かわべり日記

今は航空関連の記事が多いですが、元々は単なる日記です。

エンブラエルEー2とMRJの大きな違いとは? MRJは紳士の国で受け入れられないのか?

 MRJが度重なる計画の遅延で、未だ型式証明取得で道半ばといった状態の中、計画スタートした同規模の航空機であるエンブラエルE2は型式証明も性能試験も想定以上に順調だそうだ。

E190-E2試験飛行、想定した仕様を上回る良好なデータ 近く型式証明 | FlyTeam ニュースhttps://flyteam.jp/news/article/89559

 日本のニュースではエンブラエルE2あたりがMRJのライバルと書かれているが、MRJはコンセプトを間違えてしまったので、MRJはまず南米やヨーロッパで売れないだろう。
 リージョナルジェット重要だったコンセプトと言えば何か?それは、プロペラ機やB737やA320では難しい路線開拓。そして座席数が多めに用意しても問題ない路線。A320より経済性が悪いので、出来れば単価が高い路線。代表的なのはロンドン・シティ空港(LCY)だろう。最もロンドンシティに近い空港でロンドンシティのバンク駅からライトメトロDRLで一本で行けるそうだ。
 ロンドン・シティ空港(LCY)は、他のロンドン近郊の空港より、空港へのアクセス費用が安いため、多少値段が高くても航空券が売れる。機材に求められる性能は、滑走路が1500mと短く、急角度での降下が必要となる。1300m台で着陸できる性能が必要だ。かつてLCYではBAe146が最大の航空機であった。これは設計が元々軍用機仕様で、急角度での降下やSTOLに対して対応していたからである。
 当然にして最近の設計のリージョナルジェットはここに対応するようにしており、

ボンバルディアCシリーズは、ロンドンシティ空港対応をかなりアピールしている。

一方、エンブラエルEJは2009ごろからテスト済みで、現在はBAe146に代わってロンドンシティ空港最大勢力となった。

 ヨーロッパで全くMRJは売れそうな状況でなくなってしまい、北米と日本以外でマトモな値段で買う人は無いと思われる。となると、ODAとして売るみたいな感じになるだろうか?今更ながら設計の差でリージョナルジェット機として魅力が少ない機体というか、プロジェクトの途中で誰も気づかなかったのか疑問である。
 アメリカでは可能性は残っていると言われているのは、スコープ・クローズという規定があるからで、ただ単なる労使協約ではないものの、他の国にはない条項であることは確かである。Wikipediaの記事として日本語と英語でのみ記事にされてる。遅れに遅れたMRJの関係者が強く主張したため日本で有名になったことも事実である。ようするに海外でもMRJが売れるという最後の砦なのだ。
 
 ここまでに記事は後知恵もいいところだよねと言われそうだが、実は大半は2008年ごろから言われている。

当時はまだBAがERJ190の導入前であったにも関わらず、(ただ、ERJ170は乗入開始していたようだ。)概ね最終的には上のリンク元の一言を引用したい。
ちなみにMRJのおらの感想だが..
営業と技術のバランスが取れてない機体。

売れないのは実績の無さ。
省エネと技術で勝負した
過去の目新しい飛行機の販売は..ほぼ失敗している。
なんで最初は軍用仕様で実績を作れなかったのか.

 とは言え、MRJは失敗に終わる可能性は高いにしても、JALがキャンセルしない限りは50機ぐらいは売れるのである。(個人的にはJALも一部キャンセルの可能性は高いように思えるが。)
 ダッソーメルキュールとかVFW614と比べてなんと幸せなことだろうか?と思うしかないのかもしれない。

エア奄美は解散するそうです。

このブログをある種のキーワードで検索されて方はご存知だとは思うが、新規航空会社エア奄美が解散するニュースが流れた。
エア奄美は、2016年5月20日設立。関西と鹿児島、那覇と奄美群島を結ぶ「地域創生型LCC」を目指していた。同社によると、出資者の資産売却による資金調達が、計画通り進まなかったことから、今月中旬に解散を決めたという。
 個人的には去年の5月に東京事務所(事実上のヘッドオフィス)が8人くらいしか仕事できなさそうな狭い場所から、ソコソコの広さを持つ現在地に移転したところで、機材を決めて本社移転すれば、運行まで漕ぎ着けるかも?と思っていたので、今の時期はやや意外であった。(本社は鹿児島県天城町内ではあるが、住所的にどう考えても建設会社の空きスペースに間借りした連絡所という感じでした。恐らくは運行開始時に徳之島空港内に移転するのが妥当でしょうから。)
 さて、解散に至った理由を資金調達(カネ)に求めているが、他にもあるかと思われる。

(ヒト)
 現在、奄美群島路線を運行してるのは日本エアコミューター(JAC)であり、その株主は日本航空が60%で、残り40%が奄美市を筆頭とする奄美群島自治体。確か奄美市長はJACの取締役だったり、配当その他で貴重な財源と化している。
 自治体の後押しがないとこういった路線は存続が難しいのは現実である。せめて徳之島空港に関空からの直行便を運行する会社が現れるか、本社の設置自治体である天城町が一押しして出資してほしかった。またパイロット他の従業員数を考えても募集数は航空会社リンクの100人に届かない人数であり、要するにANAの人的な資源援助が無ければ、運行が不可能だったのでは無かろうか?

(モノ)
 まず機材調達するにあたり、資本金が3億円(日本エアコミューターと同金額だが、あちらは利益剰余金が多い。)というのは、金融機関とリース契約が難しく感じる額である。予定機材がQ400だったとすると、やはりANAウイングスからウェットリースをする予定だったのだろうか。自前でリース契約を結んだリンクは、23億円を調達しようとしていたが8億円で断念し破産した。エア奄美の場合、資本剰余金を含めて資本は多くて6億円。パイロット数から考えてもANAからのウェットリースでないと厳しい。
 もちろん、ANAからのウェットリースを決め付ける証拠は少ないのであるが今の時期に断念するならば可能性として2つある。
 1つはMRJの遅延である。もしもMRJが2017年に納入し、毎月二台以上ペース出荷しANAに毎月一台納めることが出来ていたら、2か018年後半にはQ400は5台は余った。一年遅れの2018年後半に納めていたとしても2つぐらいは余裕があったとおもわれる。今の状態だとANAとしてもMRJまでの繋ぎ機材を調達する必要もあるし、Q400からMRJへの変更での輸送力増により少し余るはずのパイロットも逆に厳しくなってしまった。
 2つ目がオリエンタルエアブリッジの苦境である。こちらは機材更新のタイミングが遅れてたこと。訓練中の事故で機材の修繕に時間と費用が大きくのしかかるようになり大きく赤字を計上している。去年からANAより路線譲渡を受けQ400をレンタルして運行している。この機材援助でANAの小型機の余力は少なくなってしまったのも一つであろう。
 要するに、ANAの援助が大きくは受けられない状態となり、自前で機材調達や自前でリース契約を結ぶ必要が出てきてリスクが高くなってきたこと。更にリスクに対し出資者(エア奄美会長井藤氏を含む徳之島財界人のほうですね)が尻込みしたり資金繰り悪化した可能性もある。

 ANAとして余ったものの再利用かつJAL系の独断場であった奄美群島路線を、地元資本の援助とバニラエアの成功の余派で切り崩せるという考えだったのだろうと思う。国内が全くANAの入る余地がなかった地域かつ航空運賃が高止まりした楽園でもある。

 航空会社で就航前訓練の直前に倒産したリンクやレキオス航空のように機体が出来てから倒産よりマシではあったのかもしれないが、この時期の解散というのは、計画についてANAに頼りすぎた可能性を指摘したい。
 

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