2016年度の再エネ買取総額:2016年5月までの累計は3800億円(対前年比1050億円)

 資源エネルギー庁が定期的に更新している再生可能エネルギーに関する『固定買取価格制度 情報公表用ウェブサイト』によると、今年4月末時点における再エネ発電設備に係る買取電力量・買取金額は、それぞれ資料1・資料2の通り。

<資料1:買取電力量(万kWh)>
46
(出所:資源エネルギー庁「固定価格買取制度 情報公表用ウェブサイト」)

<資料2:買取金額(億円)>
00
(出所:資源エネルギー庁「固定価格買取制度 情報公表用ウェブサイト」)

 エネ庁が今年3月に公表した「再生可能エネルギーの平成28年度の買取価格・賦課金単価」の概要は資料3の通り。

 これによると、2016年度では、再エネ買取額は年間2兆3000億円、再エネ賦課金は年間1兆8057億円と見込んでおり、再エネ賦課金単価は1kWh当たり2.25円(標準家庭(1ヶ月の電力使用量300kWh)で月額675円、年額8,100円)。

<資料3>

 今年5月まで2ヶ月間の買取額は3799億円(対前年比1046億円)。今年度の残り10ヶ月(今年6月~来年3月)が同じ程度で推移すると仮定すれば、今年度の買取額は2兆2794億円となり、現時点のデータでは約206億円未達のペース。

 これはあくまでも単純計算に過ぎない。太陽光や風力は天候に左右されるので、実際にどうなるかはわからない。増えるかもしれないし、減るかもしれない。この買取額分は、再エネ導入のための電力消費者からの“補助金”のようなものであるが、その多寡に関する価値観は個々人で大きく異なるのだろう。

【iRONNA寄稿】もんじゅ廃炉で誰が一番得をしたか? 弱すぎる日本のエネルギー政治

もんじゅ廃炉で誰が一番得をしたか? 弱すぎる日本のエネルギー政治


・・・「原発がなくても大停電は起こっていない。電力供給の安定は保たれている。だから、原発は電力の安定供給には必要ない!」 ——— 脱原発・反原発を叫ぶ勢力には、こういう論調は歴然とある。だが、それが大きな誤解であることを証明する事態が最近起きた・・・



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【石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.114】

2016年9月21日12:30~13:16【石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.114】




<番組内アンケート結果>
Q:再エネ電気を積極的に買いたいか?
A:はい21.9%、いいえ61.0%、わからない17.0%

 

【石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.113】

2016年9月14日12:30~13:18【石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.113】


ニコ生 : http://live.nicovideo.jp/watch/lv275585641

Youtube : https://youtu.be/GV4l6pes5_o

☆Yahoo!ニュース配信☆ 期待外れの「電力自由化」よりも期待外れになる「ガス自由化」

期待外れの「電力自由化」よりも期待外れになる「ガス自由化」

Yahoo!ニュース
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160913-00010000-mediagong-ent

エキサイトニュース
http://www.excite.co.jp/News/society_clm/20160913/Mediagong_19101.html

インフォシークニュース
http://news.infoseek.co.jp/article/mediagong_19101/

マイナビニュース
http://news.mynavi.jp/news/2016/09/13/086/



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 皆さんは、「ガス小売全面自由化」というのをご存知だろうか?

 今年4月に「電力小売全面自由化」が始まったことは記憶に新しい。家庭向けの電力小売事業が自由化された。「新電力」という言葉がしばしばマスコミやネット上に登場するが、これは電力自由化による新規参入者のこと。

 電力自由化の次はガス自由化だ! というわけで、家庭向けの都市ガス小売事業が来年4月に全面自由化される。新規参入者は、さしずめ「新ガス」とでも呼ばれるかもしれない。

 昨年の今頃は、電力小売事業の全面自由化に関する詳細な制度設計に向けた議論が沸騰していた。主な論点は、(1)送配電線使用料(電力託送料金)の大幅な引下げ、(2)マンション一括契約に係る規制緩和など、大手電力10社の既得権を打破する制度変更案をいかに実現させていくかであった。

 それに向かって、政・官・学・民が一丸となっていた。そしてその結果、上記の点も含めた大きな制度変更が実現し、9月8日現在で新電力は341社にも上る。

 来年4月まで残り半年となった今、都市ガス小売事業の全面自由化に関する詳細な制度設計に向けた議論は終盤戦に突入。ところが、この議論は盛り上がりに欠け、電力自由化の話に比べても、大手マスコミの報道も少ない。

 その理由としては、(1)そもそもガス事業制度を熟知している人が少ないし、的確な改革案を提示できる人はもっと少ない、(2)当たり前のことだが、ガス業界では保守的な声の方が圧倒的に多い、(3)監督当局である経済産業省は、電力業界には非常に厳しいが、ガス業界にはそれほどでもない等々・・・。

 こうした「空気」のせいもあってか、都市ガス小売市場への大きな参入障壁は歴然と維持されそうなのだ。その筆頭格が、(1)新規参入者が支払うガス導管使用料(ガス託送料金)が高いことや、(2)マンション一括契約が許されないこと。

 特にガス託送料金については、最大の都市ガス小売市場を持つ東京ガスのガス託送料金が、現状よりも値上げされた水準で申請されている。これは、認可申請している東京ガスがいかなる弁明をしようとも、認可する経済産業省がどのような説明をしようとも、一般庶民には理解も納得もされようがない。

 今年4月に始まった電力自由化によって、大手電力10社から新電力へ切り替えた一般家庭は、8月末時点で全国6253万世帯のうち168万世帯と、全世帯の2.7%弱。これを多いと見るか少ないと見るかだが、昨年11月の経済産業省の発表によると、「8割の人は、少なくとも切り替えの検討はする意向」、「現時点で切り替えを前向きに捉えている(「すぐにでも変更したい」「変更することを前提に検討したい」)人に限っても、25%弱存在する」との調査結果。

 しかし、現実はそう甘くはない。「新電力」が少ないのには単純だが大きな理由がある。家庭向けの電力小売事業は、それだけを営んでもあまり儲からないのだ。もっとも、都市ガス会社や携帯電話会社が、電力小売との『抱き合わせ販売』をすることで、本業である都市ガスや携帯電話の顧客を繋ぎ止めておくことには多少役立つかもしれない。

 家庭向けの都市ガス小売事業も同じ。それだけを営もうとしても、天然ガスの調達や安全確保の面でけっこうなコストがかかる。電力会社や石油会社など大手資本でさえ、新規参入はかなり難しいのが実状。

 事実、都市ガス小売事業への新規参入を予定している事前登録者は、9月8日時点で関西電力と東京電力の2社だけ。昨年9月末時点で電力小売事業への新規参入を予定していた「新電力」の事前登録者が72社もあったことに比べても、「新ガス」の事前登録者数はあまりにも少ない。

 そういう中で、(1)ガス託送料金が高い、(2)マンション一括契約が許されないなど、「新ガス」にとって都市ガス小売事業への障壁が高過ぎるのだ。

 せめて、ガス託送料金の大幅引下げや、マンション一括契約に係る規制緩和といった主要論点だけでも突破しなければ、ガス小売全面自由化は、電力小売全面自由化よりも更に期待外れの結果になってしまうはずだ。

 こんなにも障壁が高い市場には、誰も新規参入できやしない。

☆ニュース配信☆ 再生可能エネルギー 〜 世界全体ではバイオマスと水力の割合が圧倒的シェア

再生可能エネルギー 〜 世界全体ではバイオマスと水力の割合が圧倒的シェア

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http://www.gadgetwear.net/2016/09/blog-post_8.html


livedoorニュース

http://news.livedoor.com/article/detail/11990007/


日刊アメーバニュース

http://news.ameba.jp/20160908-131/


BIGLOBEニュース

http://news.biglobe.ne.jp/economy/0908/gdw_160908_9114060045.html


 先月28日のIEA(International Energy Agency;国際エネルギー機関)の発表
では、世界全体の一次エネルギー供給と電力供給における再生可能エネルギーの位置付けについて掲載されている。 


 2014年の一次エネルギー供給における再エネ割合は13.8%で、その内訳はバイオマス10.1%、水力2.4%、その他1.3%となっている。即ち、2014年の一次エネルギー供給における再エネは、バイオマス73%、水力17%、その他9%で構成されている〔資料1〕。 

 再エネのうち風力や太陽光の割合はまだまだ小さいが、近年の伸びは著しい。1990年から2014年までの推移を見ると、一次エネルギー供給の伸びが1.9%であるのに対して、再エネの伸びは2.2%、その内訳では太陽光発電の伸びは46.2%、風力の伸びは24.3%と、突出している〔資料2〕。 


<資料1>
2016.7.28 IEA

<資料2>
2016.7.28 IEA

 2014年の電力供給における再エネ割合は22.3%で、その内訳は水力16.4%、バイオマス1.8%、その他4.2%となっている。即ち、2014年の電力供給における再エネは、水力74%、バイオマス8%、その他19%で構成されている〔資料3〕。 

 再エネのうち風力・太陽光の割合はそれほど大きくはないが、近年の伸びは著しい。1990年から2015年までのOECD諸国での推移を見ると、電力供給の伸びが1.4%であるのに対して、再エネ(水力を除く)の伸びは8.6%、その内訳では太陽光発電の伸びは44.1%、風力の伸びは22.1%と、やはり突出している〔資料4〕。 

 OECD諸国における1990年から2015年までの再エネ発電の推移を見ると、2000年頃を起点として欧州諸国の伸びが顕著になっている。その頃から再エネFIT(固定価格買取制度)がドイツなどで導入され始めたことが主因であろう〔資料5〕。 


<資料3>
2016.7.28 IEA

<資料4>
2016.7.28 IEA

<資料5>
2016.7.28 IEA

 以上のことから、世界全体の再エネ事情を俯瞰すると、一次エネルギー供給ではバイオマスが圧倒的に多く、電力供給では水力が圧倒的に多いという話。 

 近年の伸びが著しい風力や太陽光が再エネの主役、ましてエネルギー全体の主役になるには、まだまだ相当の時間を要すると見込まれる。

電力会社の切り替え:8/31集計で168万件(全世帯の2.7%程度)

 電力広域的運営推進機関が、8月31日24時までの情報照会、スイッチング(切り替え)の申込み状況を集計したところ、それぞれ全国計で1223.16万件、167.51万件であった。
 
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 全国の世帯数に関する直近のデータとして経済産業省が用いているのは、下に添付した経産省資料によると約6,253万(2015年度の一般家庭等の通常の契約口数)である。これをベースにすると、今のところ、切り替え件数は全体の2.679%、情報照会から切り替えに至るのは13.69%となる。

 因みに、経産省が2015年11月18日に発表した資料では、「8割の人は、少なくとも切り替えの検討はする意向」、「現時点で切り替えを前向きに捉えている(「すぐにでも変更したい」「変更することを前提に検討したい」)人に限っても、25%弱存在する」とのアンケート調査結果が掲載されている。

 しかし上述のように、現実はまだまだその域には達していない。予想通りではあるのだが、桁違いに低いのはかなり痛い。図らずも、こうしたアンケート調査には、調査主体の期待感が込もり過ぎる傾向があることを示した格好になってしまった。

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【石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.112】

2016年9月7日12:30~13:19【石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.112】


<番組内アンケート結果>
Q:民進党代表は誰がいいか?
A:前原誠司22.5%、玉木雄一郎10.2%、蓮舫4.0%、興味ない59.3%、わからない4.0% 

月刊Business i. ENECO 地球環境とエネルギー 2016年9月号:“原子力大国”フランスと“再エネ大国”ドイツ 電気料金格差とCO2格差

 先月29日発売の月刊Business i. ENECO 地球環境とエネルギー 2016年9月号での連載「石川和男のエネルギー&環境スピークアウト」。

<“原子力大国”フランスと“再エネ大国”ドイツ 電気料金格差とCO2格差>
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☆ニュース配信☆ 2014年のEU28ヶ国全体の電力事情:再エネ28.2%、原子力27.5%、石炭25.3%

2014年のEU28ヶ国全体の電力事情:再エネ28.2%、原子力27.5%、石炭25.3%

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livedoorニュース

日刊アメーバニュース
http://news.ameba.jp/20160901-149/


 8月24日の eurostat の発表では、EU28ヶ国全体の電力事情について、主に次のような内容の報告がなされた。 

(1)総発電電力量は、2008年をピークに減少傾向の中にあって、直近データの2014年は2008年比で5.8%減になった〔資料1〕。 

(2)2014年の総発電電力量は、再生可能エネルギー28.2%、原子力27.5%、石炭25.3%の順〔資料2〕。 

(3)2014年に再エネが原子力と石炭を超えて総発電電力量ベースで最大シェアになった〔資料2〕。 

(4)但し、再エネを水力・風力・バイオマス・太陽光・地熱など個別に分けた場合には、原子力が最大シェアであった。 

(5)再エネ発電の増加は著しく、2014年は1990年比で3倍、5年前(2009年)比で48%増となった〔資料2〕。 

(6)2014年の設備容量を1990年比で見ると、太陽光は8900倍(10MW→89,088MW)、風力は284倍(454MW→129,080MW)など再エネ設備容量の増加が著しい。 

(7)2014年の電力輸出入について、電力輸入大国はイタリア、イギリス、フィンランドなどで、電力輸出大国はフランス、ドイツ、チェコなどであった。 

 以上は、EU28ヶ国全体の電力事情の概要である。 

 日本のエネルギー政策でしばしば参考にされるのは、近年では特にドイツの再エネ関連施策であり、電源構成も再エネ促進に向けてドイツに追従しようとしている感じが強い。 

 しかし、EU28ヶ国全体が送電網で結ばれている点からしても、本来参考にすべきは特定の1ヶ国の電源構成ではなく、EU28ヶ国全体の電源構成であろう。 

 日本の電源構成は、2011年3月の東日本大震災による福島第一原子力発電所事故以来、大きく変化してきた。だが、2010年の日本の電源構成とEU28ヶ国全体の電源構成は近似していた。 

 日本の電源構成を検討する際、必ずしも諸外国を参考にする必要はない。ただ、これまでの日本のエネルギー政策の経緯を考えれば、欧米諸国のエネルギー政策を参考にすることは有意であり、欧州諸国の場合には欧州全体、即ちEU28ヶ国全体を注視していくべきだ。 

 ドイツは再エネ大国(再エネ比率3割)だが、ドイツだけを参考にしてはならない。エネルギーコストの面で国民負担が大き過ぎるだろう。フランスは原子力大国(原子力比率7割)だが、震災以降の日本国内の政治的空気では、フランスだけを参考にする訳にもいかない。 

 「フランス+ドイツ」であれば大いに参考になるだろう。拙稿『"再エネ大国"ドイツと、『原子力大国』フランスの比較』(その1その2その3
)を参照されたい。 

《原文より抜粋》
Gross electricity production in the EU-28 increased from 2595TWh in 1990 to its peak of 3387TWh in 2008. In 2014 the gross electricity production continued the downward trend that started in 2010 and reached 3191TWh, which is a 5.8% decrease compared with the 2008 peak value. In 2014 renewable energy sources were the highest contributor to electricity production, surpassing solid fossil fuels (coal) and nuclear energy. Since 1990 the electricity generation from renewable energy sources nearly tripled. Compared to 5 years ago electricity production from renewable sources increased by 48%. 

The highest share of electricity in 2014 was produced in power plants using renewable energy sources (28.2 %), followed by nuclear power plants (27.5 %) and coal fired power plants (25.3 %). 

In 2014 the biggest net importers of electricity were Italy, the United Kingdom and Finland, while France, Germany and the Czech Republic were the biggest net exporters of electricity. 

<資料1>
EU28 Gross electricity production by fuel(GWh)
2016.8.24 eurostat

<資料2>
 EU28 Gross electricity production by fuel(GWh)
2016.8.24 eurostat 

☆ニュース配信☆ 米国:「石炭の消費減」と「天然ガス・原子力・再エネの消費増」でCO2排出合理化

米国:「石炭の消費減」と「天然ガス・原子力・再エネの消費増」でCO2排出合理化

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http://www.gadgetwear.net/2016/08/2.html


livedoorニュース

http://news.livedoor.com/article/detail/11925832/


日刊アメーバニュース

http://news.ameba.jp/20160824-182/


BIGLOBEニュース

http://news.biglobe.ne.jp/economy/0824/gdw_160824_1098895967.html


 今月17日の米国EIA(Energy Information Administration;エネルギー情報局)の発表では、米国においては、ここ10年での天然ガス消費増と石炭消費減が相俟って、天然ガス由来CO2排出量が石炭由来CO2排出量を超え始めるとの予測が出された。 

 CO2排出原単位の面では、石炭は天然ガスよりも約82%高い。だが2016年では、天然ガス由来CO2排出量は石炭由来CO2排出量よりも10%多くなるとの見通し。 

《原文より抜粋》
Energy-associated carbon dioxide (CO2) emissions from natural gas are expected to surpass those from coal for the first time since 1972. Even though natural gas is less carbon-intensive than coal, increases in natural gas consumption and decreases in coal consumption in the past decade have resulted in natural gas-related CO2 emissions surpassing those from coal. EIA's latest Short-Term Energy Outlook projects energy-related CO2 emissions from natural gas to be 10% greater than those from coal in 2016. 


 
(出所:2016.8.17 EIA )

Coal is more carbon-intensive than natural gas. The consumption of natural gas results in about 52 million metric tons of CO2 for every quadrillion British thermal units (MMmtCO2/quad Btu), while coal's carbon intensity is about 95 MMmtCO2/quad Btu, or about 82% higher than natural gas's carbon intensity.

 
(出所:2016.8.17 EIA )

 ここ10年での米国のエネルギー消費構造の全体的推移を見ると、化石燃料消費構造面での低炭素化に加えて、原子力と再生可能エネルギーの需要増により、2005年(60 MMmtCO2/quad Btu)→2015年(54 MMmtCO2/quad Btu)と、CO2排出原単位は10%低下した計算になる。 

Another contributing factor to lower carbon intensity is increased consumption of fuels that produce no carbon dioxide, such as nuclear-powered electricity and renewable energy. As these fuels make up a larger share of U.S. energy consumption, the U.S. average carbon intensity declines. Although use of natural gas and petroleum have increased in recent years, the decline in coal consumption and increase in nonfossil fuel consumption have lowered U.S. total carbon intensity from 60 MMmtCO2/quad Btu in 2005 to 54 MMmtCO2/quad Btu in 2015. 

 総じて言えば、米国のエネルギー関連CO2排出の合理化は、「石炭の消費減」と「天然ガス・原子力・再エネの消費増」によって進展してきているという話。

【石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.111】

2016年8月31日12:30~13:15【石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.111】



<番組内アンケート結果>
Q:新潟県泉田知事の不出馬理由に納得できるか?
A:納得できる25.6%、納得できない34.9%、わからない39.6%

泉田裕彦氏、新潟県知事選への4選出馬を断念・・・

 新潟県の泉田裕彦知事が4選出馬を断念したようだ。

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https://twitter.com/IzumidaHirohiko/status/770511777075335168


 選挙に出るか出ないかは、当人の意思次第ではある。

 「この秋の新潟県知事選挙からの撤退について」と題するウェブサイトに書かれた理由で出馬を辞めるというのは、特に泉田氏の支持者からは理解も納得も得られないだろう。

 私としては、柏崎刈羽原子力発電所の正常化に向けた新潟県政への転換点になることを祈念している。

東京電力柏崎刈羽原子力発電所(手前から5号機、6号機、7号機)41
2016.8.30 毎日新聞ネット記事

【ハフィントンポスト寄稿】"法令無視の原子力規制行政" 〜 元委員の要求と対応に係る顛末

"法令無視の原子力規制行政" 〜 元委員の要求と対応に係る顛末


 関西電力大飯原子力発電所の『基準地震動』は過小評価だったか?

 『基準地震動』とは、原子力発電所の耐震設計の基準になるものだ。この論争は、最終的に「見直し不要」で決着。マスコミ各社は、比較的大きな扱いで報じた

 今回の騒動によって、原子力規制委員会(とその事務局である原子力規制庁)に対する信頼性は、またもや大きく損なわれる結果となったように思う。事の発端は、原子力規制委・規制庁が前委員長代理である島﨑邦彦氏の要求に従って、大飯原子力発電所に係る基準地震動の再計算を行ったこと。

 これについて私は、拙稿『政治の監視が効かない原子力規制行政の"独走" ~元委員の要求を異例の特別扱い』で、こうした異例とも異常とも言える対応に関する問題点を述べた。原子力規制委・規制庁が公開している議事録などから、この件に係る問題点を改めて整理してみると、大きくは次の5点が挙げられるだろう。

1. 一人の地震学者だけの意見を受け入れた点


 6月20日の定例会見で、原子力規制委の田中俊一委員長は、再計算を行う理由について、「島﨑先生からの御指摘なので・・・特別に・・・やや例外的に受け入れた」と述べた。そして、7月13日の定例会合で、原子力規制庁が再計算結果を報告した。

 それに対して、島﨑氏から反論がなされた。再計算方法に不備があることも明らかになったのだ。これについて田中委員長は、7月20日の会見で、「一研究者の言葉だけで見直すわけにはいかない・・・普通はやりませんね」と前言を翻す発言。

 この再計算は、原子力発電所の耐震設計の基準になる「基準地震動」に大きな影響を与える。再計算を行うからには、手続面でも審査面でも法律に基づく明確な規定が必要であるはずだ。

 それを、"元々の審査の責任者の指摘なので"などという情緒的な理由だけで、"普通はやらない"ことをやったのは何故なのか?

 これでは、法治行政の大原則を無視した非常識な行政行為と言われても仕方ないし、実際そうである。

2. 機関決定を一週間で覆した点


 再計算結果が報告された7月13日の定例会合で、地震・津波などを担当する石渡明委員は、「改めて計算してみて良かった」と述べた。田中委員長は、「結果を得られた」、「この問題はここで打ち切りにしたい」と締め括った。

 しかし、島﨑氏から反論されると、7月20日の定例会合で田中委員長は、「もう一度説明をお願いしたいのですよ。その上でこの問題についての判断を原子力規制委員会で再度議論をさせていただければ・・・」と述べ、前回の委員会決定を覆した。

 前回の委員会で全員納得して了承したことが、たった一週間で覆されたわけだ。これでは、原子力規制委・規制庁の権威はまたもや墜ち、原子力規制行政への信頼は更に失われてしまうだろう。規制行政機関として甚だ不適格である。

3. 標準として確立していないものを規制行政に持ち込んでしまった点


 6月20日の定例会合で石渡委員は、「学会とか、そういう場所でそれなりに、しかるべく評価されたものをベースにして、原子力規制委員会として独自に判断しながら取り入れていくというのが基本的なスタンス」としながらも、「そうは言っても、実際に審査を担当されていた前委員」からの指摘でもあり、「それ以外の、いろいろ計算式がございますので、そういうものについても計算作業をすぐにお願いしたい」と述べている。

 しかし、島﨑氏の主張については、先の拙稿のとおり、"過小評価"と名指しされた入倉孝次郎氏が自身のホームページで反論しているなど、未だ学説が分かれている段階。

 原子力規制庁は、島﨑氏の主張だけに沿って再計算を行い、7月13日の定例会合に、「大飯発電所の審査において、基準地震動の見直しを求める必要はない」との計算結果を報告し、了承された。

 その後、島﨑氏から反論されると、7月20日の定例会合で田中委員長は、「無理な計算をお願いした」、「やれないことをお願いしてしまった」と述べ、同日の定例会見では、「先週の委員会で判断したのは、どうも拙速であった」、「(再計算結果は)撤回と言えば撤回でしょうね」、「スタンダードとして確立されなければ見直すわけにいきません」と述べた。

 規制行政機関としての基本的スタンスを逸脱した"再計算"を行っておきながら、島﨑氏から反論され、言い訳のようにスタンダードを言い出すのは、規制行政機関としては実にお粗末な話だ。

4. 反論されると島﨑氏を批判する田中委員長の姿勢


 前述の通り、田中委員長は、「島﨑先生からの御指摘なので、特別に、例外的に受け入れた」と述べ、島﨑氏に敬意を払っていた。

 だが、原子力規制委が了承した再計算結果を島﨑氏から反論され、思い通りに事が進まないことがわかると、7月20日の会見で田中委員長は、「自分がきちっとやるべきなのですよ、科学者として」、「自分で全くやっていないで、それを規制庁にやるべきだというのは、科学者としては、その道の専門家としては無責任」とまで発言し、島﨑氏に対する態度を豹変させた。

 元はと言えば、島﨑氏の要請を受け入れ、再計算の実施を指示したのは田中委員長であり、今回の顛末についても田中委員長が責任を取るべきではないのか。それにも拘わらず、島﨑氏から反論されると田中委員長は、「科学者として無責任」とまで公の場で言い放った。こんな姿勢こそ、田中委員長自身の責任感の欠如を疑ってしまう。

5. 原子力規制委が原子力規制庁に責任をなすりつけた構図


 7月13日の定例会合で石渡委員は、「安全側に見込んだ基準地震動になっているということで、その範囲内に入っているということが確認されたということで、私としては改めて計算してみてよかった」と述べ、原子力規制庁の計算結果を了承している。

 原子力規制庁の計算結果は、すぐに島﨑氏に反論された。また、7月20日の定例会合では、再計算方法に課題がある旨が原子力規制庁から説明された。

 すると石渡委員は、「この説明は、本来、前回の原子力規制委員会でやるべきだったというふうに思います」、「原子力規制庁の方はこの計算結果は撤回するのか」、「事前にそういう計算のディテールを御説明いただかなかったということで、前回の原子力規制委員会でした判断については、私としてはその件については保留ということで、もう少し検討が必要ではないか」と述べ、原子力規制庁に責任を押し付けた形となった。

 これに対して、原子力規制庁は黙っていなかった。同日の定例会合で原子力規制庁の櫻田部長は、「お言葉を返すようで恐縮なのですけれども、武村式と入倉式を置きかえて地震動を計算してほしいと、こういう御指示があったので、なるべく御指示に沿うようなことを工夫して計算したということであります」、「我々としては御指示に従った計算をできる限り一生懸命やらせていただいたというもの」、「我々が撤回するというのは多分ないというふうに考えております」と述べた。

 原子力規制庁は本件については、再計算を指示した原子力規制委側に責任があると反論していると私には見えた。私としても、原子力規制庁の言い分の方が正しいと思う。

 そもそも、石渡委員は地震・津波を担当した島﨑氏の後任として委員に就任した委員であり、地震動の再計算の実施について責任の一端はある。再計算方法の課題を事前に見抜けなかった同氏の技術力に疑問を感じる。それを全て原子力規制庁の説明不足として片づけ、公の場で原子力規制庁に責任をなすりつける原子力規制委の姿勢は、何とも見苦しい。
 

 8月12日、四国電力伊方原子力発電所3号機がようやく再稼働し、同15日から送電を開始した。これによって化石燃料消費量が減り、四国電力には年間約250億円の収支改善効果がもたらされ、将来的な電気料金値下げも期待される。

 ところが、国内で現在稼働中の原発は、九州電力川内原子力発電所1・2号機と合わせて3基だけ。関西電力高浜原子力発電所3・4号機はいったん再稼働したものの、大津地方裁判所の仮処分により停止に追い込まれた。廃炉が決まった原子炉を除いた他の37基も、発電再開が見通せないままである。

 東京電力福島第一原子力発電所の事故から5年半が経った。原子力規制に関する新しい規制基準が制定されてから3年が過ぎた。そういう中で、『原子力正常化』が遅々としているのは何故か?

 政治決断ができない政権の弱さもあるが、原子力規制行政の在り方も非常に変なのだ。法治行政の大原則を無視し、"普通はやらない"ことをやり、一度決めたことを一週間で覆し、一人の学者の主張に振り回され、挙げ句の果てに責任のなすりつけ合いをするような今の原子力規制行政組織は、人事面も含めて大きく改訂されるべきだ。

 そうしなければ、原子力政策の信頼回復が覚束ないだけでなく、原子力平和利用の停滞による国富流出も止まらないままだ。

風力発電 〜 高過ぎる買取価格の引下げは既定路線

 今夕の読売新聞ネット記事では、経済産業省が電力会社の買い取る風力発電価格を引き下げる旨を報じている。今年4月に既に決定していたこと〔資料1〕であり、今更驚くことでも何でもない。

<資料1> 
16
2016.4.1 再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会

 むしろ、今回の見直しまでの間、世界的にも異様に高い買取価格が設定されていた〔資料2〕ことの方が驚くべきことだ。

<資料2>
28
2015.6.24 新エネルギー小委員会

 日本の風力発電コストは、欧米豪中印など諸外国と比べても突出して非常に高い水準となっている〔資料3、資料4〕。

<資料3>
03
2016.6.7 再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会

<資料4>

48
2016.6.7 再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会

 資源エネルギー庁の見解では、①風況の違いにより設備利用率に差があること、②平地が少なく立地規制により大規模な案件が開発しにくいこと、③高い買取価格も受けて設備費や工事費等の資本費が高止まりしていることなどが主因。

 世界との比較では、日本での再エネ導入割合(水力を除く)は、とても小さい〔資料5〕。これは、ただでさえ電力コストが高い日本において、化石燃料よりも更に高い再エネを導入する誘発要因が少なかったことや、原子力を電力供給力の中心に据えるエネルギー政策上の要請が強かったことが理由として挙げられる。


 しかし、2011年3月の東日本大震災による福島第一原子力発電所事故を契機に、脱原子力の空気が一時的にせよ支配的になったせいもあって、急激に再エネ、特に太陽光と風力への期待感が高まった。

 そうした政治的背景により、2012年7月から再エネFIT(固定価格買取制度)が施行された。それにより、世界的に異常に高い買取価格が設定された太陽光はバブル的に増加したが、それ以外は殆ど増えていない。風力は、世界的に非常に高い買取価格が設定されているにも拘らず、である。


 風力が太陽光の轍を踏むとは思えないが、あまりにも高い買取価格はやはりおかしいし、そのような高い買取価格であっても殆ど増えない理由を真剣に考えるべきだ。それは、上記のエネ庁の見解にもあるように、風況や土地といった立地条件に大きな制約が存在することだ。

 風力については、そうした日本の国情を踏まえた上で、分相応な速度で普及を推進していくべきであるし、それが結局最善だ。

<資料5>
38
2016.2.22 基本政策分科会

<資料6>

55
2016.2.22 基本政策分科会 

LNG輸入量 〜 日本が圧倒的第一位、次いで韓国、中国、インド、台湾・・・

 今月24日の米国EIA(Energy Information Administration;エネルギー情報局)の発表では、主に次のような報告がなされた。

(1)2015年における世界のLNG(液化天然ガス)の輸入量は、日本・韓国・中国の3ヶ国で過半を占め、日本は圧倒的第一位であった〔資料1〕。

(2)日本では、5年連続で電力消費が減少していることや、原子力発電が徐々に再開されていくことによって、LNG需要は伸びないであろう。

(3)韓国でも、石炭火力発電と原子力発電が天然ガス発電よりも優先させる政策が採られており、LNG需要は伸びないであろう。

(4)中国では、電力・産業・運輸の各部門での環境政策上の要請や、低コストでのLNG輸入の可能性やLNG再ガス化能力の増強によって、LNG需要は伸びていくであろう。

(5)タイ、マレーシア、シンガポール、パキスタンなどアジア新興国では、今後、天然ガス発電用にLNG需要が増えていく見込み〔資料2〕。


 日本のLNG輸入量が2011年以降増えたのは、東日本大震災による福島第一原子力発電所事故を契機として、原子力代替としてのLNG需要が増えたことが主因。

 世界における天然ガス需要は今後ますます伸びていく見通しである中で、日本がいつまでもLNG輸入依存を続けることは、コスト面からも、安全保障の面からも、決して好ましくない。

 化石燃料のほぼ全量を輸入に依存する日本では、LNGに傾斜するのではなく、原子力や石炭との上手な組合せによるエネルギーミックスを再び目指していくべきなのだ。

 世界は、震災前後で殆ど変わっていない。日本だけが急に変われるわけではない。


《原文より抜粋》
Japan, South Korea, and China are the three largest importers of liquefied natural gas (LNG) in the world, accounting for more than half of global LNG imports in 2015. 

Potential for LNG demand growth in both Japan and South Korea may be limited. Japan's total electricity consumption has fallen for five consecutive years, and nuclear generation is gradually returning to service, likely reducing natural gas use for electricity generation. In South Korea, government policies that favor the use of coal and nuclear over natural gas for electricity generation led to a greater use of coal-fired and nuclear power plants.
 
Natural gas use in China may increase for several reasons: the implementation of environmental policies promoting use of natural gas in the power, industrial, and transportation sectors; the availability of imported global LNG supply at relatively low prices; and growing capacity of LNG regasification.

Emerging Asian LNG import markets, including Thailand, Malaysia, Singapore, and Pakistan, currently account for a small share of total Asian LNG imports, but they may have the potential to increase their LNG imports soon. LNG import growth in these countries is driven primarily by the increased use of natural gas for power generation. 

<資料1>
35
2016.8.24 EIA

<資料2>
48
2016.8.24 EIA 

世界全体の再エネ事情(2014年) 〜 バイオマスと水力の割合が圧倒的

 先月28日のIEA(International Energy Agency;国際エネルギー機関)の発表では、世界全体の一次エネルギー供給と電力供給における再生可能エネルギーの位置付けについて掲載されている。

 2014年の一次エネルギー供給における再エネ割合は13.8%で、その内訳はバイオマス10.1%、水力2.4%、その他1.3%となっている。即ち、2014年の一次エネルギー供給における再エネは、バイオマス73%、水力17%、その他9%で構成されている〔資料1〕。

 再エネのうち風力や太陽光の割合はまだまだ小さいが、近年の伸びは著しい。1990年から2014年までの推移を見ると、一次エネルギー供給の伸びが1.9%であるのに対して、再エネの伸びは2.2%、その内訳では太陽光発電の伸びは46.2%、風力の伸びは24.3%と、突出している〔資料2〕。


<資料1>
52
2016.7.28 IEA

<資料2>
34
2016.7.28 IEA

 2014年の電力供給における再エネ割合は22.3%で、その内訳は水力16.4%、バイオマス1.8%、その他4.2%となっている。即ち、2014年の電力供給における再エネは、水力74%、バイオマス8%、その他19%で構成されている〔資料3〕。

 再エネのうち風力・太陽光の割合はそれほど大きくはないが、近年の伸びは著しい。1990年から2015年までのOECD諸国での推移を見ると、電力供給の伸びが1.4%であるのに対して、再エネ(水力を除く)の伸びは8.6%、その内訳では太陽光発電の伸びは44.1%、風力の伸びは22.1%と、やはり突出している〔資料4〕。

 OECD諸国における1990年から2015年までの再エネ発電の推移を見ると、2000年頃を起点として欧州諸国の伸びが顕著になっている。その頃から再エネFIT(固定価格買取制度)がドイツなどで導入され始めたことが主因であろう〔資料5〕。


<資料3>
13
2016.7.28 IEA

<資料4>
45
2016.7.28 IEA

<資料5>
01
2016.7.28 IEA

 以上のことから、世界全体の再エネ事情を俯瞰すると、一次エネルギー供給ではバイオマスが圧倒的に多く、電力供給では水力が圧倒的に多いという話。近年の伸びが著しい風力や太陽光が再エネの主役、ましてエネルギー全体の主役になるには、まだまだ相当の時間を要すると見込まれる。

米国の再エネ事情 〜 「水力以外」が「水力」を超えた・・・

 今月25日の米国EIA(Energy Information Administration;エネルギー情報局)の発表では、主に次のような報告がなされた。

(1)今年に入って各月の再生可能エネルギー発電電力量は、いずれも昨年同月分を超えている〔資料1〕。

(2)水力以外の再エネ発電電力量(非水力発電電力量)は年々増加してきており、今年2月以降の各月では水力発電電力量を超えている〔資料1〕。

(3)再エネで近年特に伸びてきたのは風力と太陽光である〔資料2〕。

(4)米国での過去3年間の発電設備容量の大半は水力以外の再エネである。風力と太陽光の資本コストが大幅に減少してきているが、RPS(一定量以上の再エネ電気の利用を義務付け)や投資減税制度が効いているというのもある。

 電力市場において、太陽光や風力など水力以外の再エネが近年大きく伸びているのは、日本も同様。

 日本では現在、2012年7月に施行されたFIT(固定価格買取制度)が再エネ導入促進に大きな役割を果たしているが、それ以前は太陽光余剰電力買取制度やRPSがその役割を果たしていた。

 水力以外の再エネである太陽光や風力が、FITやRPSのような強力な優遇制度によって電力市場でのシェアを伸ばしていることもまた、日米共通のことだ。

 逆に言えば、こうした優遇制度がなければ、太陽光や風力が電力市場を闊歩する時代はまだまだ来ないということなのだろう。


《原文より抜粋》
Renewable electricity generation has surpassed levels from previous years in every month so far this year, based on data through June. Both hydroelectric and nonhydroelectric renewables have contributed to this trend, but in different ways. After a lengthy West Coast drought, hydro generation has increased and is now closer to historical levels. Nonhydro renewable generation continues to increase year-over-year and has exceeded hydro generation in each month since February 2016.

Nonhydro renewable generation has been steadily increasing over recent years as more capacity has been installed, especially wind and solar PV. 

Capacity additions for nonhydro renewables have collectively accounted for most of the electric capacity additions over the past three years in the United States. Capital costs of solar and wind facilities have declined considerably in recent years. Other factors in the growth of nonhydro renewable capacity include policy-based incentives, such as state renewable portfolio standards and tax credits. Key tax credits such as the production tax credit and the investment tax credit have generally been in effect over the past several years and were extended in December 2015.

<資料1>
48
2016.8.25 EIA


<資料2>
56
2016.8.25 EIA

EU全体の電力事情(2014年):再エネ28.2%、原子力27.5%、石炭25.3%・・・

 8月24日の eurostat の発表では、EU28ヶ国全体の電力事情について、主に次のような内容の報告がなされた。

(1)総発電電力量は、2008年をピークに減少傾向の中にあって、直近データの2014年は2008年比で5.8%減になった〔資料1〕。

(2)2014年の総発電電力量は、再生可能エネルギー28.2%、原子力27.5%、石炭25.3%の順〔資料2〕。

(3)2014年に再エネが原子力と石炭を超えて総発電電力量ベースで最大シェアになった〔資料2、資料3〕。

(4)但し、再エネを水力・風力・バイオマス・太陽光・地熱など個別に分けた場合には、原子力が最大シェアであった〔資料3〕。

(5)再エネ発電の増加は著しく、2014年は1990年比で3倍、5年前(2009年)比で48%増となった〔資料2〕。

(6)2014年の設備容量を1990年比で見ると、太陽光は8900倍(10MW→89,088MW)、風力は284倍(454MW→129,080MW)など再エネ設備容量の増加が著しい〔資料4〕。

(7)2014年の電力輸出入について、電力輸入大国はイタリア、イギリス、フィンランドなどで、電力輸出大国はフランス、ドイツ、チェコなどであった〔資料5〕。


 以上は、EU28ヶ国全体の電力事情の概要である。

 日本のエネルギー政策でしばしば参考にされるのは、近年では特にドイツの再エネ関連施策であり、電源構成も再エネ促進に向けてドイツに追従しようとしている感じが強い。

 しかし、EU28ヶ国全体が送電網で結ばれている点からしても、本来参考にすべきは特定の1ヶ国の電源構成ではなく、EU28ヶ国全体の電源構成であろう。

 日本の電源構成は、2011年3月の東日本大震災による福島第一原子力発電所事故以来、大きく変化してきた。だが、2010年の日本の電源構成とEU28ヶ国全体の電源構成は近似していた。

 日本の電源構成を検討する際、必ずしも諸外国を参考にする必要はない。ただ、これまでの日本のエネルギー政策の経緯を考えれば、欧米諸国のエネルギー政策を参考にすることは有意であり、欧州諸国の場合には欧州全体、即ちEU28ヶ国全体を注視していくべきだ。

 ドイツは再エネ大国(再エネ比率3割)だが、ドイツだけを参考にしてはならない。エネルギーコストの面で国民負担が大き過ぎるだろう。フランスは原子力大国(原子力比率7割)だが、震災以降の日本国内の政治的空気では、フランスだけを参考にする訳にもいかない。

 「フランス+ドイツ」であれば大いに参考になるだろう。拙稿『"再エネ大国"ドイツと、『原子力大国』フランスの比較』(その1その2その3)を参照されたい。



《原文より抜粋》
Gross electricity production in the EU-28 increased from 2595TWh in 1990 to its peak of 3387TWh in 2008. In 2014 the gross electricity production continued the downward trend that started in 2010 and reached 3191TWh, which is a 5.8% decrease compared with the 2008 peak value. In 2014 renewable energy sources were the highest contributor to electricity production, surpassing solid fossil fuels (coal) and nuclear energy. Since 1990 the electricity generation from renewable energy sources nearly tripled. Compared to 5 years ago electricity production from renewable sources increased by 48%.

The highest share of electricity in 2014 was produced in power plants using renewable energy sources (28.2 %), followed by nuclear power plants (27.5 %) and coal fired power plants (25.3 %). 

In 2014 the biggest net importers of electricity were Italy, the United Kingdom and Finland, while France, Germany and the Czech Republic were the biggest net exporters of electricity.

<資料1> 
EU28 Gross electricity production by fuel(GWh)
09
2016.8.24 eurostat

<資料2>
EU28 Gross electricity production by fuel(GWh)21
2016.8.24 eurostat 

<資料3>
EU28 Gross electricity production by fuel(GWh)14
2016.8.24 eurostat

<資料4>
EU28 Electrical capacity(MW)
33
2016.8.24 eurostat

<資料5>
EU28 Electricity consumption and trade 2014(GWh) 38
2016.8.24 eurostat

【石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.110】

2016年8月24日12:30~13:20【石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.110】

Youtube : https://youtu.be/FAyA8T0WcE0


<番組内アンケート調査結果>
Q:脱原発テント強制撤去についてどう思うか?
A:賛成84.4%、反対7.8%、わからない7.8%


Q:普段から災害への備えをしているか?
A:している29.7%、していない70.3%

原子力規制委 〜 柏崎刈羽原子力発電所の「先行審査」って???

 今夜の日本経済新聞ネット記事によると、原子力規制委員会は東京電力柏崎刈羽原子力発電所6・7号機について、これまで中断していた先行審査を近く再開する方針を固めたとのこと。

<記事要旨>
・規制委は、残された審査項目に人員を優先して振り向ける。
・中国電力島根原発2号機などについての審査の一部は継続。
・規制委の更田委員は、審査終了時期についての「見通しは持てない」と話しており、合格の時期は不透明。
・地元新潟県の泉田知事も福島第1原発事故の検証がなされるまで「再稼働の議論はしない」と。


 日本にある既設の原子力発電所が発電を再開できないのは、政権与党が「原子力規制委による新規制基準の適合性審査に合格したものから再稼働させる」旨の規制運用方針としていることが主因の一つ。

 このような規制運用は、世界的にも、他の安全規制運用を見ても、甚だ不見識かつ非常識。しかも、地元県知事の同意がないと発電再開が事実上容認されないという紳士協定もある。

 だから、柏崎刈羽原子力発電所を「先行審査」することで、他の原子力発電所の審査や発電再開が遅れるという、おかしな事態が続いている。

 新規制基準への適合は当然だが、それは、新規制基準に適合させる工事などのために一定の猶予期間を置いて施行すべきものであり、新規制基準に適合しないと発電再開を認めないという政権与党の方針が不見識かつ非常識。

 新規制基準への適合性審査にかかわらず、発電再開は早期に容認するとともに、一定の猶予期間内での新規制基準適合を義務付けることとすべきだ。このような規制運用改善を今すぐ断行する必要がある。そうでないと、国民が殆ど感じない国富ダダ漏れが止まらない。 

 原子力規制委・規制庁の人員体制が、審査ニーズに比して脆弱なのは周知の通りだが、そういう状況が当面続くことが確実な中で、上記のような政権与党の原子力規制運用が続くことは、いつまで経っても「原子力正常化」が実現しないことになる。即ち、エネルギーコストの震災以前の水準への低減や、エネルギー安全保障の水準の維持・向上が覚束ないこととなる。

 国会の委員会でも、与党の部会でも、こうした議論はまず行われない。

 「原子力問題に触れても票にならないどころか、票が減る」という雰囲気が、与野党問わず染み付いている。今も、こうした弁明はしばしば耳にする。

 多くの国民は大きな関心を持っていないだろうが、エネルギーコストやエネルギー安全保障の水準は、日本はかなりヤバい状況にある。

 憲法改正国民投票へ真っしぐらな感じの政権与党だから、原子力政策については、今の規制運用を続けるという「政治の不作為」を続けるはず。

 「エネルギー」でいざとなったら文句を言わず、覚悟しておく必要がある。本当はその逆なのだが、日本は、あまりにも“裕福過ぎる”のだ・・・。 

米国のエネルギー消費構造:「石炭の消費減」と「天然ガス・原子力・再エネの消費増」で省CO2が進展

 今月17日の米国EIA(Energy Information Administration;エネルギー情報局)の発表では、米国においては、ここ10年での天然ガス消費増と石炭消費減が相俟って、天然ガス由来CO2排出量が石炭由来CO2排出量を超え始めるとの予測が出された。

 CO2排出原単位の面では、石炭は天然ガスよりも約82%高い。だが2016年では、天然ガス由来CO2排出量は石炭由来CO2排出量よりも10%多くなるとの見通し。


《原文より抜粋》
Energy-associated carbon dioxide (CO2) emissions from natural gas are expected to surpass those from coal for the first time since 1972. Even though natural gas is less carbon-intensive than coal, increases in natural gas consumption and decreases in coal consumption in the past decade have resulted in natural gas-related CO2 emissions surpassing those from coal. EIA's latest Short-Term Energy Outlook projects energy-related CO2 emissions from natural gas to be 10% greater than those from coal in 2016.

51
(出所:2016.8.17 EIA )

Coal is more carbon-intensive than natural gas. The consumption of natural gas results in about 52 million metric tons of CO2 for every quadrillion British thermal units (MMmtCO2/quad Btu), while coal's carbon intensity is about 95 MMmtCO2/quad Btu, or about 82% higher than natural gas's carbon intensity.

07
(出所:2016.8.17 EIA )

 ここ10年での米国のエネルギー消費構造の全体的推移を見ると、化石燃料消費構造面での低炭素化に加えて、原子力と再生可能エネルギーの需要増により、2005年(60 MMmtCO2/quad Btu)→2015年(54 MMmtCO2/quad Btu)と、CO2排出原単位は10%低下した計算になる。
 
Another contributing factor to lower carbon intensity is increased consumption of fuels that produce no carbon dioxide, such as nuclear-powered electricity and renewable energy. As these fuels make up a larger share of U.S. energy consumption, the U.S. average carbon intensity declines. Although use of natural gas and petroleum have increased in recent years, the decline in coal consumption and increase in nonfossil fuel consumption have lowered U.S. total carbon intensity from 60 MMmtCO2/quad Btu in 2005 to 54 MMmtCO2/quad Btu in 2015.

 総じて言えば、米国のエネルギー関連CO2排出の合理化は、「石炭の消費減」と「天然ガス・原子力・再エネの消費増」によって進展してきているという話。 

☆ニュース配信☆ 2017年のドイツの再エネ賦課金は、月額2400〜2500円・年額2.9〜3万円と試算

2017年のドイツの再エネ賦課金は、月額2400〜2500円・年額2.9〜3万円と試算

Gadgetwear

http://www.gadgetwear.net/2016/08/201724002500293.html


livedoorニュース

http://news.livedoor.com/article/detail/11902435/


日刊アメーバニュース

http://news.ameba.jp/20160818-155/


BIGLOBEニュース

http://news.biglobe.ne.jp/economy/0818/gdw_160818_6133886964.html



 7月23日付けのドイツ Agora Energiewende の発表によると、EEG(再生可能エネルギー法)に基づく再エネ賦課金単価は、2016年に6.35ct/kWhであるところ、2017年には7.1〜7.3ct/kWh(約12〜15%増)になると試算された。ドイツBMWi(連邦経済技術省)が、今秋頃に公式発表するであろう。 

《原文より抜粋》
Die Umlage nach dem Erneuerbare-Energien-Gesetz (EEG-Umlage) wird nach Berechnungen für Agora Energiewende im Jahr 2017 auf 7,1 bis 7,3 Cent pro Kilowattstunde Strom ansteigen. Derzeit liegt sie bei 6,35 Cent. 

 ドイツでは2000年のEEG施行後に再エネ賦課金単価は、前々回に(2014年→2015年)初めて低下に転じたが、前回(2015年→2016年)は再び上昇に転じて過去最高を更新した。そうなると、今回(2016年→2017年)は更に上昇することで、過去最高を更新することは確実。 

 ドイツの一般家庭の年間消費量は3500kWhとされている。これを基にすると、2017年でのドイツの再エネ賦課金は、次の式から算出される。(為替レートは7月25日時点のもので、1ct=1.16円 とした。) 


  7.1〜7.3ct/kWh × 3500kWh/年 ÷ 12月 × 1.1623円/ct = 2406.93〜2474.73円/月 

 即ち、月額2400〜2500円、年額2.9〜3万円程度ということ。 

 因みに日本の場合、資源エネルギー庁が今年3月に公表した「再生可能エネルギーの平成28年度の買取価格・賦課金単価」にある通り、2016年度の再エネ賦課金単価は2.25円/kWhで、標準家庭(月の電力使用量が300kWh)では月額675円・年額8100円となる。

【石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.109】

2016年8月17日12:30~13:15【石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.109】

ニコ生 : http://live.nicovideo.jp/watch/lv272570407

Youtube : https://youtu.be/HdJbYoD4r1w

[時評・ウェーブ]石川和男/高齢者支える現役の負担

[時評・ウェーブ]石川和男/高齢者支える現役の負担

 厚生労働省が毎年行っている「国民生活基礎調査」というのがある。その直近の結果である2015年版から高齢者の人数や世帯数にかかわる主な指標を取り上げてみたい。
 65歳以上の者は15年現在で3466万人。その家族形態に関するここ30年間の推移(86年↓15年)は次の通りだ。(カッコ内は当時の65歳以上の者に占める割合)
 (1)「子と同居」の者=812万人(22%)→1353万人(39%)
 (2)「子と同居」のうち「子夫婦と同居」の者=590万世帯(47%)→435万世帯(13%)
 (3)「子と同居」のうち「配偶者のいない子と同居」の者=222万世帯(18%)→万世帯(27%)
 (4)「夫婦のみの世帯」(夫婦の両方または一方が65歳以上)の者=278万人(22%)→1347万人(39%)
 (5)「単独世帯」の者=128万世帯(10%)→624万人(18%)
 65歳以上の者のいる世帯は15年現在で2372万世帯。これは全世帯の47%を占め、その状況に関するここ30年間の推移は次の通り。(カッコ内は当時の全世帯に占める割合)
 (1)65歳以上の者のいる世帯=977万世帯(26%)→2372万世帯(47%)
 (2)65歳以上の者のみの世帯=234万世帯(6%)→万世帯(25%)
 (3)単独世帯=128万世帯(3%)→624万世帯(12%)
 (4)夫婦のみ=178万世帯(5%)→747万世帯(15%)
 (5)親と未婚の子のみ=109万世帯(3%)→470万世帯(9%)
 (6)三世代同居=438万世帯(12%)↓291万世帯(6%)
 (7)その他=125万世帯(3%)→240万世帯(5%)
 65歳以上の人のみか、65歳以上の人と18歳未満の未婚の人で構成する世帯は「高齢者世帯」とされるが、15年現在で1271万世帯。これは全世帯の25%を占め、その状況に関するここ30年間の推移は次の通り。(カッコ内は当時の高齢者世帯に占める割合)
 (1)高齢者世帯=236万世帯→1271万世帯
 (2)高齢者世帯のうち「単独世帯」=128万世帯(54%)→624万世帯(49%)
 (3)高齢者世帯のうち「男の単独世帯」=25万世帯(10%)→195万世帯(15%)
 (4)高齢者世帯のうち「女の単独世帯」=104万世帯(44%)→429万世帯(34%)
 (5)高齢者世帯のうち「夫婦のみの世帯」=100万世帯(42%)→600万世帯(47.2%)
 以上、高齢者の人数や世帯数にかかわる主な指標を上げてみた。
 長寿化はさらに進むだろう。ならば高齢者の仕切りである「65歳」、後期高齢者の仕切りである「75歳」など、高齢者に関する各種指標とその定義付けを修正する必要があろう。
 「老々のみ世帯」や「老々介護」への対応をはじめ、現役世代による高齢者ケアだけでは、とてもまかない切れない多くの高齢者ケア需要がある。今も人材不足は相当なもの。それをロボットやITの活用でしのぐことも社会保障制度改革の重要な視点だ。
 社会の傾向としては「核家族化」から「少子高齢化」「高齢独居化」に移行しつつある。3世代同居や既婚親子同居の割合はさらに低下すると思われる。
 年金、医療、介護といった高齢者向け社会保障が現役世代の労力の代替だとするなら、現役世代の労力の代替となるような高齢者向け社会保障が優先される必要がある。それこそが社会保障制度改革の肝であるはずだ。全員年金、全員医療、全員介護は実現できるはずない。もっとも今でも実現できていないのだが…。

21


ドイツの太陽光発電価格 〜 入札制度導入により1年で20%超の価格低下

 8月5日付けのドイツ連邦系統規制庁の発表によると、ドイツの太陽光発電価格の平均入札価格が7.23cent/kWh(約8.17円(€1=1.13円換算(8月13日現在)と最安値を更新したとの由。

《原文より抜粋》
Zuschlagswert erneut gesunken
In der neuen Ausschreibungsrunde wurden die Zuschläge wieder im Gebotspreisverfahren („pay as bid“) ermittelt. Der durchschnittliche Zuschlagswert liegt bei 7,23 Cent/Kilowattstunde und ist damit im Vergleich zur Vorrunde (7,41 Cent/Kilowattstunde) erneut leicht gesunken. 
Der höchste Gebotswert, der noch einen Zuschlag erhalten konnte, lag unter 8 Cent/Kilowattstunde. 


 ドイツにおける再生可能エネルギー発電に係る入札制度は2015年から試行的に始まったもので、今回が5回目で最終回。

 第1回目の入札価格が9.17cent/kWhであったことからすれば、昨年から5回の入札を経てくる中で価格低下率は20%を超えた計算になる。

 もっとも、この落札価格での買取期間は20年となるので、この入札制度が再エネ導入促進策であることに変わりはない。


【追記:ブロゴス http://blogos.com/article/186949/ 】 

我が家の“再エネ発電賦課金” :1,055円(7/13〜8/11検針分)

 自営業を兼ねている我が家(4人家族)の直近の電気料金は12,029円で、うち“再エネ発電賦課金”は1,055円だった。

 “再エネ発電賦課金”が月1,000円程度になることが当たり前になっていくという話。



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2016年度の再エネ買取総額:2016年4月までの累計は1766億円(対前年比545億円)

 資源エネルギー庁が定期的に更新している再生可能エネルギーに関する『固定買取価格制度 情報公表用ウェブサイト』によると、今年4月末時点における再エネ発電設備に係る買取電力量・買取金額は、それぞれ資料1・資料2の通り。

<資料1:買取電力量(万kWh)>
48
(出所:資源エネルギー庁「固定価格買取制度 情報公表用ウェブサイト」)

<資料2:買取金額(億円)>
28
(出所:資源エネルギー庁「固定価格買取制度 情報公表用ウェブサイト」)


 エネ庁が今年3月に公表した「再生可能エネルギーの平成28年度の買取価格・賦課金単価」の概要は資料3の通り。

 これによると、2016年度では、再エネ買取額は年間2兆3000億円、再エネ賦課金は年間1兆8057億円と見込んでおり、再エネ賦課金単価は1kWh当たり2.25円(標準家庭(1ヶ月の電力使用量300kWh)で月額675円、年額8,100円)。


<資料3>
00
(出所:資源エネルギー庁再生可能エネルギーの平成28年度の買取価格・賦課金単価」)

 今年4月まで1ヶ月間の買取額は1766億円(対前年比545億円)。今年度の残り11ヶ月(今年5月~来年3月)が同じ程度で推移すると仮定すれば、今年度の買取額は2兆1192億円となり、現時点のデータでは約1808億円未達のペース。

 これはあくまでも単純計算に過ぎない。太陽光や風力は天候に左右されるので、実際にどうなるかはわからない。増えるかもしれないし、減るかもしれない。この買取額分は、再エネ導入のための電力消費者からの“補助金”のようなものであるが、その多寡に関する価値観は個々人で大きく異なるのだろう。


【追記:ブロゴス http://blogos.com/article/186945/

電力会社の切り替え:7/31集計で147万件(全世帯の2.4%程度)

 電力広域的運営推進機関が、7月31日24時までの情報照会、スイッチング(切り替え)の申込み状況を集計したところ、それぞれ全国計で889.45万件、147.3万件であった。
 
55


 全国の世帯数に関する直近のデータとして経済産業省が用いているのは、下に添付した経産省資料によると約6,253万(2015年度の一般家庭等の通常の契約口数)である。これをベースにすると、今のところ、切り替え件数は全体の2.356%、情報照会から切り替えに至るのは16.56%となる。

 因みに、経産省が2015年11月18日に発表した資料では、「8割の人は、少なくとも切り替えの検討はする意向」、「現時点で切り替えを前向きに捉えている(「すぐにでも変更したい」「変更することを前提に検討したい」)人に限っても、25%弱存在する」とのアンケート調査結果が掲載されている。

 しかし上述のように、現実はまだまだその域には達していない。図らずもこうしたアンケート調査には、調査主体の期待感が込もり過ぎる嫌いがあることを示した格好だ。

 尚、下に添付した経産省資料では、①6月17日時点でのスイッチングの申込件数(自社内の契約切替え(規制→自由)を含まず、他社への契約先の切替えの件数に限る)は約116万件であり、②5月末時点での旧一般電気事業者の自社内の契約の切替え(規制→自由)の申込件数は約171万件で、スイッチング件数と合わせた契約切替えの申込件数は合計約287万件であるとしている。

06
(出所:2016.7.1 経済産業省「小売全面自由化に関する進捗状況」) 


【追記:ブロゴス http://blogos.com/article/186947/

熱波に襲われた7月下旬の米国 〜 原子力発電所の平均稼働率97%

 今月4日の米国原子力エネルギー協会(Nuclear Energy Institute(NEI)の発表によると、先月下旬に熱波に襲われた米国では、要するに、原子力発電所の平均稼働率97%と高いパフォーマンスを顕したとのこと。

 特に先月23日〜28日の厳しい熱波の中で、稼働率は96.6%を下回らなかったことが、米国原子力規制委員会のデータで示されている。


《原文より抜粋》
Between July 23 and July 28, in the thick of the heat wave, the average capacity factor of the U.S. nuclear fleet did not drop lower than 96.6 percent, the U.S. Nuclear Regulatory Commission’s data showed.


48
NEI “Reliable Nuclear Plants Help Nation Cope With July Heat Wave


 因みに、近年の米国の原子力発電所は高稼働率稼働を続けてきており、全米99基の原子力発電所の昨年の平均稼働率は92.2%であった。 

During 2015, America’s ninety-nine nuclear power plants posted an estimated average capacity factor of 92.2 percent, based on data compiled by the Nuclear Energy Institute.

25
NEI “US Nuclear Capacity Factors

【ハフィントンポスト寄稿】地域通貨『プレミアム付き商品券』 〜 電子化で低コスト普及が可能に!

地域通貨『プレミアム付き商品券』 〜 電子化で低コスト普及が可能に!

 『プレミアム付き商品券』という言葉を最近よく見かけるようになった。額面以上の金額を使えるというもの。全国の9割以上の自治体で発行され、平成26年度補正予算から約1600億円が用意された。

 こうした国策の流れの中で、長崎県内関係離島5市町(壱岐市、五島市、小値賀町、新上五島町、佐世保市宇久町)は6月13日、県内関係離島5市町(壱岐市、五島市、小値賀町、新上五島町、佐世保市宇久町)で共通に使用できるプレミアム付き商品券「しまとく通貨」を発行すると発表した。

 この「しまとく通貨」は、6月13日付け日本経済新聞でも大きく報じられた。商品券を「電子化」することが話題になっているからだ。

 商品券というと、通常は紙で発行されたものが定番。

 しかし、「しまとく通貨」は、以下の添付写真にあるように、電子スタンプをスマートフォンの画面に当てることで利用できる。

01


 こうした電子化により、商品券の印刷・配送・保管費をゼロにし、精算業務を効率化することで、25%程度のコスト削減が可能になるそうだ。

 「しまとく通貨」を電子化する際に採択した基幹システムは、株式会社J&Jギフトと株式会社ギフティが共同で提供する電子地域通貨システム「Welcome ! STAMP」。

 この画期的なシステムを開発したギフティは、自社サービスとして提供してきたeギフトの販売・流通システムを応用した。

 「しまとく通貨」は、離島経済の活性化と交流人口の拡大を目的に、平成25年4月から発行され始めた地域通貨。1セット5000円で販売され、1000円分の特典(プレミアム)が付く商品券。利用対象者は、島外からの観光客など来島者に限られ、第1回の発行時期(平成25〜27年)の3年間で約104億円分の地域通貨が販売された。

 この地域通貨の流通は、離島経済の活性化に大きく貢献した。それまで旅行者を獲得できていなかった地域からの来島者が増えた。離島の閑散期である年末・年始や冬場の来島者も増え、県内の複数の島を巡るツアーが新たに実現したりもした。

 6月2日に政府決定された「経済財政運営と改革の基本方針2016」(いわゆる『骨太の方針2016』)においても、消費者マインド喚起のため、プレミアム付き商品券の発行に関して前向きな言及がなされている。

 「しまとく通貨」の電子化で期待されるのは、地域通貨(プレミアム付き商品券)が抱える様々な課題を克服すること。

 地域通貨に関して危惧されるのは、商品券の印刷・配送・保管などの直接コストと通貨運営に必要な事務作業などの間接コストの負担が決して軽いものでないことや、従来紙での発行が主流であったため不正利用されやすいこと。

 だが、ギフティが開発したこのシステムを導入することで、加盟店は電子スタンプを用いて簡単に決済・精算し、業務負荷が大幅に軽減される。電子スタンプは数千円程度と安価で、導入も容易。利用者は、専用のWEBページで地域通貨の管理と利用をすることができ、紙やICカードの発行は不要。つまり、日本国内で初めて『オール電子化された地域通貨』なのだ。

 「しまとく通貨」は、スマートフォンや携帯電話などの電子端末を媒体として携行が可能。地域通貨の紛失や置き忘れを防ぐことができる。購入時に本人確認を行ってデータ管理されるため、2次利用などの不正利用を防ぐことができる。

 更に、地域通貨の電子化はデータの収集・蓄積を容易にするので、ビックデータの活用による観光客動向のマーケティングも可能となる。

 地域通貨を活用した景気刺激・消費喚起策は今後も提起されていくだろう。その際、「しまとく通貨」のような電子化を原則とすることで、低コストのプレムアム付き商品券を普及させる好機としていくべきだ。

【石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.108】

2016年8月3日12:30~13:18【石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.108】

ニコ生 : http://live.nicovideo.jp/watch/lv271280087
Youtube : https://youtu.be/zvqzdhsGFMg



<番組内アンケート調査結果> 
Q:電力小売会社を変えたか?
A:変えた7.6%、変えてない92.4%

【ハフィントンポスト寄稿】日本の原子力平和利用技術 〜 海外進出による収益確保は国益

日本の原子力平和利用技術 〜 海外進出による収益確保は国益


 日本の原子力平和利用技術を輸出しようという動きが、また一つ具体化しようとしている。

 今月上旬、英国での原子力発電所建設事業を前進させるため、日立製作所と日本原子力発電が協定を結んだとの報道が配信された。Horizon Nuclear Power Limited(ホライズン・ニュークリア・パワー;日立製作所傘下の原子力発電事業会社)が英国内で進めている原子力発電所の新規建設に対して、原子力発電専業の日本原電が協力するというもの。

 日立製作所の発表資料によれば、ホライズン社は英国内に複数の原子力発電所を新設する予定。

 アングルシー島のウィルヴァ・ニューウィッドに建設するABWR(改良型沸騰水型原子炉)は、2018年までに英国政府による全ての許認可を取得し、2019年に着工、2020年代前半の運転開始を目指す。日本原電の経験を活かし、建設費の評価、設計・調達・建設契約作業、許認可取得、試運転や各種メンテナンス計画の策定を進める。

 日立製作所は日本を代表する総合電機メーカーで、英国内では鉄道事業などで活躍している。原子力発電でも三菱や東芝と並んで、多数のBWR(沸騰水型原子炉)やABWR(改良型沸騰水型原子炉)を手掛け、日本国内では共同建設を含め計23基の原子力発電所の建設に携わっている。

 日本原電は、
 ① 日本初の商業用原子力発電所である東海1号機としてGCR(黒鉛減速炭酸ガス冷却型原子炉)を英国から導入、
 ② 日本初の軽水炉である敦賀1号機としてBWRを米国から導入、
 ③ 東海第二1号機(BWR)、敦賀2号機(PWR(加圧水型原子炉))を建設・運営するなど、
GCR、BWR、PWRというタイプの異なる原子炉を運営してきた国内唯一の事業者で、相当のノウハウが蓄積されている。

 日本原電にはまた、ベトナムやトルコ、カザフスタンで原子力発電所建設に関する調査経験があり、更には、米国の大手電力会社と提携して米国規制基準を取り入れ、新興国の原子力発電の建設・運営にも参画する方針を示している。

 英国では現在、14基のAGR(改良型ガス冷却型原子炉)と1基のPWRが運転中だが、全てのAGRを2020年代前半までに停止する計画であるとともに、温暖化ガス削減のため全ての石炭火力発電所を2025年までに閉鎖する方針

 このため実は、英国では近い将来に深刻な電力不足が起こると予想されている。EU(欧州連合)からの離脱や原子力政策を推進してきたキャメロン前首相からメイ新首相への交代があったが、原子力発電所を建設しなければならない状況に変わりはない。

 このように、英国では建設と運営が一体となった日本の原子力平和利用技術が必要とされ、そして開花しようとしている。

 しかし、日本国内の原子力平和利用については、実にもったいない状況が続いている。2011年3月の東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故の後、安全対策が大幅に拡充された新強い規制基準が導入され、今月8日で丸3年を迎えた。

 日本国内で26基(16ヶ所)の原子力発電所が再稼働に係る申請を行ったが、それに合格したのは7基(3ヶ所)のみ。再稼働したばかりの関西電力高浜原子力発電所3号機は、大津地裁の運転差し止め仮処分決定を受けて1ヶ月半運転しただけで強制的に停止。

 現在稼働している九州電力川内原子力発電所1・2号機も、"原発停止"を公約に掲げて鹿児島県知事選に当選した三反園訓氏の行動に振り回される可能性がある。

 私は以前から再三再四問題提起してきたが、日本国内では、世界に類を見ない異常な原子力規制運用によって、低廉安定な原子力発電の再開が阻まれるだけでなく、化石燃料の輸入増(年間3〜4兆円)に因る電気料金の高止まりなどの大きな経済的損失が顕在化している。

 今の安倍政権は、原子力発電を「重要なベースロード電源」と位置付け、2030年時点の電力供給における比率を20~22%と決めたが、それを達成していくための明確な具体策を示していない。

 今月10日に参院選があった。政権与党が勝利し、次の政治的関心事は憲法改正に移っていくだろう。そうなると、『原子力正常化』のような"耳障り"だと思われている政策には手を着けようとしなくなる可能性が高い。

 しかし、それでは困る。

 政治主導によって原子力規制運用の改善(発電と審査を並行させることや、新規制基準に係る猶予期間の設定など)を早急に進めるとともに、来年にも見直しが予定されている「エネルギー基本計画」の中で新増設を含めた原子力発電の位置付けを国民に示す必要がある。

 今回の日立製作所・ホライズン社と日本原電が協定を結びながら外国での収益源を模索することはとても健全なことだ。日英双方の国益に繋がる。日本政府と英国政府は一丸となって、このプロジェクトを成功させていくべきだ。

 そのためにも、安倍政権は先ず、日本国内の『原子力正常化』の実現に向けた英断を下すべきだ。

 改憲論議は、経済を好転させるものではない。しかし、『原子力正常化』は、年間3〜4兆円の日本国内資金が外国に逃避することを確実に回避させる。

月刊Business i. ENECO 地球環境とエネルギー 2016年8月号:政治が介入を躊躇する原子力規制行政の“独走” 原子力規制行政が海外からさらに信用失うことに

 今月28日発売の月刊Business i. ENECO 地球環境とエネルギー 2016年8月号での連載「石川和男のエネルギー&環境スピークアウト」。

<政治が介入を躊躇する原子力規制行政の“独走”  原子力規制行政が海外からさらに信用失うことに>
40

54
04

☆ニュース配信☆ 秋の2次補正「景気対策」では、地域通貨「プレミアム付き商品券」を電子化せよ

秋の2次補正「景気対策」では、地域通貨「プレミアム付き商品券」を電子化せよ


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http://news.biglobe.ne.jp/economy/0721/gdw_160721_3853788650.html


■プレミアム付き商品券「しまとく通貨」の電子化


 「プレミアム付き商品券」という言葉を最近よく見かけるようになった。額面以上の金額を使えるというもの。全国の9割以上の自治体で発行され、平成26年度補正予算から約1600億円が用意された。 

 こうした国策の流れの中で、長崎県内関係離島5市町(壱岐市、五島市、小値賀町、新上五島町、佐世保市宇久町)は6月13日、県内関係離島7市町(壱岐市、五島市、小値賀町、新上五島町、佐世保市宇久町、対馬市、長崎市高島町)で共通に使用できるプレミアム付き商品券「しまとく通貨」を10月から発行すると発表した。 

 この「しまとく通貨」は、6月13日付け日本経済新聞でも報じられた。商品券を「電子化」することが話題になっているからだ。


(上)紙で発行されている「かつしかプレミアム付商品券」
(下)電子化された「しまとく通過」

 商品券というと、通常は、写真にあるように、紙で発行されたものが定番であろう。(画像上) 

 しかし、「しまとく通貨」は、写真にあるように、電子スタンプをスマートフォンの画面に当てることで利用できる。(画像下) 

 こうした電子化により、商品券の印刷・配送・保管費をゼロにし、精算業務を効率化することで、25%程度のコスト削減が可能になるそうだ。 

 「しまとく通貨」を電子化する際に採択した基幹システムは、株式会社J&Jギフトと株式会社ギフティが共同で提供する電子地域通貨システム「Welcome! STAMP」。 

 この画期的なシステムを開発したギフティは、自社サービスとして提供してきたeギフトの販売・流通システムを応用した。 

 「しまとく通貨」は、離島経済の活性化と交流人口の拡大を目的に、平成25年4月から発行され始めた地域通貨。1セット5000円で販売され、1000円分の特典(プレミアム)が付く商品券。利用対象者は、島外からの観光客など来島者に限られ、第1回の発行時期(平成25~27年)の3年間で約104億円分の地域通貨が販売された。 


■電子化「地域通貨」が経済を活性化させる!? 

 この地域通貨の流通は、離島経済の活性化に大きく貢献した。それまで旅行者を獲得できていなかった地域からの来島者が増えた。離島の閑散期である年末・年始や冬場の来島者も増え、県内の複数の島を巡るツアーが新たに実現したりもした。 

 6月2日に政府決定された「経済財政運営と改革の基本方針2016」(いわゆる『骨太の方針2016』)においても、消費者マインド喚起のため、プレミアム付き商品券の発行に関して前向きな言及がなされている。 

 「しまとく通貨」の電子化で期待されるのは、地域通貨(プレミアム付き商品券)が抱える様々な課題を克服すること。 

 地域通貨に関して危惧されるのは、商品券の印刷・配送・保管などの直接コストと通貨運営に必要な事務作業などの間接コストの負担が決して軽いものでないことや、従来紙での発行が主流であったため不正利用されやすいこと。 

 だが、ギフティが開発したこのシステムを導入することで、加盟店は電子スタンプを用いて簡単に決済・精算し、業務負荷が大幅に軽減される。電子スタンプは数千円程度と安価で、導入も容易。利用者は、専用のWEBページで地域通貨の管理と利用をすることができ、紙やICカードの発行は不要。つまり、日本国内で初めて「オール電子化された地域通貨」のだ。 

 「しまとく通貨」は、スマートフォンや携帯電話などの電子端末を媒体として携行が可能。地域通貨の紛失や置き忘れを防ぐことができる。購入時に本人確認を行ってデータ管理されるため、2次利用などの不正利用を防ぐことができる。 

 更に、地域通貨の電子化はデータの収集・蓄積を容易にするので、ビックデータの活用による観光客動向のマーケティングも可能となる。 

 今秋の国会では、大規模な経済対策を組み込んだ今年度補正予算が編成される見通し。その中で、地域通貨を活用した景気刺激・消費喚起策が提起されるだろうが、「しまとく通貨」のような電子化を原則とすることで、低コストのプレムアム付き商品券を普及させる好機としていくべきだ。

【石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.107】

2016年7月27日12:30~13:25【石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.107】

ニコ生 : http://live.nicovideo.jp/watch/lv270638734

Youtube : https://youtu.be/o8gjJDQgYGU

2017年のドイツの再エネ賦課金(試算) 〜 月額2400〜2500円・年額2.9〜3万円

 7月23日付けのドイツ Agora Energiewende の発表によると、EEG(再生可能エネルギー法)に基づく再エネ賦課金単価は、2016年に6.35ct/kWhであるところ、2017年には7.1〜7.3ct/kWh(約12〜15%増)になると試算された。ドイツBMWi(連邦経済技術省)が、今秋頃に公式発表するであろう。

《原文より抜粋》 
Die Umlage nach dem Erneuerbare-Energien-Gesetz (EEG-Umlage) wird nach Berechnungen für Agora Energiewende im Jahr 2017 auf 7,1 bis 7,3 Cent pro Kilowattstunde Strom ansteigen.
Derzeit liegt sie bei 6,35 Cent. 


 先のブログ記事にあるように、ドイツでは2000年のEEG施行後に再エネ賦課金単価は、前々回に(2014年→2015年)初めて低下に転じたが、前回(2015年→2016年)は再び上昇に転じて過去最高を更新した。

 そうなると、今回(2016年→2017年)は更に上昇することで、過去最高を更新することは確実。

 先のブログ記事に準拠して、ドイツの一般家庭の年間消費量を3500kWhとすると、2017年でのドイツの再エネ賦課金は、次の式から算出される。為替レートは本日時点のもので、1ct=1.16円 とした。

  
7.1〜7.3ct/kWh × 3500kWh/年 ÷ 12月 × 1.1623円/ct = 2406.93〜2474.73円/月

 即ち、月額2400〜2500円、年額2.9〜3万円程度ということ。

 因みに日本の場合、資源エネルギー庁が今年3月に公表した「再生可能エネルギーの平成28年度の買取価格・賦課金単価」にある通り、2016年度の再エネ賦課金単価は2.25円/kWhで、標準家庭(月の電力使用量が300kWh)では月額675円・年額8100円となる。

2015年度再エネ買取総額は約1.5兆円 〜 当初見込みより約0.3兆円の未達

 資源エネルギー庁が定期的に更新している再生可能エネルギーに関する『固定買取価格制度 情報公表用ウェブサイト』によると、今年2月末時点における再エネ発電設備に係る買取電力量・買取金額は、それぞれ資料1・資料2の通り。

 エネ庁が昨年3月に呈示した「平成27年度 調達価格・賦課金単価について」によると、2015年度見込みベースで、再エネ買取額は年間総額1兆8370億円、再エネ賦課金の年間総額が1兆3222億円。1kWh当たり1.58円(標準家庭(月の電力使用量が300kWh)で月額474円)と設定した。

 資料2によると、2015年度(昨年4月~今年3月までの12か月間)の買取金額は1兆5495億円で、2895億円(=約2900億円)も未達。

 これは、再エネに係る消費者負担が当初見込みよりも約2900億円も少なかったという観点からは前向きな評価がなされるべきだろうが、再エネ発電量が当初見込みよりも相当少なかったという点からは前向きな評価はなされないだろう。

 どちらの観点は好いかは、それぞれの立場による。



<資料1:買取電力量(万kWh)>
02
(出所:資源エネルギー庁「固定価格買取制度 情報公表用ウェブサイト」)


<資料2:買取金額(億円)>
28
(出所:資源エネルギー庁「固定価格買取制度 情報公表用ウェブサイト」)

☆ニュース配信☆ 石炭による「早死」に苦しむ欧州 〜 ドイツでは原子力減少で石炭増加に・・・

石炭による「早死」に苦しむ欧州 〜 ドイツでは原子力減少で石炭増加に・・・

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http://www.gadgetwear.net/2016/07/blog-post_13.html


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http://news.livedoor.com/article/detail/11756838/


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http://news.ameba.jp/20160713-154/


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http://news.biglobe.ne.jp/economy/0713/gdw_160713_3213841342.html


 今月5日付けの EurActiv
では、再生可能エネルギーへの転換が大歓迎されているドイツは、EU諸国の中で石炭火力発電所による公害で、より多くの人々が早死していることに苦しんでいる旨を報じている。 


《原文より抜粋》 Germany – home to the much-hailed ‘Energiewende’ green revolution – suffered more premature deaths linked to coal plant pollution than any other EU member state, research by health and environment campaigners has found. 

http://www.euractiv.com/section/health-consumers/news/report-germany-suffers-more-coal-linked-deaths-than-rest-of-eu/

 EU域内の石炭火力発電所280基のうち250基が2013年に排出した公害物質により、22,900人以上が死に、数万人が気管支炎となり、そして最大62.3億ユーロ(約7000億円)の医療費がかかった。 

 ドイツでは、2013年に3,603人が石炭火力発電所関係の疾患で死亡した。 

 このうち1,860人の死亡は、ドイツ国内の石炭火力発電所を原因とされている。残りの1,770人の早死は、ドイツ国外のEU諸国とされており、そのうちポーランドからの公害による死者は630人とされている。 

 ドイツは、福島事故後に縮小した原子力発電分を、ポーランドからの安価な石炭火力発電分で補っている。
 

Analysis of 257 of 280 coal-fired power plants in the EU found that their 2013 emissions caused over 22,900 deaths, tens of thousands of illnesses from heart disease to bronchitis, and up to €62.3 billion in health costs. 

3,630 people in Germany died from coal-related illnesses in 2013, according to the report by the Health and Environment Alliance, Climate Action Network Europe, WWF European Policy Office and Sandbag. 

1,860 deaths were traced to coal plants in Germany, which is moving to a low-carbon energy system. The Energiewende (energy switch-over) will require the retirement of most, if not, all coal powered generation in Germany. 

The remaining 1,770 premature deaths were traced to pollution caused by coal plants in other EU countries. Polish pollution claimed 630 of those lives, the research claims. 

Germany buys cheap coal-fired energy from Poland to pick up the slack left by the abandonment of nuclear power after the Fukushima disaster.  

 要するに、近年のドイツでは、原子力発電代替などを理由とした石炭火力発電増加によって、死者数や罹患数が増えているという話。図らずも、福島事故後のドイツの原子力発電縮小が石炭火力発電増加を招き、それによって死者数が増加するという負のスパイラルを示している。 

 これも、日本や各国が教訓としておくべきことだ。 

 因みに、上記の根拠を示した報告書 ‘ EUROPE'S DARK CLOUD ’ によると、EU諸国での石炭火力発電所に由来する早死者数は次の通り。ポーランド、ドイツ、イギリス、ルーマニアの順に被害が大きいようだ。


(出所: ‘ EUROPE'S DARK CLOUD ’ ) 

米国のエネルギー消費動向:石炭は急減、原子力・水力は横這い、天然ガス・バイオマス・風力・太陽光は急増

 今月21日の米国EIA(Energy Information Administration;エネルギー情報局)の発表を見ると、米国のエネルギー消費の傾向は、短期的にも中長期的にも、石炭から天然ガス・再生可能エネルギーへ移行してきていることが窺える〔資料1〕

《原文より抜粋》
Primary energy consumption fell slightly in 2015 as a decline in coal use exceeded increases in natural gas, petroleum, and renewables use. In most cases, changes between 2014 and 2015 reflect longer-term trends in energy use. 

〔資料1〕
36
2016.7.21 EIA


 上図は2014年→2015年での内訳だが、1950年代からの推移を見てみると、以下の通り。


 一次エネルギー消費については、2005年を過ぎた頃から石炭・石油の消費が減る代わりに、天然ガスの消費が増えてきた〔資料2〕

 これに関しては、米国内の天然ガス低コスト生産増や原油価格上昇、石炭に係る環境制約などが主因として挙げられる。原子力は横這いだが、再エネは上昇基調になってきている。石油は運輸部門などで一定以上の需要が継続している。


〔資料2〕
44


 電力消費については、天然ガス・再エネが微増、原子力が横這い、石炭が急減〔資料3〕

 石油は、一次エネルギ消費では運輸部門などで一定以上の需要が継続しているが、電力消費としての石油火力は極微。2016年には、天然ガス火力発電が石炭火力発電を抜くと見込まれている。


〔資料3〕
29
June 2016  Monthly Energy Review(EIA)


 再エネでは、長年に亘って水力が大きな比重を占めてきたが、近年ではバイオマス・風力・太陽光の急増が目立っている〔資料4〕

 水力に関しては、非発電ダムを発電ダムに転換する動きがあり、今月15日のEIA発表によると、2016年には30万kWの水力発電が確保される見通し〔資料5〕


〔資料4〕
38
June 2016  Monthly Energy Review(EIA)


〔資料5〕
25
2016.7.15 EIA


 以上の傾向を、化石燃料・原子力・再エネに3大別して捉えると、米国ではやはり化石燃料が圧倒的に多いことがわかる〔資料6〕。この傾向は、当面続くであろう。

〔資料6〕
38
June 2016  Monthly Energy Review(EIA)

【石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.106】

2016年7月20日12:30~13:20【石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.106】


Youtube : https://youtu.be/SVB4taxnJ3U



<番組内アンケート調査結果>
Q:都知事選は誰に投票するか?
A:増田さん2%、小池さん76%、鳥越さん0%、その他22%

【プレジデントオンライン寄稿】「景気対策」決め手!? 地域通貨「プレミアム付き商品券」を電子化せよ 〜 スマホ・携帯電話を使った「電子地域通貨」の可能性

プレミアム付き商品券「しまとく通貨」の電子化

「プレミアム付き商品券」という言葉を最近よく見かけるようになった。額面以上の金額を使えるというもの。全国の9割以上の自治体で発行され、平成26年度補正予算から約1600億円が用意された。

こうした国策の流れの中で、長崎県内関係離島5市町(壱岐市、五島市、小値賀町、新上五島町、佐世保市宇久町)は6月13日、県内関係離島7市町(壱岐市、五島市、小値賀町、新上五島町、佐世保市宇久町、対馬市、長崎市高島町)で共通に使用できるプレミアム付き商品券「しまとく通貨」を10月から発行すると発表した。

この「しまとく通貨」は、6月13日付け日本経済新聞でも報じられた。商品券を「電子化」することが話題になっているからだ。

(上)紙で発行されている「かつしかプレミアム付商品券」(下)電子化された「しまとく通過」

商品券というと、通常は、写真にあるように、紙で発行されたものが定番であろう。(画像上)

しかし、「しまとく通貨」は、写真にあるように、電子スタンプをスマートフォンの画面に当てることで利用できる。(画像下)

こうした電子化により、商品券の印刷・配送・保管費をゼロにし、精算業務を効率化することで、25%程度のコスト削減が可能になるそうだ。

「しまとく通貨」を電子化する際に採択した基幹システムは、株式会社J&Jギフトと株式会社ギフティが共同で提供する電子地域通貨システム「Welcome! STAMP」。

この画期的なシステムを開発したギフティは、自社サービスとして提供してきたeギフトの販売・流通システムを応用した。

「しまとく通貨」は、離島経済の活性化と交流人口の拡大を目的に、平成25年4月から発行され始めた地域通貨。1セット5000円で販売され、1000円分の特典(プレミアム)が付く商品券。利用対象者は、島外からの観光客など来島者に限られ、第1回の発行時期(平成25~27年)の3年間で約104億円分の地域通貨が販売された。

電子化「地域通貨」が経済を活性化させる!?

この地域通貨の流通は、離島経済の活性化に大きく貢献した。それまで旅行者を獲得できていなかった地域からの来島者が増えた。離島の閑散期である年末・年始や冬場の来島者も増え、県内の複数の島を巡るツアーが新たに実現したりもした。

6月2日に政府決定された「経済財政運営と改革の基本方針2016」(いわゆる『骨太の方針2016』)においても、消費者マインド喚起のため、プレミアム付き商品券の発行に関して前向きな言及がなされている。

「しまとく通貨」の電子化で期待されるのは、地域通貨(プレミアム付き商品券)が抱える様々な課題を克服すること。

地域通貨に関して危惧されるのは、商品券の印刷・配送・保管などの直接コストと通貨運営に必要な事務作業などの間接コストの負担が決して軽いものでないことや、従来紙での発行が主流であったため不正利用されやすいこと。

だが、ギフティが開発したこのシステムを導入することで、加盟店は電子スタンプを用いて簡単に決済・精算し、業務負荷が大幅に軽減される。電子スタンプは数千円程度と安価で、導入も容易。利用者は、専用のWEBページで地域通貨の管理と利用をすることができ、紙やICカードの発行は不要。つまり、日本国内で初めて「オール電子化された地域通貨」のだ。

「しまとく通貨」は、スマートフォンや携帯電話などの電子端末を媒体として携行が可能。地域通貨の紛失や置き忘れを防ぐことができる。購入時に本人確認を行ってデータ管理されるため、2次利用などの不正利用を防ぐことができる。

更に、地域通貨の電子化はデータの収集・蓄積を容易にするので、ビックデータの活用による観光客動向のマーケティングも可能となる。

 今秋の国会では、大規模な経済対策を組み込んだ今年度補正予算が編成される見通し。その中で、地域通貨を活用した景気刺激・消費喚起策が提起されるだろうが、「しまとく通貨」のような電子化を原則とすることで、低コストのプレムアム付き商品券を普及させる好機としていくべきだ。 

【ハフィントンポスト寄稿】"再エネ大国"ドイツと、『原子力大国』フランスの比較(その3) 〜 日本が参考にすべきは、「フランス+ドイツ」

"再エネ大国"ドイツと、『原子力大国』フランスの比較(その3) 〜 日本が参考にすべきは、「フランス+ドイツ」

(その1)(その2)からの続き・・・>

 結論から言うと、ドイツのエネルギー事業者は、"脱原子力"に向けて相当の困難を強いられ、巨額の資金と経済活動の勢いを失った。

 2013年のFrankfurter Allgemeine Zeitung紙のインタビューで、環境・自然保護・原子力安全担当大臣のPeter Altmaier氏は、2039年にはドイツの再生可能エネルギーへの移行費用は10兆ユーロになるであろうと述べている。

 ドイツで原子力発電所を運営していたE.ON や RWEは、今では石炭火力発電に移行せざるを得なくなっている。当然、これら事業者の経営は不振になっている。

 これらの企業は脱原子力という政策決定により非常に大きなダメージを受けているといえる。新たな投資をしなければならない上に、原子力発電所を廃炉にする費用も捻出しなければならないからだ。E.ONでは、2015年に70億ユーロもの損失を計上。RWEも2013年に28億ユーロの損失を計上し、60年ぶりに赤字となった。

 その上、E.ON や RWEは、政府による多額の補助金を受けた再エネ発電事業者と戦っていかなければならない。

 RWE、Vattenfall 、E.ONはドイツ政府に対し、総計数百億ユーロに上る損害賠償を求め、ドイツ連邦憲法裁判所に提訴した。

 フランスでは、エネルギー供給会社は生産性の高い設備を有しており、このエネルギーシフトによるダメージは少ない。とりわけ、EDFとEngie(旧GDFスエズ)という二つの主要なプレーヤーは世界でも指折りの発電事業者であり、2015年時点ではEDFは世界最大の発電事業者となっており(発電能力134.2 GW)、Engieは世界最大の政府から独立した発電事業者となっている(117.1 GW)。しかし、興味深いことにEDFとEngieは異なる戦略を取っている。

 Engieは、カントリーリスクを避けるために多様化戦略を取っている。2016年には、5つの大陸の70を超える国で経済活動を展開している。

 この多様化戦略の一環として、Engieはブラジル、インド、南アフリカといった途上国に対し集中的に大規模な投資を行い、ヨーロッパ市場の抱える困難や過競争を克服しようとしている。

 EDFは1990年代後半から2000年代前半にかけての海外への集中的な投資という段階を経て、今は3つの大陸で活動しており、とりわけアメリカ、ヨーロッパ、アジアでその存在感を高めるに至っている。海外投資はEDFの戦略の中心部分ではもはやなく、アルゼンチンで数十億ユーロ損失を出した失敗などを経て、今日は、イノベーションと再エネへの移行を進めている。

 ドイツには、再エネ産業を牽引するリーダー企業が数多く存在する。風力発電であればNordex、Fuhrländer、Enercon、REpower Systemsであり、太陽光発電であればSolarWorld、Conergy、Q-Cellsである。最大手はもちろん、シーメンスである。

 ドイツは強力な再エネ産業を有しており、それは国際競争で優位であることに疑いの余地はない。ドイツは再エネの開発・利用で最先端を走っている。そして、ドイツは2014年に再エネ発電量で世界第5位となっている。

 フランスのエネルギー構成で原子力が依然として圧倒的地位を占めているが、これは再エネを軽視しているからではない。2010年からEDFは再エネの発展に64億ユーロを投資しており、2030年までに現在の数値のおよそ2倍の27%を再エネ発電とすることを標榜している。EDFは再エネ産業を牽引するEDF Energies Nouvellesという子会社を有しており、これは9 GWの発電能力を持っている。Engieも同様に再エネに投資しており、現在、再エネ発電量は総発電量の17% (115.3 GW)で、これを2025年までに倍増させる計画。
 
 Engie やEDFといった巨大なプレーヤーによる投資に加えて、他のフランス企業も再エネの利用に取り組んでいる。バイオマス、風力、太陽光、水力による発電事業を手掛けるAkuo Energyは2007年に事業を開始し、これまでに18億ユーロ以上の投資を行い、アメリカ、インドネシア、ポーランドを含む8つの国で再エネ発電事業に従事している。
 
 このようにフランスは再エネへも活発な投資を行っている。フランスは、世界でも有数の巨大な電力会社を有しており、今後、再エネ分野を引っ張っていく可能性も十分ある。

 ドイツの脱原子力という決断は、人々に大きく訴えかけるものであろう。しかし、上述の通り、ドイツは様々な困難に直面。ドイツでは、脱原子力により電気料金が上昇した側面も小さくない。化石燃料の利用に戻った結果、CO2排出量が増加している。

 一方、フランスは、安い電気料金を維持しながら再エネへの移行を同時に推進するという理想的なエネルギー転換を示していると言える。

 このことは、日本が再エネ発電を増加させつつ、原子力発電も正常化させることの正当性を示している。

 最後に、日本はドイツという再エネ先行国だけを見習い過ぎてきたが、これは猛省点なのだ。ドイツとフランスの電源構成(発電電力量ベース;2014年)を見ると、以下の通り。

 ○ 独 :再エネ26%、水力10%、原子力16%、化石燃料等49%
 ○ 仏 :再エネ 4%、水力13%、原子力77%、化石燃料等 6%
 ◎独+仏:再エネ17%、水力11%、原子力42%、化石燃料等30%

 日本は、ドイツかフランスのどちらか一方だけを見習うのではなく、「ドイツ(再エネ先行国)+フランス(原子力先行国)」を見習う必要がある。

【ハフィントンポスト寄稿】"再エネ大国"ドイツと、『原子力大国』フランスの比較(その2) 〜 ドイツの電力部門CO2排出原単位は、フランスの8倍

"再エネ大国"ドイツと、『原子力大国』フランスの比較(その2) 〜 ドイツの電力部門CO2排出原単位は、フランスの8倍

 ドイツは2000年に脱原子力を決定し、2011年の東日本大震災後にそれを実行した。だがこれは、原子力発電分が再生可能エネルギー発電分に移行することを意味する訳ではなかった。

 2002年から2015年までの間、原子力発電は30%から20%に減った一方で、石炭火力発電は50%から60%超へと増えた(資料3)。即ち、原子力発電は化石燃料発電に取って代わられたのだ。


<資料3:ドイツの電源構成(2002年、2010年、2015年)>
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出所:Eurostat


 結果として、CO2排出量は増加した。IEA(国際エネルギー機関)が2015年に出した報告書によると、ドイツのCO2排出量は488.8kgCO2e/MWhとなっている。

 フランスでは、総発電量の3/4以上を原子力で賄っている。2015年では、総発電量に占める原子力発電量は76%(416.8TWh)、火力発電量は6%、水力など再エネ発電は17%となっている。総発電量の実に94%が、CO2を排出しない発電方式なのだ。


<資料4:フランスの電源構成(2015年)>
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出所:RTE annual report


 今もフランスの電力部門では、CO2排出量を低く抑えられている。上述のIEA報告書によると、フランスのCO2排出量は64.288kgCO2e/MWhとなっている。

 これは、ドイツの1/8である。

【ハフィントンポスト寄稿】"再エネ大国"ドイツと、『原子力大国』フランスの比較(その1) 〜 ドイツの電気料金は、フランスの2倍

"再エネ大国"ドイツと、『原子力大国』フランスの比較(その1) 〜 ドイツの電気料金は、フランスの2倍

 世界では今、太陽光や風力などの「再生可能エネルギー」の導入が急速に進められている。世界で最も先行しているのは"再エネ大国"ドイツだ。

 日本の再エネ政策は、ドイツを参考にしつつ進められてきた。ドイツの再エネ政策が素晴らしいものであると日本で受け止められてきたからに他ならない。

 しかし、実際はそうでもない。再エネ導入に伴う電気料金の上昇は、ドイツのエネルギー政策上の大問題の一つになっている。

 私は昨年3月にドイツを訪問し、連邦政府5ヶ所・州政府2ヶ所・産業団体・消費者団体など計10ヶ所でヒアリング調査を行った。
  ・報告書全文:http://iigssp.org/activity/report_150321_01.pdf
  ・報告書要約:http://iigssp.org/activity/report_150321_02.pdf

 この報告書にも書いたが、ドイツのエネルギー政策は、多くの日本人が信じ込んでいるようなバラ色のものでは決してないということを改めて知った。

 ドイツの隣国フランスは、世界有数の『原子力大国』。原子力と再エネは、CO2を排出しないクリーンエネルギーであるという点で共通している。

 私は上記のドイツ出張の後、フランスから見たドイツの再エネ政策の成否について、フランス在住の専門家に見解を伺ってみたいと思うようになった。

 そして先だって、フランスで同国内の電気・ガス料金比較サービスを手掛けるSelectra社(http://selectra.jp/)の創業者であるXavier Pinon氏と懇談する機会を得た。

 その際、次の2点で意見が一致した。

(1)ドイツは、2000年に"脱原子力"を宣言し、2022年までに完了することを決めている。そうした取組みを推進する中で、ドイツは"環境大国"としての国際的な地位・名声を高めてきた。近年、ドイツ経済は好調であり、欧州を牽引し続けている。ドイツのエネルギー政策に世界からの注目が集まる理由はここにある。

(2)ところが、実態はそれほど単純なものではない。ドイツは経済的には欧州のリーダー格になっているが、原子力から再エネへのエネルギー転換は、その開始時点から一貫して企業の競争力低下を招いている。さらに、国が原子力を放棄し、再エネの利用を促進する方針を打ち出すことは、必ずしも"環境大国"へと直結するものではない。ドイツ電力システムの現状は、その理想からは程遠い。

 以下では、Selectra社の2人と私の共通認識として、フランスとドイツの電力コスト差に関して述べていきたい。
 

1)ドイツの電気料金は、フランスの2倍

 フランスもドイツも、近年の電気料金推移は同じ傾向にある(資料1、資料2)。両国とも、電気料金は徐々に上昇しつつある。
 

<資料1:家庭用(年間消費量5〜15MWh)の電気料金推移>
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出所:Eurostat


<資料2:産業用(年間消費量500〜2000MWh)の電気料金推移>
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出所:Eurostat


 ドイツの電気料金は、家庭用・産業用ともに、フランスの約2倍の水準。2015年で見ると、①ドイツの家庭用電気料金は、1kWh当たり0.28ユーロであるのに対し、フランスでは同0.15ユーロ、②ドイツの産業用電気料金は、1kWh当たり0.20ユーロであるのに対し、フランスでは同0.11ユーロ。

 再エネの普及を促進するため、ドイツやフランスも含めた多くの国では、再エネの固定価格買取制度(FIT)に基づく「再エネ賦課金」を消費者から徴収している。

 エネルギーを大量に消費する事業者の競争力を削がないために、ドイツ企業には再エネ賦課金の減免措置があるが、それでも再エネ賦課金を含む高い電気料金はドイツ企業の経営を圧迫している。

 フランス企業は、そうではない。他の欧州諸国と比較して電気料金が低いことがフランス産業界の強みとなっている。これは、フランス産業界における生産コストを下げ、投資能力を高めている。

 産業用の電力消費量は、フランスの総電力消費量の16%を占めており、家庭用、交通用に次いで3番目。自動車(ルノー、PSA)、建設(Lafarge-Holcim, ブイグ)、航空(エアバス、タレス、スネクマ)、鉄鋼(アルセロールミタル)といった様々な業種で示、フランス企業は強い競争力を備えている。

 エネルギー多消費型産業においては特に、電気料金が経営を左右する大きな要素の一つ。安い電気を調達できるということが企業の国際競争力の維持・向上にとって重要であることは間違いない。


2)ドイツとフランスの電気料金の大差の理由は何か?

 ドイツの電気料金が高いことの大きな理由は、再エネ賦課金が相当高いことで概ね説明される。

 ドイツの再エネ賦課金は、例えば0.0205ユーロ/kWh(2010年)から0.06354ユーロ/kWh(2016年)に上昇している。これは、1kWh当たりの小売価格の2割以上を占めていることになる。

 フランス監査院は、2013年のレポートで、原子力の発電コストは49.5ユーロ/MWhで、あらゆる発電形態の中で最安値の部類に属すると推定。水力の発電コストは15〜20ユーロ/MWhと、原子力よりも安いとされている。

 その他では、陸上風力の発電コストは82ユーロ/MWh、洋上風力は同220 ユーロ/MWh以上、化石燃料は同70〜100ユーロ/MWh、太陽光発電は同230〜370 ユーロ/MWhとされている。
 
 フランスでは、原子力と水力で総発電電力量の87%以上(2015年)を占めている。

 ドイツとフランスの電気料金に大差があるのは、こうした事情による。

【ENERGYeye 2016年7月号 vol.7】 〜 インタビュー記事掲載

 ENERGYeye 2016年7月号 vol.7に、私のインタビュー記事が掲載されています。

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2015年の中国:韓国を抜いて世界第4位の原子力大国に・・・

 BPが今月発表した “ Nuclear energy - 2015 in review” によると、2015年における世界の原子力発電量(世界の一次エネルギー消費量の4.4%)は前年比1.3%増で、中国での伸び(前年比28.9%増)が大きく寄与したとのこと。

《原文より抜粋》
Global nuclear output grew by 1.3%, with China (+28.9%) accounting for virtually all of the increase
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Nuclear energy - 2015 in review


 中国は、韓国を抜いて世界第4位の原子力発電量に達した。因みに、ロシアは対前年比8%増、韓国は同5.3%増、スウェーデンは同12.6%減、ベルギーは同22.6%減、EUは同2.2%減で1992年以来最低。

China has passed South Korea to become the fourth-largest supplier of nuclear power. Elsewhere, increases in Russia (+8%) and South Korea (+5.3%) offset declines in Sweden (-12.6%) and Belgium (-22.6%). EU output (-2.2%) fell to the lowest level since 1992. Nuclear power accounted for 4.4% of global primary energy consumption.


 2011年以降の原子力発電量の一時的急減は、東日本大震災による福島第一原子力発電所事故の影響と思われる。日本では、震災による原子力事故以降、原子力発電が再開され難い規制運用になっている。

 しかし、隣国の動きを始めとした世界のエネルギー情勢を俯瞰すれば、日本は、原子力発電再開を躊躇している政治状況を政治主導で克服していく必要がある。現状、日本のエネルギーを巡るコスト・安全保障の両面とも、日本は不利な方向に自ら進んでいる。


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Nuclear energy - 2015 in review

【石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.105】

2016年7月15日12:30~13:18【石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.105】


Youtube : https://youtu.be/GHkZQ0CXVPY



<番組内アンケート調査結果>
Q:都知事選では誰に投票するか?
A:増田さん2.9%、小池さん86.7%、鳥越さん10.4%


 

米国ハワイ州:太陽光優遇制度の廃止で約4割の雇用減・・・

 米国ハワイ太陽光発電協会(HSEA;Hawaii Solar Energy Association)が今月6日に更新した “HSEA July Monthly Report”によると、ハワイ州でネットメータリング制度(NEM)が昨年廃止されたことにより、

①太陽光発電事業に従事する従業員の39%が雇用減(昨年10月1,131人→今年7月692人)となり、
②太陽光発電事業の従事する企業の88%で雇用減となった

とのこと。


《原文より抜粋》
The HSEA asked its members and other companies to provide employment numbers from two points in time: pre-October 2015 figures (prior to the cessation of the Net Energy Metering Program ("NEM")) as well as the most recent figures. In total, companies reported 1,131 employees prior to the October decision versus 692 current employees—a 39% decrease. Additionally, 88% of the companies polled reported job losses. 

 NEMとは、家庭用太陽光発電の導入を促進するための米国独特の制度。家庭が設置した太陽光による余剰電力と、その余剰電力と同量の電力会社からの電力(系統電力)を相殺するという仕組み。米国の家庭需要家は、太陽光が発電しない時間帯では系統電力を購入する。

 NEMにより、昼間の余剰発電分と系統電力購入分を相殺できるので、結果的に系統電力の使用量に係る従量料金を支払わない家庭が急増した。これにより、電力会社の系統(送電網)に係るコスト負担をしない家庭需要家が増えるなど、不公平感が高まっていたようだ。

 
 NEMのような仕組みは日本では採用されていないが、太陽光発電の導入促進策は、各国それぞれにコスト面や公平性の観点からの問題が顕在化してきている。

 太陽光は、原子力・火力・水力などと違い、比較的容易に設置できる電源であることから、いったん優遇策を当てがうと爆発的に普及するので、バブル化しやすい。今後は各国それぞれ、太陽光の健全な普及促進策に修正していく必要がある。

 日本では、先の国会でFIT制度改革法が成立した。
私は衆参両院でのこの法案審議の参考人質疑に出席した。概要は以下の2記事を適宜参照されたい。
  

ドイツ:再エネ入札制度は2017年1月施行

 先月20日のブログ記事の続編。

 今月8日のNHKニュース
にあるように、ドイツでは再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)に係る改正法が成立。これにより、来年1月より、固定価格ではなく、入札による再エネ電気の調達が原則となる。

<報道要旨>
・16年前に再エネ買取制度が導入されたドイツでは、国が市場価格を上回る値段での買取りを義務づけ。
・参入事業者が相次ぎ、総発電量に占める再エネ割合が3割を超えるまでに増えた。
・電気料金が高騰し、制度見直しを求める声が強まっていた。
・来年以降、国が価格を決める制度を原則廃止。
・その代わり、新たな発電設備が作られる際、事業者を対象に入札を行い、買取価格を決める。 

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2016.7.8 NHKニュース


 ドイツでは、現行FITにより、送電会社が再エネ電気を月平均の卸市場価格に、法定価格との差額(0.4セント/kWh)を加算した価格で買い取っている。現在、再エネ電気の割合は3割を超え、平均10セント/kWh以上が電気料金に加算。
 
 今回の改正法施行により、今後は750kW超(バイオマスは150kW超)の再エネ発電設備について、新規の調達は入札により調達される。具体的には、次のような制度改正となる。

  現 行:月平均卸電力市場価格+(法定価格-卸電力市場価格)+0.4セント
  改正後:月平均卸電力市場価格+(落札価格-卸電力市場価格)

 これは、新規の再エネ電源に関するものであって、既設の再エネ電源に関するものではない。だから、現行FITによる固定価格買取期間(20年など)が順次終了するまで、国全体の再エネ買取総額の増加率が減少するに過ぎず、急に来年から再エネ買取総額が減少するわけではない。

 つまり、ドイツでは当面、世界的に相当高い再エネ賦課金が続くことになる。

 ドイツを参考にしてFITを導入した日本でも、先の国会で成立した改正再エネFIT特措法によって入札制への移行などが決まった。ただ、ドイツと同様に、当面は再エネ賦課金は加算されていくことになる。 

 尚、先の国会で成立した改正再エネFIT特措法について、私は衆参両院でのこの法案審議の参考人質疑に出席した。概要は以下の2記事を適宜参照されたい。
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