公開時に気になっていた作品でした。イギリスの名優と言われるベテラン俳優たちが、インドで「食べて、祈って、恋をして」(←好きじゃない)ではなかったんでよかったです。
どちらかというと、イギリス映画は合う方なので、ところどころでクスッとしました。
インドの色んな顔の一部を、ほんの少しだけ覗けたかなー。
久しぶりに、スラムドッグ$ミリオネアのデヴくんをみたわ。
インドが舞台だけど、EDロールでジュディ・デンチが唄って踊る事はなかったです。ビル・ナイはやりそうだったのになぁ…。
marigold_hotel1マリーゴールド・ホテルで会いましょう
原題:THE BEST EXOTIC MARIGOLD HOTEL
監督:ジョン・マッデン   
製作:グレアム・ブロードベント、ピーター・チャーニン   
製作総指揮:ジェフ・スコール、リッキー・ストラウス、ジョナサン・キング   
原作:デボラ・モガー『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』(早川書房刊)
脚本:オル・パーカー   
撮影:ベン・デイヴィス   
音楽:トーマス・ニューマン
上映時間:124分
出演:ジュディ・デンチ、ビル・ナイ、ペネロープ・ウィルトン、デヴ・パテル、セリア・イムリー、ロナルド・ピックアップ、トム・ウィルキンソン、マギー・スミス、他
40 年間連れ添った夫を亡くしたイヴリン(ジュディ・デンチ)は、多額の負債を返済するために家を売却。そして、同居を勧める息子の誘いを断り、インドの高級リゾート“マリーゴールド・ホテル”での一人暮らしを決意する。彼女の他、このホテルに申し込んでいたのは6 人の男女。イギリスに家を買うはずだったが、退職金を貸した娘が事業に失敗してインドにやってきたダグラス(ビル・ナイ)とジーン(ペネロープ・ウィルトン)の夫婦。股関節の手術を受けようとしたミュリエル(マギー・スミス)は、イギリスの病院では半年待ちと言われ、渋々インドへ。独身者ノーマン(ロナルド・ピックアップ)の悲願は、異国の地での最後のロマンス。結婚と離婚を繰り返すマッジ(セリア・イムリー)の目的は、“お金持ちの夫探し”。以前この地に住んでいた元判事のグレアム(トム・ウィルキンソン)は、数10年ぶりに知人に会いに来たのだが、ある事情があり、迷っていた。marigold_hotel8彼らが想像していた優雅な生活は、実際のホテルを目にして砕け散る。改装中というそのホテルを亡き父から譲り受けた若い支配人ソニー(デヴ・パテル)は、やる気だけは人一倍ながら経験不足。電話は使えず、ドアのない部屋もある。だが、既に前金を支払った7 人に選択の余地はなかった。ジャイプールの街に溢れる音と色彩、喧騒と人の数、そして暑さに圧倒されながらも、それぞれの生活を踏み出す。様々な悩みを抱えながらも、この地で過ごす時間が長くなり、互いの交流が深まるにつれて、少しずつ前に進んでゆく7人。その一方で、ホテルを復活させるために、ソニーは地元の投資家に援助を依頼。しかし、ホテルを一緒に相続した2人の兄と母親は売却するつもりでいた。こうして、インドに来て45 日が過ぎた頃、母親の説得に負けたソニーがホテルを閉鎖すると言い出す。再び人生の岐路に立ったイヴリンが巡り逢った、意外な運命とは……?
公式サイト

marigold_hotel2インドで高級リゾート余生なんていうからには、お金持ちの人たちばかりだと思ってたのよね。まぁそれなりの暮らしをしている人たちではあるけれどね。日本人総中流時代の私。
主人公であるイヴリンは、夫を亡くしたばかり。夫には借金があり、家を売らなければいけない。そんな人たちばかりだった。
まず空港で、ケチがついてくる。昔、インドに住んでいたという元判事のグレアムの先導のもと、色んな乗り物を乗り継いでたどり着いたホテルは、写真と違うぞ…であった。
スラムドッグ$ミリオネアでスラムばっか観たので、ちょっとばかし危険な感じはイメージに残ってて、でも都市部は赤丸発展ハイテクの国だしなぁというのはあった。世界の注目は、中国よりインドっていう話もあるくらいだし。
marigold_hotel7だからといっちゃなんだけど、ミリュエルは、股関節の手術のために来たわけで、リハビリの様子は全くなかったけど、順調に回復するもんね。このミリュエルのキャラは、最初ひどかったねー。
イギリスにいるときから、まず有色人種差別あり。彼女の場合、歩けないのだから逃げられないところがミソ。
使用人のスラム出身の女の子とのふれあいから、次第に変化をしていく。まー、映画の最初と最後じゃ、老け方が逆なくらい変わる。
拗ねた感じのばあさんは、お金持ちかと思いきや、結婚もしないでつくした立派なお家の資産管理までしていた使用人頭だったんですねぇ。
marigold_hotel3ダグラスとジーンの夫婦は、他の人は個人だけどここだけ夫婦だ。
異文化の中を謳歌しようとするダグラスに比べて、ジーンはホテルから一歩も出ようとしない。
イギリスのときから、ジーンは日本にもたくさんいる種類のマダムかも。清潔民族日本人だし、特にね。
ただ、ジーンはグレアムのことが気になってた。
グレアムはといえば、人捜しにきていたのであって、それは使用人の息子であった人で、彼とはゲイの関係だった…。グレアムは、体調がよくない。
marigold_hotel4主人公のイヴリンは、日々の暮らしをブログにアップし、息子に知らせていた。イヴリンは、順応性は高い方で仕事も見つけ、ダグラスと気が合っていく。
結婚離婚を繰り返し、まだお金持ちの男を捜すマッジとロマンスを求めているノーマン。この二人は、くっつくのかと思いきや、マッジが手を貸してノーマンのロマンスのお助け。
どこか頼りない支配人ソニーとその恋人、しっかりもののソニーの母親が絡んで、若い恋の顛末も熟年イギリス人たちに影響を及ぼす。
インドならではの別れの風景も、少し描いてくれたのは、へぇ〜でした。
marigold_hotel5個性豊かな巧みの老境の俳優たちが、エネルギッシュな国インドという舞台で、何を見つけやり直すのかっていう映画でしょうね。
今まで、先進国などと言われてきた国々はみな老後をどう生きていくのかっていう壁にぶち当たってるのかもしれない。
日本なんか少子化が進んで、老人国になるのは目に見えてるわけで(もうそうか)、年金受給も退職してもすぐ貰えんわけさなー。かといって、若者に仕事して貰って年金基金を納めて貰わないとあかんわけだし、先行きの不安は正直あります。
marigold_hotel6今の若者たちの雇用関係は、生涯雇用っていう長〜いひとつの雇用先っていうのは、減っているようです。もちろん、すぐ辞める人もかなり多いし。子供の就活のときに知ったんだけど、私らの時にはなかったような、直採用でなく派遣形態での会社も多くあった。
若い人も大変ですよね。
ほんとにさ、死ぬことが近い年代というか死んでてもおかしくない年代でもあるし、江戸時代いや平安時代ならお婆さんもいいとこかもしんないわ。そんなんだし、こういうような映画は気になるんですね。
生きるっていうより生かされているなんかもしれないし、そのことを感謝しなければいけないんだろう。
黄昏ちゃう。
いくつになっても、自分の出来ることっていうのはあるようです…。夫婦のあり方や恋も仕事もでしょう。
ビル・ナイとジュディ・デンチの相乗りバイクは笑えた(ニケツとは書かないぞ)。惜しむらくは、インド料理責めの時の料理がもっと観たかったなぁ。