FujiSankei Business i. 【論風】 〜 難航する「もんじゅ」見直し 新「再処理機構」で運営を

 昨日付け FujiSankei Business i. 【論風】に、『難航する「もんじゅ」見直し 新「再処理機構」で運営を』と題する拙稿が掲載。


 原子力発電所から出た使用済燃料からウランとプルトニウムを抽出する「再処理」事業の枠組みを改正する法律が先月成立した。認可法人「使用済燃料再処理機構」を新設し、この新機構が日本原燃(青森県六ケ所村)に業務を委託。国の関与を強め、再処理事業を安定継続させるのが目的。国は、再処理によるプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を再利用する核燃料サイクルを推進。六ケ所村の再処理工場はその中核施設だ。
 
◆周囲に翻弄
 だが、この六ケ所再処理工場は過去のトラブルと、現在の原子力規制委員会の新規制基準の“過剰・異常な”運用もあって竣工時期は不透明なまま。マスコミは、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の運営にも先が見通せない中、国は枠組み変更で核燃料サイクル政策の延命に一手を講じた形だ、との論調で統一されているかのようだ。
 昨年11月に規制委はもんじゅ運営をめぐり保守管理上のミスが続く日本原子力研究開発機構(JAEA)を「能力不足だ」とし、別の運営主体を探すよう文部科学省に勧告。これに対し同省は先月27日、規制委が求めた具体的な運営主体の特定を先送りすることを決定。これを受け馳浩文科相は「費用対効果も検討しながら新運営主体を一日も早く特定したい」と語った。
 高速炉を扱うことができる専門家集団は、今現在もんじゅの現場にいる職員以外にはいない。もんじゅの今後を考えていくに当たり、これまでの経緯を考えれば、もんじゅの現場に問題が全くなかったとはいえないが、それを差し引いても、国会、監督官庁、マスコミなど現場とかけ離れた場所にいる人たちに翻弄されてきたと強く思う。私に言わせれば、もんじゅは政治からもマスコミからも一方的に悪者扱いされ続けてきた。これは変だ。もんじゅの現場には、高速炉に係る成否の経験、知見が蓄積されている。
 
◆独立性の確保
 政府が敷くべきルールとは、その現場の技術者に安全確保やそれを前提とした事業の遂行に関して、高い責任感と実際の責任を持たせるような制度を整備していくことにある。政治やマスコミに左右されないようなプラント現場の独立性を高める事業遂行体制が最善だからだ。現場主導のルールに改めていかないと、いつまでたってももんじゅは本来行うべき実証事業の再開とその終結に向けて進んでいけない。
 規制委が問うているのは、もんじゅ存続の可否ではなく、運営組織のあり方。何らかの新たな組織を提案すべきとなるが、全く新しい組織を一からつくるというのは難しい。そうなると、JAEA以外の組織であってもんじゅに親和性の高い組織はどこか、となる。文科省はJAEAのもんじゅ部門を分離して新法人設立を検討するだろうが、また組織を増やすのか?
 
◆「国家事業」の再認識を
 そこで提案したいのが、新機構へのもんじゅの移管だ。そして、今後は予算を惰性的に交付し続けるのではなく、例えば「予算は従来の倍にするが、必ず5年で100%出力を達成して基本データを取る」というような即効性のある施策に改め、短期で目標達成を図るよう制約を付すべきだ。
 もんじゅの建設費は5886億円で、運転維持費が1989~2015年で4339億円。運転維持費は年額約200億円。短期で目標達成することが、コスト削減に有効であることは明らか。JAEAをこれ以上たたいても、何も生まれて来やしない。もんじゅに反省点が多いのは周知のことだが、今まで国が長年にわたって、振興する側としても、規制する側としても、直接関与してきた国家事業であることを再認識する必要がある。この点でも、一番問われるべきは国の行政責任なのである。

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(2016.6.23 FujiSankei Business i.)

 

【石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.102】

2016年6月22日12:30~13:23【石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.102】

ニコ生 : http://live.nicovideo.jp/watch/lv267022548

Youtube : https://youtu.be/AKUZqf6vmlw

ドイツの再エネ改正法案 〜 2017年にFITから入札制度へ移行

 先のブログ記事でも概要を紹介したが、今月8日のドイツ政府の発表(ドイツ語版英語版)によると、2017年に固定価格買取制度(FIT)から入札制度へ移行することなどを旨とした再生可能エネルギー法(EEG)改正案が政府決定された。

 ドイツの再エネ導入割合は現在33%であるが、これを2025年に40〜45%とし、2035年に55〜60%とする目標を掲げている。この目標は、今回の改正法案では変更されていない。

《英語版原文より抜粋》
We want to increase the share of renewable energy from its present level of around 33% up to 40-45% in 2025 and to 55-60% in 2035. The 2016 Renewable Energy Sources Act is the key instrument to achieve these targets via effective annual quantitative steering and to bring renewables closer to the market. 


 入札制度に移行するのは、太陽光・風力(陸上風力、洋上風力)・バイオマスで、市場価格での決定によるコスト抑制を期待している。但し、750kW以下の小規模再エネ設備は入札対象外。

In future, the level of funding will no longer be fixed by the state, but will rather be determined on the market by auction. We have set annual quantities to be auctioned for each technology: Onshore wind, 
Photovoltaics, Offshore wind, Biomass

The 2016 Renewable Energy Sources Act will maintain the level of stakeholder diversity. Small installations of up to 750kW will be exempted from the auction process.


 今回の改正法案では更に、ドイツ北部にある大量の風力発電の買取量を制限することが盛り込まれている。具体的には、2013〜15年に新設された陸上風力の設備容量(年平均)の58%を北部の陸上風力の年間導入量の上限にするというもの。

 これに関しては、私が昨年3月に公表したドイツ調査報告書でも触れているが、ドイツ北部の風力発電による電力をドイツ南部の工業地域などに供給するための送電線の整備が、大幅に遅れているからである。


・・・there will be bottlenecks in the transmission grid in some regions of Germany during a transition period. This is particularly true of northern Germany. For this reason, during the transition period the expansion of onshore wind energy will be subject to local adjustments where there are greater bottlenecks in the grid. This means that the quantity up for auction in northern Germany will be set at the rate of 58% of the average newbuild in 2013-2015.
 

 日本では、先の国会で改正再エネ特措法が成立し、2017年度から、事業⽤太陽光を対象とし⼤規模案件から入札制度に移行する予定。風力やバイオマスも入札制度に移行させる今回のドイツEEG改正案が成立すれば、日本も引き摺られることになるだろう。

 再エネ導入目標に比べて送電線の容量が追従できていないドイツの実状は、日本にも当てはまること。ドイツは結果的に、再エネ導入促進のメリット・デメリットの両方に関する先行例を日本に示している。日本としては、それらを十分に斟酌しながら、見直すべきは見直していくべきだ。 

世界の原子力発電所 〜 運転中444基(うち米国99基)、建設中63基(うち中国22基)

 米国原子力エネルギー協会(Nuclear Energy Institute)の最近の発表によると、2016年5月現在、全世界で444基の原子炉が運転中、15ヶ国で63基が建設中。

《原文より抜粋》
As of May 2016, 30 countries worldwide are operating 444 nuclear reactors for electricity generation and 63 new nuclear plants are under construction in 15 countries.

 運転中の原子炉444基について、国別に見ると、米国99基、フランス58基、日本43基、ロシア35基、中国33基、韓国25基、インド21基の順。

 建設中の原子炉63基について、国別に見ると、中国22基、ロシア8基、インド6基、米国4基、アラブ首長国連邦4基、韓国3基の順。(日本は2基(大間と島根3号機)と掲載されている。) 

 2012年で、原子力発電所は世界の電力供給の11%を賄っている。2015年で、自国の電力供給量の1/4以上を原子力で賄っている国は、フランス(76.3%)、ウクライナ(56.5%)、ベルギー(37.5%)、スウェーデン(34.3%)、フィンランド(33.7%)、スイス(33.5%)、韓国(31.7%)など13ヶ国
〔資料1〕

Nuclear power plants provided 10.9 percent of the world's electricity production in 2012. In 2015, 13 countries relied on nuclear energy to supply at least one-quarter of their total electricity.


 2015年での原子力発電電力量について、国別に見ると、米国、フランス、ロシア、中国、韓国の順〔資料2〕


<資料1>
04
(出所:NEI資料


<資料2>
55
(出所:NEI資料

【ハフィントンポスト寄稿】『福井県核燃料税』 〜 国の不作為を地元自治体と企業が背負う変な構図・・・

『福井県核燃料税』 〜 国の不作為を地元自治体と企業が背負う変な構図・・・

 福井県の西川一誠知事は、今月3日の定例県議会に、「福井県核燃料税条例」の見直し案を提出した。核燃料税は、原子力施設が立地されている都道府県が条例で制定する「都道府県税」の一つ。

 福井県では、1976年に5年間の時限措置として核燃料税を導入して以降、現在まで延長してきた。現行の核燃料税の期限は今年11月で、原子炉に装荷した核燃料の価格に課税する「価格割」と、原子炉に熱出力に応じて課税する「出力割」がある。

 今回の見直し案は、①福井県にある全ての原子力発電所に貯蔵されている使用済核燃料の県内貯蔵を常態化させず、それらの県外への搬出を促す「搬出促進割」を新設するとともに、②「出力割」について、現行では廃止措置計画が認可された原子炉は課税対象から外れるところを、廃炉作業中の原子炉にも税率を1/2にしながら新たに課税しようというもの。

 福井県内で稼働を前提としている原子炉は、関西電力9基(高浜1〜4号機、美浜3号機、大飯1〜4号機)と、日本原子力発電1基(敦賀2号機)で計10基。これら全てが稼働した場合、現行での税収予定額が年間122億円(出力割61億円、価格割61億円)であるのが、年間143億円(出力割55億円、価格割58億円、搬出促進割30億円)と、年間21億円の増収となる計算。

 福井県内で"廃炉課税"の対象となるのは、今のところ、関西電力2基(美浜発電所1・2号機)、日本原電1基(敦賀1号機)、日本原子力研究開発機構1基(ふげん)の計4基。また、将来必ず廃炉になる原子炉が県内に更に10基あることは、上述の通りだ。

 大まかではあるが、小型炉で400〜500億円、大型炉で800億円を要するとされる廃炉費用は、「解体引当金」として運転開始から50年間かけて積み立て、それを電気料金で回収する制度が当初からある。

 この解体引当金の対象は制度上、設備解体や汚染除去、廃棄物処理・処分、放射能測定に要する費用に限定されている。だが、税金は対象外なので、上記の増税分は原子力事業者の単純な負担増になる。

 今回の見直し案も、地方税法に基づき納税者である原子力事業者の意見を聴くことになっている。一部報道によると、関西電力と日本原電は、「収益を生まない事業への課税だとして「大変厳しいもの」としつつ、核燃料税は立地地域の安全安心の確保や共生に有益として「異議なし」「賛成」との意見を提出した」そうだ。

 この見直し案は、福井県議会で可決されれば、総務相の同意を得て今年11月10日から施行される。

 廃炉作業の予定期間は、美浜1・2号機で30年間、敦賀1号機で24年間。この見直し案が実施されると、原子力事業者は、出力ゼロになった原子炉であるにもかかわらず、その廃炉終了までの間、出力割の税金を払い続けることになる。収益の生まない事業への課税なので、納税者である原子力事業者は反対するのが当然のはずだ。

 搬出促進というのも、実はかなり変な話だ。原子力事業者としては、使用済核燃料を早いうちに搬出したいはずだ。

 ところが、搬出先となる日本原燃の六ヶ所再処理工場(青森県六ヶ所村)の竣工が、原子力規制委員会とその事務局である原子力規制庁による、世界的に見ても過度に厳しい規制基準運用によって事実上阻止されているのが実情。私からすると、規制行政の経験からも、これは行政側の瑕疵であり、非常識な対応としか思えない。

 国の原子力規制行政の瑕疵や非常識が、原子力施設が立地されている地元の心理的・経済的負担や、原子力事業者の経済的負担を強いている。しかし、電力の低廉安定供給という『国策』を担う原子力事業者が、そうした国の責任部分で発生する負担を一手に引き受けるのは何故なのか?

 関西電力と日本原電は、なぜこれに同意したのか??

 関西電力は、高浜3・4号機の再稼働を実施したものの(その後、トラブルと運転差し止め仮処分で停止)、大飯3・4号の再稼働が目前に控えている。また、40年を超える運転を目指す高浜1・2号機や美浜3号機を擁する。

 原子力規制委・規制庁の審査に合格したとしても、これらの再稼働には「地元」の了解を得なければならない。言わば、「地元」に再稼働という"人質"に取られているようなものだ。

 日本原電も、再稼働申請中の敦賀2号機を抱えており、状況は同じなのだろう。

 これは、意見を言っても聞いてもらえない状況に陥っている者から金銭を徴収する「搾取」に近い行為に見える。

 もっとも、問題の根源は、現行の原子力規制運用が世界的にも異常であること。これは、国の政治責任である。国の不作為による心理的・経済的負担を、地元自治体と事業者に背負わせるというのは、変な構図であり、やめるべきだ。

 原子力規制委・規制庁の人事権を持つ安倍政権は、政治主導で原子力規制運用の改善(発電と審査を並行させることや、新規制基準に係る猶予期間の設定など)を今後早急に進めていく必要がある。

☆ニュース配信☆ 太陽光発電ブームの終息で、ようやく太陽光発電市場は健全化していく・・・

太陽光発電ブームの終息で、ようやく太陽光発電市場は健全化していく・・・

Gadgetwear

http://www.gadgetwear.net/2016/06/blog-post_16.html


livedoorニュース

http://news.livedoor.com/article/detail/11647060/


日刊アメーバニュース

http://news.ameba.jp/20160616-111/


BIGLOBEニュース

http://news.biglobe.ne.jp/economy/0616/gdw_160616_9538108310.html 



今月11日の日本経済新聞ネット記事
によると、日本政策金融公庫による新創業融資制度について、太陽光発電向け融資が急減し、「太陽光発電ブームの終息が鮮明に」なったとの由。 


<記事抜粋>

・2015年度の発電所向け融資は14年度比65%減1259件、融資金額66%減の211億円。

・全体の融資件数は2万6000件と08年の公庫設立から最多。

・全体の融資額は1926億円と過去2番目。

・発電所は14年度3549件14%を占めて最多、15年度9ポイント低下。 


記事では更に、太陽光発電向け融資が急減した原因を買取価格の低下だとし、今後も太陽光発電の創業は減少していく見通しだとも書いている。 


買取価格の推移は、下の資料にある通り。今後とも、メガソーラー(10KW以上の事業用太陽光)は、来年度の入札制度への移行によって一層の買取価格の低減が見込まれている。 


このような太陽光発電買取価格の低下傾向は、現行FIT(2012年7月に施行された再生可能エネルギーの固定価格買取制度)における太陽光発電に係る買取価格が当初異常に高かったことで発生した“太陽光バブル”を鎮静化させる過程の中に未だいることを示すもの。 


太陽光発電ブームの終息は、国のエネルギー政策の視点からは、大いに歓迎されるべきことだ。それは、太陽光発電市場が健全に発展していく過程に入る起点になることを期待させるからだ。 


ただ、日本公庫の創業支援施策の全体を考えた場合、太陽光発電が牽引してきた格好で、それはFITという規制的手法の帰結でもある。『ポスト太陽光発電』が、FITのような規制的市場なのか、そうではないのかは、まだわからない。 


異常なバブルが起こらなければ、いずれでも構わない。 先の国会で成立した改正再エネFIT特措法は、そのための布石でもある。 


<資料:買取価格(円/kWh)の推移>

37

(出所:2016.6.7 資源エネルギー庁資料)


尚、先の通常国会で成立した改正再エネFIT特措法について、私は衆参両院でのこの法案審議の参考人質疑に出席した。概要は以下の2記事を適宜参照されたい。 


2016.4.27 衆議院・経済産業委員会『再エネFIT特措法改正案』参考人質疑

2016.5.19 参議院・経済産業委員会『再エネFIT特措法改正案』参考人質疑

【石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.101】

2016年6月15日12:30~13:23【石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.101】

2015年度再エネ買取総額:当初見込みより約3100億円も未達のペース・・・

 資源エネルギー庁が定期的に更新している再生可能エネルギーに関する『固定買取価格制度 情報公表用ウェブサイト』によると、今年2月末時点における再エネ発電設備に係る買取電力量・買取金額は、それぞれ資料1・資料2の通り。

 エネ庁が昨年3月に呈示した「平成27年度 調達価格・賦課金単価について」によると、2015年度見込みベースで、再エネ買取額は年間総額1兆8370億円、再エネ賦課金の年間総額が1兆3222億円。1kWh当たり1.58円(標準家庭(月の電力使用量が300kWh)で月額474円)と設定した。

 資料2によると、昨年4月~今年2月までの11か月間の買取金額は1兆3995億円。今年度の残り1か月(今年3月)が同じ程度で推移すると仮定すると、今年度の買取金額は1兆5267億円となり、現時点のデータでは3103億円(=約3100億円)も未達のペースとなっている。

 これはあくまでも単純計算に過ぎない。太陽光や風力は天候に左右されるので、実際にどうなるかはわからない。増えるかもしれないし、減るかもしれない。いずれにせよ、この買取金額分は、再エネ導入のための電力消費者からの“補助金”のようなものだ。 


<資料1:買取電力量(万kWh)>
15


<資料2:買取金額(億円)>
39

太陽光発電ブームの終息は、太陽光発電市場の健全な発展の起点・・・

 一昨日の日本経済新聞ネット記事によると、日本政策金融公庫による新創業融資制度について、太陽光発電向け融資が急減し、「太陽光発電ブームの終息が鮮明に」なったとの由。

<記事抜粋>
・2015年度の発電所向け融資は14年度比65%減1259件、融資金額66%減の211億円。
・全体の融資件数は2万6000件と08年の公庫設立から最多。
・全体の融資額は1926億円と過去2番目。
・発電所は14年度3549件14%を占めて最多、15年度9ポイント低下。
 
 記事では更に、太陽光発電向け融資が急減した原因を買取価格の低下だとし、今後も太陽光発電の創業は減少していく見通しだとも書いている。

 買取価格の推移は、下の資料にある通り。今後とも、メガソーラー(10KW以上の事業用太陽光)は、来年度の入札制度への移行によって一層の買取価格の低減が見込まれている。

 このような太陽光発電買取価格の低下傾向は、現行FIT(2012年7月に施行された再生可能エネルギーの固定価格買取制度)における太陽光発電に係る買取価格が当初異常に高かったことで発生した“太陽光バブル”を鎮静化させる過程の中に未だいることを示すもの。

 太陽光発電ブームの終息は、国のエネルギー政策の視点からは、大いに歓迎されるべきことだ。それは、太陽光発電市場が健全に発展していく過程に入る起点になることを期待させるからだ。

 ただ、日本公庫の創業支援施策の全体を考えた場合、太陽光発電が牽引してきた格好で、それはFITという規制的手法の帰結でもある。『ポスト太陽光発電』が、FITのような規制的市場なのか、そうではないのかは、まだわからない。

 異常なバブルが起こらなければ、いずれでも構わない。

 
<資料:買取価格(円/kWh)の推移>
37
(出所:2016.6.7 資源エネルギー庁資料


 先の国会で成立した改正再エネFIT特措法は、そのための布石でもある。

 尚、先の通常国会で成立した改正再エネFIT特措法について、私は衆参両院でのこの法案審議の参考人質疑に出席した。概要は以下の2記事を適宜参照されたい。

ドイツ:『再エネの固定価格買取制度廃止へ』との報道はあるが・・・

 今月9日のNHKニュースによると、ドイツ政府は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)を来年から廃止する方針とのこと。

《報道要旨》
・16年前に導入したドイツでは発電に占める再エネ割合がおよそ3分の1。
・発電設備が急速に増えた結果、電気料金高騰、送電線整備遅れ、天候しだいで大量の電力が余ってしまうことが課題。
・「時代に合った制度に見直す必要がある」と、来年以降、新設については固定価格ではなく、より市場価格に近い価格で買い取る。
・従来施設については残りの期間、固定価格買取を続けるが、市民などが運営する小規模事業者が発電設備を造れなくなる懸念も。
15
2016.6.9 NHKニュース


 日本がドイツを参考にFITを導入したのは2012年7月。
 
 日本が見習うべきは、こうした明確な方針転換を、ドイツのように導入16年後ではなく、遅くとも次のエネルギー基本計画改定(2018年)までに打ち出すことだ。

 もっとも、日本の場合、最大の懸案である認定済未稼働案件数(H24~25年度認定案件で約36万件)の“最終処分”を緩やかにでも実行していくことが必須ではあるが・・・。

 ドイツの実情などに関することは、このブログでも多数書いている。例としては、以下のURLを参照されたい。
ドイツの家庭向け電気料金 〜 “全面自由化+再エネFIT”の19年間の軌跡
ドイツ:2015年の電源構成 〜 再エネ全体で3割超え、風力で1割超え
2016年のドイツの再エネ賦課金 〜 約2,500円/月


  
尚、先の通常国会で成立した改正再エネFIT特措法について、私は衆参両院でのこの法案審議の参考人質疑に出席した。概要は以下の2記事を適宜参照されたい。

伊東八景 〜 小室山の太陽光パネルを巡る是非論

 昨日付け伊豆新聞ネット記事では、「太陽光発電の功罪 森林転用規定の強制化を」と題する寄稿が掲載されている。

《記事要旨》
・小室山は伊東八景の一つ。
・写真の設備の事業者は伊東市に在住していない。
・伊東の山々が他者の営利事業に転用され、地元の電力料金が安くなるわけではないし、地元に所得税が落ちるわけでもない。
・原子力から自然エネルギーへの転換は望むところだが、日本の山々が太陽光パネルや風力発電設備に埋められていくのは考え物。
・大都市圏で大型の建物の屋上と南側壁面を太陽光パネル化することを強制化し、地方では森林の転用について、景観保全と防災のための規定を整備し強制化してほしい。

<小室山から天城山方向に見える太陽光発電設備>
03
2016.6.11 伊豆新聞ネット記事


 今でもまだ、太陽光など再生可能エネルギーに関する報道や寄稿には“再エネ礼賛”なものが多い中で、上記のような寄稿の趣旨が発せられることは、今後の再エネの健全な発展にとっては大変望ましいことである。

 原子力や化石燃料にも言えることだが、再エネも、功罪両面が必ずある。それを調整しながら進めていくことが、結局はその有効活用に資するものとなる。


【追記:ブロゴス http://blogos.com/article/179151/ 

福井県核燃料税の拡充 〜 問題の根源は“異常な原子力規制運用”・・・

 今月4日付け日本経済新聞ネット記事などで既報の通り、福井県は今月3日の定例県議会に、「福井県核燃料税条例」の見直し案を提出。

 現行の核燃料税の期限は今年11月で、原子炉に装荷した核燃料の価格に課税する「価格割」と、原子炉に熱出力に応じて課税する「出力割」がある。

 今回の見直し案は、次のようなもの。

 ① 福井県にある全ての原子力発電所に貯蔵されている使用済核燃料の県内貯蔵を常態化させず、それらの県外への搬出を促す「搬出促進割」を新設する。

 ② 「出力割」について、現行では廃止措置計画が認可された原子炉は課税対象から外れるところを、廃炉作業中の原子炉にも税率を1/2にしながら新たに課税する。


 福井県内で稼働を前提としている原子炉は、関西電力の高浜1〜4号機、同美浜3号機、同大飯1〜4号機、日本原子力発電の敦賀2号機の計10基。

 これら全てが稼働した場合、現行での税収予定額が年間122億円(出力割61億円、価格割61億円)であるのが、年間143億円(出力割55億円、価格割58億円、搬出促進割30億円)と、年間21億円の増収となる計算。

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(出所:2016.6.4 福井新聞)

 福井県内で“廃炉課税”の対象となるのは、今のところ、関西電力の美浜発電所1・2号機、日本原電の敦賀1号機、日本原子力研究開発機構の「ふげん」の計4基。また、将来必ず廃炉になる原子炉が県内に更に10基あることは、上述の通り。

 大まかではあるが、小型炉で400〜500億円、大型炉で800億円を要するとされる廃炉費用は、「解体引当金」として運転開始から50年間かけて積み立て、それを電気料金で回収する制度が当初からある。

 この解体引当金の対象は制度上、設備解体や汚染除去、廃棄物処理・処分、放射能測定に要する費用に限定されている。だが、税金は対象外なので、上記の増税分は原子力事業者の単純な負担増になる。

 今回の見直し案も、地方税法に基づき納税者である原子力事業者の意見を聴くことになっている。

 今月7日付け福井新聞ネット記事によると、関西電力と日本原電は、「収益を生まない事業への課税だとして「大変厳しいもの」としつつ、核燃料税は立地地域の安全安心の確保や共生に有益として「異議なし」「賛成」との意見を提出した」そうだ。

 この見直し案は、福井県議会で可決されれば、総務相の同意を得て今年11月10日から施行される。

 廃炉作業の予定期間は、美浜1・2号機で30年間、敦賀1号機で24年間。この見直し案が実施されると、原子力事業者は、出力ゼロになった原子炉であるにもかかわらず、その廃炉終了までの間、出力割の税金を払い続けることになる。収益の生まない事業への課税なので、納税者である原子力事業者は反対するのが当然。

 搬出促進というのも、実はかなり変な話だ。原子力事業者としては、使用済核燃料を早いうちに搬出したいはずだ。

 ところが、搬出先となる日本原燃の六ヶ所再処理工場(青森県六ヶ所村)の竣工が、原子力規制委員会とその事務局である原子力規制庁による、世界的に見ても過度に厳しい規制基準運用によって事実上阻止されているのが実情。私からすると、規制行政の経験からも、これは行政側の瑕疵であり、非常識な対応としか思えない。

 国の原子力規制行政の瑕疵や非常識が、原子力施設が立地されている地元の心理的・経済的負担や、原子力事業者の経済的負担を強いている。しかし、電力の低廉安定供給という『国策』を担う原子力事業者が、そうした国の責任部分で発生する負担を一手に引き受けるのは何故なのか?

 関西電力と日本原電は、なぜこれに同意したのか??

 関西電力は、高浜3・4号機の再稼働を実施したものの(その後、トラブルと運転差し止め仮処分で停止)、大飯3・4号の再稼働が目前に控えている。また、40年を超える運転を目指す高浜1・2号機や美浜3号機を擁する。

 原子力規制委・規制庁の審査に合格したとしても、これらの再稼働には「地元」の了解を得なければならない。言わば、「地元」に再稼働という“人質”に取られているようなものだ。

 日本原電も、再稼働申請中の敦賀2号機を抱えており、状況は同じなのだろう。

 これは、意見を言っても聞いてもらえない状況に陥っている者から金銭を徴収する「搾取」に近い行為に見える。

 もっとも、問題の根源は、現行の原子力規制運用が世界的にも異常であること。これは、国の政治責任である。国の不作為による心理的・経済的負担を、地元自治体と事業者に背負わせるというのは、変な構図であり、やめるべきだ。

 原子力規制委・規制庁の人事権を持つ安倍政権は、政治主導によって原子力規制運用の改善(発電と審査を並行させることや、新規制基準に係る猶予期間の設定など)を今後早急に進めていく必要がある。


【追記:ブロゴス 
http://blogos.com/article/179131/

【ハフィントンポスト寄稿】消費増税再延期 〜 不足財源5.5兆円の穴埋めは『公務員人件費26.5兆円』の2割で・・・

消費増税再延期 〜 不足財源5.5兆円の穴埋めは『公務員人件費26.5兆円』の2割で・・・


2016年度予算ベースでは、消費税1%分は約2.7兆円〔資料1〕。

2017年4月に予定されている消費増税(税率8%→10%)を2019年10月まで再延期することで、2017年度と2018年度では、それぞれ予定していた約5.5兆円の財源が確保できなくなる計算。

<資料1>


2016-06-03-1464970739-6872845-201606040.20.47.png
(出所:財務省HP「消費税の社会保障財源化」

では、この不足財源(約5.5兆円)をどこから捻出するのか?

国民理解を得やすいと政治的に思いつかれやすいのは、やはり公務員人件費であろう。2016年度予算における公務員人件費は、国・地方合わせて26.5兆円〔資料2〕で、この約20.7%分が約5.5兆円となる。

26.5兆円 × 20.7% ≒ 約5.5兆円

<資料2>


2016-06-03-1464970954-7899844-201606041.19.57.png
(出所:平成27年12月 財務省主計局「平成28年度 公務員人件費」

社会保障財源が必要である主因は、少子高齢化という社会全体の変化に伴う高齢者向け予算の自然増にある。だから、社会保障財源の必要増分は、消費増税など社会全体で賄うことにするか、年金・高齢者医療など自然増分である高齢者向け予算を削減するか、が本筋のはず。

しかし、年金・高齢者医療は、日本の政治・社会における最大の利権の塊であり、そう易々と削減できるものでもない。今までもそうだった。そして、憲法改正に向けた安倍政権の姿勢を始め、今後の政治情勢を俯瞰すれば、やはりそう思わざるを得ない。

そこで浮上する可能性が高いのは、公務員人件費からの転用。この手法は、筋論としては全くおかしな話ではある。だが、公務員人件費の転用は、最も政治リスクが小さい安直な手法である。現役世代である公務員の人件費を、退役世代である高齢者に回すのは、甚だおかしな話である。

本来は、高齢者向け予算の削減に係る社会的痛みの甘受を国民に訴えるのが政治・行政の役割と思われるのだが、そうはならないのが実情。選挙の時、それを有権者に語りかける候補者は、そうはいない。(もっとも、それを理解・納得する有権者は案外多いのではないだろうか、とも思うが・・・。)

因みに、いつになるか皆目わからない消費税率10%時には、社会保障4経費(年金、医療、介護、子ども・子育て支援)に回すための社会保障財源は、地方消費税1%分(約2.7兆円)を除くので、消費税率9%分(約24.5兆円)となる〔資料3〕。

<資料3>


2016-06-03-1464970914-4402912-201606040.26.21.png
(出所:財務省HP「消費税収の国・地方の配分と使途」

2015年の再エネ発電量 〜 世界の一次エネルギー消費量の2.8%を記録・・・

 毎年6月に更新される BP Statistical Review of World Energy の最新版によると、2015年の世界のエネルギー消費に関して、次のようなことが言える〔資料1〕

 ① 2015年の世界の一次エネルギー消費量の伸びは、金融危機の余波による下落を除き、1998年以来の平均1.0%の伸びを下回った。欧州とユーラシアを除く全ての地域での伸びは平均を下回った。
 ② 石油と原子力を除く全ての燃料は、平均以下の伸び。
 ③ 依然として石油が世界の支配的な燃料。
 ④ 再生可能エネルギー発電量は、世界の一次エネルギー消費量の2.8%を記録。

《原文より抜粋》
World primary energy consumption grew by a below-average 1.0% in 2015, the slowest rate of growth since 1998 (other than the decline in the aftermath of the financial crisis). Growth was below average in all regions except Europe & Eurasia. 
All fuels except oil and nuclear power grew at below-average rates.
Oil remains the world’s dominant fuel and gained global market share for the first time since 1999, while coal’s market share fell to the lowest level since 2005. 
Renewables in power generation accounted for a record 2.8% of global primary energy consumption.
 

<資料1:世界の一次エネルギー消費量の推移と内訳>
24


 また、原油、天然ガス、石炭の価格の推移と主な流通経路は、次の通り。これらを見ると、次のようなことが言える。

 ① 原油価格は高下の歴史であり、常時高値でも常時安値でもない〔資料2〕
 ② 原油について、日本では中東依存度が高い〔資料3〕
 ③ 日本が調達する天然ガス(LNG(液化天然ガス))の価格は、2009年頃までは諸外国と同水準であったが、2010年以降上昇し、東日本大震災の起こった2011年以降、原子力発電所停止に伴う輸入量の急増もあってか、更に価格差が広がった。現在は、下落過程にある〔資料4〕
 ④ 日本のLNG調達先は、原油調達に比して多様化している〔資料5〕
 ⑤ 日本が調達する石炭の価格は、2008年頃から諸外国と価格差は開き始め、2011年で急騰したが、それ以降は下落過程にある〔資料6〕


<資料2:原油価格の推移>
23


<資料3:世界の主な原油流通状況>
52


<資料4:天然ガス価格の推移>
23


<資料5:世界の主な天然ガス流通状況>
48


<資料6:石炭価格の推移>

30





 

【石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.100】

2016年6月9日12:30~13:23【石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.100】


Youtube : https://youtu.be/NuJuBSLRoDA



<アンケート調査結果>
Q:ドイツのように日本もFIT廃止を表明すべきと思うか?
A:思う62.6%、思わない14.5%、わからない22.9% 

参議院『国際経済・外交に関する調査報告(2016年5月)』について

 先のブログ記事(☆1☆2)で書いた通り、昨年4月15日の参議院「国際経済・外交に関する調査会」で、『持続的繁栄を支える資源・エネルギー問題等の現状と課題』をテーマに意見陳述の機会を頂戴した。

 この調査会が先月11日、「国際経済・外交に関する調査報告」と題する報告を参議院議長に提出したとの由。

 その中で、私の意見陳述概要が掲載されているので、以下にその全文を転載しておく。
 


◎石川和男参考人(NPO法人社会保障経済研究所代表)
 
 国際資源動向は誰にも予想できないのではないか。資源国の情勢や国際経済、
需給動向などが予想できない中で、日本は強靱なエネルギー供給構造を立ててい
く必要がある。これは不変かつ普遍である。原油価格下落でシェール市場も不安
定になっている。シェール革命は一つの事象に過ぎず、日本に未来永劫、多大な
効果があるとは思えない。日本には安全網を整備するという原点に立ち返ったエ
ネルギー・資源政策が必要である。

 日本はいざというときに、余裕を持った供給構造とすべきであり、そのための
幾らかのコストは仕方がない。日本には水力、太陽光、風力などの再生可能エネ
ルギーがある。原子力も世界的に準国産エネルギーと扱われている。この両者を
一定量確保しておく必要がある。再生可能エネルギーにはコスト問題があり、高
コストのものを進めるには、補填の仕方に工夫が必要となる。日本の買取価格は
高過ぎ、引き下げる必要がある。また、太陽光や風力は不安定なため、化石燃料
で補填すると、そのコストも必要となる。一方、既設の原子力発電所で発電を行
い、安い電気で得た収益で補填する仕組みを作れば、両方をうまく進められる。

 原発事故の結果、政治的に脱原発へフェードアウトしていくことは仕方がない
が、核のゴミ処理の解決は必要となる。原発は稼働して処理費用も回収するよう
に計算されている。原発を止めれば安全という空気があるが、そうではない。福
島第一原発も発電は地震で止まった。また、廃炉プロセスにも安全対策は必要で
あり、そのための費用も掛かるが、止めているからお金がない。原発は葬式代を
自分で出すモデルであり、原発をやめるプロセスを示す時期に来ている。

 今後、アジアで原発が増えれば、六ヶ所村の再処理施設は安全保障に資するほ
か、市場にもなり得る。最終処分では海外との協調も必要ではないか。トイレな
きマンション論の誤解払拭の努力も必要となる。原発と再生可能エネルギーは対
立ではなく協調である。

【【訂正】】電力会社の切り替え(スイッチング)に関するブログ記事の修正について

 6月3日付けのブログ記事「電力小売自由化2ヶ月経過 〜 電力会社の切り替えは約70万件(全世帯の最大1.2%程度)」の記事の中で、“(電力広域的運営推進機関からの)公開情報には『自社内スイッチング分』が書かれていない”との認識は事実誤認でした。

 下の資料が、資源エネルギー庁による直近の公式発表であるため、電力会社の切り替え(スイッチング)に関しては今後、この統計手法を基に試算していくことと致します。

 また、世帯数比率の試算に係る分母である全世帯数を、エネ庁は「2015年度の一般家庭等の通常の契約口数(約6,253万件)」としているため、今後はこれを基に試算してまいります。尚、私のブログ記事ではこれまで、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(2015年1月1日現在)による『全国の世帯数は5,641万2,140』を用いていましたが、これよりも分母が大きくなることになります。

<資料>
27
(出所:資源エネルギー庁 「小売全面自由化に関する進捗状況」(2016.5.25)


 したがって、先のブログ記事でのスイッチングに係る試算値に関して、次のように修正します。

修正前:全国の世帯数は5,641万2,140なので、今のところ、切り替え件数は最大で全体の1.2%、情報照会から切り替えに至るのは14.7%となる。

修正後:全国の世帯数は約6,253(2015年度の一般家庭等の通常の契約口数)なので、今のところ、切り替え件数は全体の1.7%、情報照会から切り替えに至るのは21.6%となる。

月刊Business i. ENECO 地球環境とエネルギー 2016年6月号:極東アジアの核セキュリティ問題 「日本は完全に管理され安全」IAEA関係者

 先月28日発売の月刊 Business i. ENECO 地球環境とエネルギー 2016年6月号での連載「石川和男のエネルギー&環境スピークアウト」。

<極東アジアの核セキュリティ問題 「日本は完全に管理され安全」IAEA関係者>
43

01
14

 

【国会議事録】2016.4.27 衆議院・経済産業委員会『再エネFIT特措法改正案』参考人質疑

 先のブログ記事で書いた通り、4月27日の衆議院・経済産業委員会で、再エネFIT特措法改正案(=電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法等の一部を改正する法律案)を議案とした参考人質疑に出席させて頂いた。

 その際の議事録が整備されたので、適宜参照されたい。

  → http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/190/0098/19004270098009a.html

消費増税再延期 〜 不足財源5.5兆円の穴埋めは『公務員人件費26.5兆円』の2割で・・・??

 2016年度予算ベースでは、消費税1%分は約2.7兆円〔資料1〕

 2017年4月に予定されている消費増税(税率8%→10%)を2019年10月まで再延期することで、2017年度と2018年度では、それぞれ予定していた約5.5兆円の財源が確保できなくなる計算。


<資料1>
47
(出所:財務省HP「消費税の社会保障財源化」


 では、この不足財源(約5.5兆円)をどこから捻出するのか?

 国民理解を得やすいと政治的に思いつかれやすいのは、やはり公務員人件費であろう。2016年度予算における公務員人件費は、国・地方合わせて26.5兆円
〔資料2〕で、この約20.7%分が約5.5兆円となる。

    26.5兆円 × 20.7% ≒ 約5.5兆円
 
<資料2>
39
(出所:平成27年12月 財務省主計局「平成28年度 公務員人件費」


 社会保障財源が必要である主因は、少子高齢化という社会全体の変化に伴う高齢者向け予算の自然増にある。だから、社会保障財源の必要増分は、消費増税など社会全体で賄うことにするか、年金・高齢者医療など自然増分である高齢者向け予算を削減するか、が本筋のはず。

 しかし、年金・高齢者医療は、日本の政治・社会における最大の利権の塊であり、そう易々と削減できるものでもない。今までもそうだった。そして、憲法改正に向けた安倍政権の姿勢を始め、今後の政治情勢を俯瞰すれば、やはりそう思わざるを得ない。

 そこで浮上する可能性が高いのは、公務員人件費からの転用。この手法は、筋論としては全くおかしな話ではある。だが、公務員人件費の転用は、最も政治リスクが小さい安直な手法である。現役世代である公務員の人件費を、退役世代である高齢者に回すのは、甚だおかしな話であるにもかかわらず・・・。

 本来は、高齢者向け予算の削減に係る社会的痛みの甘受を国民に訴えるのが政治・行政の役割と思われるのだが、そうはならないのが実情。選挙の時、それを有権者に語りかける候補者は、そうはいない。(もっとも、それを理解・納得する有権者は案外多いのではないだろうか、とも思うが…)

 因みに、いつになるか皆目わかならない消費税率10%時には、社会保障4経費(年金、医療、介護、子ども・子育て支援)に回すための社会保障財源は、地方消費税1%分(約2.7兆円)を除くので、消費税率9%分(約24.5兆円)となる〔資料3〕

<資料3>
21
(出所:財務省HP「消費税収の国・地方の配分と使途」


【追記:ブロゴス http://blogos.com/article/178157/

電力小売自由化2ヶ月経過 〜 電力会社の切り替えは約70万件(全世帯の最大1.2%程度)

 経済産業省の認可法人である電力広域的運営推進機関が、先月31日24時までの情報照会、スイッチング(切り替え)の申込み状況を集計したところ、それぞれ全国計で478.59万件、103.55万件であった。

 これら大手10電力会社のうち、『自社内スイッチング分』、即ち自社の小売部門の規制料金メニューから自社新しい自由料金メニューへの移行分を公表しているのは、4月14日付け東京電力発表の約33.2万件のみ。

 下表の時点とは時差があるが、現時点で公表されている東京電力の自社内スイッチング分(約33.2万件)を、大手10電力会社の自社内スイッチングの最低限のものとして数えてみると、上記の「103.55万件」は「最大で70.35万件」になる。


06
(出所: https://www.occto.or.jp/oshirase/hoka/files/201605_swsys_riyoujyoukyou.pdf


 総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(2015年1月1日現在)によると、全国の世帯数は5,641万2,140なので、今のところ、切り替え件数は最大で全体の1.2%、情報照会から切り替えに至るのは14.7%となる。

 4月1日は電力小売自由化の開始日。ちょうど2ヶ月以上経た先月末時点で最大1.2%程度という切り替え率が多いのか少ないのかは、人それぞれの感覚によるだろう。

 経産省が昨年11月18日に発表した資料では、「8割の人は、少なくとも切り替えの検討はする意向」、「現時点で切り替えを前向きに捉えている(「すぐにでも変更したい」「変更することを前提に検討したい」)人に限っても、25%弱存在する」とのアンケート調査結果が掲載されている。

 しかし上述のように、現実はまだまだその域には達していない。

 今日付け日本経済新聞ネット記事では、「電力広域的運営推進機関が発表した切り替え件数は5月31日時点で103万5500件・・・契約を切り替えた人が100万人に達した・・・全体に占める割合からみれば約1.7%にとどまる・・・」と書かれているが、同機関からの公開情報には『自社内スイッチング分』が書かれていないので、報道機関はそこまで加味した情報を伝え切れていないのだ。

 
今後は、大手10電力会社の自社内スイッチング分を差し引いたものも集計しておく必要がある。そうでないと、真の意味でのスイッチング件数は出てこないからだ。 

2015年の再エネ発電量の割合:世界計24%(水力17%、風力4%、バイオマス2%、太陽光1%、地熱等0.4%)

 再生可能エネルギーは近年、日本でも世界でも急速に導入が進められてきている。その再エネの中で最も注目を浴びているのは、自然エネルギーの2大有望株である風力と太陽光であろう。

 では、世界全体のエネルギー需給に占める風力発電と太陽光発電は、現状はどのくらいで、今後はどのような見通しなのか?

 UNEP(国連環境計画)傘下の研究機関である REN21 が昨日公開した調査報告書である RENEWABLES 2016 GLOBAL STATUS REPORT によると、
 ① 最終エネルギー消費に占める風力・太陽光の比率は合計1.4%未満
〔資料1〕
 ② 発電電力量に占める風力、太陽光の比率はそれぞれ3.7%、1.2%〔資料2〕
となっている。

 

<資料1:最終エネルギー消費のエネルギー源構成(2014年)>
03
(出所:REN21 “RENEWABLES 2016 GLOBAL STATUS REPORT(KEY FINDINGS)”)


<資料2:発電電力量に占める電源構成(2015年)>
14
(出所:REN21 “RENEWABLES 2016 GLOBAL STATUS REPORT(KEY FINDINGS)”)


 次に今後の見通しであるが、エネルギー全体で見て、堅く見積もったシナリオ、高めに見積もったシナリオ、その中間的なシナリオなどがある〔資料3〕


<資料3>
31
(出所:REN21 “RENEWABLES GLOBAL FUTURES REPORT 2013”)


 これらのうちのどれを期待するかは、それぞれの立場によって異なるだろう。

 私としては、IEA WEO や ExxonMobile のシナリオの水準が、最も現実的実務的に的確なものと思っている。即ち、風力・太陽光に水力・地熱・バイオマスを合わせたもので、2040年頃でもエネルギー全体の2割に満たない程度であろうと予想している。

 将来の
再エネ100%化に向けて諸々の技術開発・実証を引き続き行うことは必須だろうが、そこまでの道程はまだまだ遠い。蓄電・蓄熱システムが商用化されるまでは、劇的なエネルギー転換は覚束ない。

 エネルギー転換は、かなりゆっくりとした牛歩でしか進まないし、進めない。それは、歴史が証明している。再エネ100%化は22世紀になると予想する。それまでは、化石燃料と原子力で凌いでいくしかない。

【石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.99】

2016年6月1日12:30~13:21【石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.99】



<番組内アンケート結果>
Q:どの政党を支持するか?
A:自民44.0%、公明1.7%、民進3.5%、共産10.5%、お維8.7%、元気8.7%、社民1.7%、こころ10.5%、その他10.5%

Q:消費増税再延期についてどう思うか?
A:賛成68.8%、反対21.8%、わからない9.3%

Q:もんじゅ存続についてどう思うか?
A:賛成42.6%、反対37.1%、わからない20.3%

 

【ハフィントンポスト寄稿】「原発を"40年"過ぎたら即停止させるのは不適切」との米国専門家の助言を、原子力規制委・規制庁は完全無視するが・・・

「原発を"40年"過ぎたら即停止させるのは不適切」との米国専門家の助言を、原子力規制委・規制庁は完全無視するが・・・


原子力規制委員会は、4月20日の会合で、40年を超えた運転を目指す関西電力の高浜原子力発電所1・2号機(福井県高浜町)の再稼働に向けた新規制基準適合性審査での『合格』に当たる審査書を正式決定した。

7月7日までに、設備の詳細設計を定めた「工事計画の認可」と「運転延長の認可」が必要であるが、これらが認可されれば、廃炉に追い込まれず運転を継続することができる。

来る12月に満40年を迎える関西電力の美浜原子力3号機(福井県美浜町)について、原子力規制委員会の新規制基準適合性審査に合格する見通しになったという報道もある。

だが、これで"原発40年規制"の問題が解決したと考えるのは大きな誤りだ。

私はこの問題について、雑誌やネットメディアを通じてこれまで何度も指摘してきた。"原発40年規制"は、科学的根拠のない「政治的な空気」で決められたものであり、世界の常識である「稼働させながらの審査」を行わず、日本国内で使われるべき数兆円規模の巨額の国富を徒らに海外流出させてしまうようなルールなのだ。

ここでまた、新たな問題が浮上している。

「国内外の多様な意見に耳を傾け、孤立と独善を戒める」とは、原子力規制委の組織理念の一つである。だが、田中俊一委員長は"原発40年規制"に関する海外の専門家からの意見を完全に無視する方針のようだ。

4月13日の原子力規制委の会合で、「国際アドバイザーからの意見について」と題する議案が審議された。これは、国際アドバイザーの一人であるメザーブ氏が、現行の日本の原子力規制に問題があり、それを是正すべきとの意見で、その書簡の中で、原子力発電所の運転延長制度について、「審査完了に失敗した結果が、必然的に運転停止になってしまうことは不適切」などと指摘。「ライセンス更新を規定する法令の調整が適当」と助言した。

この指摘をもう少し詳しく見てみると、次の通りだ。

『日本は、運転期間の延長を認めています。しかし、日本の関係法令では、現行のライセンスの有効期限の15ヵ月前まで待たないと申請できないと我々は理解しています。そして、有効期限までにライセンス更新の認可が出ない場合は、更新申請の手続きは停止され、原子力発電所は廃炉されなければなりません。
我々の見方では、ライセンス更新を規定する条項は極めて問題であります。(中略)

審査完了に失敗した結果が、必然的に運用停止となってしまうことも、不適切のように思います。(中略)

原子力規制委員会が、その審査に与えられた短い期間の中で業務を完了できなかった場合の帰結が、事業者への罰となるということは、不公平であると思います。

USNRCの規則では、事業者が十分な更新申請を現行のライセンス有効期限の少なくとも5年前に申請した場合、現行ライセンスの有効期限後も引き続き、NRCの審査が完了するまでの間は、発電所を運転できることとなっています。(中略)

ライセンス更新を規定する法令の調整が適当と思います』

しかし、これに対する原子力規制庁の見解は、次の通りだ。

『延長認可における審査は、延長しようとする期間(最長20年)において、健全性を維持できることを明確にすることを求めるものであり、適合性審査の申請がなされていることを前提とすれば、延長認可における審査を行う上での時間的な問題は想定されない』

要するに規制委は、新規制基準に基づく適合性審査については申請時期に制約はなく、延長認可審査を行う上で時間的な問題は生じないとしている。

また、田中委員長は、4月13日の会合で「運転期間延長のところは若干誤解があったというふうに思います」と、また、その直後の定例記者会見で「実質的に、特にそれが問題になるようなことは今ないと思いますけれどもね。(中略)40年について疑問を持つのは向こうの勝手だけれども、40年というのは法律で決められた、私たちにとっては与えられた条件だから、私たちが議論してもしようがないことです」と述べている。

つまり、田中委員長は「法律で決められているから議論してもしょうがない」として、国際アドバイザーからの意見を完全に無視したわけだ。

田中委員長は「問題になっていない」と言うが、これは現実を無視した発言だ。

高浜1・2号機と美浜3号機の審査は"時間切れアウト"を避けるために、規制委は他の発電所をそっちのけで優先審査したため、何とか期限内に審査が終わる見通しだ。

運転延長の申請をまだ行っていない日本原子力発電東海第二原子力発電所(来年11月までに認可が必要)、関西電力大飯原子力発電所1号機(再来年3月までに認可が必要)、同大飯2号機(再来年12月までに認可が必要)など、100万kW級の原子力発電所が続き、これらに係る審査の帰趨も大きな問題になる。

しかし残念ながら、今の日本国内の「空気」では、(これは多分にマスコミが煽動しているようなものと思うのだが)、"原発40年規制"を直ちに改善するような議論を期待することはできそうにない。その間にも、巨額の国富が海外流出し続けるわけだが・・・。

そこで、次の2点を提案したい。

(1) 審査中に40年の運転期限を迎えた場合の解釈を明確化する。


これは、昨年8月20日に公表された自民党の「原子力利用の安全に係る行政組織の3年見直し等に関する提言」に明記されていることだ。

国際アドバイザーが指摘する「ライセンスの有効期限の15ヵ月前まで待たないと申請できない」との条項は、「法律」(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律)ではなく、原子力規制委が所管する「規則」(実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則)に規定されている。同法第43条の3の32では「その満了に際し」、「原子力規制委員会規則で定めるところにより」とし、具体的な手続きは同規則で定めることができる。

そこで、「その満了に際し」(運転延長の申請中に40年を迎えた場合の手続き)として、審査期間中は運転期間の時計が止まることを原子力規制委が同規則で規定すれば十分だ。田中委員長は「法律で定められているから」と言って逃げず、原子力規制委の権限において、国会審議の必要がない同規則を早期に改正すべきである。

むしろ、田中委員長は法令でも何でもなく、法的拘束力の全くない「田中委員長私案」に基づき、全ての原子力発電所を停止させ、バックフィットの審査を行っている。だから本件に関しても、甚だ邪道ではあるが、「私案」を発表すれば済むことなのかもしれない。

(2) 原子炉等規制法に適切な条文追加をする。


「鉱業法」に、参考になる条文がある。

『鉱業法第20条:第18条第2項の申請(試掘権の延長申請)があつたときは、試掘権の存続期間の満了の後でも、その申請が拒否されるまで、又は延長の登録があるまでは、その試掘権は、存続するものとみなす』

つまり、延長が申請され、その審査を行っている間は、法律上の時計は止まっているのだ。こうした『常識的な』ルールならば、申請する側も、審査する側も、時間の制約なしに、しっかりした議論をすることができる。

通常、法律に新しい条文を追加する時は、他の似たような法律を調べて整合させるはずだ。しかし、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律を4年前に変更し、"原発40年規制"を追加した際には、上述のような鉱業法の規制体系は参酌されていない。

規制運用に専従する原子力規制庁の行政官は、いわば規制法の専門家たちだ。彼らが類似の法令を見落とすとは考えられない。この"審査中は時計が止まる"条文を追加しなかったのは、前政権・菅直人元首相が仕組んだ"原発ゼロ"の置き土産なのではないだろうか。

安倍政権は原子力政策に及び腰であるように思える。「前面に出る」(安倍首相)と言っておきながら、そうは見えない。来る7月10日に予定される参院選が終わってからでも遅くはない。自民党の提言にもある"原発40年規制の解釈"を明確にするとともに、原子力規制委の規制運用を改善させ、原子力発電の早期再開を政治的に命令していくべきだ。

2015年のEU 〜 家庭向けの電気料金2.4%増・ガス料金1.7%減

 5月27日付けの eurostat newsrelease によると、2015年のEU(欧州連合)でのエネルギー価格について、EU全体の平均で、
 ① 家庭向けの電気料金は2.4%増(対08年比33%増)、税金・課徴金の割合は33% 
 ② 家庭向けのガス料金は1.7%減(対08年比14%増)、税金・課徴金の割合は23%
であった。


《原文より抜粋》
In the European Union (EU), household electricity prices rose by 2.4% on average between the second half of 2014 and the second half of 2015 to reach €21.1 per 100 kWh. Since 2008, electricity prices in the EU have risen by 33%. 
 
Household gas prices went down by 1.7% on average in the EU between the second halves of 2014 and 2015 to stand at €7.1 per 100 kWh. Since 2008, gas prices in the EU have risen by 14%. 

Taxes and levies in the EU made up on average a third (33%) of the electricity price charged to households in the second half of 2015, and almost a quarter (23%) of the gas price. 

43
 

 EU加盟各国の電気料金について、税金・課徴金の割合は、
 ① デンマーク(69%)、ドイツ(52%)、ポルトガル(50%)が上位
 ② 他の主要国ではイタリア(39%)、オーストリア(38%)、スウェーデン(36%)、フィンランド(34%)、フランス(34%)、オランダ(33%)、ベルギー(22%)、スペイン(21%)、イギリス(5%)
 ③ 平均では33%
であった。


The share of taxes and levies in total household electricity prices varied significantly between Member States, ranging from at least half in Denmark (69% of household electricity price is made up of taxes and levies), Germany (52%) and Portugal (50%) to 5% in both Malta and the United Kingdom in the second half of 2015. On average in the EU, taxes and levies accounted for a third (33%) of household electricity prices. 

02


 EU加盟各国のガス料金について、税金・課徴金の割合は、
 ① デンマーク(57%)、ルーマニア(47%)、スウェーデン(45%)、オランダ(44%)が上位
 ② 他の主要国では、イタリア(35%)、オーストリア(26%)、ドイツ(25%)、ベルギー(23%)、フランス(21%)、スペイン(20%)、イギリス(5%)
 ③ 平均では23%
であった。

In the second half of 2015, taxes and levies made up the largest contribution to the price of gas for households in Denmark (57% of household gas price). It was followed by Romania (47%), Sweden (45%) and the Netherlands (44%). At the opposite end of the scale, the smallest contribution was registered in the United Kingdom (5%), well ahead of Luxembourg (14%), Bulgaria, the Czech Republic, Ireland, Lithuania and Slovakia (all 17%). At EU level, taxes and levies accounted on average for nearly a quarter (23%) of household gas prices in the second half of 2015. 
 
34

 

2015年の米国 〜 石油・天然ガス生産量世界一を維持(サウジアラビア・ロシアを超えている・・・)

 5月23日付けの米国エネルギー情報局(U.S. Energy Information Administration)の発表によると、米国は、
 ① 2012年、石油と天然ガスの合計生産量で、ロシアを超えて世界一
 ② 2011年以降、天然ガス生産量で世界一
 ③ 2013年以降、石油生産量で世界一
となっている。


《原文より抜粋》
The United States remained the world's top producer of petroleum and natural gas hydrocarbons in 2015, according to U.S. Energy Information Administration estimates. U.S. petroleum and natural gas production first surpassed Russia in 2012, and the United States has been the world's top producer of natural gas since 2011 and the world's top producer of petroleum hydrocarbons since 2013.

57


 2015年の米国では、WTI原油スポット価格の下落(1月47$/bbl→12月37$/bbl)や、石油・天然ガス掘削機械数の60%減にもかかわらず、シェールオイル・シェールガス層(tight oil and shale gas formations)からの生産量は増加した。

Throughout 2015, U.S. crude oil prices remained relatively low, with the spot price of West Texas Intermediate crude oil declining from $47 per barrel in January to $37 per barrel in December. Despite low crude oil prices and a 60% drop in the number of operating oil and natural gas rigs, U.S. petroleum supply still increased by 1.0 million barrels per day in 2015. U.S. natural gas production increased by 3.7 billion cubic feet per day, with nearly all of the increase occurring in the eastern United States.

Increases in U.S. petroleum and natural gas production over the past several years are directly attributed to production from tight oil and shale gas formations.


 サウジアラビアは、世界の石油市場の安定化のための生産調整を行ってきた過去の例とは対照的に、2014〜15年では原油価格下落や在庫増となったが原油生産量を減らさなかったため、2015年に石油・天然ガス生産量は3%増であった。米国では2015年、サウジアラビアの倍以上の石油・天然ガス生産量であった。

In contrast to past actions to raise or lower oil production levels to balance global oil markets, Saudi Arabia did not reduce petroleum production in late 2014 or 2015, even as oil prices fell and global inventories of oil rose. As a result, Saudi Arabia's total petroleum and natural gas hydrocarbon production rose by 3% in 2015. Still, the United States produced more than twice the petroleum and natural gas hydrocarbons as Saudi Arabia produced in 2015.


【追記:ブロゴス http://blogos.com/article/177366/

☆ニュース配信☆ ドイツ:ついに「太陽光発電への新課税」を検討・・・

ドイツ:ついに「太陽光発電への新課税」を検討・・・

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http://news.biglobe.ne.jp/economy/0525/gdw_160525_7577661268.html


5月24日付けの pv magazine によると、ドイツ政府はエネルギー税制改革の一環として、太陽光発電への新たな課税を検討しているようだ。 

《原文より抜粋》
・・・German government considers revising the energy tax system. Solar advocates warn of heavy consequences for the industry. 

ドイツ財務省は、太陽光発電(20MW/h未満までの小規模設備は除く)の再生可能エネルギー消費者への課税(2¢/kWh)を提案。 

・・・German Ministry of Finance wants renewable energy consumers to pay taxes of $2 cent per kilowatt-hour consumed directly from their own solar systems.
・・・The initiative by the Ministry of Finance proposes tax exemption only for small renewable plants up to 20 MW/h per year. 

これに対して、ドイツの太陽光発電関連の業界団体(BSE)は、この新税制は太陽光発電事業者に大きな影響を与えるだろうと警告。 

・・・BSW warns that the new regulations would heavily impact solar energy operators. 

日本の再エネ政策は、ドイツを“見習う”というか“見倣う”というか、とにかくドイツの動向に大きく左右される。 

今国会では、再エネFIT特措法改正案http://www.meti.go.jp/press/2015/02/20160209002/20160209002.html)が審議されているが、その附則第20条では「3年後の見直し」が規定されている。 

上記のようなドイツの動向にもよるだろうが、その3年後見直しの大きなテーマとして、日本でも再エネ新課税が検討されるかもしれない。 

尚、私は衆参両院での本法案審議の参考人質疑に出席した。概要は以下の2記事を適宜参照されたい。

◎2016.4.27 衆議院・経済産業委員会『再エネFIT特措法改正案』参考人質疑(http://blog.livedoor.jp/kasumigaseki_soken/archives/47435256.html) 

◎2016.5.19 参議院・経済産業委員会『再エネFIT特措法改正案』参考人質疑(http://blog.livedoor.jp/kasumigaseki_soken/archives/47591765.html

電力会社の切り替え(自社内での切り替え分を除く):5/13集計で約57万件(全世帯の1.0%程度)

 経済産業省の認可法人である電力広域的運営推進機関が、今月13日24時までの情報照会、スイッチング(切り替え)の申込み状況を集計したところ、それぞれ全国計で383.67万件、89.83万件であった。

 これら大手10電力会社のうち、『自社内スイッチング分』、即ち自社の小売部門の規制料金メニューから自社新しい自由料金メニューへの移行分を公表しているのは、4月14日付け東京電力発表の約33.2万件のみ。

 下表の時点とは時差があるが、現時点で公表されている東京電力の自社内スイッチング分(約33.2万件)を、大手10電力会社の自社内スイッチングの最低限のものとして数えてみると、上記の「89.83万件」は「56.63万件」になる。



無題
(出所: https://www.occto.or.jp/oshirase/hoka/files/20160520_swsys_riyoujyoukyou.pdf 


 総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(2015年1月1日現在)によると、全国の世帯数は5,641万2,140なので、今のところ、切り替え件数は全体の1.00%、情報照会から切り替えに至るのは14.8%となる。

 先月1日は電力小売自由化の開始日。1ヶ月以上経た今月上旬の時点で1.00%という切り替え率が多いのか少ないのかは、人それぞれの感覚によるだろう。

 因みに、経産省が昨年11月18日に発表した資料では、「8割の人は、少なくとも切り替えの検討はする意向」、「現時点で切り替えを前向きに捉えている(「すぐにでも変更したい」「変更することを前提に検討したい」)人に限っても、25%弱存在する」とのアンケート調査結果が掲載されている。

 しかし上述のように、現実はまだまだその域には達していない。

 今後は、大手10電力会社の自社内スイッチング分を差し引いたものも集計しておく必要がある。そうでないと、真の意味でのスイッチング件数は出てこないからだ。 

【ハフィントンポスト寄稿】「もんじゅ」組織変更の決定は参院選後に延期 〜 新『再処理機構』に移管する以外には妙案なし・・・

「もんじゅ」組織変更の決定は参院選後に延期 〜 新『再処理機構』に移管する以外には妙案なし・・・


 今回の検討の契機となった"原子力規制委から文部科学省への最後通牒"とは、「もんじゅ」(福井県敦賀市)の保守管理ミスが続く日本原子力研究開発機構(JAEA)が能力不足だから別の運営主体を探せ!ということ。

 これに対して、文科省・「もんじゅ」の在り方に関する検討会の報告書案では、その最終ページにおいて、「新たな運営主体については、現在の「もんじゅ」が置かれている厳しい状況を十分に認識した上で、今回のとりまとめにおいて示した要件を適切に満たすことのできる体制・仕組みを備えることを期待する」と書かれている。

 これは要するに、まだ何も決められないのでもうちょっと待って! m(_ _)m 、、、という趣旨。眼前の政治スケジュールを考えれば、本件の結論は、来る7月10日の参院選の後になるだろう。

 私は、今月18日に公布された「再処理等拠出金法」に基づいて新設される新『再処理機構』に移管することが唯一無二の最適解と考える。

 それに関する詳細は、拙稿『「もんじゅ」改革の落とし所 〜 JAEAから切り離し、新『再処理機構』に移管せよ!』を参照されたい。

 これまでの経緯をよくよく考えると、「もんじゅ」問題の本質は、現場の問題というより、国会・監督官庁・マスコミなど現場とかけ離れた場所にいる人たちの問題だと言わざるを得ない。

 この問題の発端は1995年12月のナトリウム漏洩事故だが、これは原子炉の安全性には直接的には関係ない設備での事故

 当時、これをナトリウム漏れ現場の映像付きで、それをあたかも大事故であるかの如く針小棒大に論じる"報道合戦"が繰り返された。こうした偏向報道の乱発によって、「もんじゅ」は一方的に悪者扱いされ続けている。

 「もんじゅ」の現場に行けばわかることだが、決して「もんじゅ」はマスコミが報じるような杜撰な組織ではない。そこには、高速炉に関する成否の経験・知見が積み重なっている。「もんじゅ」が担う事業の頭脳も技術も、東京都心の国会議事堂や首相官邸、霞が関官庁街ではなく、敦賀にある「もんじゅ」プラントの現場に集積している。
 
 JAEA以外の組織であって「もんじゅ」に親和性の高い組織は、上記の新機構しかない。そして今後は、予算を長期的にダラダラと付け続けるのではなく、例えば「予算は従来の倍にするが、必ず5年で100%出力を達成して基本データを取る」というような即効性のある予算配分を行い、短期で目標達成を図るよう一定の制約を付すべきだ。

 「もんじゅ」に反省点が多いのは周知のことだが、今まで国が長年にわたって、振興する側としても、規制する側としても、直接関与してきた国家事業であることを再認識する必要がある。この点でも、一番問われるべきは国の行政責任であり、それを果たしていくためにも、「もんじゅ」をJAEAから切り離して新機構に移管し、核燃料サイクル政策を包括的に進めていく新体制を敷くべきだ。

 この話については、今月19日の参議院・経済産業委員会での参考人質疑で松田公太議員と少々やり取りをしたので、適宜参照されたい。

【現代ビジネス寄稿】アメリカの専門家が疑問視する「原発40年ルール」を日本が盲信する不可思議さ

アメリカの専門家が疑問視する「原発40年ルール」を日本が盲信する不可思議さ


国際アドバイザーの声を無視?

原子力規制委員会は先月20日の会合〔☆1〕で、運転開始から40年が経過する関西電力高浜原子力発電所1・2号機(福井県高浜町)の再稼働に向けた新規制基準適合性審査での『合格』に当たる審査書〔☆2〕を正式決定した。☆1:https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/kisei/00000130.html
☆2:https://www.nsr.go.jp/data/000147890.pdf

ただ、今年7月7日までに、設備の詳細設計を定めた「工事計画の認可」と「運転延長の認可」を受けなければ運転期間40年を超えた再稼働はできず廃炉になるため、まだまだ予断は許されない。

この“原発40年規制”は、多くの問題を抱えている。私はこの問題について、以下の通り、これまで何度も指摘してきた。

http://diamond.jp/articles/-/77976
資源無き国ニッポンにエネルギー安全保障は不可欠 ? 原子力政策に米国専門家2名からの助言

http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/42231
“原発40年規制”の根拠は「科学と技術」でなく「政治と空気」 ~ 専門家でない政治家が決めた危険な安全ルール

http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/42353
“原発40年規制”は原発殺処分ルールではない! ~ 世界標準に合わせた「原子力平和利用ルール」に昇華させよ

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/44241
新国立競技場には声をあげるのに、なぜこの問題には目をつむるのか ~ 日本の国富を年間4兆円ムダにする「原発40年規制」こそ今すぐ見直しが必要だ

つまり、“原発40年規制”は、科学的根拠のない「政治的な空気」で決められたものであり、世界の常識である「稼働させながらの審査」を行わず、日本国内で使われるべき数兆円規模の巨額の国富を徒らに海外流出させてしまうようなルールなのである。

これだけではない。他に新たな問題が浮上している。

「国内外の多様な意見に耳を傾け、孤立と独善を戒める」とは、原子力規制委の組織理念の一つである。だが、田中俊一委員長は“原発40年規制”に関する海外の専門家からの意見を完全に無視する方針のようだ。

先月13日の原子力規制委の会合〔☆3〕で、「国際アドバイザーからの意見について」〔☆4〕と題する議案が審議された。これは要するに、現行の日本の原子力規制に問題があり、それを是正すべきとの国際アドバイザーからの指摘。
☆3:https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/kisei/00000129.html
☆4:http://www.nsr.go.jp/data/000146894.pdf

翌日の電気新聞〔☆5〕は、国際アドバイザーの一人であるメザーブ氏が、その書簡の中で、『原子力発電所の運転延長制度について、「審査完了に失敗した結果が、必然的に運転停止になってしまうことは不適切」などと指摘。「ライセンス更新を規定する法令の調整が適当」と助言した。

これについて規制委は、新規制基準に基づく適合性審査については申請時期に制約はなく、延長認可審査を行う上で時間的な問題は生じないとして、「若干の誤解がある」(田中委員長)とした』と報じている。
☆5:http://www.shimbun.denki.or.jp/news/main/20160414_01.html

「我々の見方では極めて問題」

メザーブ氏の指摘〔☆4〕をもう少し詳しく見てみると、次の通りだ。

【日本は、運転期間の延長を認めています。しかし、日本の関係法令では、現行のライセンスの有効期限の15ヵ月前まで待たないと申請できないと我々は理解しています。そして、有効期限までにライセンス更新の認可が出ない場合は、更新申請の手続きは停止され、原子力発電所は廃炉されなければなりません。

我々の見方では、ライセンス更新を規定する条項は極めて問題であります。(中略)

審査完了に失敗した結果が、必然的に運用停止となってしまうことも、不適切のように思います。(中略)原子力規制委員会が、その審査に与えられた短い期間の中で業務を完了できなかった場合の帰結が、事業者への罰となるということは、不公平であると思います。

USNRCの規則では、事業者が十分な更新申請を現行のライセンス有効期限の少なくとも5年前に申請した場合、現行ライセンスの有効期限後も引き続き、NRCの審査が完了するまでの間は、発電所を運転できることとなっています。(中略)

ライセンス更新を規定する法令の調整が適当と思います】

しかし、これに対する原子力規制庁の見解〔☆4〕は、以下のようなものとなっている。

延長認可における審査は、延長しようとする期間(最長20年)において、健全性を維持できることを明確にすることを求めるものであり、適合性審査の申請がなされていることを前提とすれば、延長認可における審査を行う上での時間的な問題は想定されない。

また、田中委員長は、先月13日の会合〔☆5〕で「運転期間延長のところは若干誤解があったというふうに思います」と、また、その後の定例記者会見〔☆6〕で「実質的に、特にそれが問題になるようなことは今ないと思いますけれどもね。(中略)40年について疑問を持つのは向こうの勝手だけれども、40年というのは法律で決められた、私たちにとっては与えられた条件だから、私たちが議論してもしようがないことです」と述べている。☆5:http://www.nsr.go.jp/data/000147382.pdf
☆6:http://www.nsr.go.jp/data/000146887.pdf

つまり、田中委員長は「法律で決められているから議論してもしょうがない」として、国際アドバイザーからの意見を完全に無視したわけだ。

田中委員長は「問題になっていない」と言うが、これは現実を直視していない発言だ。前述のように、高浜1・2号機は今年7月7日までに運転延長の認可を必要とし、また、関西電力美浜原子力発電所3号機(福井県美浜町)は今年11月までに認可されなければ廃炉に追い込まれてしまう。

運転延長の申請をまだ行っていない日本原子力発電東海第二原子力発電所(来年11月までに認可が必要)、関西電力大飯原子力発電所1号機(再来年3月までに認可が必要)、同大飯2号機(再来年12月までに認可が必要)など、100万kW級の原子力発電所が続き、これらに係る審査の帰趨も大きな問題になる。

しかし残念ながら、今の日本国内の「空気」では、(これは多分にマスコミが煽動しているようなものと思うのだが)、“原発40年規制”を直ちに改善するような議論を期待することはできそうにない。その間にも、巨額の国富が海外流出し続けるわけだが・・・。

新たな提案

そこで、次の2点を提案したい。

(1)第一に、「審査中に40年の運転期限を迎えた場合の解釈を明確化する」こと。

これは、昨年8月20日に公表された自民党の「原子力利用の安全に係る行政組織の3年見直し等に関する提言」〔☆7〕に明記されていることだ。
☆7:http://jimin.ncss.nifty.com/pdf/news/policy/129849_1.pdf

国際アドバイザーが指摘する「ライセンスの有効期限の15ヵ月前まで待たないと申請できない」との条項は、「法律」(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律)ではなく、原子力規制委が所管する「規則」(実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則)に規定されている。

同法第43条の3の32では「その満了に際し」、「原子力規制委員会規則で定めるところにより」とし、具体的な手続きは同規則で定めることができる。

そこで、「その満了に際し」(運転延長の申請中に40年を迎えた場合の手続き)として、審査期間中は運転期間の時計が止まることを原子力規制委が同規則で規定すれば十分だ。田中委員長は「法律で定められているから」と言って逃げず、原子力規制委の権限において、国会審議の必要がない同規則を早期に改正すべきである。

<核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(抜粋)>
第43条の3の32 発電用原子炉設置者がその設置した発電用原子炉を運転することができる期間は、当該発電用原子炉の設置の工事について最初に第43条の3の11第1項の検査に合格した日から起算して40年とする。
2 前項の期間は、その満了に際し、原子力規制委員会の認可を受けて、1回に限り延長することができる。
3 前項の規定により延長する期間は、20年を超えない期間であつて政令で定める期間を超えることができない。
4 第2項の認可を受けようとする発電用原子炉設置者は、原子力規制委員会規則で定めるところにより、原子力規制委員会に認可の申請をしなければならない。

<実用炉実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則(抜粋)>
第113条 法第43条の3の32第4項の規定により同条第1項の発電用原子炉を運転することができる期間の延長について認可を受けようとする者は、当該期間の満了前1年以上1年3月以内に次に掲げる事項を記載した申請書を原子力規制委員会に提出しなければならない。

むしろ、田中委員長は法令でも何でもなく、法的拘束力の全くない「田中委員長私案」〔☆8〕に基づき、全ての原子力発電所を停止させ、バックフィットの審査を行っている。だから本件に関しても、甚だ邪道ではあるが、「私案」を発表すれば済むことなのかもしれない。☆8:http://www.nsr.go.jp/data/000047352.pdf
 

「原発ゼロ」の置き土産

(2)第二に、原子炉等規制法に適切な条文追加をする。

「鉱業法」に、参考になる条文がある。

<鉱業法(抜粋)>
第18条 試掘権の存続期間は、登録の日から2年(石油又は可燃性天然ガスを目的とする試掘権については、4年)とする。
2 前項の期間は、その満了に際し、試掘権者の申請により、2回に限り延長することができる。
3 前項の規定により延長する期間は、1回ごとに2年とする。
4 第2項の申請は、経済産業省令で定める手続に従い、存続期間の満了前3箇月以上6箇月以内にしなければならない。
(中略)
第20条 第18条第2項の申請があつたときは、試掘権の存続期間の満了の後でも、その申請が拒否されるまで、又は延長の登録があるまでは、その試掘権は、存続するものとみなす。

つまり、延長が申請され、その審査を行っている間は、法律上の時計は止まっているのだ。こうした『常識的な』ルールならば、申請する側も、審査する側も、時間の制約なしに、しっかりした議論をすることができる。

通常、法律に新しい条文を追加する時は、他の似たような法律を調べて整合させるはずだ。しかし、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律を4年前に変更し、“原発40年規制”を追加した際には、上述のような鉱業法の規制体系は参酌されていない。

規制運用に専従する原子力規制庁の行政官は、いわば規制法の専門家たちだ。彼らが類似の法令を見落とすとは考えられない。この“審査中は時計が止まる”条文を追加しなかったのは、前政権・菅直人元首相が仕組んだ“原発ゼロ”の置き土産なのではないだろうか。

安倍政権は原子力政策に及び腰であるように思える。「前面に出る」(安倍首相)と言っておきながら、そうは見えない。7月に予定される参院選が終わってからでも遅くはない。自民党の提言にもある“原発40年規制の解釈”を明確にするとともに、原子力規制委の規制運用を改善させ、原子力発電の早期再開を政治的に命令していくべきだ。

【石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.98】

2016年5月25日12:30~13:20【石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.98】

ニコ生 : http://live.nicovideo.jp/watch/lv264021583

Youtube : https://youtu.be/JHnn-of2aWs

ドイツ:『太陽光課税』を検討・・・

 5月24日付けの pv magazine によると、ドイツ政府はエネルギー税制改革の一環として、太陽光発電への新たな課税を検討しているようだ。

《原文より抜粋》
・・・German government considers revising the energy tax system. Solar advocates warn of heavy consequences for the industry.

 
 ドイツ財務省は、太陽光発電(20MW/h未満までの小規模設備は除く)の再生可能エネルギー消費者への課税(2¢/kWh)を提案。

・・・German Ministry of Finance wants renewable energy consumers to pay taxes of $2 cent per kilowatt-hour consumed directly from their own solar systems.
・・・The initiative by the Ministry of Finance proposes tax exemption only for small renewable plants up to 20 MW/h per year. 


 これに対して、ドイツの太陽光発電関連の業界団体(BSE)は、この新税制は太陽光発電事業者に大きな影響を与えるだろうと警告。

・・・BSW warns that the new regulations would heavily impact solar energy operators. 


 日本の再エネ政策は、ドイツを“見習う”というか“見倣う”というか、とにかくドイツの動向に大きく左右される。

 今国会では、再エネFIT特措法改正案が審議されているが、その附則第20条では「3年後の見直し」が規定されている。

 上記のようなドイツの動向にもよるだろうが、その3年後見直しの大きなテーマとして、日本でも再エネ新課税が検討されるかもしれない。

 尚、私は衆参両院での本法案審議の参考人質疑に出席した。概要は以下の2記事を適宜参照されたい。


2016.4.27 衆議院・経済産業委員会『再エネFIT特措法改正案』参考人質疑

2016.5.19 参議院・経済産業委員会『再エネFIT特措法改正案』参考人質疑

熊本・大分県の毀損額:推計約2.4~4.6兆円

 昨日の月例経済報告等に関する関係閣僚会議で提示された資料では、「平成28年熊本地震のストック面への影響試算」として、次のような推計が発表された。


 25
(出所:月例経済報告等に関する関係閣僚会議資料(2016.5.23)


 これは、政府が「熊本地震による地域経済や日本経済への影響を分析する一環として、東日本大震災時の推計
方法を踏まえ、阪神・淡路大震災や新潟県中越地震の被害状況(損壊率)を参照しつつ、個人住宅や民間
企業が保有する機械設備及び建屋等も含めたストック全般の毀損額を暫定的に試算」したもの。

 地震や台風など自然災害による毀損は、単純なマイナス影響であることが大半。

 被災者の経済的能力だけでは、完全に復旧復興することはまず不可能なので
、予備費や補正予算による公的支援が行われることになる。

 それでも、毀損額の全額が補填されるわけではない。

 公的支援の割合は、結果論して何年後かに改めて試算されないとわからないし、各個人・各法人でまちまちだろうが、今の段階では、大まかには新潟県中越地震からの復興支援措置と同じ水準になるとの予想が妥当であろう。


【追記:ブロゴス http://blogos.com/article/176604/ 】

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http://news.biglobe.ne.jp/economy/0518/gdw_160518_8850772210.html

>>>

5月13日付けの米国エネルギー情報局(U.S. Energy Information Administration)の発表http://www.eia.gov/todayinenergy/detail.cfm?id=26232〕によると、2015年の電力部門のCO2排出量について、 

①1993年以来最低
②2005年から21%減 

となったのだが、これは、石炭から天然ガス・再生可能エネルギーへの転換が奏功したからであるとのこと。 

《原文より抜粋》
Carbon dioxide (CO2) emissions from electricity generation totaled 1,925 million metric tons in 2015, the lowest since 1993 and 21% below their 2005 level. A shift on the electricity generation mix, with generation from natural gas and renewables displacing coal-fired power, drove the reductions in emissions. 

 

石炭から天然ガスへの転換が進んだ理由は、近年の天然ガス価格低下と高効率ガスコンバインドサイクル発電技術の進展によるそうだ。 

また、天然ガスは石炭に比べて、発電時の熱効率が高く、炭素含有量が低い。だから、天然ガス火力発電のCO2排出量は、石炭火力発電の約40%でしかないわけで、これもCO2排出抑制への寄与が大きい。 

In recent years, the drop in natural gas prices, coupled with highly efficient natural gas-fired combined-cycle technology, made natural gas an attractive choice to serve baseload demand previously met by coal-fired generation. 

Considering both the higher thermal efficiency of generators and lower carbon content of fuels, electricity generation using natural gas emits roughly 40% of the carbon dioxide that would be emitted from a coal-fired unit producing the same amount of electricity. 

 

再エネの割合が増えてきたのは、主に風力・太陽光の増加による。 

原子力発電は、過去10年間とも同じ割合で推移してきており、今でもCO2を排出しない最大の電源。 

そして、再エネと原子力を合わせた割合は、2015年に33%と過去最高を記録した。 

Renewable energy sources are gaining an increasing share of generation, driven primarily by increases in wind and solar capacity. Nuclear generation was relatively flat over the past decade but remains the single largest source of generation without CO2 emissions. Together, renewables and nuclear provided about 33% of overall U.S. electricity production in 2015, the highest share on record. 

 

〔以上の図表の出所は、5月13日付けの米国エネルギー情報局(U.S. Energy Information Administration)の発表http://www.eia.gov/todayinenergy/detail.cfm?id=26232〕〕

IEA加盟国の一次エネルギー供給構成 〜 化石燃料が圧倒的に多く、風力・太陽光・地熱はまだまだ少ない

 IEA(国際エネルギー機関)によると、2014年のIEA加盟国の一次エネルギー供給構成(TPES : Total Primary Energy Supply)は、次の資料の通り。 

 ① 石油・天然ガス・石炭など化石燃料(Oil , Coal , Peat , Natural gas)が圧倒的に多く、

 ② 原子力(Nuclear)、水力(Hydro)、バイオマス・廃棄物(Biofuels and waste)が続き、

 ③ 風力(Wind)、地熱(Geothermal)、太陽光(Solar)はまだまだ少ない。


Breakdown of TPES in IEA member countries, 2014
02
(出所: Energy Policies of IEA Countries 2016 Review 〜 Portugal

EU全体の電源構成(2015年) 〜 火力48%、原子力26%、水力12%、風力10%・・・

 5月19日に更新された eurostat Statistics Explained では、欧州連合(EU)全体28ヶ国のマクロ電力事情に係る指標が掲載されている。

 EUでの発電電力量は、2014年では前年比2.4%減だったが、2015年では前年比0.8%増となった。

<EU-28 Evolution of electricity supplied(GWh), 2000-2015 annual data; 2008-2015 monthly cumulated data>
26


 EU全体の電源構成を細かく見ていくと、2015年の発電電力量ベースで、火力48%(前年比1.3%増)、原子力26%(同2.2%減)、水力12%(同9.5%減(揚水含む))、風力10%(同21.8%増)、その他4%となっている。

<EU-28 Electricity production by source, 2015(%)>
34

<Electricity Statistics 2013〜2015(GWh)>
00

24


 EUで原子力発電所があるのは14ヶ国。2015年の原子力発電電力量ベースで、国別の電源構成に占める割合が高いのは、フランス(76.6%)、スロバキア(57.6%)、ハンガリー(53.3%)、スロベニア(38%)、ベルギー(37.5%)、スウェーデン(34.3%)、フィンランド(33.7%)・・・ドイツ(14.1%)の順。

<Breakdown of Electricity Production by source, 2015(%)>49


 水力(揚水含む)や風力など全てを合わせると、2015年のEU全体の再エネによる電源構成は22%となる。

 2015年の再エネ(主に水力)発電電力量ベースで、国別の電源構成に占める割合が高いのは、オーストリア(70.9%)、クロアチア(66.9%)、ルクセンブルク(62.9%)、スウェーデン(57.2%)の順。

 その他の特徴としては、①デンマークでは、再エネ発電電力量の電源構成53.2%のうち風力が51%を占め、②ノルウェーでは、発電電力量の97.5%が再エネ(主に水力)で賄われている。

<Share of renewables in Electricity Production, 2015(%)>07


【追記:ブロゴス http://blogos.com/article/176393/

ポルトガルでの羨ましい話 〜 今月連続4日間“再エネ100%”、2015年は再エネ電源割合48%

 今月18日付け The Guardian では、ポルトガルで今月7日から11日まで連続4日・107時間、同国内の電力消費量の全てが再生可能エネルギー(太陽光・風力・水力)で賄われたとの分析がある旨、報じられている。

《原文より抜粋》
Zero emission milestone reached as country is powered by just wind, solar and hydro-generated electricity for 107 hours

・・・Electricity consumption in the country was fully covered by solar, wind and hydro power in an extraordinary 107-hour run that lasted from 6.45am on Saturday 7 May until 5.45pm the following Wednesday, the analysis says.

56
2016.5.18 The Guardian


 再エネのうち太陽光と風力は、天候によって発電量が左右されるのだが、この4日間は太陽光発電と風力発電にとって好天だったということ。

 ポルトガルの主な電源構成について、2015年での発電電力量ベースで見ると、次の図にあるように、火力37.5%、大型水力17.4%、その他再エネ(風力・バイオマス・太陽光・小水力)30.7%となっている

<ポルトガルの電源構成(発電電力量ベース;2015年)>
06
(出所:ポルトガル再生可能エネルギー協会HP

 大型水力とその他再エネを合わせると、再エネによる電源の割合は48%と、ほぼ半分。

 ポルトガルは、人口約1000万人(日本の約1/12)、面積は92,000㎢(日本の約1/4)、GDPは約2000億ドル(日本の約1/22)であるので、日本との単純比較は得策ではない。

 しかし、通年での電力供給の約半分を再エネだけで賄っているポルトガルの近況は、日本からすれば率直に羨ましいことであるに違いない。


【追記:ブロゴス http://blogos.com/article/176517/

【石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.97】

2016年5月19日13:00~13:53【石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.97】


【国会での意見陳述】2016.5.19 参議院・経済産業委員会『再エネFIT特措法改正案』参考人質疑

 本日午前10時〜、参議院・経済産業委員会で、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法等の一部を改正する法律案」を議案とした参考人質疑に出席させて頂いた。

☆Yahoo!ニュース配信☆ 日経新聞でやっと出てきた真っ当な「再生可能エネルギー」報道

日経新聞でやっと出てきた真っ当な「再生可能エネルギー」報道

Yahoo!ニュース
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160513-00010001-mediagong-ent

エキサイトニュース
http://www.excite.co.jp/News/society_clm/20160513/Mediagong_17131.html

インフォシークニュース
http://news.infoseek.co.jp/article/mediagong_17131/

ブロゴス
http://blogos.com/article/175267/

メディアゴン
http://mediagong.jp/?p=17131


>>>

 5月10日付け日本経済新聞(電子版)では、同社の竹田忍編集委員が「脱原子力政策と再生可能エネルギーシフトを推進するドイツについて、現地事情に詳しいスイスの大手電力会社、アルピックのヴォルフガング・デンク渉外担当官に聞いた」として、次のような同氏のコメントなどを掲載している。

・再エネは化石燃料や原子力を代替しなかった。
・石炭火力は需給調整機能も担い、簡単には廃止できない規制がドイツにはある。火力と原子力の両方を減らすのは現実的でなく不可能だ。
・(再エネの余剰電力分について)輸出は年々増加しており、13年は338億キロワット時、15年は518億キロワット時の余剰電力をスイスやチェコ、ポーランドなど周辺国に輸出した。
・EUでドイツは統合送電網の拡充を主張している。統合というと聞こえは良いが、輸入側の実需を伴わない電力が流入しやすくなる仕組みは電力市場のゆがみを引き起こしかねない。
・(ドイツ北部の大規模な風力発電、洋上風力発電の設備について)いずれも巨額の投資を要し、地球環境問題への対策と言うよりも有力なビジネスと化した。
・風力推進と山林保護という環境保護団体同士の間で利害の対立から緊張が生じている。
・CO2削減を優先するのならば(再エネの増強よりも)化石燃料を減らすべきだ。
・私見だが、ドイツが工業国であり続けるためには火力発電が必要。温暖化ガス排出問題で比べると原子力発電所が多いフランスは優等生で、ドイツはワーストだ。

 また、2013年にドイツのエネルギー産業が排出したCO2はEU加盟国中で最多とも書いている。

 因みに、ドイツの再エネ政策については、私がドイツ政府関係機関など10ヶ所に対して現地で調査ヒアリングを行った結果報告『再生可能エネルギー政策に関するドイツ調査報告[2015年3月21日:石川和男]』に詳しいので、適宜参照されたい。(http://iigssp.org/activity/report_150321_01.pdf

 そして、この記事の最後段では、竹田編集委員の言葉として、次のように締め括っている。

・イメージに引きずられてドイツを単純に模倣しようとするのは拙速である。
・日本とドイツは別の国で、国情も違う。
・現地の実情を精査せず無批判に何でも受け入れるドイツ礼賛論と、脱原発政策への反発を背景とした極端なドイツ否定論の間に、日本の針路はある。

 日経新聞の論調として、「再エネは化石燃料や原子力を代替しなかった」など上記のような趣旨が報じられるようになったのは、再エネ報道の在り方として健全化の兆しが出てきたものと評価したい。

 日経新聞は、『太陽光の購入量 原発1基分に』(2014年8月20日付)や、『風力増強原発10基分に』(2016年2月19日付)など、あたかも太陽光・風力は原子力を代替できるかの如くの大誤解を招く書きぶりを繰り返してきた。

 今後はこうした嘘報が是正され、適格な知識と認識の下での再エネ報道がなされていくことを、切に期待するものである。

 将来、『再エネ100%』の時代は必ず来るだろう。しかし、今すぐは無理だ。人類はまだそれを普及できるほどの技術を持っていない。

 再エネに対する夢見心地はそろそろおしまいにして、現実を直視していか無ければならない。

米国のエネルギー需給見通し(〜2040年):石炭の動向に最も大きく左右されるのは風力・太陽光

 米国エネルギー情報局(U.S. Energy Information Administration) は昨日、“ Annual Energy Outlook 2016 Early Release : Annotated Summary of Two Cases ”を発表した。

 ここでは、
(1)通常のケース(
AEO2016 Reference)
(2)Clean Power Plan 
が組み込まれていないケース(No CPP)
2ケースについて、米国における2040年までの主なエネルギー需給見通しが提示されている。


 全米のエネルギー生産量・消費量の見通し(Reference case) は、次のようなもの。

 53
(出所:2016.5.17 EIA

 一次エネルギー消費量に係る2ケースを比較すると、石炭の比率が上がることで、
 ① 原子力の比率には殆ど変化はないが、
 ② 天然ガス・石油・再生可能エネルギーの比率は相応に下がる
と見通されている。

04


 発電電力量に係る2ケースを比較すると、石炭の比率が上がることで、
 ① 原子力の比率には殆ど変化はないが、
 ② 天然ガスと再エネの比率は相応に下がる
と見通されている。

44


 発電電力量に係る2ケースを比較すると、石炭の発電電力量が上がることで、
 ① 原子力の発電量には殆ど変化はないが、
 ② 天然ガスと再エネの比率は相応に下がり、特に No CPP ケースでは再エネは石炭を下回ったまま
 ③ 再エネのうち、水力・地熱・バイオマスの発電量には殆ど変化はないが、
 ④ 再エネのうち、風力・太陽光の発電量は相応に下がる
と見通されている。

21

35

 
 以上のことから、米国では、石炭の動向がエネルギーミックスに係る大きな要素であり、それによって特に大きく左右されるのが風力・太陽光である一方で、原子力は殆ど影響されないと見通されている。

平成27年9月関東・東北豪雨による太陽光パネル崩落現場の現在 〜 未だ完全復旧ならず・・・

 先のブログ記事では、昨年9月9〜11日の「平成27年関東・東北豪雨」によって被災した太陽光パネルの崩落現場の写真を掲載した。場所は、仙台市太白区の住宅地にある斜面。

 今現在はどうなっているか、私の知人が先週送ってくれた現場写真は以下の通り。


30

 これを見る限り、今もって片側交互通行であり、道路の完全復旧には至っていないようだ。 

 今改めて思うが、先のブログ記事で掲載した東北電力仙台太陽光発電所と比べると、この崩落太陽光パネル群は、基礎工事部分も含めて安全性・環境性の水準があまりにも低かった。

 今回の被災教訓を踏まえた安全対策の早期構築や太陽光発電所の早期復旧が望まれる。

 その際、電力会社の太陽光発電所と同じ水準の安全性・環境性を求めるべきだ。太陽光発電への信頼性を盤石なものにするためにも、そのくらいの厳しい安全・環境基準を整備していく必要がある。


【追記:ブロゴス http://blogos.com/article/175909/

[時評・ウェーブ]石川和男/育児・介護の“ダブルケア”

[時評・ウェーブ]石川和男/育児・介護の“ダブルケア”

 内閣府は先月28日、親の介護と子どもの育児を同時にしなければならない『ダブルケア』に直面している人が全国で約25.3万人(約6万~17万世帯)であるとの推計値を発表した。
 この25.3万人の内訳は、男性8.5万人、女性16.8万人。15歳以上人口(約1.1億人)に占める割合は0.2%、育児者(999.5万人)に占める割合は2.5%、介護者(557.4万人)に占める割合は4.5%。
 年齢階層別では、40~44歳が27.1%、35~39歳が25.8%、30~34歳が16.4%、45~49歳が12.5%と、30~40歳代で全年齢層の約8割、平均年齢は39.7歳。
 育児のみを行う者は、35~39歳が32.4%で最多、次いで30~34歳が28.0%であり、30歳代が6割を占める。
 介護のみを行う者は、55歳以上が66.9%を占めている一方、ダブルケアを行う者は、30~44歳が69.3%を占める。介護のみを行う女性の平均年齢は58.5歳、介護のみを行う男性の平均年齢は59.2歳。
 ダブルケアを行う者のうち、男性は有業者が93.2%を占める。女性は有業(主に仕事)が23.2%、有業(家事が主で仕事あり)が24.3%、無業(主に家事)が48.6%であり、その割合は1対1対2となっている。
 子育てを誰が担うべきかに対する意見について見ると、男女とも「家族で分担すべき」が最も多く、男性では55.1%、女性では51.2%と過半数を占め、次いで「自分がするべき」が男性27.3%、女性39.8%となっており、女性の方が男性より12.5ポイント高くなっている。
 介護を誰が担うべきかに対する意見について見ると、男女とも「家族で分担すべき」が最も多く、男性では51.7%、女性では57.0%とそれぞれ過半数を占め、次いで「自分がするべき」が男性28.0%、女性18.8%と、男性のほうが女性より9.2ポイント高くなっている。
 行政に拡充してほしいダブルケア関連の施策は、男性では「保育施設等の量的充実(利用枠の拡大を含む)」が58.7%で最多、女性では「介護保険を利用できる各種介護サービスの量的拡充(利用枠の拡大を含む)」が61.1%で最多など。
 勤務先に拡充してほしいダブルケア関連の施策は、「子育てのために一定期間休める仕組み」が男性では46.5%、女性では51.2%と男女とも最多。次いで、男性では「介護のために一定期間休める仕組み」が41.7%、女性では「子育てのために一日単位で休める仕組み」が43.4%など。
 育児か介護のいずれか一つだけでも、肉体的・精神的に相当の負担があるわけで、これを同時にダブルで行うとなれば、その負担は更に増すと思われる。この場合、仕事との両立は非常に難しくなるだろう。
 費用的な問題としては、育児・教育・進学と介護・医療に係る費用を捻出する時期が重なれば、経済的な苦境を招く可能性も高い。ダブルケアが増加した要因としては、晩産化(女性の第一子出産時の平均年齢が30.6歳〈2014年〉)や少子化を指摘する向きもある。
 育児も介護も大事なことであり、どちらが優先かなど一律に順位を付けることはできない。だが少なくとも、現役の近親者の時間や労力を奪う介護は、外部のプロに極力委ねられるようにする必要がある。
 育児は、自分でやろうが、保育園に預けようが、親の義務である。しかし、介護は、自分でやろうが、介護のプロに委ねようが、子どもの義務であるとしてはならない。社会保障に係る財政配分は、こうした認識に基づいて行われるべきだ。


00
 

電力会社の切り替え:5/6集計で84万件(全世帯の1.5%程度)

 経済産業省の認可法人である電力広域的運営推進機関が、今月6日24時までの情報照会、スイッチング(切り替え)の申込み状況を集計したところ、それぞれ全国計で328.31万件、84.45万件であった。


 総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(2015年1月1日現在)によると、全国の世帯数は5,641万2,140なので、今のところ、切り替え件数は全体の1.50%、情報照会から切り替えに至るのは25.7%となる計算。

 先月1日は電力小売自由化の開始日。1ヶ月以上経た今月上旬の時点で1.5という切り替え率が多いのか少ないのかは、人それぞれの感覚によるだろう。

 因みに、経産省が昨年11月18日に発表した資料では、「8割の人は、少なくとも切り替えの検討はする意向」、「現時点で切り替えを前向きに捉えている(「すぐにでも変更したい」「変更することを前提に検討したい」)人に限っても、25%弱存在する」とのアンケート調査結果が掲載されている。

 しかし上述のように、現実はまだまだその域には達していない。


【追記:ブロゴス http://blogos.com/article/175759/

2015年度再エネ買取総額:当初見込みより約3000億円も未達のペース・・・

 資源エネルギー庁が定期的に更新している再生可能エネルギーに関する『固定買取価格制度 情報公表用ウェブサイト』によると、今年1月末時点における再エネ発電設備に係る買取電力量・買取金額は、それぞれ資料1・資料2の通り。

 エネ庁が昨年3月に呈示した「平成27年度 調達価格・賦課金単価について」によると、2015年度見込みベースで、再エネ買取額は年間総額1兆8370億円、再エネ賦課金の年間総額が1兆3222億円。1kWh当たり1.58円(標準家庭(月の電力使用量が300kWh)で月額474円)と設定した。

 資料2によると、昨年4月~今年1月までの10か月間の買取金額は1兆2811億円。今年度の残り2か月(今年2~3月)が同じ程度で推移すると仮定すると、今年度の買取金額は1兆5373億円となり、現時点のデータでは約2997億円(=約3000億円)も未達のペースとなっている。

 これはあくまでも単純計算に過ぎない。太陽光や風力は天候に左右されるので、実際にどうなるかはわからない。増えるかもしれないし、減るかもしれない。いずれにせよ、この買取金額分は、再エネ導入のための電力消費者からの“補助金”のようなものだ。 


<資料1:買取電力量(万kWh)>
46
(出所:資源エネルギー庁「固定価格買取制度 情報公表用ウェブサイト」)


<資料2:買取金額(億円)>
04
(出所:資源エネルギー庁「固定価格買取制度 情報公表用ウェブサイト」)

極左暴力集団・大衆運動と反原発 ~ 近年の「警察白書」(平成24〜27年版)での書きぶり

 平成23年3月11日の東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所事故が発生して以降、反原発デモなどが盛んに報じられるようになった。

 それらの中には、極左暴力集団(過激派)や大衆運動によるものもある。北海道警察HPによると、「極左暴力集団」とは、「過激派」とも称され、「社会主義、共産主義革命を目指し、平和で自由な民主主義社会を暴力で破壊、転覆しようと企てている反社会的な集団」のことを指す。

 極左暴力集団・大衆運動と反原発運動の関係については、近年では、平成24~27年の警察白書において、それぞれ次のような記述がなされている。


平成27年版警察白書(第5章第3節「公安情勢と諸対策」第2項・第5項より抜粋)≫
ーー 暴力革命による共産主義社会の実現を目指している極左暴力集団は、平成26年中も、組織の維持・拡大をもくろみ、暴力性・党派性を隠して大衆運動や労働運動に取り組んだ。
 革マル派は、同年6月、同派結成50周年を記念し、50年間の活動を取りまとめた書籍の第1巻を刊行した。また、安倍政権が進める諸施策に反対し「政権打倒」等と主張した独自の取組を行うとともに、反戦・反基地、反原発等を訴える集会やデモ等に参加し、同調者の獲得を図った。一方、革マル派が相当浸透しているとみられる全日本鉄道労働組合総連合会(JR総連)及び東日本旅客鉄道労働組合(JR東労組)は、JR東労組の組合員らによる組合脱退及び退職強要事件に関連する全ての裁判が終結した後も、引き続き、同事件を「国策弾圧」、「えん罪」と主張し続けた。
 中核派(党中央)は、同年10月、同派結成50周年を記念し、50年間の活動を取りまとめた書籍の下巻を刊行した。また、労働運動を通じて組織拡大を図る「階級的労働運動路線」を堅持した。このほか、「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」(な全)は、全国各地で集会、デモ等に取り組んで同調者の獲得を図った。一方、19年11月に党中央と分裂した関西地方委員会(関西反中央派)は、反戦・反基地、反原発等を訴える集会やデモ等に参加し、同調者の獲得を図った。
 革労協主流派は、成田闘争を重点に取り組んだ。一方、反主流派(注5)は、反戦・反基地闘争に取り組み、26年10月には、普天間飛行場の名護市辺野古移設工事の関連会社に向けて飛翔弾を発射する事件を引き起こした。
29

ーー 大衆運動の動向:原子力政策をめぐる動向
 原子力発電所の再稼動等を捉え、全国各地で反対集会、デモ等が
行われた。毎週金曜日の首相官邸前における抗議行動と同抗議行動に連帯する取組が各地で継続されたほか、都内では、「NO NUKESDAY」と題して、反対集会、デモ及び国会議事堂周辺での抗議行動が行われた(平成26年3月9日延べ3万2,000人、同年6月28日5,500人(いずれも主催者発表))。
54

平成26年版警察白書(第6章第3節第2項より抜粋)≫
ーー 暴力革命による共産主義社会の実現を目指している極左暴力集団は、平成25年中も、組織の維持・拡大をもくろみ、暴力性・党派性を隠して大衆運動や労働運動に取り組んだ。
 革マル派は、安倍政権が進める諸施策に反対し「政権打倒」等と主張した独自の取組を行うとともに、反戦・反基地、反原発等を訴える集会やデモ等に参加し、同調者の獲得を図った。
 「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」(な全)は、全国組織化に向け、首都圏を中心に各地で「な全」の結成を進めた。19年11月に党中央と分裂した関西地方委員会(関西反中央派)は、反戦・反基地、反原発を訴える集会やデモ等に積極的に参加した。革労協反主流派は、電源開発大間原子力発電所の建設や四国電力伊方発電所の再稼動に反対して現地でデモに取り組んだ。
04
反原発運動に取り組む極左暴力集団

平成25年警察白書(第5章第3節第2項より抜粋)≫
ーー 革マル派は、福島第一原子力発電所事故以降の反原発運動の盛り上がりを組織拡大の好機と捉え、「原発・核開発阻止」を主張した独自の取組を行うとともに、市民団体主催の取組に介入する形態で反原発運動に取り組んだ。
 中核派(党中央)は、労働運動を通じて組織拡大を図る「階級的労働運動路線」を堅持しつつ、23年8月に結成した「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」(な全)を中心に、全国で反原発運動に取り組んだ。19年11月に党中央と分裂した関西地方委員会(関西反中央派)は、市民団体等が主催する反原発、オスプレイ配備反対等に関する集会やデモ等に積極的に参加した。

革労協主流派は、大飯原子力発電所3号機及び4号機の再稼働に反対して現地でデモに取り組んだ。大飯原子力発電所3号機及び4号機の再稼働に対する反対行動の際に、警備員に発火した発煙筒を押し当てるなどした活動家を傷害罪等で逮捕するなど、極左暴力集団の活動家ら合計31人を検挙した。
27

反原発運動に取り組む極左暴力集団

平成24年警察白書(第5章第3節2より抜粋)≫
―― 革マル派は、既存の労働組合の執行部を批判して同調者の獲得を図ったほか、東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故を捉え、「停止中原発の再稼働阻止、全原発の即時停止・廃棄」を主張した。
 中核派(党中央)は、労働運動を通じて組織拡大を図る「階級的労働運動路線」を推進しつつ、反原発闘争にも力を入れ、反原発闘争の推進主体として「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」を立ち上げた。19年11月に党中央と分裂した関西地方委員会(関西反中央派)は、市民団体や他のセクトが主催する反原発、沖縄基地問題に関する集会やデモに積極的に参加した。
 革労協反主流派は、宮城県で震災被災者に対する支援活動を通じて組織拡大を図った。
53
極左暴力集団によるデモ


 尚、平成23年以前の近年の警察白書には、こうした記述は見当たらない。


【追記:ブロゴス http://blogos.com/article/175612/

☆Yahoo!ニュース配信☆ <不安を煽る朝日新聞>保育施設での死亡事故率「0.0007%」そんなに高いか?

<不安を煽る朝日新聞>保育施設での死亡事故率「0.0007%」そんなに高いか?

Yahoo!ニュース http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160510-00010000-mediagong-ent

エキサイトニュース http://www.excite.co.jp/News/society_g/20160510/Mediagong_17044.html

インフォシークニュース http://news.infoseek.co.jp/article/mediagong_17044/

ブロゴス http://blogos.com/article/174791/

メディアゴン http://mediagong.jp/?p=17044


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 5月1日の朝日新聞ネット記事『認可保育所、安心じゃない? 次々開設、各地で問題発覚』では、認可保育所で問題が起きていることを、次のような利用者のコメント付きで報じている。

 ・「毎日、無事に帰ってくるかどうか気が気でなかった。子どもも不安定になり、自分も精神的に追い詰められた」(保護者)
 ・「掃除が行き届かず、ぜんそくが悪化した」(保護者)
 ・「事故だけは起こしてはいけないと、ギリギリの対応をしてきた」(自治体担当者)
 ・「保育士の配置や面積などの基準をクリアしてさえいれば、認可せざるをえず、一度認可すると、取り消しは難しい。基準を厳しくしてしまうと参入のハードルがあがり、量を増やせなくなる」(自治体担当者)。
 ・「不安を感じつつ審査を通していることもある」(専門家)
 ・「以前は、認可の申請を出す前に自治体側が厳しく中身をチェックしていたが、最近は甘くなっている」(保育所経営者)

 更にこの記事では、4月11日に衆議院議員会館(東京・永田町)で、母親たちが「安全な認可保育所を増やして」と厚生労働省の担当者に訴えている写真も掲載されている。

 それにしても、こんな記事見出しや記事内容では、子どもを預ける親たちの不安が徒らに煽られるだけではないかと思う。問題が発覚したことを報じるのは悪くないが、保育施設の利用者数に占める事故率くらいは試算しておくべきだ。

 こうした「確率」は安心感に繋がる場合もあるので、以下では保育施設での死亡事故率について、私なりに試算しておきたい。

 厚労省が2月3日に公表した『保育施設における事故報告集計』によると、2014年の報告件数は177件(認可保育所155件、認可外保育施設22件)で、この177件のうち2014年に発生した事故件数は118件。

 死亡の報告は17件で0歳(8名)が最多、事故発生場所は園内(室内)(82名)が最多。この17件のうち、認可保育所は5件、認可外保育施設は12件。

 厚労省によると、(1)認可保育所について、施設数24,425ヶ所(2014年4月1日現在)、利用児童数2,266,813人(同)、(2)認可外保育施設(事業所内保育施設を除く)について、施設数7,939ヶ所(2014年3月31日現在)、利用児童数203,197人(同)となっている。

 死亡事故の報告件数に対する利用者数の割合は、2014年(年度)に係る報告件数ベースでの単純計算では、認可保育所で0.0002%、認可外保育施設で0.006%となり、全体では0.0007%となる。

 この『0.0007%』を高いと感じるか、低いと感じるかは、人それぞれだろう。

 参考までに、日本国内の交通事故死亡者は、警察庁によると、2014年で4113人。2014年10月1日時点の日本の総人口は1億2708万3千人なので、単純計算で交通事故死亡者の割合は0.003%となる。

 保育事故と交通事故の単純比較には賛否両論あるだろうが、身近にあるリスクという点で、一つの比較指標にはなるかもしれない。

☆ニュース配信☆ 電力小売自由化1か月経過 〜 切り替え率は1.5%弱・・・

電力小売自由化1か月経過 〜 切り替え率は1.5%弱・・・

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BIGLOBEニュース
http://news.biglobe.ne.jp/economy/0512/gdw_160512_1120285841.html

>>>

 経済産業省の認可法人である電力広域的運営推進機関が、先月30日24時時点までの情報照会、スイッチング(切り替え)の申込み状況を集計したところ、それぞれ全国計で290.93万件、81.95万件であった。
 


 
(出所: https://www.occto.or.jp/oshirase/hoka/files/201604_swsys_riyoujyoukyou.pdf ) 

 総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(2015年1月1日現在)によると、全国の世帯数は5,641万2,140なので、今のところ、切り替え件数は全体の1.45%、情報照会から切り替えに至るのは28.2%となる計算。 

 先月1日は電力小売自由化の開始日。ちょうど1ヶ月後の同30日の時点で1.45%という切り替え率が多いのか少ないのかは、人それぞれの感覚によるだろう。 

 因みに、経産省が昨年11月18日に発表した資料では、「8割の人は、少なくとも切り替えの検討はする意向」、「現時点で切り替えを前向きに捉えている(「すぐにでも変更したい」「変更することを前提に検討したい」)人に限っても、25%弱存在する」とのアンケート調査結果が掲載されている。 

 しかし上述のように、現実はまだまだその域には達していない。

米国:2015年の電力部門のCO2排出量 〜 2005年から21%減、1993年以来最低

 5月13日付けの米国エネルギー情報局(U.S. Energy Information Administration)の発表によると、2015年の電力部門のCO2排出量について、①1993年以来最低で、2005年から21%減となったが、②これは、石炭から天然ガス・再生可能エネルギーへの転換が奏功したとの由。

《原文より抜粋》 
Carbon dioxide (CO2) emissions from electricity generation totaled 1,925 million metric tons in 2015, the lowest since 1993 and 21% below their 2005 level. A shift on the electricity generation mix, with generation from natural gas and renewables displacing coal-fired power, drove the reductions in emissions.

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 石炭から天然ガスへの転換が進んだ理由は、近年の天然ガス価格低下と高効率ガスコンバインドサイクル発電技術。

 また、天然ガスは石炭に比べて、発電時の熱効率が高く、炭素含有量が低いので、天然ガス火力発電のCO2排出量は石炭火力発電の約40%となる。

In recent years, the drop in natural gas prices, coupled with highly efficient natural gas-fired combined-cycle technology, made natural gas an attractive choice to serve baseload demand previously met by coal-fired generation. 

Considering both the higher thermal efficiency of generators and lower carbon content of fuels, electricity generation using natural gas emits roughly 40% of the carbon dioxide that would be emitted from a coal-fired unit producing the same amount of electricity.

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 再エネの割合が増えてきたのは、主に風力・太陽光の増加による。原子力発電は、過去10年間とも同じ割合で推移してきており、今でもCO2を排出しない最大の電源。そして、再エネと原子力を合わせた割合は2015年に33%で、過去最高を記録。

Renewable energy sources are gaining an increasing share of generation, driven primarily by increases in wind and solar capacity. Nuclear generation was relatively flat over the past decade but remains the single largest source of generation without CO2 emissions. Together, renewables and nuclear provided about 33% of overall U.S. electricity production in 2015, the highest share on record.

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WHO発表 〜 都市住民の80%以上が基準値超える大気汚染に晒されている・・・

 5月12日付けのWHO(世界保健機関)の発表によると、次の通り。

 ① 世界の都市住民の80%以上が、WHO基準値を超える大気汚染に晒されている。
 ② 低中所得国の人口10万人以上の都市の98%以上(高所得国では56%以上)が、WHO基準値を超えている。
 ③ 大気汚染により、脳卒中、心臓病、肺癌、喘息を含む呼吸器疾患が増える。


《原文より抜粋》
More than 80% of people living in urban areas that monitor air pollution are exposed to air quality levels that exceed WHO limits. While all regions of the world are affected, populations in low-income cities are the most impacted.

According to the latest urban air quality database, 98% of cities in low- and middle income countries with more than 100 000 inhabitants do not meet WHO air quality guidelines. However, in high-income countries, that percentage decreases to 56%.

As urban air quality declines, the risk of stroke, heart disease, lung cancer, and chronic and acute respiratory diseases, including asthma, increases for the people who live in them.


 その他の言及については、上記の発表を参照されたい。

 尚、産業排煙を減らすために太陽光や風力のような再生可能エネルギーの利用増を勧めている点が興味深い。


Reducing industrial smokestack emissions, increasing use of renewable power sources, like solar and wind, and prioritizing rapid transit, walking and cycling networks in cities are among the suite of available and affordable strategies.
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