サラマンダー、つまりドラゴンをモチーフにしたところからして宗教色がずいぶん強い。孤立した砦に立て籠った一団と、そこに押し入ってくる一団というところで「マッドマックス2」を思わせる(あれも一種の神話仕立てだった)。わざわざマシュー・マコノヒーが自分のことをdragonslayerと称するし。

舞台がイギリスというのは珍しいが、そこに押し入ってきたアメリカの海兵隊が協力を強要するところ、自分たちの仲間は限りなく美化して、他者に対しての想像力をてんで欠いているあたり、やたら生々しくて娯楽映画がこんなに殺伐しているというのも、と思う。

巨大な砦や崩壊したロンドンの大オープンセットは、この手のものはおまかせのウルフ・クローガー。「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」の山場を劇中劇で再現しているバックがイコン(聖像画)だったりする。
(☆☆☆★)


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