今日の総務省の発表によると、本年9月の全国消費者物価指数(CPI)は資料1〔=平成22年基準 消費者物価指数 全国 平成25年(2013年)9月分〕の通り。この資料を見ると誰でもわかるが、相変わらず、エネルギー価格の上昇が全体を押し上げている主因となっている。

 主要メディア各社がこれを報じているが、このエネルギー価格上昇を原子力発電所の停止による電気代値上げを理由として報じているのは、日本経済新聞ネット記事の一部だけで、今のところ、他の全国紙や通信社は原発停止に関して一言も書いていない。

 先のブログ記事にも書いたが、こうした報道機関の姿勢は解せない。エネルギー価格上昇が『望ましい物価上昇』のはずがない。それでデフレ脱却に近付いたと思ったら大間違いだ。もっとも、「物価が上がるのは、日本経済が健康な状態を取り戻しつつあるということ」などと閣僚が発言しているのだから、この話に関しては、“政・官・報”の奇妙なトライアングルが出来上がっているのかもしれない。

 何度も述べているが、政府は、消費者物価指数を政策目的指標から取り下げるべきだ。大事なことは、デフレ脱却そのものではなく、実質GDPの拡大だ。物価上昇が必ずしも豊かさを体感させてくれるわけではない。

 最近の消費者物価指数の上昇主因は食料とエネルギーの価格上昇だが、『望ましいデフレ脱却』とは、資料1の『食料及びエネルギーを除く総合』が上昇することで労働者の賃金水準が上がっていくことでなげればならない。しかし、例えば資料2〔=月間現金給与額(平成25年8月)〕と合わせて考えればわかるが、労働者に恩恵があるわけでもない。これは“悪しきデフレ脱却”でしかない

 この“悪しきデフレ脱却”を止めるのに必要な手段のうち政府が今すぐできることは、原発再稼働によるエネルギーコスト低減だ“原発停止インフレ”などという愚かな状態から早期に脱却すべきである。

 
<資料1:平成22年基準 消費者物価指数 全国 平成25年(2013年)9月分>
2013年9月 CPI
(出所:総務省資料
 

<資料2:月間現金給与額(平成25年8月分)>
8)
(出所:厚生労働省資料)