「リベラル」が招く「日本の危機」

悪意ある国に囲まれて、危機迫る日本。元通信社編集委員のジャーナリストの読書感想、国際関係・憲法・マスメディアなどについての草莽のコラムです。

◎ODA幻想=対中国政策の大失態―古森義久著★2019年10月発売【書評】

古森義久著
海竜社
2019年10月発売


【推薦度】★★★★


 2018年10月、日本政府が40年近く計3兆6千億円の公費の投入した中国への政府開発援助(ODA)の終わりを宣言した。しかし、これが何をもたらしたのか、その事後検証がまったく見られないために、国際ジャーナリストの著者がその結果をまとめたもの。著者には2002年にPHP新書で発刊された「ODA再考)があるが、その続編といもいうべきものだろう。


 「中国ODAは戦後最大級の大失態」というのが本書の結論だ。「日中友好」をうたい、中国への経済援助として長く続けられてきたが、内実は中国人民に日本の資金・技術供与が認知も感謝もされないばかりか、軍事面では日本からの資金が中国政府に軍拡の余裕を与えただけでなく、日本の援助でできた空港や鉄道、高速道路の軍事的価値の高さを中国軍幹部は堂々と論文で発表していたという。


 中国政府がODAのために対日友好を増した証拠は皆無であり、逆にODAが巨額になった1990年代をみても、「抗日」の名の下に日本への敵意を自国民にあおる共産党政権の宣伝や教育は激しかったと論じている。


 また、その中国がいまや国際規範に背を向けて覇権を広げ、日本の領土をも脅かす異形の強大国家となり、日本の対中ODAはそんな覇権志向強国の出現に寄与したと指摘する。


 かってレーニンは「資本家は自分の首を絞めるロープまで売る」と広言したが、日本国民は血税で自国への軍事脅威となるモンスターを育てた愚か者ということになる。


 それにしても中国へのODAについては、ほとんどのメディアも取り上げないことから、国民はその実態を知らされていない。真逆の結果を生んだのは何故か、日本政府も「総括」をして、その結果を国民に明らかにすべきではないかと思う。米国は「関与政策」の失敗を潔く認め、対中外交を劇的に転換したではないか。


 とにかく、外務省のODAについての姿勢は「でたらめ、無責任の歴史」ということがよく分かる書である。

◎マスクがない=開店前からドラグストアに並ぶお年寄り

 中国・武漢から世界的に感染が拡大した新型コロナウイルス渦で、マスクが品薄というか、店頭にまったく見当たらない日が続いています。


 先日、大半のお店が開店する午前10時少し前に商店街を通っていたら、ドラグストアの前に行列を発見。それも60代以上とみられる高齢者が大半で、なにごとかと思っていたら、思い出したのが新型コロナウイルス。ああそうか「マスク買いか」と通り過ごしたら、その先のドラグストアでもやっぱり同様の行列をみました。


 その他、百円ショップなどでも「お一人様○個限定」とのお知らせが貼ってありましたが、現実は入荷してもほんのわずかで、瞬足で売り切れてしまうそうです。


 新コロナウイルスへの恐怖感からなのでしょうが、メディア、とりわけテレビのワイドショウなどで品不足をあおる情報が繰り返し続いたをことを考えるとこういう事態を招致するのはわかりきったことです。過去、何度も同じような事態を招いたことについての反省がまったく欠けており、「懲りない」「学習効果がない」報道姿勢は一向に改善されません。伝えても「大量買いは正しくない」ということも伝えないと、品不足は続くばかりです。


 政府はさしあたって、国内企業での24時間の生産体制などにより、例年の倍以上の1億枚を供給しているとし、3月からは月産6億枚の供給が可能となるようにさらなる増産を働きかけているといいますが、それで状況が解消されるとは思えません。6億枚を人口割りすると、赤ちゃんを含めても1人当たり月6枚にしかなりません。この花粉症の時期にですよ。


 高額転売を目的に大量購入する人は「反社会的行為」であり、国内で深刻なマスク不足を招いているのに、中国に大量のマスクを寄贈した団体・自治体・個人もどういう神経をしているのでしょうか。同罪です。その分だけ国内に出回らないのですから。


 17日に、鳩山由紀夫元首相が、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中国に100万枚のマスクを送ったことを報告、「日本のマスクの流通に影響が出ることはないのでご安心下さい」と説明したというニュースが流れていましたが、量もさることながら、どこの国で製造されたマスクを送ったのでしょうか、発言を裏付ける原産地証明を明らかにすべきでしょう。

◎中国への“忖度”外交で新コロナ水際作戦が失敗?=時事通信報道は事実なのか

 中国・武漢に端を発した新コロナウイルス渦は、その後アジア地域を中心に世界的に感染者が拡大し、日本の国内感染者は18日午後8時現在で615人(うちクルーズ船542人)に達し、さらに拡大が予想されています。


 国内感染者が大きく増えたのは、水際作戦の失敗だ―。事態を小さく見せようとし、中国人旅行者の入国全面禁止など強い措置を取らなかったことについて、与党内からも批判の声が出ています。


 なぜもっと強い防疫措置を取らなかったのか。その原因について興味深い記事が時事ドットコムで流れていました。


 その記事は19日に配信された「政府、広がる批判に焦り 『水際で失敗』、支持率に影―新型肺炎」と題する記事です。その中に、「 政府関係者によると、習近平国家主席の国賓来日を控えて中国側から「大ごとにしないでほしい」と要請があったといい、これも後手に回った要因だとみられる。」との一文がありました。


 つまりは、安倍政権の対中国“忖度”外交が原因の一つと記者は推測しているわけです。もちろん他の原因もあるのでしょうが、政府の意向は行政当局の姿勢に強く反映されるのですから、これは聞き捨てならぬ話です。記者も何人かの関係者の裏取りをして、ミスリードではないという確信から文字化したはずです。


 でも、ことがことだけに、それが事実とすれば重大事です。対中外交のために、国民の生命・財産が危機にさらされているということですから、安倍政権の大失態ということになりかねません。


 真実はどうなのか、政府も事実関係を明らかにすべきではないでしょうか。


 時事通信の配信記事は、https://www.jiji.com/jc/article?k=2020021800962&g=po です

◎米国が新華社などを「中国の宣伝機関」と認定=“負け馬 ”に乗るバカはいない

  米国の中国メディアに対する規制はさらに強化されているようです。日本メディアはその状況をほとんど伝えませんが、大手メディアとしては珍しく時事通信と日経新聞が19日付けで「報道5社を『中国の宣伝機関』認定 雇用・資産の報告義務付け」などと報じていました。


 本サイトでも昨年8月に「 これは異常だろう=NHK本社内に鎮座する中国共産党支配下の中国中央電視台(CCTV)」との記事を掲載しましたが、今回のニュースによると5社が報道機関としての扱いを取り消され、米国への工作活動をしかけている「中国共産党のプロパガンダ機関」と認定されたわけです。ちなみに今回認定された5社のうちのCGTNは、CCTVが所有、運営するテレビネットワークです。


 中国は、軍事力強化の一方で、「情報戦」を仕掛ける取り組みを世界規模で拡大・強化しています。これに対して米国などでは警戒が強まり規制が行われているのに、日本は何ともノー天気。警戒心がないどころか、東京・渋谷のNHK本社内に中国共産党支配下のCCTVがあるのですから呆れます。皆さまの受信料で運営する公共放送・NHKが「プロパガンダ機関」さらに言えば「諜報機関」と同居しているというのは誰が考えても異常です。


 安倍政権も東京五輪のためなのか、あまりの中国寄りのスタンスに保守陣営からも強い批判が出始めました。それにしても、中国国内での「人権」問題などを知らぬふりしている政界やカネ儲けばかりしか頭にない経済界、リベラルのふりしているメディアの一部の親中スタンスはいかがなものか。米国はトランプ政権だけではなく超党派で議会も含め中国共産党との対決姿勢を強めているのですから、これから何年も続くこの米中戦争で“負け馬 ”にすり寄るバカはいないと思ったら、日本にはそれがいるから困ったものです。


▽以下は19日付けの時事通信ニュースです。


◎報道5社を「中国の宣伝機関」認定 雇用・資産の報告義務付け―米


 【ワシントン時事】米政府は18日、中国国営新華社通信などメディア5社について「中国当局の宣伝機関」と見なし、雇用や資産に関する報告を義務付ける方針を決めた。米国務省の資料や当局者の話に基づき、FOXニュースなどが報じた。
 対象となるのは新華社のほか、中国国営の外国語放送CGTN、中国共産党系の英字紙チャイナ・デーリーなど。米国内にある外国の大使館や総領事館と同様、従業員一覧や新規雇用・解雇、資産に関する報告を義務付ける。新たに資産を所有または賃借する場合、事前承認が必要になる。
 国務省高官はロイター通信に「習近平(中国国家主席)政権になって、メディア統制は強化の一途をたどっている」と指摘。新方針を適用する5社が「事実上、中国共産党の宣伝部門と化している」と述べた。


◎これは異常だろう=NHK本社内に鎮座する中国共産党支配下のCCTV
               http://blog.livedoor.jp/kawa1948-syohyou/archives/55754810.html

◎反日種族主義=日韓危機の根源―李栄薫編著★2019年11月発売【書評】

李栄薫編著
文芸春秋社刊
2019年11月発売


【推薦度】★★★


 再読。李栄薫ソウル大学名誉教授が所長を務める落星台経済研究所所属の6人の学者が、韓国の歴史歪曲を糾弾した。韓国で十数万部、日本でも30万部を突破し、日韓の歴史問題注目のベストセラーだという。


 2018 年 12 月より「李承晩テレビ」で 45 回にわたる連続講座を行い、慰安婦問題や徴用工問題について、当時の統計や文書などの1次資料を基に、韓国の歴史学会の歪んだ反日歴史観 を論破している。本書は、それを整理して発刊されたそうだ。ちなみに、同テレビの日本向けサイトはhttp://www.venus.dti.ne.jp/~inoue-m/el_isunmantv.htmlで、字幕で日本語訳がなされている。少し頼りない和訳ではあるが。


  「種族主義」とは、韓国という国家が未だに近代市民社会を形成するに至っておらず、種族間の敵対感情をベースとする民族主義にとどまっているということ。つまり韓国人の「反日主義」は民族主義からかけ離れた朝鮮文化に根 付いているシャーマニズムやトーテミズムの世界をベースにした民族主義に他ならないという。


 この価値観を支えるものは、「うそ」の歴史観。慰安婦問題や徴用工問題などはその典型例で、歴史的事実に目をつぶったというより、極度の歪曲した「反日」を主張しているために、正常な対話が全く成り立たないことを事実に基づき論証している。


  とにかく、何ら遠慮なく、歴史的事実がそのままストレートに書かれており、多少くどい部分もあるが、分りやすく説得力がある。



◎日本統治下の朝鮮=木村光彦著【書評】
       http://blog.livedoor.jp/kawa1948-syohyou/archives/53536679.html
◎「日本の朝鮮統治」を検証する1910-1945=ジョージ・アキタ、ブランドン・パーマー著[書評]
    http://blog.livedoor.jp/kawa1948-syohyou/archives/48710688.html
記事検索
記事検索
読者登録
LINE読者登録QRコード
プロフィール

まきちゃん

タグクラウド
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ