自称「リベラル」を名乗る日本の「反日左翼」

悪意ある国に囲まれて、危機迫る日本。元通信社編集委員のジャーナリストの読書感想、国際関係・憲法・マスメディアなどについての草莽のコラムです。

2018年01月

◎「ポスト・グローバル時代」の地政学=杉田弘毅著【書評】

杉田弘毅著
新潮社刊(選書)
2017年/11月発売


【推薦度】★★★


 著者は、共同通信社論説委員長。著者によると、今の国際情勢を「地政学」と人々が抱く「怒り」という二つの視点から分析し、将来を予測したとあった。大国の動きなどを地政学的に分析したものかと思っていたら、大半は「怒り」に関する内容で、地政学に関する部分はごく一部で、期待外れだった。


 ただ、トランプ大統領の誕生を契機に、自由や人権、民主主義という理念を重視する「価値観外交」が終えんし、取り引きで「実利」を重視したり、大国が自らの国家のパワーをむき出しにして覇権を狙う時代に入ったという認識には共感する。


 こうした中で、日本はどう対応していくのか、著者は「中国のグローバリズムの中で生きていくという道も積極手的に進むべきだ。中国の体制に変化を促すという政治面の効果も見込める」としているが、果たしてどうだろうか。中国の外交は外部要因よりも内政を色濃く反映したのが特徴である上に、そもそも日本には中国に影響を及ぼすようなパワーも不足。それ以前に、この論理はすでに破綻した論理であることは歴史が証明しているではないか。あまりにもノー天気すぎるのが気になる。

◎韓国は在韓邦人を人間の盾にする!?

 北朝鮮の核ミサイル開発をめぐる国際的な緊張は高まるばかりです。取りあえずは、米トランプ政権が平昌五輪期間中の軍事行動停止に同意しましたが、その後の米韓合同軍事演習は実施する構えで、「演習からそのまま実戦に移行するのではないか」という観測もあり、閉会後の3月18日以降は、何が起きてもおかしくない状況と言われています。


 その一方で、韓国・文政権はますます「従北」の姿勢が露骨になり、慰安婦問題などでの歴史問題で、「反日」姿勢も強まるばかりです。


 ところで朝鮮有事の場合に、日本にとって最も重要な問題は6万人に上る在韓邦人の待避問題です。ところが、韓国側は自衛隊の韓国上陸や港への自衛艦接岸を容認しておらず、安倍首相はオリンピック訪韓時の首脳会談で慰安婦問題での日本の毅然とした態度を伝えるとともに、文大統領に直接、有事の自衛隊受け入れを求めるだろうと推測されています。


 さて、結果は、どうなるでようか。試されるのは文政権です。日本の要請を断るなら事実上、日本人を「人間の盾」として使う思惑があるとみるのが常識的な見方です。「人間の盾」として使うことで、米軍の軍事力行使のブレーキとなるわけですから。


 文政権は、北朝鮮包囲網の一員としても、まったく信頼できません。日本の要請を断れば、ハッキリと「敵性国家」として位置付けて、安全保障政策の全面見直しとともに、それなりの政治・経済制裁を講じるべきです。既に、韓国と日米の亀裂は明白なのですから、日本としての毅然とした姿勢を示しても状況はさほど悪化しないでしょう。困るのは韓国であり、日本は誤ったシグナルを送るべきではありません。

◎結局、トランプのアメリカとは何なのか=高濱賛著【書評】

高濱賛著
海竜社発売
2017年11月刊


【推薦度】★★★


 元読売新聞記者で、カリフォルニアに在住する著者が、トランプ政権誕生の経緯や側近、現在進行中のロシアンゲート疑惑、北朝鮮情勢、トランプ政権崩壊のシナリオ、トランプ以降のアメリカ社会などについてリポートした本。Q&A方式なので、分かりやすい。


 トランプ政権誕生のバックグランドには、将来的に有色人種の人口が白人を上回り、自分たちがマジョリティからマイノリティに転落するという恐れを感じていることがあると著者は指摘している。つまりは「人種」問題だというわけだが、果たしてそうなのか。投票前までによく言われていたトランプ氏の支持層は「白人低所得者層」というのが誤りであったように、うがち過ぎではなかろうか。


 本書の内容は他の著者によっても明らかになっているものがほとんどで、目新しい内容があまりないのが物足りない。もう少し突っ込んだ情報があればよかったし、トランプ政権が誕生してほぼ1年も経過しているのだから、政権の公約の履行状況や米国経済の状況などについても触れるべきではなかったか。反トランプの米国大手メディアのコピー情報が日本でもやたらとあふれているので、なおさらそう思うが…。


      ◎ルポ   トランプ王国=もう一つのアメリカを行く―金成隆一著【書評】
              http://blog.livedoor.jp/kawa1948-syohyou/archives/50766922.html
      ◎マスコミが報じないトランプ台頭の秘密=江崎道朗著【書評】
               http://blog.livedoor.jp/kawa1948-syohyou/archives/50529907.html
      ◎THE TRUMP=傷ついたアメリカ、最強の切り札―ドナルド ・ J ・ トランプ著【書評】
              http://blog.livedoor.jp/kawa1948-syohyou/archives/50474778.html

◎三笠宮と東條英機暗殺計画=極秘証言から昭和史の謎に迫る―加藤康男著【書評】

加藤康男著
PHP研究所(新書)
2017年1月発売


【推薦度】★★★


 昭和19年に日本が絶対国防圏と定めたサイパン陥落で、時の首相と陸相、参謀総長を兼ねる東條英樹への批判が巻き起こった。そうした最中、海軍や陸軍の一部軍人、近衛文麿らによる皇族をも巻き込んだ東条暗殺計画があったことはよく知られている。


 結局は東条内閣の退陣で、いずれの暗殺計画も実行には至らず不発となったが、本書はその一連の推移を渦中にあった三笠宮の12時間のインタビューを中心に据えてその謎を解き明かし、歴史の闇に迫っている。


 昭和天皇が「筋を通す」ことにこだわり過ぎず、より多くの要人の話しも聞くタイプの人であったなら、正確な戦況を把握でき、もっと早く和平に向けての打開策が講じられたのではないか、と改めて感じた。
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