子供のイノセンスとナチスの残虐とのコントラストから成るドラマだが、通常だったらイノセンスの喪失の話になるところを(ルイ・マルの「さよなら子供たち」ほか)、ここではイノセンスは傷つかず、残酷な結末に至る。若干、イノセンスというより無知、バカに近いのではないかと思わせるところもあるが。
クライマックスにかかるジェームズ・ホーナーの音楽が強烈。

ナチスの将校の家族の目から父親の「仕事」を見るという作りが新鮮。妻と娘、息子で全部捕らえ方が違っている。
一番ナチスらしい「美しい獣」風の若い将校の末路などにも、複眼的な作りがうかがえる。

父親が作るナチスの宣伝映画の作りを見ていると、今のメディアのバイアス報道がどれほど恐ろしい結果を生むかも考えさせたりもする。
(☆☆☆★★)


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