予想通り、この映画はいつも行くレンタルショップになかったのだ。
この映画、なかなか面白かった!
フィデルって、フィデル・カストロのことで、彼についてはさほど語られません。あくまで、子供目線なので、こういうのに疎くても大丈夫。
彼女と一緒に、なんとな〜くわかるようになってます。ただ、スペイン情勢について、「サルバドールの朝」は観てたのでわかりやすかったです。
暗さはなく、子供目線の明るさとテンポがあり見やすかったです。
原題:LA FAUTE A FIDEL!
監督:ジュリー・ガヴラス
収録時間:99分
レンタル開始日:2008-10-03
9歳の少女アンナは、カトリック女学校に通うお嬢様。弁護士のパパ、雑誌記者のママ、やんちゃな弟、そしてキューバ人のお手伝い、フェロメナと一緒に幸せ に暮らしていた。そんな時、スペインで、フランコ政権に対する反政府運動を行っていた伯父さんが亡くなり、残された伯母さんと従姉妹が一緒に暮らすことに なった。納得いかないアンナ。フェロメナも二人をまったく歓迎していない様子で…。
ぜんぶ、フィデルのせい - goo 映画
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fidel11970年代初頭、パパはキョーサンシュギに、ママはチューゼツ問題に…
ダンケツって言われても、なにさ!

お庭付きの広い家から、狭いアパートに引っ越し、家にはひげのカクメイ家たちが出入りし、お手伝いさんはキューバ人⇒ギリシャ人⇒ベトナム人ところころ変わり、転校だけはまぬがれたけれど…学校では宗教学の授業を受けさせてもらえなくなり、バカンスにボルドーっていうのもなし、不満たらたらの9歳の女の子。常にふてくされてます。
親の考えの都合で、振り回される自我の芽生えだした少女の目線で、彼女が段々成長していく様を描いてます。
fidel3まだ自我の芽生えきっていない弟フランソワは、たくみに順応していきます。この弟がまたラブリーなかわいさです。
十把一絡げに、子供は順応しやすいってわけじゃない。
アンナのように、自我が発達してきていると案外かたくなになるもんですね。


fidel2アンナの両親は、いいとこの出です。ママの実家は、冒頭の結婚式でもあったように、お金持ちの家だし、パパもスペインの貴族出身です。
まったくの労働者階級ではありませんでした。
伯父さんが運動をしていて亡くなったことから、親たちは目覚めるわけなんですが、この伯父さんの背景が、サルバドールの朝とかの背景に繋がるように思います。
チリの大統領選挙からクーデターまでのことが、映画に盛り込まれています。(チリのことはよう知らんだけど)
私自身は、社会主義国家のその後の崩壊ぶりとかからみて、必ずしも完全な社会主義というのはあまり…と思うんですよ。ファシズムが潜む傾向にあるように思います。
そのへんは、キューバ人家政婦フェロメナが反共傾向なので、言ってますね。
カク保有のことや、そう表題フィデルのせいっていうのもね。
フィデル・カストロ議長は、キューバだもんね。

fidel6色んな事に疑問を持ち、ある日ひげのキョーサンシュギ者たちに色々質問攻めをする機会ができます。
このへんのやりとりがすごくわかりやすくって、面白かった。
両親たちも、子供たちのことを愛してるし、伝えようとする。
時にそれは空回りであったりする。

fidel5色々変わる家政婦さんも、段々慣れてくると嫌ではなくなる。
彼女の成長は、ミッションスクールからの転校を望んだことでしょう。
友達は、またすぐ出来るわ、家政婦さんと一緒よ。と、クールに言っちゃう。
ドキドキの面持ちで新しい学校に登校し、そこで観るのは
自由気ままに走り遊び回る子供たちの姿。
いい終わり方ですね。
fidel4アンナ役のニナちゃんが、強烈に存在感があって、このふてくされた顔がキュートだったりする。
全く笑わないわけでもないしかわいい、美人になりそうなお子様です。

面白かったエピソードは、アンナの友人セシルが泊まりに来たとき
パパの着替えをみちゃって、初めてちんX2をみてびっくりしちゃったこと。9歳でね…
お嬢様ってそうなんですかね?
男兄弟がいない家庭でしたが、従弟のんとか、銭湯の男湯とか連れてもらってたからなぁ…(庶民だな)