反論と提言と 〜 12/4放送のNHKクローズアップ現代「中国“再エネ”が日本を飲み込む!?」について

 12月4日、NHKはクローズアップ現代で「中国“再エネ”が日本を飲み込む!?」と題して、日本と中国の再生可能エネルギーのビジネスに関して放送した。

 この番組放送の直後、私はTwitterやFacebookで‪、次のように書いた。‬‬

10
 


 この番組放送の内容は、再生可能エネルギーを応援する番組構成となっている。それ自体は問題ない。

 だが、再エネを今後推進していく上での極めて重大な課題に関する情報が全く盛り込まれていない。

 そのため、この番組放送の内容のままでは、日本の再エネ政策について視聴者が著しい誤解を抱く可能性が高い。

 以下では、この番組放送に関するNHKウェブサイトの文面や資料・写真を引用貼付しながら、この番組放送の内容の是非について述べていく。

>>>

<引用貼付(1)>
13

 ↓

 『欧州各国が再エネへ舵を切り始めると』という部分について、欧州の実態を詳しく見れば、

①欧州では、ドイツやデンマークのように、再エネのうち風力・太陽光・バイオマスの導入を強力に推進している国があって
〔参考1〕

②EU全体では、風力・太陽光・バイオマスの導入量は漸増傾向にあり
〔参考2〕

③2016年で、風力・太陽光・バイオマスに、従来から主要電源である水力を加えた全体の再エネは、電力構成の1割強になる
〔参考1〕

という言い方が的確だろう

〔参考1〕2016年におけるEU全体・28ヶ国の電力量構成比(%)
22

〔参考2〕EU全体の燃料別電力量構成
53


 『日本の再エネ市場は低迷。太陽光パネルメーカーの撤退が相次ぎ、震災直後盛り上がりを見せた新規参入事業者も減少を続けている。背景にはわが国特有の規制の壁があった』について、

 今では、『
日本の再エネ市場は低迷』しているとは言えない。

 日本の一部マスコミは、日本は“再エネ後進国”であるかのように書き立てる。

 だが、日本での太陽光発電の導入状況は、世界的にも高水準。2016年現在、太陽光発電電力量で日本はOECD第2位である
〔参考3〕

〔参考3〕OECD主要国での太陽光発電電力量の推移
30


 他方で、再エネコスト(再エネ発電コスト、再エネ買取価格)の面では、世界各国と比べて相当に高止まっている。

 その意味では、日本は“再エネコスト後進国”である
〔参考4・5〕

〔参考4〕日欧の非住宅用太陽光システム費用(万円/kW)
50
http://www.meti.go.jp/committee/chotatsu_kakaku/pdf/032_02_00.pdf

〔参考5〕主要国の再エネ買取価格の推移
52
http://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/022/pdf/022_006.pdf


 『太陽光パネルメーカーの撤退』が相次いだのも、『震災直後盛り上がりを見せた新規参入事業者も減少を続けている』のも、事実と言えば事実。

 しかし、『
背景にはわが国特有の規制の壁があった』というのは、非常に誤解を与える表現である。

 背景にあるのは、『わが国特有の規制の壁』ではない。

 日本の送配電線の敷設の根拠や、送配電線の敷設に係る費用負担原則は、太陽光発電の導入促進を優先度第一位に据えているわけではない。それは、日本のエネルギー政策上の要請である。

 つまり、日本のエネルギー政策は、再エネ導入促進を目指しつつも、それは全体の電力安定供給システム維持を大前提かつ最優先させているのであって、

 電気の消費者全員への遍く広い公平性を最重視した現行の費用負担原則を捻じ曲げてまで、太陽光発電の導入を慫慂してはいない、ということ。

 別の言い方をすれば、日本の送配電網は、

 「原子力発電・石炭火力発電・天然ガス(LNG)火力発電・石油火力発電・水力発電・地熱発電・
バイオマス発電・風力発電・太陽光発電など全ての電源」のベストミックスによって、

 極力、安価かつ安定的な電力供給システムを継続させていくために、

 国の電力広域的運営推進機関の主導で運営されているものであって、

 太陽光など再エネ電気を優先的に買い取るためのものではないし、

 再エネ事業者の希望通りに運営されるものではないということ。

>>>

<引用貼付(2)>
09
14
26
40
10

 ↓

 上述のように、日本の送配電線の敷設の根拠や、送配電線の敷設に係る費用負担原則は、太陽光発電の導入促進を優先度第一位に置いて制定されているわけではない。
 
 送電線空き容量の概念は、政府公認のもので運用されているので、再エネ事業者の立場からの空き容量と、安定供給システム維持を任務とする政府の立場からの空き容量には、相当の差異が生じる。

 日本のエネルギー政策は、再エネ導入促進を目指しつつも、それは全体の電力安定供給システム維持を大前提かつ最優先させている。

 日本の電力供給システムは、安価かつ安定的な供給体制を構築・継続するため、発電側から需要設備に近づくにつれて電圧を下げ、送電容量も需要に見合う量とするようにしている。

 再エネ電源が電力需要の少ない地域で増加すると、既存の送配電設備に容量不足が生じて電気を流せなくなる〔参考6〕

〔参考6〕送配電設備の容量不足のイメージ56
http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/shoene_shinene/shin_ene/pdf/002_04_00.pdf

 もちろん、再エネ導入を促進するため、送配電網の新増設が適宜進められている。それは、送配電網を運営する大手電力会社(送電会社)の負担で実施する場合もあれば、再エネ事業者の専用線であれば再エネ事業者の負担で実施する場合もある。


 しかし、電気の消費者全員への遍く広い公平性を最重視した現行の費用負担原則を捻じ曲げてまで、太陽光発電の導入を慫慂してはいない。

 別の言い方をすれば、日本の送配電網は、

 「原子力発電・石炭火力発電・天然ガス(LNG)火力発電・石油火力発電・水力発電・地熱発電・バイオマス発電・風力発電・太陽光発電など全ての電源」のベストミックスによって、

 極力、安価かつ安定的な電力供給システムを継続させていくために、国の電力広域的運営推進機関の主導で運営されているものであって、太陽光など再エネ電気を優先的に買い取るためのものではないし、再エネ事業者の希望通りに運営されるものでもないということ。

 この番組放送では、『
(送電線の利用率は)最大でも20%を超えない。中には4%とか2%といった10%を割っている低い利用率が多くある』、『空き容量がゼロと公表された送電線は、実際には2~18%程度しか使われていなかったのです』との見解が流されたが、

 この見解は、再エネ事業者側から見た一方的なものに過ぎないので、電力の安定供給システムの維持を任務とする政府の立場とは多分に相容れず、通用しないはずだ。

 現に、通用していない。

 もし通用させたいならば、「再エネ導入の促進」を「電力の安定供給システムの維持」よりも優越させる政策思想を携えた法律案を国会で成立させてからにしなければならないだろう。


>>>

<引用貼付(3)>
21

 ↓

 上述のように、再エネ事業者向け『空き容量』は大手電力会社(送電会社)が独断で決めているのではなく、政府公認の方法で算出されるもの。

 だから、各送電会社の再エネ事業者向け『空き容量』に関して取材するならば、取材先は、送電会社ではなく、国の電力広域的運営推進機関でなければならない。


>>>

<引用添付(4)>
01
01

 ↓

 『実は今、中国ではエネルギー政策の大転換が猛スピードで進んでいます。火力や原子力から再生可能エネルギーへ』という部分について、

 中国が、火力への依存度を低減し、再エネ導入を促進しているのは、中国政府筋の報道からも概ね事実だろう。

 しかし、原子力から再エネへのエネルギー転換が猛スピードで進んでいるかのような言い方は、中国政府筋の報道などからしても、事実誤認と言わざるを得ない。

 中国では、急増する電力需要に対応するため、1994年に初めて原子力発電所を竣工して以降、原子力導入を進めてきている。

 2011年3月の福島第一原子力発電所事故後、内陸部での原子力発電所建設が一時凍結されたが、沿岸部での建設は継続され、2011年以降でも24基が竣工。

 現在、米・仏・日に次いで37基の原子炉を保有し、2020年には今より80%増の規模にまで拡大する計画。パキスタンやアルゼンチンなど新興国に対する「原発輸出」も積極的に行っている。

 『
なかなか再生可能エネルギーが定着しない日本』というのは、全くの事実誤認。上述の通り、日本での太陽光発電の導入状況は世界的にも高水準であり、2016年現在で日本の太陽光発電電力量はOECD第2位〔参考3〕

 更に、再エネ導入の2030年電源ミックス目標との関係では、中小水力・地熱は遅々として進んでいないが、太陽光・風力・バイオマスの固定価格買取制度(FIT)の認定量は予想を遥かに超える勢いとなっている
〔参考7〜11〕


〔参考7〕太陽光発電のFIT認定量と導入量の状況
22
http://www.meti.go.jp/committee/chotatsu_kakaku/pdf/032_02_00.pdf

〔参考8〕風力発電のFIT認定量と導入量の状況
06
http://www.meti.go.jp/committee/chotatsu_kakaku/pdf/032_02_00.pdf

〔参考9〕バイオマス発電のFIT認定量と導入量の状況
45
http://www.meti.go.jp/committee/chotatsu_kakaku/pdf/032_02_00.pdf

〔参考10〕中小水力発電のFIT認定量と導入量の状況
20
http://www.meti.go.jp/committee/chotatsu_kakaku/pdf/032_02_00.pdf


〔参考11〕地熱発電のFIT認定量と導入量の状況
33
http://www.meti.go.jp/committee/chotatsu_kakaku/pdf/032_02_00.pdf

>>>

<引用貼付(5)>
41
04
24

 ↓

 2016〜17年にゼロだったのは原子炉の『建設許可』であって、2016〜17年に商業運転を開始した原子炉はある。なぜ、それを報じないのか?

 上述の通り、中国では、急増する電力需要に対応するため、1994年に初めて原子力発電所を竣工して以降、原子力導入を進めてきている。

 2011年3月の福島第一原子力発電所事故後、内陸部での原子力発電所建設が一時凍結されたが、沿岸部での建設は継続され、2011年以降でも24基が竣工している。
  
 中国は現在、米・仏・日に次いで37基の原子炉を保有し、2020年には今より80%増の規模にまで拡大する計画。パキスタンやアルゼンチンなど新興国に対する「原発輸出」も積極的に行っている。

 『国家のエネルギー政策の策定に深く関わった専門家は、再生可能エネルギーへの流れは今後さらに加速するとみています』と書かれている。だが、再エネの導入だけが促進されるわけではない。

 中国は、石炭依存度は減らしていくが、太陽光や風力などの再エネの導入を促進していくとともに、原子力や天然ガスの導入も促進していく方針を発表している。


>>>

<引用貼付(6)>
06
50

 ↓

 再エネコスト(再エネ発電コスト、再エネ買取価格)の面で、日本は、世界各国と比べて相当に高止まっている〔参考4・5〕

 日本の再エネコストを諸外国並みに引き下げるには、FIT価格を大幅に引き下げる以外に手段はない。

 具体的には、後述するように、FIT法に基づき、FIT認定済み案件や稼働済み案件の買取価格・買取期間を事後的に変更していくしかない。

 再エネ発電コストをどんなに引き下げる努力をしても、再エネ買取価格が相当高水準のまま当面継続されるのだから、そうした事後的変更をする以外に妙案はない。


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<引用貼付(7)>
47
11

 ↓

 日本では、中国勢が堂々と日本の再エネ市場に参入している。

 中国では、日本勢は堂々と中国再エネ市場に参入しているだろうか?

 誠に残念ながら、日本勢が中国の再エネ市場で大きな事業展開をしているとは、全く聞こえてこない。日本のFITは、中国勢を儲けさせるための道具になっている側面もある。

 このままでは、将来、中国の再エネで蓄電された蓄電池を日本が輸入するなどという事態が起こるかもしれない。

 日本で、コスト合理的な範囲での「再エネ・原子力の活用」と「石炭の高効率利用」を引き続き推進していくべき理由は、化石燃料に係る国際情勢の変化だけでなく、将来の蓄電池に係る国際情勢の変化への対抗力の温存というものある。

>>>

<引用貼付(8)>
13
42

 ↓

 『まずは再生可能エネルギーのコストをできるだけ下げていくように、さまざまな制度改革を含めた、先ほどの送電線の制度もそうですけれども、環境、投資環境・制度環境を作っていくことだと思います』について、

 日本で再エネコストが高止まりしている主因は、世界的にもぶっち切りで高い法定買取価格(FIT価格)であることは周知のこと
〔参考4・5〕

 『
送電線の制度』は、上述のことからも、再エネ普及の阻害要因として責め立てるのは不適格。換言すれば、『送電線の制度』は、再エネ普及の促進よりも、安定供給の継続を優先しているという話。

 『
中国などの先ほどの事例を見ますと、大気汚染、温暖化対策、さまざまな理由で再生可能エネルギーが導入されていると思いますけれども、これだけ安い電気になってまいりますと、まさに産業の競争力を支える電気として戦略的に導入をされていると思います。そういう意味で、日本の産業競争力を考えたときに、再生可能エネルギーをやはりうまく入れていくということを考えていく必要があると思います』について、

 現行FITの『
制度改革』をせずに、需要家負担に転嫁される『再生可能エネルギーのコストをできるだけ下げていく』ことは、当面不可能〔参考12〕


〔参考12〕2030年までの再エネFITコスト負担の見通し(長期エネルギー需給見通し)
17
http://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/022/pdf/022_006.pdf


 日本の産業競争力を真剣に考えるならば、『再生可能エネルギーのコストをできるだけ下げていく』ための『制度改革の具体策を提起すべきだ。

 私としては、FIT価格を大幅に引き下げるため、FIT法に基づく措置を発動することを強く提案したい。具体的には、

①FIT法では、「経済事情に著しい変動」が起これば、認定済み案件や稼働済み案件の買取価格・買取期間を事後的に変更できるとされているので、

②政府は、認定量が想定を超えて急増した場合を「経済事情に著しい変動」とするよう柔軟な解釈をすることで、

③「既に決めた太陽光発電の2017年度以前の買取価格・買取期間」を事後的に変更する。 

 これは、FIT法に規定されている「伝家の宝刀」を抜くことに他ならないのだが、そうでもしなければ、日本では当面、再エネ電気は『安い電気』にはなり得ない。

 もっとも、仮に太陽光や風力による再エネ電気が『安い電気なったとしても、原子力・火力・水力との真の競合電源になるには、供給安定性を備えるための蓄電機能を付加していく必要は別途ある。


大きな誤解を与える報道 〜 ドイツで風力は石炭を超えたのか?

 ドイツの電力供給面で風力が石炭を超えたかのような、大きな誤解を与える報道があったので、ここで正しておきたい。

 先月24日付け Bloomberg “German Wind Power Beats Hard Coal, Nuclear Power for First Time” は、フラウンホーファーISE研究所が、「ドイツで今年、陸上と洋上を合わせた風力の発電量が、石炭(hard coal;無煙炭)と原子力の発電量を初めて超えた」と発表した、と報じた。


原文より抜粋》
Power generated this year by onshore and offshore wind in Germany exceeded the amount of electricity coming from hard coal and nuclear plants for the first time, the Fraunhofer ISE institute said on its website.


 この記事では、次の二つの資料が添付されている。

 資料1は、2017年での発電量ベースで、風力が石炭(hard coal;無煙炭)と原子力を超えていることを示している。

 資料2は、2017年での発電設備新増設容量ベースで、風力が石炭(hard coal;無煙炭)その他全ての電源を超えていることを示している。


〔資料1〕
-1x-1
2017.11.24 Bloomberg “German Wind Power Beats Hard Coal, Nuclear Power for First Time” 

〔資料2〕
-1x-1 (1)
2017.11.24 Bloomberg “German Wind Power Beats Hard Coal, Nuclear Power for First Time


 以上までの記事本文や資料からだと、ドイツでは2017年に風力が「石炭」など全ての電源を超えたと、多くの読者は思い込んでしまうだろう。

 しかし、これは大きな事実誤認となる。

 ドイツなど外国のエネルギー統計では、資料3のように、「石炭」に関しては、「無煙炭(hard coal)」と「褐炭(lignaite)」に分けて掲載されることがよくある。


〔資料3〕
11
 記事の後半では、最も安くて最も低品位な褐炭(lignite)の発電量は0.3%増加して117TWhになり、無煙炭(hard coal)の発電量は14%減少して69.3TWhになった、と書いている。因みに、石炭の中では、無煙炭などは高品位炭、褐炭などは低品位炭と分類されている。

Lignite generation rose 0.3 percent to about 117 terawatt-hours so far this year, highlighting the addiction of utilities to one of the cheapest and dirtiest forms of energy, said Burger. Hard coal generation dropped 14 percent to 69.3 terawatt-hours, he said.


 記事本文では褐炭(lignite)に関してそこまで書いてあるのに、上記の資料1では褐炭(lignite)の発電量に関してグラフ化されていないのは何故なのか?

 発電量ベースでは褐炭(lignite)が風力よりも多い。つまり、風力は最大の電力供給源でないが、その事実を隠したかったのだろうか?

 理由はどうであれ、資料1のように、明らかに読者に誤解を与えるような資料を発表するのは不適格だし、それをそのまま報道する報道姿勢も適格ではない。

 印象操作したいのかと思われても、仕方ない。


☆ニュース配信☆ 2016年の温室効果ガス:CO2、CH4、N2Oの濃度が過去最高を更新

2016年の温室効果ガス:CO2、CH4、N2Oの濃度が過去最高を更新

livedoorニュース

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http://www.gadgetwear.net/2017/12/2016co2ch4n2o.html


 世界気象機関(WMO;World Meteorological Organization)の10月30日の発表 “
Greenhouse gas concentrations surge to new record” によると、二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、亜酸化窒素(N2O)の3大温室効果ガスについて、2016年での世界平均濃度が過去最高を更新した。 

 詳細は、WMOが作成した報告書 “WMO Greenhouse Gas Bulletin” を参照されたい。 



 2016年において、CO2濃度は403.3±0.1ppm、CH4濃度は1853±2ppb、N2O濃度は328.9±0.1ppb で、それぞれ工業化以前の頃よりも145%増、257%増、122%増であった。 

原文より抜粋》 
The latest analysis of observations from the WMO GAW Programme shows that globally averaged surface mole fractions calculated from this in situ network for CO2, methane (CH4) and nitrous oxide (N2O) reached new highs in 2016, with CO2 at 403.3±0.1ppm, CH4 at 1853±2ppb and N2O at 328.9±0.1ppb. These values constitute, respectively, 145%, 257% and 122% of pre-industrial (before 1750) levels.


 上記のWMO報告書は、CO2その他の温室効果ガスの急速な増加は「深刻な生態学的経済的混乱」に繋がる深刻な気候変動をもたらす、としている。 

原文より抜粋》 
Rapidly increasing atmospheric levels of CO2 and other greenhouse gases have the potential to initiate unprecedented changes in climate systems, leading to “severe ecological and economic disruptions,” said the report.


 人口の増加、農業の進展、土地の利用と森林の減少、工業化、エネルギー使用のための化石燃料消費量の増加は、1750年頃に始まった工業化以降、大気中の温室効果ガス濃度の上昇をもたらした。 

 海洋大気局の資料によると、1990年以来、温室効果ガスによる温室効果は40%増加し、2015年から2016年までは2.5%増加した。 

原文より抜粋》
Population growth, intensified agricultural practices, increases in land use and deforestation, industrialization and associated energy use from fossil fuel sources have all contributed to increases in concentrations of greenhouse gases in the atmosphere since the industrial era, beginning in 1750. 

Since 1990, there has been a 40% increase in total radiative forcing – the warming effect on our climate - by all long-lived greenhouse gases, and a 2.5% increase from 2015 to 2016 alone, according to figures from the US National Oceanic and Atmospheric Administration quoted in the bulletin. 


 WMOは、再生可能エネルギーのための気象・気候関連サービスを改善し、グリーン経済と持続可能な開発を支援すべく取り組んでいる。太陽光や風力、水力の利用を最適化するには、新しいタイプの気象・気候・水理サービスが必要になるからだ。 

原文より抜粋》 
WMO is also striving to improve weather and climate services for the renewable energy sector and to support the Green Economy and sustainable development. To optimize the use of solar, wind and hydropower production, new types of weather, climate and hydrological services are needed.

☆石川和男のエネルギーCh(チャンネル) vol.46

2017年12月7日17:00〜17:45

ニコ生 : http://live.nicovideo.jp/watch/lv309221838

YouTube : 
https://youtu.be/Fa6V_KGeooY

次期エネルギー基本計画 〜 だんだん姿が見えてきた・・・

 先月28日、経済産業省・総合資源エネルギー調査会基本政策分科会(第22回会合)にて、エネルギー基本計画改定に向けた議論がなされた。

 議論の経過を見ると、現行のエネルギー基本計画(2014年4月策定)や、現行の長期エネルギー需給見通し(2015年7月)をほんの僅か見直す公算が大。

 経産省当局が同日提示した資料は大きく二つ(資料1資料2)で、いずれにも有用な数値や政策思想が散りばめられている。その中から、今後のエネルギー政策を語る上で特に知っておくべき資料を以下に貼付しておく。

資料1より抜粋>
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資料2より抜粋>
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再エネ5電源の行方 〜 太陽光と風力とバイオマスは今後も増加傾向、中小水力と地熱は殆ど伸びず

 以下に貼付したのは、経済産業省が先月21日の調達価格等算定委員会(第32回)で提示した「各電源の現状について」と題する一連の資料。

 その内容を熟考すると、再生可能エネルギーの5電源(太陽光、風力、地熱、中小水力、バイオマス)の扱いについて、今後数年間で、それぞれ概ね次のようになると私は予想している。


(1)太陽光:認定量・導入量ともに増加
 ◎ 非住宅用:2018〜19年度に、入札対象を「2MW以上」から「1MW以上」にまで拡大。
 ◎ 非住宅用:「1MW未満」は、2018〜19年度17円/kWh、2019〜20年度14円/kWhへ引下げ。
 ◎ 住宅用:買取価格・期間は据え置き、“2019年問題”への周知を徹底。


03

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(2)風力:認定量は増加、導入量は微増
 ◎ 陸上風力(大型):買取価格は当分据え置き。
 ◎ 陸上風力(小型):導入状況次第で、数年以内に買取価格引下げ。
 ◎ 洋上風力:買取価格・期間は当分据え置き。


25

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(3)地熱:認定量・導入量ともに殆ど伸びず
 ◎ 買取価格・期間は当分据え置き。
 ◎ 地熱の目標枠を、太陽光・風力の目標枠に置き換える可能性あり。

01


(4)中小水力:認定量・導入量ともに殆ど伸びず
 ◎ 買取価格・期間は当分据え置き。
 ◎ 中小水力の目標枠を、太陽光・風力の目標枠に置き換える可能性あり。


12


(5)バイオマス:認定量・導入量ともに増加
 ◎ 一般木質等バイオマス: 「1MW以上」から段階的に入札制に移行。
 ◎ 一般木質等バイオマス:入札対象以外は、既に決めた2018・19年度の買取価格・期間を見直し。
 ◎ 一般木質等バイオマス:2019〜20年度の買取価格・期間は、欧米並みに引下げ。
 ◎ 一般木質等バイオマス:燃料の調達条件を速やかに厳格化。
 ◎ 輸入バイオマス燃料:数年以内にFIT対象から実質的に除外。

23


 

【ハフィントンポスト寄稿】<経産省の挑戦> 高過ぎる再エネ価格を引き下げる"伝家の宝刀"を抜くか?

<経産省の挑戦> 高過ぎる再エネ価格を引き下げる"伝家の宝刀"を抜くか?


 大手電力10社が、再生可能エネルギーで作られた電気を20年間にわたって、一定価格で引き取るという制度(固定価格買取制度;通称FIT)がある。

 買取りのための財源は、我々一般庶民の電気料金に上乗せされる。2017年度の再エネ買取費用の総額は2.7兆円〔資料1〕。 

 このうち、化石燃料から再エネに置き換わることで支払わなくて済む化石燃料代を差し引いたものが、再エネ導入のための純粋な追加負担金であり、その総額は2.1兆円。これは「再エネ賦課金」と呼ばれる。  

 今年度の場合、標準家庭では月690円、年8230円となる。月々の電気料金明細書に書かれている。再エネ賦課金は、今後当面、毎年上がり続ける見込み。

〔資料1〕  
29


 最近、再エネの一つである「一般木材等バイオマス発電」のFIT認定の申請が急増し、大問題となっている。申請を全て認めてしまうと、再エネ買取費用が高くなり過ぎるからだ。  

 大規模な一般木質等バイオマス発電(容量2万kW以上)の買取価格の引下げが決まってから、認定申請の駆け込みが頻発。昨年3月時点で265万kWであった認定容量は、今年3月には1062万kWへと急増した〔資料2〕。

〔資料2〕  
03



 今後、認定対象の一般木材等バイオマス発電設備が全て稼働すれば、2030年度の買取費用は1.8兆円になる。これは、当初想定の3倍の規模。  

 実は、太陽光発電も同じような状況にある。買取費用は現時点で既に1.7兆円に達しており、制度開始後たった5年で、2030年度に想定している買取費用2.3兆円に迫る勢いとなっている。  

 こんな異常事態になったのは、認定申請の要件を満たしてさえいれば、たとえ発電設備を設置する証明がなくとも次々と認定がなされてきたことによる。これは、再エネ行政当局である経済産業省の失敗であり、最終責任はそれを容認してきた政権与党にある。  

 太陽光発電については、事業用で大規模なもの(容量2000kW以上)を対象として、今年度から入札制度を導入された。先週、最初の入札が実施され、落札価格の最安値は2016年度の売電価格を3割下回った。初めてにしては、好成績と言える。    

 一般木材等バイオマス発電に関しても、大規模なものから入札制度の対象にするとの方向性が、先週開かれた経産省の有識者会議で提起された。早ければ、2018年度から実施されるだろうから、それに向けた詳細な制度設計が進んでいくはずだ。  

 しかし、太陽光発電や一般木材等バイオマス発電の買取価格を入札で決めるだけでは、再エネ費用負担の大幅な削減には至らない。もっと斬り込んでいかないと、再エネに係る将来の国民負担を低減することはできない。  

 大衆マスコミでは全く報じられていないようだが、先週の経産省会議では、次のような論点提起をした資料が配布された〔資料3〕。

〔資料3〕


 この論点提起の文章を、かいつまんでわかりやすく言うと、次の通り。

① FIT法によると、
② 経産省が毎年決定する再エネ電気の買取価格・買取期間に関して、
③ その決定の前提とした再エネ電気供給量が大幅に変化し、
④ その変化による国民負担への影響が大きいと認められる場合には、
⑤ FIT認定前であれば、いったん決めた買取価格・買取期間を事後的に変更することができるのではないか。
⑥ そして、既に決めた一般木材等バイオマス発電の2018〜19年度の買取価格・買取期間について、事後的に変更すべきではないか。  

 これは、ちょっと大胆な提案だ。

 再エネ導入に伴う国民負担を巨大化させないためとは言え、いったん決めたものを事後的に変更することは、役所にとっても大きな挑戦である。
 
 しかし、「既に決めた一般木材等バイオマス発電の2018〜19年度の買取価格・買取期間」を事後的に変更できるという経産省の"厳格な解釈"では、今後新たに認定を受ける案件にしか効かない。

 FIT法では、「経済事情に著しい変動」が起これば、認定済み案件や稼働済み案件の買取価格・買取期間を事後的に変更できるとされている。

 経産省は、もっと大胆になる必要がある。  

 つまり、認定量が想定を超えて急増した場合を「経済事情に著しい変動」とするような"柔軟な解釈"をすべきだ。

 それにより、

⑴ 「既に決めた一般木材等バイオマス発電の2017年度以前の買取価格・買取期間」も事後的に変更できるようになるし、

⑵ 「既に決めた太陽光発電の2017年度以前の買取価格・買取期間」も事後的に変更できるようになる。  

 これは、FIT法に書かれている『伝家の宝刀』を抜くことに他ならない。  

 このくらいの大ナタを振るわないと、再エネ導入に伴う国民負担の肥大化を事前に防ぐことはできない。


2018年度の再エネ買取価格 〜 既に決めた買取価格・期間も見直す可能性が出てきた・・・

 先のブログ記事の続き。
 
 再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)に基づく2018年度の買取価格の検討を進めるため、先月21日、経済産業省・調達価格等算定委員会(第32回)で、一般木材等バイオマス発電について、更に突っ込んだ論点が提示された。

 その論点も含めた資料一式を下記に貼付する。それらを見ながら熟慮すると、主な最終結論としては、次のような所が目指されていると思われる。

(1)価格水準の是正:高過ぎる一般木質等バイオマス買取価格は、大幅に引き下げる。
 ① “バイオマスバブル”を鎮静化させるとともに、将来の自立化を見据え、『メガバイオマス(1MW以上)』から段階的に入札制に移行する。
 ② 入札対象以外のものについては、既に決めた2018・19年度の調達価格等を見直す。
 ③ 2019・20年度の調達価格等については、2018年度の入札結果を見てから検討するが、数年以内に欧米並みの水準に引き下げるよう誘導する。

(2)自給率の向上:輸入比率の高いバイオマス燃料は、国産に限定する。
 ① バイオマス燃料の輸入増は、自給率向上(≒ エネルギーセキュリティ向上)に逆行するので、輸入バイオマス燃料については2〜3年以内にFIT対象から実施的に除外する。
 ② 内外の森林破壊を助長しないよう、木質バイオマス燃料の調達条件を厳格化する。


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☆石川和男のエネルギーCh(チャンネル) vol.45

2017年11月30日17:00〜17:45

EUにおける家庭向け電気・ガス料金 〜 2017年上半期は前年同期比▲0.5%・▲6.3%

 先月29日付け eurostat newsrelease “Household energy prices in the EU downcompared with 2016” によると、欧州連合(EU ;European Union)における2017年上半期の家庭向け電気・ガス料金は、平均で前年同期比▲0.5%・▲6.3%だった。

 近年のEUの家庭向け電気・ガス料金の推移は、資料1の通り。


〔資料1〕
47
2017.11.29 eurostat newsrelease “Household energy prices in the EU downcompared with 2016


 ① EUにおける2017年上半期の家庭向け電気料金は、前年同期比で、わずかだがEU平均で100kWh当たり0.5%減の20.4€(ユーロ)低下。ブルガリアでは100kWh当たり10€以下、デンマークとドイツでは100kWh当たり30€以上であった。

② 家庭向けガス料金は、2017年上半期でEU平均で前年同期比6.3%減で、100kWh当たり5.8€減であった。ルーマニアとブルガリアでは100kWh当たり3.5€未満、デンマークでは100 kWh当たり8€強、スウェーデンでは100kWh当たり12€以上であった。

 ③ EUにおいて、家庭向け電気・ガス料金に課せられる税金・賦課金は、2017年上半期では、電気料金の1/3超(37%)・ガス料金の約1/4(26%)を占めている。

原文より抜粋》
In the European Union (EU), household electricity prices slightly decreased (-0.5%) on average between the first half of 2016 and the first half of 2017 to stand at €20.4 per 100 kWh. Across the EU Member States, household electricity prices in the first half of 2017 ranged from below €10 per 100 kWh in Bulgaria to more than €30 per 100 kWh in Denmark and Germany.

Household gas prices fell by 6.3% on average in the EU between the first halves of 2016 and 2017 to stand at €5.8 per 100 kWh. Among Member States, household gas prices in the first half of 2017 ranged from less than €3.5 per 100 kWh in both Romania and Bulgaria to slightly above €8 per 100 kWh in Denmark and €12 per 100 kWh in Sweden.

Taxes and levies in the EU made up on average over a third (37%) of the electricity price charged to households in the first half of 2017, and about a quarter (26%) of the gas price.


 EU加盟国ごとの家庭向け電気料金の構成比は、資料2・資料3の通り。

 2017年上半期で、デンマークでは家庭向け電気料金の2/3(67%)が税金・賦課金で、次いでドイツの1/2超(54%)、ポルトガル(52%)、・・・マルタ(5%)であった。EU加盟国の平均で、家庭向け電気料金の1/3超(37%)が税金・賦課金で占められた。

 デンマークとドイツでは、電力部門における再生可能エネルギー比率は、EU内のみならず、世界的にも高い。こうした再エネ大国の場合、賦課金(再エネ賦課金)の比率が高くなるのは当然のこと。


The share of taxes and levies in total household electricity prices varied significantly between Member States, ranging from two-thirds in Denmark (67% of household electricity price is made up of taxes and levies) and over half in Germany (54%) and Portugal (52%) to 5% in Malta in the first half of 2017. On average in the EU, taxes and levies accounted for more than a third (37%) of household electricity prices.

〔資料2〕
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2017.11.29 eurostat newsrelease “Household energy prices in the EU downcompared with 2016

〔資料3〕
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2017.11.29 eurostat newsrelease “Household energy prices in the EU downcompared with 2016


 EU加盟国ごとの家庭向けガス料金の構成比は、資料4・資料5の通り。

 2017年上半期で、デンマークでは家庭向けガス料金の55%が税金・賦課金で、次いでオランダ(同53%)、ルーマニア(47%)、スウェーデン(44%)であった。少ない順では、イギリス(7%)、ルクセンブルグ(10%)、ギリシャ(16%)、ブルガリア・チェコ・リトアニア・スロバキア(17%)であった。EU加盟国の平均で、家庭向けガス料金の約1/4(26%)が税金・賦課金で占められた。


In the first half of 2017, taxes and levies made up the largest contribution to the price of gas for households in Denmark (55% of household gas price) and the Netherlands (53%). They were followed by Romania (47%) and Sweden (44%). At the opposite end of the scale, the smallest contributions were registered in the United Kingdom (7%) and Luxembourg (10%), ahead of Greece (16%), Bulgaria, the Czech Republic, Lithuania and Slovakia (all 17%). At EU level, taxes and levies accounted on average for about a quarter (26%) of household gas prices in the first half of 2017.

〔資料4〕
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2017.11.29 eurostat newsrelease “Household energy prices in the EU downcompared with 2016

〔資料5〕
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2017.11.29 eurostat newsrelease “Household energy prices in the EU downcompared with 2016

JAEA:毎日新聞「ナトリウム回収 想定せず もんじゅ設計に「欠陥」 廃炉念頭なく」は誤報・・・

 日本原子力研究開発機構(JAEA)によると、今月29日付け毎日新聞「ナトリウム回収 想定せず もんじゅ設計に「欠陥」 廃炉念頭なく」という記事は、誤報とのこと。

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2017.11.29 毎日新聞ネット記事

 以下は、JAEA発表の記事解説をそのまま転写したもの。


<記事概要>
◯廃炉が決まっている高速増殖原型炉「もんじゅ」について、原子炉容器内を満たしている液体ナトリウムの抜き取りを想定していない設計になっていると日本原子力研究開発機構が明らかにした。放射能を帯びたナトリウムの抜き取りは廃炉初期段階の重要課題。
◯同機構が近く原子力規制委員会に申請する廃炉計画には具体的な抜き取り方法を記載できない見通し。
◯1次冷却系のナトリウム約760トンのうち、原子炉容器内にある数百トンは抜き取れない構造だという。
◯原子力機構幹部は取材に対し、「設計当時は完成を急ぐのが最優先で、廃炉のことは念頭になかった。」
◯炉内のナトリウムは放射能を帯びているため、人が近づいて作業することは難しい。

<事実関係> 誤報
◯「もんじゅ」における廃止措置の初期段階は燃料を炉心から取り出すことを最優先に行うことであり、原子力規制庁からもこれを最優先に行うことを要求されている。原子炉容器内のナトリウムは燃料取り出しが終了するまでは、原子炉容器から抜き取ることは行わない。
◯「もんじゅ」における廃止措置の初期段階は燃料を炉心から取り出すことを最優先に行うことであり、原子力規制庁からもこれを最優先に行うことを要求されており、廃止措置計画の認可申請においても分割して申請することを許可されている。このため現在準備している廃止措置計画申請書は、先ず燃料取出し作業についての認可申請を行う計画である。燃料取り出し後に実施する原子炉容器内のナトリウム抜き取りについては、別途変更認可申請を行う計画である。
◯運転段階においては、原子炉容器内にある燃料を冷却するために、万一の配管が破断するような事故が発生した場合においても、燃料がナトリウムから露出することが無いよう原子炉容器内のナトリウムを抜き取る設計にはしていない。原子炉容器内のナトリウムの抜き取りについては、今後詳細に検討して決定していくが、原子炉容器の底部まで差し込んであるメンテナンス冷却系の入口配管を活用するなどにより抜き取ることが技術的に可能と考えている。その上で原子炉容器の最底部に残留するナトリウム(約1㎥)については、更なる抜き取り方法を検討するが、技術的に十分可能なものである。
◯「もんじゅ」の1次系のナトリウムが放射化されていることは事実であるが、運転を停止してから、長期間経っていることから、1次系ナトリウムの放射能レベルは16Bq/g(原子炉容器室壁表面の線量率に概算すると約0.25μSv/h)(2014年4月時点)と低いレベルであり、人が近づけないレベルではない。

<基本的な考え方>
◯平成28年12月21日「高速増殖原型炉もんじゅの取扱いに関する政府方針の決定について」により、廃止措置に移行することが決定した。
◯文部科学省より平成29年6月13日「「もんじゅ」の廃止措置に関する基本方針の決定」を受け、同日、原子力機構より「「もんじゅ」の廃止措置に関する基本的な計画」を文部科学大臣に提出した。
◯原子力機構としては、「基本的な計画」に基づき、政府一体の指導・監督の下、国内外の専門家による第三者評価を受けながら、立地地域並びに国民の理解を得つつ、安全確保を最優先に、我が国で最初のナトリウム冷却高速炉の廃止措置に着実に取り組む。

【補足】 ナトリウム炉の特徴
①沸点が高いので、軽水炉のように高圧にする必要はない。そのため、万一、冷却材が漏えいしても減圧沸騰することはない。(緊急冷却装置が必要ない)
②沸点と伝熱性能が高く、原子炉出入口温度差が大きく取れるので、自然循環による崩壊熱除去が可能。
③配管等との共存性がよいため、腐食の心配がない。
④比重が軽く、水と同じくらいであるため、循環ポンプ等は従来技術を活用できる。
⑤中性子を減速しないため、高速中性子を利用でき、核分裂で発生する中性子数が多いので、プルトニウムを効率よく増殖できる。
⑥自然界に豊富にあり、安価。


 今でも、大手マスコミが取り上げる原子力関係の話題については、原子力悪玉論に偏る報道姿勢が圧倒的に多い。特に「もんじゅ」は、悪評しか書かれない。

 上記の毎日新聞記事も、そういう報道姿勢に基づくものなのだろう。

 報道の自由は当然だとしても、どうせ悪玉論を書くのであれば、原子力だけでなく、化石燃料や再生可能エネルギーについても同等に扱うべきだ。

 原子力について、賞めちぎる必要はないが、悪玉としてしか扱わないのは、偏向報道でしかない。



☆ニュース配信☆ <北陸電力> 志賀原発“停止塩漬け” 〜 オール電化住宅の料金値上げへ

<北陸電力> 志賀原発“停止塩漬け” 〜 オール電化住宅の料金値上げへ

livedoorニュース

Amebaニュース

BIGLOBEニュース

Gadgetwear
http://www.gadgetwear.net/2017/11/blog-post_29.html


 1030日、北陸電力がついに値上げの意向を表明した。2017年度に経常損失80億円と、2年連続で過去最大の赤字が避けられない状況。志賀原子力発電所(石川県志賀町)が再稼働できず、安い電気を作れない状態が続いているからだ。

 

 値上げは、オール電化住宅や大規模な工場・商業施設が対象で、北陸電力の消費者全体の2割。それ以外の一般家庭など8割の消費者は、値上げ対象にはなっていない。

 

 日本では、原発を稼働させないと、安い電気を作れなくなるので、値上げせざるを得なくなる。〔逆に、原発を再稼働させれば、値下げが可能となる。〕

 

 20113月、東日本大震災により、東京電力福島第一原発が事故を起こした。以降、原発の再稼働は、震災後に新設された“原子力規制委員会”の審査で新規制基準に合格しないと認められないとの運用になっている。〔この運用は、世界的にもかなり変・・・。〕

 

 志賀原発もそうだが、日本の原発の多くは再稼働できずにいる。震災以降、いわば“停止塩漬け”のまま。北陸電力は、志賀原発2号機(135.8kW)の再稼働の審査を申請中だが、進捗状況は芳しくない。

 

 経産省の試算では、100kW級の原子炉1基が稼働率80で稼働すると、年間350630億円のコスト削減効果。志賀原発2号機が再稼働すれば、値上げは回避できるし、将来の値下げも期待できる。

 

 審査を担う原子力規制庁の担当官の数が少なく、審査の要請に対応し切れていない。役所組織の都合で審査が満足にできずにいる。〔民間企業を相手に、こんなバカな規制行政を一体いつまで続けるのか。〕

 

 新基準に合格しないと再稼働を許さないなどという規制運用は、常軌を逸している。先ずは再稼働を容認し、稼働中に新基準の適合審査を進めるというのが、世界的にも常識的な規制行政の姿だ。〔原子力規制委・規制庁は、そんなことも知らないのか?〕

 

 原発が稼働しないと、その分だけ火力発電所を代替稼働させておかなければならなくなる。そうなると、化石燃料(天然ガス、石油、石炭)の輸入費用が膨らむ。〔これがバカ高い。〕

 

 国全体で見ても、火力発電比率は65%(震災前2010年度)から83%(2016 年度)にまで急増。輸入依存度の高まりは、決して望ましくない。〔安全保障上のリスクが膨らむ。〕

 

 2016 年度の原発停止に伴う燃料費増加分は、年間約1.3兆円、国民1人当たり約万円。震災以降の燃料費増加分の合計は約15.5兆円。〔国民1人当たり約12万円の負担増。〕

 

 更に、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FITに基づく再エネ賦課金は、2016 年度で約1.5兆円。〔国民1人当たり約1.2万円の負担増。〕

 

 消費税1%分が年間2.5兆円だということを考えても、上記のエネルギーコスト負担増の大きさを見過ごすことはできないだろう。

 

 それに、原発を再稼働させずに再エネ導入を拡大すると、二重の負担増になってしまう。

 

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(出所:2017.10 経済産業省「電力需給検証報告書」

 

 大手電力10社のうち、沖縄電力を除く9社は原発を保有。震災後、7社(北海道電力、東北電力、東京電力、中部電力、関西電力、四国電力、九州電力)が値上げを実施。

 

 関西電力高浜原発34号機は、今年67月に再稼働。火力燃料費など877億円のコスト削減分を値下げ原資に充当し、8月に値下げ。家庭向け3.15%、企業向け4.90%、全体で4.29%の値下げ。月々390kWh消費する平均的世帯で電気代が年間約4000円安くなる。

 

多くの原発では、再稼働の予定時期は過ぎている。収益を生み出す原子力発電は停止中なのに、収益を生まない他の業務(使用済燃料の管理など)が継続中となれば、赤字幅は広がるばかりだ。

 

 国政選挙に五連勝した安倍政権ではあるが、支持率がほんの一瞬下がることを恐れて原発再稼働問題について前面に出ることを躊躇しているのだろうか。安倍首相は、原発再稼働を容認する会見を開くだけで十分だ。即刻、実行されたい。

☆ニュース配信☆ <経産省の挑戦>高過ぎる再エネ価格を引き下げる「伝家の宝刀」は抜かれるか?

<経産省の挑戦>高過ぎる再エネ価格を引き下げる「伝家の宝刀」は抜かれるか?

ニコニコニュース
http://news.nicovideo.jp/watch/nw3103821

excite ニュース
https://www.excite.co.jp/News/column_g/20171128/Mediagong_24429.html

Rakuten Infoseek ニュース
https://news.infoseek.co.jp/article/mediagong_24429/



 大手電力10社が、再生可能エネルギーで作られた電気を20年間にわたって、一定価格で引き取るという制度(固定価格買取制度:通称FIT)がある。

 買取りのための財源は、我々一般庶民の電気料金に上乗せされる。2017年度の再エネ買取費用の総額は2.7兆円。このうち、化石燃料から再エネに置き換わることで支払わなくて済む化石燃料代を差し引いたものが、再エネ導入のための純粋な追加負担金であり、その総額は2.1兆円。これは「再エネ賦課金」と呼ばれる。

 今年度の場合、標準家庭では月690円、年8230円となる。月々の電気料金明細書に書かれている。再エネ賦課金は、今後当面、毎年上がり続ける見込み。

 最近、再エネの一つである「木材バイオマス発電」のFIT認定の申請が急増し、大問題となっている。申請を全て認めてしまうと、再エネ買取費用が高くなり過ぎるからだ。大規模な木材バイオマス発電(容量2万kW以上)の買取価格の引下げが決まってから、認定申請の駆け込みが頻発。昨年3月時点で265万kWであった認定容量は、今年3月には1062万kWへと急増した。

 今後、認定対象の木材バイオマス発電設備が全て稼働すれば、2030年度の買取費用は1.8兆円になる。これは、当初想定の3倍の規模。実は、太陽光発電も同じような状況にある。買取費用は現時点で既に1.7兆円に達しており、制度開始後たった5年で、2030年度に想定している買取費用2.3兆円に迫る勢いとなっている。

 こんな異常事態になったのは、認定申請の要件を満たしてさえいれば、たとえ発電設備を設置する証明がなくとも次々と認定がなされてきたことによる。これは、再エネ行政当局である経済産業省の失敗であり、最終責任はそれを容認してきた政権与党にある。

【参考】<北陸電力が値上げ>原発停止で国民1人当たり年間1 万円の負担増に

 太陽光発電については、事業用で大規模なもの(容量2000kW以上)を対象として、今年度から入札制度を導入された。先週、最初の入札が実施され、落札価格の最安値は2016年度の売電価格を3割下回った。初めてにしては、好成績と言える。

 木材バイオマス発電に関しても、大規模なものから入札制度の対象にするとの方向性が、先週開かれた経産省の有識者会議で提起された。早ければ、2018年度から実施されるだろうから、それに向けた詳細な制度設計が進んでいくはずだ。しかし、太陽光や木材バイオマスの買取価格を入札で決めるだけでは、再エネ費用負担の大幅な削減には至らない。もっと斬り込んでいかないと、再エネに係る将来の国民負担を低減することはできない。

 大衆マスコミでは全く報じられていないようだが、先週の経産省会議では、次のような論点提起がなされた。


(1) FIT法によると、
(2)経産省が毎年決定する再エネ電気の買取価格・買取期間に関して、
(3)その決定の前提とした再エネ電気供給量が大幅に変化し、
(4)その変化による国民負担への影響が大きいと認められる場合には、
(5)FIT認定前であれば、いったん決めた買取価格・買取期間を事後的に変更することができるのではないか。
(6)そして、既に決めた木材バイオマス発電の2018〜19年度の買取価格・買取期間について、事後的に変更すべきではないか。


 これは、ちょっと大胆な提案だ。

 再エネ導入に伴う国民負担を巨大化させないためとは言え、いったん決めたものを事後的に変更することは、役所にとっても大きな挑戦である。しかし、「既に決めた木材バイオマス発電の2018〜19年度の買取価格・買取期間」を事後的に変更できるという経産省の“厳格な解釈”では、今後新たに認定を受ける案件にしか効かない。

【参考】<太陽光発電のムダ>累計買取費用32兆円でも電源割合わずか7%

 FIT法では、「経済事情に著しい変動」が起これば、認定済み案件や稼働済み案件の買取価格・買取期間を事後的に変更できるとされている。

 経産省は、もっと大胆になる必要がある。つまり、認定量が想定を超えて急増した場合を「経済事情に著しい変動」とするような“柔軟な解釈”をすべきだ。

 それにより、「既に決めた木材バイオマス発電の2017年度以前の買取価格・買取期間」も事後的に変更できるようになるし、「既に決めた太陽光発電の2017年度以前の買取価格・買取期間」も事後的に変更できるようになる。

 これは、FIT法に書かれている『伝家の宝刀』を抜くことに他ならない。このくらいの大ナタを振るわないと、再エネ導入に伴う国民負担の肥大化を事前に防ぐことはできない。

韓国の論調は『脱・脱原発』の方向・・・

 今月24日の韓国・中央日報の「ノーベル賞を受賞した科学者「文大統領の脱原発政策、再考する必要がある」」と題する記事では、米国政府で親環境エネルギー政策を推進した有識者が韓国政府の脱原発政策を正面から批判したことを報じている。

 先のブログ記事「韓国 〜 3大新聞とも「脱・脱原発」を歓迎する論調」でも書いたことだが、韓国の大手メディアは、『脱・脱原発』の方向性を色濃く出している。

 “反原発・脱原発”に偏重した日本のマスコミ各社の多くが、この韓国メディアのような論調を発する日は、半永久的に来ないのではないだろうか。そう思えばなおさら、韓国メディアの論調がバランス感覚に溢れたものに見えてくる。


記事抜粋》
・チュー元米国エネルギー長官は、普段から再生可能エネルギーを開発して温室ガスを縮小し、気候変動に対応する必要があると訴えてきた人物。環境論者。
・「脱原発政策が環境汚染を誘発したのは歴史的事実」
・ドイツのメルケル首相が脱原発を宣言したのは政治的判断。「極左派の意思決定のために大きな失敗をした」
・「再エネに着実に投資しつつ、比重を増やさなければならない」
・「再エネ技術が発展する時まで原子力発電は併行せざるを得ない」
・「粒子状物質による大気汚染問題を引き起こすLNGは救世主ではない」
・韓国の2060年までに再エネに100%切り替えるという目標は断固たる口調で「不可能だ」と。日照量が良くなくて太陽光に限界。風が激しいわけでもなく海上風力も制限的。陸上風力発電所を建てるほど土地が十分でもない。
・「最近、日本を訪問して高位官僚に脱原発は誤った決定だと指摘し、これに対し日本も脱原発政策を再考していると承知」

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2017.11.24 中央日報

《ハフィントンポスト寄稿》太陽光を原子力より安くする方法とは?

太陽光を原子力より安くする方法とは?

 経済産業省は、①原子力発電による電気(原発電気)は一番安く、②太陽光や風力のような再生可能エネルギーによる電気(再エネ電気)はかなり高い、と発表している。


 これは「正しい」のか? −−−−− 結論から言うと、「今のところ正しい」。

 東京新聞も、毎日新聞も、NHKも、朝日新聞も、テレビ朝日も、TBSも、絶対に認めないだろうが、こればかりは経産省が今のところ正しい。

 経産省は、世界標準の計算方法で、しかも"脱原発"を目指した前民主党政権で用いられた計算方法で計算している。

 その結果、1kWh当たりの発電コストは次の通り。

  原子力:10.1円~
  石炭:12.3円
  天然ガス(LNG):13.7円
  石油:30.6〜43.4円
  水力:11.0円
  地熱:16.9円
  風力(陸上):21.6円
  太陽光(メガソーラー):24.2円
  太陽光(住宅):29.4円

(出所:経済産業省資料

 原子力には、核燃料サイクルなど「再処理」、高レベル放射性廃棄物の「最終処分」、原発建設のための「立地交付金」、そして「事故リスク」対応費用も全て含まれている。それでも、最安値となる。

 別の比べ方をする。再エネ電気と原発電気を敷地面積で比べてみる。

 例えば、100万kW級の原発の敷地面積は約0.6km2で、1年分の原発電気の量と同じだけの再エネ電気を発電するには、①太陽光では約58km2(山手線とほぼ同じ面積)、②風力では約214km2(山手線の3倍以上の面積)の敷地が必要となる。

(出所:経済産業省資料


 更に別の比べ方だが、化石燃料電気と原発電気を燃料の量で比べる。

 例えば、100万kW級の原発1年分の電気を発電するのに必要な燃料(濃縮ウラン)は21トンで、同じ100万kW級の火力発電所1年分の電気を発電するのに必要な燃料は、①天然ガスでは95万トン、②石油では155万トン、③石炭では235万トンが必要となる。

(出所:経済産業省資料


 こんなことばかり書くと、原子力がぶっち切りの一番だと思えてしまうが、そういうわけでもない。

 上記のような話は、日本のように、再エネ資源にも化石燃料資源にも恵まれていない国でのこと。水力や地熱、天然ガスや石炭が豊富にある国ならば、原発がなくても大丈夫。

 ところで、太陽光は原子力には勝てないのだろうか? −−−−− そんなことはない。勝つ方法はある。

 そのためには、①欧州の約2倍もある太陽光発電システム費用を半減させ、②太陽光電気の法定買取価格を大幅減額させ、③天候・昼夜にかかわらず安定供給できるための蓄電池を備えればいい。(ただ、何十年後になるかは見当もつかないが・・・)

 今回の衆院選でも、前回の衆院選でも、前々回の衆院選でも、脱原発を公約の前面に押し出した政党は勝てなかった。希望の党も、立憲民主党も、共産党も、過半数には遠く及ばずに負けた。

 脱原発を掲げたから負けたのではない。脱原発は、もはや選挙民の心を掴むようなものではないのだ。最大の関心事はやはり、景気・経済と高齢化・社会保障。

 マスコミ各社は、敢えて原発推進論を掲げる必要はないが、いつまでも旧態依然とした脱原発論を叫び続けても、世間に通用しないのではないか。

 朝日新聞や東京新聞が社説で叫んでいるような脱原発論は、もう使いものにならない。

 <1>使い切るまで安い電気を作らせてから、安全に廃炉させる

 <2>再エネ電気による安価安定供給が実現すれば、原発をなくす

という順を追ったまともな原発ゼロ化プロセスを掲げたらどうか。

 極端な感情論や独善的な正義感を振りかざすような記事を書くのはもうおしまいにして、冷静な報道に徹していかないと、ネットの浸透で在京・中央マスコミはますます信頼を失っていくだろう。

☆石川和男のエネルギーCh(チャンネル) vol.44

2017年11月24日17:00〜17:45

ニコ生 : http://live.nicovideo.jp/watch/lv308854872

YouTube : https://youtu.be/UOvlr00Z-pQ

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世界の再エネ 〜 2022年までの見通しは明るい・・・

 国際エネルギー機関(IEA ; International Energy Agency)が先月発表した “Renewables 2017” によると、世界の再生可能エネルギーに関する2022年までの見通しとして、

 ①再エネ発電容量は、現在の石炭火力発電容量の半分である1,000GWまで伸びる
 ②再エネ発電量は、中国・インド・ドイツの合計電力消費量8,000kWhを上回る
 ③太陽光発電は、中国での開発・普及の拡大によって、新しい成長の時代に入る

とのこと。


原文より抜粋》
・Renewables rise by 1,000 GW to 2022, equal to half of current total coal capacity 
・Renewables generation exceeds 8,000 TWh by 2022, equal to total electricity consumption of China, India & Germany combined 
・Solar PV enters a new era leading the growth in renewables, driven by a rapid expansion in deployment & manufacturing capacity in China 


 先のブログ記事「日本は“再エネ後進国”ではない 〜 太陽光発電ではOECD第2位」でも書いたことだが、実は、日本は世界的には“再エネ大国”だと言える。

 VREとは Variable Renewable Energy の省略表記で、「太陽光発電や風力発電のような出力が変動する再エネ」のこと。

 2022年まででも、日本での電力量に占めるVRE比率は、世界的にも上位でいると見通されている。


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(出典)IEA “Renewables 2017


 VREを普及させていく上で支障となりがちなのは、コスト面でのこと。

 既に発表されている落札価格では、風力(陸上)が2017年→2022年で約3割減、太陽光が同約6割減にまで下がる見込み。


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(出典)IEA “Renewables 2017


 日本では、固定価格買取制度(FIT)が現行通り施行され続ける限り、上記のような再エネ発電コストの低減があったとしても、最終消費者にまでその恩恵が行き渡ることにはならない。



 冒頭で書いたように、2022年に再エネ発電量は8,000kWhを超えると見込まれている。これは、中国・インド・ドイツの合計電力消費量を上回るほどの規模。


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(出典)IEA “Renewables 2017


 世界全体のエネルギー消費量が今後も拡大していく見通しの中で、再エネの消費量も同様に拡大していく見通しだという話。
 
 より詳細なことは、“Renewable 2017” を参照されたい。


日本初の太陽光発電入札 〜 メキシコは最安値1.98円/kWhを記録(日本は初回17.2円/kWh)

 今月21日の経済産業省の発表によると、メガソーラー(2000kW以上の大規模太陽光発電所)から買い取る電気の価格を決める国内初めての入札が行われた。

 最安値は、2016年度の売電価格を3割下回ったとのこと。
これを報じた日本経済新聞ネット記事の要旨は次の通り。

<記事要旨>
・今回は8社が落札。最安値は1キロワット時当たり17円20銭で、最高値は21円。
・固定価格買取制度(FIT)が始まった12年のメガソーラー売電価格40円や、16年度24円から低下。
・落札企業のうち4社を外資系が占めた。
・カナダの太陽光パネル世界大手カナディアン・ソーラーの傘下企業もその1社。
・スペインの太陽光発電事業者エクセリオの傘下企業「18カ国で発電所を造り、パネルなど部材をまとめて安く調達できる。他国の売電価格が10円台前半となるなか、日本の価格はまだ高い」。
・事業費の半分を占めるパネルは、海外製が日本メーカー製より3割安い。
・経産省によると、1キロワットあたりの事業費は約30万円と、欧州の2倍。
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2017.11.22 日本経済新聞ネット記事


 ところで、エネルギー情報サイト
electrek の今月16日の記事によると、メキシコでの太陽光発電の入札で、イタリア企業が最安値1.77¢/kWhを記録したとのこと。

 これは、サウジアラビアでの1.79¢/kWhを更新するもので、この勢いだと早ければ2019年には1¢/kWhに達する見通し。

原文より抜粋》
Per a press release from the Centro Nacional de Control de Energía (Cenace) of Mexico, the department received bids for 3TWh of solar electricity, with the lowest bids being 1.77¢/kWh coming from Italian multinational ENEL Green Power.

This record low price of electricity on earth, just beats out the 1.79¢/kWh from Saudi Arabia, and is part of a pattern marching toward 1¢/kWh bids that are coming in 2019 (or sooner).

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2017.11.16 electrek


 世界的には、太陽光発電コストは低下してきており、例えば、
  ・米国:8.3¢/kWh(2013年)
  ・UAE:5.84¢/kWh(2014年)
  ・サウジアラビア:4.97¢/kWh(2015年)、2.42¢/kWh(2016年)
となっている。


The world has seen solar power fall from a record price of 8.3¢/kWh in 2013 in the USA, to 5.84¢/kWh in 2014 in the UAE, then 4.97¢/kWh in Saudi Arabia in 2015 before settling at 2.42¢/kWh in 2016. So far in 2017 we’ve seen seven bids below 2016’s record price. Partial data for this chart came from this CleanTechnica research.

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2017.11.16 electrek
 

 日本では、太陽光発電の買取りに関しては、2012年7月に施行された再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)に基づき、事業用太陽光発電については法定価格(40円/kWh(2012年度)〜21円/kWh(2017年度)で買い取られることになっている。

 このうち、2000kW以上の事業用太陽光発電については、今年度から入札制度が導入され、その第1回目の落札価格帯は17.2〜21.0円/kWhだった。これは、上記の記事の通り。


 日本での太陽光発電コストの相場観は、直近の経済産業省資料(2017.11.13)では20円/kWhとなっているが、欧州では10円/kWh程度。

 今日の為替レート(1¢ ≒ 1.121円)で換算すると、上記のメキシコでの最安値落札価格1.77¢/kWhは1.98円/kWhとなる。

 つまり、上記のメキシコの最安値落札価格と比べると、日本の太陽光発電コストは5.1倍、日本の太陽光電気買取価格は8.7〜20.2倍となる計算。

 各国それぞれ諸事情が違うので単純比較にはあまり意味はないが、世界から見ると、日本の太陽光は高止まっているという話。

 日本の太陽光を安くするには、
  ①法定価格を大幅に引き下げる措置を講ずるとともに、
  ②発電コストを大幅に低減させるための努力をする
ことが必要だ。

 もっとも、これらはそう簡単にはいかない・・・。


欧州:イギリス・ドイツは低CO2国ではない・・・

 先々週発表された“European Climate Leadership Report 2017”によると、欧州諸国で「電力量当たりCO2排出量」(炭素強度;Carbon Intensity)が好成績なのは、ノルウェー、スウェーデン、フランス、スイス、フィンランドの順

 いずれも、電源構成において水力か原子力が大宗を占める国である。


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2017.11 “European Climate Leadership Report 2017


 この報告書では、次のような結論が導き出されている。

 ① 炭素強度(CO2/kWh)は、再生可能エネルギー発電設備容量よりも、遥かに重要な指標。
 ② 高い経済成長を実現しつつ最低の炭素強度で電力供給を実現することが、真に気候変動対策を牽引。
 ③ 再エネ、原子力、水力を組み合わせたエネルギー構成の国は、欧州の気候変動対策の牽引役。
 ④ COP23開催国ドイツは、EU+EFTA+トルコの中で最大のCO2排出量(18.3%)。
 ⑤ 炭素強度とCO2排出量を減らすため、低炭素発電量を急激に増やす必要あり。

原文より抜粋》
This report has led us to the following main conclusions: 
• Carbon intensity of electricity (net CO2/kWh) is a far more important indicator than installed capacity of renewables.
• The real climate leaders are those with the lowest average carbon intensity of electricity supply, especially those that combine this with high GDP.
• Countries with an energy mix that combines renewables with nuclear power and hydro are clearly Europe’s climate leaders.
• Countries with strong reliance on coal are at the bottom of the range. Germany, the COP23 host, emits the most carbon in absolute terms (18.3% of the EU plus EFTA & Turkey) and appears to have locked itself into a fossil dependent future as a result of its energy policy.
• We need to urgently increase the volume of low-carbon electricity generation in order to lower both the average carbon intensity of electricity production and the absolute volumes of carbon emitted.


 日本のエネルギー環境政策に多大な影響を与えるのは、主にイギリス・フランス・ドイツの三ヶ国であるが、それぞれ次のような政策目標を掲げている。

 ・イギリス:2025年石炭ゼロ、原子力は継続、再エネは継続
 ・フランス:2021年石炭ゼロ、原子力は継続、再エネは継続
 ・ド イ ツ:石炭は継続、2022年原子力ゼロ、再エネは継続

 この三ヶ国のデータと、冒頭のノルウェー、スウェーデン、スイス、フィンランドの各国の直近のデータについて、以下に添付しておくので参照されたい。

<イギリス>
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<フランス>
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<ドイツ>
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<ノルウェー>
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<スウェーデン>
22

<スイス>
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<フィンランド>
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 これらを見ると、低炭素電源としての水力・原子力の評価は、結果として、とても高いものであることがわかる。

 再生可能エネルギーの時代が来るとしても、それはまだまだ先の話だろう。

石炭火力ゼロ化は難しい・・・

 今月16日付け The New York Times “19 Countries Vowed to Phase Out Coal. But They Don’t Use Much Coal.” によると、COP23で、イギリス・カナダ・フランス・イタリア・オランダなど19ヶ国・地域が「石炭火力ゼロ化同盟」に合意したが、これら合わせても世界の石炭消費の3%未満しかないとの由。

 石炭は今でも、世界の電力供給の4割を担っている。

 ドイツでさえ石炭火力ゼロ化宣言は難しい。これが現実・・・。

原文より抜粋》
One of the biggest announcements at this year's United Nations climate talks came on Thursday, when Canada and Britain began a new global alliance aimed at phasing out the use of coal power by 2030. But so far, the countries, states and provinces that have joined the “Powering Past Coal Alliance” account for less than 3 percent of coal use worldwide.

Many of the alliance’s key members — including Denmark, France, Finland, Italy, Austria, Mexico, and the Netherlands — were already on their way to retiring what little coal power they had left.

Yet coal still provides roughly 40 percent of the world’s electricity, and many countries aren’t willing to commit to a total phase-out just yet. 

Chancellor Angela Merkel acknowledged at the Bonn climate talks that Germany would most likely miss its goals for reducing greenhouse gas emissions by 2020 because of its continued consumption of lignite, a particularly dirty, low-grade form of coal.

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2050年を睨んだエネルギー政策の在り方 ~ 知っておくべき指標(地球温暖化対策、原子力、再エネなど)

 先週13日、長期的視点でエネルギー政策の在り方を検討する経済産業省・エネルギー情勢懇談会(第3回会合)が開かれた。第1回会合・第2回会合についてはそれぞれ、9/1付けブログ記事10/2付けブログ記事を参照されたい。

 この会合は、2050年へ向けたエネルギーを取り巻く世界の情勢を見極めながら、技術革新・人材投資・海外貢献で世界をリードできる国、制度、産業としての総合戦略を構想しようとするもの。

 経産省当局が今回提示した資料は、地球温暖化対策の視点から用意されたものが多く、有用な数値や事実が散りばめられている。その中から、エネルギー政策を語る上で知っておくべき指標を以下に貼付しておく。

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The Wall Street Journal 社説「ドイツのエネルギー革命のメルトダウン」

 今月17日付け The Wall Street Journal は ❝
Germany’s Green Energy Meltdown❞ と題する社説で、ドイツの話として、
再生可能エネルギーによるグリーン電力を約束された有権者が得たものは石炭火力と高額の電気料金であった、と報じている。

 とても的確な論調。その全文和訳を書き下すので、ぜひとも御一読を


 ↓

【社説】独エネルギー革命のメルトダウン
グリーン電力を約束された有権者が得たものは、石炭火力と高額の電気料金

 米国の気候変動活動家たちは欧州とりわけドイツを、環境に優しいエネルギーの美徳の手本と称賛する。しかし彼らはアンゲラ・メルケル首相の政治的な苦戦にもっと目を向けるべきだ。自身のエネルギー革命の失敗が経済的な悪影響をもたらす中、メルケル氏は新連立政権の樹立に難航している。

 ドイツ政府は10月、2020年の二酸化炭素(CO2)排出量の削減目標を達成できそうもないことを認めた。メルケル氏は20年までにCO2の排出量を1990年比で40%削減すると約束していたが、30%弱にとどまる見通しとなっている。30年までの55%削減目標を達成できないのはほぼ確実だ。
 メルケル氏の失敗の裏には天文学的なコストが掛かっている。ある試算によると、ドイツの企業や一般家庭が2000~15年の間に支払った電気料金は、再生可能エネルギーに対する補助金供与などの形で1250億ユーロ(約16兆5000億円)余分に掛かった。電気料金は、一般家庭向けがデンマークと並んで欧州最高水準で、企業向けは先進国の中で最高水準に近い。これが、9月の総選挙でメルケル氏率いる中道右派が後退した大きな要因の一つだ。
 ドイツは2000年から再生可能エネルギーへの大規模な補助を開始した。補助金の柱は、再生可能エネルギー発電所からの電力を市場価格を上回る価格で購入することを電力会社に義務付けた、固定価格買い取り制度である。メルケル氏はさらに2010年、エネルギー革命を打ち出し、温室効果ガス削減の取り組みに血道をあげるようになった。
 エネルギー革命の中核はCO2排出削減目標の強化だ。ドイツが達成できそうにない2020年の削減目標は他の欧州連合(EU)諸国の20%を上回る。メルケル氏の政策目標ではまた、50年までに総エネルギー消費量を08年比50%削減し、電力使用を25%削減することになっている。これは先進国にとっては非常に困難な目標である。メルケル氏は11年、福島第1原発事故を受け、22年までに原発を段階的に全廃することを性急に公約。目標達成はさらに困難になった。
 エネルギー革命の熱狂的な支持派は、さまざまな問題はあるものの成果が着実に出ていると主張する。その主張が正しいのは、何かに十分な資金を投じたとき、資金の一部が無駄になることが前提になっている場合だけである。
 例えば、再生可能エネルギーの発電能力は、今や在来型の火力発電とほぼ肩を並べている。だが、その発電能力の大半は無駄になっている。ドイツで再生可能エネルギーによる発電量が全体に占める比率は3分の1にすぎない。政府は、最も電力を必要としていない地域、とりわけ北部で、発電が最も簡単な風力や太陽光への重点的な投資を行ってきた。今後は南部の工業地域までの送電網を敷設するのに、さらに多額の費用を投じる必要があるだろう。
 これ以外の費用もある。ドイツでは風が吹かない時や日が当たらない時がよくあるが、その時でも電力を供給する必要があるためだ。こうした不足を埋めるのに必要とされる在来型の発電所は、圧倒的に石炭火力が多い。ドイツは依然として発電量の40%近くを石炭火力に頼っている。
 天然ガスはよりクリーンで、発電所の運転の調整がしやすい。だが、天然ガスは石炭より高価だ。しかも、天然ガスへの投資を回収できるかもしれない日中の電力消費ピーク時間帯は、電力会社が太陽光発電による高価な電力を買わなければならない時間帯と重なる可能性が高い。
 結果として、天然ガスがドイツの発電量に占める比率はわずか9.4%と、2010年の14%強から下がっている。米エネルギー情報局(EIA)の10月のリポートによると、天然ガスは米国の発電量の30%近くを占めているほか、同国の05年以降の発電に伴うCO2排出の削減の大半は、石炭から天然ガスへのシフトによるものだという。ドイツの一般家庭は1キロワット時当たり0.36ドル近くの電気料金を支払っている。米国では平均0.13ドルだ。
 これでは有権者が反乱を起こすのも無理はない。各種調査によると、ドイツ人は理屈の上では環境に優しいことを好むが、家計のエネルギー料金に関する世論調査は逆の結果を示している。右派政党「ドイツのための選択肢(Afd)」の得票率が驚異の13%に達した理由の1つは、エネルギー革命の即時中止を公約に掲げたことだ。独RWI経済研究所が発表した新たな調査によると、国民の61%は再生可能エネルギー普及の資金源として電力料金をこれ以上払いたくないと考えている。
 こうした状況を背景にメルケル氏の連立協議が混乱に陥っている。同氏が連立パートナーとして期待する緑の党は、汚染度が非常に高い20カ所の石炭火力発電所を皮切りに石炭火力を禁止することで、エネルギー革命のひずみを増幅したいと考えている。メルケル氏率いる中道右派のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と自由市場主義の自由民主党(FDP)は、せいぜい10カ所の発電所の閉鎖にとどめたいと望んでいる。22年以降に原発がなくなると、エネルギー面から経済が一段と圧迫されることを認識しているためだ。
 メルケル氏がどのような合意をとりまとめるにせよ、自身の環境に関する野心にかかるコストについてもっと正直であってほしいと、ドイツの有権者が望んでいることは明らかだ。同氏がエネルギー費用の急上昇と汚染度の高い石炭火力の増加に再び注力するなら、21年にまた有権者の反乱が起きるだろう。

2040年までの世界エネルギー見通し 〜 まだまだ続く化石燃料時代 / 再エネの未来は明るく、発電設備では太陽光が最大の伸び

 今月14日、国際エネルギー機関(IEA ; International Energy Agency)が “World Energy Outlook 2017(WEO2017)” を発表。

 結論を最も簡潔に言えば、2040年までに、
  ①石炭と石油の需要量は減るが、
  ②天然ガスと低炭素燃料(原子力+再生可能エネルギー)は増え、
  ③全体のエネルギー需要量は増える
という話。

 上記のWEO2017で示された世界全体のエネルギー需給見通しとして主なものは、次の通り。


◎増えるエネルギー需要
 世界全体のエネルギー需要は、これまでよりも緩やかな増え方ではあるが、2040年までに30%拡大する見込み。これは、今の世界の需要に今の中国・インドの需要を丸ごと加えるのに等しい。
 世界経済は年3.4%で成長し、人口は現在の74億人から2040年には90億人を突発。上海のような都市が4ヶ月ごとに増えていく。
 インドは、2040年までの世界全体のエネルギー需要増分の約3割を占め、2040年までに世界全体のエネルギー需要の11%を占める。 

原文より抜粋》
Growing energy demand
In the New Policies Scenario, global energy needs rise more slowly than in the past but still expand by 30% between today and 2040. This is the equivalent of adding another China and India to today’s global demand.
A global economy growing at an average rate of 3.4% per year, a population that expands from 7.4 billion today to more than 9 billion in 2040, and a process of urbanisation that adds a city the size of Shanghai to the world’s urban population every four months are key forces that underpin our projections.
The largest contribution to demand growth – almost 30% – comes from India, whose share of global energy use rises to 11% by 2040 (still well below its 18% share in the anticipated global population).

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2017.10.14 IEA “World Energy Outlook 2017 


◎再エネは躍進し、石炭は押し退けられる
 再エネは一次需要部門での増分の40%になり、電力部門での再エネの爆発的成長で、石炭ブームは終わりを告げる。
 2000年以降、石炭火力発電容量は約900GW増加したが、現在から2040年までの増加はわずか400GWで、その多くは既に建設中のもの。インドでの石炭火力発電の割合は2016年で3/4だが、2040年には1/2以下にまで減る。大規模なCO2回収・貯蔵システムがなければ、世界の石炭消費は横這いで推移。
 石油需要は、2040年まで増加し続けるが、その増加率は着実に低下。天然ガス消費量は、2040年までに45%増加するが、電力部門での消費拡大の余地が限られ、産業向け需要が最大の成長領域となる。
 原子力発電の見通しは鈍化しているが、中国は2030年までに発電量を徐々に増やしながら米国を抜き、最大の原子力発電国となる。

Renewables step up, coal strikes out
Renewable sources of energy meet 40% of the increase in primary demand and their explosive growth in the power sector marks the end of the boom years for coal.
Since 2000, coal-fired power generation capacity has grown by nearly 900 gigawatts (GW), but net additions from today to 2040 are only 400 GW and many of these are plants already under construction. In India, the share of coal in the power mix drops from three-quarters in 2016 to less than half in 2040. In the absence of large-scale carbon capture and storage, global coal consumption flatlines. 
Oil demand continues to grow to 2040, albeit at a steadily decreasing pace. Natural gas use rises by 45% to 2040; with more limited room to expand in the power sector, industrial demand becomes the largest area for growth. The outlook for nuclear power has dimmed since last year’s Outlook, but China continues to lead a gradual rise in output, overtaking the United States by 2030 to become the largest producer of nuclear-based electricity.

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2017.10.14 IEA “World Energy Outlook 2017 


◎再エネの明るい未来
 多くの国で再エネが最安値の次世代エネルギーとなり、2040年までに世界の電力投資の2/3を占める。
 中国とインドが牽引役となる太陽光発電の急速な普及により、太陽光は2040年までに最大規模の低炭素電源となり、その頃には総発電量に占める再エネ比率は40%に達する。
 欧州連合では、2030年を過ぎてすぐの頃、再エネが新規電源容量の80%を占め、風力が主力電源になる。再エネへの政策支援は、FIT(固定価格買取制度)よりも、競争的入札制度によって進められていく。また、太陽光発電に投資している何百万もの家庭、団体、起業によって電力分野の変革が進んでいく。
 再エネの成長領域は、電力部門だけではない。熱供給部門や運輸部門における再エネの直接利用は、低位置からのスタートではあるが、倍増する見込み。

Bright future for renewables
Renewables capture two-thirds of global investment in power plants to 2040 as they become, for many countries, the least-cost source of new generation.
Rapid deployment of solar photovoltaics (PV), led by China and India, helps solar become the largest source of low-carbon capacity by 2040, by which time the share of all renewables in total power generation reaches 40%.
In the European Union, renewables account for 80% of new capacity and wind power becomes the leading source of electricity soon after 2030, due to strong growth both onshore and offshore. Policies continue to support renewable electricity worldwide, increasingly through competitive auctions rather than feed-in tariffs, and the transformation of the power sector is amplified by millions of households, communities and businesses investing directly in distributed solar PV.
Growth in renewables is not confined to the power sector. The direct use of renewables to provide heat and mobility worldwide also doubles, albeit from a low base. 

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2017.10.14 IEA “World Energy Outlook 2017 


◎電化されゆく未来
 世界中で電気はエネルギー末端消費の最有力手段で、2040年までに最終エネルギー消費の増分の40%が電気になる。これは、過去25年間に石油が占めていた増分と同じ。
 産業用の電動機システムは、電力需要増分の1/3を占める。所得の増加により、数百万世帯が家電製品を(「スマート」な接続機器の割合を増やしながら)追加し、冷却システムを設置する。
 電気は、従来からの需要領域での供給増とともに、熱供給部門や運輸部門での供給を賄い、最終エネルルギー消費での割合を1/4近くにまで高める。
 デジタル技術の活用が増えることで、経済全体の効率が改善し、電力システムの柔軟な運用が容易になるだけでなく、善処すべき潜在的な脆弱性が新たに発見される。

The future is electrifying
Electricity is the rising force among worldwide end-uses of energy, making up 40% of the rise in final consumption to 2040 – the same share of growth that oil took for the last twenty-five years.
Industrial electric motor systems account for one-third of the increase in power demand in the New Policies Scenario. Rising incomes mean that many millions of households add electrical appliances (with an increasing share of “smart” connected devices) and install cooling systems.
Electricity makes inroads in supplying heat and mobility, alongside growth in its traditional domains, allowing its share of final consumption to rise to nearly a quarter. 
The increasing use of digital technologies across the economy improves efficiency and facilitates the flexible operation of power systems, but also creates potential new vulnerabilities that need to be addressed.

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2017.10.14 IEA “World Energy Outlook 2017
 


◎「石油の時代」はまだまだ続く・・・
 米国が、2025年までは世界の石油供給量増分の80%を占め、また、短期的な価格下落圧力を維持していることもあり、世界の消費者は「石油の時代」への別れをまだ準備していない。
 2020年代半ばまでは石油需要の伸びは堅調に推移する。だが、その後は(2040年までに世界の自動車台数は現在の2倍になるにもかかわらず)高効率化と燃料転換により乗用車の石油消費量は減る。
 それでも、他の分野からの十分な需要で、2040年まで石油需要は保たれる。最大なのは石油化学製品を生産するための需要であり、次いで陸運で、更に空運と海運。

The era of oil is not yet over
With the United States accounting for 80% of the increase in global oil supply to 2025 and maintaining near-term downward pressure on prices, the world’s consumers are not yet ready to say goodbye to the era of oil.
Up until the mid-2020s demand growth remains robust in the New Policies Scenario, but slows markedly thereafter as greater efficiency and fuel switching bring down oil use for passenger vehicles (even though the global car fleet doubles from today to reach 2 billion by 2040).
Powerful impetus from other sectors is enough to keep oil demand on a rising trajectory to 105 mb/d by 2040: oil use to produce petrochemicals is the largest source of growth, closely followed by rising consumption for trucks, for aviation and for shipping.

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2017.10.14 IEA “World Energy Outlook 2017 

待機児童数:政府試算32万人、野村総研試算88.6万人、私の試算170万人・・・

 今朝の東京新聞一面トップでは、2020年度までの待機児童ゼロを実現するための保育の受け皿の目標数に関して、政府の目標数(32万人)と野村総研の試算(88.6万人)に二倍以上の開きがあることを報じている。

 私は、先のブログ記事で書いたが、昨年3月31日付け日本経済新聞で取り上げられたように、待機児童数は170万人超と試算している。

 なぜ、このように試算結果に大きな開きが生じるのか?

 それは、試算する人によって、誘導目標や前提条件が違うし、試算結果の平仄が異なるからだ。

 どのような試算結果を掲げるにせよ、政府は、待機児童ゼロ化に向けて、引き続き財源の重点配分に注力していく必要がある。



2016.3.31 日本経済新聞
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2017.11.18 東京新聞
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フランス:原子力削減目標(現在75%→2025年50%)を延期・・・

 今月7日の Reuters “France postpones target for cutting nuclear share of power production” によると、フランス政府は、2020年以降の供給不足とCO2目標に関する送電事業者RTEからの警告を踏まえ、原子力発電比率を減らす目標の延期を決めたとの由。

 ホロット環境相は、原子力発電比率(現在75%)を2025年までに50%に減らすことは現実的ではないとし、また、これを急いで行うことはフランスのCO2排出量を増加させ、電力の安定供給体制を危険に晒すと語った。

 その後、この原子力削減目標の達成時期は2030〜35年になるとの見通しを示した。

原文より抜粋》
The French government has postponed a long-held target to reduce the share of nuclear energy in the country’s power production after grid operator RTE warned it risked supply shortages after 2020 and could miss a goal to curb carbon emissions.

Environment Minister Nicolas Hulot said on Tuesday it was not realistic to cut nuclear energy’s share of electricity production to 50 percent by 2025 from 75 percent now and that doing so in a hurry would increase France’s CO2 emissions, endanger the security of power supply and put jobs at risk.

“It will be difficult to maintain the target of reducing the share of nuclear to 50 percent by 2025,” Hulot told reporters following a cabinet meeting.

He later said in an television interview the government would be working towards a 2030 to 2035 timeframe.


 原子力大国フランスにおける電力安定供給やCO2排出量抑制のためには、現行並みの原子力発電の活用が当面必要だという話。


☆石川和男のエネルギーCh(チャンネル) vol.43

2017年11月16日17:00〜17:47

YouTube : https://youtu.be/LPEnbqQgrWM

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佐賀・玄海原発に賛否拮抗 〜 「再稼働賛成42.8%・反対49.4%」、「原発維持50.5%・脱原発48.5%」

 昨日の佐賀新聞ネット記事によると、同紙の県民世論調査で、九州電力・玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)について、次のような結果が出た。

  ①再稼働:賛成42.8%、反対49.4%  →<参考1>
  ②将来の在り方:原発維持50.5%、脱原発48.5%  →<参考2>

<参考1>
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2017.11.15 佐賀新聞ネット記事


<参考2>
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2017.11.15 佐賀新聞ネット記事


 2011年3月の東日本大震災による東京電力・福島第一原発事故が起こって以降、この類の世論調査ではどれでも、原発反対論が賛成論よりも大差をつけてきた。

 だが、佐賀新聞による上記の調査では、概ね賛否拮抗の様相となった。

 原発は、震災以来、今でも、ほぼ全マスコミや多くの政治家から槍玉に挙げられ続けている。

 そうした中で上記のような結果が出たことは、一般国民の間では、多少なりとも冷静な空気が浸透してきたということなのかもしれない。



《記事抜粋》
・4月に山口祥義知事が再稼働に同意し、3号機は来年1月、4号機は同3月の再稼働に向け準備が進む。
・女性は反対54.3%、賛成36.4%
・男性は反対43.7%、賛成50.4%
・40代から70代以上が反対が多かったのに対し、10~30代は賛成が多数派、特に20代は賛成75.9%
・玄海原発に隣接する5市郡で賛成が多数
・立地する東松浦郡、30キロ圏で市長が再稼働に反対の伊万里市、人口が最も多い佐賀市など10市郡では反対が多
・多久市は賛否同数
・公務員、主婦、パート・アルバイト、無職、その他で反対が多
・農林漁業、商工業・自営、会社員、団体職員、学生は賛成が上回った
・「将来的にゼロ」42.2%、「即座にゼロ」6.3%、「減らして維持」26.5%、「現状維持」22.5%、「今より増やす」1.5%
・原発を残す意見合計50.5%、脱原発派48.5%

☆ニュース配信☆ 2018年度の再エネ買取価格 〜 “バイオマスバブル”をどう鎮静化させていくか?

2018年度の再エネ買取価格 〜 “バイオマスバブル”をどう鎮静化させていくか?


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アメーバニュース
https://news.ameba.jp/entry/20171115-136/

BIGLOBEニュース
https://news.biglobe.ne.jp/economy/1115/gdw_171115_5928807011.html


 9月28日、経済産業省・調達価格等算定委員会(第30回)で、2018年度の再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)に基づく買取価格の検討が始まった。
 

 最初に挙げられている論点は、バイオマス発電に係る買取価格で、経産省当局から提示された内容は次の通り。 


 上記の提示論点や、同委員会(第30回)同委員会(第31回)での提示資料を見ながら熟慮すると、最終結論が次のような所にまで至ることができれば、かなり上々の仕上がりとなる。 

(1)価格水準の是正:高過ぎるバイオマス買取価格は、大幅に引き下げる。

① “バイオマスバブル”を鎮静化させるとともに、将来の自立化を見据え、『メガバイオマス(1MW以上)』から段階的に入札制に移行する。

② 入札対象以外のものについては、買取価格を2〜3年以内に欧州諸国並みにまで引き下げる。 

(2)自給率の向上:輸入比率の高いバイオマス燃料は、国産に限定する。 

① バイオマス燃料の輸入増は、自給率向上(≒ エネルギーセキュリティ向上)に逆行するので、輸入バイオマス燃料については2〜3年以内にFIT対象から全て除外する。 

② 内外の森林破壊を助長しないよう、木質バイオマス燃料の調達条件を厳格化する。 

ドイツ:2020年CO2目標の未達は大した問題ではない・・・

 先週10日付け CLIMATE HOME NEWS “Germany to miss climate targets ‘disastrously’: leaked government paper” では、ドイツの温暖化ガス排出削減に関する2020年目標について、石炭火力発電所と運輸部門による大量のCO2排出によって予想以上に大きく後退すると、ドイツ環境省が危惧している旨を報じている。

原文より抜粋》
Germany’s environment ministry fears high emissions from coal-fired power plants and transport will make the country miss its 2020 climate targets by a wider margin than previously anticipated.


 ドイツ政府は2007年以降、2020年目標を1990年比▲40%と公言してきた。2016年まででは、1990年比▲28%となっている。

 しかし、ドイツ環境省の試算では、2020年目標は達成できず、追加措置を施さないと1990年比▲31.7〜32.5%に止まってしまう。

 同省は、このくらいの未達規模だと、『ドイツの気候変動政策にとって大打撃』となり、『気候変動政策のリーダーとしてのドイツの国際的な評価への災厄』になると警告している。

Germany is headed for a clear failure to meet its 2020 climate targets, according to calculations by the country’s environment ministry. Without further action, Germany’s CO2 emissions will only be 31.7% to 32.5% below 1990 levels, an internal environment ministry paper seen by the Clean Energy Wire shows.

Given the official target of cutting emissions by 40%, the ministry warns that a failure of this magnitude would constitute a “significant blow to Germany’s climate policy”, and would amount to “a disaster for Germany’s international reputation as a climate leader”.

Every German government since 2007 has committed to reducing the country’s annual greenhouse gas emissions by 40 percent by 2020 compared to 1990 levels. In 2016, emissions were 28 percent lower than 1990.


59
2017.10.11 Clearn Energy Wire “Germany set to widely miss climate targets, env ministry warns


 一昨年3月にドイツを訪問した際にも、「2013年で1990年比▲22.6%であるが、このまま推移すると2020年で同▲40%という目標に5〜8%分だけ不足するだろう」と、複数のドイツ政府関係者は語っていた。詳細は「再生可能エネルギー政策に関するドイツ調査報告(2015年3月21日)」を参照されたい。

 再生可能エネルギーの積極的導入を始めとして、温暖化ガス排出削減に向けて国を挙げて努力してきていることは世界的にも周知の事実。

 ドイツにしてみれば、2020年目標の未達は、国家の威信を傷付けることになると思うのかもしれない。しかし、世界はそれほど気にしないのではないか。野心的目標であればあるほど達成が難しいというのは、各国共通のこと。


 先のブログ記事「米国の世界エネルギー見通し 〜 2015年→2040年で伸び率第1位は再エネ、第2位は原子力・・・」でも書いたように、今後の見通しとしては、次のようなことが有力視されている。

  ⑴ 世界全体のエネルギー消費量は、2015年から2040年までの間に28%増加。
  ⑵ その60%以上は、中印を含む非OECDのアジア諸国の消費増。
  ⑶ その間、石炭以外の全てのエネルギー資源の消費量は増加。
  ⑷ 伸び率で見ると、第一位は再生可能エネルギーで平均2.3%、第二位は原子力で平均1.5%。

 石炭火力発電量がCO2排出増の主因になることへの危惧がドイツ環境省から出されているが、ドイツがいくら石炭消費量を減らそうが、石炭消費の大半を占める中国やインドなど非OECD諸国の石炭消費量を減らさなければ、石炭由来CO2排出量の多寡には殆ど影響はない。

 ドイツ1国が2020年CO2目標を達成しないからと言って、エネルギー政策に係わるドイツの評価は下がらないだろう。むしろ、再エネ導入の世界的牽引役としての高い評価は、今後も健在であり続けると思われる。

 ただ、2020年CO2目標を達成しないことを強く懸念しながらも、nonCO2電源である原子力発電を2022年までに段階的に縮小しているのは、全く解せない話。これは、温暖化対策でドイツが抱える大いなる矛盾の一つ。

 先週、COP23(国連気候変動枠組条約第23回締約国会議)が開催されているドイツ・ボンに、同国のエネルギー政策当局を訪ねて聴いたところ、2020年CO2目標の達成は見込めないが、国家目標である2022年原子力ゼロ化には変更はない、と明言していた。

 この姿勢は、今も、ドイツの各方面において、全く揺るぎのないものである。

ドイツ 〜 過剰な風力発電に補助金停止

 先月30日付け Bloomberg の “There Was So Much Wind Power In Germany This Weekend, Consumers Got Free Energy” と題する記事によると、ドイツにおいて、その前週末の暴風雨で発生した記録的な風力発電量により、2012年のクリスマス以来の大きなマイナス価格(negative price)が発生したとの由。

原文より引用》
A stormy weekend led to free electricity in Germany as wind generation reached a record, forcing power producers to pay customers the most since Christmas 2012 to use electricity. Power prices turned negative as wind output reached 39,409 megawatts on Saturday, equivalent to the output of about 40 nuclear reactors. To keep the grid supply and demand in balance, negative prices encourage producers to either shut power stations or else pay consumers to take the extra electricity off the network.

32
2017.10.30 Bloomberg  “There Was So Much Wind Power In Germany This Weekend, Consumers Got Free Energy”  


 記事では、前週末土曜日に風力発電出力が39,409MW(≒ 3,941万kW)に達し、これは原子炉40基分に相当すると書かれている。〔筆者註:安定電源である原子炉と、天候変動電源である風力発電機を比較することは、エネルギー政策上では甚だ不適格。

 結果的に、過剰な風力発電量によって、卸電力市場ではマイナス価格が発生。瞬間的に −83.06€/MWh まで下落したが、平均価格は −52.11€/MWh であった。

 マイナス価格とは、卸電力価格が低下し過ぎてゼロ未満になり、過剰に発生した電気を引き取ってもらう代金を風力発電事業者が支払うというもの。


 マイナス価格による電気、即ち過剰な電気が送電網に流入すると、送電網上の電力需給バランスを維持できなくなる可能性がある。

 それを維持するため、過剰な電気を流入させた風力発電事業者は発電所を閉めるか、消費者にお金を支払ってでも余分な電気を供給するようになってしまう。

 以上のようなマイナス価格問題への対策に関して、先週、国連気候変動枠組み条約第23回締約国会議(COP23)を開催中のドイツ・ボンで、ドイツ連邦系統規制庁(写真)に事情を聴いた。

 同庁によると、欧州委員会(European Commission)から何らか対策を講じるべきとの要請があり、ドイツではマイナス価格が6時間以上続いた風力発電事業者には補助金の交付を停止する措置を講じ始めたとのこと。


 ただ、こうした事態が今後も頻発すると、風力発電市場全体の採算性が悪化し、今後の普及意欲が殺がれ、原子力・化石燃料から風力など再生可能エネルギーへの転換が進まなくなることが危惧される、とも。

其の他_171112_0002
2017.11.8 Bundesnetzagentur


 日本では、風力よりも、太陽光による過剰発電の発生が既に懸念材料になっている。特に、四国・九州地区で春・秋に問題になる可能性が高い。

 マイナス価格の発生などという行き過ぎた市場原理主義が蔓延しないよう、欧州でも勿論のこと、日本でも所要の措置を準備しておく必要がある。

☆Yahoo!ニュース配信☆ <北陸電力が値上げ>原発停止で国民1人当たり年間1万円の負担増に

ニコニコニュース 
http://news.nicovideo.jp/watch/nw3063130

ブロゴス 
http://blogos.com/article/258500/


 2017年10月30日、北陸電力がついに値上げの意向を表明した。2017年度に経常損失80億円と、2年連続で過去最大の赤字が避けられない状況。志賀原子力発電所(石川県志賀町)が再稼働できず、安い電気を作れない状態が続いているからだ。

 値上げは、オール電化住宅や大規模な工場・商業施設が対象で、北陸電力の消費者全体の2割。それ以外の一般家庭など8割の消費者は、値上げ対象にはなっていない。日本では、原発を稼働させないと、安い電気を作れなくなるので、値上げせざるを得なくなる。
[→ 逆に、原発を再稼働させれば、値下げが可能となる。]

 2011年3月、東日本大震災により、東京電力福島第一原発が事故を起こした。以降、原発の再稼働は、震災後に新設された『原子力規制委員会』の審査で新規制基準に合格しないと認められないとの運用になっている。
[→ この運用は、世界的にもかなり変・・・。]

 志賀原発もそうだが、日本の原発の多くは再稼働できずにいる。震災以降、いわば『停止塩漬け』のまま。北陸電力は、志賀原発2号機(135.8万kW)の再稼働の審査を申請中だが、進捗状況は芳しくない。経産省の試算では、100万kW級の原子炉1基が稼働率80%で稼働すると、年間350~630億円のコスト削減効果。志賀原発2号機が再稼働すれば、値上げは回避できるし、将来の値下げも期待できる。

 審査を担う原子力規制庁の担当官の数が少なく、審査の要請に対応し切れていない。役所組織の都合で審査が満足にできずにいる。
[→ 民間企業を相手に、こんなバカな規制行政を一体いつまで続けるのか。]

 新基準に合格しないと再稼働を許さないなどという規制運用は、常軌を逸している。先ずは再稼働を容認し、稼働中に新基準の適合審査を進めるというのが、世界的にも常識的な規制行政の姿だ。
[→ 原子力規制委・規制庁は、そんなことも知らないのか?]

 原発が稼働しないと、その分だけ火力発電所を代替稼働させておかなければならなくなる。そうなると、化石燃料(天然ガス、石油、石炭)の輸入費用が膨らむ。
[→ これがバカ高い。]

 国全体で見ても、火力発電比率は65%(震災前2010年度)から83%(2016 年度)にまで急増。輸入依存度の高まりは、決して望ましくない。
[→ 安全保障上のリスクが膨らむ。]

 2016 年度の原発停止に伴う燃料費増加分は、年間約1.3兆円、国民1人当たり約1 万円。震災以降の燃料費増加分の合計は約15.5兆円。
[→ 国民1人当たり約12万円の負担増。]

 更に、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)に基づく再エネ賦課金は、2016 年度で約1.5兆円。
[→ 国民1人当たり約1.2万円の負担増。]

 消費税1%分が年間2.5兆円だということを考えても、上記のエネルギーコスト負担増の大きさを見過ごすことはできないだろう。それに、原発を再稼働させずに再エネ導入を拡大すると、二重の負担増になってしまう。

 大手電力10社のうち、沖縄電力を除く9社は原発を保有。震災後、7社(北海道電力、東北電力、東京電力、中部電力、関西電力、四国電力、九州電力)が値上げを実施。

 関西電力高浜原発3・4号機は、今年6~7月に再稼働。火力燃料費など877億円のコスト削減分を値下げ原資に充当し、8月に値下げ。家庭向け3.15%、企業向け4.90%、全体で4.29%の値下げ。月々390kWh消費する平均的世帯で電気代が年間約4000円安くなる。

 多くの原発では、再稼働の予定時期は過ぎている。収益を生み出す原子力発電は停止中なのに、収益を生まない他の業務(使用済燃料の管理など)が継続中となれば、赤字幅は広がるばかりだ。

 国政選挙に五連勝した安倍政権ではあるが、支持率がほんの一瞬下がることを恐れて原発再稼働問題について前面に出ることを躊躇しているのだろうか。安倍首相は、原発再稼働を容認する会見を開くだけで十分だ。即刻、実行されたい。

2016年の米国 〜 GDPは1.5%増だが、エネルギー関連CO2は1.7%減

 米国EIA(Energy Information Administration;エネルギー情報局)が先月5日付けで発表した “U.S. Energy-Related Carbon Dioxide Emissions, 2016” によると、2016年での米国のエネルギー関連CO2排出量は、GDP(国内総生産)が前年比1.5%増だったにもかかわらず、前年比1.7%減だったとの由。

 その理由には、
  ①炭素強度(エネルギー消費量当たりのCO2排出量)の1.7%減
  ②エネルギー強度(GDP当たりのエネルギー消費量)の1.4%減
が含まれるが、これらを総合すると、GDP当たりのCO2排出量は3.1%減となる。

 過去10年間のうちCO2排出量が減った年は6回あり、2016年のエネルギー関連CO2排出量は対2005年比で14%減となった。

原文より抜粋》
Energy‐related carbon dioxide (CO2) emissions decreased by 89 million metric tons(MMmt), from 5,259 MMmt in 2015 to 5,170 MMmt in 2016. Although real gross domestic product (GDP) increased 1.5% over that period, other factors contributing to energy related CO2 emissions more than offset the growth in GDP, leading to a 1.7% decline in energy-related CO2.
These factors include the following:
 ・A decline in the carbon intensity of the energy supply (CO2/British thermal units [Btu]) of 1.7%
 ・A 1.4% decline in energy intensity (Btu/GDP)
Combining these two factors, the overall carbon intensity of the economy (CO2/GDP) declined by 3.1%.
Emissions have declined in 6 out of the past 10 years, and energy‐related CO2 emissionsin 2016 were 823 MMmt (14%) below 2005 levels.

34
2017.10.5 EIA “U.S. Energy-Related Carbon Dioxide Emissions, 2016


 2007〜09年に景気後退が始って以来、石炭由来CO2排出量も減少。それにより、米国のエネルギー消費全体の炭素強度を低下させ、CO2排出量は景気後退以前の水準未満に抑えられた。

 天然ガス由来CO2排出量は、2009年以降増えてきた。電力部門では、天然ガスの割合が増えるにつれて石炭の割合が減り、石炭由来CO2排出量の一部を相殺。

 2016年、天然ガス由来CO2排出量は、石炭由来CO2排出量を上回った。だが、天然ガスは石炭と同じCO2排出量でより多くのエネルギーを生産するので、2016年は結局、天然ガス消費増は総CO2排出量の減少に寄与。


・Since the beginning of the 2007–09 recession, coal CO2 emissions have also generally declined. The decline in coal CO2 emissions has contributed to a lower overall carbon intensity of U.S. energy consumption and kept emissions below pre-recession levels.
・Natural gas CO2 emissions have increased every year since 2009. The natural gas share of electricity generation has grown as the coal share declined, partially offsetting the decline in energy-related CO2 emissions from coal. Natural gas CO2 emissions surpassed those from coal in 2016. However, because natural gas produces more energy for the same amount of emissions as coal, growth in natural gas consumption contributed to the overall 2016 decline in total emissions.

25
2017.10.5 EIA “U.S. Energy-Related Carbon Dioxide Emissions, 2016


 2005年以降、石炭火力発電の高効率化や、天然ガスコンバインドサイクル発電への転換、特に風力と太陽光などnonCO2電源の導入増により、電力部門での炭素強度は低下した。

 2005年から2016年にかけて、電力量は約1%増えたにもかかわらず、関連CO2排出量は24%減った。その間、化石燃料による発電量は約9%減り、非化石燃料(nonCO2電源)による発電量は25%増えた。

Two basic factors contributed to lower electricity generation carbon intensity (CO2/kilowatthour) since 2005: substitution of coal-fired generation with the less-carbon-intensive and more efficient combined-cycle natural gas-fired generation, and growth in non-carbon electricity generation, especially wind and solar.
・Although total electricity generation use grew by about 1% from 2005 to 2016, related CO2 emissions fell by 24% over that period.
・From 2005 to 2016, fossil-fuel electricity generation declined by about 9%, while non-fossil (non-carbon) electricity generation rose by 25%.

34
2017.10.5 EIA “U.S. Energy-Related Carbon Dioxide Emissions, 2016


 2016年も、石炭火力発電量は減り、非化石燃料発電量と天然ガス火力発電量は増え続けた。

 ・石炭の割合は 1990年53% → 2016年30% にまで下がった。
 ・天然ガスの割合は 1990年12% → 2012年30% → 2016年34% にまで上がった。
 ・原子力と再生可能エネルギーを含む非化石燃料の割合は2016年35%で、石炭と天然ガスのいずれよりも上回った。

The trend of declining coal‐fired electricity generation and increasing non‐fossil fuel and natural gas‐fired generation continued in 2016.
・Coal's share of total electricity generation fell from 53% in 1990 to 30% in 2016.
・The natural gas share of electricity generation grew from approximately 12% in 1990 to 30% in 2012 and to 34% in 2016.
・The non-fossil fuel electricity generation share (35%), including both nuclear and renewables, exceeded that of both coal and natural gas in 2016.

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2017.10.5 EIA “U.S. Energy-Related Carbon Dioxide Emissions, 2016


 原子力は依然として非化石電源の大宗を占めるが、2008年以降の風力・太陽光の導入増も電力部門の炭素強度の低下に寄与。

 2016年に原子力発電量は増えたが、非化石電源に占める原子力の割合は、2001年に73%に達して以来、減少傾向にある。歴史的に最大の再エネ電源である水力も、非化石電源に占める割合は、1997年34%→ 2016年19% に減った。

 2016年、風力・太陽光の合計で非化石電源の約20%になり、水力をわずかに上回った。バイオマスなど他の再エネは、2001年以降、非化石発電の約6%の水準を維持。

Although nuclear power remains the dominant source of non‐fossil electricity generation, growth in wind and solar generation since 2008 has also contributed to a decline in the carbon intensity of electricity generation.
・Althought nuclear generation increased in 2016, the nuclear share of non‐fossil electricity generation has generally declined since reaching 73% in 2001.
・Hydropower, which historically has been the largest source of renewable electricity generation, has also lost share, falling from 34% of non‐fossil electricity generation in 1997 to 19% in 2016.
・Wind and solar (combined) accounted for about 20% of non‐fossil electricity generation in 2016 and slightly exceeded hydropower after rising from less than 1% in 2000 to 2% in 2006.
・Other renewables, such as biomass, have remained flat at about a 6% share of non‐fossil electricity generation since 2001.

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2017.10.5 EIA “U.S. Energy-Related Carbon Dioxide Emissions, 2016


 以上、2016年までの米国エネルギー事情について、電源構成、CO2排出量、GDPなどの視点を加味しながら概観してみた。

 CO2排出量の抑制・削減は世界的にも急務ではあるが、それを実現させつつGDPを成長させることはできるという話。

 今後更にCO2制約が高まっていけば、世界全体として、石炭から天然ガスへの転換と、非化石電源(原子力・再エネ)の新規導入が進むことが見込まれる。
 
 日本としては、天然ガス(LNG)の調達を安定的に確保できるかが大きな政策課題。世界的に天然ガス需要が高まっていけば、日本の調達リスクが高まるのは必然。

 日本が当面、原子力と再エネの導入を継続していく必要性は、そういう点からも頷ける。

☆Yahoo!ニュース配信☆ <脱原発は庶民の関心外?>メディアはまともな原発ゼロ化プロセスの報道を


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 経済産業省は、(1)原子力発電による電気(原発電気)は一番安く、(2)太陽光や風力のような再生可能エネルギーによる電気(再エネ電気)はかなり高い、と発表している。

 これは「正しい」のか? ーー 結論から言うと、「今のところ正しい」。

 東京新聞も、毎日新聞も、NHKも、朝日新聞も、テレビ朝日も、TBSも、絶対に認めないだろうが、こればかりは経産省が今のところ正しい。

 経産省は、世界標準の計算方法で、しかも「脱原発」を目指した前民主党政権で用いられた計算方法で計算している。その結果、1kWh当たりの発電コストは次の通り。

 <1kWh当たりの発電コスト>
  原子力:10.1円~
  石炭:12.3円
  天然ガス(LNG):13.7円
  石油:30.6~43.4円
  水力:11.0円
  地熱:16.9円
  風力(陸上):21.6円
  太陽光(メガソーラー):24.2円
  太陽光(住宅):29.4円

 原子力には、核燃料サイクルなど「再処理」、高レベル放射性廃棄物の「最終処分」、原発建設のための「立地交付金」、そして「事故リスク」対応費用も全て含まれている。それでも、最安値となる。

 別の比べ方をする。再エネ電気と原発電気を敷地面積で比べてみる。

 例えば、100万kW級の原発の敷地面積は約0.6km2で、1年分の原発電気の量と同じだけの再エネ電気を発電するには、(1)太陽光では約58km2(山手線とほぼ同じ面積)、(2)風力では約214km2(山手線の3倍以上の面積)の敷地が必要となる。

 更に別の比べ方だが、化石燃料電気と原発電気を燃料の量で比べる。

 例えば、100万kW級の原発1年分の電気を発電するのに必要な燃料(濃縮ウラン)は21トンで、同じ100万kW級の火力発電所1年分の電気を発電するのに必要な燃料は、(1)天然ガスでは95万トン、(2)石油では155万トン、(3)石炭では235万トンが必要となる。

 こんなことばかり書くと、原子力がぶっち切りの一番だと思えてしまうが、そういうわけでもない。上記のような話は、日本のように、再エネ資源にも化石燃料資源にも恵まれていない国でのこと。水力や地熱、天然ガスや石炭が豊富にある国ならば、原発がなくても大丈夫。

 ところで、太陽光は原子力には勝てないのだろうか? ーー そんなことはない。勝つ方法はある。

 そのためには、(1)欧州の約2倍もある太陽光発電システム費用を半減させ、(2)太陽光電気の法定買取価格を大幅減額させ、(3)天候・昼夜にかかわらず安定供給できるための蓄電池を備えればいい。(ただ、何十年後になるかは見当もつかないが・・・)

 今回(2017年10月22日)の衆院選でも、前回の衆院選でも、前々回の衆院選でも、脱原発を公約の前面に押し出した政党は勝てなかった。希望の党も、立憲民主党も、共産党も、過半数には遠く及ばずに負けた。

 脱原発を掲げたから負けたのではない。脱原発は、もはや選挙民の心を掴むようなものではないのだ。最大の関心事はやはり、景気・経済と高齢化・社会保障。

 マスコミ各社は、敢えて原発推進論を掲げる必要はないが、いつまでも旧態依然とした脱原発論を叫び続けても、世間に通用しないのではないか。

 朝日新聞や東京新聞が社説で叫んでいるような脱原発論は、もう使いものにならない。

 <1>使い切るまで安い電気を作らせてから、安全に廃炉させる
 <2>再エネ電気による安価安定供給が実現すれば、原発をなくす

という順を追ったまともな原発ゼロ化プロセスを掲げたらどうか。

 極端な感情論や独善的な正義感を振りかざすような記事を書くのはもうおしまいにして、冷静な報道に徹していかないと、ネットの浸透で在京・中央マスコミはますます信頼を失っていくだろう。

☆ニュース配信☆ 世界の原子力発電動向 〜 アジア(特に中国・インド)での増加が顕著・・・

世界の原子力発電動向 〜 アジア(特に中国・インド)での増加が顕著・・・


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 ‘’脱原発は世界の潮流だ!”とか、“世界は原発ゼロに向かっている!”と、一所懸命に訴える人が少なくないが、実態はその真逆。世界全体では、原子力発電の利用は増加傾向にある。 


 World Nuclear Association が公表した “World Nuclear Performance Report 2017 – Asia Edition” によると、2016年における世界の原子力発電に関する動向は概ね次の通り。 

(1) 9GW以上の原子力発電設備が新規に竣工し、そのうち7GWe以上はアジア地域。 

(2)年初から年末までに、原子炉は441基から448基に増加。 

(3)10基が竣工し、3基が閉鎖されたが、原子力発電設備は8GWの増加。 

(4)原子力発電量は、35TWh増加し、2476TWh。これは、新規原子炉の竣工による増加と既設原子炉の性能改善の結果。 

《原文より抜粋》
More than 9 GWe of new nuclear capacity came online in 2016, of which more than 7 GWe is located in Asia. By the end of 2016 there were 448 reactors around the world, up from 441 at the start of the year. Ten reactors started to supply electricity and three were closed down, resulting in a net increase in nuclear capacity of just over 8 GWe. The amount of electricity supplied by nuclear globally increased by 35 TWh to 2476 TWh. This increased generation is the result of both additional generation from new reactors coming online and continued performance improvements from the existing fleet. 

 2011年3月の東日本大震災による福島第一原子力発電所(1F)の事故以降、“脱原子力は世界の潮流”との風説が今でも盛んに流されている。 

 だが実際は、世界全体では横這いで、アジア地域では増加傾向を示している。 

 特に、2011年から2012年にかけて著しく落ち込んだ原子力発電量〔Figure 14.〕と原子力発電設備容量〔Figure 15.〕は、2012年以降4年連続で増加傾向となっている。

2017.10 World Nuclear Association “World Nuclear Performance Report 2017 – Asia Edition

2017.10 World Nuclear Association “World Nuclear Performance Report 2017 – Asia Edition

 アジア地域での原子力発電量について、日本以外の合計では中国を中心に顕著に伸びており〔Figure 1.〕、日本だけは1F事故以降で急落したまま〔Figure 8.〕。 

2017.10 World Nuclear Association “World Nuclear Performance Report 2017 – Asia Edition

2017.10 World Nuclear Association “World Nuclear Performance Report 2017 – Asia Edition”

 中国は、近年急速に原子力利用を拡大してきている〔Figure 2.〕。

 インドは、ここ10年での原子力利用の拡大が著しい〔Figure 6.〕。 

 韓国は、2011年の1F事故を契機にいったん原子力利用は縮小した時期もあったが、近年は再び原子力利用が拡大している〔Figure 12.〕。 

 台湾は、2025年までの原子力ゼロ化を政治的に決めていることもあり、原子力発電量は減少してきている〔Figure 4.〕。 

2017.10 World Nuclear Association “World Nuclear Performance Report 2017 – Asia Edition

2017.10 World Nuclear Association “World Nuclear Performance Report 2017 – Asia Edition

2017.10 World Nuclear Association “World Nuclear Performance Report 2017 – Asia Edition

2017.10 World Nuclear Association “World Nuclear Performance Report 2017 – Asia Edition

 以上のことからもわかるように、世界全体でも、アジア地域でも、一部の国を除き、原子力利用は横這いか拡大傾向にある。

 1F事故は、アジアの原子力利用国における原子力利用拡大に悪影響を殆ど与えていないのだ。

[時評・ウェーブ]石川和男/教育無償化の行方

11月7日付け電気新聞
[時評・ウェーブ]石川和男/教育無償化の行方

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 10月22日の衆院選は、自民・公明連立与党が大勝。野党の離合集散など政局面での話題が席巻した選挙戦だったが、選挙後に大事なのはやはり政策面での話。
 与党の公約は「教育無償化と、財源は消費増税分を充当する」というもの。増税時期は2019年10月を予定しているので、無償化開始は20年4月だろう。
 幼稚園から高等学校までの教育費を概観すると、おおむね以下の通り。
 (1)学校種別の学習費総額・構成比
 幼稚園は公立22万2千円、私立49万8千円、小学校は公立32万2千円、私立153万6千円、中学校は公立48万2千円、私立133万9千円、高校は公立41万円、私立99万5千円。
 学習費総額の内訳は、学校教育費・学校給食費・学校外活動費。特徴としては、公立小学校・中学校では学校外活動費が高く、65%。私立幼稚園・中学校・高校では学校教育費が高く、それぞれ64%・74%・74%。
 (2)学校種別の公私比較
 公立と私立の学習費総額の差は、幼稚園では私立が公立の2.2倍、小学校では4.8倍、中学校では2.8倍・高校では2.4倍。
 (3)学年別
 学習費総額で最も多いのは、私立小学校1年の186万3千円。公立のうち最も多いのは、中学校3年の57万6千円。
 (4)世帯の年間収入と学習費
 学校種別に世帯の年間収入と学習費総額の状況を見ると、年間収入が400万円未満の世帯の場合、幼稚園では公立19万2千円、私立40万6千円、小学校では公立23万5千円、私立103万4千円、中学校では公立37万5千円、私立116万5千円、高校では公立33万7千円、私立82万1千円。
 年間収入が1200万円以上の世帯の場合、幼稚園では公立32万3千円、私立77万3千円、小学校では公立75万9千円、私立177万5千円、中学校では公立67万7千円、私立143万5千円、高校では公立58万6千円、私立134万8千円。
 今回の無償化対象が主に幼児教育と見込まれていることから、幼稚園での学校教育費について見てみると、おおむね以下の通り。
 (1)公立幼稚園の学校教育費は、11万9千円。内訳は、授業料54.0%(6万4千円)、通学関係費20.0%(2万4千円)などの順。
 (2)私立幼稚園の学校教育費は、32万円。内訳は、授業料65.5%(20万9千円)、入学金などが含まれる学校納付金等13.9%(4万4千円)などの順。
 率直に言って、“教育費は高い”というのが庶民的な感覚だろう。
 今回の無償化対象は主に幼児教育。小学校以上にも無償化を施す日が来るかどうかはわからないが、幼児教育だけでも無償化になる効果は決して小さくないだろう。
 消費税の使途は今、子育て・年金・医療・介護など社会保障分野に限られる。今回、その使途に教育を含めることは、教育を社会保障並みに公益事業と捉え直すことに他ならない。私は大賛成だ。
 ところで、本当に19年秋に消費増税は実施されるだろうか。翌年夏には東京五輪が開催されるが、その前年に増税が実施されるとは、政治的にも、とても思えない。
 私は、増税は先送りし、当面は『教育国債』で賄うと見ている。景気との連関を考慮すれば、そう結論せざるを得ない。

FujiSankei Business i. 【論風】 〜 原発ゴミの最終処分場 消費地・東京への建設検討を

 今月26日付け FujiSankei Business i. 【論風】に、『原発ゴミの最終処分場 消費地・東京への建設検討を』と題する拙稿が掲載。

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 原発ゴミとは、原子力発電に伴い発生する「高レベル放射性廃棄物」。放射能が高く危険な廃液なので、高温のガラスと溶かし合わせてステンレス製の容器に封じ込める。これが「ガラス固化体」だ。最終処分とは、ガラス固化体を地下深くの安定した岩盤に埋設し、人の手に頼らずそのまま隔離し続けることで、「地層処分」と呼ばれる。世界各国、この方法を採用する。

 ◆都内全市町村が該当
 7月下旬、経済産業省は、地層処分の候補地としての適地を示すために日本地図を色分けした「科学的特性マップ」を公開。候補地は(1)好ましくない特性があると推定される地域(地下深部の長期安定性等の観点)(2)好ましくない特性があると推定される地域(将来の掘削可能性の観点)(3)好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い地域(4)輸送面でも好ましい地域-の4つに分類した。
 (1)と(2)は候補地になりにくいが、(3)か(4)は候補地になりやすい。
 東京都はなんと、ほぼ全ての市町村(26市、3町、3村)が(4)か(3)に該当し、23区の多くも(4)に該当する。
 (4)に該当する地域は江戸川区(臨海地域)、江東区(臨海地域)、中央区(臨海地域)、品川区(臨海地域)、大田区(臨海地域)、港区(臨海地域)、世田谷区(西部)、渋谷区(西部)、新宿区(西部)、豊島区(西部)、板橋区(西部)、目黒区(西部)、北区(西部)、練馬区(東部)、武蔵野市(東部)、三鷹市(東部)、調布市(東部)、町田市(東部)、稲城市(東部)、西東京市(東部)、中野区(全域)、杉並区(全域)、狛江市(全域)、神津島村、小笠原村。(3)に該当する地域は府中市、小金井市、小平市、東村山市、東久留米市、立川市、国立市、日野市、八王子市、多摩市、羽村市など上記の地域より西にある全ての市町村の地域だ。

 ◆現世代の責任で
 では実際、首都・東京は候補地になり得るか。政治的には大問題かもしれないが、技術的には問題ない。要は、都民や首長がやる気になるかどうかだ。将来、原発を正しくやめていくには、原発ゴミの最終処分地を現世代の責任で決めておく必要がある。反対を叫ぶだけでは、脱原発は進まない。
 最終処分されるガラス固化体は、爆発性もなく、臨界(放射性物質が核分裂を起こして大きなエネルギーを発生すること)を起こすこともない安定したもの。直径40センチ、高さ1.3メートルの筒型で、総重量500キログラム。製造直後での表面の放射線量は高いが、最終処分地に搬入されるのは十分に放射能レベルが下がってからのことだ。
 最終処分地として必要な規模は、地上では1~2平方キロメートル、地下では深度300メートル以上の所に6~10平方キロメートル程度。地上1~2平方キロメートルとは、東京ビッグサイト4~8個分。ただ、これは日本全国の分なので、東京の分に限ればさらに小さい。最終処分施設の建設は技術的に難しくなく、いかなる原子力関連施設よりも安全。公共事業として雇用を生み、地域経済を潤す。本来、自治体が誘致合戦を展開してもおかしくない。実際、フィンランドやスウェーデンでは、自治体間で誘致合戦になった末に最終処分地が決まった。
 都民は今まで、東京電力の原子力発電所(新潟県の柏崎刈羽、福島県の福島第1、福島第2)で作られた電気も大量に消費。立地自治体の多くは「既に発電で貢献してきたのだから、廃棄物はよそでお願いしたい」と語る。こうした複雑な感情の背景にはエネルギー安定供給のありがたみに無関心であり続けてきた消費地側の姿勢がある。
 大量消費地の責任として、都民も小池百合子知事も、最終処分地の都内誘致を本気で考えるべきだ。日本国内で東京都の次に人口が多い神奈川県、大阪府、愛知県、埼玉県、千葉県、兵庫県、北海道、福岡県、静岡県でも、マップ上での候補地がどうなっているか、真剣に見つめてみてはどうか。

☆ニュース配信☆ 米国のエネルギー政策 〜 原子力と石炭への支援を再び行う安全保障上の理由

米国のエネルギー政策 〜 原子力と石炭への支援を再び行う安全保障上の理由


Gadgerwear http://www.gadgetwear.net/2017/11/blog-post.html

livedoorニュース http://news.livedoor.com/article/detail/13828749/


アメーバニュース https://news.ameba.jp/entry/20171101-162/


BIGLOBEニュース https://news.biglobe.ne.jp/economy/1101/gdw_171101_5108780874.html


現地時間の9月28日、米国エネルギー省(DOE ; Department of Energy)のリック・ペリー長官は、要するに、 

①電力自由化の進展がもたらした低価格な天然ガスと再生可能エネルギーの増加により、 
②近年、石炭火力発電所と原子力発電所の閉鎖が続発しているが、
③それによって顕在化しつつある送電網の回復力の維持など電力システム上の危機を回避するため、
④原子力発電と石炭火力発電に係る二つの支援策を提案する
と発表した。

概要は次の(1)・(2)の通り。 

(1)送電網の『回復力』保全のための支援策

ペリー長官は、連邦エネルギー規制委員会(FERC : Federal Energy Regulatory Commission)に対して、送電網の回復力への脅威に対処するため直ちに行動するよう指示した。

原文より抜粋》 
U.S. Secretary of Energy Rick Perry formally proposed that the Federal Energy Regulatory Commission (FERC) take swift action to address threats to U.S. electrical grid resiliency.

上記の趣旨を具体化したものは、ペリー長官からFERCへの文書(Secretary Rick Perry's Letter to the Federal Energy Regulatory Commission)に記されており、その構成は次のようなもの。 

原文より抜粋》
① The Resiliency of the Electric Drid --- and Our National Security --- is In Jeopardy
② There Have Been Significant Retirements of Traditional Baseload Generation
③ The 2014 Polar Vortex Exposed Problems With the Resiliency of The Electric Grid
④ Regulated Wholesale Power Market Are Not Adequately Pricing Resiliency Attributes of Baseload Power
⑤ NERC Warns That Premature Retirements Of Fuel-Secure Generation Threaten the Reliability and Resiliency of the Bulk Power System
⑥ The DOE Staff Report Made Clear the Challenges to the Grid and That Resiliency Must Be Addressed
⑦ FERC is Aware Of the Problems and Must Take Action
⑧ Proposed Rule To Protect the Resiliency Of the Electric Grid
⑨ Conclusion 

電力自由化を進めてきた米国では、FERCが中心となって、独立系統運用者(ISO ; Independent System Operator)や地域送電機関(RTO ; Regional Transmission Organization)の卸電力市場への新規参入を促進してきた。 

その結果、様々な災害やトラブルで燃料供給が途絶えた時でも発電が可能な伝統的ベースロード電源の閉鎖が最近、次のように急速に進んできている。 

2000〜09年では、主に天然ガス火力発電所が閉鎖。 
2010〜15年では、閉鎖発電所全体の52%超に当たる3700万kWが石炭火力発電所。
2016〜20年では、閉鎖済み及び閉鎖見込みの3440万kWのうち、49%が石炭火力発電所、30%が天然ガス火力発電所、15%が原子力発電所。  
2002〜16年では、466.6万kWの原子炉が閉鎖済み。  
2016年以降には、8基(716.7万kW;米国の原子力発電設備容量の7.2%、全発電設備容量の0.6%)が閉鎖見込みであるが、ここには州政府の措置で早期閉鎖を免れた7基は含まれていない。

北米電力信頼度協会(NERC ; The North American Electric Reliability Coporation)の見解にもあるように、北米の電力システムでは、天然ガス・風力・太陽光が成長する反面、化石燃料・原子力発電所が閉鎖していくという変化が急速に起こりつつある。 

これは、連邦政府・州政府・自治体による政策、天然ガスの低価格化、電力市場の競争原理などによって惹起。電源構成の変化は、基幹電力系統(BPS ; Bulk Power System)の運用特性にも大きな変化をもたらした。送電網の信頼性を維持し、回復力を保証していくためには、BPSの運用特性の変化をよく理解しながら適切に管理していかなければならない。 

FERCも、ISOも、RTOも、送電網の信頼性や回復力への脅威を取り除くという課題を解決するのための取組みを、今はまだ十分には行っていない。 

だが、送電網の回復力を維持するのに必要な燃料貯蔵型ベースロード電源、即ち石炭火力発電所と原子力発電所がこれ以上失われることは、阻止されなければならない。 

石炭火力発電と原子力発電は、稼働率が高く、発電所内に燃料を貯蔵できるという付加価値があり、燃料供給が途絶えても、何ヶ月も稼働し続けることができるものなのだ。 

そこで、送電網の信頼性と回復力の維持に資する原子力発電所と石炭火力発電所に対して、十分な対価を与える方向で市場改革を進めるための新ルールの制定を求めるものである。 

(2)新設原子炉への融資保証

ペリー長官は、米国で30年ぶりの新設原子炉となるアルビン・W・ヴォーグル原子力発電所3・4号機(110万kW×2基;ジョージア州)の建設を支援するため、既に措置されている83億ドルの融資保証に加えて、追加的に最大37億ドルの融資保証措置を提案した。 

原文より抜粋》
To further support the construction of two advanced nuclear reactors at the Alvin W. Vogtle Electric Generating Plant, U.S. Secretary of Energy Rick Perry announced today conditional commitments for up to $3.7 billion in loan guarantees to Vogtle owners: $1.67 billion to Georgia Power Company (GPC), $1.6 billion to Oglethorpe Power Corporation (OPC), and $415 million to three subsidiaries of Municipal Electric Authority of Georgia (MEAG Power). The Department has already guaranteed $8.3 billion in loans to GPC, OPC, and MEAG Power subsidiaries to support construction of Vogtle Units 3 and 4. 

そして、「米国の原子力の将来は明るく、原子力技術革新の面での米国のリーダーシップ拡大を期待している。ヴォーグルのような先進的な原子力プロジェクトは、高い信頼性と強い回復力のある送電網を維持するとともに、経済成長を促進し、エネルギー安全保障と国家安全保障を強化する重要なエネルギーインフラプロジェクトの一つである」と語った。 

“I believe the future of nuclear energy in the United States is bright and look forward to expanding American leadership in innovative nuclear technologies,” said Secretary Perry. “Advanced nuclear energy projects like Vogtle are the kind of important energy infrastructure projects that support a reliable and resilient grid, promote economic growth, and strengthen our energy and national security." 

今回のヴォーグル計画は、米国で30年ぶりに原子炉を新設する話。ウェスティングハウス社製のAP1000という110万kWの新型原子炉が2基で、この革新的な技術が導入されるのは米国では初。稼働すれば、毎年170億kWh以上のクリーン電力を供給することが期待され、毎年約1000万トンのCO2排出量を削減しながら、160万世帯以上の家庭への安定供給を可能となる。 

The Vogtle project is the first new nuclear power plant to be licensed and begin construction in the United States in more than three decades. The two new 1,100 megawatt Westinghouse AP1000® nuclear reactors at Vogtle represent the first U.S. deployment of this innovative technology. Once online, these new nuclear reactors are expected to provide more than 17 million megawatt-hours of clean electricity annually. This is enough reliable electricity to power more than 1.6 million American homes while avoiding nearly 10 million metric tons of carbon dioxide emissions annually. 

以上のように、石油と天然ガスで生産量世界一になった米国(別のブログ記事を参照)でさえ、原子力と石炭を再び推進していくことで、自国の安全保障の強化や、エネルギー供給信頼度の向上を目指している。 

自国の領土領海内で豊富な化石燃料資源を獲得することのできない日本は、米国のようなエネルギー大国の政治的・政策的な姿勢を再び学ぶ必要がある。即ち、エネルギー安全保障の水準を極力高めるということ。それは、近年の日本を取り巻く国際情勢を考えれば、すぐわかること。 

2011年3月の東日本大震災による福島第一原子力発電所事故を契機とした“脱原子力”や、世界的なCO2排出量削減に向けた動きの中での“脱石炭”に関する政治的動きもあって、日本では原子力と石炭への風当たりがまだ強く冷たい。 

しかし、エネルギー極貧国の日本としては、純国産の再生可能エネルギーが大量・低廉・安定的に供給できる時代が来るまでは、安全・環境面に配慮しながら原子力・石炭の活用を続けていくしかない。 

日本のエネルギー安全保障の根幹は、石油と天然ガスの輸入依存度をなるべく下げることであり、当面それは原子力と石炭の利用を促進することでしか達せられない。再エネはまだまだ、化石燃料や核燃料の代替にはなり得ないのだ。

日本は“再エネ後進国”ではない 〜 太陽光発電ではOECD第2位

 日刊工業新聞の「再生エネ後進国・日本 大量導入への道筋」というシリーズ(1)(2)はとても興味深い。

 確かに、コスト面では、日本は再生エネ後進国ではあるが、普及状況は世界でも屈指である。

 意外に知られていないが、2016年で、日本はOECDの中で第2位の太陽光発電大国。

 下表にあるように、OECD内での順位は次の通り。

  ①アメリカ
  ②日本
  ③ドイツ
  ④イタリア
  ⑤イギリス
  ⑥フランス

☆石川和男のエネルギーCh(チャンネル) vol.42

2017年11月1日17:00〜17:45

ニコ生 : http://live.nicovideo.jp/watch/lv308216406

YouTube : https://youtu.be/LaiAcO482VU

2016年の温室効果ガス:CO2、CH4、N2Oの濃度が過去最高を更新

 世界気象機関(WMO;World Meteorological Organization)の本日の発表 “Greenhouse gas concentrations surge to new record” によると、二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、亜酸化窒素(N2O)の3大温室効果ガスについて、2016年での世界平均濃度が過去最高を更新した。

 詳細は、WMOが作成した報告書 “WMO Greenhouse Gas Bulletin” を参照されたい。


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2017.10.30 WMO “Greenhouse gas concentrations surge to new record” 


 2016年において、CO2濃度は403.3±0.1ppm、CH4濃度は1853±2ppb、N2O濃度は328.9±0.1ppb で、それぞれ工業化以前の頃よりも145%増、257%増、122%増であった。


原文より抜粋》
The latest analysis of observations from the WMO GAW Programme shows that globally averaged surface mole fractions calculated from this in situ network for CO2, methane (CH4) and nitrous oxide (N2O) reached new highs in 2016, with CO2 at 403.3±0.1ppm, CH4 at 1853±2ppb and N2O at 328.9±0.1ppb. These values constitute, respectively, 145%, 257% and 122% of pre-industrial (before 1750) levels. 

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2017.10.30 “WMO GREENHOUSE GAS BULLETIN” 


 上記のWMO報告書は、CO2その他の温室効果ガスの急速な増加は「深刻な生態学的経済的混乱」に繋がる深刻な気候変動をもたらす、としている。

原文より抜粋》
Rapidly increasing atmospheric levels of CO2 and other greenhouse gases have the potential to initiate unprecedented changes in climate systems, leading to “severe ecological and economic disruptions,” said the report.


 人口の増加、農業の進展、土地の利用と森林の減少、工業化、エネルギー使用のための化石燃料消費量の増加は、1750年頃に始まった工業化以降、大気中の温室効果ガス濃度の上昇をもたらした。

 海洋大気局の資料によると、1990年以来、温室効果ガスによる温室効果は40%増加し、2015年から2016年までは2.5%増加した。

原文より抜粋》
Population growth, intensified agricultural practices, increases in land use and deforestation, industrialization and associated energy use from fossil fuel sources have all contributed to increases in concentrations of greenhouse gases in the atmosphere since the industrial era, beginning in 1750.

Since 1990, there has been a 40% increase in total radiative forcing – the warming effect on our climate - by all long-lived greenhouse gases, and a 2.5% increase from 2015 to 2016 alone, according to figures from the US National Oceanic and Atmospheric Administration quoted in the bulletin.


 WMOは、再生可能エネルギーのための気象・気候関連サービスを改善し、グリーン経済と持続可能な開発を支援すべく取り組んでいる。太陽光や風力、水力の利用を最適化するには、新しいタイプの気象・気候・水理サービスが必要になるからだ。
 
原文より抜粋》
WMO is also striving to improve weather and climate services for the renewable energy sector and to support the Green Economy and sustainable development. To optimize the use of solar, wind and hydropower production, new types of weather, climate and hydrological services are needed.

世界の原子力動向 〜 近年はアジア(中国、インドなど)での増加が顕著

 World Nuclear Association が今月公表した “World Nuclear Performance Report 2017 – Asia Edition” によると、2016年における世界の原子力発電に関する動向は概ね次の通り。

⑴ 9GW以上の原子力発電設備が新規に竣工し、そのうち7GWe以上はアジア地域。

⑵ 年初から年末までに、原子炉は441基から448基に増加。

⑶ 10基が竣工し、3基が閉鎖されたが、原子力発電設備は8GWの増加。

⑷ 原子力発電量は、35TWh増加し、2476TWh。これは、新規原子炉の竣工による増加と既設原子炉の性能改善の結果。


原文より抜粋》
More than 9 GWe of new nuclear capacity came online in 2016, of which more than 7 GWe is located in Asia. By the end of 2016 there were 448 reactors around the world, up from 441 at the start of the year. Ten reactors started to supply electricity and three were closed down, resulting in a net increase in nuclear capacity of just over 8 GWe. The amount of electricity supplied by nuclear globally increased by 35 TWh to 2476 TWh. This increased generation is the result of both additional generation from new reactors coming online and continued performance improvements from the existing fleet.


 2011年3月の東日本大震災による福島第一原子力発電所(1F)の事故以降、“脱原子力は世界の潮流”との風説が今でも盛んに流されている。

 だが実際は、世界全体では横這いで、アジア地域では増加傾向を示している。

 特に、
2011年から2012年にかけて著しく落ち込んだ原子力発電量〔Figure 14.〕と原子力発電設備容量〔Figure 15.〕は、2012年以降4年連続で増加傾向となっている。


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2017.10 World Nuclear Association “World Nuclear Performance Report 2017 – Asia Edition

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2017.10 World Nuclear Association “World Nuclear Performance Report 2017 – Asia Edition


 アジア地域での原子力発電量について、日本以外の合計では中国を中心に顕著に伸びており〔Figure 1.〕、日本だけは1F事故以降で急落したまま〔Figure 8.〕

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 中国は、近年急速に原子力利用を拡大してきている〔Figure 2.〕

 インドは、ここ10年での原子力利用の拡大が著しい
〔Figure 6.〕

 韓国は、2011年の1F事故を契機にいったん原子力利用は縮小した時期もあったが、近年は再び原子力利用が拡大している〔Figure 12.〕


 台湾は、2025年までの原子力ゼロ化を政治的に決めていることもあり、原子力発電量は減少してきている〔Figure 4.〕

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 以上のことから、世界全体でも、アジア地域でも、一部の国を除き、原子力利用は横這いか拡大傾向にあることがわかる。1F事故は、アジアの原子力利用国における原子力利用拡大に悪影響を殆ど与えていない。

 脱原子力は世界の潮流であると一所懸命に訴える人が少なくないが、実態はその真逆。脱原子力は世界の潮流とはなっていない。

2018年のドイツの再エネ賦課金:前年比1%減 〜 標準家庭で年間27000〜36000円超の負担(1ユーロ=132円)

 今月16日、ドイツの4大送電事業者Amprion、TeneTT、TransnetBW、50hertzは、2018年度にドイツの一般消費者が負担する再生可能エネルギー賦課金について、

  2017年6.880ct/kWh → 2018年6.792ct/kWh

と、前年比1.3%減になる旨を共同発表した。


《原文より抜粋》
08
Die vier deutschen Übertragungsnetzbetreiber 50Hertz, Amprion, TenneT und TransnetBW haben heute die EEG-Umlage für das Jahr 2018 veröffentlicht. Sie beträgt 6,792 Cent pro Kilowattstunde und ist damit 1,3 Prozent niedriger als im Vorjahr (2017: 6,880 ct/kWh).


 ドイツにおけるこれまでの再エネ賦課金単価の推移は、下のグラフの通り。

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2017.10.16 50hertz “EEG-Umlage 2018 – Anhang zur Pressemitteilung”


 2018年におけるドイツの標準家庭(年間消費量3000〜4000kWh)向け電気料金の負担増は、下記の通り、年間27000〜36000円くらいになる計算。

  6.792ct/kWh×3000〜4000kWh/1家庭×132円/ユーロ ≒ 26900〜35900円

 但し、円ベースでの金額は為替レートで変動するので、あくまでも冒頭のようなドイツ国内でのユーロベースでの動向を注視していくべきだ。

☆石川和男のエネルギーCh(チャンネル) vol.41

2017年10月26日17:00〜17:45

ニコ生 : http://live.nicovideo.jp/watch/lv307964697

YouTube : https://youtu.be/dvDMjOayrUk

☆Yahoo!ニュース配信☆ 再エネの国民負担が大きすぎる!「木くず発電」をどうするか

 
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 家庭から出る生ゴミ、森林伐採に伴って出る木くず、家畜の排泄物などは、捨てずにうまく使えば「再生可能エネルギー(以下、再エネ)」になる。巷では「バイオマス」と呼ばれる。燃焼させたり、ガス化させたりすれば、発電用の燃料になる。日本では、木くずの利用が最も多い。
 
 これが最近、大問題になっている。
 
 再エネには、バイオマスのほかに太陽光や風力、地熱、水力がある。再エネで作られた電気は、2012年夏から始まった固定価格買取制度(FIT)により、大手電力会社が高値で買い取る。この価格は毎年、経済産業省が見直すことになっている。先月、2018年度の再エネ価格に関する検討が始まった。
 
 今年度の再エネ買取りにかかる国民負担は総額2~3兆円。この負担額は今後も上がり続け、2030年度では4兆円になる見込み。消費税1%で2.5兆円。再エネの買取り費用は、それに匹敵し、やがてそれを超えるほどの規模になる。
 
 FITによる買取り対象となる再エネの内訳は、今年3月現在で、多い順に次の通り。
 
 (1)太陽光(非住宅用):7900万kW
 (2)バイオマス:1240万kW
 (3)風力:700万kW
 (4)太陽光(住宅用):550万kW
 (5)中小水力:110万kW
 (6)地熱:9万kW
 
 太陽光はFIT開始直後から急増した。想定を超える異常な勢いで増えたせいか、「太陽光バブル」と言われる。
 
 太陽光の買取りに伴う国民負担を抑えるため、経産省は、太陽光の買取価格を当初から大幅に引き下げたり(非住宅用:2012年度40円/kWh → 今年度21円/kWh)、大規模設備である「メガソーラー」には今年度から入札制を導入したりと、あの手この手で太陽光バブルの後処理をしている。
 
 それでも、既にFIT認定を受けた太陽光にかかる買取り費用が高いこともあって、太陽光だけで2030年度に2.3兆円の国民負担。FIT開始から2030年までの累計だと32兆円にもなる。
 
 バイオマスの買取価格は、今までほとんど下げられてきていない。一昨年まであまり増えてこなかったからだ。しかし、昨年から今年にかけて「木質バイオマス」(木くず)のFIT認定が激増し、2030年のバイオマス導入目標の2~3倍にまで膨れ上がった。さながら、「バイオマスバブル」である。
 
 バイオマスについても、国民負担増を抑えていく必要がある。今の見通しでは、バイオマスだけで2030年度に6300~8300億円の国民負担で、FIT開始から2030年までの累計だと8兆円になる。
 
 バイオマスバブルが続けば、この負担規模は更に膨れ上がる。これほどの費用を注ぎ込んだとしても、2030年時点の電源構成に占める太陽光、バイオマスの割合はそれぞれ7%、3.7~4.6%程度でしかない。
 
 2030年時点の電源構成で76~78%を占める目標である原子力・火力関連の燃料費が年間5.3兆円であることと比べても、FITによる高値買取りはあまりにも費用対効果が低い。バイオマスに関しても、太陽光と同様に、大規模設備(メガバイオマス)への入札制の導入や、小規模設備の買取価格の大幅引下げを行うべきだ。日本の木質バイオマス(5000kW)の買取価格は、ドイツの2倍、フランスの5倍と、世界的にも非常に高い。
 
 もう一つ大きな問題がある。
 
 日本で使われる木質バイオマス発電用の燃料は、その大半が輸入材で占められている。これでは、エネルギー自給率の向上にはならない。再エネ発電燃料を輸入するなどというのは、よくよく考えると奇妙な話ではないか?
 
 輸入バイオマス燃料は、FITの対象から外すべきだ。外国の森林破壊によって発生した木質バイオマスを日本に輸出して儲ける企業を、これ以上儲けさせる必要はない。

☆ニュース配信☆ 米国エネルギー省 〜 電力競争市場における原子力・石炭の早期閉鎖に対する警告と、今後に向けた勧告

米国エネルギー省 〜 電力競争市場における原子力・石炭の早期閉鎖に対する警告と、今後に向けた勧告

http://www.gadgetwear.net/2017/10/blog-post_18.html


http://news.livedoor.com/article/detail/13762248/


https://news.ameba.jp/entry/20171018-134/


https://news.biglobe.ne.jp/economy/1018/gdw_171018_3357675923.html



米国エネルギー省(DOE ; Department of Energy)の8月23日の発表によると、ペリー長官宛てに “Staff Report to the Secretary on Electricity Markets and Reliability” と題する報告書が提出された。 

結論から言うと、数年後の日本の姿を見ているようであり、日本の電力政策に対しても非常に鋭い示唆を与える内容であると思料。 

目次構成(Table of Contents)は以下の通りで、電力政策に関する研究と勧告が主眼。私が取り急ぎ読んだ限りでは、次の①〜④のような内容。 

① 近年、コスト競争、安全・環境規制強化、再生可能エネルギー優遇といった複合的要因から、天然ガス・太陽光・風力が台頭してきた。

② それにより、競争的な電力市場が形成されてきたことは前向きに評価できる。

③ 同時に、電力需要減も相俟って、従来型エネルギー源である原子力・石炭などベースロード電源が早期閉鎖を強いられ、電力システム上の供給信頼性や危機回復力が低下するリスクが顕在化している。

④ 今後は、原子力・石炭・水力に対して、規制コストを低減していくことが必要だ。 

上記④に関して、より具体的には次の通り。 

エネルギー省や関連する連邦政府機関は、原子力や水力、石炭、先進的発電技術、送電といった電力網インフラに係る許認可や再許認可に係るコストを削減することを急ぐべきだ。 

エネルギー省はまた、発電所やガス、送電インフラの立地や許認可に係る規制負担を見直すとともに、規制手続プロセスを加速化させ、コストを削減するための措置を講ずるべきである。 

具体的には、次のようなこと。 

◯ 水力発電について、連邦エネルギー規制委員会(FERC;Federal Energy Regulatory Commission)に対して、現行の許認可や再許認可のプロセスを再考し、特に小規模プロジェクトや揚水貯蔵に係る規制負担を最小化するよう求める。 

◯ 原子力発電について、原子力規制委員会(NRC;Nuclear Regulatory Commission)に対して、運営費の不要に増加させたり、原子力エネルギーの経済性を損ねることなく、既存及び新設の原子力施設の安全を確保することを求める。リスクを勘案した手法で原子力安全規制を見直せ。 

◯ 石炭火力発電について、環境保護庁(EPA;Environmental Protection Agency)に対して、新たな許認可や関連費用を発生させることなく、石炭火力発電所が高効率化と信頼性向上を実施させるよう求める。DOEは、既設発電所の改善を可能とする規制環境下で、高効率化を目指す研究開発ポートフォリオを追求すべきだ。 

《原文のうち Policy Recommendations(p126〜)より抜粋》 

DOE and related Federal agencies should accelerate and reduce costs for the licensing, relicensing, and permitting of grid infrastructure such as nuclear, hydro, coal, advanced generation technologies, and transmission. DOE should review regulatory burdens for siting and permitting for generation and gas and electricity transmission infrastructure and should take actions to accelerate the process and reduce costs. Specific reforms could include the following: 

  Hydropower: Encourage FERC to revisit the current licensing and relicensing process and minimize regulatory burden, particularly for small projects and pumped storage. 

  Nuclear Power: Encourage the NRC to ensure the safety of existing and new nuclear facilities without unnecessarily adding to the operating costs and economic uncertainty of nuclear energy. Revisit nuclear safety rules under a risk-based approach. 

  Coal Generation: Encourage EPA to allow coal-fired power plants to improve efficiency and reliability without triggering new regulatory approvals and associated costs. In a regulatory environment that would allow for improvement of the existing fleet, DOE should pursue a targeted R&D portfolio aiming at increasing efficiency.

       2017.8.23 DOE “Staff Report to the Secretary on Electricity Markets and Reliability 

台風21号 〜 太陽光パネル散乱被害と、太陽光パネルに関する感電防止策

 今夜の山陽新聞ネット記事によると、昨夜深夜から今日未明にかけ岡山県内に最接近した台風21号は、各地に強風や大雨の被害をもたらした。奈義町内の民有地に設置されたソーラーパネルが散乱した。

<強風にあおられ散乱したソーラーパネル(今日午前9時40分、奈義町上町川)>
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 2017.10.23 山陽新聞ネット記事


 先のブログ記事でも書いたが、近年、台風などによる水害で太陽光パネルが被災する場合が散見されている。

 太陽光パネルは、浸水・破損した場合でも、光が当たれば発電する。このため、破損箇所などに触れた場合には感電をする恐れがある。


 そうした感電を防ぐため、経済産業省や太陽光発電協会は、次のように周知している。



<経済産業省(産業保安グループ電力安全課)>

水没した太陽電池発電設備による感電防止についてのお願い(周知)

【感電防止についての概要】

  1. 太陽電池発電設備(モジュール(太陽光パネル)、架台・支持物、集電箱、パワーコンディショナー及び送電設備(キュービクル等))は、浸水している時に接近すると感電するおそれがあるので、近づかないようにしてください。 
  2. モジュール(太陽光パネル)は、光があると発電していますので、触ると感電するおそれがあります。漂流しているモジュール(太陽光パネル)や漂着・放置されているモジュール(太陽光パネル)を復旧作業等でやむを得ず取り扱う場合には、素手は避けるようにし、感電対策(ゴム手袋、ゴム長靴の使用等)などによって感電リスクを低減してください。
  3. 感電のおそれがある太陽電池発電設備を見かけましたら、周囲に注意を呼びかけるとともに最寄の産業保安監督部または経済産業省までお知らせいただきますようお願いします。
  4. 壊れた太陽電池パネルを処理する際には、ブルーシート等で覆い遮蔽するか、パネル面を地面に向けて、感電防止に努めて下さい。また、廃棄する際は自治体の指示に従って下さい。   
  5. 水が引いた後であっても集電箱内部やパワーコンディショナー内部に水分が残っていることも考えられます。この場合、触ると感電するおそれがありますので、復旧作業に当たっては慎重な作業等を行う等により感電防止に努めてください。
  6. 水が引いた後であっても集電箱内部やパワーコンディショナー内部に残った湿気や汚損により、発火する可能性がありますので、復旧作業に当たっては十分な注意を払い電気火災防止に努めてください。
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出所:経済産業省資料


<一般社団法人太陽光発電協会>

太陽光発電設備が水害によって被害を受けた場合の対処について

1.水没・浸水時の注意事項 
 太陽光発電設備のパワーコンディショナや、太陽電池パネルと電線との接続部は、水没・浸水している時に接近又は接触すると感電する恐れがありますので、近づいたり触れたりしないようにしてください。
 漂流物などにより、太陽電池パネル、集電箱及びパワーコンディショナが破損したり、接続している電線が切れたりしている場合は、水没・浸水時に近づくと感電する恐れがありますので、近づかないようにしてください。


38

2.被害への対処に向けての連絡
 被害への対処の実施にあたっては、50kW未満の太陽光発電施設の場合は販売施工事業者に、50kW以上の太陽光発電施設の場合は選任されている電気主任技術者に連絡し、対策をとってください。 

3.太陽電池パネルの取り扱い 
 水害によって被害を受けた太陽電池パネルは、絶縁不良となっている可能性があり、接触すると感電する恐れが ありますので、触れないようにしてください。 
 復旧作業等でやむを得ず取り扱う場合でも、素手は避けるようにし、感電対策(ゴム手袋、ゴム長靴の使用等)などによって感電リスクを低減してください。 
 又、複数枚の太陽電池パネルが接続されたまま飛ばされたり流されたりした場合は、接続活線状態であれば日射を受けて発電し高い電圧/電流が発生するため、周辺にロープを張るなど、関係者以外が不用意に立ち入らないような対策を実施することが必要です。 

4.パワーコンディショナの取り扱い 
 浸水したパワーコンディショナは、直流回路が短絡状態になる可能性があり、太陽電池パネルが活線状態の場合には、短絡電流が流れることでショートや発熱する可能性があります。ショートしている状態が見える場合には、販売施工事業者に連絡し、対応をとってください。 
 取り扱いにあたっては、安全のため感電対策(ゴム手袋、ゴム長靴の使用等)を行うとともに、パワーコンディショナの遮断器を解列することを推奨します。
 

台風21号 〜 太陽光パネル崩落被害と、太陽光パネルに関する感電防止策

 今夕の神戸新聞ネット記事によると、超大型で非常に強い台風21号による大雨で、兵庫県南あわじ市榎列山所で今日、のり面に積まれていたコンクリートブロックが幅約20mにわたって崩れたとのこと。

 のり面の上には太陽光発電パネルが設置されており、斜面近くではパネルも折れ曲がっていたが、けが人などはないとのこと。


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2017.10.22 神戸新聞ネット記事


 近年、台風などによる水害で太陽光パネルが被災する場合が散見されている。

 太陽光パネルは、浸水・破損した場合でも、光が当たれば発電する。このため、破損箇所などに触れた場合には感電をする恐れがある。


 そうした感電を防ぐため、経済産業省や太陽光発電協会は、次のように周知している。



<経済産業省(産業保安グループ電力安全課)>

水没した太陽電池発電設備による感電防止についてのお願い(周知)

【感電防止についての概要】

  1. 太陽電池発電設備(モジュール(太陽光パネル)、架台・支持物、集電箱、パワーコンディショナー及び送電設備(キュービクル等))は、浸水している時に接近すると感電するおそれがあるので、近づかないようにしてください。 
  2. モジュール(太陽光パネル)は、光があると発電していますので、触ると感電するおそれがあります。漂流しているモジュール(太陽光パネル)や漂着・放置されているモジュール(太陽光パネル)を復旧作業等でやむを得ず取り扱う場合には、素手は避けるようにし、感電対策(ゴム手袋、ゴム長靴の使用等)などによって感電リスクを低減してください。
  3. 感電のおそれがある太陽電池発電設備を見かけましたら、周囲に注意を呼びかけるとともに最寄の産業保安監督部または経済産業省までお知らせいただきますようお願いします。
  4. 壊れた太陽電池パネルを処理する際には、ブルーシート等で覆い遮蔽するか、パネル面を地面に向けて、感電防止に努めて下さい。また、廃棄する際は自治体の指示に従って下さい。   
  5. 水が引いた後であっても集電箱内部やパワーコンディショナー内部に水分が残っていることも考えられます。この場合、触ると感電するおそれがありますので、復旧作業に当たっては慎重な作業等を行う等により感電防止に努めてください。
  6. 水が引いた後であっても集電箱内部やパワーコンディショナー内部に残った湿気や汚損により、発火する可能性がありますので、復旧作業に当たっては十分な注意を払い電気火災防止に努めてください。
51
出所:経済産業省資料


<一般社団法人太陽光発電協会>

太陽光発電設備が水害によって被害を受けた場合の対処について

1.水没・浸水時の注意事項 
 太陽光発電設備のパワーコンディショナや、太陽電池パネルと電線との接続部は、水没・浸水している時に接近又は接触すると感電する恐れがありますので、近づいたり触れたりしないようにしてください。
 漂流物などにより、太陽電池パネル、集電箱及びパワーコンディショナが破損したり、接続している電線が切れたりしている場合は、水没・浸水時に近づくと感電する恐れがありますので、近づかないようにしてください。


38

2.被害への対処に向けての連絡
 被害への対処の実施にあたっては、50kW未満の太陽光発電施設の場合は販売施工事業者に、50kW以上の太陽光発電施設の場合は選任されている電気主任技術者に連絡し、対策をとってください。 

3.太陽電池パネルの取り扱い 
 水害によって被害を受けた太陽電池パネルは、絶縁不良となっている可能性があり、接触すると感電する恐れが ありますので、触れないようにしてください。 
 復旧作業等でやむを得ず取り扱う場合でも、素手は避けるようにし、感電対策(ゴム手袋、ゴム長靴の使用等)などによって感電リスクを低減してください。 
 又、複数枚の太陽電池パネルが接続されたまま飛ばされたり流されたりした場合は、接続活線状態であれば日射を受けて発電し高い電圧/電流が発生するため、周辺にロープを張るなど、関係者以外が不用意に立ち入らないような対策を実施することが必要です。 

4.パワーコンディショナの取り扱い 
 浸水したパワーコンディショナは、直流回路が短絡状態になる可能性があり、太陽電池パネルが活線状態の場合には、短絡電流が流れることでショートや発熱する可能性があります。ショートしている状態が見える場合には、販売施工事業者に連絡し、対応をとってください。 
 取り扱いにあたっては、安全のため感電対策(ゴム手袋、ゴム長靴の使用等)を行うとともに、パワーコンディショナの遮断器を解列することを推奨します。
 

韓国 〜 3大新聞とも「脱・脱原発」を歓迎する論調

 今朝の朝日新聞ネット記事などで既報のように、韓国・文在寅政権が脱原発政策で建設を一時中断した新古里原発5・6号機(蔚山市)について、①同政権が設けた有識者委員会は昨日、市民参加の「討論型世論調査」をもとに建設再開を勧告し、②大統領府はこれを尊重すると表明したとの由。

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2017.10.21 朝日新聞ネット記事

 隣国の韓国で「脱・脱原発」の方向性が出されたことは、日本の原子力平和利用政策にも大きな効果や影響があると思われる。

 韓国の文大統領は、大統領選の際に“原発ゼロ”を掲げたが、これを事実上ひっくり返すことになる。
隣の国でも、“原発ゼロ”は選挙後に破談になるという話。


 これに対して、韓国の3大新聞の論調はいずれも、以下の通り、最終的には歓迎する意向を滲み出している。

 だからと言って、“反原発・脱原発”に偏重した日本の報道各社が、こうした韓国3大紙のような論調を発する日は、たぶん永遠に来ないだろう。そう思えばなおさら、韓国3大紙の論調がバランス感覚に溢れたものに見えてくる。


中央日報:社説「集団知性が発揮された原発建設再開決定」
  新古里(シンゴリ)原発5・6号機の運命を決める公論化委員会が昨日活動を終え、「工事再開」を政府に勧告した。3カ月間の公論調査と合宿討論などを進行しながら議論した結果、賛成意見が59.5%、中断意見が40.5%となったからだ。政府も公論化委員会の勧告を尊重し、24日の国務会議で工事再開を決定する予定だ。 
  公論化委員会の議論の結果はやや意外だ。一般国民を対象にしたこれまでの世論調査では、工事再開と中断の意見が誤差範囲内だった。しかし公論化委員会に参加した471人の市民参与団の中では工事再開の意見がかなり多かった。参与団が賛成と反対の両陣営の意見を深く検討し、経済性と環境、安全の間の均衡を熟考したことが分かる。4回の公論調査の過程で工事再開の意見が増え、若年層の反対が明確に減った点がこれを傍証する。公論化委員会が原発反対の雰囲気が強調された「傾いた運動場」だという懸念にもかかわらず、市民参与団は冷静さを失わなかった。韓国社会の水準が「熟議民主主義」が作動するほど成熟したという証拠だ。今後、国民の生活に関連する主要政策を決める時、このような集団知性の力を活用する機会が増えることを望む。 
 公論化委員会の今回の勧告は、大統領の公約に対するこれまでの社会的な認識も変えた。政界はその間、「大統領の選挙公約に入っていれば国民の承認を受けたもの」という認識の下、社会的な議論や合意の過程を無視してきた。その結果、少なからず葛藤と後遺症が生じた。しかし大統領選挙での当選がすべての公約に対する国民的な承認を意味するわけではないということだ。脱原発と新古里5・6号機建設の中断は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の大統領選挙公約だが、論争が絶えなかった。このような公約を政策に移す時、国民的な合意をもう一度確認しなければいけないという教訓を今回の公論化委員会が残した。こうした事例は時間が経過するほど増えるだろう。執権当時の公約より政策実行時の民心が優先という事実を政府・与党は常に忘れてはいけない。 
 今回の決定で多くの心配が杞憂となったのは幸いだ。2兆8000億ウォン(約2800億円)以上の費用が無駄になったり、雇用が減って電気料金が上がるという事態は防げることになった。国内では原発建設を中断しながら海外には原発を輸出するという自己矛盾からも脱することになった。とはいえ工事再開の陣営はひたすら歓呼することはできない。十分な情報が提供された中でも建設を中断すべきだという意見が40%に達した。長期的に原子力発電を縮小すべきだという意見も53%にのぼった。原発に対する根源的な不安感が完全に消えていないのだ。「原発マフィア」という言葉が出てくるほど不透明で腐敗が深刻だった原発産業に対する国民的な不信感が反映された結果ではないか、工事再開陣営は省みる必要がある。安全度を画期的に高め、透明に原発を運営する努力も必ず伴わなければいけない。専門家の知識を一般大衆にわかりやすく説明する謙虚な姿勢も必要だ。そうしてこそ今回の決定に対する反対側の反発も最小化できる。 
 長期的に重要な点はエネルギー政策の信頼度を高めることだ。政権交代直後に脱原発を宣言した政府は突然、2015年に113.2ギガワットと予想されていた2030年の電力需要を先月100.5ギガワットへと大幅に低めた。もちろん増加の一途だったエネルギー需要が最近の高齢化と産業構造再編で沈滞の兆しを見せているのは事実だ。再生可能エネルギー技術の発達で供給の側面の不確実性も高まった。しかし政権の必要によって中長期電力需要予測が大きく変わるという誤解を受ければ、どんなエネルギー政策も成功しない。需要と供給が明確であってこそ、それに合う戦略を立てることができ、原発の建設を縮小して老朽石炭発電を中断するような具体的な政策も国民的な呼応を得ることができる。今回の新古里原発5・6号機建設再開決定が脱原発政策自体の廃止につながるかどうかがここにかかっているといっても過言ではない。 
 今回の公論化委員会を運営するのに46億ウォンの予算が投入された。また3カ月間の新古里5・6号機工事中断による補償費用は1000億ウォンに達するという。新しい政策決定方式の実験としては高い費用だ。しかし未来を念頭に置いても現実を忘れないほど我々国民の集団知性レベルは高いという点を確認したのは大きな成果だ。今後、政府と賛否両陣営は結果を謙虚に受け入れ、社会的な葛藤を最小化することに努力する必要がある。

東亜日報:社説「原発参加団の成熟した判断、「エネルギー百年の計」転換点にならなければ」
 新古里(コリ)5、6号機「公論会委員会」が20日、「新古里5・6号機の建設を再開する政策決定を政府に勧告する」と発表した。市民参加団471人に対する調査の結果、建設再開の意見が59.5%で、中断40.5%より19.0%高かった。発表直後、朴洙賢(パク・スヒョン)大統領府報道官は、「公論化委の政策勧告を尊重する」と明らかにした。政府は24日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領主宰の閣議で、建設再開を決定する予定だ。
 当初、賛否が拮抗すると予想された世論調査とは違って建設再開が大きくリードしたのは、政府の「急激な脱原発政策」がもたらす衝撃に対する懸念が反映されたためだ。市民参加団は、原発技術の安全性と経済性、建設中断による損失などを問い、結論を出した。金知衡(キム・ジヒョン)公論化委員長が、「すべての年齢層で調査の回数を増えるほど、建設再開の割合が高まった」と説明したことからも、市民参加団の成熟した苦慮がうかがえる。
 討論と表決を通じて尖鋭な社会的葛藤を効果的に整理して結論を出したという点で、公論化委の活動は評価される。文在寅大統領としても、新古里原発建設中断の大統領選公約を破ることへの負担を減らすことができた。しかし、今後も国家の重要な意思決定を専門性と代表性が不十分な市民に任せることが、果たして代議民主主義に合致するのか、政府も熟慮する必要がある。今回の公論化の間に建設中断によって1000億ウォンの社会的費用が発生したことも、公論化を乱発できない理由だ。
 今回の決定で、建設白紙化にともなう費用1兆6000億ウォンを回避したことや韓国原子力産業の突破口を開いたことは幸いだ。原発輸出の道も開かれた。しかし、政府は依然として、「今回の決定とエネルギー転換政策は別」という立場だ。このままでは、建設中だった新古里5、6号機とは違って、設計や敷地購入の段階で中断している新ハンウル原発3、4号機やチョンジ原発1、2号機の建設が再開する可能性は低い。三陟(サムチョク)か盈徳(ヨンドク)に建設予定だった原発2機も白紙化された。
 エネルギーの海外依存度が高い韓国の現実で、原子力と石炭、液化天然ガス(LNG)、新再生エネルギーがバランスよく分布するエネルギーの多角化は必須だ。しかし、エネルギー転換も急激な方法でなく経済成長率、エネルギー需給の展望、気候変動への対応、原発輸出の競争力と雇用、新再生エネルギーの展望まで考慮して体系的に徐々に推進されなければならない。原子力の比重を減らしたいなら、経済と雇用に衝撃が大きな新規原発の白紙化よりも、老朽原発の早期廃炉を選択することが正しい。少なくとも国家のエネルギーパラダイムを変えるには、100年先を見通すロードマップの設定が先行しなければならない。「拙速エネルギー転換政策」にブレーキをかけた国民の判断を政府が謙虚に受け止めなければならない。

朝鮮日報:「脱原発」にブレーキをかけた韓国国民の理性
 新古里原発5・6号機の建設が再開されることになった。国民を代表する市民参与団471人の59.5%は最終調査で「建設を再開すべきだ」と回答し、「建設中止」と回答したのは40.5%だった。新古里原発5・6号機公論化委員会は20日、これを根拠に新古里原発5・6号機の建設を再開せよとの勧告案を政府に提出し、大統領府はすぐに受け入れ意思を明らかにした。
 この日の公論化委員会の発表を見ると、「原発建設中止」という意見は議論を重ねるたびに減り、中立的な立場だった参加者の多くは「建設再開」の方を選択した。公論化の過程に参加した市民・専門家らは「感情を刺激する宣伝や扇動によって作られた非科学的な不安が取り除かれていった。科学と理性が恐怖心を克服したものだ」と言った。キム・ジヒョン公論化委員長はこの日、結果発表の記者会見で、「建設再開という意見の割合は誤差範囲(±3.6ポイント)を上回り、意味のある差で建設中止の方よりも高くなった。調査回数を重ねるたびに差が広がった」と語った。
 これは、今年7月から4回行われた韓国ギャラップ社の世論調査で、「建設再開」と「建設中止」の意見の違いが5ポイント未満とわずかな差しかなかったのとは全く違う結果だった。公論化委員会関係者は「一般的な世論調査とはかなりかけ離れた結果が出たため、公論化委員会も驚いた。対立している懸案についてどれだけ深く知り、悩んでいるかによって結論が異なる可能性があることを示した事例だ」と述べた。このような結果について、韓国原子力学会のチョン・ヨンフン疎通委員会副委員長(韓国科学技術院〈KAIST〉教授)は「結局、科学と真実が恐怖に勝ったものだ」と語った。
 一方、公論化委員会は同日の結果発表で、「原子力発電を縮小する方向でエネルギー政策を推進せよ」という勧告も政府に対して行った。最終調査で「原子力発電を縮小すべきだ」という意見が53.2%に達し、「維持」(35.5%)や「拡大」(9.7%)を上回ったためだ。だが、このような勧告に対しては、「新古里原発5・6号機の工事についてだけ取り扱うことにしていた趣旨を外れたものだ。市民参与団は原発政策全般に対する熟議過程は経ていない」との指摘が出ている。

2018年度の再エネ買取価格 〜 “バイオマスバブル”をどう鎮静化させていくか?

 先のブログ記事にあるように、先月28日、経済産業省・調達価格等算定委員会(第30回)で、2018年度の再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)に基づく買取価格の検討が始まった。

 最初に挙げられている論点は、バイオマス発電に係る買取価格で、経産省当局から提示された内容は次の通り。

30
2017.9.28 経済産業省資料

 上記の提示論点や、同委員会(第30回)同委員会(第31回)での提示資料〔下記に貼付〕を見ながら熟慮すると、最終結論が次のような所にまで至ることができれば、かなり上々の仕上がりとなる。

⑴ 価格水準の是正:高過ぎるバイオマス買取価格は、大幅に引き下げる。

 ① “バイオマスバブル”を鎮静化させるとともに、将来の自立化を見据え、『メガバイオマス(1MW以上)』から段階的に入札制に移行する。

 ② 入札対象以外のものについては、買取価格を2〜3年以内に欧州諸国並みにまで引き下げる。

⑵ 自給率の向上:輸入比率の高いバイオマス燃料は、国産に限定する。

 ① バイオマス燃料の輸入増は、自給率向上(≒ エネルギーセキュリティ向上)に逆行するので、輸入バイオマス燃料については2〜3年以内にFIT対象から全て除外する。

 ② 内外の森林破壊を助長しないよう、木質バイオマス燃料の調達条件を厳格化する。
  
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2018年度の再エネ買取価格 〜 検討の視点と知っておくべき指標

 先月28日、2018年度以降の再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)による買取価格を決めるための経済産業省・調達価格等算定委員会(第30回)が開かれた。

 同委員会では今般、今年4月に施行された改正再エネFIT特措法の2年目での検討として、①
各電源(太陽光、風力、地熱、中小水力、バイオマス)について、国際水準を目指し、コスト低減に向けた更なる取組みの強化を図り、②
リードタイムの長い電源(風力、地熱、中小水力、バイオマス)については、国際情勢や導入量等を踏まえて、改めて向こ
う3年間の価格等を検討するとの由。

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 改正再エネFIT特措法は昨年の通常国会で成立し、今年4月に施行された。私は、衆参両院でのこの法案審議の参考人質疑に出席した。概要は、以下のブログ記事の通り。

 買取価格が現行以上になるものはないことだけは確かだろう・・・。

 経産省当局が当日提示した参考資料には、
有用な数値が散りばめられているものが多数ある。以下に貼付しておくので、適宜参照されたい。


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