2006年11月13日

ニューヨークフィルハーモニック鑑賞之記

いや〜,やられましたですNYP(ロリン・マゼール指揮 ニューヨーク・フィルハーモニック)兵庫公演.ナニがヤラレタって,絨毯爆撃のようなブラスの洪水・・と思ったらそれだけじゃない. 一番ヤラレタのは, Fl.1stの音色の豊かさかも. うつろな音から,倍音どっさりの輝かしい音まで,モンノスゴイ幅広なキャラクターの音に・・・・しかも, うつろな音なのに,はるか遠くのがま席までばっちり聴こえて. (もしかして,芸文って,いいホール?) 他の木管もすばらしかったです. Ob.1st東洋系の方の音もすばらしかった… ああ…音に酔う音に酔う〜.至福のひと時でした.


と,まぁ,云ってみましたけど,横のかえるの盛り上がり方をみていたら,金管隊にもふれぬ訳にはイカンですばい.

予告してたHr.フィリップ・マイヤースの[椅子], ごくごく普通のほかのメンバーが座っているものと同じタイプの椅子でした. IPSのテワリさんとドッチが巨漢かな?と思ってましたが,実物を見たら,テワリさんなんてヘナチョコに思えるくらいの[デカさ].テワリさん2人:マイヤース1人ってところでしょうか. そんなマイヤースが舞台上を移動する様子は,アメイジング.コ・・この人,歩けるんや・・という素朴な驚きは, たとえば, 祇園祭の山鉾巡行に共通する感じです. マイヤース≒南観音山みたいな. [山,動く]のヴィジュアルです.いやいや, 見た目だけでなく,音もすばらしかったです. ショスタコーヴィチ5の3楽章?ピッコロトランペットかいな?とおもうくらいの超・ハイトーンがあるのですが,モッチロンでビチッとです.ザンバラではありません. 音が遠〜
くのがま席まで減らずに届くんですね. そう思うと,芸文で音が[落ちる] とかねがね感じていたのはホールのスペック・・ではなく奏者の・・・(以下自粛・・・)
.

それから,Tp.Trb.Tub. いやね, エイヴリーフィッシャーホールでのコープランド[市民のためのファンファーレ]の映像を見ていますとですね, なんというかですね, その[人間ポンプ]とかいうような単語が アタマのなかに浮かんでくるわけなんですが, その実物がですね, 眼の前で(遠いけど)吹いているんですね. 彼らのブレス1発で辺り一帯の気圧が変わりそうな感じ. 舞台ですが, ステマネさんが仕事放棄してしまったのか?と思えるような山台もひな壇もナンも無しのフラットな舞台で, しかも 弦楽器群からびっみょーに離れた位置に前述3種の金管隊が配置されてて, なんというか低弦と金管隊の間に三角地帯というか非武装地帯というか, 広場的空間が生じている配置. でもですね, 火の鳥の[カッチェイ王の踊り]になったら,恐るべき音量で3種金管(特にTrb.Tub.)のサウンドが
襲ってくるのです. ベース(11)もチェロ(12)も,ヴィオラ(11)も、もぉんのすごい音色と音量で怒涛のように弾いているのに, 彼ら6人がヒト吹きすると, 金管一色に塗り込められてしまいました. ええ,金ぴかです. F15戦闘機です. トップガンです.マッハ2.3です. 横田から嘉手納まで1時間ヒトッ飛びです(がまくんもワケ判んなくなってきました). しかもアレッシ(カミサマJo, Trb.1st のJosef Alessi)は序曲―火の鳥―ショスタコーヴィチまで全部1stで吹きぬいてました.アシスタントも無しです. アシなし, 山台なし, 髪の毛なし. 3なしでした. いやぁ, かえるくん, 髪の毛生えてるうちは,ダメなんかもしれんねぇ. でも,髪の毛もないし,音量もテクニックも無かったら,それはタダのハゲだねぇ.それは哀しいィ
ねぇ(がまくん,いっそうワケ判んなくなってきました).ショスタコーヴィチの終楽章で,Trb.の和音が,あろうことか,がまくんの背面の壁面から反響して。ああ,アナタタチ・・・どこまで吹きますねん….がまちゃんもオタマの頃から[4階の一番後ろにいるお客さまに届くように歌いましょう][ピアニッシモでもコトバは一番遠くのお客さまに聴こえるように発音・発語しましょう]なぁんて云われてきてますけど, アナタタチ, 4階の壁面に反響した音が自分たちのところにブーメランして届いてるんぢゃないんでしょうか. 直進すればブラジルぐらいまで届いてそう.

ショスタコーヴィチの5番は先日のPMFドキュメントでパーカッションパートで激しくオケスタされてましたので,いつもよりいっそう興味深く聴くことができました.ティンパニの音が,奏者壁面に近すぎるためか妙なエコーになっていたのがちょっと惜しかったなぁ.まぁ,がまくんの席どりにも因るのでしょうけど.

ショスタコーヴィチの2楽章はちょっと物足りなかったかも.DフィルF山さんが終演後立ち話した際に[いやぁ,《自由の国》のショスタコでしたね. 彼らは負けたことがありませんからねぇ]と仰っていたのに 深く同感するがまくんでした.. 原子力空母に乗ってやってきたNYPの諸君は確かに高性能・高機能(しかし,一部タテ線が崩れてるところもあったなり)…ではあるが, 諧謔やおかしみ, 口の左端では笑って心は泣いて…というような重層的な表現とは無縁な感じでした. 終楽章の《F15》ぶりは先だって更迭されたラム・フェルの下衆な笑いと一瞬通じるような気,無きにしも非ず・・・で.ハイスペックマシーンの名人芸を楽しむ,という風に割り切れば(割り切る,って,なんだかエラソウですね.いえいえ,それがまずはスンゴイことなんですけれども)ひとつの経験ではあるなぁ、、とも思うのですが. 

今回のツアーには ベートヴェン3番や幻想, 幾つかのコンチェルトなんかも持ってこられてたようですが,上記考えると, 兵庫公演で組まれたドヴォルザークの序曲,火の鳥,ショスタコーヴィチ5番というプログラムは彼らの美点を満喫することのできるセットリストだったのかな, と思っています.

会場で出会ったY先輩とともに,楽しそうに果てしなく金管バナシをするかえるくんの様子にはがまくんもほっといたしました.ありがとう,Jo.


さて,ちびっつ余談.

今回の公演は 新生銀行, 日興コーディアルグループ, 田崎真珠・・そのほかがスポンサードされてました. ショスタコーヴィチが輝かしく終わったあと,拍手の中日本人男性がマゼルとともに登壇してこられまして. いやぁ,今回は合唱もないし,合唱指揮ってワケでもないよね, いったいドナタさんだんべ?と思っていたら, ナマ声でスピーチが始まり,[今晩はどうもありがとうございました,今回スポンサーしてます田崎真珠の社長?の田崎です. 弊社○○周年記念 銀座タワー落成の際にマエストロに作曲依頼しましたA pearl a girlという曲をアンコールにお届けいただきます・・]とのコメントのあと, マゼールが田崎真珠に捧げたという弦楽合奏曲が披露されました. マゼールの自作曲の自演というととっても貴重な機会だと思うし, 曲自体もなんとなくウィーン楽派を思わせる和声の展開があったりして面白かったのですが, bravo乱れ飛
び万雷の拍手鳴り止まぬ中,社長が歩み出てスピーチ・・というのは, なんというかその、どうなのという思いが拭えませんでした. 丸ごとの買取公演で聴衆はすべて関係者・・等々だったらあるいは全く問題なしだと思うのですが, とりあえず, 一般客はフツーにチケット買ってきてるわけですから・・・ううむ.

しかしまったりとした弦楽曲が終わった後にローエングリン前奏曲が演奏されましたので[爆発]モード復活. 一瞬,悶とした気持ちも雨散霧消でした.



館内にある山口シェフのレストラン[イグレック・テアトル]では終演後マゼールを囲む立食レセプションがこの公演にご招待された新生銀行の顧客対象に行なわれたとのこと.顧客=0.1billion以上の預入資産ありの方々だそうで・・・ホワイエのバーではBel epoch’98とPiperのレア?というプレスティージシャンパーニュが¥3000by the glassで出てまして,がまくんは絶句してましたが[顧客]サンたちには 漱石さん2枚や3枚なんてメモ用紙くらいの感覚なのかもしれませんね.

kasumyon at 23:44│Comments(0)TrackBack(1) 音楽会に行った 

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1. マゼール指揮ニューヨーク・フィル  [ Tany&wife's blog from 新浦安 ]   2006年11月18日 22:01
ロリン・マゼール指揮/ニューヨーク・フィル演奏会

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