコ、ブラジルで石炭より発電コストが下がる。
・太陽光は導入が進み、パネルや維持管理費が安くなり、40年までに66%下がる。
・風力は、安価で効率的なタービンを使うことなどで、40年までに47%下がる。
・日本も、太陽光発電コストは25年には石炭よりも安くなる。
・日本が掲げる電源構成では、30年時点で▽石炭38%(目標26%)▽再生可能エネルギー28%(同22~24%)▽原子力10%(同20~22%)と予測。
・BNEF担当者「再エネ投資は世界規模で急成長する。長期的に石炭への依存度が高い日本は異例だ」。 

 太陽光発電コストが下がっていくのは好い話。しかし、当面の技術では、太陽光・風力は自然変動電源であり続け、原子力や化石燃料の代替となり得るための安価安定供給能力を持つことはできない。 

 太陽光・風力を更に振興していくためにも、コスト合理的な蓄電・畜熱技術の開発と普及が世界的にも急がれることは言うまでもない。 

 もっとも、太陽光・風力の発電コストが世界的には低下傾向であることは、日本の消費者の再エネ関連費用負担の多寡には殆ど無関係。固定価格買取制度(FIT)は、再エネ事業者のコスト低減効果を消費者にもたらさない。 

 記事最後段にある日本異例論は、日本の資源エネルギー調達事情を考えれば、的確ではない。大陸と比べて日本には、結果的に、太陽光・風力の適地は多くない。日本から見れば、欧米の一部が異例なだけ。 

 原子力と化石燃料は、それまでの間、過渡的に活用すべきもの。エネルギー安全保障や、化石燃料の輸入コストを考えれば、すぐにわかること。 

 再エネを巡る日本の目下最大の課題は、増え続ける再エネ関連コストに対する意識の低さであろう。2030年時点で、再エネ買取費用は3.7〜4.0兆円になると予想されている。これを、他の安価安定電源(原子力、石炭など)で相殺していく以外に妙案はない。


2017.9.27 電気新聞インタビュー:「独立」の真価 規制委発足5年

2017.9.27 電気新聞インタビュー
 〜 「独立」の真価 規制委発足5年


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◆書類から現場へ転換必要

 ◇社会保障経済研究所 理事長 石川和男氏
 
 ◇国民の間に誤解
 ――規制委のこれまでの活動をどう評価するか。
 「審査を含む会合を原則公開としたことは高く評価している。しかし、動画へのアクセス数はあまり多くない。これは、世論調査での原子力反対の声が、いかに信用できないかを物語っている。『マスコミ世論調査主義』の明確な誤りなのだが、その背景には原子力が一部マスコミのイデオロギーに刺さりやすいという特徴がある。原子力よりも地球規模の危機に直結する化石燃料への関心を低下させている点からも問題がある」
 ――国民の間には、まだまだ誤解も多いということか。
 「一般の人々はぶ厚い書類で、審査が厳しく、長くかかるほど設備は安全になると思っている。だが、書類をいくら出させても現場の安全とは関係がない。規制委は東京での書類主義から現場主義へと転換すべきだ。発電所が止まっていれば安全なのではなく、検査官が発電所に常駐して、動いている状態を確認するからこそ安全、安心につながる」
 「原子力規制庁には、専門家がたくさんいると思っている人も多い。規制庁職員は行政のプロではあるが、専門性では当然、事業者との間に大きな差がある。この当たり前のことが一般にはなかなか伝わっていない」
 
 ◇異論と向き合え
 ――規制委が掲げる「独立性の確保」については。 
 「独立性とは、いったん基準をつくり、審査する段階で政治を排除するという意味だ。基準と無関係に異論を排除するというのは、独立性を勘違いしており、それは『孤立』という」 
 ――今後の規制行政はどうあるべきか。
 「米NRCの発想は、『原子力を認める』方針の下で是非の判断を行っている。科学的な判断をするだけなら研究機関と同じであり、規制委は行政機関としてのさらなる脱皮が必要と思う」
 「規制委のメンバーもNRCのように与野党2人ずつと中立派という構成にすべきだ」

☆Yahoo!ニュース配信☆ <太陽光発電のムダ>累計買取費用32兆円でも電源割合わずか7%

<太陽光発電のムダ>累計買取費用32兆円でも電源割合わずか7%

Yahoo!ニュース : https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170927-00010000-mediagong-ent

exciteニュース : http://www.excite.co.jp/News/column_g/20170927/Mediagong_24013.html

Infoseekニュース : https://news.infoseek.co.jp/article/mediagong_24013/

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 原子力発電(原発)が大嫌いで、太陽光発電(ソーラー)が大好きな朝日新聞・毎日新聞・中日新聞でさえ、最近、原発批判一辺倒ではなく、太陽光発電に対する逆風の論調記事を連打している。

 今まで、やや盲目的に礼賛してきた太陽光発電に関して、「やり過ぎ」感が出ている。ここ数週間だけでも、次のような報道ぶり。マスコミも、やっと冷静になり始めたようだ。

 9/21 朝日「メガソーラーに住民が反対宣言 東浦、集会に150人/愛知県」
 9/21 中日「太陽光施設「絶対反対」 東浦 住民団体が宣言採択」
 9/20 朝日「メガソーラー「望ましくない」 和歌山市長/和歌山県」
 9/18 中日「追う 国立公園 相次ぐ太陽光発電 樹木伐採に「本末転倒」」
 9/15 毎日「豊島の太陽光発電計画:説明会に島民120人 反対強く/香川」
 9/15 毎日「太陽光発電:熱海市届け出4カ所 建設相談は2カ所/静岡」
 9/15 中日「諏訪の太陽光発電反対 茅野の住民 市長に署名提出」
 9/13 朝日「メガソーラーに「慎重に対応を」 茅野の住民、県に要望/長野県」
 9/13 毎日「みんなの広場:放置された太陽光パネル」
 9/12 朝日「メガソーラー計画 高島の山林伐採し建設/滋賀県」
 9/12 中日「反対署名2次分提出 高島 メガソーラーで住民団体」

 2011年3月の東日本大震災による福島第一原発事故をきっかけに、急速に注目を浴びてきたのが、太陽光・風力・バイオマスなどの再生可能エネルギー。

 国も、再エネ普及を促進するため、再エネを高値で買い取る「固定価格買取制度(FIT)」を2012年7月に導入。再エネのうち太陽光だけは、FITより高値で買い取る「余剰電力買取制度」が2009年11月に先行導入されている。

 FITは、日本で導入される前から、欧米など多くの国や地域で採用されてきた再エネ普及策。世界的には、2009年以降のシリコン価格低下によるモジュール価格低下や、それと並行した設置量の増加、買取価格の引下げにより、太陽光発電コストは大幅に低下(2009年35円/kWh → 2017年10円/kWh)。

 しかし、こうした世界的な動きは、日本の一般消費者にはまったく利益を与えない。日本では、太陽光発電コストがいくら安くなっても、太陽光による電気を高値で買い取る制度が今後しばらく続く。

 日本でも、太陽光による電気の買取価格、2009年48円/kWh → 2012年42円/kWh → 2017年21円/kWh と順次低下。だが、2012年のFIT導入以降、FIT認定を受けていながら太陽光パネルの値段が安くなるまで稼働を開始しない「既認定・未稼働」案件が続出。

 これは、稼働し始めた日の買取価格ではなく、認定を受けた日の買取価格で10~20年間の買取りを保証するという、現行FITの「大甘な」仕組みによる。このままでは、太陽光発電コストが安くなればなるほど、利益が増えるのは太陽光発電事業者側だけで、一般消費者への利益還元はぜんぜん見込めない。

 経済産業省の将来試算では、2030年時点の太陽光関連の年間フロー額(買取費用)は2.3兆円。直近(2016年)の年間買取費用実績は1.7兆円に達しており、この費用が2030年の想定値まで直線的に増加すると仮定すれば、2012年のFIT開始から30年までの太陽光買取費用は累計32兆円。

 これほどの費用を注ぎ込んだとしても、2030年時点の電源構成に占める太陽光の割合は、わずか7%程度の見通し。

 2030年時点の電源構成で76~78%を占める原子力・火力関連の年間フロー額(燃料費)が年間5.3兆円であることと比較しても、現行FITはあまりにも費用対効果が低い。だから、太陽光発電に係る日本国民の負担を下げていくことが必要となる。

 それを実現していくための制度改革は、例えば次のようなものが考えられる。

(1)未稼働案件の買取価格は、認定日の買取価格ではなく、稼働開始日の買取価格とする。
(2)既稼働案件も、未稼働案件も、買取期間(10~20年)を大幅に短縮する。
(3)既稼働案件の買取価格を大幅に引き下げる。

 上記(1)~(3)のいずれも、「太陽光既得権の打破」である。実現するかどうかは、国会と政府のやる気次第だ。

☆石川和男のエネルギーCh(チャンネル) vol.37

2017年9月27日17:00〜17:59

ニコ生 : http://live.nicovideo.jp/watch/lv306957308

YouTube : https://youtu.be/08i14Jk8ZME

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九州電力の揚水発電 〜 昼間の太陽光発電の『余剰』により大赤字のはず・・・

 今朝の日本経済新聞ネット記事では、九州電力の小丸川揚水発電所(宮崎県木城町)について報じている。

<記事要旨>
・小丸川発電所の最大出力は120万キロワット、一般家庭約40万軒分をまかなえる規模。
・揚水発電所はもともと、原子力や地熱といった昼夜問わず出力が一定の発電所の夜間電力分をため、需要が多い昼間に発電してきた。
・だが近年、九州で太陽光発電所が増え、太陽光の出力が増える昼間に電力量が余るように。
・昼間の余剰時にためて夜間に使うため、昼間の揚水が増えた。

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2017.9.26 日本経済新聞ネット記事

 日本では、夏の昼間にはエアコンや屋内照明での電力消費が多く、夜は電力消費が少なくなるので、夜間では原子力発電所や火力発電所に余力が発生する。

 それら余力による電力を利用して、揚水発電所の下部貯水池から上部貯水池に発電用水を汲み上げ、再び昼間の発電に使う。

 これが揚水発電の元来の趣旨と仕組み。
小丸川発電所の概要については、九電HPを参照されたい。

 九電管内では近年、太陽光発電設備が急増し、太陽光発電量が増える昼間に電力が余るようになってきたため、昼間の揚水が増えている。

 自社電源である原子力発電所や火力発電所の『余力』を使って揚水しているのでなく、他社電源である太陽光発電所の『余剰』を使って揚水しているわけだ。

 実はこれ、経営上の利益が全くないどころか、揚水発電所単体で見ると、恐らくかなりの大赤字になっているはず。

 これは一般的には、上場企業の株主利益に反する話。経済産業省は、これを看過するのか?

 昨年以来、電力小売全面自由化法が施行されてはいる。だが実際には、電気事業の多くの部分はガチガチの規制の下にある。

 再生可能エネルギーに関しても、再エネ発電事業への参入は一応自由っぽいが、再エネ電気の引取りや買取りには固定価格買取制度(FIT)のような強烈な規制が敷かれたまま。
  
 電源が、再エネ(太陽光発電、風力発電、水力発電、地熱発電、バイオマス発電)であろうと、化石燃料(火力発電)であろうと、核燃料(原子力発電)であろうと、電力政策の肝は安価安定供給システム持続とエネルギー安全保障。
  
 これを再エネ振興と両立させていくには、再エネ電源を送配電網運営者である大手電力会社に集約する再編を誘導する以外に、妙案を思い付かない。FIT法の再改正が必要だ。

《ハフィントンポスト寄稿》原発ゴミの最終処分地 〜 東京都の大半が候補地になり得る!

原発ゴミの最終処分地 〜 東京都の大半が候補地になり得る!

 "原発ゴミ"の最終処分地はどこになるのか?

 原発ゴミとは、原子力発電に伴って発生する「高レベル放射性廃棄物」のこと。それ自体は、放射能が高く非常に危険な廃液なので、高温のガラスと溶かし合わせてステンレス製の容器に注入して封じ込める。これが「ガラス固化体」。

 最終処分とは、ガラス固化体を地下深くの安定した岩盤に埋設し、人の手に頼らずそのまま隔離し続けることで、『地層処分』と呼ばれる。世界各国とも、この方法を採用する。

 今年7月下旬、経済産業省は、地層処分を行う場所を選ぶ際にどのような科学的特性を考慮する必要があるのか、それらは日本全国にどのように分布しているか、といったことを分かりやすく示す「科学的特性マップ」を公開した。

 北朝鮮のミサイル発射・核実験など緊迫した問題や、加計学園の獣医学部新設を巡るワイドショー的に面白おかしい話題がなければ、この科学的特性マップは政治やマスコミに大々的に取り上げられていたことだろう。

 これは要するに、最終処分の「候補地」としてどこが適当な場所かを示すために日本地図を色分けしたもの。候補地は、次のように四つに分類されている。

  ①好ましくない特性があると推定される地域(地下深部の長期安定性等の観点)

  ②好ましくない特性があると推定される地域(将来の掘削可能性の観点)

  ③好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い地域

  ④輸送面でも好ましい地域

 簡単に言えば、①と②に該当する地域は候補地になりにくいが、③か④に該当する地域は候補地になりやすいということ。候補地のなりやすさの順位は④>③>②>①。候補地は郊外や過疎地だろうと思う人が多いかもしれないが、そんなことはない。

 なんと、東京の場合、ほぼ全ての市町村(26市、3町、3村)は④か③に該当し、23区の多くも④に該当する。

<④に該当する地域>

○江戸川区(臨海地域)、江東区(臨海地域)、中央区(臨海地域)、品川区(臨海地域)、大田区(臨海地域)、港区(臨海地域)

○世田谷区(西部)、渋谷区(西部)、新宿区(西部)、豊島区(西部)、板橋区(西部)、目黒区(西部)、北区(西部)

○練馬区(東部)、武蔵野市(東部)、三鷹市(東部)、調布市(東部)、町田市(東部)、稲城市(東部)、西東京市(東部)

○中野区(全域)、杉並区(全域)、狛江市(全域)

○神津島村、小笠原村

<③に該当する地域>

○府中市、小金井市、小平市、東村山市、東久留米市、立川市、国立市、日野市、八王子市、多摩市、羽村市など上記の地域より西にある全ての市町村の地域

 では実際、首都・東京は候補地になり得るだろうか?

 政治的には大問題かもしれないが、技術的には十分に候補地になり得る。要は、都民や首長がやる気になるかどうかである。将来、原発を正しくやめていくには、原発ゴミの最終処分地を現世代の責任で決めておく必要がある。何でもかんでも反対を叫ぶだけでは、脱原発は進まない。

 最終処分されるガラス固化体は、安定した物質だ。爆発性もなく、臨界(放射性物質が核分裂を起こして大きなエネルギーを発生すること)を起こすこともない。直径40㎝、高さ1.3mの筒型で、総重量500㎏。製造直後での表面の放射線量は高いが、最終処分地に搬入されるのは、十分に放射能レベルが下がってからのこと。

 最終処分地として必要な規模は、地上では1〜2㎢、地下では深度300m以上の所に6〜10㎢程度の広さであれば十分。

 地上1〜2㎢とはだいたい、東京ディズニーランド2〜4個分、東京ビッグサイト4〜8個分、日比谷公園6〜12個分、六本木ヒルズ10〜20個分、国会議事堂10〜20個分、昭和記念公園1個分、横田基地の1/3〜1/7個分など。

 ただ、これは日本全国の分。東京の分に限れば、これほど大きな敷地は不要。

 そもそも最終処分施設の建設は、技術的にはそれほど困難ではなく、いかなる原子力関連施設よりも安全だ。大規模な公共事業として雇用を生み、地域経済を潤す。本来ならば、自治体が誘致合戦を競うような話のはずなのだ。

 実際、フィンランドやスウェーデンでは、自治体間で誘致合戦になった末に最終処分地が決まった。

 東京都民はこれまで、東京電力の原子力発電所(柏崎刈羽(新潟県)、福島第一・福島第二(福島県))で作られた電気も大量に消費してきた。原発立地自治体の多くは、「既に発電で貢献してきたのだから、廃棄物はよそでお願いしたい」と言っている。こうした複雑な感情の背景にあるのは、消費地側がエネルギー安定供給のありがたみに無関心であり続けてきたことだ。

 電気の大量消費地の責任として、東京都民も小池百合子東京都知事も、原発ゴミ最終処分地の都内誘致を真剣に検討すべきである。自分のところに是非とも誘致させろ!と叫ぶ自治体の首長や議員が日本各地に現れたとしても、全然おかしな話ではない。

[時評・ウェーブ]石川和男/深刻化する介護人材確保難

9月19日付け電気新聞
[時評・ウェーブ]石川和男/深刻化する介護人材確保難

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 介護労働安定センターが8月上旬に発表した2016年度「介護労働実態調査」の結果は次の通り、介護人材確保難が深刻である状況を示している。
 (1)従業員の過不足状況=不足感(「大いに不足」+「不足」+「やや不足」)は62.6%、「適当」37.0%
 (2)不足している理由=「採用が困難である」73.1%、「事業を拡大したいが人材が確保できない」19.8%、「離職率が高い」15.3%
 (3)採用が困難である原因=「賃金が低い」57.3%、「仕事がきつい」49.6%
 (4)サービス運営上の問題点=「良質な人材の確保が難しい」55.3%、「今の介護報酬では人材の確保・定着のために十分な賃金を払えない」50.9%
 (5)賃金等=労働者の所定内賃金は月額22万4848円、「賞与あり」54.7%、「賞与ありと答えた回答者の平均」42万4390円
 (6)過去3年間に介護を理由に退職した従業員はいた=23.4%
 (7)採用率(16年度採用者数÷15年9月末在籍者数×100)=19.4%
 (8)離職率(16年度離職者数÷15年9月在籍者数×100)=16.7%
 (9)仕事を選んだ理由=「働きがいのある仕事だと思ったから」52.4%
 (10)労働条件の不満=「人手が足りない」53.2%、「仕事内容のわりに賃金が低い」41.5%、「有給休暇が取りにくい」34.9%
 (11)仕事に関する希望=「今の仕事を続けたい」53.7%、「今の勤務先で働き続けたい」56.5%
 (12)仕事をやめた理由=「職場の人間関係に問題があったため」23.9%
       ◇
 これらの指標のいずれも、介護サービス産業界の現況を表している。特に注目してしまうのは、やはり採用と離職に関すること。
 離職率は16.7%で、これは前年度とほぼ横ばい。深刻なのは採用率で、13年度以降に年々低下しており、今回は19.4%と初めて2割を下回った。
 人手の過不足の度合いは職種によりバラつきがある。ただ、介護職については、他の職種と比較しても人手不足数は突出している。
 8月下旬に発表された厚生労働省「一般職業紹介状況」や総務省「労働力調査」では、7月の有効求人倍率は1.52倍(前月比0.01ポイント増)、新規求人倍率は2.27倍(前月比0.02ポイント増)。
 新規求人数については、産業全体が92万2千人。このうち「医療、福祉」は20万4千人で、その内訳を見ると「医療」関係は6万6千人、「介護」関係は13万7千人。
 求人超過が10万人以上の業種には小売業などもあるが、「介護」関係は最多となっている。
 こうした“相当の体力を使う仕事”での人手不足が突出する一方で、オフィスワークを中心とする一般事務では求職超過が32万人。
 労働需給のミスマッチがあるのは世の常。だが、特に医療・介護系は社会保障サービス産業を担うので、国政上の観点からも予算の重点配分は引き続き必須のはず。
 市場原理が働きにくい社会保障サービスは公的資金で賄われる。だとしても、財源不足を理由とする増税は、政治的にも容易でない。
 需要過多の医療・介護市場。その需要を減らす努力を国民全体で行っていく必要がある。
 例えば、医療・介護を要しない高齢者には報奨金を与えるというような、従来にはない発想で取り組んでいく必要がある。前例なき少子高齢化なのだから、前例なき施策で立ち向かうしかないはずだ。

世界のエネルギー(2015年):日本は太陽光発電で世界3位、水力発電で世界8位だが・・・

 世界エネルギー機関(IEA ; International Energy Agency)が今月発表した “Key World Energy Statistics 2017” には、2015年における世界のエネルギー動向を示す有用なデータが数多く掲載されている。

 一次エネルギー供給の推移〔資料1〕と電力供給の推移〔資料3〕を見ると、世界全体ではエネルギー需要が拡大していることもあって、供給量ベースでは、石炭、石油、天然ガス、原子力、水力その他再生可能エネルギーの全てが増加傾向となっている。

 因みに2015年では、日本は一次エネルギー供給量で世界5位
〔資料2〕

〔資料1:一次エネルギー供給の推移〕
33
2017.9 IEA Key World Energy Statistics 2017

〔資料2:世界の一次エネルギー供給5大国(2015年)〕
12
2017.9 IEA Key World Energy Statistics 2017

〔資料3:電力供給の推移〕

 水力以外の再エネは “Non-hydro renewables and waste” で一括りになっている。水力以外の再エネである地熱・太陽光・風力などは、いずれもまだまだ、単体ベースであまりにも小さい数値である。

 再エネ発電で圧倒的シェアを占める水力について見ると、日本は、水力発電量で世界8位、水力発電設備容量で世界6位、水力電力量比率で世界9位になっている〔資料4〕

〔資料4:水力発電量の国別順位〕

 “脱原子力”の先進国として日本でもしばしば賞賛報道がなされるドイツは、原子力発電量で世界7位、原子力発電設備容量で世界9位、原子力発電量比率で世界9位となっている。

 日本は、原子力発電設備容量では世界3位だが、東日本大震災による福島第一原子力発電所事故後の“政治的停止”の影響で、原子力発電量はまだまだ微少のまま
〔資料5〕

〔資料5:原子力発電量の国別順位〕

 日本が参考にすべきは、“脱原子力”を宣言しているドイツではなく、“脱原子力”を宣言していながら、実は“脱原子力”を未だ実現していないドイツの老獪な国際エネルギー政治での世渡り術だ。


 化石燃料発電と再エネ発電を合わせて見ると、『原子力正常化』がまだ遠い日本は、石炭火力発電で世界4位、石油火力発電で世界2位、天然ガス発電で世界3位、再エネ発電で世界8位となっている
〔資料6〕

 日本は今や、化石燃料発電大国となってしまったが、化石燃料のほぼ全量を輸入に依存。このような状況を続けることは、日本にとっては、エネルギー安全保障面やエネルギー価格面でのリスクが著しく高止まったままであり、看過し得ない。

 日本は、この状態から早急に脱却するこが必要だ。そのためには、商用可能な再エネ蓄電技術が実用化されるまでの間は、一定程度は原子力に依存せざるを得ない。

 原子力発電の早期正常化のためには、原子力規制委員会による新規制基準に適切な猶予期間を設定し、新規制基準適合性の審査中であっても原子力発電再開を容認していくよう直ちに運用改善で対応すべきである。

〔資料6:化石燃料発電量・再エネ発電量の国別順位〕

 再エネのうち、いわゆる自然エネルギーとして近年特に脚光を浴びている太陽光と風力。

 日本は、太陽光に関しては、太陽光発電量で世界3位、太陽光発電設備容量で世界3位、太陽光発電量比率で世界3位となっている
〔資料7〕。この時点で日本は、実は“太陽光大国”である。

 しかし、風力に関しては、日本国内には適地がそれほど多くないこともあり、世界の水準からすれば、風力発電量も風力発電設備容量も多くない
〔資料8〕

〔資料7〕
30
2017.9 IEA Key World Energy Statistics 2017

〔資料8〕
17
2017.9 IEA Key World Energy Statistics 2017

☆石川和男のエネルギーCh(チャンネル) vol.36

2017年9月21日17:00〜17:59

ニコ生 : http://live.nicovideo.jp/watch/lv306710080

YouTube : https://youtu.be/ux5jSNQNcVM

☆Yahoo!ニュース配信☆ 絶滅危惧種 「本マグロ」横行する虚偽申告や密漁で価格高騰も

絶滅危惧種 「本マグロ」横行する虚偽申告や密漁で価格高騰も

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170920-00010000-mediagong-ent

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 我々日本人は、世界の約8割の本マグロを食する。日本人が今の勢いで食べ続けると、本マグロは寿司屋や食卓から消えてしまうかもしれない。

 本マグロとは、「太平洋クロマグロ」のこと。マグロの中でも最高級品で、大間(青森県)のクロマグロが有名。にぎり寿司や刺身として楽しまれている。

 本マグロは、密漁や乱獲によって個体数が大きく減少。1961年をピークに、トンベースで今では当時の10分の1にまで減った。2014年、国際機関から絶滅危惧種の指定を受けた。

 日本はこれまで、産卵前の小型魚を保護することによって資源回復をさせようとして、30kg未満の本マグロの漁獲量を2002~04年平均の半分にするとの制限を受け入れてきた。

 だが来年、本マグロの流通量が減る恐れが出ている。実は今年、日本では、漁獲量を2002~04年平均の半分にするとの制限が守られなかった。漁獲高の虚偽申告や密漁が横行し、漁獲量の上限を333.5tも超過した。そのため水産庁は、その超過分だけ、来年の漁獲量の上限を引き下げることを決定した。

 先月から今月上旬にかけて、食用資源である本マグロの個体数を守るための国際会議が韓国で開かれた。日本、韓国、中国などアジア諸国、米国やメキシコなど10ヵ国が参加した。

 資源回復目標として、資源量を2034年までに13万トン程度に回復させる目標を決めた。漁獲枠の拡大については、資源調査で確率が60%を下回れば現在の漁獲枠を削減する一方、確率が775%程度を超えれば枠を増やすことが大筋で認められた。

 本マグロ消費大国の日本とすれば、漁獲量が将来拡大する可能性のある提案を受け入れられたのは喜ばしいこと。

 水産資源の保護を目指す主な民間団体は、今回の国際会議の結果をいちおう評価している。中には、規制をもっと厳しくするよう求める団体もある。実際に政策を進めていく上では、なんでもかんでも反対!反対!と叫ぶだけの人々は相手にせず、建設的な議論のできる専門家たちの知恵を借りることが大事だ。

 環境保護団体のグリーンピースのように異常な偏向姿勢を見せてしまう団体もあれば、今回の例では米シンクタンクのピュー財団のように漁業者の生活面にも配慮したバランスある姿勢を見せる団体もある。

 日本人は、今後当面、本マグロを食べる量を少々減らしていくべきかもしれない。資源回復が遅れれば、禁漁や漁獲枠削減によって値段が高騰する可能性も出てくる。

 漁業規制当局である水産庁は、不当な漁獲を厳しく取り締まっていくべきだ。 国際合意で定められた漁獲量を守っていかなければ、日本人は、本マグロを食べ続けられなくなるかもしれない。

《ハフィントンポスト寄稿》"電力自由化"と『原子力正常化』を両立させるには・・・ 東日本方面で初めての「合格」を東電が得ることになる

"電力自由化"と『原子力正常化』を両立させるには・・・東日本方面で初めての「合格」を東電が得ることになる


 9月6日の報道で既報の通り、東京電力・柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)6・7号機の再稼働に向けた審査で、原子力規制委員会は東電の安全への姿勢などに対して一定の評価を行い、もうじき事実上「合格」と判断する見通し。

 あまりにも時間をかけ過ぎたが、大きな前進には違いない。

 これまでのところ、原子力規制委から「合格」が与えられたのは、九州電力(川内原発1・2号機、玄海原発3・4号機)、四国電力(伊方原発3号機)、関西電力(高浜原発3・4号機、大飯3・4号機)であり、立地場所は西日本方面ばかりだった。

 それが今般、東日本方面で初めての「合格」を東電が得ることになる。東電と言えば、東日本大震災によって福島第一原発が事故に見舞われた。その東電が運営する柏崎刈羽原発の再稼働が実現すれば、それは東電の再起だけではなく、震災からの日本国の再起を世界に対して宣することに等しいだろう。

 今後は、それを担う地元(新潟県民、柏崎市民、刈羽村民)に対して、政府が先頭に立って説明・説得に注力していかなければならない。

 さて、8月27日、任期満了に伴う茨城県知事選挙が行われた。自民・公明推薦で新人の大井川和彦氏(53)が、49.7万票(得票率47.5%)を獲得し、初当選を果たした。国内最多の7回目の当選を狙い、県医師連盟や県農政連が推薦した現職の橋本昌氏(71)を約7万票上回っての初当選。投票率は前回(2013年)を11.74ポイント上回る43.48%であった。

 現職の橋本氏は、6期24年の実績をアピールするとともに、国体などスポーツ大会の成功や、福祉・医療・教育大県実現、地方創生、災害に強い国土作りという四つの目標を掲げた。「県民党」を掲げ、「中央の介入・支配にノー」と安倍政権批判を繰り返した。そして、日本原子力発電・東海第二発の再稼動に反対を表明した。(結果的に、これが敗因の一つになったようだ。)

 NPO法人理事長で共産推薦の鶴田真子美氏(52)の得票数は12.2万票に留まった。鶴田氏は、医療・福祉・雇用確保の重要性を強調した他、脱原発依存を打ち出して東海第二原発の廃炉を主張したが、全く及ばなかった。

 大井川氏は原発再稼動について、「県民の意向を重視する」として態度を明確にしなかった。多選禁止条例の制定を公約し、県政の刷新を訴えるとともに、経済産業省の元官僚であったことや、大企業の役員だった経験を生かし、インターネットを駆使して県産品や観光の情報発信の強化を訴えることで支持拡大に努めた。

 8月半ば、橋本氏と大井川氏が横一線との分析結果が出た。焦った橋本氏が日本原電に「私が再選されれば東海第二原発の再稼動も悪いようにはしない」と内々に申し入れた、との話が駆け巡った。これが事実ならば、選挙に勝つためだけの"二枚舌"政治家を再選させなかった茨城県民の見識に対して、心から敬意を表するところだ。

 総じて、"多選の是非"と"原発再稼動の是非"が二大争点となった今回の茨城県知事。東海第二原発の再稼動に関しては、茨城県民から大きな反対はなかったと言える。

 ある専門家は、「東海第二原発は東日本大震災に耐えた。福島第一原発事故を踏まえて策定された新規性基準に照らしても最も問題のないプラント。東京電力・柏崎刈羽原発の審査の優先順位が高くなっているが、東海第二原発こそ早く再稼動させるべきもの。再稼動が遅れている沸騰水型原子炉(BWR)のトップバッターの資格はある」と語る。

 東海第二原発は、いわゆるプルサーマル(プルトニウムを軽水炉で燃料とする方式)。与党や政府の一部には、プルサーマルは割高だ!と叫ぶ人は少なくない。だが、プルサーマルである関西電力・高浜原発3・4号機の再稼動により、関電が今年8月から電気料金を4.29%引き下げたことは、プルサーマルの評価に暖かい順風となった。更に、関電は今年3月期、五年ぶりに復配を実現。東海第二原発の再稼動にも、同様の効果が期待される。

 ただ、仄聞するところでは、「東海第二原発は首都圏に近過ぎるので再稼動は考えないほうがいい。小泉純一郎元首相の格好の標的になる」という声が経産省首脳から発せられたそうだ。なんと消極的かつ根拠の乏しいことか・・・。もっともその真意は、東海第二原発を諦める代わりに他の原発の再稼働を促すという"政治的取引"ということだろう。(私には、そういうゲーム感覚的思考はよくわかる。そんな官僚の発想に与してはならないことは、言うまでもない。)

 大都市周辺での原発立地例は米国にもある。"シェール革命"もあって天然ガス価格が低下し、天然ガス火力発電の競争力が高まっている今、米国では、既設原発の競争力が低下し、閉鎖が相次いでいる。現在、進捗が見られる原発新設計画は2基だけ。そういう中で、ニューヨーク州はCO2を発生しない電源である原発を積極的に評価。ロバート・E・ギネイ原発(1基)、ジェームズ・A・フィッツパトリック原発(1基)、ナイン・マイル・ポイント原発(2基)の3プラント(計4基)が同州で稼働している。

 今年6月下旬、トランプ米国大統領はエネルギー政策に関する演説で、『原子力分野の復活と拡大』を宣言した。エネルギー省(DOE)のペリー長官は、「トランプ政権は原子力分野で世界的リーダーへの復帰を目指す」と発言した。

 英国では、国が原子力開発を行ってきた。だが今は、電力自由化の進展で空洞化し、老朽化が進む。他方、低炭素電源として評価されている原発の新規プロジェクトが進行しつつもある。35年間に亘って基準価格を決め、その価格と卸価格の差額を補填し合うという制度(CfD ; Contract for Difference)を導入。イングランドの主要都市近郊に建設されたハートルプール原発で更新のための工事が、英国政府によって計画されている。

 英国では、原発1基が再稼動すると、燃料コストは1日当たり1~2億円削減され、CO2は年間260~490万トン削減されるとの由。電力低廉安定供給、エネルギー安全保障、地球環境保全など多面的な原発稼働の意義は、洋の東西を問わないという話。

 日本が掲げる2030年のエネルギーミックス目標では、原子力は20~22%。東日本大震災による福島第一原発事故以前の目標からすると、やや控え目な数字ではある。しかし、これを実現するには、30基の原子炉が稼動率80%で稼働する必要がある。

 新規制基準に適合するためのコストが1基当たり2000億円を超えるという厳しい見通しがある。加えて、電力自由化が進められているため、収益性が低下する原発の稼動継続・存続には大きな困難が伴うようになってきている。だとしても、原子炉30基稼動を実現させる必要がある。

 つまり、"電力自由化"と『原子力正常化』を両立させていくための制度改正が緊要となっている。

 そのためには、①日本の卸電力市場の設計について、原発の存続が可能となるように修正し、②欧米で乏しくなっている原発建設ノウハウを日本国内では維持すべく所要の措置を講じ、③初号機が大幅に割高になる問題(First-of-a-kind)を克服するための対策を整備し、④電力自由化の下で収益性が低下する原発のためにCfDのような原発事業への保証措置を施すこと ーーー が不可欠だ。

 現在検討が進められている『エネルギー基本計画』の改定において、以上のような点を斟酌した制度改正への布石を打つよう、政府・経産省に強く求めたい。原発依存度を極力低くしていくには、「原発を安全に使い切り、所要のヒト・モノ・カネを準備した上で、円滑な廃炉工程に入る」ことが必要となるからだ。

台風18号 〜 太陽光パネルに関する感電防止策(周知)

 今夜のNHKニュースなどで既報のように、台風18号が通過した大分県では1時間に100㎜を超える猛烈な雨が降り、川が氾濫する被害が出ている。

 台風18号は、明日にかけて西日本から東北・北海道へ進む見込みで、広範囲で大雨や暴風、高波への警戒が必要とのこと。


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2017.9.17 NHKニュース

09
2017.9.17 NHKニュース

 近年、台風などによる水害で太陽光パネルが被災する場合が散見されている。

 太陽光パネルは、浸水・破損した場合でも、光が当たれば発電する。このため、破損箇所などに触れた場合には感電をする恐れがある。


 そうした感電を防ぐため、経済産業省や太陽光発電協会は、次のように周知している。



<経済産業省(産業保安グループ電力安全課)>

水没した太陽電池発電設備による感電防止についてのお願い(周知)

【感電防止についての概要】

  1. 太陽電池発電設備(モジュール(太陽光パネル)、架台・支持物、集電箱、パワーコンディショナー及び送電設備(キュービクル等))は、浸水している時に接近すると感電するおそれがあるので、近づかないようにしてください。 
  2. モジュール(太陽光パネル)は、光があると発電していますので、触ると感電するおそれがあります。漂流しているモジュール(太陽光パネル)や漂着・放置されているモジュール(太陽光パネル)を復旧作業等でやむを得ず取り扱う場合には、素手は避けるようにし、感電対策(ゴム手袋、ゴム長靴の使用等)などによって感電リスクを低減してください。
  3. 感電のおそれがある太陽電池発電設備を見かけましたら、周囲に注意を呼びかけるとともに最寄の産業保安監督部または経済産業省までお知らせいただきますようお願いします。
  4. 壊れた太陽電池パネルを処理する際には、ブルーシート等で覆い遮蔽するか、パネル面を地面に向けて、感電防止に努めて下さい。また、廃棄する際は自治体の指示に従って下さい。   
  5. 水が引いた後であっても集電箱内部やパワーコンディショナー内部に水分が残っていることも考えられます。この場合、触ると感電するおそれがありますので、復旧作業に当たっては慎重な作業等を行う等により感電防止に努めてください。
  6. 水が引いた後であっても集電箱内部やパワーコンディショナー内部に残った湿気や汚損により、発火する可能性がありますので、復旧作業に当たっては十分な注意を払い電気火災防止に努めてください。
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出所:経済産業省資料


<一般社団法人太陽光発電協会>

太陽光発電設備が水害によって被害を受けた場合の対処について

1.水没・浸水時の注意事項
 太陽光発電設備のパワーコンディショナや、太陽電池パネルと電線との接続部は、水没・浸水している時に接近又は接触すると感電する恐れがありますので、近づいたり触れたりしないようにしてください。
 漂流物などにより、太陽電池パネル、集電箱及びパワーコンディショナが破損したり、接続している電線が切れたりしている場合は、水没・浸水時に近づくと感電する恐れがありますので、近づかないようにしてください。


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2.被害への対処に向けての連絡
 被害への対処の実施にあたっては、50kW未満の太陽光発電施設の場合は販売施工事業者に、50kW以上の太陽光発電施設の場合は選任されている電気主任技術者に連絡し、対策をとってください。

3.太陽電池パネルの取り扱い
 水害によって被害を受けた太陽電池パネルは、絶縁不良となっている可能性があり、接触すると感電する恐れが ありますので、触れないようにしてください。
 復旧作業等でやむを得ず取り扱う場合でも、素手は避けるようにし、感電対策(ゴム手袋、ゴム長靴の使用等)などによって感電リスクを低減してください。
 又、複数枚の太陽電池パネルが接続されたまま飛ばされたり流されたりした場合は、接続活線状態であれば日射を受けて発電し高い電圧/電流が発生するため、周辺にロープを張るなど、関係者以外が不用意に立ち入らないような対策を実施することが必要です。

4.パワーコンディショナの取り扱い
 浸水したパワーコンディショナは、直流回路が短絡状態になる可能性があり、太陽電池パネルが活線状態の場合には、短絡電流が流れることでショートや発熱する可能性があります。ショートしている状態が見える場合には、販売施工事業者に連絡し、対応をとってください。
 取り扱いにあたっては、安全のため感電対策(ゴム手袋、ゴム長靴の使用等)を行うとともに、パワーコンディショナの遮断器を解列することを推奨します。
 


米国の世界エネルギー見通し 〜 2015年→2040年で伸び率第1位は再エネ、第2位は原子力・・・

 米国EIA(Energy Information Administration;エネルギー情報局)が今月14日付けで発表した “International Energy Outlook 2017(IEO2017)” では、次の⑴〜⑷ような見通しが出されている。

 ⑴ 世界全体のエネルギー消費量は、2015年から2040年までの間に28%増加
〔資料1〕
 ⑵ その60%以上は、中印を含む非OECDのアジア諸国の消費増
〔資料1〕
 ⑶ その間、石炭以外の全てのエネルギー資源の消費量は増加
〔資料2〕
 ⑷ 伸び率で見ると、第一位は再生可能エネルギーで平均2.3%、第二位は原子力で平均1.5%
〔資料3〕


原文より抜粋》
IEO2017 projects that world energy consumption will grow by 28% between 2015 and 2040. Most of this growth is expected to come from countries that are not in OECD, and especially in countries where demand is driven by strong economic growth, particularly in Asia. Non-OECD Asia (which includes China and India) accounts for more than 60% of the world's total increase in energy consumption from 2015 through 2040.

Through 2040, the IEO2017 projects increased world consumption of marketed energy from all fuel sources, except for coal demand, which is projected to remain essentially flat. Renewables are expected to be the fastest-growing energy source, with consumption increasing by an average 2.3% per year between 2015 and 2040. The world’s second fastest-growing source of energy is projected to be nuclear power, with consumption increasing by 1.5% per year over that period.

〔資料1〕
07
2017.9.14 EIA “IEO2017”

〔資料2〕
32
2017.9.14 EIA “EIA projects 28% increase in world energy use by 2040”

〔資料3〕
40
2017.9.14 EIA “EIA projects 28% increase in world energy use by 2040”

 エネルギー消費量ベースでは、既に再エネは原子力を上回っているし、今後ともその傾向は変わらない見通し〔資料3〕

 しかし、再エネの内訳を見ると、2040年までは水力が過半・主流であり続け、風力と太陽光は合計3割程度
〔資料4〕

 将来、風力・太陽光がエネルギー供給の主役になり得るとしても、それは今世紀半ば以降のことであろう。


〔資料4〕
45
2017.9.14 EIA “IEO2017”

 日本に関しては、低成長と少子高齢化により、電力需要は横這いで推移すると予測している〔資料5〕

 更に、①原子力比率は2030年には11%まで回復、②2030年のCO2目標は原子力抜き、③電力需要減や原子力回復で2025年以降は再エネの成長は頭打ち、④2040年のエネルギー構成は、化石燃料70%、原子力11%、残りが再エネ、とも言及。


〔資料5〕
46
2017.9.14 EIA “IEO2017”

原文より抜粋》
• In the near term, Japan’s electric power sector continues to recover from the 2011 Fukushima Daiichi nuclear disaster. Generation from operating nuclear power reactors rises to 11% by 2030.
• Japan committed to reducing its greenhouse gas emissions 25% by 2030, a challenge without a substantial nuclear contribution.
• In an environment with flat demand and growing nuclear, renewable growth is limited after 2025. Fossil fuels account for 70% of Japan’s electricity generation mix in 2040, while nuclear accounts for 11%, and renewables the remainder.

 尚、天然ガス、石油、石炭に関しては、それぞれ以下のような見通し〔資料6〜資料8〕。化石燃料の総消費量は今後とも大幅に増加するという話。

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2017.9.14 EIA “EIA projects 28% increase in world energy use by 2040”

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2017.9.14 EIA “EIA projects 28% increase in world energy use by 2040”

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2017.9.14 EIA “EIA projects 28% increase in world energy use by 2040”

☆ニュース配信☆ 東京23区の大半も“原発ゴミの最終処分地”になり得る

東京23区の大半も“原発ゴミの最終処分地”になり得る


https://news.biglobe.ne.jp/economy/0914/gdw_170914_7183767962.html

 "原発ゴミ"の最終処分地はどこになるのか?


 経済産業省は今年7月下旬、最終処分候補地としてどこが適当な場所かを示すため、日本地図を色分けしたものを発表した。 

 それによると、以下のように、東京都のほぼ全ての市町村(26市、3町、3村)が候補地になり得る。 

<輸送面でも好ましい地域> 
○ 江戸川区(臨海地域)、江東区(臨海地域)、中央区(臨海地域)、品川区(臨海地域)、大田区(臨海地域)、港区(臨海地域)
○ 世田谷区(西部)、渋谷区(西部)、新宿区(西部)、豊島区(西部)、板橋区(西部)、目黒区(西部)、北区(西部)
○ 練馬区(東部)、武蔵野市(東部)、三鷹市(東部)、調布市(東部)、町田市(東部)、稲城市(東部)、西東京市(東部)
○ 中野区(全域)、杉並区(全域)、狛江市(全域)
○ 神津島村、小笠原村

<好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い地域> 
○ 府中市、小金井市、小平市、東村山市、東久留米市、立川市、国立市、日野市、八王子市、多摩市、羽村市など上記の地域より西にある全ての市町村の地域

 では実際、首都・東京は候補地になり得るだろうか? 

 政治的には大問題かもしれないが、技術的には十分に候補地になり得る。要は、都民や首長がやる気になるかどうかだ。 

 将来、原発を正しくやめていくには、原発ゴミの最終処分地を現世代の責任で決めておく必要がある。何でもかんでも反対を叫ぶだけでは、脱原発は進まない。 

 最終処分されるガラス固化体は安定した物質。爆発性もなく、臨界(放射性物質が核分裂を起こして大きなエネルギーを発生すること)を起こすこともない。 

 直径40㎝、高さ1.3mの筒型で、総重量500㎏。製造直後での表面の放射線量は高いが、最終処分地に搬入されるのは十分に放射能レベルが下がってからのこと。 

 最終処分地として必要な規模は、地上では1〜2㎢、地下では深度300m以上の所に6〜10㎢程度の広さであれば十分。 

 地上1〜2㎢とはだいたい、東京ディズニーランド2〜4個分、東京ビッグサイト4〜8個分、日比谷公園6〜12個分、六本木ヒルズ10〜20個分、国会議事堂10〜20個分、昭和記念公園1個分、横田基地の1/3〜1/7個分など。 

 ただ、これは日本全国の分。東京の分に限れば、これほど大きな敷地は不要。 

 そもそも最終処分施設の建設は、技術的にはそれほど困難ではなく、いかなる原子力関連施設よりも安全。大規模な公共事業として雇用を生み、地域経済を潤す。本来ならば、自治体が誘致合戦を競うような話のはず。 

 実際、フィンランドやスウェーデンでは、自治体間で誘致合戦になった末に最終処分地が決まった。 

 東京都民はこれまで、東京電力の原子力発電所(柏崎刈羽(新潟県)、福島第一・福島第二(福島県))で作られた電気も大量に消費してきた。原発立地自治体の多くは、「既に発電で貢献してきたのだから、廃棄物はよ そでお願いしたい」と言っている。こうした複雑な感情の背景にあるのは、消費地側がエネルギー安定供給のありがたみに無関心であり続けてきたことだ。 

 電気の大量消費地の責任として、東京都民も小池百合子東京都知事も、原発ゴミ最終処分地の都内誘致を真剣に検討すべきである。自分のところに是非とも誘致させろ!と叫ぶ自治体の首長や議員が日本各地に現れたとしても、全然おかしな話ではない。

☆石川和男のエネルギーCh(チャンネル) vol.35

2017年9月13日19:00〜19:59

ドイツの電源構成と電気料金 〜 太陽光・風力・バイオマスの増加に伴い、電気料金も上昇・・・

 7月10日にBDEW(ドイツ連邦エネルギー・水道事業連合会)が発表した “Erneuerbare Energien und das EEG: Zahlen, Fakten, Grafiken (2017)” では、ドイツにおける2016年までの電源構成の変遷や電気料金の推移が掲載されている。

 2016年の電源構成(発電電力量ベース)は、再生可能エネルギー29.0%、原子力13.1%、石炭40.3%(褐炭23.1%、石炭17.2%)、天然ガス12.4%、その他5.2%〔資料1〕

 この再エネ29.0%の内訳は、水力3.2%、風力11.9%(陸上風力10.0%、洋上風力1.9%)、太陽光5.9%、バイオマス7.0%、廃棄物0.9%〔資料1〕

〔資料1〕
43
2017.7.10 BDEW

 2000年から2016年までの電源構成(発電電力量ベース)の推移は、原子力29%→13%、石炭(褐炭+石炭)51%→40%、天然ガス9%→12%、その他5%→5%、再エネ7%→29%〔資料2〕

 また、2000年から2016年までの電源構成(発電設備容量ベース)の推移は、原子力22GW→11GW、従来型火力87GW→95GW、再エネ11GW→104GW
〔資料3〕

〔資料2〕
05
2017.7.10 BDEW

〔資料3〕
27
2017.7.10 BDEW

 日本で導入されている再エネ固定価格買取制度(FIT)は、ドイツの制度を大いに参考にしたもの。日本ではFIT導入後すぐに“太陽光バブル”が発生したが、ドイツでは日本よりも早い段階で同じような事態が起こっていた〔資料4〕

 これは、
中国産の安い太陽光パネルが拡販されたことや、買取価格の高止まりが放置されたことで、
予想を超える再エネ賦課金の増大と系統容量の不足が顕在化したという話。
詳しくは、『再生可能エネルギー政策に関するドイツ調査報告(2015.3.21)』(本体要旨)を参照されたい。

〔資料4〕
39
2017.7.10 BDEW

 このように、発電設備容量ベースだけでなく、発電電力量ベースでも、太陽光と風力が著しく伸びてきているドイツ。それに伴って、再エネ賦課金も年々増加してきている〔資料5〕

〔資料5〕
23
2017.7.10 BDEW

 再エネ賦課金の増加によって、電気料金も上昇してきている。家庭用電気料金の推移と、産業用電気料金の推移は、それぞれ以下の通り
〔資料6、資料7〕2016.12.31付けブログ記事でも書いたことだが、再エネ賦課金などの負担割合が重くなってきていることが窺える。

〔資料6〕
45
2017.7.10 BDEW

〔資料7〕
07
2017.7.10 BDEW

 ドイツの再エネに関する長期目標は、
①電力供給量での再エネ比率:2016年31.7%(実績)
  → 2020年35% → 2030年50% → 2040年65% → 2050年80%
②総エネルギー供給量での再エネ比率:2016年14.8%(実績)
  → 2020年18% → 2030年30% → 2040年45% → 2050年60%
となっている
〔資料8〜資料10〕

〔資料8〕
00
2017.7.10 BDEW

〔資料9〕
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2017.7.10 BDEW

〔資料10〕
39
2017.7.10 BDEW

使用済太陽光パネル 〜 リサイクル法制化への総務省勧告(対環境省・経済産業省)

 2030年代半ば以降、耐用年数の過ぎたパネルの大量廃棄が見込まれる。総務省は、今月8日のNHKニュースや一昨日の河北新報などで既報の通り、将来に備えて回収やリサイクルの仕組みに係る法整備も含めて検討するよう環境・経済産業両省に勧告した。

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2017.9.9 河北新報

 上記の写真は、2015年秋の関東・東北豪雨の際に倒壊した仙台市太白区の太陽光パネルであろう。2015.11.17付けブログ記事などで書いているので、適宜参照されたい。

 総務省による勧告は、それを受ける各省との間で予め合意された内容。勧告元は、勧告先の省庁の事前了解なしには勧告しない。

 環境省と経済産業省は今後、相互協調しながら使用済太陽光パネルに係るリサイクル法制の在り方について、表立って具体的に検討していくことになるはずだ。


 今回の勧告内容に関する詳細は、『太陽光発電設備の廃棄処分等に関する実態調査 結果報告書(平成29年9月 総務省行政評価局)』を熟読すべきだが、長文だと飽きるのであれば、以下に貼り付けた要旨を御覧頂きたい。

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 “使用済再生可能エネルギー設備”のリサイクル法制化の必要性に関しては、2014.10.4付けブログ記事などで提起している。

☆ニュース配信☆ OECD諸国の電源構成(2016年):「原子力・再エネ」が4割、「化石燃料等」が6割

OECD諸国の電源構成(2016年):「原子力・再エネ」が4割、「化石燃料等」が6割





国際エネルギー機関(IEA ; International Energy Agency)が4月19日に発表した “
Statistics: Key electricity trends 2016” によると、2016年におけるOECD諸国に関する電源構成などは、次の(1)〜(3)の通り。 

(1)OECD諸国の全体では、可燃性の再生可能エネルギーを含む可燃性燃料(以下「化石燃料等」)は59.5%、それ以外の燃料(原子力、水力、地熱、太陽光、風力等(以下「原子力・再エネ」))は40.5%であった(資料1)。

<資料1> ※画像をクリックして拡大

(2)地域別では、 
○ 欧州では、「化石燃料等」は47%、「原子力・再エネ」は53%
○ 米州では、「化石燃料等」は61%、「原子力・再エネ」は39%
○ アジア・オセアニアでは、「化石燃料等」は78%、「原子力・再エネ」は22%
であった(資料2)。

<資料2> ※画像をクリックして拡大

(3)2016年のOECD全体の発電電力量は対前年比0.9%増で、この内訳として地熱・太陽・風力等は同9.5%増、水力は同2.2%増、化石燃料等は同0.2%減、原子力は同0.1%減であった(資料3)。 

<資料3> ※画像をクリックして拡大

原子力について、2016年のOECD全体の原子力発電電力量は対前年比0.1%減であった。欧州は原子力発電が減少した唯一の地域で、原子力発電電力量は対前年比2.4%減の790TWhだった(資料4)。ドイツでの原子力発電の段階的廃止、チェコとフランスでの停電長期化、スロベニアとスイスでの運転停止といったことが主因。

《原文より抜粋》
Total OECD cumulative production of nuclear electricity in 2016 was 1873.6TWh, 2.7TWh, or 0.1% lower than in 2015. Europe was the only region which decreased its nuclear production, by 19.6TWh, or 2.4%, to 790TWh led by the continued phase out of nuclear electricity in Germany as well as decreases in the Czech Republic and France caused by extended outages. There were also operational outages in Slovenia and Switzerland. 

<資料4> ※画像をクリックして拡大

水力について、2016年のOECD全体の水力発電電力量は対前年比2.2%増であった。2000年から2015年までのOECD全体の水力発電量の増加は、既に水力開発がされ尽くしていたこともあって、0.8%程度だった。 

2016年の水力発電量の増加は、OECDでの水力発電上位3ヶ国であるカナダ・米国・ノルウェーを始めとした多くの国々での降水量増加が主因で、これはフィンランドとスウェーデンでの水力発電量の大幅な減少を補うものでもあった。 

Total OECD production of hydroelectricity in 2016 was 1451.6TWh, which was 30.7TWh, or 2.2%, higher than in 2015, and increased in each OECD region. From 2000 to 2015, Hydro production has only grown 0.8% because most of the available potential in OECD countries is already utilised. The increase in Hydro for 2016 was predominately a result of higher rainfall in many countries, especially in Canada, the United States and Norway, the top three Hydro producers in the OECD. These increases compensated for significant drops of Hydro production in Finland and Sweden. 

再エネ(地熱・太陽光・風力等)について、2016年のOECD全体の再エネ発電電力量は対前年比8.4%増であった。欧州では0.4%増、アジア・オセアニアでは12.6%増、米州では22.5%増(太陽光が45%増、風力が19%増)であった。 

欧州はOECD全体の中で再エネが最も増えた地域で、太陽光発電・風力発電は欧州の再エネ発電部門でそれぞれ25%・70%を占め、前年比はそれぞれ4%増・1%減であった。欧州の太陽光発電・風力発電の28%を占めたドイツでは、天候不順によってそれぞれ1%減・7%減で、原子力発電の段階的廃止と相俟って化石燃料等の焚き増しを要した。 

Total OECD production of electricity from Geothermal, Solar, Wind and Other renewables was 873.9TWh in 2016, which was 75.6TWh, or 8.4%, higher than in 2015, with increases seen in all OECD regions. Europe had the smallest increase in this category of 1.9TWh, or 0.4%. In Asia/Oceania, there was an increase of 9.6TWh, or 12.6%. The Americas rose the most with 64.1TWh, or 22.5%, driven by increases in U.S. Solar and Wind of 45% and 19%, respectively. 

The European trend contrasts with last year, when Europe showed the highest increases of all of the OECD regions. Solar and Wind dominate, producing roughly 25% and 70%, respectively, of the electricity in this category for Europe and whilst it was a good year for European Solar production, which increased 4337TWh, or 4%, Wind production fell 1%. Germany, which produced roughly 28% of the European Solar and Wind for 2016, had decreases of 1% and 7%, respectively, due to weather conditions. With the aforementioned phase-out of Nuclear, this necessitated an increase in Combustible Fuels. 

以上のことからして、OECD諸国では、全体としては化石燃料への依存度がまだまだ高く、世界的にも近年特に伸びが著しいとされる太陽光・風力の寄与度は依然として低いことが見て取れる。象徴的であるが、再エネ大国であるドイツの脱原子力の動きは、化石燃料消費の増加を招いていることもわかる。

電力会社の切り替え:“1割を超えた”と役所は発表したが・・・??

 先月22日の電力・ガス取引監視等委員会の発表では、電力会社の切り替え(スイッチング)について、今年5月時点で一般家庭向け(低圧)のスイッチング率が10%を超えたとのこと。

<小売全面自由化以降のスイッチング件数の推移>17
2017.8.22 電力・ガス取引監視等委員会HP

 そのスイッチング件数の内訳は、みなし小売電気事業者(大手電力10社の小売部門のこと)から新電力へのスイッチング件数が約353万件(約5.6%)、みなし小売電気事業者内のスイッチング件数が約281万件(約4.5%)。

 みなし小売電気事業者は大手電力会社そのものなので、新規参入者ではない。新電力は新規参入者である。新電力へ切り替えた低圧需要家(一般家庭の消費者)は、この時点では約5.6%で、全体の約半分に過ぎない。

 昨年4月以降、電力小売市場における新電力のシェアは漸増しており、今年
4月時点での販売電力量ベースの新電力シェアは約9.2%となっている。
電圧別には、特別高圧・高圧分野に占める新電力シェアは約12.1%で、低圧分野に占める新
電力シェアは約 4.6%となっている。

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2017.8.22 電力・ガス取引監視等委員会HP

 今年4月時点での新電力の総販売電力量(低圧)に占める新電力各社の
シェアは次の通り。大手都市ガスや大手石油会社が上位を占めており、それ以下ではエネルギー事業者や大企業系列会社が多いことがわかる。

48
2017.8.22 電力・ガス取引監視等委員会HP

 経産省が2016年4月1日の電力小売全面自由化施行より約半年前の2015年11月18日に発表した資料では、「8割の人は、少なくとも切り替えの検討はする意向」、「現時点で切り替えを前向きに捉えている(「すぐにでも変更したい」「変更することを前提に検討したい」)人に限っても、25%弱存在する」とのアンケート調査結果が掲載されている。

 上述のように、現実はまだまだその域には達していない。予想通りではあるのだが、桁違いに低いのはかなり痛い。図らずも、こうしたアンケート調査には、調査主体の期待感が込もり過ぎる傾向があることを示した格好。

 因みに、電力自由化から一定程度時間の経過した欧州では、年間切替え率について、スペインやイギリスなど9カ国で10%を超える一方で、フランスやデンマークなど5%未満の国も同程度存在している。

18
2016.9.27 経済産業省「電力システム改革の現状と課題」

 この年間切替え率は、電力自由化の進捗状況を表す指標の一つとなる。その進捗状況が当初見込みよりも芳しくないと判断された場合には、その責任は大手電力10社に帰せられるだろう。最悪、大手電力10社は、送電部門の所有分離まで半ば強引に課せられてしまう可能性がある。

 だが、今回の電力自由化が『低廉かつ安定な電力供給システムの水準』を維持・向上させるものかどうかは、実は甚だ覚束ない。少なくとも欧米の先行例から見ると、むしろ失策であった。

 それは、このブログで何度も掲載したことだが、欧米諸国の電気料金水準の動向を見れば一目瞭然。実際、低所得層を中心とした大多数の家庭用電気料金は下がっていないし、下がりようもないことは、今回の自由化以前からわかっていたこと。

 特に日本では、原子力発電が再開されていないことに伴うコスト増が最大要因。今回の電力自由化については、電力消費量が比較的多い消費者などは別だが、国全体として見た場合には、これまで以上のコスト低減に寄与していることは、いずれのデータからも窺うことはできない。

 原子力発電については、既設原子力発電所に係る新規制基準適合に相当の猶予期間を置き、今すぐにそれらの高稼働率稼働を容認する政治決断をすることで、『原子力正常化』を宣言すべきだ。(政権支持率は一瞬下がっても、すぐに回復するだろう。)

 それにより、電力卸売・小売市場の両方における低廉安定供給体制が回復されるだけでなく、その豊富な収益により原子力安全対策や再生可能エネルギー振興のための財源を確保することもできる。日本では当面、原子力と再エネを両輪としたエネルギー需給体制を構築していく必要がある。

九州電力 〜 太陽光・風力発電の抑制は春と秋

 今日のKTS鹿児島テレビによると、九州電力は今秋、太陽光発電や風力発電を一時的にストップする出力制御を事業者に指示する可能性があるとの由。

<報道要旨>
・太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーは、天候や時間帯によって出力が大きく変化し、電力の需給バランスが大きく崩れると、最悪の場合、停電に至るおそれ。
・秋にかけて電力需要が小さくなることから、火力発電抑制だけで対応が難しい場合、太陽光発電や風力発電を一時的にストップする出力制御を事業所に指示する可能性高。
・実際に今春、種子島で17日間、徳之島で2日間の出力制御。

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 以下に貼付した九電の資料によると、電力安定供給に影響しない範囲での太陽光発電設備容量が817万kWであるのに対して、今年7月末時点で接続済のものは741万kW、承諾済のもの419万kW。


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出所:九州電力HP

 九州電力管内など日本の多くの地域では、春や秋はエアコン需要などの電力消費が大幅に減るため、需給のミスマッチが大きくなる。上記の報道にもあるように、最悪の場合、それは停電を惹起する。

 だから、再エネの固定価格買取制度(FIT)の認定に基づいて“勝手に”送電網に流れ込んでくる太陽光電気や風力電気を、人為的に制御しなければならなくなる。

 そうした再エネであっても、送電系統運用に迷惑をかけることなく、将来的に基幹電源にまで成長させていく必要がある。

 そのためには、送電系統運用を担う大手電力10社にFIT認定電源を集約させ、即ち、FIT法の運用を『修正RPS法』に変革させていくのが最適。

 FIT法の本来趣旨は、闇雲に再エネ発電事業者を増やすことではなく、電力低廉安定供給と両立させながら再エネ発電量を増やすこと。

 また、再エネ導入拡大に必須となる送電能力拡大のための投資財源については、新たな負担を求めるのではなく、再エネ賦課金収入から捻出することが最も合理的。

 現在の見通し(2030年でのFITに基づく再エネ買取総額3.7〜4.0兆円)を超えるような再エネ関連費用負担を課さずに、送電系統運用を慮った導入促進策を施すことが、結局は円滑な再エネ導入拡大に資するはずだ。

☆石川和男のエネルギーCh(チャンネル) vol.34

2017年9月7日17:00〜17:59

ニコ生 : http://live.nicovideo.jp/watch/lv306051352

YouTube : https://youtu.be/b1uoj68XBss

 

☆Yahoo!ニュース配信☆ 東京都の大半が「原発ゴミの最終処分場」の候補地だ

東京都の大半が「原発ゴミの最終処分場」の候補地だ

Yahoo!ニュース:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170906-00010000-mediagong-ent
ブロゴス:http://blogos.com/article/244535/
エキサイトニュース:http://www.excite.co.jp/News/column_g/20170906/Mediagong_23815.html
インフォシークニュース:https://news.infoseek.co.jp/article/mediagong_23815/
メディアゴン:http://mediagong.jp/?p=23815



 「原発ゴミ」の最終処分地はどこになるのか

 原発ゴミとは、原子力発電に伴って発生する「高レベル放射性廃棄物」のこと。それ自体は、放射能が高く非常に危険な廃液なので、高温のガラスと溶かし合わせてステンレス製の容器に注入して封じ込める。これが「ガラス固化体」。

 最終処分とは、ガラス固化体を地下深くの安定した岩盤に埋設し、人の手に頼らずそのまま隔離し続けることで、『地層処分』と呼ばれる。世界各国とも、この方法を採用する。

 今年7月下旬、経済産業省は、地層処分を行う場所を選ぶ際にどのような科学的特性を考慮する必要があるのか、それらは日本全国にどのように分布しているか、といったことを分かりやすく示す「科学的特性マップ」を公開した。

 北朝鮮のミサイル発射・核実験など緊迫した問題や、加計学園の獣医学部新設を巡るワイドショー的に面白おかしい話題がなければ、この科学的特性マップは政治やマスコミに大々的に取り上げられていたことだろう。

 これは要するに、最終処分の「候補地」としてどこが適当な場所かを示すために日本地図を色分けしたもの。候補地は、次のように四つに分類されている。

 (1)好ましくない特性があると推定される地域(地下深部の長期安定性等の観点)
 (2)好ましくない特性があると推定される地域(将来の掘削可能性の観点)
 (3)好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い地域
 (4)輸送面でも好ましい地域

 簡単に言えば、(1)と(2)に該当する地域は候補地になりにくいが、(3)か(4)に該当する地域は候補地になりやすいということ。候補地のなりやすさの順位は(4)>(3)>(2)>(1)。候補地は郊外や過疎地だろうと思う人が多いかもしれないが、そんなことはない。

 なんと、東京の場合、ほぼ全ての市町村(26市、3町、3村)は(4)か(3)に該当し、23区の多くも(4)に該当する。

 では実際、首都・東京は候補地になり得るだろうか?

 政治的には大問題かもしれないが、技術的には十分に候補地になり得る。要は、都民や首長がやる気になるかどうかだ。将来、原発を正しくやめていくには、原発ゴミの最終処分地を現世代の責任で決めておく必要がある。何でもかんでも反対を叫ぶだけでは、脱原発は進まない。

 最終処分されるガラス固化体は、安定した物質だ。爆発性もなく、臨界(放射性物質が核分裂を起こして大きなエネルギーを発生すること)を起こすこともない。直径40cm、高さ1.3mの筒型で、総重量500kg。製造直後での表面の放射線量は高いが、最終処分地に搬入されるのは、十分に放射能レベルが下がってからのこと。

 最終処分地として必要な規模は、地上では1~2平方キロメートル、地下では深度300m以上の所に6~10平方キロメートル程度の広さであれば十分。

 地上1~2平方キロメートルとはだいたい、東京ディズニーランド2~4個分、東京ビッグサイト4~8個分、日比谷公園6~12個分、六本木ヒルズ10~20個分、国会議事堂10~20個分、昭和記念公園1個分、横田基地の1/3~1/7個分など。

 ただ、これは日本全国の分。東京の分に限れば、これほど大きな敷地は不要だろう。

 そもそも最終処分施設の建設は、技術的にはそれほど困難ではなく、いかなる原子力関連施設よりも安全。大規模な公共事業として雇用を生み、地域経済を潤す。本来ならば、自治体が誘致合戦を競うようなことなのだ。

 実際、フィンランドやスウェーデンでは、自治体間で誘致合戦になった末、最終処分地が決まった。

 東京都民はこれまで、東京電力の原子力発電所(柏崎刈羽(新潟県)、福島第一・福島第二(福島県))で作られた電気も大量に消費してきた。原発立地自治体の多くは、「既に発電で貢献してきたのだから、廃棄物はよそでお願いしたい」と言っている。こうした複雑な感情の背景にあるのは、消費地側がエネルギー安定供給のありがたみに無関心であり続けてきたこと。

 電気の大量消費地の責任として、東京都民も小池百合子東京都知事も、原発ゴミ最終処分地の都内誘致を真剣に検討すべきである。自分のところに是非とも誘致させろ!と叫ぶ自治体の首長や議員が日本各地に現れたとても、全然おかしな話ではない。

【週刊エコノミスト(2017年9月5日号)寄稿(全文掲載)】LNG「仕向地縛り」撤廃の次 改革の本丸は基地の無差別開放

 先月28日発売の週刊エコノミスト(2017年9月5日号)に『LNG「仕向地縛り」撤廃の次 改革の本丸は基地の無差別開放』と題する拙稿を寄稿したので、御参考まで。

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 電力大手や都市ガス大手の17年4~6月期連結決算は、原油や液化天然ガス(LNG)の価格上昇のあおりを受けて、前年同期比減益だった社が相次いだ。我々が支払う電気料金・都市ガス料金は、これら化石燃料の輸入に大きく左右される。日本のエネルギー政策では、化石燃料に関しては石炭・石油から天然ガスへと徐々に移行することが志向されている。となれば必然的に、LNG輸入価格を少しでも下げられるかどうかが大きな課題となる
 そのLNG価格を巡って、6月28日、日本の公正取引委員会が取引実態に関する調査結果を公表した。その中で、「出荷基地の船積み段階で買い主にLNGを引き渡すFOB(Free on Board)契約の場合、仕向地条項を規定することは独占禁止法上問題となるおそれがある」旨の見解を示した。いわゆる「仕向地縛り」に疑義を唱えた。
 仕向地条項とは、日本の電力会社や都市ガス会社が、産ガス国からLNGを購入する契約書において大半の場合に記載される。LNG船の目的地である仕向港を指定する条項のことで、第三者への転売を認めない内容だ。たとえば、A国から輸入したLNGはB港でしか受け入れできず、B港に隣接したC火力発電所でしか使えないということだ。産ガス国にとっては、輸入者と直接取引をすることで、輸入者ごとの供給量と市場価格を制御できるという利点がある。輸入者にとっても、産ガス国からの供給基盤が安定する点では有益だ。
 しかし、新規発電会社や既存輸入事業者にとっては、利点ばかりではない。転売が禁止されているので、相互の閑散需要に応じた融通やスポット的な売買に回すことができない。少しでも安価なLNGを購入したい企業があったとしても、市場にはそれに見合うLNGは出回らないのだ。結局、輸入者は調達元を弾力的に選べず、調達コストの高止まりを甘受し続けなければならない。
 日本もこれまで、中東諸国など産ガス国に対して仕向地縛りの撤廃を求めてきたが、実現していない。日本のLNG調達コストが高止まっているのは、原油価格に連動した長期契約と仕向地縛りによって、まさに長期的に硬直的な価格での輸入を強いられているからだ。公取委は輸入国側の日本企業と、産ガス国が調査結果を踏まえて契約条項や取引慣行を見直すことを求めているようだ。

 ◇ガス自由化が引き金
 公取委の調査報告を読み進める上で、もう一つ頭に入れておかなければならないのは、都市ガスの全面自由化との兼ね合いだ。その功罪は別として、ガスでも既に小売り自由化が始まり、近い将来には大手都市ガス部門で導管部門の分離が予定されている。全面自由化後は発電事業者やガス小売事業者での競争が激化し、ガス需要量見通しに不確実性が増すので、LNG供給体制を柔軟にしておく必要性も増してくるというわけだ。
 品質が差別化しにくく、無機質というガスの商品特性は、小売先を切り替える意欲を呼び起こしにくい。このため筆者は、ガス自由化は低調で終わるとみている。それでも、経済産業省は何とかして自由化の成果を出すべく、あの手この手で攻めてくるだろう。
 その一つが、昨年5月、G7エネルギー大臣会合で経産省が発した「LNG市場戦略」だ。同戦略では、都市ガス市場における「オープンかつ十分なインフラの整備」として、「第三者が受け渡しや取引に使えるLNG基地・地下貯蔵・広域パイプラインの容量拡大」を掲げている。具体的には、「既存LNGへの第三者アクセスの実現」「オープンなLNG基地、地下貯蔵設備の確実な整備のための公的関与の検討」と書かれている。
 これまでも、市場活性化や公正な競争条件整備(イコールフィッティング)の観点から、大手都市ガス会社の導管の開放が断行された。大手都市ガス会社は、コストに一定の利益を積み上げて料金を決める総括原価方式で導管を整備してきており、コスト競争を憂慮することなくインフラを整備できた。導管開放は、このように優位に整備したインフラを新規参入組にも使わせるものだ。経産省は同様の論理で、今度は、ガス供給網の起点となるLNG基地も、海外勢や新規参入組に開放しようとしている。
 アジアでは、シンガポールで先行する「LNGハブ構想」が存在感を示す。都市ガス自由化を進め、市場活性化を狙う日本もハブ化を目指すはずだ。そのために仕向地縛りのないLNG船が荷卸しする国内LNG基地の「内外無差別の門戸開放」を実現する制度強化が必ずや提起されるだろう。
 ただ、LNG基地の利用ニーズが高まるかどうかは、今は全くわからない。役所による強引な制度変更に実際のビジネスニーズが追従していかないことは、今回の電力・都市ガスの全面自由化でも再び実証された。
 経産省は、全てのLNG基地を一気に開放するというような性急な制度変更に走ってはならない。まずは、総括原価方式の下で建設された電力会社や都市ガス会社のLNG基地に限って、モデル的な施設利用料の公表を促すことから始めるべきだ。実際の施設利用契約は個別交渉となる。仮に、基地保有者と利用者の交渉が成立しなかった場合には是正措置を講じて置く必要がある。経産省は大風呂敷を広げずに、LNG基地開放の事例を積み重ねることに専念するべきだろう。
 一方で、既存のLNG基地の貯蔵・稼働余力はあまり見込めない。これでは、利用勝手も悪く、活性化も難しい。そこで、製油所合理化後の石油輸入施設跡地やバースを活用したLNG関連施設新増設や、そこから引くガス導管網の整備も必要となるだろう。ここでは公的支援や制度的枠組みが必要になるだろうから、官民挙げて検討する必要もある。
 仕向地縛り撤廃に向けた政府の提起は、全面自由化を成功に導かせるための一里塚に過ぎない。経産省も公取委も、「改革の本丸」はLNG基地の内外無差別開放であるに違いない。


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☆ニュース配信☆ 2016年の再エネ発電量の割合:世界計24.5%(水力16.6%、風力4.0%、バイオマス2.0%、太陽光1.5%、地熱等0.4%)

2016年の再エネ発電量の割合:世界計24.5%(水力16.6%、風力4.0%、バイオマス2.0%、太陽光1.5%、地熱等0.4%)






 再生可能エネルギーは近年、日本でも世界でも急速に導入が進められてきている。その再エネの中で最も注目を浴びているのは、自然エネルギーの2大有望株である風力と太陽光であろう。 


 では、世界全体のエネルギー需給に占める風力発電と太陽光発電は、現状はどのくらいなのか? 

 UNEP(国連環境計画)傘下の研究機関である REN21 が6月6日に公開した RENEWABLES 2017 GLOBAL STATUS REPORT によると、 

(1)2015年での最終エネルギー消費に占める風力・太陽光の比率は合計1.6%未満(資料1) 
(2)2016年での発電電力量に占める風力、太陽光の比率はそれぞれ4.0%、1.5%(資料2)

となっている。


<資料1> ※画像をクリックして拡大


<資料2> ※画像をクリックして拡大

 将来の再エネ100%化に向けて諸々の技術開発・実証を引き続き行うことは必須だろうが、そこまでの道程はまだまだ遠い。 

 蓄電・蓄熱システムが商用化されるまでは、劇的なエネルギー転換は覚束ない。 

 エネルギー転換は、かなりゆっくりとした牛歩でしか進まないし、進めない。それは、歴史が証明している。再エネ100%化は22世紀になるだろうと予想する。 

 それまでは、化石燃料と原子力で凌いでいくしかない。 

☆ニュース配信☆ 世界全体の原子力 〜 低下傾向が近年反転し、4年連続増加・・・

世界全体の原子力 〜 低下傾向が近年反転し、4年連続増加・・・




World Nuclear Association が6月28日付けで公表した “World Nuclear Performance Report 2017” によると、2011年から2012年にかけて著しく落ち込んだ原子力発電電力量〔Figure 1.〕と原子力発電設備容量〔Figure 2.〕は、2012年以降4年連続で増加傾向となった。 

〔Figure 1.〕 ※画像をクリックして拡大
2017.6.28 World Nuclear Association “World Nuclear Performance Report 2017


〔Figure 2.〕 ※画像をクリックして拡大
2017.6.28 World Nuclear Association “World Nuclear Performance Report 2017


2016年には、9GWeを超える新しい原子力発電所が稼働を開始し、過去25年以上で年間最大の増加率だった。 

2016年初に441基だった原子炉は、2016年末には448基に増えた。10基の原子炉が竣工し、3基の原子炉が閉鎖された結果、8GWeを少々上回る設備容量が増加した。 

世界の原子力発電電力量は35TWh増加し、2476TWhとなった。これは、新規竣工原子炉による追加分と、既設原子炉の継続的な性能改善による分の合計。 

《原文より抜粋》
More than 9 GWe of new nuclear capacity came online in 2016, the largest annual increase for over 25 years. By the end of 2016 there were 448 reactors around the world, up from 441 at the start of the year.Ten reactors started to supply electricity and three were closed down, resulting in a net increase in nuclear capacity of just over 8 GWe. The amount of electricity supplied by nuclear globally increased by 35 TWh to 2476 TWh. This increased generation is the result of both additional generation from new reactors coming online and continued performance improvements from the existing fleet. 

地域別に分けると、北米と西中欧で多く、次いでアジア、東欧となっている〔Figure 3.〕。 

世界のエネルギー構成に占める原子力の割合は、2000年以降は減少傾向にある。原子力発電を利用している国に限った場合、エネルギー構成に占める原子力の割合は、2000年以降は減少傾向にあるが、2012年以降は増加傾向に転じている〔Figure 4.〕。 

〔Figure 3.〕 ※画像をクリックして拡大
2017.6.28 World Nuclear Association “World Nuclear Performance Report 2017


〔Figure 4.〕 ※画像をクリックして拡大
2017.6.28 World Nuclear Association “World Nuclear Performance Report 2017


世界全体の原子力発電所の設備利用率(稼働率)は、2000年以降は概ね80%前後で安定してきている。2011年には一時的に落ち込んだものの、それ以降は80%台を維持している〔Figure 5.〕。 

2007年から2016年まで10年間の原子炉の設備利用率(稼働率)は、原子炉の年齢に殆ど関係なく80%台を維持している〔Figure 8.〕。 

〔Figure 5.〕 ※画像をクリックして拡大
2017.6.28 World Nuclear Association “World Nuclear Performance Report 2017


〔Figure 8.〕 ※画像をクリックして拡大
2017.6.28 World Nuclear Association “World Nuclear Performance Report 2017

☆ニュース配信☆ ドイツ 〜 財界が再生エネ賦課金減免を要求・・・

ドイツ 〜 財界が再生エネ賦課金減免を要求・・・





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 7月3日付けのドイツ SPIEGEL ONLINE によると、ドイツ商工会議所(DIHK)は、再生可能エネルギー賦課金の減免を提案したとの由。

<記事要旨>
・ドイツ企業は再生エネ賦課金の即時低減を求める。
・ドイツの中小企業の電気料金は、EU内で最高値、フランスの2倍。
・再生エネ賦課金は2017年も上昇。
・DIHKの提案は、次の三点。  
 (1)再生エネ賦課金を 6.88ct/kWh から 4.7ct/kWh に引き下げる。  
 (2)賦課金に上限を設け、上限を超えた分は新設する基金から支払う。
 (3)賦課金対象を熱供給・運輸部門まで拡げ、電気以外に、石炭・石油・ガス部門に負担を課す。

記事原文より抜粋》
So soll das Stromsteueraufkommen von rund sieben Milliarden Euro zur Senkung der EEG-Umlage eingesetzt werden. Die Umlage würde dadurch von derzeit 6,88 Cent je Kilowattstunde Strom auf 4,7 Cent sinken. Dies wäre eine "spürbare und kurzfristige Entlastung für Wirtschaft und Verbraucher", sagte Schweitzer. Zudem macht sich der DIHK dafür stark, einen Teil der EEG-Kosten in einen Fonds auszulagern. So könnte die Öko-Umlage bei einem bestimmten Wert gedeckelt werden. Die Tilgung des Fonds durch die Stromkunden würde demnach erst beginnen, wenn die Umlage unter einen bestimmten Wert fällt. Als dritte Option schlägt der DIHK vor, eine Ausweitung der Umlage auf den Wärme- und Verkehrssektor zu prüfen. Dann würde nicht mehr nur Strom mit der Umlage belastet, sondern auch Kohle, Öl und Gas. 

 ドイツにおいて、再生エネ政策を礼賛する論調ではない提案が出されることや、それを大きな媒体が報道することは、とても珍しいと思う。ドイツでも、再生エネに対する空気が変わりつつあるということかもしれない。 

 一昨年3月にドイツを訪問した際、複数の政府機関や財界、消費者団体などに話を聴いた中で、DIHK関係者も再生エネ導入促進に反対することはしないと明言していた。その時の報告書本体報告書要旨を参照されたい。 

 ドイツの再生エネ賦課金は非常に高い。 

 日本でも特に311震災以降、ごくごく一部を除き、ドイツによる再生エネ政策動向を前向きに評価し、日本もドイツに倣うべき云々の報道が際立っている。 

 しかし、日本政府は昨年から、再生エネ導入に関しては“沈静化”の方向に舵を切った。殆どのマスコミは、それを気付いていながら、敢えて報道していないのだろう。 

 尚、ドイツ商工会議所による詳しい提案内容については、6月21日付け “„EEG-Finanzierung auf neue Füße stellen“Beschluss des Vorstands” を参照のこと。 

2050年を睨んだエネルギー政策の在り方 〜 知っておくべき指標

 先月30日、長期的視点でエネルギー政策の在り方を検討する経済産業省・エネルギー情勢懇談会(第1回会合)が開かれた。

 2050年へ向けたエネルギーを取り巻く世界の情勢を見極めながら、技術革新・人材投資・海外貢献で世界をリードできる国、制度、産業としての総合戦略を構想しようとするもの。

 8/9付けブログ記事で書いたように、現行のエネルギー基本計画(2014年4月策定)や、現行の長期エネルギー需給見通し(2015年7月)を見直すための検討が既に始まっている。

 経産省当局が当日提示した資料は大きく二つ資料1資料2だが、いずれにも有用な数値が散りばめられている。その中から、エネルギー政策を語る上で知っておくべき指標を以下に貼付しておく。

資料1より抜粋>

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資料2より抜粋>

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☆石川和男のエネルギーCh(チャンネル) vol.33

2017年8月31日17:00〜17:59

日本の地熱:資源量は世界第3位だが、開発はなかなか進まない・・・

 今月23日付け日本経済新聞は、『地熱発電の利用拡大へ工夫を』と題する社説を掲載。

 日本の地熱資源量は世界第3位の2347万kWだが、発電能力はその2.2%分だけで、2030年の電源構成6~7%という政府目標の達成が危ぶまれているとの由。

 地熱資源開発を巡る状況は、概ねこの社説にある通り。
このブログでも多数寄稿してきたが、要するに、地熱開発はそう簡単には進まないという話。

 
100億光年離れた宇宙であっても、高性能な望遠鏡があれば一応見える。だが、たった1㎝であっても、地面の下は決して見えない。

 政府・経済産業省は、今まで様々な支援策を施し、今後も相当手厚くそれらを続けていくだろう。

 地熱資源開発の現状については、今年6月に経産省が公表した資料『地熱資源開発の現状について』がよくまとまっているので、適宜参照されたい。(その一部を以下に貼付する。)

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世界の地熱:年平均2.3%しか伸びなかった四半世紀・・・

 8/26付けブログ記事で書いたように、日本の地熱発電開発については、地熱資源量は世界第3位だが、その開発はなかなか進んでこなかった。地熱開発は、他の電源開発に比べても非常に難しい。

 では、世界ではどうか?

 国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency)が発表した “RENEWABLES INFORMATION: OVERVIEW(2017 edition)” を見ればわかるように、ここ四半世紀、地熱開発は水力開発と同様、世界的にも大して伸びてこなかった。

 地熱発電量は、1990年(28.6TWh)から2016年(51.8TWh)まで、年平均伸び率は2.3%だった。OECD米州地域の2016年の地熱発電量はOECD内で最大の48.8%を占めたが、その地域の地熱発電量は1990年から2016年まで殆ど増えていない。

 米国の2016年の地熱発電量はOECD内で最大の37.2%だったが、1990年(16.0TWh)から2016年(19.2TWh)までの伸びは僅少。OECD内で第2位のニュージーランドの2016年の地熱発電量は7.9TWh(15.2%)だった。 以下、イタリア12.0%、メキシコ11.7%、アイスランド9.8%の順。


原文より抜粋》
Similar to hydroelectric power, geothermal electricity production has not experienced significant growth between 1990 and 2016. It grew at an average annual rate of 2.3%, from 28.6 TWh to 51.8 TWh. Geothermal electricity generation remained almost static in OECD Americas over the period 1990 to 2016, although the region remains the largest geothermal electricity producer, with a 48.8% share of OECD production in 2016. The United States is the largest producer with 37.2% of the OECD total in 2016, with a production of 19.2 TWh, slightly above the 16.0 TWh level in 1990. The second largest producer is New Zealand, with 7.9 TWh in 2016, representing 15.2% of total OECD production. Other major producers are Italy (12.0%), Mexico (11.7%), and Iceland (9.8%). 


 世界全体の地熱エネルギーに関するデータは、例えば以下の二つ〔資料1・2〕。日本は、地熱資源量では世界第3位だが、地熱発電設備容量では世界第10位。

〔資料1〕
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出所:2017.6 経済産業省「地熱資源開発の現状について」

〔資料2〕
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出所:JOGMEC 


 地熱エネルギーが、世界全体の一次エネルギー構成や電源構成の中で、どの程度になっているかについては、上記の 
RENEWABLES INFORMATION: OVERVIEW(2017 edition) に多くの指標が掲載されているので、以下に抜粋貼付しておく。

 これらを見てもわかるように、地熱エネルギーの割合は、エネルギー全体から見た場合でも、再生可能エネルギーに限定した場合でも、まだまだ小さいことが視覚的にも理解される。

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【週刊エコノミスト(2017年9月5日号)寄稿】LNG「仕向地縛り」撤廃の次 改革の本丸は基地の無差別開放

 今日発売の週刊エコノミスト(2017年9月5日号)に『LNG「仕向地縛り」撤廃の次 改革の本丸は基地の無差別開放』と題する拙稿を寄稿したので、御参考まで。

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米国エネルギー省 〜 電力競争市場における原子力・石炭の早期閉鎖に対する警告と、今後に向けた勧告

 米国エネルギー省(DOE ; Department of Energy)の今月23日の発表によると、ペリー長官宛てに “Staff Report to the Secretary on Electricity Markets and Reliability” と題する報告書が提出された。

 結論から言うと、数年後の日本の姿を見ているようであり、日本の電力政策に対しても非常に鋭い示唆を与える内容であると思料。

 目次構成(Table of Contents)は以下の通りで、
電力政策に関する研究と勧告が主眼。私が取り急ぎ読んだ限りでは、次の①〜④のような内容。

 ① 近年、コスト競争、安全・環境規制強化、再生可能エネルギー優遇といった複合的要因から、天然ガス・太陽光・風力が台頭してきた。

 ② それにより、競争的な電力市場が形成されてきたことは前向きに評価できる。

 ③ 同時に、電力需要減も相俟って、従来型エネルギー源である原子力・石炭などベースロード電源が早期閉鎖を強いられ、電力システム上の供給信頼性や危機回復力が低下するリスクが顕在化している。

 ④ 今後は、原子力・石炭・水力に対して、規制コストを低減していくことが必要だ。


 上記④に関して、より具体的には次の通り。


 エネルギー省や関連する連邦政府機関は、原子力や水力、石炭、先進的発電技術、送電といった電力網インフラに係る許認可や再許認可に係るコストを削減することを急ぐべきだ。

 エネルギー省はまた、発電所やガス、送電インフラの立地や許認可に係る規制負担を見直すとともに、規制手続プロセスを加速化させ、コストを削減するための措置を講ずるべきである。

 具体的には、次のようなこと。

 ◯ 水力発電について、連邦エネルギー規制委員会(
FERC;Federal Energy Regulatory Commission)に対して、現行の許認可や再許認可のプロセスを再考し、特に小規模プロジェクトや揚水貯蔵に係る規制負担を最小化するよう求める。


 ◯ 原子力発電について、原子力規制委員会(NRC;Nuclear Regulatory Commission)に対して、運営費の不要に増加させたり、原子力エネルギーの経済性を損ねることなく、既存及び新設の原子力施設の安全を確保することを求める。リスクを勘案した手法で原子力安全規制を見直せ。

 ◯ 石炭火力発電について、環境保護庁(EPA;Environmental Protection Agency)に対して、新たな許認可や関連費用を発生させることなく、石炭火力発電所が高効率化と信頼性向上を実施させるよう求める。DOEは、既設発電所の改善を可能とする規制環境下で、高効率化を目指す研究開発ポートフォリオを追求すべきだ。


原文のうち Policy Recommendations(p126〜)より抜粋》
DOE and related Federal agencies should accelerate and reduce costs for the licensing, relicensing, and permitting of grid infrastructure such as nuclear, hydro, coal, advanced generation technologies, and transmission. DOE should review regulatory burdens for siting and permitting for generation and gas and electricity transmission infrastructure and should take actions to accelerate the process and reduce costs. Specific reforms could include the following:

  Hydropower: Encourage FERC to revisit the current licensing and relicensing process and minimize regulatory burden, particularly for small projects and pumped storage.

  Nuclear Power: Encourage the NRC to ensure the safety of existing and new nuclear facilities without unnecessarily adding to the operating costs and economic uncertainty of nuclear energy. Revisit nuclear safety rules under a risk-based approach.

  Coal Generation: Encourage EPA to allow coal-fired power plants to improve efficiency and reliability without triggering new regulatory approvals and associated costs. In a regulatory environment that would allow for improvement of the existing fleet, DOE should pursue a targeted R&D portfolio aiming at increasing efficiency.

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2017.8.23 DOE “Staff Report to the Secretary on Electricity Markets and Reliability 

8/21米国での日食 〜 太陽光発電の減少分は、天然ガスや水力で補完

 今月24日の米国EIA(Energy Information Administration;エネルギー情報局)の発表によると、カリフォルニア州の例を挙げながら、今月21日の米国での日食によって減少した太陽光発電分は、天然ガスや他州からの融通(火力、水力で補完されたとの由。先のブログ記事では、それに関する予測を書いたので、適宜参照されたい。

 カリフォルニア州の太陽光発電設備容量の多くは、日食で日照量が60〜70%ほど減少した地域に設置されている。8月21日は、月が太陽光を遮るに伴い、太陽光発電の出力は通常よりも60%ほど低下し、3.6GWとなった。


原文より抜粋》
During the solar eclipse that passed across the continental United States on August 21, 2017, solar output on the California Independent System Operator (CAISO) electric system dropped while the sun was partially obscured. Much of the decrease in solar output was made up by increased electricity imports and increased generation from thermal units, most of which is fueled by natural gas.

Much of the state’s solar capacity is located in areas where sunlight was obscured by as much as 60%–70% during the eclipse.

On August 21, as the moon partially obscured sunlight, CAISO’s solar power output fell to a low of 3.6 GW for that hour, about 60% lower than normal.

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2017.8.24 EIA “California increased electricity imports and natural gas generation during solar eclipse”


 8月21日午前10〜11時、カリフォルニア州では、負荷減を担うはずの小規模太陽光発電が減ったため、前五日間平均より1.2GWも負荷増となった。日食による太陽光発電の減少分を補完したのは、主に天然ガス火力発電と他州からの融通電力だった。
 
 今回の日食では、カリフォルニア州の火力発電(主に天然ガス)は3.7GWも増えた。太陽光以外の再生可能エネルギーの殆どを占める水力発電はわずかに増え、原子力発電は一定だった。

On August 21, CAISO total net load between 10:00 a.m. and 11:00 a.m. Pacific Time was 1.2 GW higher than the average of the previous five weekdays, due in part to the loss of small-scale solar generation that would have reduced load in the absence of the eclipse. Increased output of mainly natural gas-fueled thermal generation and imports of electricity together offset the loss of solar generation resulting from the eclipse.

Thermal generation, almost all of which is fired by natural gas in CAISO, increased by 3.7 GW during the eclipse. Non-solar renewables in CAISO, the majority of which is conventional hydroelectric generation, also slightly increased output during the eclipse. Nuclear generation remained unchanged.

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2017.8.24 EIA “California increased electricity imports and natural gas generation during solar eclipse”


 他州からの融通は2.2GWで、融通元は Los Angeles Department of Water and Power、Salt River Project Agricultural Improvement and Power District in Arizona、Bonneville Power Administration in the Pacific Northwest など。

Imports of electricity increased by 2.2 GW during the hour of the eclipse as CAISO drew power from the Los Angeles Department of Water and Power, the Salt River Project Agricultural Improvement and Power District in Arizona, and the Bonneville Power Administration in the Pacific Northwest, among others.

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2017.8.24 EIA “California increased electricity imports and natural gas generation during solar eclipse”


 今回のような日食では、日照に関する予測がある程度は立てられていたので、太陽光発電のブレを補完するためのバックアップ電力をそれほど困難なく確保することもできた。

 しかし、日々の日照など気象状況は、実際には、完全な予測は不可能。

 そうした天候如何による出力変動への適応体制をいかにコスト合理的に備えておくかは、太陽光・風力など自然エネルギーを振興していく上での最大の課題の一つ。

 即ち、自然エネルギーを活用していくには、火力や水力など安定電源に係る盤石な供給体制が必要だということだ。それが改めて認識された今回の日食劇であった。

自然エネルギーを巡る国際的な大誤解:太陽光発電設備容量が原子力発電設備容量を超えても・・・??

 昨日、国際再生可能エネルギー機関(IRENA : International Renewable Energy Agency)が以下のようなtweetをしていた。

 こんな記事を配信しているようでは、国際的なエネルギー関連機関としては、全く話にならない。リンクを貼られているINDEPENDENT記事 “Solar panel capacity to overtake nuclear energy next year in historic landmark” も同様だ。

 太陽光は、capacity(設備容量)で原子力を超えたとしても、capacity factor(設備利用率)では原子力の1/4〜1/5程度しかなく、しかも天候変動電源。太陽光発電設備容量が原子力発電設備容量を超える時が来ても、それは歴史的瞬間ではない。

 電源別の稼働率(設備利用率)の例については、8/16付けブログ記事を参照されたい。そこに書いてあるように、米国の2016年での電源別の設備利用率は、太陽光27%、風力35%、水力38%、石炭55%、天然ガス56%、原子力92%であり、電源間で大きな差がある。

 いわゆる自然エネルギー電源(太陽光、風力など)は、従来型電源(原子力、火力、水力など)と違って、安定的に発電することはできない。そうした事実を前提に語ることが、的確な自然エネルギー(≒ 再生可能エネルギー)の振興に繋がる。

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https://twitter.com/IRENA/status/900658441110388737

☆石川和男のエネルギーCh(チャンネル) vol.32

2017年8月24日17:00〜17:59

ニコ生 : http://live.nicovideo.jp/watch/lv305333610

YouTube : https://youtu.be/sorj_tWuFss

珍しい朝日新聞による再生エネ逆風記事 〜 悪いのは「再生エネ」全体ではなく、アセス無き「太陽光・風力」・・・

 朝日新聞社が珍しく再生可能エネルギーへの逆風めいた記事を書いている。今朝の朝日新聞ネット記事では、『再生エネ、増える住民の苦情 景観・光害・騒音…顕在化』と題する記事を写真付きで報じている。

 朝日新聞社と一橋大学などによる「再生エネに関する自治体アンケートで、様々な課題が浮き彫りになった」との由。

<記事抜粋>
・かすみがうら市にある太陽光施設。ススキやセイタカアワダチソウが青々と生いログイン前の続き茂り、敷地外や道路にはみ出し伸び放題。市の担当者「住民から苦情が相次いでいるが、最近倒産したという情報もあり、業者側と連絡がとれない」。
・アンケートでは市区町村の24%が「事業者と周辺住民とのトラブルが発生するおそれがある」と。3年前の前回調査から倍増。
・具体例は、発電施設設置による「景観」274件、太陽光パネルからの反射光による「光害」185件、発電設備や工事に伴う「騒音」161件、「別荘地の景観が悪くなるので、太陽光発電設備をやめるよう指導してほしいと住民から申し出があった」、「ソーラーパネルにより反射する光がまぶしい」、「工事のトラックが住宅地を通る際の騒音が心配」など。
・かすみがうら市の例のような「敷地の雑草管理」は99件で、業者の名前や連絡先が掲示されていない施設への不安のほか、「雑草からの虫の発生や、冬場は枯れ草からの火災発生も心配される」(愛知県豊川市)との声も。
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2017.8.24 朝日新聞ネット記事 

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2017.8.24 朝日新聞ネット記事


 8/21付けブログ記事でも書いたように、朝日新聞や東京新聞は再生エネについて、美辞麗句に酔ってるかのような一方的盲目的報道に偏重してきた。

 再生エネは将来有望ではあるものの、2012年7月の再生エネ固定価格買取制度(FIT)の施行前から問題視されていた部分もあった。ただ、
多くの政治家やマスコミが、再生エネを“脱原子力”や“脱石炭”の象徴のように祭り上げてきたに過ぎない。

 再生エネは、蓄電・蓄熱システムがコスト合理的に商用化されるまでは、原子力や火力の代替電源にはなり得ない。それまでの間、世間の不評を買わない形で徐々に振興していく必要がある。

 そういう点では、再生エネの普及状況を見ると、悪いのは「再生エネ」全体ではない。上記のアンケート項目にあるものも含めた環境影響評価(環境アセスメント)の対象にならなかったり、適切な形での地元合意を得ていないなど、半ば野放図に設置がなされてきた「太陽光・風力」が好くないという話。

 上記の朝日新聞ネット記事では更に、今年4月に施行された改正FIT法に関して、「市区町村の1割が「買取価格の低下」を課題に挙げ、前回調査から倍増した」として、次のように報じている。

<記事抜粋>
・FITは再生エネ拡大を目指し2012年7月導入、フル稼働すれば原発30基以上の発電能力にあたる、計3539万キロワット(今年3月末現在)の発電設備が全国で運転を始めている。
・国は将来的に自立を図っていくことが重要と考え、改正法を施行したが、「設備導入のモチベーション低下」(名古屋市)、「設備を設置する事業者の減少」(兵庫県明石市)を懸念する声。
・地域の電気を売るためには送電線網に接続する必要があるが、再生エネの拡大に電力会社が対応できないとして、年々難しくなっている。都道府県が挙げた課題ではこれが最多37件。

 上記の記事もそうだが、再生エネに関する報道には誤認や誤解が少なくない。それらを逐一指摘するのも面倒なのだが、あまりにも一般新聞読者を間違った方向に誘導しかねないので改めて言っておく。

 まず、「フル稼働すれば原発30基以上の発電能力にあたる、計3539万キロワット(今年3月末現在)の発電設備が全国で運転を始めている」というのは誤認。

 原子力発電所並みにフル稼働するFIT対象の再生エネ発電所は、我が国には存在しないし、恐らくこの地球上にも存在しない。この点、電源別の稼働率(設備利用率)の例について、8/16付けブログ記事を参照されたい。
 
 また、「地域の電気を売るためには送電線網に接続する必要があるが、再生エネの拡大に電力会社が対応できないとして、年々難しくなっている」という表現は誤解を与える可能性がある。

 電力会社の送電網はそもそも、再生エネを接続するために敷設されてきたわけではない。あくまでも、広く一般の需要家に対する安定供給義務を果たすという国策の下で整備されてきた。

 だから、FIT施行による再生エネ発電設備、特に急増した太陽光発電所(メガソーラー)や風力発電所からの接続要請に対応し切れなくとも、それは電力会社の責任ではなく、1964年に制定されてから長きに亘って運用されてきた電気事業法の責任。

 再生エネの拡大について電力会社を即応させたいのであれば、再生エネ接続向けの送配電設備増強に必要な設備投資財源を確保するための措置をFITに組み込むべきである。

 そのために許容されやすいのは、電源開発促進税・エネルギー特別会計ではなく、再生エネ賦課金の活用。再生エネ賦課金を電力会社の送配電部門に注入する仕組みを新設するのが最適であろう。これは現行制度からの追加財源措置ではないので、国民負担予定額が増えることはない。

 次なるFIT法改正案の主眼は、再生エネ賦課金の循環構造を大幅に修正していくことだ。
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