規制改革推進会議・投資等WG「エネルギー分野の規制改革に関する意見」

 今月18日の規制改革推進会議・投資等WGで提示された『エネルギー分野の規制改革に関する意見』は、以下に貼付した通り。先のブログ記事にもあるように、私は、4月13日ヒアリング5月8日ヒアリングに出席した。

 焦点になっている「一括受ガス解禁」に関する部分を書き下すと、次の通り。

(2)一括受ガスによる小売間競争の促進
 マンション管理者等がガスを一括して調達し、マンション各戸の入居者に受け渡すことを「一括受ガス」と呼び、現在はガス事業法上認められていない。その理由は、①保安上の課題、②利用者による他の小売事業者への契約切替えが制約されること、③ガスの使用者間の託送料金負担の公平性(仮に現行の託送料金体系のまま一括受ガスを認めると、一括受ガスの形態をとる使用者と一括受ガスの形態をとらない通常の使用者との間の、託送料金負担の公平性が損なわれる)などとされる。

 しかし実際には、一括受ガスの形態による需給は相当数存在しており、保安上の支障
も、料金面での苦情も報告されていない。また、都市ガス以外の LP ガスや電力では、同様の供給形態が許容されている(マンションごとの「一括受電」など)。保安上の課題については、現行の保安水準が維持されるようなルールを定めればよい。また、他の小売事業者への契約の切替えが制約される点は、電力の場合も同様である。さらに、託送料金負担については、一括受ガスを含めた新ルールを策定すればよいことである。

 一括受ガスが認められることで、サービスの多様化が進み、託送料金以外の部分でコ
スト引下げの努力が行われるなど、小売間競争が促進されよう。一括受ガスを認めることは、小売全面自由化の趣旨に沿うものである。したがって、一括受ガスを容認するよう、必要な措置を講ずるべきである。その際、消費者の利益に十分配慮しつつ、新規参入が見込まれる事業者などを含め、幅広い関係者の声を聞き、決定すべきである。


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消費者委員会・公共料金等専門調査会「電力・ガス小売自由化に関する現状と課題について」

 今月18日の消費者委員会・公共料金等専門調査会で提示された『電力・ガス小売自由化に関する現状と課題について(案)』では、ガス自由化に関しても、以下の通り、多くの論点提起がなされている。


① 都市ガス市場の適正監視
 電力市場と異なり、都市ガス市場においては既に経過措置料金を解除された地域・事業者が全体の多数を占めている。これらの事業者による不合理な料金引き上げを通じた「規制なき独占」に陥らないよう、「特別な監視」の期間のみならずその後も電力・ガス取引監視等委員会による適正な監視が重要である。その際、同委員会は競合・代替財である LP ガス市場の動向にも留意を払う必要がある、また、監視結果の公表に際しては、説明責任を十分果たし監視業務プロセスの透明性の向上を図るため、例えば料金引き上げが合理的でないと判断した具体的な理由などについて、消費者へ丁寧かつ詳細な説明を行うことが必要である。
 他方、大需要地である東京、関西、中部等においては経過措置料金規制が課せられているが、その解除については、明確な時期が区切られておらず、消費者にとっても予測がしにくい状況である。このため、これらの解除に当たっては時間的余裕をもった手続が不可欠である。

② 競争条件の整備
 現在、LNG基地の利用促進に関する方策が電力・ガス取引監視等委員会により検討されているが、電力よりも調達面で制約の多い都市ガス市場においてはその推進は極めて重要である。今後、第三者利用促進に向け、電力・ガス取引監視等委員会は LNG 基地の製造設備余力(設備余力の判定方法、余力情報の開示)、基地利用料金(料金算定方法、利用金情報の開示)などについて積極的に検討すべきである。
 また、小売段階の競争面の課題につき、マンション一括受ガスの問題については、現状ではガス事業法上の保安規制が及ばず、保安面で後退のおそれか生じるおそれや、一括契約に伴い需要家選択肢に制約を生ずるおそれがあることなどから許容されていない。他方、電力分野では一括受電契約が一定普及しているとともに、一括受ガスが解禁されれば既存のマンション一括受電事業者等の都市ガス市場への参入が期待されるとの意見もある。
 したがって、競争促進と消費者利益の擁護の観点からバランスのとれた慎重な検討が必要である。加えて、消費機器調査等につき、適正なガス取引についての指針に基づき適正な受託が確保されているか、ひいては小売供給が適正に行われているかについて電力・ガス取引監視等委員会及び公正取引委員会は監視を徹底すべきである。

③ 隣接市場であるLP市場の適正性確保
 LPガス市場の適正化については、料金透明化が相当程度進展はあるものの、道半ばの状況である。都市ガス経過措置解除の条件にもLPガス市場の動向が勘案されており、ガス体エネルギー市場全体としての公正な競争や取引適正性の確保が重要である。LPガス取引適正化ガイドラインも累次改定がなされ、消費者に対する情報の開示措置は盛り込まれつつあるが、ガイドライン実効性の確保のためにも、業界団体による事業者への周知徹底、監視当局(資源エネルギー庁、地方経済産業局及び地方自治体)による厳正な監視が必要不可欠である。
 また、設備貸与を巡る賃貸集合住宅に関わる料金不透明性を解消するため、設備費用をガス料金に転嫁しているのであれば、賃貸事業者は消費者が物件を選択する際に説明を適切に行うとともに、LPガス事業者はリース料として料金の内訳として明示すべきである。都市ガス料金が自由化され、事業者による料金設計においてもコジェネ等の設備貸与費用が転嫁され不明瞭な料金請求がなされ、都市ガス市場にもLPガス市場での消費者にとって不利な商慣行が拡大する懸念も指摘されることから、消費者に対する適切な説明を確保するため、ガス事業者及び賃貸事業者への働きかけを関係省庁が協力して行っていくことが重要である。


 

☆石川和男のエネルギーCh(チャンネル) vol.66

2018年5月17日16:30〜17:15

ニコ生 : http://live.nicovideo.jp/watch/lv313160303

YouTube : https://youtu.be/f5K6cOfVwpw

【週刊エコノミスト5/15号 寄稿】福島後の未来:再生エネ主軸の外務省提言は日本固有の事情検討が不十分

 週刊エコノミスト5/15号に拙稿『福島後の未来:再生エネ主軸の外務省提言は日本固有の事情検討が不十分』が掲載されているので、御参考まで。

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第70回 福島後の未来:再生エネ主軸の外務省提言は日本固有の事情検討が不十分=石川和男

◇いしかわ・かずお
 1965年福岡県生まれ。東京大学工学部卒。89年通商産業省(現経済産業省)入省、電力・ガス改革などに携わる。2007年に経産省を退官。東京女子医科大学特任教授や東京財団上席研究員を経て11年9月から現職。 

 河野太郎外相が主宰する外務省の有識者会議が今年2月、エネルギー政策に関する提言をまとめた。提言には、(1)化石燃料確保が主体の外交から、再生エネルギーを主軸に置いた外交への転換、(2)原子力・石炭については発電コストや環境性の面から廃止、あるいは段階的に依存度を引き下げる必要性がある、との2点の主張が盛り込まれた。再エネは、経済産業省も今年3月、「主力電源として大量に導入していきたい」と表明している。しかし、再エネの大量導入には、自然条件によって出力が変動するという「変動問題」と、コストの高さが難題として立ちはだかる。外務省の提言は、これらの問題を十分に勘案しているとは言い難い。 

 

 ◇減らないドイツのCO2

 

 日本が再エネ政策を進めてきた過程で参考にしたのは、ドイツだ。ドイツが再エネ固定価格買い取り制度(FIT)を施行したのは2000年。それ以来、再エネ導入が進み、17年での再エネ比率は33%(風力16%・バイオマス8%・太陽光6%・水力3%)に達した。


 風力や太陽光は、自然条件によって出力が大きく変動する「自然変動再エネ」であり、バックアップのための調整電源が不可欠だ。ドイツでは、再エネ調整電源として石炭を多く利用してきた。17年の、全電源に占める石炭比率は37%で、再エネ(33%)を超える。さらに10~15年の、二酸化炭素(CO2)排出削減量を国・地域別に見ると、英国0・5億トン(削減幅29%)、欧州連合(EU)1・6億トン(同14%)に対して、ドイツは0・1億トン(同3%)にとどまった(図)。

フランス国有電力会社EDFのレニョー上級副社長は、今年1月に経産省で開かれた有識者会議で、ドイツの状況について「脱石炭の流れとは逆行している。再エネの導入量は拡大した一方で、原発ゼロを政治決定した結果、石炭を使い続けており、10年前からCO2排出量は変化していない」と述べた。


 ドイツは再エネが普及しているとはいえ、その買い取り費用である再エネ賦課金も巨額だ。そして再エネ賦課金は電気料金に含まれ、ドイツの電気料金を押し上げている。経産省資料によると、各国の電気料金(1キロワット時当たり)の17年実績は以下の通りだ(1ドル=110円で計算)。


・家庭向け:独37円、米14円、仏20円、英22円、日本23円
・産業向け:独16円、米8円、仏11円、英14円、日本16円


 確かに、ドイツでは、電気料金に含まれる税金も高いが、再エネ賦課金の影響も見逃せない。


 以上のように、再エネ先進国のドイツでも、課題が残っている。では、外務省提言では変動問題とコストに関して、どのような言及がなされているのだろうか。


 まず、変動問題については、「電力市場の成熟した各国では、限界費用の安い再エネをまず最大限に使い、残りの電力需要には、気象予測を統合した電力取引や系統の広域化、需要マネジメントとともに、天然ガス火力などの柔軟な電源を活用するというシステムに移行している。柔軟性に乏しい原子力や石炭の役割は次第に限られたものとなってきた」と書かれている。


 欧米諸国は、隣国と地続きで送電網が互いに接続されているため、他国間融通が可能だ。島国である日本では、国内だけで上記のような電源調整の方法を取るのは困難だ。外務省提言は、この差異に全く触れていない。やはり、日本の国情にふさわしい対策を示しておくべきだ。


 筆者は日本固有の電力調整手段として、揚水発電の有効活用策を提起したい。揚水発電の本来の機能は、余った電気で夜間に水を山の上部にくみ上げ、電力需要の多い昼間に山から落とすものだ。しかし、九州では近年、小丸川発電所(宮崎県)などで、太陽光発電の普及で余った電気を元に昼間に水をくみ上げて、需要が高まったら水を落として発電している。いわば、余剰な再エネを山の上にためる「再エネの蓄電池」だ。再エネ蓄電を資金的な不安なく推進していくためには、施設の維持や効率向上のための設備更新が欠かせない。再エネ賦課金を財源とする支援措置を提案しておきたい。


 提言では、コスト問題についても、「多くの国々が、良好な競争環境を政策的に用意し、入札によって再エネのコストを低下させているが、日本では、系統連系や優先給電の保証がなく、目標設定が低いことなど将来的な再エネ拡大の展望に欠けるため、事業者がコスト低下に踏み込める環境が整っていない」との記述がある。


 系統連系とは、あるエリアで余剰となった電力を送電系統で他エリアに送ることだ。また、優先給電とは、余剰電力が生じた場合に、どのように需給調整をするかという事業者間のルールを指す。優先給電については現在、まず火力発電から発電量を落とし、次に揚水発電所のくみ上げという形で需要を作り出すことを優先しており、再エネの発電量減は最後の手段と位置づけている。提言書では、このルールが必ず守られる保証がないとして、火力発電などに比べ発電コストの高い再生エネ事業者に不利だと指摘しているようだ。

 

 ◇高すぎるFIT価格

 

 しかし、日本の再エネの発電コストが高い最大要因は、政治的決着によりFIT価格が世界的にも高く、かつ発電開始から20年間固定されているため、事業者に発電コストを引き下げるインセンティブが働かないことにある。系統連系や優先給電がいくら再エネに有利になろうとも、現行のFIT価格・期間が維持される限り、コスト高は解決しようがない。FIT価格から算出される賦課金総額は、18年度2・4兆円、30年度3・1兆円に上る(いずれも推計)。消費税1%分(年間2・5兆~2・6兆円)と比べても、再エネ関連費用が巨額であることは一目瞭然だ。


 さらに、太陽光の設備利用率についても、日本固有の事情がある。世界的に太陽光コストが相当低下しているのは、日照条件などがよく日本よりも設備利用率が2~3倍もあるサウジアラビアなどの国・地域での話だ。日本は設備利用率が低いうえに、設置工事でも元請けが下請けに発注し、さらに孫請けに出す多重下請け構造が根強く、高コスト体質からなかなか脱却できない。


 外務省提言は、こうした日本固有の状況には一言も触れていない。筆者は、再エネの既稼働案件はもちろん、未稼働案件であっても、FIT買い取り価格・期間を変更することを提案したい。日本では12年度にFITが導入されたが、直後の数年間はFITが高値の「バブル期」だった。こうした高値買い取り案件に関しては、買い取り価格は引き下げつつ、買い取り期間は長くする改善が必要だろう。これによって、単年度負担は減らしつつ、総額の投資回収費用は確保することが可能になる。


 再エネ大量導入による電力コスト上昇を緩和するためには、安価な既設原子力・石炭火力発電の稼働率向上を図ることが有効だ。そのために、諸規制の合理化や運用改善を提案したい。具体的には(1)現状で原子力規制委員会の新規制基準に適合していなくても、一定の猶予期間内に適合することを条件とした上で、発電再開を容認する、(2)CO2低減効果が高い「高効率石炭火力」の新設・建て替えに関しては、環境アセスメントを迅速化・簡素化する、などだ。


 この外務省提言だけではないが、再エネ推進論には、導入によるメリットや夢物語に近いことが強調されがちである。しかし、再エネ導入にかかるコスト面やインフラ面でのデメリットを克服するための方策を同時に提起していけなければ、円滑な再エネ導入は実現しないだろう。


(石川和男・元経済産業省官僚、社会保障経済研究所代表)



☆石川和男のエネルギーCh(チャンネル) vol.65

2018年5月10日16:00〜16:45

都市ガス小売全面自由化の実効性の確保に向けた処方箋(Ⅱ)(5/8 規制改革推進会議投資等WG)

 一昨日、内閣府・規制改革推進会議「第30回投資等ワーキング・グループ」において、『都市ガス小売全面自由化の実効性の確保に向けた処方箋(Ⅱ)』と題して、前回4/13に続いて私見を提起してきたところ。その関係資料が公表されたので、御参考までに以下にURLと本文全文、参考資料の一部を貼付。

<本文>
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/wg/toushi/20180508/180508toushi02-1.pdf

<参考資料>
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/wg/toushi/20180508/180508toushi02-2.pdf


◎都市ガス小売全面自由化の実効性の確保に向けた処方箋(Ⅱ)


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2017年:世界のエネルギー需要・エネルギー関連CO2 〜 再エネは高い伸び

 今年3月、国際エネルギー機関(IEA ; International Energy Agency)が発表した “Global Energy & CO2 Status Report 2017” では、世界全体のエネルギー構成や電源構成、CO2排出動向などについて掲載されている。

 世界のエネルギー需要について、2017年は2.1%増(前年は0.9%増、過去5年間平均は0.9%増)。
 この増加分のうち40%以上は中国とインドによるもの。また、この増加分の72%は化石燃料、25%は再生可能エネルギー、残りは原子力であった。

原文より抜粋》
• Energy: Global energy demand increased by 2.1% in 2017, compared with 0.9% the previous year and 0.9% on average over the previous five years. More than 40% of the growth in 2017 was driven by China and India; 72% of the rise was met by fossil fuels, a quarter by renewables and the remainder by nuclear.


 世界のエネルギー関連CO2排出量について、2017年は1.4%増(2014〜16年は増加率ゼロ)で、過去最高の32.5Gtに達した。
 ただ、各国ごとに各々増減があり、主要な多くの国々では増加したが、米国、英国、メキシコ、日本など一部の国々では減少した。最も減少量が大きかったのは米国で、再エネの導入が多かったことが主因。


• Carbon dioxide (CO2): Global energy-related CO2 emissions grew by 1.4% in 2017, reaching a historic high of 32.5 gigatonnes (Gt), a resumption of growth after three years of global emissions remaining flat. The increase in CO2 emissions, however, was not universal. While most major economies saw a rise, some others experienced declines, including the United States, United Kingdom, Mexico and Japan. The biggest decline drop came from the United States, mainly because of higher deployment of renewables.

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IEA : “Global Energy & CO2 Status Report 2017”


 世界の電力需要は3.1%増加し、世界のエネルギー需要全体の増加率よりも大幅に高かった。この増加量の70%を中国とインドが占めた。
 原子力発電量は2017年に26TWh増加したが、これは相当数の新設原子力プラントの竣工に伴う大幅な出力増があったことによる。


• Electricity: World electricity demand increased by 3.1%, significantly higher than the overall increase in energy demand. Together, China and India accounted for 70% of this growth. Output from nuclear plants rose by 26 terawatt hours (TWh) in 2017, as a significant amount of new nuclear capacity saw its first full year of operation.

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IEA : “Global Energy & CO2 Status Report 2017”


 再エネは2017年において、世界のエネルギー需要増分の4分の1を占め、エネルギー源の中で最も高い増加率を示した。
 この前例なき再エネの成長は、再エネ発電増分の約50%を占める米国と中国によって牽引され、EU、インド、日本がそれに続いた。風力発電量は、再エネ発電量増分の36%を占めた。


• Renewables: Renewables saw the highest growth rate of any energy source in 2017, meeting a quarter of global energy demand growth last year. China and the United States led this unprecedented growth, contributing around 50% of the increase in renewables-based electricity generation, followed by the European Union, India and Japan. Wind power accounted for 36% of the growth in renewablesbased power output.



月刊WiLL 2018年6月号 〜 『再エネ賦課金は消費税より高い』

  今月26日発売の月刊WiLL 2018年6月号に拙稿『再エネ賦課金は消費税より高い』が掲載されています。

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EUのエネルギー事情:原子力はフランス、天然ガスはイギリス、石炭はドイツ、風力・太陽光・バイオマスはドイツ・・・

 先のブログ記事の続き。イギリスのシンクタンク Sandbag とドイツのシンクタンク Agora Energiewende が今年1月30日に発表した “Energy Transition in the Power Sector in Europe : State of Affairs in 2017” によると、欧州連合(European Union(EU))28ヶ国全体での近年の主なエネルギー事情は、以下の通り。

 最近特に、世界的にも“脱石炭”への動きが顕著になってきたと言われているが、EU各国の動きは決して統一的なものになっていない。

 EUの統計上、石炭には無煙炭(Haed Coal)と褐炭(Lignite)がある。無煙炭発電量は減少傾向にあるが、褐炭発電量はほぼ横這い。無煙炭発電量と褐炭発電量、これらを合わせた石炭発電量のいずれも、ドイツが最大。<資料1>

<資料1>
12
“Energy Transition in the Power Sector in Europe : State of Affairs in 2017” 


 石炭火力発電所の閉鎖を宣言している国・年は、イギリス2025年、フランス2022年、オランダ2030年、イタリア2025年、オーストリア2025年、ポルトガル2030年、スウェーデン2022年、フィンランド2030年など。ドイツ、スペインその他EUの諸国は宣言していない。
<資料2>

<資料2>
42
“Energy Transition in the Power Sector in Europe : State of Affairs in 2017” 


 石炭(無煙炭+褐炭)の合計発電量での国内シェア順位は、ポーランド77%、ドイツ37%、デンマーク21%、イギリス7%など。<資料3>

<資料3>
50
“Energy Transition in the Power Sector in Europe : State of Affairs in 2017” 


 原子力発電量は、近年ほぼ横這いで推移。フランス、ドイツ、イギリス、スェーデン、スペインなどが主な利用国。
<資料4>

<資料4>
23
“Energy Transition in the Power Sector in Europe : State of Affairs in 2017” 


 天然ガス発電量は、近年再び増加傾向。
イギリス、イタリア、ドイツ、スペインなどが主な利用国。<資料5>

<資料5>
25
“Energy Transition in the Power Sector in Europe : State of Affairs in 2017” 


 原子力・化石燃料の合計で見ると、その合計発電量は、近年ほぼ横這いだが、天然ガス発電量だけが近年増加傾向。<資料6>

<資料6>
06
“Energy Transition in the Power Sector in Europe : State of Affairs in 2017” 


 水力発電量は、近年減ったり増えたり。スウェーデン、フランス、イタリア、オーストリアなどが主な利用国。<資料7>

<資料7>
25
“Energy Transition in the Power Sector in Europe : State of Affairs in 2017” 


 風力発電量は、近年増加の一途。ドイツ、スペイン、イギリス、フランスなどが主な利用国。<資料8>

<資料8>
45
“Energy Transition in the Power Sector in Europe : State of Affairs in 2017” 


 太陽光発電量は、近年増加の一途。ドイツ、イタリア、スペインなどが主な利用国。<資料9>

<資料9>
36
“Energy Transition in the Power Sector in Europe : State of Affairs in 2017” 


 バイオマス発電量は、近年増加の一途。ドイツ、イギリス、イタリアなどが主な利用国。
<資料10>

<資料10>
27
“Energy Transition in the Power Sector in Europe : State of Affairs in 2017” 


 風力・太陽光・バイオマスの合計発電量での国内シェア順位は、デンマーク74%、ドイツ30%、イギリス28%、フランス8%など。
<資料11>

<資料11>
24
“Energy Transition in the Power Sector in Europe : State of Affairs in 2017” 


 以上のことを総括的に概観すると、EU28ヶ国それぞれの電源構成(エネルギーミックス)は、それぞれの国情に応じて異なっていることがわかる。

 先進国を見ると、原子力はフランス、天然ガスはイギリス、石炭はドイツ、風力・太陽光・バイオマスはドイツが牽引していることがわかる。

 EU大での数値を見ると、先のブログ記事にもある通り、2017年実績で次の通り。<資料12>

 ⑴ 原子力25.6%
 ⑵ 天然ガス19.7%
 ⑶ 風力11.2%
 ⑷ 無煙炭11.0%
 ⑸ 褐炭9.6%
 ⑹ 水力9.1%
 ⑺ バイオマス6.0% ・・・

<資料12>
10
“Energy Transition in the Power Sector in Europe : State of Affairs in 2017” 



2017年のEU電源構成 〜 再エネ30.0%(うち風力11.2%、水力9.1%)、原子力25.6%、石炭20.6%、天然ガス19.7%・・・

 イギリスのシンクタンク Sandbag とドイツのシンクタンク Agora Energiewende が今年1月30日に発表した “Energy Transition in the Power Sector in Europe : State of Affairs in 2017” によると、2017年における欧州連合(European Union(EU))28ヶ国全体の電源構成は、

 ①再生可能エネルギー30.0%(うち風力11.2%、水力9.1%、バイオマス6.0%、太陽光3.7%)
 ②原子力25.6%
 ③石炭20.6%(うち無煙炭11.0%、褐炭9.6%)
 ④天然ガス19.7%
 ⑤その他4.1%

という順だが、細かく見ると次の通りで、主要電源は原子力と天然ガス。<資料1>

 ⑴ 原子力25.6%
 ⑵ 天然ガス19.7%
 ⑶ 風力11.2%
 ⑷ 無煙炭11.0%
 ⑸ 褐炭9.6%
 ⑹ 水力9.1%
 ⑺ バイオマス6.0% ・・・


<資料1>
10
“Energy Transition in the Power Sector in Europe : State of Affairs in 2017” 


 2010年から2017年までの電源構成の変遷を見ると、総発電電力量が漸減しつつある中で、天然ガスが増加に転じたのは数年前のことで、それ以前から増加傾向を維持しているのは再エネだけ。<資料2>

<資料2>
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“Energy Transition in the Power Sector in Europe : State of Affairs in 2017” 


 2010年から2017年までの電源構成の変遷の中で、再エネについては、水力は微減傾向にあるが、それ以外(風力+太陽光+バイオマス)は増加傾向にある。この期間における再エネの増加量は、水力以外のもので賄われてきた。<資料3>

<資料3>
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“Energy Transition in the Power Sector in Europe : State of Affairs in 2017” 



☆石川和男のエネルギーCh(チャンネル) vol.64

2018年4月26日16:00〜16:45

ニコ生 : http://live.nicovideo.jp/watch/lv312680283

YouTube : https://youtu.be/4uQWJ4uKn1E

都市ガス小売全面自由化の実効性の確保に向けた処方箋(4/13 規制改革推進会議投資等WG)

 今月13日、内閣府・規制改革推進会議「第21回投資等ワーキング・グループ」において、『都市ガス小売全面自由化の実効性の確保に向けた処方箋』と題して、私見を提起してきたところ。その関係資料が公表されたので、御参考までに以下にURLと本文全文、参考資料の一部を貼付。

<本文>
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/wg/toushi/20180413/180413toushi01-1.pdf

<参考資料>
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/wg/toushi/20180413/180413toushi01-2.pdf
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/wg/toushi/20180413/180413toushi01-3.pdf
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/wg/toushi/20180413/180413toushi01-4.pdf
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/wg/toushi/20180413/180413toushi01-5.pdf
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/wg/toushi/20180413/180413toushi01-6.pdf
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/wg/toushi/20180413/180413toushi03.pdf



1.都市ガス小売全面自由化に係る課題

(1)ガス事業形態による諸制約
 ①原料調達面での制約
 ほぼ全量が大量LNG契約と大規模特殊船による輸入のため、LNG調達者は大規模な需要の獲得が不可欠。
 ②流通面での制約
 導管網が分断されている、導管抽入点が限定である、LNG基地では備蓄が難しい、熱量調整が必要であるなど、制約(ボトルネック)が多い。
 ③保安面での制約
 公道や敷地内の隠蔽部に埋設する可燃性ガスの導管配給や器具に関する保安の確保が必須。

(2)家庭消費者の都市ガスに対する意識
 ① スイッチングのメリット感・機会が小
 熱需要であるため家庭消費量の季節間格差が大きく、家計に占める支出割合も1%(電気は3%(公共料金等専門調査会資料))と低く、口座振替なので負担感も低い。「一括受ガス」に係る規制も、スイッチング率の向上の障壁。
 ② スイッチングのインセンティヴが小
 公共料金の認識が浸透し、自由契約の観念がない。危険性から器具販売や保安も含め、地元事業者に継続供給を望み信頼感が高い。
 ③ コンテンツの面白みが小
 サービス内容や技術革新で消費者の高い関心を引きやすい通信・ネットと違って、ガス・エネルギーには新サービスのコンテンツ面での広がりが見られない。   


2.都市ガス小売全面自由化(昨年4月施行)の評価

(1) 大口ガスも含めた新規参入者数は全国で約50社。そのうち家庭用は4大都市圏の電力会社と首都圏の大手LPガス会社など数社(電力小売全面自由化では、1年後に新規参入約400社)。全国大ではスイッチングによるガス販売量は、大手エネルギー会社による工業用等での大口ガス参入もあって、15%前後で推移するものの、件数では家庭用を含めて3%程度。

(2) 4大都市圏以外の地方都市ガス(約200社)では、家庭用の選択肢はまずない。ガスシステム改革小委員会(以下「ガス改革小委」)報告書で書かれている『新たに2400万件を超える家庭が、都市ガスの供給事業者を自由に選択できるようになる』との目算とは、大きく乖離しているのが実情。
(注)仙台、広島など政令指定都市での都市ガス事業者(需要家10万件以上)すら家庭用新規参入ゼロ。

(3) 都市ガスの性状(可燃性・非貯蔵性)や流通形態など、電力とは違う財の実態から生じるボトルネックから、従来の大口ガス市場でも新規参入件数は2%程度。特に地方都市ガスでの不特定多数の家庭用では、中途半端な規制緩和では参入が困難なのは、LPガス小売市場を見ても予見できたはず。
(注)新規参入が予見されないガス託送約款免除の承認制度の設定自体がその証左(約100社に適用)。 

(4) LPガスやオール電化など他燃料との潜在的な競合があるとか、全国都市ガス世帯の約7割を占める4大都市圏での競争は期待できるといった論もあるが、これらはやや空虚。費用のかかる他燃料への転換は自由化以前から可能で、小売店の変更費用がないのが自由化の本旨。都市ガスで地方の地元企業の参入機会や消費者の小売選択肢もない“規制なき独占”は、現政権が標榜する地方創生にも逆行。販売店の選択が可能であっても高止まりするLPガス価格から、多くの消費者団体も反対した“新規参入のない地方都市ガスの料金事前規制の撤廃”はかなり早計との感。
(注)新規参入がないので、地方都市ガス消費者に“都市ガスの小売全面自由化”自体の認知度もない。

(5) 都市ガス小売全面自由化は、LNGの調達や稠密な配給網による供給が容易な大都市圏において、先ずは価格交渉力と保安確保能力のある小口業務用までの参入拡大の環境を整備し、それらの実効性を見極めた上で、地方及び家庭用まで展開すべきであった。


3.実効性に向けた処方箋

(1) 輸入LNG(ガス製造)基地の利用の推進
<現状認識>
①LNG基地のハブ化構想、シェールガスなど輸入国の多様化、輸入契約の短期化・仕向地条項撤廃、分割納入、ガス発電拡大や環境特性による大口ガス需要増といった背景から、今後の基地利用ニーズは高まる見込み。《参考1》
②届出による基地建設の促進を前提としつつも、既存基地の余力を利用し、稼働率を高めることは、国民経済的にもメリットは大。ただ、基地利用が進まない理由は、現行の『適正なガス取引についての指針(以下「取引指針」)』での利用約款の基準の書き方は曖昧なこと。《参考2》
 即ち、基地所有者による利用条件やタンク利用可能性に係る開示の不足、複雑な利用料金体系であるため利用者側に事業予見性が立たない。利用料の明確化には、基地事業に係る会計分離や利用料金の内外無差別の担保も必須。
③ 基地利用の第三者利用については、タンク容量20万kL以下や導管ガス販売をしない発電専用基地(柳井、広島、仙台、上越など)を除外。これにより、基地近傍の需要や、ローリー卸受による地方都市でのガス事業参入の機会は狭いまま。《参考3》

<具体策>
①電力会社、都市ガス会社、石油会社などが所有する既存の輸入LNG基地について、規模の大小や発電専用かどうかを問わず、ガス卸(LNGローリー卸も含む)の起点として、利用約款を作成。
②取引指針には、セキュリティーを含めた余力や利用条件などの情報開示に係る基準の詳細を明記。基地所有者は、利用申込み(利用料金概算提示含む)を原則受諾。拒否事由を明確化。
③電力・ガス取引監視等委員会(以下「監視委」)は、利用約款の内容の適否を判断。当事者に対して、休眠状態の調停・斡旋特別委への機動的な申請を勧告。《参考4》 
 それでもなお利用が進展しない場合には、基地事業の法的分離を検討。


 (2) ガス託送料金の低減
<現状認識>
①参入見込のない地方ガス約100社は、承認事業者として託送約款設定を免除されるが、残り約100社の託送約款料金は、電力託送と同様に、本来は全ての原価を査定すべき。 だが、“一斉審査は事務コスト増”などの理由から、YS方式の簡易な査定審査方針を決定。《参考5》
②その結果、監視委・料金審査専門会合や経産局が実施したガス託送料金の査定は、人件費や委託作業費など約6割のコストが個別査定を免れ、ガス託送料金値上げをしない限りは原価査定を回避。
③  “独占料金”であるガス託送料金は、新規参入の外部コスト。特に地方都市ガスの家庭用小売価格の約7割と割高な点は、事業性のある参入に重大な障壁となり不信感が高じている感が大。《参考6》

<具体策>
① 大手都市ガス事業者も含め上記100社のガス託送約款料金の簡易査定をしたガス導管事業者のうち、例えば全面自由化後3年が過ぎても新規参入のない事業者について、監視委が全ての原価項目の再審査を順次実施。
②厨房・給湯など家庭少量消費者に係るガス託送料金は、内部補助(暖房などの多消費部分からの補填)で廉価で設定し、家庭用の参入対象の拡大を検討。

(3) 集合住宅などの「一括受ガス」取引と「ガス卸」の促進
<現状認識>
①一括受ガスは、新築一棟での電気・通信一括販売や、既築集合住宅でのLPガス供給(簡易ガスを含む)からの一棟転換といった需要開拓に効果的。導管卸受(約120社)やローリー卸受(約80社)での都市ガス事業者に参入が困難な地域で、ガス保安技術を持つLP・石油販売店やそれらと連携した地元企業への“適正な卸価格による調達ルートの創出”を図るべき。
②一括受ガスは、“需要家の選択制限”や“戸別メーター保安面での懸念”といった否定的意見により、「ガス小売り営業に関する指針」で否認され、“需要家ニーズを踏まえ今後の課題”として先送り。《参考7》
③一括受ガスの形態は、LPガスでは可能なのに、都市ガスでは保安規制で不可。これは、『保安を盾とした参入制限』の典型。また、一棟契約での料金低下の需要家利益に加えて、サービス多様化を目指す事業者ニーズも踏まえ、ガス取引を事業規制で縛るべきでない。全面自由化の趣旨に反する。

<具体策>
①取引指針中“問題となる行為”には、ガス分野での競争促進を重視した記述へと改正。即ち、卸供給の制限での『特定のガス卸事業者』には、託送供給約款免除(承認一般ガス導管)事業者も該当することとし、これら事業者は原則として参入者のガス卸申込みを適正価格で受諾。《参考8》
 取引指針に、「ガス卸の適正な価格の基準」を新たに明記。卸交渉が難航した場合、当事者に調停・斡旋特別委員会への申請を勧告。《参考9》
② 取引指針中“望ましい行為”に、全面自由化施行後3年間で参入がない場合には、自主的に可能な範囲でのガス拠出を公表することを追記。
(注)送電網の孤立した沖縄電力の自主的取組(電発電源切出し等)は参考になる。《参考10》
③一括受ガス形態に『ワンタッチ供給形態』《参考11》を援用することとし、建物引込み卸ガスメーター設置による保安規制の運用面での特例措置や、需要場所の定義、建物一括供給託送約款料金に係る諸規定を早急に検討。
(注)ワンタッチ供給とは、ガス小売事業者が需要場所において他の事業者からガスの卸供給を受け、当該需要場所において当該ガスによる小売供給を行うことをいう。「需要場所」の定義は、大口ガス自由化の際、複数の小口ガスを合算した脱法行為の歯止めとして「会計主体」を外形指標として厳格化した経緯。複数店舗が入居する商業施設等での一括ガス供給は、小口ガス独占時代の供給約款においても抵触し違法行為となる。《参考12》


(4) 二重導管規制と熱量調整
<現状認識>
①ガス改革小委は当初、電力・国産天然ガス事業者など全てのガス販売導管を“導管事業”と定義して規制する、と整理。だが、最終保障供給や供給区域など都市ガス導管と同等の規制を忌避した国産天然ガス事業者が反発したので頓挫。結果的に、これらを“特定導管”と区分し、ガス卸や大口ガス供給用導管と位置付け。
②電力・通信などネットワークの競争投資は、国民経済的損失として許可制とされ、ガス導管も供給区域の独占供給による導管拡大での普及義務の背景として、他者のガス導管は設備過剰性の観点から規制。大口自由化に伴い、電力会社の発電用未熱調ガスは、限定的に近隣大口需要に兼用供給を認めたという経緯。《参考13》
③電力会社は導管延伸での大口需要獲得のため、限定措置の廃止を要望。都市ガス業界の反対を受け、既存導管の脱落による託送値上げ限界量の範囲で当面3ヶ年は二重導管規制を緩和。その後は検討課題で先送り。《参考14》
④ もっとも旧来の簡易ガス規制以上に、都市ガス供給区域内の大口需要に特化したガス供給は、都市ガス導管普及の投資経済性が低下し、小口のガス供給がされない懸念もある。《参考15》
(注)給区域内の工業団地など未熱調ローリー供給でも、周辺の小口・家庭需要家にも同じ懸念がある。
⑤小口を含めた参入を促進するには、二重導管規制の緩和を段階的に進めていく(=「4.5%」を徐々に引き上げる)とともに、むしろ都市ガスの未熱調化と区域外導管接続による面的な普及拡大が本筋。

<具体策>
①都市ガスについて、「標準熱量制」から「熱量バンド制」に変更すべく早急に検討に着手。同時に、諸経費やその負担方法、原料価格の低減効果の比較衡量も。《参考16》  
(注)需要家の器具調整などの費用やLPガス施設の設置余地といった物理的な課題が想定される。
②その上で、支障対象需要家が限定されると予想される中小ローリー卸受の都市ガス事業者は、未熱調化を先験的に実施し、段階的に大手都市ガス事業者に拡大。


(5) 保安規制面での制約の解消
<現状認識>
①近年、都市ガス事故は約400〜500件(死傷者約20〜30名)、LPガス事故は約140~180件(死傷者は約50~80名)。
②LPガス導管と比べて、都市ガス導管は、公道からガス器具まで地下や床下での隠蔽埋設が長い。また、敷地内ガス管で腐食漏洩の可能性がある経年老朽管が、家庭用を含めて全国で約300万本以上残る。敷地内ガス管の所有者(家主)の改善に係る費用負担の意識が薄く、更新が進まない。《参考17》
高齢・単身化や家屋老朽・空家化、在留外国人増加等の社会現象も踏まえ、震災対応・保安技術水準、保安機動力など国民生活の安全は確保すべき。
③今般の自由化に関する検討過程で、都市ガス業界は“小売と保安業務の一体化”を、電力業界は“参入容易性”を、消費者代表は“点検商法や保安水準低下の不安”から『小売と保安業務分割(導管事業の保安一括化)』を、それぞれ主張。最終的に、緊急時対応や導管保安は導管事業者の責任、器具点検は小売事業者の責任、と整理。前述の一括受ガスも困難に。《参考18》  
④保安技術力を有するLPガス事業者は、自社の小売参入や参入他社の保安業務受託、敷地内ガス管工事の事業拡大が今後期待される。《参考19》
 だが、ガス事業法と液化石油ガス法では、ガス導管の技術基準適合維持義務の範囲や保安資格が異なり、LPガス事業者などに対する保安業務やガス管工事の参入障壁となっている。《参考20》
(注)導管事業者には、敷地内外ガス管や経年老朽管対策で技術術基準適合維持義務あり。
⑤敷地内ガス管新設の施工は、導管事業者が工事品質の維持のため託送約款で定める独占業務。だが、施工価格の設定の恣意性は野放図状態。《参考21》
ガス安全小委では、“LPガスの無償配管の不透明取引”が、今般の自由化の後、都市ガスにも伝播する懸念が指摘。《参考22》
⑥ガス改革小委は、“相互参入調整”の象徴であった簡易ガス事業の廃止を決断。だが最終局面で、ガス事業法・高圧ガス保安法・液化石油ガス法の3法間の不整合から頓挫し、ガス事業法附則に残置・遺物化。《参考23》
(注)集合住宅等にLPガスを導管供給する際、70戸未満では液化石油ガス法の保安規制のみで参入や料金規制なし。供給増で70戸を超えるとガス事業法の「簡易ガス事業」として都市ガス区域参入と保安を規制していた。今般の小売全面自由化で参入障壁は外されたが、両法で異なる保安規制は残置(例:タンク離隔距離は2mと8m)。更に、旧簡易ガス事業には、一部の料金規制などガス事業法での過重な事業規制も残存。

<具体策>
①短期的には、ガス保安における“確保すべき公共の安全と参入阻害性”を比較衡量しながら、現行の保安規制(ガス工作物の技術基準適合維持義務)の枠内での一般ガス導管事業者に対する保安・ガス工事業務の取引指針など諸規定ないし運用・解釈の追記・是正を実施。 
<例>一般ガス導管事業者が独占する内管保安・新規ガス工事に係る外部委託や承諾工事人制度の拡大運用や資格基準透明化による委託事業への門戸開放と競争促進、及び独占価格である内管保安費用やガス工事価格の受注上限価格導入など。
②その過程において、ガス小売事業者の保安業務や敷地内ガス管工事の国家資格制度、適正価格の在り方などを整理し、技術基準適合維持義務の在り方やガス保安業務も含めて参入可能業務の拡大を図る。
③中期的には、異種ガス事業間の保安規制の不整合を解消するために、ガス保安関連法を一元化した“ガス安全法制”の整備を検討。


(参考資料:略)


〇全国47都道府県(ガス事業者203社)の内、家庭用都市ガスに選択肢が無いのは31道県(同177社)。
・全国都市ガス世帯の約1/4世帯に事業者選択肢がなくその全体件数率は2.5%。他方、料金規制は大手ガス3社等以外の194社を撤廃。
・新規参入のある各地方別の転換件数率は、関東1.5%、中部北陸4.1%、近畿4.7%、九州沖縄3.0%。
・家庭新規参入者(15社)のある都市ガス供給地域での転換件数比率は、関東1.9%、中京4.7%、関西4.9%、福岡6.1%。
・新規参入は4大都市ガス圏に集中し、家庭世帯の選択肢は政令指定都市を含め地方には及ばず自由化の恩恵が進んでいない。
(注)下記データは平成28年ガス事業年報、ガス事業便覧、経産省資料から筆者作成。なおメーター取付数には1,642千個(全体の5.4%)の非家庭用も含むことに留意。
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[時評・ウェーブ]石川和男/健康寿命は伸びたが…

4/17付け電気新聞
[時評・ウェーブ]石川和男/健康寿命は伸びたが…


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 厚生労働省が3月に発表したところでは、日本人の『平均寿命』は年々伸びてきている。2010年と16年の比較で、男性は79.55歳から80.98歳と1.43歳伸び、女性は86.30歳から87.14歳と0.84歳伸びた。これは一瞬、喜ばしいように思えるだろう。
 「日常生活に制限のない期間の平均」である『健康寿命』で見ると、10年と16年の比較で、男性は70.42歳から72.14歳と1.72歳伸び、女性は73.62歳から74.79歳と1.17歳伸びた。
 ここ6年間で健康寿命の増加分は、平均寿命の増加分を上回ったわけだ。これは日常生活に制限のない期間、つまり医療や介護のサービスを受けずに暮らせる期間が多少なりとも増えたことを示す。
 本当に喜ばしいのは、平均寿命の伸びではなく、健康寿命の伸びであると私は考えている。健康寿命を伸ばすための特効薬は、今のところ発明されてはいない。個人がそれぞれの生活習慣の中で、自分なりの方法で健康を維持していくための努力をしていかなければならないのだろう。
 『健康寿命』を過ぎるまで生きることを考える場合、やはり気になるのは、自分は介護されることになるかどうかではないだろうか?
 この点に関して、17年度版の高齢社会白書には、興味深い調査結果が載っている。
 まず、「日常生活を送る上で介護が必要になった場合に、どこで介護を受けたいか」について、60歳以上では男女とも「自宅で介護してほしい」(男性42.2%、女性30.2%)。男性の方が、自宅での介護を希望する割合が高い。
 介護される場所として自宅以外を希望する人の場合、「介護老人福祉施設に入所したい」(男性18.3%、女性19.1%)、「病院などの医療機関に入院したい」(男性16.7%、女性23.1%)、「介護老人保健施設を利用したい」(男性11.3%、女性11.2%)の順。
 私は、自分がそうなった時には自宅で介護してほしい、と以前は思っていた。だが今は、全くそう思わない。実際に自分に介護が必要になった時のことを冷静に考えると、同居する妻子には確実に迷惑がかかると思うからだ。
 介護サービス事業者による介護は“有償の仕事”。しかし、家族による介護は“無償の奉仕”。もし妻子が勤労者ならば、勤務時間を減らしたり、退職を余儀なくさせてしまうことになりかねない。
 私の介護が終わった後、つまり私が逝った後、妻子には何も残っていない。路頭に迷うだろう。自分の死後の家族のことまで考えておかないと、むやみに要介護状態になるわけにはいかない。ひどい要介護状態になったら、安楽に他界する道を選びたい。
 次に、「治る見込みがない病気になった場合、最期はどこで迎えたいか」について、「自宅」が54.6%、「病院などの医療施設」が27.7%となっている。
 さらに、延命治療の希望についてだが、65歳以上で「少しでも延命できるよう、あらゆる医療をしてほしい」と回答した人の割合は4.7%と少なく、「延命のみを目的とした医療は行わず、自然にまかせてほしい」と回答した人の割合は91.1%と9割を超えた。
 私は、そうなったらさっさと死なせてほしいと思っている。耐えがたいほどの激しい痛みは勘弁してほしいので、安楽死の道を選ばせてもらいたい。四半世紀後の自分のことを想像している。
 読者の皆さんはどうお考えか?



☆石川和男のエネルギーCh(チャンネル) vol.63

2018年4月19日15:00〜15:45

☆石川和男のエネルギーCh(チャンネル) vol.62

2018年4月12日16:30〜17:15

ニコ生 : http://live.nicovideo.jp/watch/lv312354394

YouTube : https://youtu.be/5qNGT5u_Ex8

4/11 自民党・再生可能エネルギー普及拡大委員会 での意見具申

 本日、自民党・再生可能エネルギー普及拡大委員会にて意見具申したところ、提示した資料は以下に貼付した通り。


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☆石川和男のエネルギーCh(チャンネル) vol.61

2018年4月5日16:30〜17:15

2018年度の再生可能エネルギー買取総額 = 3.1兆円(前年比3650億円増)

 経済産業省は今月23日、2018年度の再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)による買取価格と賦課金単価を次のように決定した。

  2018年度の再エネ賦課金単価 = 1kWh当たり2.90円


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2018.3.23 経済産業省HP


 即ち、2018年度の再エネ買取総額は3.1兆円で、前年比3650億円増となる。

 また、標準家庭(1ヶ月の電力使用量が260kWh(2016年11月時点の東京電力他の管内の標準家庭の電気使用量は260kWh/月)では、年額9,048円、月額754円の負担となる。

 この新しい再エネ賦課金単価は、2018年5月検針分の電気料金から2019年4月検針分の電気料金まで適用されるとのこと。

 2018年度で年間3.1兆円という再エネ買取総額の規模感についてだが、消費税1%の1年分が2.5〜2.6兆円なので、再エネ買取総額は消費税1%分よりも大きいことになる。因みに、再エネ賦課金総額は2.4兆円程度。

 こうした比較評価をすることで、それぞれの分野での負担に係る納得感を計ることができるだろう。



3/23 北國新聞コラム「日本のゆくえ 〜 世界の流れは脱原子力か?」

 今月23日付け北國新聞コラム「日本のゆくえ 〜 世界の流れは脱原子力か?」

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☆石川和男のエネルギーCh(チャンネル) vol.60

2018年3月29日16:30〜17:15

ニコ生 : http://live.nicovideo.jp/watch/lv312039360

YouTube : https://youtu.be/A85iEvku8SA

3/16 北國新聞コラム「日本のゆくえ 〜 7年後、高齢者 5人に1人が認知症」

 今月16日付け北國新聞コラム「日本のゆくえ 〜 7年後、高齢者 5人に1人が認知症」

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☆石川和男のエネルギーCh(チャンネル) vol.59

2018年3月22日16:30〜17:15

2018年3月電気料金:再エネ賦課金1,824円・消費税相当額1,425円



電気料金_180320_0001
 

☆ニュース配信☆ 世界の再エネ発電コスト 〜 太陽光73%低下(2010年→17年)、陸上風力23%低下(2010年→17年)

世界の再エネ発電コスト 〜 太陽光73%低下(2010年→17年)、陸上風力23%低下(2010年→17年)


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 国際再生可能エネルギー機関(IRENA: International Renewable Energy Agency)の1月13日の発表によると、2017年での平均的な再生可能エネルギー発電コストに関して、次のグラフの通り、化石燃料発電コスト(5〜17セント/kWh)の範囲内又はそれ以下のものまで出現しつつあるとの由。 


2018.1.13 IRENA “Onshore Wind Power Now as Affordable as Any Other Source, Solar to Halve by 2020

① 世界平均の太陽光発電コストは、2009年末頃からモジュール価格が81%低下したこともあって、2010年から2017年までの間に73%低下し、 10 USDcents/kWh まで下がった。 

② 世界平均の陸上風力発電コストは、2010年から2017年までの間に23%低下し、 6 USDcents/kWh まで下がったし、最低で 4 USDcents/kWh まで実証されている。 

③ 陸上風力発電と太陽光発電では、2019年までに最低で 3 USDcents/kWh 以下にまで低下する見通し。2017年に運転を開始したバイオ発電と地熱発電は、世界平均で 7 USDcents/kWh だった。 

④ アブダビ、チリ、ドバイ、メキシコ、ペルー、サウジアラビアにおける太陽光発電コストは最低を記録し、 3 USDcents/kWhを 下回った。 

⑤ 2020年までに、現在商業化されている全ての再エネ発電コストは 3〜10 USDcents/kWh の範囲内となって、化石燃料発電と競合するか下回るようになる見通し。 


《原文より抜粋》
The global weighted average levelised cost of electricity (LCOE) of utility-scale solar PV has fallen by 73% between 2010 and 2017 to USD 10 cents/kWh. 

The average cost of electricity from onshore wind fell by 23% between 2010 and 2017. Projects are now routinely commissioned at USD 4 cents/kWh and the global weighted average is around USD 6 cents/kWh. 

By 2019, the best onshore wind and solar PV projects will be delivering electricity for an equivalent of USD 3 cents/kWh, or less. New bioenergy and geothermal projects commissioned in 2017 had global weighted average costs of around USD 7 cents/kWh. 

Record low prices for solar PV in Abu Dhabi, Chile, Dubai, Mexico, Peru and Saudi Arabia have made USD 3 cents kWh (and below) the new benchmark. 

By 2020, project and auction data suggest that all currently commercialised renewable power generation technologies will be competing, and even undercutting, fossil fuels by generating in the range USD 3-10 cents/kWh range. 

 上記の根拠となったのは、“Renewable Power Generation Costs in 2017(KEY FINDINGS AND EXECUTIVE SUMMARY)” と題する報告書で、再エネ発電コストの世界的な低下傾向について詳述されている。その主なものは、次の Figure ES.1 〜 Figure ES.4 の通り。

2018.1.13 IRENA “Renewable Power Generation Costs in 2017(KEY FINDINGS AND EXECUTIVE SUMMARY)

2018.1.13 IRENA “Renewable Power Generation Costs in 2017(KEY FINDINGS AND EXECUTIVE SUMMARY)

2018.1.13 IRENA “Renewable Power Generation Costs in 2017(KEY FINDINGS AND EXECUTIVE SUMMARY)

2018.1.13 IRENA “Renewable Power Generation Costs in 2017(KEY FINDINGS AND EXECUTIVE SUMMARY)

 日本では、再エネ電気の買取りに関しては、2012年7月に施行された再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)に基づき、次のような法定価格で買い取られることになっている。 

 このうち、2000kW以上の事業用太陽光発電については、今年度から入札制度が導入され、その第1回目の落札価格帯は17.2〜21.0円/kWhだった。 

2017.9.28 経済産業省「調達価格等算定委員会」資料

 各国それぞれ諸事情が違うので単純比較にはあまり意味はないが、世界から見ると、日本の太陽光は高止まっているという話。 

 日本の太陽光電気や風力電気を安くするには、 
①法定価格を大幅に引き下げる措置を講ずるとともに、
②発電コストを大幅に低減させるための努力をする
ことが必要だ。

 もっとも、これらはそう簡単にはいかない・・・。


☆石川和男のエネルギーCh(チャンネル) vol.58

2018年3月14日16:30〜17:15

FujiSankei Business i. 【論風】 〜 「働き方」変えるには 企業に縛りつける悪弊見直せ

 今月8日付け FujiSankei Business i. 【論風】に、『「働き方」変えるには 企業に縛りつける悪弊見直せ』と題する拙稿が掲載。

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 安倍政権が肝煎りで進めている「働き方改革」。長時間労働の是正や、正規雇用と非正規雇用の格差是正など、労働者の権利保護や労働規制の強化のように思われているのではないか。
 だが本来の目的は、少子高齢化が急速に進んでいく中で、経済の担い手となる働き手をいかに増やすか、多様な働き方を実現しながら労働生産性をいかに高めるか、である。
 これを達成するには、規制・制度改革によって「長時間労働是正」や「同一労働同一賃金」に網をかけるだけでは、とても足りない。これらだけではマイナスの是正にしかならず、減少していく労働人口を補ったり、労働の生産性を飛躍的に高めたりすることにはつながらない。

 ◆企業年金の弊害
 労働の生産性を高めるにはどうすべきか。雇用の流動性や働き方の多様性を高め、より多く稼げる(=より多くの付加価値を生み出す、より価値あるイノベーションを生み出す、より高度な経済循環を作り出す)人には、より多く稼いでもらえるような仕組みを作ることだ。
 この点についても、フリーランスに係る税制見直し(財務省)や、モデル就業規則の改定による副業・兼業の容認(厚労省)など、政府側の取り組みは進められつつある。
 他方、働き手の受け皿となる企業側には、こうした流れを阻害する制度が厳然として残っている。大企業を中心に継続している確定給付型の企業年金・退職金制度のような“一企業に従業員を縛りつける制度”を、今一度見つめ直すことが大事だと私は考えている。
 確定給付型年金は、手厚い企業年金制度として、優秀な人材の獲得などの有用性から、大企業を中心に採用されてきた。労働者にとっても、確定拠出型年金と比べて、将来の受取額が明確である分、生計が立てやすいというメリットがある。
 過去には、企業財務の観点で見直される機運が高まった時期もあった。バブル崩壊後の株価下落に喘ぐ1990年代、長引く不良債権処理で景気低迷が続いた。2000年代には、日本企業の財務健全性の観点で国内外の投資家から問題視され、01年には、日本においても確定拠出型年金が導入された。その後、景気回復の傾向が見られてきたことで、年金制度への問題意識が高まらずに済んできた感が強い。
 少子高齢化が進んでいるため、国の年金制度では、少数の現役世代が多数の年金受給者を支えるという構造を維持することが難しくなってきている。政府も、年金受給開始年齢の引き上げを含めた対策を採ろうとしているが、抜本的な解決にはほど遠い状況だ。
 同じことが、多くの大企業にも当てはまる。企業財務の観点でも、確定給付型年金を維持するのは難しくなっていくだろう。既に確定拠出型に移行している欧米企業とのグローバル競争という点でも、今後、制度を見直す日本企業が増えていくのでないだろうか。実際、電通や博報堂DYホールディングスなど、確定給付から確定拠出に移行していく動きも出てきている。

 ◆人材流動化に貢献
 政府も単一企業で勤め上げるという日本特有の「単線型のキャリアパス」では、労働者のライフステージに合った仕事の仕方を選択しにくい弊害があると指摘。それを変えれば、大企業から中小企業・スタートアップへの転職、別分野を学び直して再就職といった人材流動化が促進され、国全体の生産性の向上にも寄与するとみている。
 こうした企業年金制度は企業側の裁量で採否が決まるところであり、政府から一方的に網を掛けられない領域だ。民間企業は、こうした確定給付年金をはじめとする従来の制度が真にワークし続けるか、上場会社の最高益更新も相次ぎ雇用市場も逼迫する今こそ経営者は決断すべき時期に来ているはずだ。



3/2 北國新聞コラム「日本のゆくえ 〜 北陸電力が値上げする理由」

 今月2日付け北國新聞コラム「日本のゆくえ 〜 北陸電力が値上げする理由」

45
 

☆石川和男のエネルギーCh(チャンネル) vol.57

2018年3月8日16:30〜17:15

ニコ生 : http://live.nicovideo.jp/watch/lv311502923

YouTube : https://youtu.be/cixDYJSA_Lw

[時評・ウェーブ]石川和男/システム改革を生かせ

今月26日付け電気新聞
[時評・ウェーブ]石川和男/システム改革を生かせ
 
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 “電力システム改革”では、電力供給者だけでなく、電力需要者も電力需給システムに主体的に参画する仕組みづくりが進められている。中でも、需要者の需給調整機能に着目した新しい取り組みとして、分散型発電機器をIoTでつなげて分散型電源を創出するVPP(バーチャルパワープラント)の実証実験が挙げられる。
 このような取り組みは、高く評価できる。では一方で、実際に需要者が主体的に発電・節電機能を担うために、自己の電力使用データを円滑かつタイムリーに確認できるようになったかというと、いまだそれは実現していない。
 スマートメーターも徐々に普及してきているが、スマートメーターを導入したところで、ただ記録したデータを蓄積するだけではほとんど意味はない。そのデータを活用できる仕組み・制度が機能して初めて、需要者側からの発電や節電といった具体的な行動が可能になるだろう。
 需要者が能動的に自己の電力データを活用して、発電・節電主体として機能できるようになるには、電力データのオープン化が必須であることは間違いない。
 別の観点でもう一つ。電力インフラにはさまざまなものがあるが、先月29日付電気新聞の記事に大変興味深いものがあった。
 中部電力主宰の「COEビジネスファクトリー2017」で、地元の加藤電機(愛知県半田市、加藤学社長)が最優秀賞との由。スマートメーターと同じ帯域の電波を利用し、広範囲かつ高精度に人や物を捜索できる独自のシステムを開発し、「中部電力の電柱と組み合わせて、地域の見守りネットワークを構築するビジネスモデル」を提案。
 この記事の最後に、中部電力の松浦昌則副社長・電力ネットワークカンパニー社長が「社会的課題の解決につながるアイデア」と評価したとあるが、実際、電力インフラが今後ますます進む少子高齢化に即応すべき役割は多いと、私も考えている。
 電力インフラの活用に関してはとかく、電力自由化に伴う新電力市場振興のための託送活性化や、再生可能エネルギー導入拡大のための送電網への接続円滑化など、“送電線開放”ばかりが目立つ。
 ただ、今後とも電力の安価安定供給を電力システムに関わる国是とし、その上で電力インフラの活用範囲を拡充していくのであれば、送電線開放など電力の安価安定供給にまつわるリスクを増大させる危惧のあることよりも、それ以外の視点での電力インフラの有効利用を志向していくべきだ。
 電柱は電力インフラの代表例の一つだが、これはハード面のインフラ。実は、他にも貴重なものがあると私は考えている、それは、需要家の住所・氏名をはじめとした顧客データ。これはハード面ではなく、ソフト面でのインフラ。
 電力システム改革については、大手電力以外の新電力が小売電力市場に多数参入するかどうかや、スイッチング(切り替え)率が増えるかどうかにばかり関心が集中している嫌いがある。しかし、それはあまりに近視眼的。
 真の電力システム改革とは、大手電力の持つ膨大な顧客データを適正かつ有効に活用しながら、大手電力自身が少子高齢社会を生き抜いていくためのサービス事業を展開していくことにあるはず。電力全面自由化とは、大手電力の事業拡大の全面自由化に他ならない。
 

2/23 北國新聞「日本のゆくえ 〜 日本人は医療の世話になり過ぎ」

 今月23日付け北國新聞コラム「日本のゆくえ 〜 日本人は医療の世話になり過ぎ」

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☆石川和男のエネルギーCh(チャンネル) vol.56

2018年3月1日16:30〜17:15

☆ニュース配信☆ 2016年のEU:再エネ2020年目標達成は28ヶ国のうち11ヶ国

2016年のEU:再エネ2020年目標達成は28ヶ国のうち11ヶ国





 1月25日の eurostat の発表
によると、2016年での欧州連合(European Union(EU))28ヶ国全体の最終エネルギー消費に占める再生可能エネルギーの比率は17%に達し、統計を開始した2004年での同8.5%の約2倍になった。

《原文より抜粋》
In 2016, the share of energy from renewable sources in gross final consumption of energy reached 17% in the European Union (EU), double the share in 2004 (8.5%), the first year for which the data are available. 


 EU全体の2020年の再エネ導入目標は電源構成比20%であり〔資料1〕、国別で見ると28ヶ国のうち11ヶ国が自国の再エネ導入目標を既に達成している〔資料2〕。 

〔資料1〕 
2018.1.25 eurostat newsrelease

〔資料2〕 
2018.1.25 eurostat newsrelease


 2016年において、最終エネルギー消費において再エネ比率が高い国は、上から順に、スウェーデン(再エネ比率53.8%)、フィンランド(同38.7%)、ラトビア(同37.2%)、オーストリア(同33.5%)、デンマーク(同32.2%)など。下から順では、ルクセンブルク(同5.4%)、マルタ(同6.0%)、オランダ(同6.0%)など。 

With more than half (53.8%) of its energy coming from renewable sources in its gross final consumption of energy, Sweden had by far the highest share in 2016, ahead of Finland (38.7%), Latvia (37.2%), Austria (33.5%) and Denmark (32.2%). At the opposite end of the scale, the lowest proportions of renewables were registered in Luxembourg (5.4%), Malta and the Netherlands (both 6.0%). 

2/16 北國新聞コラム「日本のゆくえ 〜 再エネ賦課金は消費税1%相当」

 今月16日付け北國新聞コラム「日本のゆくえ 〜 再エネ賦課金は消費税1%相当」

57
 

☆石川和男のエネルギーCh(チャンネル) vol.55

2018年2月22日17:00〜17:45

ニコ生 : http://live.nicovideo.jp/watch/lv311160305

YouTube : https://youtu.be/CfQe6NYUsXc

2018.2.19 週刊エコノミスト寄稿「労働組合 与党・経営側との協調も視野に 少子高齢化対応へ進化を」

 2018.2.19 週刊エコノミストに、拙稿「労働組合 与党・経営側との協調も視野に 少子高齢化対応へ進化を」が掲載されているので、御参考まで。

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2018.2.17 産経新聞「送電線容量に安定供給へ50%の予備…「空き」広がる誤解」でのコメント

「空き容量50%は妥当な水準」

 妥当なので妥当と言ったまでのこと。 この産経新聞記者さんには感謝。 取材時の私の発電趣旨をきちんと勘案してくれている。

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2/9 北國新聞コラム「日本のゆくえ 〜 75歳以上では医療・介護費が急増」

 今月9日付け北國新聞コラム「日本のゆくえ 〜 75歳以上では医療・介護費が急増」

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☆石川和男のエネルギーCh(チャンネル) vol.54

2018年2月15日17:00〜17:45

ニコ生 : http://live.nicovideo.jp/watch/lv311010225

YouTube : https://youtu.be/reF852sXgkA

☆ニュース配信☆ ドイツの電源構成(2017年) 〜 石炭37%、再エネ33%、天然ガス13%、原子力12%・・・

ドイツの電源構成(2017年) 〜 石炭37%、再エネ33%、天然ガス13%、原子力12%・・・


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https://news.biglobe.ne.jp/economy/0214/gdw_180214_3064789541.html


 ドイツのシンクタンク Agora Energiewende が今月5日に発表した “
Die Energiewende im Stromsektor: Stand der Dinge 2017”(英語版資料 “The Energy Transition in the Power Sector: State of Affairs in 2017”)では、2017年でのドイツの電源構成比などエネルギー関連指標が多数掲載されており、主なものは次の通り。 

(1)電源構成では、再エネが伸びたが、石炭(無煙炭)が落ち込みは顕著で、風力を下回った。 

  <電源構成比>
   ①石炭37%(褐炭23%・無煙炭14%)
   ②再エネ33%(風力16%・バイオマス8%・太陽光6%・水力3%)
   ③天然ガス13%
   ④原子力12%
   ⑤石油など5% 


《原文より抜粋》 
The power mix in 2017: Renewables well in the lead; hard coal falls significantly, now behind wind energy



(2)発電量では、再エネは伸び、石炭(無煙炭)と原子力は落ち込んだ。

Power production in 2017: Renewables hit record high, hard coal and nuclear at record low 



(3)再エネ発電量では、風力が大きく伸びたことで、再エネ全体として200TWhを初めて超えた。 

Renewables in 2017: Good year for wind and strong growth in capacity take renewables over 200 TWh mark for the first time 



(4)電力消費量での再エネ割合は36%を超え、再エネの2025年目標は2020年までに達成しそうな勢い。 

Renewables cover 36 per cent of electricity use; Germany on track to reach 2025 target by 2020 



(5)再エネ以外の発電量では、石炭(無煙炭)と原子力が1990年以降最低、天然ガスは微増、石炭(褐炭)は例年並みを維持。 

Conventional power production in 2017: Hard coal and nuclear power fall to lowest levels since 1990; gas rises slightly and lignite remains constant 



(6)一次エネルギー消費量では、再エネ・石油・天然ガスが伸び、原子力・石炭(無煙炭)が減少。 

Primary energy consumption in 2017: Renewables, petroleum, and natural gas increase; nuclear power and hard coal decline 



(7)化石燃料に係る一次エネルギー消費量について、2014年以降増加傾向にある中で、ここ数年は殆ど変化なし。 

Primary energy consumption in Germany since 1990: For years now, very little changes in fossil fuel energy use – since 2014 even a rising trend 


(8)温室効果ガス排出量は、石油と天然ガスの消費増によって高止まっており、2020年までの1990年比40%削減という目標にはほど遠い。 

Greenhouse gas emissions 2017: As use of petroleum and natural grows, greenhouse gas emissions stagnate at a high level – the 40% reduction goal by 2020 is far away 



(9)電力部門での温室効果ガス排出については、石炭(無煙炭)の消費量減によりCO2排出量は緩やかに減少。 

Greenhouse gas emissions in the power sector in 2017: With hard coal use in decline, CO2 emissions are falling, albeit slowly 



(10)ドイツは発電量の10%を輸出するなど、欧州では電力輸出大国。 

Germany is Europe’s electricity export leader: Power totaling 10% of consumption sold abroad 



(11)ドイツの主な電力輸入元はスウェーデン・デンマーク・チェコで、主な電力輸出先はフランス・オランダ・スイス・オーストリア。 

Germany imports electricity from Sweden, Denmark, and the Czech Republic and exports it to France, the Netherlands, Switzerland, and Austria. 



(12)ドイツの卸電力価格は、スカンジナビア諸国に次いで低い水準。 

Power exchange prices in 2017: Germany has Europe’s second-lowest electricity prices after Scandinavia 



(13)卸電力価格の上昇による電力調達コストの上げ幅は、再エネ賦課金の下げ幅を超えた。

Electricity costs in 2017: Reduction in EEG levy overshadowed by increase in electricity procurement costs due to rising wholesale prices 




(14)2018年での家庭向け電気料金単価は、前年比1.4%増で1kWh当たり30centを超える見込み。 

Electricity costs in 2018: Power rates for households in 2018 increase by 1.4 per cent to just over 30 cents per kWh 




2/2 北國新聞コラム「日本のゆくえ 〜 日本の再エネは好成績」

 今月2日付け北國新聞コラム「日本のゆくえ 〜 日本の再エネは好成績」

17
 

☆石川和男のエネルギーCh(チャンネル) vol.53

2018年2月8日17:00〜17:45

☆ニュース配信☆ 住宅用太陽光 〜 “2019年問題”への対応

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 住宅用太陽光発電設備については、“2019年問題”が大きく懸念されている。 

 住宅用太陽光に係る余剰電力買取制度は、2012年7月に施行されたFIT(固定価格買取制度)より以前の2009年11月に開始されたもの。FITと同等扱いの運用で、買取期間は10年。 

 2019年に買取期間が終了するのは、約40万件・約120万kWと予測。FIT施行以前に導入された住宅用太陽光は、次の資料にある通り、合計で約470万kW。 

 12月18日に開かれた経済産業省の「再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会」(第1回)では、この2019年問題に関して、次の二つが決まった。 

① 余剰電力である住宅用太陽光の買い手が不在となった場合、一時的・例外的な措置として、一般送配電事業者(大手電力会社)に、その余剰電力を無償で引き受けることを要請すること。 

② FIT設備と非FIT設備(FIT終了電源、エネファーム、蓄電池など)が併存する場合、新たに差分計量を適用することで、非FIT電源からの逆潮流を解禁すること。 

 どんな対策を採ろうが、多少の混乱は免れないだろうし、一部マスコミはわざわざ混乱を起こすような報道をするだろうと、私は予想している。    

 詳細な制度設計は今後速やかに決まるだろうが、その具体的な方向性は、上記の委員会で提示された資料4『住宅用太陽光発電に係る2019年以降のFIT買取期間終了を契機とした対応について』で書かれている。



世界の再エネ発電コスト 〜 太陽光73%低下(2010年→17年)、陸上風力23%低下(2010年→17年)

 国際再生可能エネルギー機関(IRENA: International Renewable Energy Agency)の先月13日の発表によると、2017年での平均的な再生可能エネルギー発電コストに関して、次のグラフの通り、化石燃料発電コスト(5〜17セント/kWh)の範囲内又はそれ以下のものまで出現しつつあるとの由。

36
2018.1.13 IRENA “Onshore Wind Power Now as Affordable as Any Other Source, Solar to Halve by 2020

 

① 世界平均の太陽光発電コストは、2009年末頃からモジュール価格が81%低下したこともあって、2010年から2017年までの間に73%低下し、 10 USDcents/kWh まで下がった。

② 世界平均の陸上風力発電コストは、2010年から2017年までの間に23%低下し、 6 USDcents/kWh まで下がったし、最低で 4 USDcents/kWh まで実証されている。

③ 陸上風力発電と太陽光発電では、2019年までに最低で 3 USDcents/kWh 以下にまで低下する見通し。2017年に運転を開始したバイオ発電と地熱発電は、世界平均で 7 USDcents/kWh だった。
④ アブダビ、チリ、ドバイ、メキシコ、ペルー、サウジアラビアにおける太陽光発電コストは最低を記録し、 3 USDcents/kWhを 下回った。

⑤ 2020年までに、現在商業化されている全ての再エネ発電コストは 3〜10 USDcents/kWh の範囲内となって、化石燃料発電と競合するか下回るようになる見通し。

原文より抜粋》
The global weighted average levelised cost of electricity (LCOE) of utility-scale solar PV has fallen by 73% between 2010 and 2017 to USD 10 cents/kWh. 

The average cost of electricity from onshore wind fell by 23% between 2010 and 2017. Projects are now routinely commissioned at USD 4 cents/kWh and the global weighted average is around USD 6 cents/kWh.

By 2019, the best onshore wind and solar PV projects will be delivering electricity for an equivalent of USD 3 cents/kWh, or less. New bioenergy and geothermal projects commissioned in 2017 had global weighted average costs of around USD 7 cents/kWh.

Record low prices for solar PV in Abu Dhabi, Chile, Dubai, Mexico, Peru and Saudi Arabia have made USD 3 cents kWh (and below) the new benchmark.

By 2020, project and auction data suggest that all currently commercialised renewable power generation technologies will be competing, and even undercutting, fossil fuels by generating in the range USD 3-10 cents/kWh range.


 上記の根拠となったのは、“Renewable Power Generation Costs in 2017(KEY FINDINGS AND EXECUTIVE SUMMARY)” と題する報告書で、再エネ発電コストの世界的な低下傾向について詳述されている。その主なものは、次の Figure ES.1 〜 Figure ES.4 の通り。

51
2018.1.13 IRENA “Renewable Power Generation Costs in 2017(KEY FINDINGS AND EXECUTIVE SUMMARY)

11
2018.1.13 IRENA “Renewable Power Generation Costs in 2017(KEY FINDINGS AND EXECUTIVE SUMMARY)

42
2018.1.13 IRENA “Renewable Power Generation Costs in 2017(KEY FINDINGS AND EXECUTIVE SUMMARY)

02
2018.1.13 IRENA “Renewable Power Generation Costs in 2017(KEY FINDINGS AND EXECUTIVE SUMMARY)


 日本では、再エネ電気の買取りに関しては、2012年7月に施行された再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)に基づき、次のような法定価格で買い取られることになっている。

 このうち、2000kW以上の事業用太陽光発電については、今年度から入札制度が導入され、その第1回目の落札価格帯は17.2〜21.0円/kWhだった。


24
2017.9.28 経済産業省「調達価格等算定委員会」資料

 先のブログ記事でも書いたことだが、各国それぞれ諸事情が違うので単純比較にはあまり意味はないが、世界から見ると、日本の太陽光は高止まっているという話。

 日本の太陽光電気や風力電気を安くするには、
  ①法定価格を大幅に引き下げる措置を講ずるとともに、
  ②発電コストを大幅に低減させるための努力をする
ことが必要だ。

 もっとも、これらはそう簡単にはいかない・・・。


1/26 北國新聞コラム「日本のゆくえ 〜 2040年の高齢者は今何歳?」

 先月26日付け北國新聞コラム「日本のゆくえ 〜 2040年の高齢者は今何歳?」


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☆石川和男のエネルギーCh(チャンネル) vol.52

2018年2月1日17:00〜17:45

ニコ生 : http://live.nicovideo.jp/watch/lv310637615

YouTube : https://youtu.be/wZrlIJfVufA

☆ニュース配信☆ 世界の再エネ入札制度 〜 日本の再エネ売買価格は高過ぎ・・・

世界の再エネ入札制度 〜 日本の再エネ売買価格は高過ぎ・・・


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https://news.biglobe.ne.jp/economy/0131/gdw_180131_0068527567.html


 外務省が「
エネルギーをめぐる国際的議論(vol.3)」と題するHPで、国際再生可能エネルギー機関(IRENA: International Renewable Energy Agency)が2017年6月に発表した報告書 “Renewable Energy Auctions Analysing 2016” について解説している。 

 このIRENA報告書は、主要各国での再生可能エネルギーの入札状況や課題が分析されており、再エネに関する最近の国際的動向を把握する上で参考になる。 

 再エネ入札制度は、他の導入制度(FIT(固定価格買取制度)、RPS(再エネ利用割合基準))よりも普及が進み、入札制度を採用した国は、2005年の6か国から2016年半ばまでに67か国に増加したとのこと。資料1を参照されたい。 

〔資料1〕世界の再エネ電源の入札状況(2016年)
出所:外務省「エネルギーをめぐる国際的議論(vol.3)


 以下に貼付した資料2〜4は、太陽光、陸上風力、洋上風力の入札価格の推移。 

〔資料2〕太陽光における入札価格の推移(2010年~2017年) 
出所:外務省「エネルギーをめぐる国際的議論(vol.3)

〔資料3〕陸上風力における入札価格の推移(2010年~2017年) 
出所:外務省「エネルギーをめぐる国際的議論(vol.3)

〔資料4〕洋上風力における入札価格の推移(2010年~2017年) 
出所:外務省「エネルギーをめぐる国際的議論(vol.3)


 日本では、2017年11月に事業用太陽光発電(2MW以上)で初めて入札を実施したが、このIRENA報告書には反映されていない。

 各国それぞれ諸事情が異なるので、買取価格(売買価格)の単純比較にはあまり意味はない。ただ、世界的には日本の再エネ売買価格は高止まっているという話。 

 日本の再エネ売買価格を安くするには、 
  ①法定買取価格を大幅に引き下げること(事後的な変更も含む)だけでなく、
  ②発電コストを大幅に低減させるための努力をすること などが必要となる。

 もっとも、これらはそう簡単にはいかない・・・。 


2016年のEU:再エネ2020年目標達成は28ヶ国のうち11ヶ国

 今月25日の eurostat の発表によると、2016年での欧州連合(European Union(EU))28ヶ国全体の最終エネルギー消費に占める再生可能エネルギーの比率は17%に達し、統計を開始した2004年での同8.5%の約2倍になった。

原文より抜粋》
In 2016, the share of energy from renewable sources in gross final consumption of energy reached 17% in the European Union (EU), double the share in 2004 (8.5%), the first year for which the data are available.


 EU全体の2020年の再エネ導入目標は電源構成比20%であり
〔資料1〕、国別で見ると28ヶ国のうち11ヶ国が自国の再エネ導入目標を既に達成している〔資料2〕


〔資料1〕
53
2018.1.25 eurostat newsrelease


〔資料2〕
28
2018.1.25 eurostat newsrelease


  2016年において、最終エネルギー消費において再エネ比率が高い国は、上から順に、スウェーデン(再エネ比率53.8%)、フィンランド(同38.7%)、ラトビア(同37.2%)、オーストリア(同33.5%)、デンマーク(同32.2%)など。下から順では、ルクセンブルク(同5.4%)、マルタ(同6.0%)、オランダ(同6.0%)など。

With more than half (53.8%) of its energy coming from renewable sources in its gross final consumption of energy, Sweden had by far the highest share in 2016, ahead of Finland (38.7%), Latvia (37.2%), Austria (33.5%) and Denmark (32.2%). At the opposite end of the scale, the lowest proportions of renewables were registered in Luxembourg (5.4%), Malta and the Netherlands (both 6.0%).


1/19 北國新聞コラム「日本のゆくえ 〜 電力自由化は認知されているか?」

 今月19日付け北國新聞コラム「日本のゆくえ 〜 電力自由化は認知されているか?」


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☆石川和男のエネルギーCh(チャンネル) vol.51

2018年1月25日17:00〜17:45

ニコ生 : http://live.nicovideo.jp/watch/lv310460563

YouTube : https://youtu.be/4yE4JbQx0dU

☆ニュース配信☆ ドイツ:2020年CO2目標の未達は大した問題ではない・・・

ドイツ:2020年CO2目標の未達は大した問題ではない・・・

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http://www.gadgetwear.net/2018/01/2020co2.html

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http://news.livedoor.com/article/detail/14200200/

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https://news.ameba.jp/entry/20180124-73/

BIGLOBEニュース
https://news.biglobe.ne.jp/economy/0124/gdw_180124_6565946191.html


 昨年11月10日付け CLIMATE HOME NEWS “
Germany to miss climate targets ‘disastrously’: leaked government paper” では、ドイツの温暖化ガス排出削減に関する2020年目標について、石炭火力発電所と運輸部門による大量のCO2排出によって予想以上に大きく後退すると、ドイツ環境省が危惧している旨を報じている。 

《原文より抜粋》
Germany’s environment ministry fears high emissions from coal-fired power plants and transport will make the country miss its 2020 climate targets by a wider margin than previously anticipated. 

 ドイツ政府は2007年以降、2020年目標を1990年比▲40%と公言してきた。2016年まででは、1990年比▲28%となっている。 

 しかし、ドイツ環境省の試算では、2020年目標は達成できず、追加措置を施さないと1990年比▲31.7〜32.5%に止まってしまう。 

 同省は、このくらいの未達規模だと、『ドイツの気候変動政策にとって大打撃』となり、『気候変動政策のリーダーとしてのドイツの国際的な評価への災厄』になると警告している。 

Germany is headed for a clear failure to meet its 2020 climate targets, according to calculations by the country’s environment ministry. Without further action, Germany’s CO2 emissions will only be 31.7% to 32.5% below 1990 levels, an internal environment ministry paper seen by the Clean Energy Wire shows. 

Given the official target of cutting emissions by 40%, the ministry warns that a failure of this magnitude would constitute a “significant blow to Germany’s climate policy”, and would amount to “a disaster for Germany’s international reputation as a climate leader”. 

Every German government since 2007 has committed to reducing the country’s annual greenhouse gas emissions by 40 percent by 2020 compared to 1990 levels. In 2016, emissions were 28 percent lower than 1990. 

2017.10.11 Clearn Energy Wire “Germany set to widely miss climate targets, env ministry warns

 2015年3月にドイツを訪問した際にも、「2013年で1990年比▲22.6%であるが、このまま推移すると2020年で同▲40%という目標に5〜8%分だけ不足するだろう」と、複数のドイツ政府関係者は語っていた。詳細は「再生可能エネルギー政策に関するドイツ調査報告(2015年3月21日)」を参照されたい。 

 再生可能エネルギーの積極的導入を始めとして、温暖化ガス排出削減に向けて国を挙げて努力してきていることは世界的にも周知の事実。 

 ドイツにしてみれば、2020年目標の未達は、国家の威信を傷付けることになると思うのかもしれない。しかし、世界はそれほど気にしないのではないか。野心的目標であればあるほど達成が難しいというのは、各国共通のこと。 

 今後の見通しとしては、次のようなことが有力視されている。 

⑴ 世界全体のエネルギー消費量は、2015年から2040年までの間に28%増加。 
⑵ その60%以上は、中印を含む非OECDのアジア諸国の消費増。
⑶ その間、石炭以外の全てのエネルギー資源の消費量は増加。
⑷ 伸び率で見ると、第一位は再生可能エネルギーで平均2.3%、第二位は原子力で平均1.5%。

 石炭火力発電量がCO2排出増の主因になることへの危惧がドイツ環境省から出されているが、ドイツがいくら石炭消費量を減らそうが、石炭消費の大半を占める中国やインドなど非OECD諸国の石炭消費量を減らさなければ、石炭由来CO2排出量の多寡には殆ど影響はない。 

 ドイツ1国が2020年CO2目標を達成しないからと言って、エネルギー政策に係わるドイツの評価は下がらないだろう。むしろ、再エネ導入の世界的牽引役としての高い評価は、今後も健在であり続けると思われる。 

 ただ、2020年CO2目標を達成しないことを強く懸念しながらも、nonCO2電源である原子力発電を2022年までに段階的に縮小しているのは、全く解せない話。これは、温暖化対策でドイツが抱える大いなる矛盾の一つ。 

 COP23(国連気候変動枠組条約第23回締約国会議)が開催されているドイツ・ボンに、同国のエネルギー政策当局を訪ねて聴いたところ、2020年CO2目標の達成は見込めないが、国家目標である2022年原子力ゼロ化には変更はない、と明言していた。 

 この姿勢は、今も、ドイツの各方面において、全く揺るぎのないものである。


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