「離れがひっかからないように」、「抉れてこないように」、もっと弦道を浅くしてほしいと言われることがあります。
 弦道を浅くというと、帽子の先端に弦枕をもっていくという意味でも使われますが、ここでは弦枕を低くというような意味です。
 
 「離れが引っかからないように」、「離れが出やすくするために」、ということなら、
中仕掛けの弦道にかかる部分を太くすれば、弦枕を低くするのと同じ効果が得られます。
    
 基本的には、カケを握ってしまっているなど引き方の問題が大きいように思うのですが、弦が細くなったという話もあります。
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 丈夫な繊維を使うようになって弦が細くなった、あるいは、弓力が弱くなって細い弦を使うようになった。
 いずれにせよ、弦が細くなり、その煽りを受けて中仕掛けも細くなったというのはなかなか興味深いのですが、真偽は定かではありません。
 
 中仕掛けはみなさん作りなれているものだと思いますし、太くするのも細くするのも自由自在。
 太くしすぎて暴発してしまったら細くすればいいだけですから、実に確実で、安全で、簡便で、微妙な調整が可能で、すぐに出来る、たいへん優れた方法だと思います。
 また、中仕掛けを太くすると、弦道が抉れてくるということも防げます。
 
 中仕掛けには二つの部分があると考えていただき、矢を番える部分、弦道に引っかかる部分、それぞれ太さを調整していただくのが良いかと思います。
 一定の太さに統一したいということであれば、私的には、弦道にひっかかる部分を優先して、筈を交換、あるいは削ってほしいなと思うところなのです。
 
 弦道の調整をするのがやぶさかなわけではないのですが、弦枕を低くということであれば、まずは中仕掛けで調整されることをお薦めします。鏝を当てたり、弦枕をさわるのはそれからで良いのではないでしょうか。