2014年07月

水五訓

 NHK大河ドラマで「軍師 黒田官兵衛」が放送されている。
表題の「水五訓」という言葉は、戦国時代、豊臣秀吉の知恵袋といわれた黒田官兵衛(黒田如水)の教えである。
 

水五訓

1.「自ら活動して他を動かしむるは水なり」
      2.「常に己の進路を求めて止まざるは水なり」
        3.「障害にあい激しくその勢力を百倍し得るは水なり」
          4.「自ら潔うして他の汚れを洗い清濁併せ容るるは水なり」
            5.「洋々として大洋を充たし、発しては蒸気となり雲となり雨となり雪と変じ霰(あられ)と化 し、凝っては玲瓏たる鏡となるも、其性を失はざるは水なり」


            1.
            が伝えたいことは、「率先垂範せよ」ということ。
            水は自らが動くことで周りのものを動かし、運んでいきます。人間は自らは何もしないままで、ああしろ、こうしろと言っても、だれも動くはずがない。自ら模範を示すことによって周囲を牽引する人になってください。

            2.が伝えたいことは、「自ら考えて道を拓くことを心がけよ」ということ。
            水はどんな環境の中でもその流れを止めることなく動いていきます。何か失敗した時に、周りのせいにしていませんか?自らの知恵と努力で道を切り拓いていく人になってください。

            3.が伝えたいことは、「諦めることからはなにも生まれない」ということ。
            順調な水の流れもダムという壁によってさえぎられることもあります。その時は、その力を満々と内に蓄えます。蓄積された力があるからこそ、解放された時に巨大なエネルギーを発揮できるからです。困難に直面して、自分の可能性をあきらめてしまってはいけません。苦しい時もじっと耐えて努力を続けていけば、大きな力となってかえってきます。

            4.が
            伝えたいことは、「人を追いやることをせずにともに頑張ろう」ということ。
            社会にはさまざまな価値観を持つ人が集まっています。感覚、リズム、方法、価値観の合わない人を排除するのではなしに、「長所をみつけてそれを生かす」ことをまず考えましょう。川は、脇から濁った水が注がれてきても、「入ってくるな」とか「出ていけ」とは言いません。さまざまな水を一つにまとめ、大きな目的に向かって集約してゆくような、そんな度量を持つ人になってください。

            5.
            が伝えたいことは、「常に自然の摂理にそって物事を考えよ」ということ。
            水は温度の変化、器の形によって次々と自らの形を変えます。しかし、その本質は一切変化することがありません。我々人間もまた、変化に対応するのに常に柔軟でなければいけません。与えられた環境の中でいかにして最大の努力を行えるかが大切です。

             
            これは、「如水」が水の循環を人の一生に置きかえ、水というものを通して、人間としての生き方を教えてくれる言葉だと思います。

            時計草

            時計草
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