各メディアで既報の通り、ソフトバンクは今日、東京電力と業務提携し、家庭向けの電力小売りサービス「ソフトバンクでんき」を4月1日に開始することを発表した。


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(出所:ソフトバンクHP


 来る4月の電力小売全面自由化に向けて、既存電力も、新電力も、それぞれに新料金・サービスメニューを打ち出している。それ自体は、たいへん前向きなことである。

 現在の既存大手電力10社のメニューも、決して単純なものではない。それに加える形で、今回の自由化によって、更に複雑なメニューが各電力小売会社から提示されていくだろう。事実、現在まで出されている多くのメニューは相当に複雑なもの。

 もし自分が新電力の供給先として選択されていたとしても、どのメニューを選ぶと最もお得かは、すぐには見出せないのではないだろうか。しかし、これが今回の自由化による果実なので、我々一般消費者は、賢く選んでいくようにしていくべきだ。

 ソフトバンクの新メニューには、“FITでんきプラン(再生可能エネルギー)”というのがある。“ソフトバンクのオリジナルプランとしてFIT電気(再生エネルギー)を活用した電力を希望される方向けに提供します。提供に関する詳細は準備が整い次第お知らせします”と書いてある。

 いったい、どのようなプランなのだろうか??? 私には、全く想像がつかないのだ。

 今回の電力小売全面自由化によって新規参入する新電力の中には、この“ソフトバンクでんき”のように、再エネで作った電気を売ります!といった触れ込みの社が他にもいるようだ。

 しかし、それは技術的にも物理的にも不可能なのだ。端的に言うと、各発電所で発電された電気は、送電網の中で混ざり合ってしまうからだ。できるはずのないサービスの提供を、いかにもできるかのように喧伝する新電力がいるが、それを信用してはいけない。(唯一できる手段があるとしたら、再エネ発電設備から専用線を需要地まで敷設して受電することだ。)

 もっとも、今回の電力自由化を主導した経済産業省が、“電力システム改革が創り出す新しい生活とビジネスのかたち”というパンフレットを作成し、その中で、“どんな電気を使うか、自分で決められるようになります”、“「再生可能エネルギーで発電された電気を買いたい」 いろんな料金メニューが生まれることで、そんな声にも応えます”などと大嘘をついているのだから、どうしようもない。


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(出所:経済産業省・電力システム改革が創り出す新しい生活とビジネスのかたち”)
 

 役所が率先して、できもしないことをあたかもできるかのようにPRしているのが、今回の電力小売全面自由化。民間の新規参入事業者にしてみれば、役所の言っていることに追従しているに過ぎないのかもしれない。だが、ウソはウソ。

 ついでに言うと、電力会社を自由に選べるというのも、真ではない。それは、既存大手電力、新電力それぞれのHPを見れば明らかなので、適宜参照されたい。

 せっかくの電力小売全面自由化という壮大な夢が、こうしたことでボロを出してはいけない。どうせやるなら、都合の良いことも、都合の良くないことも、両方きちんと語っていくべきだ。

 役所の一部の人々の夢に付き合わされてはかなわない・・・。

【追記:ブロゴス http://blogos.com/article/154479/
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