コピペ日記

備忘録・メモ代わりです。意見はごく少々。

2008年04月

prisoner's books
2008年04月
アイテム数:14
人類の月面着陸はあったんだ論―と学会レポート
山本 弘,江藤 巌,皆神 龍太郎,植木 不等式,志水 一夫
04月12日{book['rank']
黒いスイス (新潮新書)
福原 直樹
04月12日{book['rank']
原田眞人の監督術
原田 眞人
04月22日{book['rank']
昭和の劇―映画脚本家・笠原和夫
笠原 和夫,スガ 秀実,荒井 晴彦
04月22日{book['rank']
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ルネッサンス

Happinet(SB)(D)

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予告編が良すぎる映画には気をつけないといけない、とかねて思っていたのだが、またひっかかった。
実写を加工してアニメ風に仕立てたのって、昔のロートスコープによる「指輪物語」からモーションキャプチャーによる「ポーラー・エクスプレス」まで、キャラクターは誰だかわかりにくくなるわ表情はぼやけるわで、予告編で映像のインパクトだけで見る分にはいいけれど、ストーリーを追っていく長編となるとたいてい飽きる。これもそう。

声の出演がダニエル・クレイグとかイアン・ホルムといった「豪華版」だといっても、実写のモデルになっている役者とは別なのだから、かなりヘン。かといって「ポーラー・エクスプレス」みたいにトム・ハンクス当人がやっていてもやはりヘンなのだが。

画像が凝っている割に、実写の動きに縛られて大胆な動きや省略ができなくてモタつく。わずかに広場や高速道路の透明な天井の上を人々が歩いているあたりが未来世界風なのが目新しいくらい。
道具立てはフィルムノワール風でも、セリフや小道具など細部が生きないから味気ない。パリが舞台なのに英語版というのもムードを壊す。
(☆☆★★★)


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allcinema - ルネッサンス


同じチンギス・ハーンを扱った「蒼き狼」が何かと比較されてサカナにされている気がするけれど、これもモンゴル語を使っているとはいえモンゴル人から見たらどのくらい「リアル」なのかな、とは思う。日本人が主役で中国人が副主役で監督がロシア人なのだから。どの程度モンゴル語をマスターしているのかは、日本人が聞いてもわからないし。
浅野忠信の主演ぶりは途中から日本人ということを忘れるくらいだった。

浅野が覚えて行ったモンゴル語のセリフが撮影直前に全部変わって往生したというが、いきなりシーンがとぶとテムジンのまわりにどういうプロセスでかいきなり人が集まっていたりして、けっこう飛躍が多くぎくしゃくしている。シナリオが十分練られていたのかどうか、疑問。
ドラマとすると比較されてネタにされることの方が多い「蒼き狼」の方が整っていたと思う。そのモンゴル独自の風習をベースにしたドラマを日本語でオール日本人キャストでやったからかえって変だったのだが。

戦闘シーンの血しぶきの飛び方がリアル。「プライベート・ライアン」以来の、ひとコマを撮影する間に複数回シャッターを切る技術が使われているみたい。
(☆☆☆)


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goo 映画 - モンゴル


ディズニーのセルフ・パロディ的一作。
おとぎ話の甘さとご都合主義をからかっていながら、最終的に皮肉混じりながらロマンチズム寄りに着地するのは「シュレック」とも通じるところ。
王子さまのバカっぽさなどかなり笑わせるが、鳥や小動物がドレスを作ってくれる情景を実写でやるとかなりグロくなるあたりはちょっとやりすぎ。ゴキブリをスクリーンで見せられるとゲッとなる。

ミュージカル・ナンバーは「リトルショップ・オブ・ホラーズ」「美女と野獣」のアラン・メンケン作曲とするとやや物足りなかった。
オープニングの2Dアニメの絵の味気なさにびっくり。3Dばかりやっているうちに絵の描き方を忘れてしまったのか、この絵がずうっと続いたらかなわんぞと思うくらい。

悪い魔女をやっているスーザン・サランドンはエンド・タイトルを見るまで誰だかわからなかった(特殊メイクはリック・ベイカー。最近は、特殊メイクが宣伝に使わなくなりましたね)。出番が短くてすぐCGのドラゴンにバトンタッチしてしまうのはもったいない。
(☆☆☆★)


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goo映画 - 魔法にかけられて

嫌われ松子の一生

アミューズソフトエンタテインメント

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そのまま描いたら陰惨きわまる不幸の連続を突拍子もない色彩とポップな画面処理で中和するセンスが勝負。特にミュージカル調音楽処理は凝ったもの。
物語とすると、松子の死後にほとんど交流のなかった甥が、生前松子に関わった人たちに会って生涯を再構成していく「市民ケーン」式の構成で、いわば作り手の好みの場面(甥がわかるはずのない場面も多く含む)をつまんでまとめられるところがセンス勝負作とするとおいしいところなのだけれど、他人にとって松子がどんな存在だったのかはまあわかるが当人にとって自分の人生がどんなものだったのか、という素朴なところで考え直していくとちょっと首を傾げたくなる。

意匠を剥がしてみると、このヒロインは「道」のジェルソミーナなのでしょうね。
ただ、頭が弱いわけではないだろうし、ザンパノに当たる男が複数でしかも悔恨の痛みを笑いで紛らわしているせいか、ちょっと都合よく見える。
(☆☆☆★)


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嫌われ松子の一生 - goo 映画


同じ場面を巧みに行きつ戻りつして複眼的な視点の描写を組み合わせていく技法の積み重ねの末に、大きくどんでん返し的に来るラストが強烈。メタ小説的な趣向なので、原作はどうなっているのか読んでみたいところ。脚色はラクロの書簡体の原作を巧みにドラマ化した「危険な関係」でアカデミー脚色賞を受賞したクリストファー・ハンプトン。

内容はまったく違うけれど、ちらちらと異化効果をはさみながらラストでそれまでの展開を俯瞰する視点に大きく飛躍して、人生の残酷さをまざまざと感じさせるあたり、「恋」(ハロルド・ピンター脚本)をちょっと思い出した。イギリスの上流階級の子供と令嬢、下層階級の青年の物語という点も同じだし。

退却するイギリス軍とフランス軍が終結したダンケルクの海岸の、地獄のカーニバルのごとき情景をえんえんたる長まわしの移動で捉えた映像がすごい。どうやって作ったのかと思わせる。

18歳に成長したロモーラ・ガライ(1982年生まれ)が、13歳の時のシーアシャ・ローナン(1994年生まれ)に比べてゴツすぎるのが興ざめ。姉役のキーラ・ナイトレイ(1985年生まれ)より年上なんだぜ。タイプとしても、違いすぎ。
(☆☆☆★★)


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goo映画 - つぐない

トレマーズ

ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン

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ガンマニア夫婦の車のナンバープレートがUZI(ウージー、イスラエル製短機関銃の名)とあるのに笑ってしまう。
巨大ミミズ(?)の形のモデルは「砂の惑星」のサンドウォームなんでしょうかね。
製作費はかなりかかっていそうだけれどB級テイスト、コメディタッチがけっこう巧く、あれこれ手をつくして飽きさせない。
20年近く前の映画をゴールデンタイムでやるとは、テレ東らしい。ケビン・ベーコンがまだアンちゃん風なのもなんか可笑しい。
(☆☆☆★★)


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南の島に雪が降る (知恵の森文庫)
加東 大介
光文社

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加東大介が南方戦線で兵隊から有志を募って慰問芝居を作った体験記の映画化で、自分自身の役で主演もしている。
伴淳三郎、有島一郎、西村晃、志村喬、渥美清、三木のり平、森繁久彌、といった有名どころばかりでなく、仲間を集めていくシーンなどでちょっとだけ出てくる役者たちが短い出番で腕を見せるのが、昔の日本映画の役者の層の厚さを見せる。

もっとも、せっかくカツラを作る役、舞台装置を作る役など裏方志願の人間も入れているのに、具体的にどう芝居を作っていったのかというプロセスがあまり描かれておらず、いきなりできあがった芝居を見せてもあくまでそれは実際に上演されたであろう芝居の再現にとどまり、あまりにできあがりすぎた舞台なので実際は日本のセットで撮ったのではないかという隙間風が吹く。パラシュートを調達してきて積もった雪に見立てるといった細かい工夫を丁寧に描いてもらわないと、日本から遠く離れた場所で苦心して日本を再現したという感じが出ない。
兵士たちが協力して物を作っていくのを見せることで、戦友同士のつながりも実感をこめて描けただろうに、もったいない。
(☆☆☆)


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夫婦・親子・兄弟が争い殺しあって、「ハムレット」か「あわれ彼女は娼婦」みたいにほとんど全員死んでしまうドロドロ劇で、元が舞台劇と聞いて納得。

チャン・イーモウとしては「紅夢」以来の閉鎖空間での八方陰惨なお話で、空間自体は巨大化してほとんど万華鏡の中みたいに豪華絢爛になっているけれども、閉鎖的であることに変わりはない。
ラスト近くの金色の鎧に身を固めた大反乱部隊が、さらに巨大な王の部隊に包囲されて全滅するシーンなど典型。

群集シーンの捌きは撮影監督時代の「大閲兵」以来のうまさだけれど、今の時期見るとオリンピックの開会式のリハーサルみたいに見える。権力が反乱を徹底的に制圧する内容なのだから、気色悪い。
うまいといえば、イーモウ自身は国民党の兵士の息子なので、子供の時は「黒五類」として徹底的に差別されたという、それがこれだけ「出世」したのだから、世渡りうまいね。
あまり表には出ていないことだが、イーモウが北京電影学院撮影学科にすでに27歳になっていて年齢制限にひっかかっていたにも関わらず入学を許されたのは、文化大革命で下放されていた当時に撮りためていた写真を学院に提出して特別に認められたから、となっているが、それだけではなくて当時の夫人が学院の偉いさんの親戚だったのでコネが使えたから。まあ、中国では当たり前の話ですけど。

立ち回りとしては一対一のが少なくてもっぱら集団同士なのが、「HERO」や「LOVERS」みたいに変にスカしたのを見せられるのより助かる。日本の忍者みたいな黒づくめの暗殺部隊が現れてカマの方を振り回すクサリガマみたいな武器を操るあたりがちょっと面白い。

コン・リーが毒を飲んで汗をだらだら流しているアップがコワい。
(☆☆☆★)


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goo映画 - 王妃の紋章

殺し屋1

ジェネオン エンタテインメント

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ひどい暴力描写がウリなのだが、ふしぎと絵で描かれた原作の方が痛そうで、映像にすると逆にマンガチックな感じが強く、長々とやっているせいもあって羅列されていると飽きてくる。
(☆☆★★★)


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goo映画 - 殺し屋1

5.1chサラウンドシステムを揃える。これまで使っていたオーディオ用スピーカーが使えないかどうかでじたばたしていたのだが、前方両翼の二つのスピーカーはオーディオ用とは違って後方の二つのと併せて音場を決めるためにあるので、セリフ他の重要な音はセンタースピカーから出るのがわかったので、結局オーディオ用とは別口で6つのスピーカーを揃える。出力も違いすぎるしね。
なんだかずらずらスピーカーがやたら数が揃ったが、はっきり別ものとした方が扱いやすい。

前方のウーファを入れた3.1cはオークションで300円(!)で落札したもの、後方の2chは今までパソコンにつなげていた6Wスピーカーという組み合わせ。
後方二つのスピーカーはマトリックスでオーディオ用と併せて擬似4chステレオとしても使えるように配線をつなぎなおす。違う種類のスピーカーをごちゃごちゃにした、本式のオーディオファンからすれば明らかな邪道なのだろうが、一から揃えられるほどこっちには金ないのでね。
アンプ内蔵なので、5.1chの設定とは別に音量を変えられるというのも、ムチャな話。

DVDプレイヤーはこれまた定価の半値以下でオークションで手に入れた保証書つきのものをつなげたのたが、5.1chDVDは再生できたのだが、CDは再生できないという不具合があったもので、保証書を使って新品に換えてもらう。うーむ、儲けたというべきか。
光デジタル出力端子があったもので、これまでアンプにあっても使っていなかったデジタル入力とつなげると、げっと思うほど凄い音が出る。20年使っていて、これほどいい音を出せるアンプだとは思わなかった。もったいない話。

女子高生転落記、というと適当なエロと共に「純愛」とが混ざるのが定番だけれど、その相手がチンピラヤクザというのが約30年前の東映映画らしいところ。
パーティ券を買うのに古本屋で本を売って金を作るとか、「さそり」風のコート姿の姐さんとかスケバン(死語)のファッションとか、風俗的にいちいち時代を感じさせるが、当時としては少しは刺激的だったのかもしれない妊娠とか覚醒剤といった基本は大して変わっておらず、というかお定まりで、どうにもかったるい。

当時とすると「サード」などで見せた森下愛子の脱ぎっぷりの良さに客寄せを期待したのではないか。その点はまあまあなのだけれど、撮り方が妙に遠慮している。
GyaOもDVDでも出ていない珍しいのをよくやったね。
(☆☆★★)


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goo映画 - 十代 恵子の場合

ウォーク・ザ・ライン 君につづく道

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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「40回も断られた」末のクライマックスの舞台上のプロポーズで、彼女がイエスと言ってやっとわーっとなるまで観客のリアクションがろくに入っていないというのは「人間の証明」じゃあるまいし、ずいぶんな手落ち。主役二人が吹き替えなしというのはアメリカ映画としてはむしろ当然だけれど、演出はコンサートの観客の反応のライブ感に無頓着。
他に仲の悪い父親との関係がどうなったのか、「刑務所」がどんな意味を持つのか、といった大事なところが曖昧だったりで、なんだかシマらない。

「コップランド」もそうだけれど、この監督(ジェームズ・マンゴールド)、題材選びとキャスティングの段階で安心してしまっているのではないか。
(☆☆☆)


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goo映画 - ウォーク・ザ・ライン 君につづく道

善き人のためのソナタ

アルバトロス

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モチーフもキャラクターもいいのだけれど、ラスト近くのサプライズから逆算したみたいな作りがちょっとひっかかる。出だしからの展開のロジックとラストからの逆算とがすれ違い気味で、オープニングの冷徹な盗聴者のキャラクター(この描写は見事)がどこで変化したのか、が抜けてしまい、堅苦しい演出タッチの割に甘さが混じる。ちょっと残念。
封筒のノリを湯気でふやかして開ける専用の道具なんてのが出てくるのがなんだか面白い。
(☆☆☆★★)


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善き人のためのソナタ - goo 映画


原題は‘Movie Movie’で、1978年製作というから、もう30年も前の映画。
監督のスタンリー・ドーネンは1924年生まれで、「雨に唄えば」('52)「略奪された七人の花嫁」('55)などを作っていた全盛期に得意としたミュージカルと、同じ50年代にはやったボクシング映画の再生産を狙って二本立てという趣向にしたものなのだけれど、さらにそれから30年も経つとこれ自体が時代ものになってしまっていて、わかりきった内容なのでテンポを早めたのは良かったけれど、全盛期の活力は当然乏しい。
これだったら、本物の50年代の映画を見た方がいい。この頃はホームビデオがなかったから、昔の映画の再生産ものの意義も違っていたのだろう。
ジャンルはまったく違うが「グラインドハウス」が、過剰なくらい昔のB級映画の「真似」だったのに対して、これは実際に当時の作り手でもあった作者を含めたリバイバル。
(☆☆☆)


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goo映画 - ブルックリン物語

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サイドカーに犬

ポニーキャニオン

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竹内結子が中村獅堂と離婚して(正式に別れる前だが)ハジけた感じになったのが役に良く合った。
脇の人物が根岸吉太郎らしいきっちりした楷書体の描写で、大人の目から見るとおとなしすぎる感じはするけれど、子供の目から見て不安をかきたてられる感じはきっちり出ている。

ケータイもパソコンもない時代(80年代)というのが大して昔でもないのにすごく昔のような感じがする。
今の時代を20年後に回顧したらどういう風に見えるのだろう。
(☆☆☆★)


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インランド・エンパイア 通常版

角川エンタテインメント

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映画の内容そっちのけで5.1chから9.1ch(らしきもの)にした音響効果の確認ばかりしていた。
それでちょうどいいみたい。内容が「わかる」とは期待していないし、デヴィッド・リンチの映画らしく音の作りに手がかかっているのは確か。

音の布を張り合わせた現代美術というか、現実的な音場を再現しようとしているのではなくて、ある瞬間にいきなり音の素が充満して空間の質を変える、とでもいった音の設計。逆に音がない場面でも沈黙自体がひとつの質感を持っている。


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紀子の食卓

ジェネオン エンタテインメント

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同じ園子温監督の「自殺サークル」の続編ということで、54人の女子高生が新宿駅のホームから飛び降りて一度に自殺するシーンが唐突に出て来てこれがあとの展開にどう絡むのかと思うと、ストーリーが始まる前の前提ということらしくて、あまり発展はしない。

長尺だが、各章でそれぞれ違う人物の主観とナレーションで運ぶ工夫をしていて、描写が時間的に前後するだけでなくさまざまな視点を多角的に行き来するのが面白く飽きさせず、大きな物語のうねりにも富んでいる。
殺し場に「バラが咲いた」の歌が流れる対位法的効果。

レンタル家族という荒唐無稽のようでありそうなモチーフ。
いったん崩壊した家族がぐるっと迂回して「芝居」の場で再現される面白さ。

吹石一恵が大きな身体を生かした映画向きの風情と繊細な感情表現の両方を出した。
(☆☆☆★)


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あおげば尊し

東宝

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身近に人の死を見ることがなくなってネットなどを通じて変な具合に死体に興味を持ったりしている小学生の教師が、自宅介護している自分の父親の姿を見せ、世話もさせることで、子供が頭の中だけでこねくりまわしていた死ぬこと生きることを具体な人のありようとして教える。
同僚の教師たちが妙に問題になるのではないかと、臭いものに蓋式の対応をしているのがリアル。

「病院で死ぬということ」あたりとも通じるモチーフで、お話映画ではなくて人間の体を含めて物自体の存在感を丹念に見せていく映像感覚が魅力。
だから、嫌われるタイプの教師だったという父親の葬儀に大勢の教え子が集まって「あおげば尊し」を歌うといういきなり話にオチをつけるようなラストは浮いている。

やや疑問なのは、「介護」という行為あるいはそれを事実上強制している社会制度自体が、いつまでも生きることを引き伸ばして死から目をそらし、ここで子供たちをおかしくしている「空気」の表れそのもので、死(とそれから生)を本当に見つめる行為ではないのではないか、と思えること。
(☆☆☆★)


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エリザベス

ソニー・ピクチャーズエンタテイメント

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全編、洞窟の中で撮ったかのように暗い画面の連続。当時の王宮の中というのは実際ああいう具合だったのだろうが、残虐な場面も多いし、ちょっと息苦しい。ラストでまばゆいばかりの光を背負って王座に着くエリザベスの姿が、続編の「ゴールデン・エイジ」だと全編うって変わって華やかになるわけだろう。

今見ると、役者たちが出世した分、映画も格が上がって見える。
ダニエル・クレイグが出てくるのにびっくり。調べてみると、日本公開された劇場用映画だとこれが初出演作らしい。
(☆☆☆★)



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この映画のシナリオの作者は「羅生門」を参考にしたというが、同じ時間帯を巻き戻しては繰り返し少しづつずらして重ねていくところは確かに「羅生門」だが、それぞれの「証言」が整合していることにおいて、どちらかというと「現金に体を張れ」に近い構成。

「現金…」が弦楽四重奏なら、これはフルオーケストラといった観で、スケールとヴォリュームがさすがにアメリカ映画的な見ものだし、繰り返しのうちにだんだん小出しに新展開を盛り込んでいるのもうまい。
後で考え直すと「24」的にいくらなんでもといったところもかなりあるのだが、勢いで見せ切ってラストでかちっと「決まる」のは近来珍しい快感。

舞台をヨーロッパとイスラムの狭間であるところのスペインに置いたのもチエがある。
(☆☆☆★★)


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goo映画 - バンテージ・ポイント

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