今回は、地元川越限定の少し真面目な話題です。来年1月に川越市長選挙が行われますが、前回と同様に、現職の川合市長が無投票当選となる雲行きとなりました。いろいろな問題を抱える人口35万人の都市としては、2回連続無投票という“汚名”は避けるべきだと思いますが…。
先陣を切って出馬を名乗り出て選挙運動を行っていた元民主党参議院議員の山根隆治氏がこの28日に、急に「健康上の問題」を理由に出馬を取りやめました。かなり目立つた選挙活動をしていただけに、名乗りを上げる前に健康チェックを怠ったとは驚きです。出馬をうわさされている県議もいるのですが、今のところ音なしで、このままだと誰も対立候補がないことになります。
では、それほど現職の市長は2期、8年の間に優れた実績を残したのかと言えば、疑問だらけです。それなのに、もう1期、計12年もやるのはウンザリという市民も多いと思いますが、誰も立候補しないならどうにもなりません。
現職の川合市長は、市政に望む基本姿勢に「改革」「公正」「公開」の3つの柱を掲げてきましたが、この8年間を総括するとどうだったのでしょうか。
行政面では、川合市長が実績として自慢する施策の多くは前職の市長時代に考え出され、その路線に惰性的に乗っかかっただけというのが政治通の見方で、「改革」の姿勢はみられないと言います。例えば、週末には大混雑する蔵の街・一番街の交通規制問題です。いろいろと交通規制のテストを行った結果、一方通行を決めたものの住民の声を反映したものでなかったために総反発をくい、結局は何もせずそのまま放置しています。「決断」ができない政治の典型例です。観光面でも、たいした価値もない建物を伝統的建造物と称して購入し、その維持管理費がかさむばかりという収支計算無視の典型的なハコモノ行政で、税金の無駄遣いです。
政治姿勢の面では、東京都の桝添知事のように、公用車の私的利用を市議会で指摘されたり、後援会役員懇親会などでの収支不足分を後援会費でまかない、買収と取られかねないとして川越市議会から「市長に説明責任と猛省を求める決議」を可決されるような問題行動がありました。
また、市政の私物化のような問題も浮上しています。この11月に、市民グループがさいたま地方検察庁に河合市長を親密な関係にある地区後援会会長が経営する会社に便宜を図ったとして、官製談合防止法、都市計画法違反で告発したことが報じられました。この問題、市議会ではごく一部の市議が取り上げただけで、大半は沈黙です。真実を明らかにする姿勢に欠けた市議会にも呆れ果てます。市長が市長ならそれをチェックすべき市議会も機能不全の市議会です。こんなことだから誰も市政に関心を持たず、投票率が超低率なのも分かります。
最初に記したように、対立候補がないままこのままいくのかどうか、政治は一寸先は闇と言いますから予測不可能ですが、最低限、対立候補が政策を掲げて出馬し、選挙が行われて欲しいものです。ひょっとすると、共産党辺りから誰か出馬するのかな―。“玉”次第ではチャンスかもしれません。