もう忘れている人も多いだろうが、政府・経済産業省などの発表にもあるように、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第39回総会が先月ベルリンで開催され、その第5次評価第3作業部会報告書が同13日に発表された。

 この報告書は、様々な行政レベルや経済セクターが利用できる選択肢を評価し、種々の緩和政策が社会に及ぼす影響を評価するものであるが、特定の選択肢を勧告するものではない。
そこで示されている「2度シナリオ」(地球温暖化による温度上昇を2度以下に抑えるというシナリオ)では、概ね温室効果ガス排出量は2010年時点に比べて2050年までに40~70%削減されるとしている。

 これがマスコミ各社に誤解を与えたようで、大手報道各社の報道ぶりは以下の通りとなっている。
 ・読売新聞:“温室効果ガス、今世紀末ほぼゼロ必要…IPCC”
 ・毎日新聞:“温室効果ガス:50年に40〜70%削減必要…IPCC”
 ・朝日新聞: “温室ガス排出、世紀末ほぼゼロ必要 IPCC部会報告書”

 更に後日、朝日新聞が“「原発抜きでも温室ガス削減可能」 IPCCが文書公表”などと報じたが、こうした事実はないようだ。世の中、情報操作はそうそううまくはいかないという話である。

 この報告書の概要について、その作成に携わった杉山大志氏(社会経済研究所上席研究員)より以下の資料を頂戴したので、適宜参照されたい。

IPCC第5次評価第3部会報告書の解説(速報)
IPCC第5次評価第3部会報告書の解説(速報) ppt