12月6日の経済産業省・総合エネルギー調査会基本政策分科会で提示されたエネルギー基本計画の素案において、原子力については以下のように記述されている。

原子力発電を「重要なベース電源」として位置付ける趣旨からすると、特に異論を挟む余地はないように見える。しかし、大きく二点ほど問題がある。
一つは、「必要とされる規模を十分に見極めて、その規模を確保する」とあるが、まさに「その規模」が明示されていないことだ。それは、「独立した原子力規制委員会によって世界最高水準の新規制基準の下で安全性が確認された原子力発電所については、再稼働を進める」ことにしているため、 「その規模」に係る見通しが全く立っていないからである。
しかし、規制委が原発での発電を停止させておく法令上の権限規定はどこにもない。規制委が「独立」していようがいまいが、原発での発電を規制委が禁止させておくことはできない。このことを明らかにしておくべきだが、書かれていない。嘘を書いているわけではないが、全てを書いていない。
そうでなければ、「独立した原子力規制委員会によって世界最高水準の新規制基準の下で安全性が確認された原子力発電所については、再稼働を進める」との運用方針をここに明記する必要はない。これこそがもう一つの問題なのだ。そのような権限規定がないからこそ、ここに明記されている。
国全体の経済に大きな影響のある原発稼働の可否について、法律レベルではなく運用レベルで決めているのは甚だ妙な話だ。政権は、規制委による審査と並行しながらの発電を容認する運用に転換すべきである。前政権の重荷を背負い続ける必要も義理もない。

原子力発電を「重要なベース電源」として位置付ける趣旨からすると、特に異論を挟む余地はないように見える。しかし、大きく二点ほど問題がある。
一つは、「必要とされる規模を十分に見極めて、その規模を確保する」とあるが、まさに「その規模」が明示されていないことだ。それは、「独立した原子力規制委員会によって世界最高水準の新規制基準の下で安全性が確認された原子力発電所については、再稼働を進める」ことにしているため、 「その規模」に係る見通しが全く立っていないからである。
しかし、規制委が原発での発電を停止させておく法令上の権限規定はどこにもない。規制委が「独立」していようがいまいが、原発での発電を規制委が禁止させておくことはできない。このことを明らかにしておくべきだが、書かれていない。嘘を書いているわけではないが、全てを書いていない。
そうでなければ、「独立した原子力規制委員会によって世界最高水準の新規制基準の下で安全性が確認された原子力発電所については、再稼働を進める」との運用方針をここに明記する必要はない。これこそがもう一つの問題なのだ。そのような権限規定がないからこそ、ここに明記されている。
国全体の経済に大きな影響のある原発稼働の可否について、法律レベルではなく運用レベルで決めているのは甚だ妙な話だ。政権は、規制委による審査と並行しながらの発電を容認する運用に転換すべきである。前政権の重荷を背負い続ける必要も義理もない。