2017.9.27 電気新聞インタビュー
 〜 「独立」の真価 規制委発足5年


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◆書類から現場へ転換必要

 ◇社会保障経済研究所 理事長 石川和男氏
 
 ◇国民の間に誤解
 ――規制委のこれまでの活動をどう評価するか。
 「審査を含む会合を原則公開としたことは高く評価している。しかし、動画へのアクセス数はあまり多くない。これは、世論調査での原子力反対の声が、いかに信用できないかを物語っている。『マスコミ世論調査主義』の明確な誤りなのだが、その背景には原子力が一部マスコミのイデオロギーに刺さりやすいという特徴がある。原子力よりも地球規模の危機に直結する化石燃料への関心を低下させている点からも問題がある」
 ――国民の間には、まだまだ誤解も多いということか。
 「一般の人々はぶ厚い書類で、審査が厳しく、長くかかるほど設備は安全になると思っている。だが、書類をいくら出させても現場の安全とは関係がない。規制委は東京での書類主義から現場主義へと転換すべきだ。発電所が止まっていれば安全なのではなく、検査官が発電所に常駐して、動いている状態を確認するからこそ安全、安心につながる」
 「原子力規制庁には、専門家がたくさんいると思っている人も多い。規制庁職員は行政のプロではあるが、専門性では当然、事業者との間に大きな差がある。この当たり前のことが一般にはなかなか伝わっていない」
 
 ◇異論と向き合え
 ――規制委が掲げる「独立性の確保」については。 
 「独立性とは、いったん基準をつくり、審査する段階で政治を排除するという意味だ。基準と無関係に異論を排除するというのは、独立性を勘違いしており、それは『孤立』という」 
 ――今後の規制行政はどうあるべきか。
 「米NRCの発想は、『原子力を認める』方針の下で是非の判断を行っている。科学的な判断をするだけなら研究機関と同じであり、規制委は行政機関としてのさらなる脱皮が必要と思う」
 「規制委のメンバーもNRCのように与野党2人ずつと中立派という構成にすべきだ」