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* * * *
1.
さて、最新号の法律雑誌「法律時報」(日本評論社)では、「会社法改正をどう見るか」という小特集が組まれておりまして、3人の先生の論稿が掲載されているのですが、その中の1つに、江頭憲治郎先生のご執筆の「会社法改正によって日本の会社は変わらない」という、なかなか刺激的なタイトルの論稿が掲載されておりました(法律時報2014年10月号59頁以下)ので、早速読ませて頂きました(なお、他のお2人のご執筆者は、笠原武朗先生と稲葉威雄先生でした)。
で、読ませて頂いた感想は・・・。
いや~、こ、ここまでの内容を活字にしてしまってよろしいのでしょうか・・・。という程の、歯に衣着せぬ内容になっているように読めましたね。
2.
本稿は、冒頭から「そ、そこまで言っちゃいますか・・・」という程の、「過激な」(?)内容でスタートします(同号59頁)。
「第186回国会において、会社法の平成26年改正が実現した(平成26年法律第90号)。この改正の一つの特色は、従来会社法改正を取り仕切ってきた二大主要プレーヤー、すなわち、法務省事務当局と経済界(その中心は日本経済団体連合会)とが、ともに法改正にさほどの意欲を持たない中で改正作業がスタートした点である。
というのは、平成22年2月の法制審議会会社法制迂回の設置は、民主党政権下、法務大臣からの直接の指示によるものだったからである。(後略)」
うーむ・・・。弊職ごときには、コメントは不可能です(苦笑)。
(あと、同稿の注1)と2)の記載は更に「過激」なのですが、さすがにこの部分の引用はマズい気がするので控えます・・・。もっとも、これらの注に書かれている内容の御発言を以前、江頭先生がセミナーでお話しになっていたのは聞いたことがあるのですが。ただそれでもこのような内容を活字になされるというのは、なかなか凄い・・・。)
3.
(1)
最も、上記2で一部引用させて頂いた本稿の冒頭部分は、今回の会社法改正の議論において誰が主導的立場であったか、という、本稿の本題とは異なる話でありまして、本稿における江頭先生のご主張の実質的な「キモ」は、以下の内容であろう、と思っております(同号60頁)。
「会社のガバナンスが上手くいっていないからといって、会社法の規制を強化してもほとんど無意味であり、会社法が乗っている基盤(いわば「下部構造」)が変わらない限り日本の会社は変わらないというのが、筆者の認識である。下部構造の主要な構成要素は3つある。」
「第1は、株主、とりわけ機関投資家である。(後略)」
「第2は、経営者の養成・選抜システムである。(後略)」
「第3は、裁判所である。」
第3については、江頭先生は、以下のように文章を続けられます。
「第3は、裁判所である。日本の裁判所は、法的安定性を重視するため、特に会社事件では、プリンシプル型(原則主義型)の規制を嫌い、ルール型(細則主義型)の規制に固執する傾向がある。それによって、事件の本質的な問題が見失われる可能性がある。」
(2)
このうち、第1、第2については、江頭先生のご主張は良く理解できた(それに全面的に賛成するかどうかは別として)のですが、第3については、恥ずかしながら、先生のご主張自体が良く理解できませんでした。この点は本稿の最終頁にもう少し敷衍した御説明があるのですが、それでも今ひとつ理解できず・・・。まあでもこれは、私の勉強不足による可能性が高いのかもしれません。
(3)
本稿のタイトルである「会社法改正によって日本の会社は変わらない」の趣旨については、江頭先生は社外取締役設置に関する今回の会社法改正を題材として御説明されておりまして、こちらも大変興味深い内容になっておりますが、こちらは(本稿で江頭先生が最も丁寧にご主張されたい内容であると個人的には思いましたので)引用は割愛させて頂きます。
4.
以上、全体を通して、江頭先生のご主張は、必ずしも完全に腹オチした訳ではなく、不勉強のせいでご趣旨がつかめなかったものや、僭越ながら必ずしも同じ意見ではない箇所も一部ありましたが、日本の商法学界の第一人者とも言うべき江頭先生による、今回の改正会社法に対する「歯に衣着せぬ」ぶっちゃけたご主張には重みがあり、考えさせられる点がいくつもありましたね。
今回の会社法改正に関しては既に結構な数の論稿が発表されていますが、こういう観点からの論稿を見たのはおそらく初めてでしたので、色々と考える素材・視点を与えて頂いた気がいたしました。
なかなか刺激的な論稿ですので、会社法にご興味のある方々には、お読みになることをお薦めいたします。
それでは、本日はこんなところで・・・。
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