昨夜の日本経済新聞ネット記事によると、出光興産・国際石油開発帝石・三井石油開発が秋田県湯沢市の栗駒国定公園で地熱資源開発の試掘調査を始めたとのこと。この3社が共同発表した資料を読むと、実用化はまだまだ先の話である。

地熱は日本の国産エネルギーとして有望株の一つであり続けてきた。だが、その開発が非常に難しいことは歴史が証明している。下の3つの図〔=一次エネルギー国内供給の推移、我が国の再生可能エネルギー導入割合、日本の地熱発電出力の推移〕を順に見ると、地熱の位置付けがよくわかる。あまりにも切ないと言わざるを得ない。

<一次エネルギー国内供給の推移>
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政府もあの手この手で地熱開発への公共投資を続けてきたし、今後も適当な範囲で予算投入が行われていくと見込まれる。資源エネルギー庁の直近の姿勢は、次の資料を見ればわかる。

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地熱開発の促進策として、地熱賦存量の多い国立・国定公園内の開発に係る一部規制緩和(※1※2)が昨年3月に実施された。それでも、一度に開発できる発電容量はそれほど大きいものではないし、不便な場所だということもあって、コストも相応にかかる。これまでの地熱発電所の一覧(※3※4)を見ても明らかだろう。

太陽光や風力にも通じることだが、再生可能エネルギーの開発は、国産資源の有効活用という点で今後とも公的支援をしながら開発は試行されていくべきものだ。しかし、いわゆる脱原発の空気に支配されて、“原発○○基分に相当する再生エネ開発”という触れ込みは誤りである。この秋田県の案件についても、“全国では原発23基分に当たる発電をすることができると期待されている地熱発電”などと報じている大手マスコミがいる。

他の再生可能エネルギー発電に比べれば、地熱発電は一発電所当たりの開発規模は相当大きいと思われるが、原子力発電所や火力発電所と比べれば桁違いに小さいし、トータルの開発コストでも勝ち目は見えない。地熱発電に過剰な期待を持ってはいけない。上記のエネ庁資料にある「世界第3位の地熱資源量(2340万kw)」というのは政府調査の結果として報告(=地熱発電に関する研究会中間報告(平成21年6月))されているが、それはあくまでも賦存量の見積もりに過ぎない。

地熱発電の開発は、今後とも長期的視野に立って、地道に進めていくべきものである。