マイケル・ファスベンダーとヴィゴ・モーテンセンが、ユングとフロイトを演じてる。となると、観ない訳にはいかない。
その二人の間に関係する女性ザビーナ・シュピールラインをキーラ・ナイトレイが演じている。このザビーナ嬢が、えらく気になってしまった。
恋愛劇に隠れているテーマは、父と子かもしんない。
dangerous_method1危険なメソッド
原題:A DANGEROUS METHOD
監督:デヴィッド・クローネンバーグ   
製作:ジェレミー・トーマス   
製作総指揮:トーマス・スターチ    、マティアス・ジマーマン、カール・シュポエリ、    シュテファン・マルマン、ピーター・ワトソン   
原作:ジョン・カー   
原作戯曲・脚本:クリストファー・ハンプトン   
衣装デザイン:    編集:ロナルド・サンダース   
音楽:ハワード・ショア
上映時間:99分
出演: マイケル・ファスベンダー、ヴィゴ・モーテンセン、キーラ・ナイトレイ、ヴァンサン・カッセル、サラ・ガドン、他
1904年。29歳のユング(マイケル・ファスベンダー)は、チューリッヒのブルクヘルツリ病院で精神科医として働いていた。精神分析学の大家フロイト(ヴィゴ・モーテンセン)が提唱する“談話療法”に刺激を受けた彼は、新たな患者ザビーナ(キーラ・ナイトレイ)にその斬新な治療法を実践。間もなくユングは、ザビーナの幼少期の記憶を辿り、彼女が抱える性的トラウマの原因を突き止めることに成功する。しかし、医師と患者の一線を越えてしまった2人は、秘密の情事を重ねるようになり、ザビーナを巡るユングの葛藤はフロイトとの友情にも亀裂を生じさせてゆく。
公式サイト

dangerous_method2まぁー、ザビーナの入院シーンや治療中の彼女の形相は、CG入ってるんか?と思うくらいキーラの顔が壊れていた。凄いわ。
私も最近、心が病んでるように思うので比較的体調がマシな日を狙っての鑑賞にしました。
ちょっと常人を逸した人が出てくる映画を好んで観てしまう癖も、笑える系じゃなかったら結構抑えてますねん。
この映画、クローネンバーグ監督なんですが、割りと色合いを感じなかった。
学術用語やらバンバカと出てくるんですが、なんとなく…でいけました。博士とかいう人は、私とかが性的なことを言う時とは違う感じですね、淡々と学問的にのたまわれます。まぁ、心理学っていうのは雑学程度にわかりやすく読むのは面白かったりするんですが、突き詰めていかれるとよくわかんなーいってなりますね(笑)
dangerous_method8ザビーナは、彼女の病状が好転していくに従って、本来のカンの良さ頭の良さが際立ってきます。ザビーナさんという女性は、長らく知られることのない女性だったようです。ユングとフロイトと彼女の3人について絞っている映画のため、エンドで字幕で3人のその後が語られるのみなのですが、彼女と娘たちの死因というのがナチによるものというのは、ショッキングでした。気になったんで、ちょいちょいと検索をしてみましたが、興味深い女性です。ユダヤ系ロシア人で、スターリンの大粛清で精神分析学弾圧にあい、弟3人も失っています。
dangerous_method6大した根拠もなく自己分析みたいなもんは、よくやってしまいます。半ば趣味かと思います。映画を見て感じた事で分析とかよくやってしまいます。ぼっーとしてることが好きですが、こういうことやってたりするわけでして…。しかしまぁ、反省はするけど、実行が伴わないという最悪さです。最近、病んでるのはそのせいですかねぇ。
夢判断というか夢占いは面白いね。でも、私たまに鮮明に覚えていたりはしますが、ほとんど夢を観た記憶が最近はない。
dangerous_method4この映画で、ユングとの恋愛関係は割りとキレイに終わってるような感はあるのですが、「ザビーナ・シュピールラインの悲劇 ユングとフロイト、スターリンとヒトラーのはざまで」というザビーナ側視点の彼女の生涯を描いた本でのユングは、どうも不誠実そうでという感想をいくつか目にしました。そして、読者はこの映画に関しては、不満を感じられる方が多いようです。
えらく高価な本(¥5250也)だけど、興味はわきますね。
彼女については、検索をかけて色々読むだけでも、へぇ〜でした。
dangerous_method3この時代、会って対話する以外には手紙という通信手段があります。だからこそ、その書簡や草稿によってわかるようなところも多い。電子メールの時代、そんなもん反対に残らないんじゃないでしょうか…。
フロイトとユングは、手紙で色々な意見を交わし合いと手紙は映画の中での重要アイテムだ。ユングとザビーナの一件も匿名の手紙により、一度は局面を迎える。
私が、彼らが話す内容がようわかってないせいもあるだろうが、フロイトとユングの訣別への道のりも、唐突感もあった。
dangerous_method10逆に、ヴァンサン・カッセルのオットー・グロスが、ユングがザビーナと関係をもつきっかけをつくったというところは、フィクションなんだろうけど、妙に納得しちゃった。ヴァンサン・カッセルが巧かったからかな。
この人物も実在の人物であったんだなぁ。
ザビーナのトラウマ的幼少期の体験は、父であり、フロイトとユングの関係もあるときは父子関係のようにも慕い合っていた。ザビーナの治療中に彼は父親になった。dangerous_method7グロスも父子関係についてをフロイトは助言をしてユングに託している。
なぜか、母親より父親の存在が隠れて見えた作品でもあった。
ユングの奥さん、一番手ごわいですな(笑)