ホット・ファズ~俺たちスーパーポリスメン!~ [DVD]

ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン

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イギリスの田舎の、一見のどかで純朴なようで裏にまわると陰険で排他的という体質が基礎にあるのが「わらの犬」(1971)みたいだなと思って見ていたら、果たせるかな誰それが「わらの犬」にエキストラで出たとかいうセリフが出てくる。のみならず、同作のクライマックスで動物用の鉄の罠に首をはさまれるというシーンまでちらっと再現されている。
もう一本、誰それがエキストラに出たと言われる「第一容疑者」Prime suspectは1991年に始まったヘレン・ミレン主演テレビドラマらしい(未見)から、間が20年も空いている。その間、ろくすっぽよそ者が入ってこなかったであろうという設定が細かい。

田舎は純朴とか、昔は人情があったとかいう設定の映画を見せられると「ウソつけ」としか言いようがない当方としては、このものの見方がまず痛快。
スラッシャー描写や、クライマックスの「バッド・ボーイズ2」のパロディなどのオマケは必ずしも嬉しくない。それなしだと客が来ないか知れないが、ポスターから想像されるようなおバカ映画(作り手がバカなのではなくて、バカのふりをしてバカな客から搾取する映画)とつかず離れずというスタンス自体、微妙でスリリング。
ダイアローグや、伏線の張り方なども凝ったもの。

もっとも、排他的なのはいわゆる田舎の地域社会ばかりでなくて、ネット社会というのもけっこうタコツボ的ものかなとあまり映画と関係ないことも思って見ていた。
(☆☆☆★★)


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