修理を依頼されるときには、ユガケ部品の名称を知っておくと何かと便利だと思います。 各地の弓具店さんとの長年のやり取りを踏まえて、平均的かつ一般的と思うところをまとめてみました。


ピンク色 : 腹革
使用例:腹革を交換してください。
黄色 : 捻り革
緑色 : 頭革、あるいは、帽子革
親指が入る木をくり抜いた物を頭と言いうことから、それに被せる革を頭革と呼びます。もう一つ、頭に被るものは帽子ということだと思うのですが、帽子革という呼び方もあります。
社内および弓具店さんでは頭革という呼び方がメジャーだと思いますが、一般の方々には帽子革の方が馴染みがあるのでしょうか。
細かいことを言いだせば、「頭の向き」という意味で「帽子の向き」という言い方をするのはちょっとおかしいような気がします。
使用例:頭革がすり減ってきたけど、革を貼ろうか、交換しようか。
青 : あて革
製造工程由来の言葉です。
修理を依頼する時にはたいてい頭革(帽子革)に含まれていますので、単独で使われることは滅多にありません。
ネズミ色 : 控革、あるいは、控
親指の付け根付近(腰革まわり)にU字状の縫い目が入りますが一体のものです。
「控」と言うと写真ではネズミ色の鹿革+その下にある牛革+その下の台革、というユガケの部分を指すことが多いと思います。控革と控に関しては、以下の使用例のように、控革を部品名とし、控をユガケの部分名として使用するのが良いのではないでしょうか。
ちなみに加藤弓具店では、控え革の下に入っている牛革部分を芯革と呼んでいます。
使用例:印伝の控革って、派手かな?
使用例:控えの硬いユガケってどうなの? 好き好きだね。
白 : 継ぎ紐、あるいは、小紐。
社内的には継ぎ紐ですが、弓道書などでは小紐ですね。
使用例:継ぎ紐が根元で切れしまったので、挿し直してください。

黒 : チ、あるいは、千。紐通しでも伝わります。
写真のおにぎり状の形をした部分を指し、紐を通すところです。チと呼びますが、漢字で千と書いても大丈夫です。乳も使われますが、もうひとつかっこ良くないのと字画が多いので私は使いません。
使用例 :チが切れてしまったので、交換してください。
紫 : 縁
へり、と呼びます。普通は上の写真のような三分縁になります。ふくりん、という呼び方をされる弓具店さんもあるのですが、言いにくいので個人的には縁がお薦めです。
使用例 : 総縁よりも三分縁の方がバランスが良いような気がします。
今さらのように名称、呼称について書いたのは、包み革という表現を止めてはどうかと思うからです。
全国の弓具店さんから修理の依頼をいただくのですが、しばしば「包み革交換」と書いてある場合があります。
この包み革、私は頭革だと思うのですが、人によっては捻り革を指していたり、腹革を指していたり、あて革を指していたり、全く意味を成しません。
今さら包み革を再定義するのは無理だと思いますし、他の言葉で十分用は足りますので、修理の時は包み革以外の表現を使われることをお薦めします。
